hellog 内検索・ジャンプ (検索キーワードは複数指定できます.カテゴリー検索は,[sound_change] などとしてください.記事番号(カンマ区切りで複数も)指定で直接ジャンプもできます.)

hellog_icon.ico hellog〜英語史ブログ     Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」(heldio)     音声コンテンツ一覧 (heldio & hellog-radio)     YouTube 「いのほた言語学チャンネル(旧井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル)」 @chariderryu (Twitter)     @chariderryu (Instagram)     Mond 回答     ブクログ (helbs)     Helvillian     アーカイブ (Archives)     旧掲示板アーカイブ     画像集 (Images)     参考文献リスト (Bibliography)     ランダム表示 (Random display)     検索ページ (Search)     feed_icon.svg このブログを購読 (Subscribe)     KLMS     Box     慶應英語史フォーラム (khelf)     @khelf_keio (Twitter)     @khelf_keio (Instagram)     リンク (Links)     著書・訳書のページ (My books)     パスワードページ (Password)     Google     Slido     note     OED     MED    

hellog〜英語史ブログ

堀田隆一(ほったりゅういち)による,英語史に関する話題を広く長く提供し続けるブログです(note のプロフィールはこちら)."History of the English Language Blog" ということで,略して "hellog".英語史と関連する英語学・言語学一般の話題も扱っています.本ブログで紹介・推薦する書籍などについて,特別に表記しない限り,すべて自主的な言及です.また,堀田は Amazon のアソシエイトとして適格販売により収入を得ています.

まずは,
  1. 英語史の学び始め/続けには,まず以下の記事からスタート!
  2. アクセス・ランキング (access ranking) のトップ500記事
  3. 英語に関する素朴な疑問に関する記事群
  4. 全記事の標題の一覧 (Archives)
  5. 音声コンテンツ一覧 (heldio & hellog-radio)
  6. Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」(heldio)
  7. 知識共有サービス「Mond」での,英語に関する素朴な疑問への回答
  8. 慶應英語史フォーラム (khelf) のツイッターアカウント @khelf_keio
qrcode_for_hellog
をご覧ください.

twitter_icon     instagram_icon     facebook_icon     youtube_icon     voicy_icon     note_icon.ico    

お知らせ 2024年12月21日(土)17:30--19:00,朝日カルチャーセンター新宿教室にてシリーズ講座「語源辞典でたどる英語史」の第9回「英語,ラテン・ギリシア語に憧れる」が開講されます.ご関心のある方は,リンク先よりお申し込みください.hellog でも関連記事「#5710. 12月21日(土)の朝カルのシリーズ講座第9回「英語,ラテン・ギリシア語に憧れる」のご案内」を書いています.2024/12/14(Sat)

お知らせ ヘルメイト有志によるhel活を紹介する月刊 Helvillian 12月号が11月28日にウェブ公開されています.こちらよりご覧ください.2024/12/02(Mon)

Helvillian_202412_2.png

お知らせ 2024年度,白水社の月刊誌『ふらんす』に「英語史で眺めるフランス語」というシリーズタイトルで連載記事を寄稿しています.11月25日に刊行された12月号に連載第9弾が掲載されています.詳しくは hellog の関連記事「#5693. 英文法におけるフランス語の影響 --- 月刊『ふらんす』の連載記事第9弾」をご覧ください.2024/11/27(Wed)

furansu_202412.png

お知らせ 2024年9月8日に khelf による『英語史新聞』第10号がウェブ上に一般公開されました.こちらからPDFでご覧になれます.hellog でもこちらの記事で第10号公開についてお知らせしています.また,同時に重要な号外も公開されていますので,そちらも合わせてお読みください.公開後も khelf の X (旧ツイッター)アカウント @khelf_keio より関連情報を日々お伝えしますので,ぜひフォローをお願いします.2024/09/11(Wed)

hel_herald_009

お知らせ 2024年9月8日(日)の Voicy heldio で12時間連続生配信でお届けした「英語史ライヴ2024」に先立ち,プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) のリスナー有志から寄せられてきた英語史コンテンツを日々ウェブ上に公開していく企画「helwa コンテンツ for 「英語史ライヴ2024」」を開始しています.本企画の特設ページ「helwa コンテンツ for 「英語史ライヴ2024」へようこそ」より,新コンテンツをお楽しみください.「英語史ライヴ2024」の当日にも,この企画に関する話題で盛り上がる予定です.2024/09/10(Tue)

helwa_content_for_hellive2024_banner.png

お知らせ 新年度2024年の4月より khelf による「英語史コンテンツ50+」が始まっています.休日を除く毎日,khelf メンバーより英語史の話題が1つ上がってきます).日々,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio からも関連情報を発信しています.2024/04/19(Fri)

お知らせ 知識共有サービス「Mond」にて英語・言語に関する素朴な疑問に回答しています.最新の質問&回答はこちらよりご覧ください.2024/09/30(Mon)

Mond Latest

お知らせ 2023年7月より Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」 (heldio) にて「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズを展開しています.Baugh and Cable の A History of the English Language (6th ed.) を1回1セクションずつ精読していくというシリーズです.週に1,2回程度のペースで続けています.有料配信ですが冒頭チャプターは試聴可となっていますので,ぜひ聴いてみてください.バックナンバー一覧はこちらの記事よりどうぞ.2024/02/09(Fri)

hel_herald_005

お知らせ 2022年2月26日に,同僚の井上逸兵さんと YouTube チャンネル「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」を始めています.毎週(水)(日)の午後6時に更新予定です.チャンネルの趣旨としては,こちらの hellog 記事あるいは Voicy でのアナウンスをご一読・ご視聴ください.直下(↓)は最新の YouTube 放送となります.本ブログの関連記事もお読みください.2022/03/10(Thu)

お知らせ 2024年7月より,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の再放送という趣旨で,YouTube ポッドキャスト「heltube --- 英語史チャンネル」を日々配信しています.直下(↓)は最新公開の回となります.2024/08/10(Sat)

お知らせ 2021年6月2日より,英語史の音声コンテンツを配信する 「英語の語源が身につくラジオ」(通称 heldio)を始めています.本ブログの姉妹版という位置づけで,音声配信プラットフォーム Voicy を通じて,英語史に関する音声コンテンツを提供しています.企画の趣旨として,こちらの hellog 記事をご一読ください.直下(↓)は最新の Voicy 放送となります.2024/07/20(Sat)

お知らせ 2023年6月2日より,上記 heldio にプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) が加わりました.毎週火木土の18:00よりお届けしています.helwa は有料配信となりますが,開設趣旨としてこちらの hellog 記事をお読みください.直下(↓)は最新の helwa 放送となります.2023/09/09(Sat)

お知らせ 2023年7月17日より,Voicy heldio の有料配信として「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズを開始しています(各回ともにウェブブラウザ経由で200円です).毎週1,2回の配信を通じて,英語で書かれた英語史の名著を1回1セクションずつ精読解説していきながら,内容についても英語史の専門的な観点から縦横無尽にコメントしていきます.3ヶ月続けて,参加メンバーも徐々に増えてきています.開設趣旨としてこちらの hellog 記事をお読みください.直下(↓)は最新のシリーズ配信回となります.2023/10/22(Sun)

お知らせ 2023年10月6日より,stand.fm にて「英語史つぶやきチャンネル」 を始めています.英語史の話題を不定期でカジュアルにお届けします.直下(↓)は最新の配信回となります.2023/10/09(Mon)

お知らせ 「ゆる言語学ラジオ」の最新回(2023年7月18日公開)「英単語帳の語源を全部知るために、研究者を呼びました【ターゲット1900 with 堀田先生】#247」に出演しています.ぜひご覧ください.関連する hellog 記事もどうぞ.

また「ゆる言語学ラジオ」からこちらのブログに飛んでこられた皆さん,ぜひ
 (1) 本ブログのアクセス・ランキングのトップ500記事,および
 (2) Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の人気放送回50選
をご覧ください.2023/05/31(Wed)

お知らせ 2023年1月中旬に家入葉子先生(京都大学)と堀田の共著となる,英語史研究のハンドブック『文献学と英語史研究』が開拓社より発売となります.本書についてはこちらのページで,著者が様々に紹介しています.2023/01/05(Thu)

『文献学と英語史研究』

お知らせ 2022年12月1日(木)13:00--14:00に,Voicy 生放送で「英語に関する素朴な疑問 千本ノック(矢冨弘&菊地翔太&堀田隆一) 第3弾」を配信しました.詳細はこちらの記事よりどうぞ.2022/12/02(Fri)

お知らせ 2022年11月8日に『ジーニアス英和辞典』第6版が発売となりました.新版で初めて導入されたコラム「英語史Q&A」を執筆させていただいていますので,ぜひ辞典手に取って開いてみていただければと思います.コラムについては hellog でもこちらの記事群で関連する話題を取り上げています.2022/11/15(Tue)

standardisation_front_cover_small

お知らせ 堀田ゼミの紹介ページがゼミ生により立ち上げられました.入ゼミを希望する学生は必見です.堀田による公式のゼミ紹介はこちらの記事からどうぞ.2022/11/04(Fri)

お知らせ ご愛読ありがとうございます,9刷が発行されています.2022年9月より電子書籍としても配信開始です.本ブログの内容を多く取り込んだ拙著『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』が2016年に研究社より出版されました.本の趣旨や補足情報のために,コンパニオン・サイト (naze) を用意していますので,そちらも是非ご覧ください.また,本ブログ内の「#2764. 拙著『英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史』が出版されました」にも紹介があります.2024/08/10(Sat)

naze_front_cover_small

お知らせ 2022年度も連載記事「歴史で謎解き 英語のソボクな疑問」(NHKラジオテキスト『中高生の基礎英語 in English』)を継続しています.最新の9月号では「なぜ英語には類義語が多いの?」という疑問を取り上げています.ぜひテキストを手にとってご覧ください.本ブログより紹介記事もどうぞ.2022/08/15(Mon)

お知らせ このたび様々な言語における標準化の歴史を題材とした本が出版されました.高田 博行・田中 牧郎・堀田 隆一(編著)『言語の標準化を考える --- 日中英独仏「対照言語史」の試み』 大修館,2022年.
本ブログ内でも本書の紹介記事をいくつか書いていますので,そちらもご覧ください.さらに,7月9日と8月1日には2回にわたって3編者対談を Voicy で配信しましたので,ぜひこちらこちらより各々お聴きください.

standardisation_front_cover_small

お知らせ 知識共有サービス「Mond」にて英語に関する素朴な疑問に回答しています.良質な「素朴な疑問」が多いです.こちらからどうぞ.本ブログより紹介記事もどうぞ.2022/02/10(Thu)

お知らせ 本ブログベースの拙著『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』の第4刷が出ています.本書のコンパニオン・ページ及び著者による紹介ページをご覧ください.また,本書の内容に沿ったブログ記事へのリンク (hogusu) はおすすめです.2018/09/02(Sun)hogusu_front_cover_small

その他のお知らせ

お知らせ 「手軽に英語史を」というコンセプトで,地味に「hellog ラジオ版」 (hellog-radio) を始めています.1つ数分以内のコンテンツです.これまでのコンテンツ一覧よりどうぞ.2020/07/09(Thu)

お知らせ 大修館『英語教育』の2020年3月号に,連載「英語指導の引出を増やす 英語史のツボ」の第12回(最終回)の記事が掲載されています.今回の話題は「なぜアメリカ英語はイギリス英語と異なっているのか」です.どうぞご一読ください.2020/02/14(Fri)eigokyouiku_rensai_12_20200214_front_cover_small.jpg

お知らせ 1月5日発売の英語学習誌『CNN English Express』2月号に「歴史を知れば納得! 英語の「あるある大疑問」」と題する拙論が掲載されています.英語史の観点から素朴な疑問を解くという趣向の特集記事で,英語史の記事としては珍しく8頁ほどの分量を割いています.どうぞご一読ください.hellog 内の紹介記事もどうぞ.2019/01/07(Mon)cnn_ee_201902_front_cover_small

お知らせ 私も一部執筆している服部 義弘・児馬 修(編) 『歴史言語学』朝倉日英対照言語学シリーズ[発展編]3 朝倉書店,2018年.が2018年3月に出版されました.日本語史と比較対照しながら英語史や英語の歴史的変化について学べます.本ブログ内の#3283の記事にも簡単な紹介がありますのでご覧ください.2018/04/23(Mon)

naze_front_cover_small

お知らせ Simonn Horobin 著 Does Spelling Matter? の拙訳『スペリングの英語史』が早川書房よりより出版されました.紹介記事として,本ブログ内の「#3079. 拙訳『スペリングの英語史』が出版されました」「#3080. 『スペリングの英語史』の章ごとの概要」もご覧ください.2017/10/01(Sun)

does_spelling_matter_front_cover_small

お知らせ 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』に関連する研究社ベースの連載企画「現代英語を英語史の視点から考える」が始まっています(そして12回で終わりました).2017/12/21(Thu)


最近 7 日分を以下に表示中 / 今月の一覧

2024-12-22 Sun

#5718. ギリシア語由来の主な接尾辞,接頭辞,連結形 [greek][suffix][prefix][lexicology][word_formation][combining_form][morphology][latin][french][loan_word][borrowing]

 Durkin (216--19) にかけて,英語に入ったギリシア語由来の要素が列挙されている.接尾辞 (suffix),接頭辞 (prefix),連結形 (combining_form) に分けて,主たるものを列挙しよう.ラテン語やフランス語からの借用語のなかに混じっている要素もあり,究極的にはギリシア語由来であることが気づかれていないものも含まれているのではないか.

[ 接尾辞 ]

 -on (plural -a), -ter, -terion, -ma/-mat- (adj. -matic), the family of -ize/-ise (-ist/-ast, -ism, -asm), -ite, -ess, -oid, -isk, -(t)ic, -istic(al), -astic(al)

[ 接頭辞 ]

 a(n)-, amph(i)-, an(a)-, anti-, ap(o)-, cat(a)-/kat(a)-, di(a)-, dys-, a(n)-, end(o)-, exo-, ep(i)-, hyper-, hyp(o)-, met(a)-, par(a)-, peri-, pro-, pros-, syn-/sys-

[ 連結形 ]

 acro- "high; of the extremities", agath(o)- "good", all(o)- "other, alternate, distinct", arch- "chief; original", argyr(o)- "silver", aut(o)- "self(-induced); spontaneous", bary-/bar(o)- "heavy; low; internal", brachy- "short", brady- "slow", cac(o)- "bad", chlor(o)- "green; chlorine", chrys(o)- "gold; golden-yellow", cry(o)- "freezing; low-temperature", crypt(o)- "secret; concealed", cyan(o)- "blue", dipl(o)- "twofold, double", dolich(o)- "long", erythr(o)- "red", eu- "good, well", glauc(o)- "bluish-green, grey", gluc(o)- "glucose"/glyc(o)- "sugar; glycerol"/glycy- "sweet", gymn(o)- "naked, bare", heter(o)- "other, different", hol(o)- "whole, entire", homeo- "similar; equal", hom(o)- "same", leuc/k(o)- "white", macro- "(abnormally) large", mega- "huge; very large", megal(o)- "large; grandiose" and -megaly "abnormal enlargement", melan(o)- "black; dark-colored; pigmented", mes(o)- "middle", micr(o)- "(very) small", nano- "one thousand-millionth; extremely small", necr(o)- "dead; death", ne(o)- "new; modified; follower", olig(o)- "few; diminished; retardation", orth(o)- "upright; straight; correct", oxy- "sharp, pointed; keen", pachy- "thick", pan(to)- "all", picr(o)- "bitter", platy- "broad, flat", poikil(o)- "variegated; variable", poly- "much, many", proto- "first", pseud(o)- "false", scler(o)- "hard", soph(o)- and -sophy "skilled; wise", tachy- "swift", tel(e)- "(operating) at a distance", tele(o)- "complete; completely developed", therm(o)- "warm, hot", trachy- "rough"

 英語ボキャビルのおともにどうぞ.

 ・ Durkin, Philip. Borrowed Words: A History of Loanwords in English. Oxford: OUP, 2014.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-12-21 Sat

#5717. 高橋真理子先生との2回の heldio 対談 --- 『World Englishes 入門』の第8章「ヨーロッパと中東の英語」 [voicy][heldio][notice][world_englishes][we_nyumon][european_english][review][lingua_franca]


大石 晴美(編) 『World Englishes 入門』 昭和堂,2023年.



 先日,高橋真理子先生(関西学院大学)と Voicy heldio で2度にわたり対談させていただきました.昨年昭和堂より出版されている『World Englishes 入門』より,高橋先生の執筆された第8章「ヨーロッパと中東の英語」について,著者じきじきにお話をうかがうという回でした.

 ・ 「#1294. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 高橋真理子先生とのヨーロッパと中東の英語をめぐる対談」(2024年12月14日配信)
 ・ 「#1300. 高橋真理子先生とのアフタートーク --- 『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年)の第8章「ヨーロッパと中東の英語」をめぐって」(2024年12月20日配信)




 今回は,知っているようで意外と知らないヨーロッパと中東の英語事情について,本書第8章の記述を土台にしつつ,高橋先生にご解説いただきました.この広い地域には多様な言語,文化,民族が分布しています.そのなかで英語がいかにリンガフランカ (lingua_franca) として機能しているのか,社会的にどのように位置づけられているのか,いかなる英語変種が用いられているのか.様々な疑問が生じます.さらに,なぜヨーロッパと中東が,同じ章で扱われているのでしょうか.アフタートークを含め,今回の対談では,このような質問にお答えいただきました.
 ぜひ,これまでの『World Englishes 入門』関連の hellog 記事や heldio 対談回へ,we_nyumon を通じてアクセスしていただければと思います.
 最後に,アフタートークでも触れましたが,高橋先生の最近のご単著にもご注目ください.『アジア英語における口語表現の比較』(ナカニシヤ出版,2023年)です.高橋先生,このたびは対談のお時間を割いていただきまして,ありがとうございました!

 ・ 大石 晴美(編) 『World Englishes 入門』 昭和堂,2023年.
 ・ 高橋 真理子 『アジア英語における口語表現の比較』 ナカニシヤ出版,2023年.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-12-20 Fri

#5716. 保坂先生との heldio 対談シリーズ --- 冠詞と do の文法化について [voicy][heldio][grammaticalisation][article][do-periphrasis][review][notice]


保坂 道雄 『文法化する英語』 開拓社,2014年.



 先日,保坂道雄先生(日本大学)と Voicy heldio にて文法化にまつわる対談を2回にわたってお届けしました.開拓社より2014年に出版されたご著書『文法化する英語』を参照しながら,英語史における文法化の具体的な事例について,著者じきじきに解説していただくという贅沢な企画です.2回の配信を以下に挙げておきます.

 ・ 「#1290. 冠詞の文法化 --- 保坂先生との対談」(2024年12月10日配信)
 ・ 「#1293. 助動詞 do の文法化 --- 保坂先生との対談」(2024年12月13日配信)




 英語史上,きわめて重要な文法化の2つの事例,冠詞の創発と do 迂言法の発展について丁寧に解説していただきました.これらの問題に関心をもった方は,本ブログより articledo-periphrasis のタグの付された記事群を読んでいただければと思います.
 上記配信内でも触れていますが,保坂先生との文法化をめぐる heldio 対談回は,以前にも1度配信しています.本ブログより「#5674. 保坂道雄先生との対談 --- ご著書『文法化する英語』(開拓社,2014年)より」 ([2024-11-08-1]) を,あるいは直接 heldio 「#1245. 保坂道雄先生との「文法化入門」対談 --- 「英語史ライヴ2024」より」をご参照ください.
 おまけとして,今回の保坂先生との対談にあたって「#1298. 保坂先生とのアフタートークでコメント返し」(2024年12月18日配信)も収録しています.こちらは肩の凝らないおしゃべり回ですので,ぜひお聴きいただければ.

 ・ 保坂 道雄 『文法化する英語』 開拓社,2014年.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-12-19 Thu

#5715. 現代に借用されたフランス語の単語 [french][loan_word][borrowing][lexicology]

 英語にとって,フランス語は歴史的に「腐れ縁」の仲である.古英語末期より現代に至るまで,言語的な付き合いが途切れたことはない.時代によって浮き沈みはあるものの,フランス語の単語は常に英語に流入し続けてきたし,フランス語は英語にとって心理的距離が最も近い言語といってよいだろう.
 中英語期や近代英語期ほどではないが,現代でもフランス単語は着実に英語に流入してきている.OED で検索すると,20世紀以降のフランス借用語は,ざっと1000語ほどある.そのなかでも比較的頻度の高いものを50個ほど挙げてみよう.

micelle (1901), garage (1902), reductase (1902), limousine (1902), austenite (1902), bloc (1903), metro (1904), fuselage (1909), camp (1909), sabotage (1910), ciel (1910), Cubism (1911), Chardonnay (1911), mas (1912), matière (1915), surrealist (1918), collage (1919), adage (1920), bacteriophage (1921), saboteur (1921), hydrolase (1922), bistro (1922), nematic (1923), lipid (1925), exclusivity (1926), infrastructure (1927), surrealism (1927), moderne (1928), montage (1930), anomie (1933), evacuee (1934), Gaullist (1941), microfiche (1950), Annales (1952), chlorpromazine (1952), nouveau (1955), neuroleptic (1958), virion (1959), operon (1960), eukaryote (1961), auteur (1962), non (1963), prokaryote (1963), Art Deco (1966), retro (1972), intertextuality (1973), fractal (1975), endorphin (1976), Prolog (1977), acquis (1979)


 この一覧には,日本語に入っている語も多い.ガレージ,リムジン,ブロック,メトロ,サボタージュ,キュービズム,シャルドネ,ビストロ,シュールレアリスム,モンタージュ,マイクロフィッシュ,アールデコ,レトロ,フラクタル,エンドルフィンなど,20世紀中に,英語語彙のみならず日本語語彙にも貢献してきたフランス単語を評価したい.
 ちなみに21世紀になってから(2002年に)英語に借用された parkour (パルクール)というフランス単語にも注目しておこう.環境内の障害物を越えていく軍事訓練から発達した競技で、現在世界中で人気急上昇のスポーツである.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-12-18 Wed

#5714. 佐久平千本ノック [helkatsu][senbonknock][sobokunagimon][voicy][heldio][helwa][helmate][hel_education]

 12月8日,長野県佐久平にて英語に関する素朴な疑問に回答する「千本ノック」 (senbonknock) の企画を開催しました.heldio/helwa のコアリスナーであるみーさんがホストを務めてくださり,初の地方開催での千本ノック,かつ質問者が小中学生である千本ノックが実現した次第です.15名の小中学生,およびその保護者の方々が会場に集まり,生徒さんたちに事前に考えておいてもらった16の質問を題材に,私が80分ほどお話しさせていただきました.同席されたもう1人のコアリスナー Grace さんが,後日,同イベントへの潜入ルポというべき note 記事「佐久平オフ会(千本ノック)レポ」を書かれています.
 小中学生から寄せられた疑問をもとに,ぶっつけ本番で千本ノックを敢行しました.大人相手とは異なり質問の角度も鋭角ですし,回答するにも専門用語は使えず,あくまで平易な言葉で分かりやすく答えなければなりません.事前に予想はしていたものの,私にとっては予想以上に難易度の高い課題でした.しかし,非常に多くの気づきを得られたことも確かです.教育上のみならず学術的にも示唆に富んだ質問がいくつかあり,当たり前に思っていた現象を再考察する機会となりました.
 今回の佐久平千本ノックの一部始終は,当日の Voicy heldio で生配信しました.後日,それを前半(小学生版)と後半(中学生版)の2回に分割して,アーカイヴとしても配信しました.収録時の問題で,ところどころ聞こえにくいところはありますが,ご容赦ください.以下に,聴取の便のため,寄せられた質問と本編チャプター内の対応する分秒を一覧します.

【前半:小学生部門(約60分) 「#1289. 佐久平千本ノック (1) --- 小中学生の皆からの素朴な疑問」



 (1) 03:12 --- なぜ1のワンは one と書くの?
 (2) 08:16 --- なぜ筆記体ができたの?
 (3) 12:17 --- なぜ大文字と小文字で違う形の文字があるの?
 (4) 18:31 --- アルファベットの形はどんな理由で決まったの?
 (5) 22:13 --- なぜ deer, sheep, fish の複数形には -s がつかないの?
 (6) 27:40 --- なぜ c と k で同じ発音をするの?
 (7) 32:04 --- なぜ bottle の発音は t を読まないの?
 (8) 36:38 --- なぜ c は「ク」とか「キャ」と読むのですか?
 (9) 41:35 --- なぜ knife の k は読まないのですか?
 (10) 45:10 --- なぜ英語が世界共通語なのですか?

【後半:中学生部門(約48分) 「#1292. 佐久平千本ノック (2) --- 小中学生の皆からの素朴な疑問」



 (11) 00:55 --- be 動詞が主語に応じて is, am, are と形を変えるのはなぜですか?
 (12) 08:40 --- 序数の形について,なぜ first, second, fifth は変な形なのですか?
 (13) 15:32 --- 疑問文で does が出ると動詞の -s がなくなるのはなぜですか?
 (14) 22:19 --- 英語やアルファベットは誰が作ったのですか?
 (15) 27:14 --- なぜ接続詞の that は省略できるの?
 (16) 33:12 --- なぜ be 動詞と一般動詞は一緒に使えないのですか?

 佐久平千本ノックに参加した小中学生と保護者の皆さん,本当に大きなインスピレーションをいただきました.あらためて感謝申し上げます.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-12-17 Tue

#5713. 生成文法と言語変化・英語史を掛け合わせた著書が出ました --- 田中 智之・縄田 裕幸・柳 朋宏(著)『生成文法と言語変化』(開拓社,2024年) [generative_grammar][language_change][grammaticalisation][syntax][review][toc][notice]


Nawata-Yanagi-Tanaka-Generative.png



 標記の開拓社からの新刊書をご献本いただきました,ありがとうございます! 
 開拓社による「最新英語学・言語学シリーズ」の第20巻という位置づけで,「生成文法×英語史」の最新の専門的な知見がまとめられています.300頁ほどの著書で,量的にも本格派です.英語の統語変化を理論的に考察したい研究者・学生にとって,必携の参考書です.
 以下,目次を取り出してみましょう.魅力的な話題と高度な専門用語が並んでいます.



第I部 生成文法理論における言語変化

 第1章 生成文法の理論的枠組みと言語変化
  1. はじめに:英語史の時代区分
  2. 生成文法の理論的枠組み
  3. 文法変化としての言語変化

 第2章 言語変化のタイプ
  1. 再分析とパラメター変化
  2. 文法化:不定詞標識 to を例として
  3. 語順変化
  4. 項構造の変化:心理動詞を例として

第II部 英語の節構造の変化

 第3章 初期英語の節構造と動詞移動の消失
  1. はじめに
  2. 古英語・初期中英語の基本語順
  3. 古英語・初期中英語の節構造
  4. 動詞移動と豊かな一致の仮説
  5. 屈折接辞の衰退と動詞移動の消失
  6. 文法化による語彙動詞から助動詞への変化
  7. まとめ

 第4章 主語位置の変遷と各種構文の変化
  1. はじめに
  2. 空主語構文
  3. 奇態格経験者主語構文
  4. 他動詞虚辞構文
  5. that 痕跡効果
  6. まとめ

第III部 英語名詞句の構造と分布

 第5章 非構造格の消失と格による名詞句の認可方法の変化
  1. はじめに
  2. 格に関する経験的事実と理論的仮定
  3. 与格名詞をともなう構文の歴史的変遷
  4. 与格名詞の認可と認可方法の変化
  5. まとめ

 第6章 数量詞の分布と遊離可能性の通時的変遷
  1. はじめに
  2. 初期英語における数量詞の分布
  3. 理論的仮定
  4. 遊離数量詞の分布に関する通時的変化
  5. 代名詞と数量詞の語順
  6. まとめ




 本書については,12月11日に Voicy heldio にて「#1291. 田中 智之・縄田 裕幸・柳 朋宏(著)『生成文法と言語変化』(開拓社,2024年)」の配信回でもご紹介しています.本記事と合わせてお聴きいただければ.



 本書と関連して,開拓社の「最新英語学・言語学シリーズ」の第21巻,家入 葉子・堀田 隆一(著)『文献学と英語史研究』(開拓社,2022年)もどうぞよろしくお願い致します.

 ・ 田中 智之・縄田 裕幸・柳 朋宏 『生成文法と言語変化』 開拓社,2024年.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-12-16 Mon

#5712. Norman の複数形に Normans のほか Normen もあった [number][plural][compound][metanalysis][analogy][folk_etymology][oed]

 German (ドイツ人)の複数形は Germans であり *Germen にはならない.語源的に -man 複合語ではないからだ.同様に human (人間), Ottoman (オスマン・トルコ人), talisman (護符)なども,-man はあくまで語幹の一部であり,語源的に -man 複合語ではないために,複数形は規則的に - s をつけて humans, Ottomans, talismans とする.*humen, *Ottomen, *talismen とはならない.
 これと若干事情が異なるのが「#707. dragoman」 ([2011-04-04-1]) で紹介した名詞の複数形である.dragoman (通訳)は語源的には -man 複合語ではないものの,複数形としては dragomans のみならず dragomen も用いられる.後者は一種の勘違い,あるいは異分析 (metanalysis) に基づく語形だが,歴史的には許容されてきた.
 さらに異なるタイプが,今回取り上げる Norman の複数形だ.この名詞は,語源的には north + -man であり,明らかに -man 複合語である(cf. 「#1568. Norman, Normandy, Norse」 ([2013-08-12-1])).したがって,複数形は *Normen となることが予想されるが,実際には全体として1つの名詞語幹として解釈されるようになったのだろう,Normans という語形が通用されてきた.
 ところが Norman の語史をひもとくと,かつては複数形として Normen も用いられていたことがわかる.OED より古英語からの最初期の例文を挙げてみよう.

OE Þær wæs Harold cyning of Norwegan & Tostig eorl ofslagen, & gerim folces mid heom, ægðer ge Normana ge Englisca, & þa Normen [flugon þa Englis[c]a].
Anglo-Saxon Chronicle (Tiberius MS. B.i) anno 1066

OE Harold for to Norwegum, Magnus fædera, syððan Magnus dead wæs, & Normen hine underfengon.
Anglo-Saxon Chronicle (Tiberius MS. B.iv) anno 1049


 一方,古くから Normans のほうが普通の複数形だったようではある.

c1275 (?a1200) Seoððen comen Normans [c1300 Otho MS. Normains]..and nemneden heo Lundres.
Laȝamon, Brut (Caligula MS.) (1963) 7115

c1325 (c1300) þus was in normannes hond þat lond ibroȝt.
Chronicle of Robert of Gloucester (Caligula MS.) 7498


 -man 語の民間語源的な複数形をめぐる事例は,ほかにもあるかもしれない.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]


このページへのアクセス数
最終更新時間2024-12-22 08:47

Copyright (c) Ryuichi Hotta, 2009--