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helkatsu - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2025-11-02 10:28

2025-11-02 Sun

#6033. 「なぜ英語を学ばなければならないの?」を動画にしてみました by Google NotebookLM [hel_education][voicy][heldio][elt][notice][youtube][heltube][ai][helkatsu]

 昨日の記事「#6032. なぜ英語を学ばなければならないの? --- 中高生に向けて」 ([2025-11-01-1]) は,2023年5月30日の heldio 配信回「#729. なぜ英語を学ばなければならないの? --- 中学生のための英語史」に基づいた文章である旨を述べました.話し言葉は書き言葉とは異なり,独特の勢いがありますので,ぜひ音声でもお聴きいただければ.



 さらに,この同じコンテンツを動画化できないかと思案していたところ,Google NobebookLM で簡単にできることを知り,生成AIの力でアニメ+ナレーションの形に仕立て上げることにしました.細かいチューニングはできなかったので,出来上がりにはツッコミどころがいくつもありますが,初めての試みとして公開してみます.YouTube 「heltube --- 英語史チャンネル」に上げました.動画「なぜ英語を学ばなければならないの? --- 中高生に向けて」(6分49秒)をご覧ください.



 どんなものでしょうか? 今後も「hel活×生成AI」はいろいろと試していきたいと思っています.

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2025-10-31 Fri

#6031. ウェブ月刊誌 Helvillian の11月号が公開されました [helwa][heldio][notice][helmate][helkatsu][helvillian][link][hellive2025]


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 10月28日,helwa メンバー有志による毎月の hel活 (helkatsu) の成果をまとめたウェブマガジン『月刊 Helvillian 〜ハロー!英語史』の2025年11月号が公開されました.今号で通算第13号となります.
 まずは今回も編集委員としてご尽力くださった Galois さん,Lilimi さん,Grace さん,umisio さん,そして多彩な記事を寄稿してくださった執筆者の皆さんに,心より感謝と労いの言葉を申し上げます.多忙な日々のなか,これだけの知的好奇心と熱意のこもった記事を世に出し続けているという事実は,驚嘆に値します!
 今号の表紙デザインは Galois さんがご担当されており,掲げられているカンタベリー大聖堂の写真は lacolaco さんによる撮影です.そして,今号のトップを飾るのは,その lacolaco さんが寄せられた「表紙のことば」.lacolaco さんが9月にロンドン訪問した折に行なった「英語史的な聖地巡礼 "helgrimage (hel + pilgrimage)" あるいは "hel旅"」について,素直な感想が綴られています.そのhel旅の詳しい紀行は,別途 note 記事の形でも寄稿されていますので,ぜひお読みください.まさに英語史は「英語の歴史」というよりも「英語と歴史」!
 そして,今号の特集は「英語史ライヴ2025の余韻に浸る」です.去る9月13日に開催された「英語史ライヴ2025」の興奮と感動を,参加者やリスナーの各々の視点から振り返っています.Galois さんは,ライヴ当日の昼食時に,ジャーゴンの話題で盛り上がった旨を文章にされています.Grace さんは,ライヴと連動して提出された数々の「helwa コンテンツ」への再挑戦の意味を込めて,自身で編まれたコーパスに基づく本格的な調査として「学長式辞の言葉遣いを辿る」を寄稿されています.camin さんは「英語史ライヴ2025レポート:朝から晩まで英語史に浸る一日」として,ライヴ当日の様子を伝えてくださいました.「知的好奇心でつながるコミュニティの熱量と心地よさを改めて感じた一日でした」と締めくくられています.
 川上さんは「helwa メンバーのお話を聴きました」と題する記事を前後編に分けて寄稿されており,ライブ参加者へのインタビューを通して,英語を学ぶ意義についての議論を深められています.これを受けて umisio さんは「私は今英語とこうやって付き合っています~」と題する記事で,大人になってからの学びは楽しい,と結論しています.さらに ykagata さんもこの話題を受けて「「英語を学ぶ意義」を中高生に問われても困らないよう備える」として,この問題についての議論と対話を続けられました.ライヴに参加された方も,残念ながら参加できなかった方も,ぜひこの特集記事を読んで,ライヴの熱量とその余韻を味わっていただければと思います.
 充実した特集記事群の後には,連載や個別の寄稿記事が続きます.こちらも同じように充実しています.『英語語源ハンドブック』に取材した記事では,ykagata さんによる連載「『英語語源ハンドブック』にこじつけて学ぶドイツ語」が取り上げられています.川上さんによる,すっかりお馴染みの「やってます通信」も健在です.lacolaco さんの「連載 英語語源辞典通読ノート C (cross-crystal)」も順調で,一昨日の hellog 記事でお伝えした通り,C の項目を完走したとのことです(祝).
 「無職さん」こと佐久間さんは,今回も「「ご遺体」Leiche/lich と「好き」 like の不思議な関係(英語史)」と「歯科での英語診療科名の語源(英語史)」という,専門分野と英語史をユニークに結びつけた記事を2本寄稿されています.ari さんの連載・寄稿は今回も精力的で,英語史クイズ,通読 DEPN,hel-manga,古英語学習ノートなど,ヴァラエティ豊かな記事が並びます.川上さんは,昨今,助動詞に注目しているようで,must 関連の記事を複数寄稿されています.
 フランス語史を研究されている camin さんの「スイスのフランス語圏のフランス語」を書かれています.インドの諸言語や印欧祖語に並々ならぬ関心を寄せる mozhi gengo さんも,語源をめぐる多彩な記事を継続的に公開されており,その日頃からの熱量には頭が下がります.金田拓さんによる Essays の精読シリーズも健在です.古参の umisio さんも,いつもながらの新鮮な視点から英語史や言語問題について数々の記事を寄稿されています.
 直近1ヶ月のヘルメイトによる活動を報告する「Helwa のあゆみ」は,編集委員の Grace さんがまとめてくださいました.最後は,お楽しみの編集後記.編集委員4名が,Helvillian が2年目に入ったことを祝い,1年前の立ち上げのことを懐かしみ,今後の展開に期待しつつ,和気藹々とおしゃべりしている様子が,文章から伝わります.
 今号も,英語史という専門分野を軸にしながらも,読者の知的好奇心を刺激する多様な話題が揃っています.ウェブ月刊誌 Helvillian は,単なる英語史の知識の集積に留まらず,執筆者それぞれの「英語や言語との付き合い方」を垣間見せてくれます.hellog 読者の皆さんにおかれましては,ぜひ本誌を隅々まで読んでお楽しみください.そして,ぜひ helwa にお入りいただき,一緒にhel活を盛り上げていっていただければ.

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2025-10-28 Tue

#6028. hel活の新たな基地が完成 --- ポータルサイト「The HEL Hub」 [helhub][helkatsu][notice][hel_education][hellog]

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 ここ数日,集中的に取り組んでいたことが一段落し,hellog 読者の皆さんにご報告できる運びとなりました.私の英語史を広める諸々の活動,すなわち「hel活」 (helkatsu) のポータルサイトとして構想していた「The HEL Hub」がおおよそ完成し,先日ウェブ上で公開されました.
 これまでのhel活の「基地」といえば,今お読みいただいている「hellog~英語史ブログ」がその役割を果たしていました.16年半ほど毎日更新し,英語史関連の情報を発信してきました.その hellog から派生した音声ヴァージョンが毎日更新の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」で,こちらもおかげさまで4年と5ヶ月ほど継続しています.この2つの媒体が,私の日々のhel活の両輪となっています.
 しかし,昨今,私の発信のプラットフォームやメディアが多様化してきており,hellog と heldio に加えて,heldio のプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪 (helwa)」(有料チャンネル),YouTube 「heltube --- 英語史チャンネル」での heldio 再放送,同僚の井上逸兵さんとともに週2回お届けしている YouTube 「いのほた言語学チャンネル」,そして X(旧 Twitter)Instagram,知識共有サービス Mond といった各種のSNS媒体,さらには講演,インタビュー,雑誌記事,書籍に至るまで,種類も量も随分と増えてきました(おかげさまです).読者やリスナーの皆さんが,これらの英語史コンテンツに容易にアクセスできるように,また私自身にとっても情報発信の整理という意味合いもあり,新たなhel活の基地を作りたいという希望をずっと抱いていました.
 そこで今回,突貫工事的な集中作業を経て作ったのが The HEL Hub です.お察しの通り,ここにも私の活動のキーワードである HEL (= History of the English Language)が組み込まれています.英語史をめぐるあらゆる活動の「ハブ」となれば,という願いを込めての名付けです.
 この「ヘルハブ」 (helhub) は,今のところトップページ1枚のみの構成です.このシンプルなページから,上に挙げたすべてのhel活の新着コンテンツや新着情報にアクセスすることができます.ページを訪れていただければお分かりになるかと思いますが,helhub はhel活関連情報の最新の「フロー」を重視した作りになっています.「お知らせ」「新着コンテンツ」「hel活メディア一覧」の各セクションでは,生成AIの助けを借りて半自動化されたシステムにより,数時間おきに更新がなされ,常に最新の情報が流れるようになっています.
 一方,これまでのようにhel活情報を「ストック」として記録していく役割は,引き続き hellog が担っていくことになります.様々な媒体からの英語史コンテンツのなかでも特に重要な話題は,hellog 記事としても公開・記録し,これまで通りにストック情報を充実させていく方針に変わりはありません.
 つまり,日々の最新情報をざっと確認したいという場合には helhub へ,じっくりと英語史の話題を掘り下げたい場合には hellog を訪れていただければと思います.ぜひ hellog とともに helhub も,皆さんの「お気に入り」に登録していただければ幸いです.今後 helhub が皆さんにとって有益な存在となるよう,機能改善や発信方法の工夫などに努めていきます.ぜひ The HEL Hub をよろしくお願いします!

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2025-10-27 Mon

#6027. lacolaco さん×NotebookLM による英語語源クイズに唸る [heldio][helwa][helmate][helkatsu][kdee][ai][notebooklm][hel_education][etymology][notice][helquiz][kenkyusha]

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 heldio/helwa のコアリスナー lacolaco さんが,1年9ヶ月ほど前に始められた「英語語源辞典通読ノート」を順調に継続されています.この試みは開始当初に hel活 (helkatsu) 界隈で話題を呼びました.lacolaco さんの挑戦に焚き付けられて,英語史関連の各種辞典を「通読」するシリーズを始められたり,定期的な発信を開始される方々が複数現われてきたのです.
 その火付け役の lacolaco さんが,昨日,レギュラーシリーズとしての最新回となる「英語語源辞典通読ノート C (cuckoo-cynical)」を公開され,ついに C の項目をコンプリートされました.おめでとうございます! 一昨日開かれた helwa 北千住オフ会(私はリモートで参加)で,lacolaco さんより記事公開に先立って C 完走の報告を受けたため,皆でお祝いと労いと励ましの言葉を掛けました.
 そして,lacolaco さんは,ご自身の C コンプリートの機会に,驚くべき企画を打ち出されました.これまでの記事を Google NotebookLM に読み込ませ,「KDEE通読ノートまとめ-C」と題して,それを「語源クイズ」に仕立て上げてしまったのです.学術的な知識を生成AIという最新のツールに渡し,遊び心に満ちたコンテンツに変える.これは,まさに現代におけるhel活の新しい形を示す,素晴らしい試みです(NotebookLM を利用した別の試みについては,「#5850. 英語語彙史概論の講義内容を NotebookLM でポッドキャスト対談に仕立て上げました」 ([2025-05-03-1]) を参照).
 私も早速この C の項目をめぐる語源クイズに挑戦してみましたが,出題の妙に唸らされました.4択問題で出題されるのですが,難易度はかなり高めです.34問中22点,正解率は65%という結果です.中には当てずっぽうで正解したものもあったので,私の実力はもっと低かったということになります.英語史研究者や英語語源愛好家を標榜している者としては,心もとない点数でしたが,1つひとつの問いがたいへん勉強になりました.出題ソースが『英語語源辞典』(研究社)に基づいているので,安心して遊び,学ぶことができます.
 このクイズは,単に語源の知識を問うだけでなく,知的好奇心をも刺激してくれます.生成AIが,遊びにも学びにも,これほどまでに有効活用できるとは思いもよりませんでした.現代ならでは語源の楽しみ方ですね.
 lacolaco さんのアイディアそのものが秀逸なのですが,それ以前に「英語語源辞典通読ノート」の継続という「仕込み」があったからこそ可能になった試みである点が重要だと考えています.もちろん AB の項目に関するクイズもすでに作られていますので,lacolaco さんの特別記事「英語語源辞典通読ノートまとめ NotebookLM」経由で訪れていただければ.
 lacolaco さん,改めて C の項目の完走,おめでとうございます.そして,今後 D の項目に入っていくとのことですが,引き続き応援いたします!

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.

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2025-10-23 Thu

#6023. 「いのほたなぜ」で khelf と『英語史新聞』に言及しています [notice][inohotanaze][khelf][helkatsu][etymological_spelling][hel_herald]

 同僚の井上逸兵さんとの共著『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』(ナツメ社,2025年)(通称「いのほたなぜ」)が,1週間ほど前に出て以来,おかげさまで多くの方に手にとっていただいています.この本を通じて,英語学習者が普段抱いている素朴な疑問の背後には,意外にも深遠な歴史的・社会的背景があることを伝えられればと思っています.それは,英語学習のモチベーション向上にもつながりますし,同時に英語という言語の動的な姿を理解するきっかけとなります.
 さて,この本を執筆するにあたって,私にはひそかな「望み」がありました.それは,私が主宰する khelf(慶應英語史フォーラム)と,その活動の柱の1つである発行物『英語史新聞』に,何らかの形で言及できないものか,ということでした.
 英語史のおもしろさが世の中に広がることは,そのまま khelf の意義が高まることにつながります.また,khelf メンバーの日々の献身的なhel活 (helkatsu) が,より多くの人々の目に触れ,メンバーたちの励みになることを願っています.そこで,本書校正の最終段階で,khelf の名前をねじ込ませてもらった箇所があります.
 それは,本書の第2章(初級編)の「dolphin の ph はかっこつけだった?」と題する節の堀田コメント欄 (p. 79) です.『英語史新聞』第6号(2023年8月14日発行)のトップ記事で,khelf メンバーの寺澤志帆さんによる記事「不思議なスペルの動物たち」に言及しました(cf. 「#5223. 『英語史新聞』第6号が発行されました」 ([2023-08-15-1])).
 この dolphinph という綴字は,いわゆる語源的綴字 (etymological_spelling) の問題です.doubtb が発音されない,例の問題と同種です.この話題を「いのほたなぜ」で取り上げる際に,先の新聞記事に対してオマージュを捧げたという次第です.ちなみに,本書のカバーイラストにも,dolphin とイルカを入れてもらいました.これも間接的な khelf の宣伝になるでしょうか?
 本ブログの読者の皆さんにおかれましては,ぜひこれを機に「いのほたなぜ」特設HPのみならず,khelf の『英語史新聞』にもご注目いただけますと幸いです.
 khelf メンバーの皆さん,改めて英語史研究の研鑽から流れ出る地道な英語史広報活動に日々励んでもらってありがとう.皆さんの熱い活動は,英語史という分野を世の中に広める上で不可欠な原動力となっています.これからも、各々の推しテーマを深掘りし,その楽しさを周囲に発信し続けてください.皆のhel活が英語史界隈を盛り上げているのです!

『英語史新聞』第6号



 ・ 井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.
 ・ 『英語史新聞』第6号,khelf (慶應英語史フォーラム)発行,2023年8月14日.

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2025-10-21 Tue

#6021. 10月25日(土),朝カル講座の秋期クール第1回「I --- 1人称単数代名詞をめぐる物語」が開講されます [asacul][notice][personal_pronoun][person][case][indo-european][kdee][hee][etymology][sound_change][gvs][spelling][hel_education][helkatsu]


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 月1回,朝日カルチャーセンター新宿教室で英語史講座を開いています.今年度のシリーズは「歴史上もっとも不思議な英単語」です.英語史的に厚みと含蓄のある英単語を1つ選び,そこから説き起こして,『英語語源辞典』(研究社)や『英語語源ハンドブック』(研究社)等の参考図書の記述を参照しながら,その英単語の歴史,ひいては英語全体の歴史を語ります.
 来週末の10月25日(土)の講座は秋期クールの初回となります.今回は,英語において,最も短く身近な単語の1つでありながら,その歴史に壮大な物語を秘めた1人称単数代名詞 I に注目します.誰もが当たり前のように使っているこの単語ですが,少し立ち止まって考えてみると,実に多くの謎に満ちていることに気づかされます.以下,I について思いついた謎をいくつか挙げてみます.

 ・ 古英語では ic 「イッチ」と発音されていました.これが,いかにして現代の「アイ」という発音に変化したのでしょうか.そもそも語末にあった c の子音はどこへ消えてしまったのでしょう.
 ・ なぜ I は,文中でも常に大文字で書かれるのでしょうか.
 ・ なぜ主語は I なのに,目的語にはまったく形の異なる me を用いるのでしょうか.
 ・ It's me.It's I. は,どちらが「正しい」のでしょうか.規範文法と実用の観点から考えてみたいと思います.
 ・ 近年耳にすることも増えた between you and I という表現は文法的にどう説明できるのでしょうか.
 ・ 翻って日本語には「私」「僕」「俺」など,なぜこれほど多くの1人称代名詞があるのでしょう.英語の歴史と比較することで見えてくるものがありそうです.

  このように,たった1文字の単語 I の背後には,音声変化,綴字の慣習,文法規則の変遷,そして語用論的な使い分けといった,英語史u上の重要テーマが凝縮されています.講座では,時間の許す限りなるべく多くの謎に迫っていきたいと思います.
  講座への参加方法は,今期よりオンライン参加のみとなります.リアルタイムでの受講のほか,2週間の見逃し配信サービスもあります.皆さんのご都合のよい方法でご参加いただければ幸いです.また,開講時間がこれまでと異なり 15:30--17:00 となっていますので,ご注意ください.講座と申込みの詳細は朝カルの公式ページよりご確認ください.
 今度の講座のご紹介は,先日の heldio でも「#1602. 10月25日の朝カル講座は I --- 1人称単数代名詞に注目」としてお話ししましたので,そちらもお聴きください.



 なお,秋期クールのラインナップは以下の通りです.皆さんで「英語史の秋」を楽しみましょう!

- 第7回:10月25日(土) 15:30?17:00 「I --- 1人称単数代名詞をめぐる物語」
- 第8回:11月29日(土) 15:30?17:00 「take --- ヴァイキングがもたらした超基本語」
- 第9回:12月20日(土) 15:30?17:00 「one --- 単なる数から様々な用法へ広がった語」

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2025-10-20 Mon

#6020. 「いのほたなぜ」が第5位 --- Amazon 売れ筋ランキング英語部門 [notice][inohotanaze][inohota][inoueippei][youtube][helkatsu][link]

 連日,様々なメディアで新刊書『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』(ナツメ社)をご紹介しています.本書そのもののみならず,特設HPや関連のコンテンツも読んだり視たり聴いたりしていただけているようです.X(旧 Twitter)のハッシュタグ #いのほたなぜ でご意見やご感想などをお寄せいただけるよう呼びかけていますが,すでに読者の方々より,本書を手に取っている写真や書店・書棚の写真なども上げていただいています.Amazon レビューのほうにも,好意的なご感想の第1弾が届いています.温かく力強い応援,ありがとうございます.
 Amazon ランキング(英語部門)のほうは,発売後,舞台が「新着ランキング」から「売れ筋ランキング」に移り,激しい争いとなっています.それでも,一昨日の第9位から,今朝の時点で第5位までジワジワと上がってきました.


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 目下,共著者の井上さんや,ライターさん,ナツメ社の編集者さんなどとも協力して,少しでも広く本書の存在を知っていただくべく広報に専念しています.英語学・英語史の魅力を最大限に引き出し,それを皆さんに伝えたいからです.実際,本書の元となった YouTube 「いのほた言語学チャンネル」も,同じ趣旨で3年半以上続けているのです.そして,この始めてから16年半になろうとしているご覧のブログもまた,同じです.
 ここ数日間の本書に関連する各メディアでのコンテンツを以下に挙げておきます.

 ・ 井上&堀田による YouTube ショート動画:「いのほた本発売!--井上逸兵・堀田隆一『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』」

 ・ heldio: 「#1599. 「いのほたなぜ」本日発売」
 ・ heldio: 「#1603. 「英語学」って何? --- 「いのほたなぜ」のプロローグより」

 ・ hellog: 「#6015. 本日「いのほたなぜ」が出ます」 ([2025-10-15-1])
 ・ hellog: 「#6016. 「いのほたなぜ」の特設HPを公開しました」 ([2025-10-16-1])
 ・ hellog: 「#6017. SNS投稿のためにハッシュタグ「いのほたなぜ」をお使いください」 ([2025-10-17-1])
 ・ hellog: 「#6019. 「いのほた本」出版に合わせて YouTube ショート動画も公開しました」 ([2025-10-19-1])

 また,すでにご紹介した特設HPでは,冒頭に日替わりの「本日の注目章」を掲載しています.今日10月20日の注目章は「20. 「家に連絡するの?」は英語で何と言う?」です.この章と紐付いた「いのほた言語学チャンネル」の動画へもリンクが張られています.また,章と動画を結びつける全リンクは,特設HPの末尾に一覧していますので,そちらもご利用ください.引き続き「いのほたなぜ」そして「いのほた言語学チャンネル」の応援のほど,よろしくお願い致します.


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 ・ 井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.

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2025-10-19 Sun

#6019. 「いのほたなぜ」出版に合わせて YouTube ショート動画も公開しました [notice][inohotanaze][inohota][inoueippei][youtube][helkatsu]

 連日,本ブログでもお伝えしているように,同僚の井上逸兵さんと私の2人で3年半ほど続けてきた YouTube 「いのほた言語学チャンネル」が,本になりました.『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』(ナツメ社)と題する本で,来たる10月15日に発売されました.略称およびハッシュタグ #いのほたなぜ として,英語史・英語学を広めるべく,皆さんにも応援いただけますと幸いです.
 本書は,これまで週2回のペースで地道に配信してきた同 YouTube チャンネルのコンテンツから,選りすぐりのおもしろいネタを引き抜いて再構成したものです.チャンネルをご存じの方であれば,あの独特の雰囲気,すなわち大学教員2人が真剣勝負でカジュアルに,時に適当な(?)ことを喋っている空気感を思い出していただけるかと思います.あの雰囲気はそのままに,それでいて言語学のエッセンスが詰め込まれた1冊となっています.チャンネルをご覧になったことがない方にも,私たちの活動のエッセンスが詰まった入門書として,きっと楽しんでいただけることと思います.
 そしてこの新刊書の発売を記念して,井上さんと私とで90秒ほどの短い YouTube ショート動画を作成しました.「いのほた本発売!--井上逸兵・堀田隆一『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』」です.以下よりご覧ください.



 動画は,普段の私たちの掛け合いそのものです.お互いのコンテンツについてコメントし合うという,書籍にも盛り込まれた企画のおもしろささの一端を予想できるのではないでしょうか.動画内で井上さんが「適当なことをしゃべっているんですけど」と述べていますが,これはおそらく「高度なこと」の言い間違いでしょう(笑) 本書は入門編から上級編まで,実に幅広い話題を扱っており,レベルだけでなく濃度も高い内容となっています.
 このショート動画をきっかけに,私たちの新刊書『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』に興味を持っていただければ望外の喜びです.そして,まだの方はぜひ「いのほた言語学チャンネル」のほうも覗いてみてください.本書と合わせてお楽しみいただければ,英語という言語の奥深さ,そして言語学という学問のおもしろさを,より一層感じていただけることと思います.

 ・ 井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.

Referrer (Inside): [2025-10-20-1]

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2025-10-18 Sat

#6018. 『英語語源ハンドブック』への Amazon レビューに感謝 [notice][hee][hel_education][helkatsu]


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 目下3日前に刊行されたばかりの「いのほたなぜ」の広報に余念がないところではありますが,忘れてはならないのが4ヶ月ほど前に刊行された,こちらもまだ新刊書といってよい『英語語源ハンドブック』です.後者は,おかげさまで再重版がかかっております.
 『英語語源ハンドブック』の刊行後,読者の皆さんから多くの声が寄せられてきました.今回はとりわけAmazon レビューに集まった本書に関するご意見やご感想を要約したり部分引用しつつ,ご紹介します.
 まず,多くのレビューで共通して言及されているのは,本書が「専門的な信頼性」と「一般読者向けの分かりやすさ」を両立させているという点です.「専門用語は抑制され,見出しや語系図も整理されているので,辞書を渉猟する楽しさと物語を追うワクワク感が両立します」という,まさに私たちが目指した点を的確に表現したお言葉をいただきました.また,「本書は単にトリビア的に語源を紹介する本ではない.英語史という体系的学問に裏打ちされた本である」との評もいただきました.こうしたご感想は,共著者一同にとって何よりの励みとなります.
 特に英語教育に携わる先生方からの反響は,予想以上に大きいものでした.本書を「英語教師にとっての「虎の巻」」と呼んでいただいたのは大変光栄です.また,あるレビューアーは,現場で生徒から投げかけられるであろう鋭い問いを挙げ,「ここに本物の答えがあります.ここから本物の問いが始まります」と力強く書いてくださいました.本書が教室での知的な対話のきっかけとなっている様子が目に浮かぶようで,大変嬉しく思います.学生向けの簡約版を望む声も上がっていました.
 英語を学び直している社会人の方や,純粋な知的好奇心から手に取ってくださった方からのレビューも,私たちの心を温めてくれました.40年間英語とは無縁だったという方は「学校では習ったことのない英語の歴史,英単語の歴史が書かれており,楽しく読んでいます」「英語に対する好感度が爆上がりするかも?」と書いてくださり,胸が熱くなりました.また,「あなたの努力と振り払ってきた理不尽の伏線回収の時が来た!」という熱いエールも,心に響きました.
 一方で,「選んだ単語が基本的過ぎ」るや「どうして rob がないの?」といったご意見もいただきました.JACET8000 の基本1000語に絞るという方針は,ありふれた単語の奥深さを味わっていただきたいという意図によるものでした.1000語という限られた枠のなかで,すべての読者の期待に100%お応えするのは難しいことですが,いただいたご意見は確かに受け取りました.
 皆さんからのこうした反響を通じて,本書が私たちの手を離れ,読者一人ひとりのものとして成長していることを実感しています.改めて,温かいレビューをお寄せくださったすべての皆様に,心より御礼申し上げます.引き続き,『英語語源ハンドブック』をご愛読いただけますと幸いです.

 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2025-10-17 Fri

#6017. SNS投稿のためにハッシュタグ「いのほたなぜ」をお使いください [inohotanaze][inohota][inoueippei][notice][helkatsu][instagram][twitter]


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本日 Amazon 新着ランキングの英語部門で「いのほたなぜ」は第4位.日々ジワジワと上がってきています!



 一昨日の記事「#6015. 本日「いのほたなぜ」が出ます」 ([2025-10-15-1]) でもお伝えしましたが,このたび上梓された『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』の公式な略称は「いのほたなぜ」に決定しています.X(旧 Twitter)をはじめとする SNS のハッシュタグでは,平仮名6文字で #いのほたなぜ として展開していきますので,ご協力と応援のほどよろしくお願い致します.
 著者としては,このハッシュタグが単なる宣伝文句にとどまらず,本書を介した読者の皆さんとの交流の場となることを願っています.本書をお読みになってのご意見やご感想,あるいは「この項目が特におもしろかった」「ここをもっと知りたい」といったフィードバックを,ぜひこのハッシュタグを付けてご投稿ください.
 皆様から寄せられたご投稿は,一つひとつ拝見し,井上さんとも共有しつつ,今後の「いのほた言語学チャンネル」での新たな議論の種とさせていただきたいと考えています.皆さんのポストが,本書の続編ともいえるコンテンツを生み出すきっかけとなるのです.
 1ヶ月ほど前,9月13日の「予約爆撃アワー企画」では,皆さんの熱量がいかに大きな力となるかを目の当たりにしました(cf. 「#5985. 一昨日「いのほたなぜ」予約爆撃アワー企画の効き目,英語部門で第2位!」 ([2025-09-15-1])).本書の出版はゴールではなく,皆様との新たな対話の始まりです.#いのほたなぜ のハッシュタグを通じて,著者と読者が一緒に本書を育てていく,そのような新しい関係性を築いていければ嬉しく思います.皆さんの積極的なご参加が,著者2人にとっての何よりの励みとなります.たくさんのご投稿を心待ちにしております.
 昨日紹介した「いのほたなぜ」特設HPにも,「読者の声」セクションが設けられています.賑やかなセクションになっていくと楽しいですね.

 ・ 井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.

Referrer (Inside): [2025-10-20-1]

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2025-10-16 Thu

#6016. 「いのほたなぜ」の特設HPを公開しました [inohotanaze][inohota][inoueippei][notice][notice][helkatsu]


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 昨日の記事「#6015. 本日「いのほたなぜ」が出ます」 ([2025-10-15-1]) でお知らせした通り,井上逸兵さんとの共著『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』が,昨日ついに世に出ました.すでにご予約注文いただいた皆様には,心より感謝申し上げます.お手元に届くまで今しばらくお待ちください.
 本日10月16日の朝現在,Amazon 新着ランキングの英語部門で「いのほたなぜ」は第6位につけています! 昨日は第7位だったので,じわじわと上がってきています.
 さて,本書の刊行に合わせて,「いのほたなぜ」特設HP を公開しましたので,本日はそのご案内です.ページの前半は「(日替わりの)本日の注目章」「本書について」「試し読み」「こんな方におすすめ」など本書の紹介が続きます.中程には「読者の声」のセクションを設けました.今後 Amazon レビューや SNS その他のプラットフォームに諸々のレビュー,ご意見,質問が寄せられてくることを期待していますが,なるべく多くのコメントをこちらのセクションに反映していければと思っています.
 そして,特設HPのメインは後半に設置された「目次と対応動画リンク集」です.「いのほたなぜ」は YouTube チャンネル 「いのほた言語学チャンネル」 での対談を活字化したものですが,この特設HPでは,本書の各章とその種となった対応動画とを,紐付けて一覧にしています.各章には動画へのリンクに加えて QR コードも付しており,スマートフォンをかざすだけで,いつでもどこでも井上&堀田の生の対話に立ち返ることができます.書籍という静的な文字メディアと,YouTube という動的な映像メディアとを,この特設HPをハブとして自由に行き来きしていただければ.
 動画から書籍へというメディアの移植は,著者としてもたいへん興味深い経験でした(cf. 「#5973. 「いのほた本」が出ます! --- 井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』(ナツメ社)」 ([2025-09-03-1])).動画で話していたときには意識していなかった論点が,活字化の過程でくっきりと浮かび上がってくることもあれば,逆に,動画ならではの身振り手振りや声のトーンが含んでいたニュアンスが,文字だけでは伝えきれないというもどかしさを感じることもありました.
 読者の皆さんには,ぜひこの特設HPにアクセスしつつ,両メディアの違いを味わっていただければと思います.「動画のこの部分が,本ではこう表現されているのか」「本で読んで疑問に思った点が,動画を見たら氷解した」といった発見がありましたら,それこそが本書の最もおもしろい楽しみ方といえます.また,本書とその魅力を SNS などで共有していただけると嬉しく思います.
 今朝の heldio でも「#1600. 「いのほたなぜ」の特設HPをオープンしましたとして同じ話題でお話ししていますので,ぜひお聴きください.



 ・ 井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.

Referrer (Inside): [2025-10-20-1]

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2025-10-15 Wed

#6015. 本日「いのほたなぜ」が出ます [inohotanaze][inohota][inoueippei][notice][helkatsu]


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 同僚の井上逸兵さんと毎週2回,水・日曜日に配信している YouTube 「いのほた言語学チャンネル」が本になりました! 本日10月15日が発行日となっております.ただし Amazon などの配本は,もう2,3日後のことになるようですので,予約注文された方は,もうしばらくお待ちください.

 ・ 井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.(← Amazon へのリンク)

 今回出版されるいのほた本の公式な略称は「いのほたなぜ」となっております.X(旧 Twitter)をはじめとする SNS のハッシュタグでは,平仮名6文字で #いのほたなぜ として展開していますので,ご協力のほどよろしくお願い致します.本書に関するご意見やご感想も,このハッシュタグを付して各種 SNS でご投稿ください.ご投稿のいくつかは,今後 hellog や heldio で取り上げて行く予定です.本書については,本ブログの「#5973. 「いのほた本」が出ます! --- 井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』(ナツメ社)」 ([2025-09-03-1]) もお読み頂ければ.
 さて,1ヶ月ほど前の9月13日のことですが,多くの方々に「いのほたなぜ」予約爆撃アワー企画にご参加いただき,盛り上げていただきました.その様子は,YouTube にて「いのほた本ライブ」としてご覧になれます.その折にたくさんの予約注文をいただきましたが,なんと同日の夜には Amazon 新着ランキングの英語部門で第2位を記録するに至りました.改めて皆さんの熱量に驚くとともに感謝申し上げます(cf. 「#5985. 一昨日「いのほたなぜ」予約爆撃アワー企画の効き目,英語部門で第2位!」 ([2025-09-15-1])).
 今後は井上さんとともに「いのほたなぜ」の内容紹介などを様々な形で行なっていくつもりです.本ブログのみならず heldioX アカウント などのメディアにも,ぜひご注目ください.今朝の heldio は「#1599. 「いのほたなぜ」本日発売です.



 ・ 井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.

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2025-10-11 Sat

#6011. リスナー投票による heldio 2025年第2四半期のランキング [voicy][heldio][notice][ranking][link][helkatsu][hellive2025]

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 「#6001. heldio 2025年第3四半期のベスト回を決めるリスナー投票 --- 10月7日までオープン」 ([2025-10-01-1]) でご案内したとおり,今年の第3四半期(7月--9月)における Voicy heldio のベスト配信回を決めるリスナー投票(1人10票まで)を実施しました.10月7日をもって投票を締め切りました.今回は25名のリスナーの皆さんよりご投票いただきました.ご投票いただき,ありがとうございました.
 投票結果をまとめましたので本記事にて報告いたします.本日の heldio でも「#1595. heldio 2025年第3四半期のリスナー投票の結果発表」として報告しているので,ぜひお聴きください.



 今回も主として対談回が上位を独占しました.以下に上位7位までの計33配信回を掲載します(全結果は本記事のソースHTMLをご覧ください).



【 第1位(40%)】

 「#1507. またまた嶋田珠巳先生といっしょにコメント返し」
 「#1581. 歯科医学×英語史 with 無職さん --- 「英語史ライヴ2025」より」

【 第2位(32%)】

 「#1498. いきなり井上逸兵さんと生配信(のアーカイヴ)」
 「#1513. 「語源は思考の糧である」 --- 小塚語録より」
 「#1576. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック with 小河舜さん --- 「英語史ライヴ2025」より」

【 第3位(28%)】

 「#1495. do の不思議を専門家に尋ねる --- 名古屋オフ会に矢冨弘さん登場」
 「#1577. helwa メンバー発信!中高生のあなたへ,私は今こうやって英語(外国語)とつきあっています --- 「英語史ライヴ2025」より」

【 第4位(24%)】

 「#1493. 知覚動詞構文と知覚の直接性について --- 名古屋オフ会で村岡宗一郎さんと対談」
 「#1533. Wulfstan 版「主の祈り」で古英語音読 --- プチ英語史ライヴ from 横浜」
 「#1570. ゼミ合宿飲み会で,継続こそがすべてという話しをしました」

【 第5位(20%)】

 「#1497. 『英語語源ハンドブック』の重版決定 --- 昨日お昼の緊急生配信より」
 「#1527. crocodile の怪 --- lacolaco さんと語源学を語る(プチ英語史ライヴ from 横浜)」
 「#1535. 笑,草,gaers を考える --- 北澤茉奈さんとの対談」
 「#1545. 「グリムの法則」は本当はラスクが見つけていた」

【 第6位(16%)】

 「#1547. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック for 夏スク「英語史」(後編)」
 「#1566. 英語史の用語辞典? --- まずは『英語学・言語学用語辞典』を紹介します」
 「#1573. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (62-3) with Taku さん --- 「英語史ライヴ2025」より」

【 第7位(12%)】

 「#1500. that 節を語ろう --- 名古屋オフ会より生配信」
 「#1506. 綴字と発音の乖離は歴史の遺産--- 『スペリングの英語史』より」
 「#1509. Mrs. の発音はなぜ「ミスターズ」ではないのか --- khelf ゼミ生高野さんの「英語史コンテンツ」」
 「#1514. 語源論法に要注意」
 「#1518. 現代英語の but,古英語の ac」
 「#1534. 10人で千本ノック --- プチ英語史ライヴ from 横浜」
 「#1544. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック for 夏スク「英語史」(前編)」
 「#1546. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (62-1) The Earlier Influence of Christianity on the Vocabulary」
 「#1551. 「文藝春秋PLUS」で再び英語史をお話ししてきました」
 「#1555. 英語の規範はいかにしてできたのか? --- 昨日 Mond に寄せられた疑問に回答しました」
 「#1557. 日本音声学会の音声学セミナーで「現代英語の発音と「大母音推移」」をお話しします」
 「#1563. life/live ペアの怪について」
 「#1569. 「いのほたなぜ」予約爆撃アワー --- 「英語史ライヴ2025」より」
 「#1578. 川上さんの「英語のなぜ5分版」やってます通信 --- 第21弾」
 「#1579. 「大母音推移」は解体していくのか? --- 9月28日(日)の音声学セミナーに向けて」
 「#1583. alligator でワニワニパニック --- khelf 寺澤志帆さんと語る」




 改めて2025年第3四半期も対談回が圧倒的強さを維持しました.第1位に輝いた「#1507. またまた嶋田珠巳先生といっしょにコメント返し」「#1581. 歯科医学×英語史 with 無職さん --- 「英語史ライヴ2025」より」は,いずれもゲスト対談者との掛け合いが中心で、知的ながらも親しみやすい雰囲気が好評を博したようです.
 第2位に入った「#1498. いきなり井上逸兵さんと生配信(のアーカイヴ)」「#1513. 「語源は思考の糧である」 --- 小塚語録より」「#1576. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック with 小河舜さん --- 「英語史ライヴ2025」より」の3本についても,研究者仲間との即興的なやりとり,あるいはそこから飛び出たメッセージを味わっていただいたものと理解しています.いずれも研究と日常の境界を越えていく heldio らしさが体現されている回だと思います.
 第3四半期のもう1つの特徴は,8月2日の「プチ英語史ライヴ from 横浜」や9月13日の「英語史ライヴ2025」など,収録会を複数回開催し,そこでの熱気がリスナーの皆さんにも伝わる機会が多かった点でしょうか.例えば,

 ・ 「#1577. helwa メンバー発信!中高生のあなたへ,私は今こうやって英語(外国語)とつきあっています --- 「英語史ライヴ2025」より」
 ・ 「#1493. 知覚動詞構文と知覚の直接性について --- 名古屋オフ会で村岡宗一郎さんと対談」
 ・ 「#1533. Wulfstan 版「主の祈り」で古英語音読 --- プチ英語史ライヴ from 横浜」
 ・ 「#1527. crocodile の怪 --- lacolaco さんと語源学を語る(プチ英語史ライヴ from 横浜)」
 ・ 「#1573. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (62-3) with Taku さん --- 「英語史ライヴ2025」より」

が上位に入っています.こうした現場の熱が伝わるライヴ回は,リスナー参加型の英語史体験という heldio の方向性を定めるものとなっています.
 ほかには,ランキングの中位から下位にかけてを見てもわかるとおり,トピックの多様化がいっそう推し進められました.『英語語源ハンドブック』,グリムの法則,朝カル講座,月刊ウェブマガジン Helvillian,『英語史新聞』,「英語のなぜ5分版」やってます通信など様々です.heldio/helwa リスナーの皆さんの力をお借りして,heldio が英語史を軸にしたネットワーク・メディアとして育ってきたことを実感します.
 まとめると,2025年第3四半期は対談・ライヴ・交流など複数の軸が互いに補強し合い,heldio がhel活コミュニティとして成熟してきた四半期だったといえます.
 今回のリスナー投票にご参加いただいた皆さん,ご協力ありがとうございました.皆さんからのフィードバックは,今後の heldio 配信に向けて大きなヒントとなります.2025年第4四半期も,英語史の魅力と学びの楽しさをお届けしてきたいと思います.上記の結果を参考に,まだお聴きでない配信回がありましたら,ぜひご聴取ください.

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2025-10-04 Sat

#6004. slang の役割について凝縮した読ませる文章で教えてくれる章 --- HEL in 100 Places より [100_places][helgrim][helkatsu][slang][dictionary][lexicology][lexicography]

 目下,New Zealand に来ている.持参した書籍の1つが,本ブログでも最近たびたび取り上げている A History of the English Language in 100 Places である.
 NZ 関係の記述としては「#5974. New Zealand English のメイキング」 ([2025-09-04-1]) で紹介した第52節があったが,意外なところにもう1節あった.それは第66節 "GISBORNE --- English slang (1894)" である.
 Gisborne は NZ 北島東岸の港町である.この町で英語辞書編纂界の巨人 Eric Partridge (1894--1979) が生まれたという理由で,この節にて英語の slang の話しが展開されることになるのだ.Partridge の業績のなかでもとりわけ名高いのが,A Dictionary of Slang and Unconventional English (1937) である.この初版以来,現在まで改版が続いている影響力のある英語俗語辞書だ.
 1ページ半ほどの短い節だが,ここに slang の捉えどころのなさ,怪しさ,魅力が詰め込まれている.slang の役割についての記述も,さりげなくではありながらも本質を突いている.ここでは最後の1節を引こう.

The aim of people using and creating slang is to make up words that are not in the dictionary in order to shock, delight, amaze, intrigue and mystify. Friends and enemies alike can be the objects of this verbal gaming, but slang users have to contend with the online glossaries that are being constantly updated. The best of these is Urban Dictionary; it boasts over 6 million definitions. Hard copy slang dictionaries are far behind; the Oxford Dictionary of Slang (2003) can boast no more than 10,000 slang words and phrases. Moreover, as a word moves from speech to print and from print to dictionary, its slanginess must steadily decrease.


 今後,英語の slang 辞書編纂は,一般の辞書編纂に比べても,はるかに早く紙から遠ざかっていくだろうことが確信される.紙の辞書に捕捉された時点で,slang はその本質的な性質を半ば失っているということになるからだ.語彙変化や意味変化の領域における slang の影響力は思いのほか大きい.slang は言語変化の現場である.

 ・ Lucas, Bill and Christopher Mulvey. A History of the English Language in 100 Places. London: Robert Hale, 2013.

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2025-10-02 Thu

#6002. ウェブ月刊誌 Helvillian の10月号が公開されました [helwa][heldio][notice][helmate][helkatsu][helvillian][link][hee][helwa_contents][khelf]


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 9月28日,helwa メンバー有志による毎月の hel活 (helkatsu) の成果をまとめたウェブマガジン『月刊 Helvillian 〜ハロー!英語史』の2025年10月号が公開されました.今号で通算第12号となり,創刊から1年間を駆け抜けたことになります.おめでとうございます!
 今号は khelf(慶應英語史フォーラム)会長の青木輝さんによる「表紙のことば」から始まり,各執筆者の知的好奇心が凝縮された,たいへん読み応えのある号となっています.
 今号の特集は「ことばにまつわる大人の自由研究」,あるいは【helwaコンテンツ2025】です.ari さんは restaurant の語源に迫り,Grace さんは a gob ofgobs of の文法化に注目しています.川上さんは Poor as they are, they are generous. にみられる as の用法を,lacolaco さんは crocodile の綴字の変異を,Lilimi さんは登山用語の社会言語学をそれぞれ論じています.mozhi gengo さんは Tokyoite などにみられる接尾辞の記事を,umisio さんは heldio をきっかけとした本との再会や朝ドラを題材とした話題を綴っています.川上さんによる人気シリーズ「「英語のなぜ」やってます通信」も健在です.
 『英語語源ハンドブック』に取材した記事も豊富です.ari さんは「HEEシリーズ」として,また ykagata さんも「『英語語源ハンドブック』にこじつけて学ぶドイツ語」シリーズとして,豊かな話題を提供してくださっています.著者の1人として感謝を申し上げます.
 個別の寄稿も非常に充実しています.「無職さん」こと佐久間さんは,歯科医史からみた tooth 類の語源や診療科名の語源など,専門分野と英語史を結びつけたユニークな記事を3本寄せています.ari さんは先の特集・連載に加えて,日常的な話題から英語史クイズ,古英語学習ノートに至るまで,縦横無尽に記事をお書きです.川上さんは,法助動詞の連続がなぜ許されないかという問題に迫っています.mozhi gengo さんも,いつものように語源解き明かしを中心に知的好奇心をくすぐる記事を多数執筆されいます.
 金田拓さんによる Francis Bacon の Essays 精読ノートは必読です.umisio さんは,NHK の「チコちゃんに叱られる!」の出演者(←誰?)に関する話題を含め,いつもながらの融通無碍な記事を寄稿されています.ykagata さんによる,ドイツ語の nicht müssen に関する徹底的な調査報告も読み応えがあります.
 最後に,Grace さんによる helwa の活動報告と,umisio さんによる編集後記で今号が締めくくられています.まさに知の饗宴.ぜひ隅々までお楽しみください.
 今号もこれだけの充実した内容が揃ったのは,ひとえに編集委員として尽力されている Grace さん,Lilimi さん,Misato さん,umisio さんのおかげです.この場を借りて心より感謝申し上げます.
 今号については,heldio でも「#1584. Helvillian 10月号が公開! --- 特集は「ことばにまつわる大人の自由研究【helwaコンテンツ2025】」」としてご紹介しています.ぜひお聴きいただければ.


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2025-09-28 Sun

#5998. 英語史旅,hel旅,あるいは helgrimage [helgrim][helkatsu][notice][chaucer][canterbury_tales][cockney][london][johnson][blend][100_places]

 「英語語源辞典通読ノート」でおなじみの lacolaco さんが,9月23日付けで興味深い note 記事を公開された.「2025年ロンドン」 と題するその記事は,単なるロンドン旅行記ではない.「英語史」というレンズを通してロンドンとカンタベリーをめぐるという,体を張った知的なhel活 (helkatsu) の記録である.
 同記事によれば,lacolaco さんは今月半ばのロンドン滞在の折に,A History of the English Language in 100 Places をガイドブックとして,英語史にゆかりのある数々の場所を訪ね歩いたという.この本については hellog でも以下の記事などで取り上げてきた.

- 「#5956. 100の場所で英語史を学ぶ本 --- A History of the English Language in 100 Places」 ([2025-08-17-1])
- 「#5968. 「あなたが選ぶ英語史ゆかりの場所100選」はおもしろい企画になりそう --- HEL in 100 Places の序文より」 ([2025-08-29-1])

 今回の lacolaco さんの旅は,まさにこの本を実践に移した旅といえる.Geoffrey Chaucer (1340?--1400) が The Canterbury Tales の構想を練ったとされる Aldgate, Cockney (cockney) の語源となった鐘の音で知られる St Mary-le-Bow,そして Samuel Johnson が英語史上初の本格的な辞書を編纂した Dr Johnson's House など,訪問地はいずれも英語史を学ぶ者にとって胸が熱くなる場所ばかりだ.極めつけは,巡礼の最終目的地である Canterbury への日帰り旅.Chaucer の像や,大聖堂に鎮座する St. Augustine's Chair --- すなわちカンタベリー大聖堂の cathedra (司教座) そのもの --- を目の当たりにした感動が伝わってくる.
 この記事でとりわけ私の心を捉えたのは,lacolaco さんが自らを helgrim (英語史聖地巡礼者)と称していることだ.これは HEL (= History of the English Language) と pilgrim (巡礼者)を掛け合わせた混成語 (blend)である.このネーミングセンスには脱帽する.
 この素晴らしいアイデアに乗っかり,英語史の巡礼行為そのものを helgrimage (英語史旅,あるいはhel旅)と呼びたい.英語史を学び,その歴史が刻まれた土地を訪ね歩く.これは,書物と向き合うだけでは得られない,身体的な学びの形である.言語が実際に使用され,変容を遂げてきた現場の空気を吸うことで,英語史年表の各項目が,単なる知識ではなく,生きた実感として立ち上がってくるはずだ.
 英語史研究は,基本的には文献学であり,書斎にこもって写本や刊本を読んだり,PCの前で電子コーパスを分析するのが一般的だ.しかし,本来,言語は常に特定の場所と結びついている.歴史言語学が,地理学,社会学,人類学などの分野と密接に関わるのはそのためだ.helgrimage は,英語史という学問にフィールドワークの側面を与え,その魅力をさらに深めてくれる可能性を秘めている.
 これまで本ブログでは様々なhel活を提案してきたが,この helgrimage はきわめて能動的な活動といえるだろう.ロンドンやカンタベリーに限らず,ヴァイキングが足跡を残したイングランド北部,古英語の写本が眠る図書館,さらには英語が世界に展開していく拠点となった要衝など,helgrimage の目的地は世界中に存在する.
 lacolaco さんの今回の実践は,英語史の楽しみ方に新たな地平を切り開くものである.多くの helgrims がこれに続くことを願ってやまない.私も helgrimage に出かけることにしよう.

 ・ Lucas, Bill and Christopher Mulvey. A History of the English Language in 100 Places. London: Robert Hale, 2013.

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2025-09-26 Fri

#5996. khelf の疋田海夢さんが Growth and Structure 連載を始めています [khelf][jespersen][helkatsu][review][hel][notice]

 khelf(慶應英語史フォーラム)によるhel活 (halkatsu) が新展開を示しています.
 4ヶ月ほど前に「#5861. khelf 寺澤志帆さんが「『英語語源辞典』でたどる英語綴字史」シリーズを開始しています」 ([2025-05-14-1]) でご紹介しましたが,寺澤志帆さんによる「『英語語源辞典』でたどる英語綴字史」が絶賛継続中です.昨日時点で123件の記事が公開されており,1つひとつ丁寧に記載されています.読み続けていると,英語史の知識が確実に増していきます.ぜひ RSS フィードを登録して,日々講読していただければ.
 そして先日,もう1人の khelf メンバーによる連載が始まりました.大学院生の疋田海夢さんが自身のHP上で始めたシリーズです.連載タイトルはGrowth and Structure で辿る英語の歴史」です.疋田さんが Jespersen による英語史の名著 Growth and Structure of the English Language (10th ed.) を1節ずつ丁寧に読み,コメントを加えていくという企画です.昨日時点で第8節までの記事が公開されており,シリーズ継続のリズムができてきました.こちらの連載にも RSS フィードが用意されていますので,ぜひフォローしていただければ.
 疋田さんが,なぜこの連載を始められたのか? それについては,最初の記事「0. Growth and Structure of the English Language の講読をはじめます」に記されているので,ぜひお読みください.
 先日,hellog でこの名著に関する以下の記事を2本書きましたが,実は今回の疋田さんの連載開始を受けて執筆したものでした.

 ・ 「#5990. Jespersen による英語史の名著 Growth and Structure of the English Language」 ([2025-09-20-1])
 ・ 「#5991. Jespersen の G&S の第1節を堪能する」 ([2025-09-21-1])

 そこでも述べたとおり,G&S は間違いなく英語史に関する名著の1つです.疋田さんが本書の精読を始め,関連する連載を始めた今,皆さんも一緒に同書を読み始める絶好のチャンスです.ぜひ連載を日々追いかけつつ,皆さんにもこの名著を味わっていただければと思います.


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 ・ Jespersen, Otto. Growth and Structure of the English Language. 10th ed. Chicago: U of Chicago, 1982.

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2025-09-25 Thu

#5995. khelf の藤平さんに「いのほたなぜ」のチラシを作成していただきました [notice][inohotanaze][inohota][inoueippei][khelf][helkatsu]


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 井上逸兵さんとともに毎週水・日にお届けてしている YouTube 「いのほた言語学チャンネル」が近々書籍化されることについては,「#5973. 「いのほた本」が出ます! --- 井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』(ナツメ社)」 ([2025-09-03-1]) や「#5985. 一昨日「いのほたなぜ」予約爆撃アワー企画の効き目,英語部門で第2位!」 ([2025-09-15-1]) の記事で触れてきました.発売は10月15日(水)となります.Amazon のこちらのページより予約受付中です.
 上記のチラシは,khelf の藤平さんに制作していただきました.いつもご協力ありがとうございます! チラシの以下の文句にあるとおりの書籍です.

専門の知見をわかりやすく解説.「そう習ったから」では終わらない,一歩先の理解に繋がる一冊.


 目下「いのほたなぜ」の編集者および著者2人で,本書を紹介する様々なコンテンツを作成中です.まず,特設ランディングページ (LP) を作っています.そこでは本書を紹介するのみならず,本書の各章と,元ネタとなっている「いのほた言語学チャンネル」の配信回とを結びつけたリンク集も掲載する予定です.
 また,YouTube チャンネルから生まれた書籍だけに,動画でのお知らせにも力を入れていきます.9月13日(土)に井上&堀田で生配信した以下の「いのほた本ライブ」を皮切りに,今後に向けてショート動画も制作中です.



 ・ 井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.

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2025-09-18 Thu

#5988. 9月27日(土),朝カル講座の夏期クール第3回「English --- 慣れ親しんだ単語をどこまでも深掘りする」が開講されます [asacul][notice][demonym][suffix][onomastics][kdee][hee][etymology][hel_education][helkatsu]


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 毎月1回,朝日カルチャーセンター新宿教室での英語史講座を開いています.今年度のシリーズは「歴史上もっとも不思議な英単語」です.英語史的に厚みと含蓄のある英単語を1つ選び,そこから説き起こして,『英語語源辞典』(研究社)や『英語語源ハンドブック』(研究社)等の参考図書の記述を参照しながら,その英単語の歴史,ひいては英語全体の歴史を語ります.
 来週末の9月23日(土)の講座は夏期クールの3回目となります.今回は英語を学ぶ誰もが最も多く発したり聞いたりし,さらに読み書きもしてきた重要単語 English に注目します.この当たり前すぎる英単語をめぐる歴史は,実は英語史のおもしろさを煮詰めたような物語になっています.ふと立ち止まって考えてみると,謎に満ちた単語なのです.

 ・ なぜ「アングレ」(フランス語)や「エングリッシュ」(ドイツ語)ではなく英語では「イングリッシュ」なの?
 ・ English と綴って「イングリッシュ」というのはおかしいのでは?
 ・ EnglandAnglia との関係は?
 ・ なぜ Japanese の -eseAmerican の -n ではなく English には -ish の語尾がつくの?
 ・ なぜ米語は American ではなく,あくまで (American) English と呼ばれるの?
 ・ 言語名は通常は固有名詞かつ単数として扱われるのに,なぜ最近 Englishes という複数形が使われているの?

 民族,国,言語,文化,歴史に関わる重要単語なので,このように疑問が尽きないのです.講座では,他の民族を表わす単語などとも比較しながら,English に込められた謎に迫ります.
 講座への参加方法は新宿教室での直接受講,オンライン参加のいずれかをお選びいただけます.さらに2週間の見逃し配信サービスもあります.皆さんのご都合のよい方法でご参加いただければ幸いです.申込みの詳細は朝カルの公式ページよりご確認ください.
 なお,この講座の見どころについては heldio で「#1574. "English" という英単語について思いをめぐらせたことはありますか? --- 9月27日の朝カル講座」としてお話ししています.こちらもあわせてお聴きいただければ幸いです.

</p><p align="center"><iframe src=https://voicy.jp/embed/channel/1950/7099532 width="618" height="347" frameborder=0 scrolling=yes style=overflow:hidden></iframe></p><p>

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2025-09-16 Tue

#5986. khelf 大学院生の研究テーマ一覧 --- khelf ゼミ合宿@茂原 [hel_education][khelf][seminar][sotsuron][helkatsu]

 慶應義塾大学文学部英米文学専攻の堀田ゼミでは,9月16日(月)から18日(水)にかけて千葉県茂原市の宿にて2泊3日のゼミ合宿を実施しています.参加した大学院生,学部4年生,学部3年生,そして特別ゲスト講師(?)として菊地翔太先生(専修大学)を合わせた29名での研究発表合宿です.各々の個人研究のテーマを短時間で紹介・発表する「ポスターなしポスターセッション」の課題をこなします.
 初日の昨日,そして2日目の今日の午前中で,まず大学院生7名による研究発表が行なわれました.

 1. 中英語期の韻文作品における複合数詞の選択とその要因
 2. 英語における What's X is X 表現の使用と発達,およびその理論的示唆
 3. 古英語から初期中英語にかけての等位接続詞の導く節の語順変化
 4. William Cecil, Lord Burghley の自筆草稿と印刷本における語源的綴字の比較
 5. 動詞の自動詞化をともなう prepositional verbs の発達
 6. 「妨げる」の意をもつ動詞の性質比較
 7. 可算・不可算の区別はなぜあるのか?

 いずれも今後どのように展開していくのかが楽しみな研究です.

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