慶應義塾大学文学部英米文学専攻では,毎年11月上旬に恒例のゼミガイダンスが開催されます.同専攻の学部2年生に向けて,来年度3年次に所属し,4年次に卒業論文を(英語で)執筆することになるゼミ(公式には「研究会」と称する)を選んでもらう趣旨でのガイダンスです.今年度のガイダンスは本日午後に開催予定です.
私のゼミ(堀田ゼミ)は,英語史を専攻する扱うゼミです.今年度は,3,4年生の現役ゼミ生が30余名集まって,賑やかにゼミ活動を展開しています.英語史ゼミとはいっても,必ずしも皆が古英語や中英語の諸問題を研究テーマに選んでいるわけではなく,近現代英語に関する話題を歴史的・通時的な観点から扱うゼミ生が大半です.過年度の卒業論文タイトルは,本ブログでも sotsuron の各記事で掲載しています.研究テーマの雰囲気は,そちらからつかめると思います.
学部ゼミの上には大学院ゼミもあり,合わせて拡大版ゼミとしての活動も盛んです.この拡大版ゼミは慶應英語史フォーラム (khelf)と呼んでおり,1年中活発な行事を営んでいます(cf. 「#5091. khelf の沿革,活動実績,ミッションステートメント」 ([2023-04-05-1])) .この1年間,khelf として実施してきた主な活動を挙げてみます.
・ khelf の公式ホームページでの英語史活動「hel活」 (helkatsu)
・ 『英語史新聞』の発行(第10号まで続いています)
・ 「英語史ラウンジ」で英語史研究者のインタビュー記事をウェブ掲載
・ 「英語史コンテンツ50+」企画と題する英語史コンテンツのウェブマガジン
・ Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」での各種企画への出演や後援
・ Voicy heldio での「英語史ライヴ2024」
・ 他大学の英語史ゼミと合同で開催する「英語史フェスティバル」(helフェス)(helfest) への参加
・ khelf の公式 X アカウント @khelf_keioでのhel活
・ khelf の公式 Instagram アカウント @khelf_keioでのhel活
入ゼミを検討している2年生にとってとりわけ直接的に参考になるのは,公式 Instagram アカウント @khelf_keioの直近数ヶ月のコンテンツだろうと思います.本紹介,個々のゼミ生紹介,9月の「英語史ライヴ2024」やゼミ合宿の様子を含めた文字投稿,写真・画像投稿,リール動画が満載です(むしろ,本日のガイダンスのために Instagram で発信を頑張ってきた経緯があります).
英語の歴史的・通時的側面に関心がある学生,英語に関する素朴な疑問を解決したい学生,イベント企画や情報発信をやってみたい学生は,ぜひ堀田ゼミへの入ゼミを検討してみてください.皆さんの活躍に期待しています.
9月8日(日)に12時間の公開収録生配信として開催された「英語史ライヴ2024」(hellive2024) の目玉企画の1つとして,人気シリーズ「はじめての古英語」(hajimeteno_koeigo) の第10弾「#1219. 「はじめての古英語」第10弾 with 小河舜さん&まさにゃん --- 「英語史ライヴ2024」より」が実現しました.講師はいつものように,小河舜さん(上智大学),「まさにゃん」こと森田真登さん(武蔵野学院大学),そして堀田隆一の3名です.
多くのギャラリーの方々を前にしての初めての公開収録となり,3名とも興奮のなかで34分ほどの古英語講座を展開しました.冒頭のコールを含め,これほど古英語で盛り上がる集団なり回なりは,かつて存在したでしょうか? おそらく歴史的なイベントになったのではないかと思います(笑).
今回の第10弾は,小河さん主導で古英詩の傑作 Beowulf の冒頭にほど近い ll. 24--25 の1文に注目しました(以下 Jack 版より).
lofdǣdum sceal in mǣgþa gehwǣre man geþēon.
忍足による日本語訳によれば「いかなる民にあっても,人は名誉ある/行いをもって栄えるものである」となります.古英語の文法や語彙の詳しい解説は,上記配信回をじっくりお聴きください.
実は上記の公開収録は Voicy heldio のほか,khelf(慶應英語史フォーラム)の公式 Instagram アカウント @khelf_keioでインスタ動画としても生配信・収録しております.ヴィジュアルも欲しいという方は,ぜひこちらよりご覧ください.会場の熱気が感じられると思います.
シリーズ過去回は hajimeteno_koeigo よりご訪問ください.
・ Jack, George, ed. Beowulf: A Student Edition. Oxford: Clarendon, 1994.
・ 忍足 欣四郎(訳) 『ベーオウルフ』 岩波書店,1990年.
Voicy heldio による英語史を語り尽くす12時間生配信企画「英語史ライヴ2024」が3日後に迫りました.早朝6時から夕方6時まで,さまざまパーソナリティや出演者が現われて,英語史に関する話題を提供し続けます.詳細は,khelf(慶應英語史フォーラム)公式ホームページの「英語史ライヴ2024」 (hellive2024) 特設ページより,また最新の番組表は「#5608. 「英語史ライヴ2024」の番組表(最新版)を公開」 ([2024-09-03-1]) よりご確認ください.
ライヴ当日は,事前登録で公開収録に参加される方々以外は,Voicy heldio を通じて配信をお聴きいただくことになります.ライヴ会場の雰囲気は音声から推し量ることはできると思いますが,特定の2本の番組については khelf の公式 Instagram アカウント @khelf_keio よりインスタライヴのかたちで動画も配信する予定です.ご関心のある方は,インスタライヴからご視聴いただければ.
その特定の2本の番組とは,11:00--11:25 の枠の「「はじめての古英語」at 英語史ライヴ2024」と 16:00--16:55 の枠の「khelf 杯「英語史クイズ大会」」です.
【 「はじめての古英語」at 英語史ライヴ2024 (11:00--11:25) 】
小河舜さん(上智大学)および「まさにゃん」こと森田真登さん(武蔵野学院大学)と堀田の3人による heldio のシリーズです.これまで2度ほど,heldio リスナーランキングで第1を獲得した人気シリーズとなっています.「#5466. リスナー投票による heldio 2024年第1四半期のランキング」 ([2024-04-14-1]) と「#5554. リスナー投票による heldio 2024年第2四半期のランキング」 ([2024-07-11-1]) をご覧ください.シリーズ過去回については hajimeteno_koeigo よりどうぞ.
今回はシリーズ初めての公開ライヴとなりますが,実はシリーズ第10弾です.9回の実績を経て3人の息も合ってきましたし,当日は会場でのギャラリー立ち会いのもと,午前中から勢いのある「はじめての古英語」をお届けしたいと思っています.皆さんも,ぜひ Voicy あるいはインスタライヴで臨場感を味わってみてください.
【 khelf 杯「英語史クイズ大会」 (16:00--16:55) 】
もう1つのインスタライヴの対象となる番組は夕方の大型イベント「khelf 杯「英語史クイズ大会」」です.これまでにも英語史関連のフェスで英語史クイズ (helquiz) を何度か実施してきましたが,今回は60分の長尺での本格的なクイズ大会となります.特に会場での参加者には,クイズの成績に応じて,協賛出版社から提供されている書籍をはじめとする景品がたくさん用意されていますので,本気のクイズ大会となる見込みです.
メインMCは khelf 会長の青木輝さんと前会長の森田真登さんですが,クイズ出題者には,会場参加の数名の英語史研究者も含まれます(堀田も出題する予定です).解答と解説も見所,聴き所です.インスタライヴからは,コメントを利用してクイズへの解答もお寄せいただけますので,そちらからの参加もエキサイティングだと思います.
以上,2つの番組については,Voicy のほかインスタライヴでもお楽しみいただけます.ぜひ当日までに @khelf_keio をフォローしておいていただければ.
新年度ということで私の音声メディアの紹介をさせていただきます.2年ほど前の2021年6月2日より毎朝6時に,音声プラットフォーム Voicy にて「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」を運営しています.毎回10分程度(実はだいたい長引きます)で英語史の話題を配信しています.前身の hellog-radio を受けてのプロジェクトで,縮めて "heldio" と通称しています.おかげさまで,直近数ヶ月は「語学」セクションでの注目度ランキングの5位以内に入り続けて,リスナーさんも増えてきています.ありがとうございます.
いわば本ブログの音声版というべきものですが,ブログでは様々な水準の話題をお届けしている一方,heldio ではとりわけリスナーさんを意識して話題を選び,分かりやすい話し方をするように心がけています.モットーはずばり「英語史をお茶の間に」です.とりわけ今年に入ってからは,Voicy のコメント欄を通じたリスナー間,およびパーソナリティとのコミュニケーションも活気づいており,英語史の輪が少しずつ着実に拡がっています.本ブログともしばしば連動してお届けしていますので,ぜひ毎日聴くことを習慣にしていただければ幸いです.
例えば,今朝6時に配信した放送は「#676. 意味変化の類型 --- 一般化,特殊化,向上,堕落」です.
また,英語史研究者や学生との対談,そして生放送企画なども,いろいろ試みています.実際,本日午前11:20頃より「「英語に関する素朴な疑問 千本ノック」2023年4月7日」と題して生放送をお届けする予定です.
さて,パーソナリティより「heldio の聴き方」の Tips を紹介します.
・ 最新回を含めた放送一覧は,こちらのページが便利です.前身の hellog-radio の放送回一覧も同ページの下部にあります.
・ ウェブ経由でブラウザからも聴取できますが,携帯端末から Voicy アプリ(無料)の利用が便利です.アプリでアカウントをフォローしていただけますと,更新通知や生放送への参加等などの付加的な機能をご利用できます(本記事末尾を参照).
・ Voicy アプリなどの検索機能「見つける」より,検索欄に「heldio 意味変化」などと打ち込んでいただけると,おおよそ関連回がヒットします.
・ 放送回は「#676」などの番号で管理していますので,番号が分かっていれば「heldio 676」などでも飛べます.
・ 放送回のタイトル,各チャプターのタイトル,ハッシュタグなどで,なるべくキーワードを多く登録していますので,放送回の検索にご利用ください.また,同じキーワードを hellog のほうで検索すると,しばしば多くの記事がヒットしますので,そこでより詳しく学ぶことができます.
・ 本ブログ記事と関連する heldio 放送回については,こちらよりアクセスできます.
・ 「#4996. 今年1年間でよく聴かれた放送 --- Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」より」 ([2022-12-31-1]) は必見です.
・ note でも,たまに「今週 (2023/03/06--12) よく聴かれた heldio 過去回」などとして過去回の紹介をしています.
・ 毎朝の放送回について,話題的に関連する過去回をインスタグラム @chariderryu のストーリーにて随時お知らせしています.関連する放送回を飛びながら聴くと理解が深まりますので,ご利用ください.
・ リスナーの方々の協力により,各放送回のコメント欄に関連する過去回の番号を随時投げていただいていますので,そちらもご覧ください.とりわけ @nyaokitako0808 さんのインスタ・アカウントも,同趣旨の情報で充実しています(いつも,ありがとうございます!).
・ そして皆さんの一人ひとりも,コメント欄への参入,そして関連過去回の共有にご協力のほどお願いいたします.ただ聴いているだけよりも,日々の英語私生活が何倍も楽しくなると思います!
以上,新年度開始の「hel活」(=英語史活動)でした.
この「hellog~英語史ブログ」の読者の皆さんに,私の最近の英語史活動「hel活」についてお知らせします.本ブログの他にも,様々なメディアで「英語史をお茶の間に」をモットーに英語史の魅力を広める活動をしています.実際には私1人ではなく,特に khelf(= Keio History of the English Language Forum = 慶應英語史フォーラム)のメンバーに協力してもらいながら,英語史に関する情報を発信しています.目下の様々なhel活の取り組みについて,ご案内します.
[ Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」 ]
本ブログの姉妹版となる「声の英語史ブログ」です.2021年6月2日より毎朝6時に欠かさず更新しています.ここ2ヶ月ほどは,リスナーさんから寄せられるコメントも盛り上がってきています.本ブログと連動した話題や企画も多いので,ぜひお聴きいただければと思います.今朝の放送回は,リスナーさんからいただいた質問に答える形で「#637. なぜ「アメリカ語」ではないの?」をお届けしています.
[ note 記事 ]
本ブログと平行して,こちらの note でも英語史関連の記事をたまに書いています.昨日公開した記事「heldio の1週間の振り返り(関連過去回リンク付き) 2023年2月26日」では,先週1週間の heldio 放送回について,関連する過去回へのリンクを張りつつ振り返りをしています.リスナーさんからのご協力の賜物です.
[ インスタグラム ]
heldio の最新回と過去回をお知らせするインスタグラム @chariderryu を始めています.主に「ストーリー」にて,放送回へのリンクを張っています.よろしければフォローいただければと.
[ YouTube 「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」 ]
この YouTube チャンネルは昨日,1周年を迎えました.毎週(水)(日)の午後6時に新作動画を公開しています.昨日公開の最新動画は第105回の「あいまいさを言語学で解剖する」です.ぜひご覧ください.
[ 『英語史新聞』 ]
khelf 発行の『英語史新聞』が第4号までウェブ上で公開されています.khelf メンバーの学生が主体となり,昨年4月1日に創刊号を出しました.その後も3ヶ月に1号というペースで,英語史の魅力を伝えるべく企画,編集,発行されています.
[ 知識共有サービス Mond での回答 ]
こちらのサービスで,たまに英語(史)に関する質問に回答しています.最近回答した3つの質問を新しい順に挙げておきます.
・ さまざまな文字体系の中で,ラテン語のアルファベットが世界標準になった理由とはどういったところにあるのでしょうか?
・ 疑問詞 who が who-whose-whom のような格変化を起こすのに対し,他の疑問詞にそれが起こらないのは何故なのでしょうか.昔はあったりしたのでしょうか.
・ flammable と inflammable はなぜ同じ意味を持つようになったのでしょうか.また,他にもこのような語はありますか?
[ 本の執筆 ]
最新の編著書2冊を新しい順に挙げます..
・ 家入 葉子・堀田 隆一 『文献学と英語史研究』 開拓社,2022年.(こちらのページをご覧ください)
・ 高田 博行・田中 牧郎・堀田 隆一(編著) 『言語の標準化を考える --- 日中英独仏「対照言語史」の試み』 大修館,2022年.(こちらのページをご覧ください)
このように本ブログ以外にも様々にhel活していますので,どうぞよろしくお願いいたします.
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