先日,「英語の発音と綴字の乖離」の問題について,DMM英会話ブログさんにインタビューしていただき,記事にしてもらいました.昨日その記事がアップロードされたので,今日はそれを紹介がてら,関連する hellog 記事へのリンクを張っておきます.記事のタイトルは,ずばり「圧倒的腹落ち感!英語の発音と綴りが一致しない理由を専門家に聞きに行ったら,犯人は中世から近代にかけての「見栄」と「惰性」だった。」です.こちらからどうぞ.
最大限に分かりやすい解説を目指し,話しをとことんまで簡略化しました.簡略化するあまり,細かな点では不正確,あるいは言葉足らずなところもあると思いますが,多くの英語学習者の方々に関心をもたれる話題に対して,英語史の観点からどのように迫れるのか,英語史的な見方の入り口を垣間見てもらえるように,との思いからです.趣旨を汲み取ってもらえればと思います.かる?く,ゆる?く読んで「腹落ち感」を味わってください.
さて,本ブログでは「英語の発音と綴字の乖離」問題について,spelling_pronunciation_gap の多くの記事で論じてきました.今回のインタビュー記事では,debt になぜ発音しない <b> があるのか,といった語源的綴字 (etymological_respelling) の話題を主として取り上げました.インタビュー中に言及のある具体的な事例との関係では,特に以下の記事をご覧ください.
・ debt の <b> の謎:「#116. 語源かぶれの綴り字 --- etymological respelling」 ([2009-08-21-1])
・ 中英語の through の綴字に見られる混乱:「#53. 後期中英語期の through の綴りは515通り」 ([2009-06-20-1])
・ 15世紀の through の綴字の収束:「#193. 15世紀 Chancery Standard の through の異綴りは14通り」 ([2009-11-06-1])
・ 発音と綴字が別々に走っていた件:「#2292. 綴字と発音はロープでつながれた2艘のボート」 ([2015-08-06-1])
・ 不規則性・不合理性を保つことに意味がある!?:「#1482. なぜ go の過去形が went になるか (2)」 ([2013-05-18-1])
1時間ほどのインタビューで上手に話し尽くせるようなテーマではありませんでしたが,読者のみなさんがこの問題に,また英語史という分野に関心を抱く機会となれば,私としては目的達成です.
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