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2026-07-27 Mon
■ #6300. B&C の第65節 "The Application of Native Words to New Concepts" (1) --- Taku さんとの超精読会 [bchel][oe][borrowing][semantic_change][christianity][lexicology][latin][loan_word][link][voicy][heldio][anglo-saxon][history][helmate][helwa]
英語史の名著,Baugh and Cable のテキスト(第6版)を,helwa のメンバーと「超」精読していくシリーズです.先日土曜日の午後に開催された豊かな読書会の音声を,そのまま Voicy heldio でお届けします.いつものように helwa/heldio の盛り上げ役の Taku さんこと金田拓さん(帝京科学大学)に読書会をリードしていただいています.「#1884. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (65-1) with Taku さん --- helwa 北千住オフ会より」をお聴きください.
今回は,"The Application of Native Words to New Concepts" と題する節を読み始めています.前節までにみてきたように,古英語期にはラテン語からの借用語が多く流れ込んできました.しかし,ラテン語の影響の大きさはは,そのような直接の借用語だけをみているだけでは,正確につかめません.ラテン語は,英語本来語にも目に見えにくい間接的な影響を少なからず与えているのです.精読対象となった英文を以下に掲げます(Baugh and Cable, pp. 85--86).最初5文をじっくり読んでいきます.
The words that Old English borrowed in this period are only a partial indication of the extent to which the introduction of Christianity affected the lives and thoughts of the English people. The English did not always adopt a foreign word to express a new concept. Often an old word was applied to a new thing and by a slight adaptation made to express a new meaning. The Anglo-Saxons, for example, did not borrow the Latin word deus because their own word God was a satisfactory equivalent. Likewise, heaven and hell express conceptions not unknown to Anglo-Saxon paganism and are consequently English words.
この B&C 超精読シリーズの過去回は,すべてアーカイヴに保存されており,いつでもお聴きいただけます.「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]) にリンクがまとまっているので,ご参照ください.バックナンバーみ聴いた上で,この英語史の古典的テキストを一緒に読んでみたいという方は,ぜひ本書をお手元にご用意ください(最新版は第7版ですが,読書会では第6版を読み進めているので,ご注意ください).また,「超精読会に自分も加わりたい」という方は,ぜひ Voicy のプレミアムリスナー限定配信チャンネルである「英語史の輪 (helwa)」へお越しください.限りなく豊かな時間を過ごすことができます.

・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
2026-07-26 Sun
■ #6299. 2026度の朝カルシリーズ講座の初回(6月回)「ghost を探って古英語原文の世界へ」のまとめ [asacul][notice][hel_education][oe][oe_text][riddle][semantic_change][lexicology][synonym][spelling][gh][flemish][caxton][kochushoho][gvs][ghost_word][etymology]
1ヶ月ほど前のことになりますが,6月27日(土)に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて今年度の春期第3回(シリーズ通算第15回)となるオンライン講座を開きました.シリーズ全体のテーマは「歴史上もっとも不思議な英単語」です.今回は「ghost を探って古英語原文の世界へ」と題し,現代英語で「幽霊」を意味するお馴染みの単語 ghost の波乱に満ちた歴史を深掘りしました.参考テキストには,今期継続して活用している市河三喜・松浪有(著)『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』(研究社,2026年)を用い,古英語の原文のなかに生きる ghost の姿を味わいました.
今回の講座で大きく取り上げたのは,ghost の意味変化と名義変化です.現代でこそ「幽霊,死者の霊」という意味が主ですが,古英語の gāst は本来広く「生命の根源;魂,霊魂」全般を指す語でした.しかし,抽象的な「魂」の意味領域を本来語の soul やフランス借用語の spirit に譲り渡した結果,ghost は「恐ろしい死者の霊」という限られたニッチに押し込められることになりました.これに伴い,キリスト教の「聖霊」を意味する名称も,かつての Holy Ghost から,現代語訳聖書で一般的な Holy Spirit へと移り変わったのです.
発音と綴字の観点からも,ghost はきわめて興味深い変化を示してきました.発音面では,古英語の長母音 /ɑː/ (gāst)が,中英語を経て大母音推移をくぐり抜け,現代の2重母音 /oʊ/ に至るという規則的な発展を遂げています.
一方,不規則でミステリアスなのが綴字に見られる <gh> です.15世紀,イギリス近代印刷の父 William Caxton がフランドル地方から印刷術を導入した際,オランダ・フラマン系の印刷工たちが,自言語の gheest の綴字習慣を英語の gost に持ち込んだとされています.まさに「タイポグラフィーの幽霊」といえます.また,講義では文献学者 Walter W. Skeat による「幽霊語」 (ghost_word) の話題や,辞書盗用を防ぐ「mountweazel 語」などの脱線話にも触れました.
講座の後半では,『古英語・中英語初歩』の p. 120 に収められている古英語のなぞなぞ詩 The Riddles の第1詩「嵐」に目を通しました(時間不足で詳しく解説できませんでしたが).自然の猛威を描く力強い詩行のなかに,"flǣsc ond gǣstas" 「肉体と霊魂」という形で ghost の複数形が登場します.現代の「幽霊」とは異なり,肉体と対をなす「生きている魂」として機能していた古英語本来の用法を,受講者の皆さんと直接確認しました.
さて,朝カル講座は夏期クール(7月--9月)へと入っています.第1回は昨日7月25日に「king を探って古英語原文の世界へ」と題して開講されました.8月以降の回についてご関心のある方は,ぜひ朝カルのこちらの公式ページよりお申込みいただければ.
・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.
・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
2026-07-25 Sat
■ #6298. 好評のうちに完結 --- heldio 『英語語源辞典』読み方シリーズ bear 編 [kdee][etymology][terasawashiho][voicy][heldio][khelf]
7月中旬,Voicy heldio にて,khelf(慶應英語史フォーラム)のメンバー寺澤志帆さんを講師としてお招きした全3回のシリーズ「『英語語源辞典』読み方講座」が好評のうちに完結しました.本日の記事では,その振り返りとデータの報告,そして今後の展望についてお話しします.
まず,配信された3回のラインナップを改めて提示しておきましょう.
・ 「#1872. 寺澤志帆さんの『英語語源辞典』読み方講座 (1) --- bear 「産む」の項目を徹底解説」 (2026/07/15)
・ 「#1873. 寺澤志帆さんの『英語語源辞典』読み方講座 (2) --- bear 「産む」の項目を徹底解説」 (2026/07/16)
・ 「#1874. 寺澤志帆さんの『英語語源辞典』読み方講座 (3) --- bear 「産む」の項目を徹底解説」 (2026-07/17)
シリーズ初回を紹介した先日の記事「#6288. heldio で khelf 寺澤志帆さんによる3回シリーズ「寺澤志帆さんの『英語語源辞典』読み方講座」が始まりました --- bear 「産む」の項目を徹底解説」 ([2026-07-15-1]) でお知らせした通り,『英語語源辞典』 (kdee) の bear2 「産む」の項目を超精読しながら解説していくという密度の濃い試みを公開しました.
この3回シリーズの各々について,直近1ヶ月の全 heldio 配信回を対象に Voicy Analytics の数字を確認してみたところ,次のような分析結果が出ました.
・ 合計リスナー数:上位約2%以内
・ 新規リスナー数:上位5%以内(特に第1回・第3回)
・ いいね数:概ね上位2--4%程度
この数値は,きわめて強い成績です.とりわけ興味深いのは,シリーズ全体としてのリスナーの動態です.第1回で新規リスナーを引き込み,第2回で既存リスナーによるコメント等のエンゲージメントが高まり,そして第3回でもリスナー数を大きく落とすことなく維持できたという点です.
辞書を精密に読み解くという,すぐれて学術的な企画が,これほど注目を集めたという事実は驚きです.直近1ヶ月で考えれば,本シリーズは heldio の看板企画と呼べる成果を収めたといえます.とりわけ新規リスナーの皆さんが関心を寄せてくださったのが,何より嬉しいニュースです.
今回のシリーズの好評を受け,『英語語源辞典』を超精読・解説する heldio のシリーズは今後も継続していくことに決定しました! 次回以降の企画では,寺澤さんのみならず,『英語語源辞典』通読挑戦のパイオニアである lacolaco さんの参戦も予定されています.専門的な知見と熱い語源愛が交差する,さらにパワーアップした配信をお届けできるかと思います.ぜひ今後の展開にご期待ください.

・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
2026-07-24 Fri
■ #6297. 英語史の話題が一日中流れ続ける「The HEL Hub」の RSS [helhub][helkatsu][notice][hel_education][helvillian]

9ヶ月前に私が開設した,私の周囲に集まってくる英語史コンテンツのポータルサイト The HEL Hub (helhub) は,この hellog よりも地味であまり知られていないのですが,強力なポータルです.開設時の記事「#6028. hel活の新たな基地が完成 --- ポータルサイト「The HEL Hub」」 ([2025-10-28-1]) をご参照ください.
私は「英語史をお茶の間に」をモットーに英語史を広める活動「hel活」 (helkatsu) を展開していますが,このhel活に賛同してくれる仲間がたくさんいます.khelf(慶應英語史フォーラム)のメンバー,Voicy heldio から派生したプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪 (helwa)」のメンバー,その他の研究者の仲間たちです.このような賛同者の方々のことを,親しみを込めて「ヘルメイト」 (halmate) と呼んでいます.
このヘルメイトの皆さんの日々のhel活 --- 主に note などウェブ上のプラットフォームでのコンテンツの発信 --- の勢いが,この1年間ほどをみても,明らかに増してきています.note 上の #hel活 タグを有する記事は,現時点で2040件を超えています.
上記の helhub は,日々ヘルメイトや私自身の手により公開される英語史関連コンテンツに関する情報を一元化したいという趣旨で作ったページです.具体的には,各ヘルメイトの発信基地の RSS から,数時間に1度ほど,半自動で最新情報を拾ってきて,新着情報を更新しています.コンテンツは常時どんどん流れていっており,私も追いついていけないほどのスピード感です.
さて,今日ご紹介したいのは,この私の周囲の「hel活まとめサイト」ともいえる helhub 自体の RSS フィード です.こちらを RSS リーダーなどに登録していただくと,「英語史の話題が一日中流れ続ける」ということの意味が,実感できるのではないかと思います.四六時中,誰かが英語史に直接・関節にかかわる何かを発信していることに驚くはずです.
私自身が発信している hellog や heldio もさることながら,ヘルメイトの皆さんの自主的な探究心と発信力の高さには驚かされるばかりです.専門的な語源解説から,小中学生向けの易しい英語史,マニアックな文法・綴字の考察,さらにはクイズ企画まで,その切り口の多才さには脱帽します.
英語史は,決して大学や学会のなかに閉じこもった学問ではありません.こうして多様な人々が日々言葉の歴史をおもしろがり,語り合う文化が着実に根付いてきています.「英語史をお茶の間に」が,現実のものとなりつつあることを,この RSS のフィードが物語っています.
最近おもしろい読み物はないかな,英語(史)の知識を深めたいな,と思っている方は,ぜひ The HEL Hub を定期的にご訪問ください.そして,日常的に英語史の風を感じたい方は,helhub の RSS フィード をご自身の RSS リーダーに登録してみてください.日常のタイムラインに,怒涛のように英語史の話題が流れ込んでくる刺激的な体験をお約束します.
最後に,helhub とは別に,有志ヘルメイトによる編集委員会が,ヘルメイト皆の note 上でのhel活を月に一度まとめてくださっている「月刊ウェブマガジン Helvillian」という媒体もあります.helhub とも関連が深いので,ぜひこちらもフォローしていただければ.
2026-07-23 Thu
■ #6296. 「ゆる言語学ラジオさんに説教されましたー!」 --- いのほた最新回 [notice][inoueippei][yurugengogakuradio][inohota][youtube][outreach]
「#6289. 井上逸兵さんが「ゆる言語学ラジオ」に3度目の登場」 ([2026-07-16-1]) で紹介したとおり,人気 YouTube チャンネル「ゆる言語学ラジオ」に井上逸兵さん(慶應義塾大学教授)が3度目(最終回)のご出演をされました.それを受けて,昨日公開された「いのほた言語学チャンネル」の最新回にて,反省会を開きました.「ゆる言語学ラジオさんに説教されましたー!」(20分ほどの動画)をご覧ください.
今回の動画は,ゆる言語学ラジオでの井上さんの学ラン姿でのコント風ご出演と,堀元さんによる本気の YouTube 論を受けた振り返りトークとなっています.実はこの学園コント企画,2年前の2024年冬に両チャンネルのメンバー4名で会食した折に上がってきたもので,2年越しの計画として結実したものでした.堀元さんの卓越したエンタメ性と魂の入った YouTube 論には,私も大いに刺激を受け,学ぶことばかりでした.
動画内では,エンタメや編集技術の反省にとどまらず,現代における知のあり方や大学の役割についても議論が及びました.従来のように大学が知の唯一の頂点や中心として君臨する時代は過ぎ去り,現代は分散型の知の潮流の中にあります.そのような状況において,大学や研究者には,知のキュレーターやオーガナイザー,あるいは開かれた知のサークルの1メンバーとしての柔軟な役割が求められているのではないか,と語り合いました.
現在私が海外に滞在しているため Zoom での遠隔収録となっていること,画面のアスペクト比や編集,音声レコーディングの話題など,技術面での裏話にも触れています.9月末には日本へ帰国する予定で,10月からは再び2人並んでの対面収録をお届けできる見込みです.
昨年刊行された共著『言語学でスッキリ解決! 英語の「なぜ?」』(ナツメ社)や,雑誌『英語教育』でのコラボ連載など,動画にとどまらない2人の発信活動についても紹介しています.ゆる言語学ラジオの視聴者の方々にも,一味違った角度から英語学・言語学の奥深さを味わっていただければ幸いです.
おかげさまで「いのほた言語学チャンネル」は開設から4年と5ヶ月が経ち,チャンネル登録者は2万2千人を超えています.今後とも英語学・言語学のおもしろさを伝えていきたいと思います.「いのほた言語学チャンネル」をよろしくお願いします.
・ 井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.
2026-07-22 Wed
■ #6295. 『なぜさんたんげん』発売から42日 --- 特設HPが「ポータルサイト」へと成長・進歩を遂げています [notice][voicy][heldio][link][helkatsu][nazesantangen][review][links][nazesantangen_witness][nhkpb]

6月10日(水)の『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』(NHK出版)の刊行から,早くも6週間が経ちました.おかげさまで,発売前増刷に始まり,現在も全国の書店で第2刷が展開されるなど,大変大きな反響をいただいております.読者の皆様,そして日々盛り上げてくださっているヘルメイトの皆さん,ありがとうございます.
さて,本日は刊行と同時に立ち上げた『なぜさんたんげん』特設HPについて改めてご紹介します.本書特設サイトとしてスタートしたこの Web ページですが,発売後のこの1ヶ月あまり,ほぼ毎日にわたってコンテンツを更新・追加してきた結果,単なる新刊紹介の域を超え,文字通り『なぜさんたんげん』を取り巻く公式ポータルサイトへと進化を遂げています.
サイト上のアクセスカウンターも,本記事の執筆時には2493アクセスを記録しており,連日多くの方にお越しいただいています.改めて,現在の特設HPがどのような充実した構成になっているのか,その見どころをご案内します.
1. 豪華陣容による反響・推薦の声:英語史研究者の寺澤盾先生(青山学院大学教授,東京大学名誉教授)からお寄せいただいた特別寄稿レビューをはじめ,杏林大学の倉林秀男先生による4連スレッド・ロングレビュー,慶應義塾大学の川原繁人先生,九州大学の内田諭先生,上智大学の小河舜先生といった専門家による熱い推薦コメントを掲載しています.さらに,SNS や note,ブクログ等で寄せられた読者の皆さんの生の声を凝縮して掲載しています.
2. 連動メディア・コンテンツへのリンク:著者自身による本文の公式朗読音声ページへのリンクのほか,NHK出版編集者の田中菜乃香さんとの Voicy 対談全7回,リスナー川上さん企画「聞かせて!『なぜさんたんげん』のなぜ」シリーズ,さらには在外の著者による現地からの最新 YouTube ミニ動画など,本と立体的に連動する音声・動画コンテンツへワンクリックでアクセスできます.
3. 全目次 & インテリジェントリアルタイム検索機能:本書に詰め込まれた24の疑問とすべての章・節・小見出しを完全網羅.ページ上の検索窓にキーワード(例:「屈折」「マジックe」「語順」など)を入力すると,瞬時に該当するトピックが絞り込まれる便利なシステムを実装しています(←生成AIを用いて密かに実装しているのですが,ほとんど知られていません).
4. 「24の疑問・総選挙」最終結果:発売前に実施し,投票総数96件を集めた Slido 総選挙の確定順位を全公開しています.堂々1位の「なぜ3単現の s をつけるのか」から,予想外の健闘を見せた「Z のミステリー」まで,読者のモヤモヤ度が一目でわかります.
5. なぜさんたんげん目撃マップ & 全国書店棚ギャラリー:読者の皆様から寄せられた全国各地の目撃情報をもとに作成した Google Map (すでに100ピン近く立っています)と,撮影許可をいただいた全国の書店様の愛あふれる売り場写真をズラリと展示しています.すでに50枚以上の書棚写真が掲載されています.
6. 授業用「英語史無料レジュメ」& 店頭用POPポスター配布:全国の中学・高校・大学の先生方が授業や学年通信でそのまま配れる特製 PDF レジュメ第1弾(「なぜ3単現の s をつけるのか」)や,書店員様向けの印刷用販促ポスター(A4/B5対応PDF/PNG)を無料配布しています.
『なぜさんたんげん』は,本を開いて読むだけでも完結する1冊ですが,この特設HPを経由して,読者の皆さんの感想,著者による音声や動画のコンテンツ,全国の書店の様子とつながることで,何倍も深く立体的に体験できる「開かれた本」となっています.
まだ特設サイトをご覧になっていない方は,ぜひ一度覗いてみてください.そして,ぜひ周りの英語学習者や先生方,本好きのご友人にも,このポータルサイトのリンクをシェアしていただけますと幸いです.
学校英語の「呪文」の向こう側にある驚くべき歴史の物語を,一緒に目撃していきましょう!
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.
2026-07-21 Tue
■ #6294. 「研究者配信のポッドキャスト」広がる --- 7月14日日経新聞夕刊(10ページ)より [voicy][heldio][helwa][hellog][helkatsu][outreach]
標題の記事が掲載されていることを heldio リスナーの ykagata より教えていただき,記事全文を読んでみました.記事のリード文は次の通りです.
大学などの研究者がポッドキャストを配信する動きが広がっている。高度な内容を平明に伝える番組にはファンも付く。専門知の伝達チャネルとして音声メディアが存在感を増している。」
記事は,犯罪学・刑事政策をテーマとする丸山泰弘さん(立正大学教授)のポッドキャストチャンネル「丸ちゃん教授のツミナハナシ」の紹介に始まり,研究者によるいくつかのポッドキャストが言及されていきます.その他,記事には「研究者がパーソナリティの番組」の一覧表が掲げられているのですが,そのトップに私のチャンネル「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」が挙げられており,驚きました.ありがたいことです.

記事は次のように締めくくられています.
音声広告会社オトナル(東京・中央)の調査では月1回以上ポッドキャストを聴く人の割合は25年に18%で、増加傾向が続く。アカデミックナポッドキャストはこれからさらに広がっていきそうだ。
この記事を読んで,そして heldio やそのプレミアム版「英語史の輪 (helwa)」の音声配信に日々携わっている身として,とても感慨深いものがあります.「知の伝達,活字から声へ」という視点は,長年目指してきた「英語史をお茶の間に」というモットーの実現とも深く関わってくるからです.
活字離れが叫ばれる現代において,文字情報としての本ブログ「hellog~英語史ブログ」を毎日更新し続ける一方で,2021年からは毎朝の音声配信 heldio を開始しました.これは私にとってもひとつの大きな実験でした.今では,文字による深い解説と,声による平明で血の通った解説.今では,この2つのメディアは,決して対立するものではなく,お互いを補完し合う強力なペアになり得るという確信があります.
実際,heldio のリスナーコミュニティであるヘルメイトの皆さんとの繋がりや,そこから生まれる様々な「hel活」 (helkatsu) は,まさに「声」のメディアが媒介となって生まれたものです.音声を通じて,学問に近づくためのハードルを下げ,双方向の知的コミュニケーションの触媒になっているのです.
専門知をアカデミアの内部だけに閉じ込めておくのではなく,いかにして社会へアウトリーチしていくか.これは現代の研究者に課された重要な課題です.ポッドキャストというパーソナルで親密なメディアは,そのための最も強力な武器のひとつと言えます.
これからも,hellog による「文字」の蓄積と,heldio による「声」のダイナミズムの両輪で,英語史の魅力を発信し続けていきます.読者の皆さん,リスナーの皆さん,引き続きお付き合いのほど,よろしくお願いします.
ykagata さんによる7月16日公開の関連 note 記事「日本経済新聞が紹介した7つの「研究者配信のポッドキャスト」まとめ」もお読みください.
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