11月に入り,慶應義塾大学文学部英米文学専攻の2年生にとっては来年度に向けてのゼミ選考の時期となりました.ゼミは公式には「研究会」と名付けられているとおり,向こう2年間,卒業論文執筆を最終目標として,自ら定めたテーマを集中的に研究する期間となります.今月いっぱい,アンテナを張って自身の興味・関心を探り,慎重に志望ゼミを選んでもらえればと思います.
私のゼミは主に英語史(フィロロジー)を研究するゼミです.現役ゼミ生の広報係が,この時期に合わせて堀田ゼミ紹介ページを作成・公開していますので,そちらからゼミの雰囲気をつかんでみてください.現役ゼミ生の目線からのゼミ評価,9月のゼミ合宿 (= khelf-conference-2022) の様子なども閲覧できます.
私から堀田ゼミの特徴を3点挙げてみます.
(1) 英語史および英語史的見方についてみっちりと学び,問い,議論し,追求できる場です.英語史,古英語,中英語,近代英語,歴史言語学,言語変化,社会言語学,綴字論に関心をもつ学生が集まってきています.過年度の卒業生の卒業論文テーマは sotsuron を参照してください.
(2) このゼミは khelf(慶應英語史フォーラム)活動の拠点でもあり,年間を通じて大小のイベントが企画,運営,実施されています.課外活動が多いので,ゼミ活動に積極的にコミットしたいという有志にお勧めのゼミとなっています.新しいイベントを企画したり運営するのが好きな学生,内外への情報発信に関心のある学生には,活躍できるゼミだと思います.活動方針としては「khelf ミッションステートメント」も参照してください.
また,内部限定の Discord サーバーを通じて,日々メンバーより英語史関連のコンテンツが投稿され,活発な議論が行なわれています.まさに「毎日英語史」というべきコミュニティ(おそらく日本最大?)です.
khelf の活動実績としてはこちらのページを参照にしてもらえればと思います.今年度のこれまでの活動としては,以下のようなものがあります.
・ 「英語史コンテンツ50」 (hel_contents_50_2022)
・ 『英語史新聞』の企画,編集,発行 (hel_herald)
・ 「ゼミ合宿」 (khelf-conference-2022)
・ 「英語に関する素朴な疑問 千本ノック」への参加 (senbonknock)
(3) 大学院生,卒業生,外部の英語史研究者などの「学術と人生の先輩」と交流する機会の多いゼミです.ここ数年間は周知の状況によりオンラインでの交流が多くなっていますが,今後は様子を見て対面の機会を増やしていきたいと思っています.
まとめると,堀田ゼミは「英語史ゼミ」「イベントゼミ」「交流ゼミ」である,ということになります.
一昨日,昨日と「khelf-conference-2021」と題する拡大版ゼミ合宿(オンライン)を開催し,無事に終了しました.たいへん濃密で充実した学びの時間となりました.ゼミ外部から参加していただいた方々にも,お礼申し上げます.
さて,新学期が始まる時期ということもありますし,英語史の学びを促してくれるHPを1つ紹介したいと思います.昨日のゼミ合宿でもお世話になった専修大学文学部英語英米語学科の菊地翔太先生のHPです.ご専門は初期近代英語期の社会言語学的研究ですが,英語史全般について,とりわけ授業関連のページに有用な情報が詰まっています.英語史に関して学べるサイトのリンク集や,ご専門の Shakespeare 関連の情報が含まれますが,とりわけ英語史関連の動画への案内が豊富です.
また,GloWbE (= Corpus of Global Web-Based English) 関連の情報がまとまっているこちらのページも,コーパスの使い方を学ぶ上で非常に参考になります.
今後,HP を充実してゆく予定とのことで,ますます楽しみです.(本ブログ記事にもたびたび言及していただいています,ありがとうございます!)
(後記 2021/10/18(Mon):菊地翔太先生の HP を探検し紹介するコンテンツ「菊地先生のホームページを訪れてみよう 」を大学院生が作ってくれました.こちらもご覧ください.)
昨日と今日,私のゼミのオンライン合宿が行なわれています.2日目の今日は,様々な活動の間に,私の「World Englishes 入門」が挟まります.趣旨としては,次の通りです.
英語が複数形で "Englishes" として用いられるようになって久しい.現在,世界中で使われている様々な種類の英語を総称して "World Englishes" ということも多くなり,学問的な関心も高まってきている.本講演では,いかにして英語が世界中に拡散し,World Englishes が出現するに至ったのか,その歴史を概観する.そして,私たちが英語使用者・学習者・教育者・研究者として World Englishes に対してどのような態度で向き合えばよいのかについて議論する.
準備したスライドをこちらに公開します.以下にスライドの各ページへのリンクも張っておきますので,復習などにご利用ください.
1. World Englishes 入門 for khelf-conference-2021
2. World Englishes 入門 --- どう向き合えばよいのか?
3. 目次
4. 1. はじめに --- 世界に広がる英語
5. 2. イギリスから世界へ
6. 関連年表
7. 3. 様々な英語
8. ピジン語とクレオール語
9. 4. 英語に働く求心力と遠心力
10. 5. 世界英語のモデル
11. おわりに
12. 参考文献
今日と明日,慶應義塾大学文学部英米文学専攻で英語史・英語学を学ぶ堀田隆一ゼミのゼミ合宿がオンラインで開催されます.昨年度に引き続き,コロナ禍により通常の泊まりがけのゼミ合宿はかなわず,オンラインでの開催となりますが,オンラインの良さを活かしたメニューで,充実の2日間にしたいと思っています.
本ブログを読まれている皆さんには,この機会に上記ゼミで英語史に関して行なっている研究・教育活動について広報させていただきたいと思います.大学の1ゼミにすぎないのですが少々外向きの活動も行なってきていまして,今後もそのような活動の比重を高めたいと思っています.ゼミを構成する学部生・院生に,卒業生等の少数の関係者も加わって,khelf (= Keio History of the English Language Forum) と自称して活動しています.ホームページ制作班により khelf のホームページも昨年度から立ち上がっており,今後も少しずつコンテンツを増やしていく予定です.
今年度のこれまでの最大の活動としては,4月の年度初めから2ヶ月にわたってほぼ毎日継続した「英語史導入企画2021」が挙げられます.目下,年度後半が始まるタイミングでもありますし,年度初めの意気を蘇らせるためにも,その趣旨を改めて思い起こしておきたいと思います.
年度初めの4月,5月は,学生も教員も一般人も新しい学びに積極的になる時期です.そこで,英語史を専攻する私たち khelf メンバー(大学院と学部のゼミ生たちが中心)が発信元となって,英語史という分野とその魅力を世の中に広く伝えるべく,何らかの「コンテンツ」を毎日1つずつウェブ上に公表していこうという「英語史導入企画2021」を立てました.
4月5日(月)から始めて5月下旬まで,日曜日を除く毎日更新していく予定です.「こんなに身近なトピックが英語史の入口になり得るのか」とか「こんな他愛のない問題について真剣に学問している集団があるのか」とか,様々に感じてもらい,英語史に関心をもってもらえればと思います.
この企画を通じて,日々 khelf メンバーから英語史に関するエッセイ風コンテンツがアップロードされ,最終的には49件のコンテンツが集まりました.幸い多くの方に目を通していただき,それが励みとなって khelf メンバーの学習・研究の士気も大いに上がりました.本ブログの読者の皆様にも改めて感謝いたします.コンテンツのアーカイブは常にオープンしていますので,どうぞいつでもご閲覧ください.
今後どのような企画を立ち上げていくかなども,今日明日のゼミ合宿で話し合いたいと思っています.khelf 活動につきまして,今後ともご支援とご協力のほどよろしくお願いいたします.
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