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hellog〜英語史ブログ

堀田隆一(ほったりゅういち)による,英語史に関する話題を広く長く提供し続けるブログです(note のプロフィールはこちら)."History of the English Language Blog" ということで,略して "hellog".英語史と関連する英語学・言語学一般の話題も扱っています.本ブログで紹介・推薦する書籍などについて,特別に表記しない限り,すべて自主的な言及です.また,堀田は Amazon のアソシエイトとして適格販売により収入を得ています.

まずは,
  1. 英語史の学び始め/続けには,まず以下の記事からスタート!
  2. アクセス・ランキング (access ranking) のトップ500記事
  3. 英語に関する素朴な疑問に関する記事群
  4. 全記事の標題の一覧 (Archives)
  5. 音声コンテンツ一覧 (heldio & hellog-radio)
  6. Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」(heldio)
  7. 知識共有サービス「Mond」での,英語に関する素朴な疑問への回答
  8. 慶應英語史フォーラム (khelf) のツイッターアカウント @khelf_keio
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お知らせ 2024年5月13日に khelf による『英語史新聞』第9号がウェブ上に一般公開されました.こちらからPDFでご覧になれます.hellog でもこちらの記事で第9号公開についてお知らせしています.公開後も khelf の X (旧ツイッター)アカウント @khelf_keio より関連情報を日々お伝えしますので,ぜひフォローをお願いします.2024/05/15(Wed)

hel_herald_009

お知らせ 2024年度,白水社の月刊誌『ふらんす』に「英語史で眺めるフランス語」というシリーズタイトルで連載記事を寄稿しています.4月23日に刊行された5月号に連載第2弾が掲載されています.詳しくは hellog の関連記事「#5477. なぜ仏英語には似ている単語があるの? --- 月刊『ふらんす』の連載記事第2弾」を書いています.2024/04/25(Thu)

お知らせ 2024年4月27日(土)17:30--19:00,朝日カルチャーセンター新宿教室にて新シリーズ「語源辞典でたどる英語史」の幕開けとなります.第1回は「英語語源辞典を楽しむ」です.教室・オンライン同時開催の予定です.ご関心のある方は,こちらよりお申し込みください.hellog でも関連記事「#5453. 朝カル講座の新シリーズ「語源辞典でたどる英語史」が4月27日より始まります」を書いています.2024/04/19(Fri)

お知らせ 新年度2024年の4月より khelf による「英語史コンテンツ50+」が始まっています.休日を除く毎日,khelf メンバーより英語史の話題が1つ上がってきます).日々,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio からも関連情報を発信しています.2024/04/19(Fri)

お知らせ 知識共有サービス「Mond」にて英語・言語に関する素朴な疑問に回答しています.最新の質問&回答はこちらよりご覧ください.2024/05/18(Sat)

Mond Latest

お知らせ 2023年7月より Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」 (heldio) にて「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズを展開しています.Baugh and Cable の A History of the English Language (6th ed.) を1回1セクションずつ精読していくというシリーズです.週に1,2回程度のペースで続けています.有料配信ですが冒頭チャプターは試聴可となっていますので,ぜひ聴いてみてください.バックナンバー一覧はこちらの記事よりどうぞ.2024/02/09(Fri)

hel_herald_005

お知らせ 2022年2月26日に,同僚の井上逸兵さんと YouTube チャンネル「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」を始めています.毎週(水)(日)の午後6時に更新予定です.チャンネルの趣旨としては,こちらの hellog 記事あるいは Voicy でのアナウンスをご一読・ご視聴ください.直下(↓)は最新の YouTube 放送となります.本ブログの関連記事もお読みください.2022/03/10(Thu)

お知らせ 2021年6月2日より,英語史の音声コンテンツを配信する 「英語の語源が身につくラジオ」(通称 heldio)を始めています.本ブログの姉妹版という位置づけで,音声配信プラットフォーム Voicy を通じて,英語史に関する音声コンテンツを提供しています.企画の趣旨として,こちらの hellog 記事をご一読ください.直下(↓)は最新の Voicy 放送となります.2022/08/01(Mon)

お知らせ 2023年6月2日より,上記 heldio にプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) が加わりました.毎週火木土の18:00よりお届けしています.helwa は有料配信となりますが,開設趣旨としてこちらの hellog 記事をお読みください.直下(↓)は最新の helwa 放送となります.2023/09/09(Sat)

お知らせ 2023年7月17日より,Voicy heldio の有料配信として「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズを開始しています(各回ともにウェブブラウザ経由で200円です).毎週1,2回の配信を通じて,英語で書かれた英語史の名著を1回1セクションずつ精読解説していきながら,内容についても英語史の専門的な観点から縦横無尽にコメントしていきます.3ヶ月続けて,参加メンバーも徐々に増えてきています.開設趣旨としてこちらの hellog 記事をお読みください.直下(↓)は最新のシリーズ配信回となります.2023/10/22(Sun)

お知らせ 2023年10月6日より,stand.fm にて「英語史つぶやきチャンネル」 を始めています.英語史の話題を不定期でカジュアルにお届けします.直下(↓)は最新の配信回となります.2023/10/09(Mon)

お知らせ 「ゆる言語学ラジオ」の最新回(2023年7月18日公開)「英単語帳の語源を全部知るために、研究者を呼びました【ターゲット1900 with 堀田先生】#247」に出演しています.ぜひご覧ください.関連する hellog 記事もどうぞ.

また「ゆる言語学ラジオ」からこちらのブログに飛んでこられた皆さん,ぜひ
 (1) 本ブログのアクセス・ランキングのトップ500記事,および
 (2) Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の人気放送回50選
をご覧ください.2023/05/31(Wed)

お知らせ 2023年1月中旬に家入葉子先生(京都大学)と堀田の共著となる,英語史研究のハンドブック『文献学と英語史研究』が開拓社より発売となります.本書についてはこちらのページで,著者が様々に紹介しています.2023/01/05(Thu)

『文献学と英語史研究』

お知らせ 2022年12月1日(木)13:00--14:00に,Voicy 生放送で「英語に関する素朴な疑問 千本ノック(矢冨弘&菊地翔太&堀田隆一) 第3弾」を配信しました.詳細はこちらの記事よりどうぞ.2022/12/02(Fri)

お知らせ 2022年11月8日に『ジーニアス英和辞典』第6版が発売となりました.新版で初めて導入されたコラム「英語史Q&A」を執筆させていただいていますので,ぜひ辞典手に取って開いてみていただければと思います.コラムについては hellog でもこちらの記事群で関連する話題を取り上げています.2022/11/15(Tue)

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お知らせ 堀田ゼミの紹介ページがゼミ生により立ち上げられました.入ゼミを希望する学生は必見です.堀田による公式のゼミ紹介はこちらの記事からどうぞ.2022/11/04(Fri)

お知らせ ご愛読ありがとうございます,7刷が発行されています.2022年9月より電子書籍としても配信開始です.本ブログの内容を多く取り込んだ拙著『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』が2016年に研究社より出版されました.本の趣旨や補足情報のために,コンパニオン・サイト (naze) を用意していますので,そちらも是非ご覧ください.また,本ブログ内の「#2764. 拙著『英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史』が出版されました」にも紹介があります.2022/09/12(Mon)

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お知らせ 2022年度も連載記事「歴史で謎解き 英語のソボクな疑問」(NHKラジオテキスト『中高生の基礎英語 in English』)を継続しています.最新の9月号では「なぜ英語には類義語が多いの?」という疑問を取り上げています.ぜひテキストを手にとってご覧ください.本ブログより紹介記事もどうぞ.2022/08/15(Mon)

お知らせ このたび様々な言語における標準化の歴史を題材とした本が出版されました.高田 博行・田中 牧郎・堀田 隆一(編著)『言語の標準化を考える --- 日中英独仏「対照言語史」の試み』 大修館,2022年.
本ブログ内でも本書の紹介記事をいくつか書いていますので,そちらもご覧ください.さらに,7月9日と8月1日には2回にわたって3編者対談を Voicy で配信しましたので,ぜひこちらこちらより各々お聴きください.

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お知らせ 知識共有サービス「Mond」にて英語に関する素朴な疑問に回答しています.良質な「素朴な疑問」が多いです.こちらからどうぞ.本ブログより紹介記事もどうぞ.2022/02/10(Thu)

お知らせ 本ブログベースの拙著『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』の第4刷が出ています.本書のコンパニオン・ページ及び著者による紹介ページをご覧ください.また,本書の内容に沿ったブログ記事へのリンク (hogusu) はおすすめです.2018/09/02(Sun)hogusu_front_cover_small

その他のお知らせ

お知らせ 「手軽に英語史を」というコンセプトで,地味に「hellog ラジオ版」 (hellog-radio) を始めています.1つ数分以内のコンテンツです.これまでのコンテンツ一覧よりどうぞ.2020/07/09(Thu)

お知らせ 大修館『英語教育』の2020年3月号に,連載「英語指導の引出を増やす 英語史のツボ」の第12回(最終回)の記事が掲載されています.今回の話題は「なぜアメリカ英語はイギリス英語と異なっているのか」です.どうぞご一読ください.2020/02/14(Fri)eigokyouiku_rensai_12_20200214_front_cover_small.jpg

お知らせ 1月5日発売の英語学習誌『CNN English Express』2月号に「歴史を知れば納得! 英語の「あるある大疑問」」と題する拙論が掲載されています.英語史の観点から素朴な疑問を解くという趣向の特集記事で,英語史の記事としては珍しく8頁ほどの分量を割いています.どうぞご一読ください.hellog 内の紹介記事もどうぞ.2019/01/07(Mon)cnn_ee_201902_front_cover_small

お知らせ 私も一部執筆している服部 義弘・児馬 修(編) 『歴史言語学』朝倉日英対照言語学シリーズ[発展編]3 朝倉書店,2018年.が2018年3月に出版されました.日本語史と比較対照しながら英語史や英語の歴史的変化について学べます.本ブログ内の#3283の記事にも簡単な紹介がありますのでご覧ください.2018/04/23(Mon)

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お知らせ Simonn Horobin 著 Does Spelling Matter? の拙訳『スペリングの英語史』が早川書房よりより出版されました.紹介記事として,本ブログ内の「#3079. 拙訳『スペリングの英語史』が出版されました」「#3080. 『スペリングの英語史』の章ごとの概要」もご覧ください.2017/10/01(Sun)

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お知らせ 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』に関連する研究社ベースの連載企画「現代英語を英語史の視点から考える」が始まっています(そして12回で終わりました).2017/12/21(Thu)


最近 7 日分を以下に表示中 / 今月の一覧

2024-05-18 Sat

#5500. 中英語の職業名ベースの姓の分類 [onomastics][personal_name][name_project][by-name][occupational_term][address_term]

 職業名ベースの姓については,これまで occupational_term の記事群で取り上げてきた.Fransson (27--28) が一般的な分類を与えているので,そちらを掲げておきたい

1. dignitaries and officers
   1. Sheriff, mayor, judge, clerk, etc.
   2. Military officers
   3. Ecclesiastical officers
2. occupations belonging to the country
   1. Agricultural occupations
   2. Pastoral occupations
   3. Forestal and venary occupations
3. those who manufacture or sell different articles


 1つめの「高位」の職業名は,そのまま呼称・尊称 address_term ともなり得る場合が多いことに注意を要する.2つめは農業・牧畜・林務・狩猟に関する「田舎」の職業である.3つめがおおよそ都市と商業の職業であり,職業名ベースの姓としてこれまで取り上げてきた例のほぼすべてがここに属する.
 職業名(ベースの姓)の本格的な研究のためには,3種類のいずれをも対象に含める必要があるだろう.

 ・ Fransson, G. Middle English Surnames of Occupation 1100--1350, with an Excursus on Toponymical Surnames. Lund Studies in English 3. Lund: Gleerup, 1935.

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2024-05-17 Fri

#5499. 古英語の数詞 [oe][numeral][voicy][heldio][link]

 Sweet's Anglo-Saxon Primer (20--21) より古英語の数詞 (numeral) を挙げる.基数詞 (cardinal numbers) と序数詞 (ordinal numbers) の各々を列挙する.

 CardinalOrdinal
1(st)ānforma
2(nd)twāōþer
3(rd)þrēoþridda
4(th)fēowerfēorþa
5(th)fīffīfta
6(th)siexsiexta
7(th)seofonseofoþa
8(th)eahtaeahtoþa
9(th)nigonnigoþa
10(th)tīentēoþa
11(th)en(d)leofonen(d)leofta
12(th)twelftwelfta
13(th)þrēo-tīeneþrēo-tēoþa
.........
19(th)nigon-tīenenigon-tēoþa
20(th)twen-tiġtwentigoþa
30(th)þrī-tiġþrītigoþa
40(th)fēower-tiġfēowertigoþa
50(th)fīf-tiġfīftigoþa
60(th)siex-tiġsiextigoþa
70hund・seofon-tiġ 
80hund・eahta-tiġ 
90hund・nigon-tiġ 
100hund, hundred, hund・tēon-tiġ 
110hund・endleofon-tiġ 
120hund・twelf-tiġ 
1000þūsend 


 これまでも hellog や Voicy heldio で英語の数詞に関する話題を多々取り上げてきた.以下に主なコンテンツへのリンクを張っておく.

 ・ hellog 「#67. 序数詞における補充法」 ([2009-07-04-1])
 ・ hellog 「#68. first は何の最上級か」 ([2009-07-05-1])
 ・ hellog 「#69. second の世界の広がり」 ([2009-07-06-1])
 ・ hellog 「#646. billion の値」 ([2011-02-02-1])
 ・ hellog 「#647. million 以上の大きな単位」 ([2011-02-03-1])
 ・ hellog 「#1080. なぜ five の序数詞は fifth なのか?」 ([2012-04-11-1])
 ・ hellog 「#1823. ローマ数字」 ([2014-04-24-1])
 ・ hellog 「#2240. thousand は "swelling hundred"」 ([2015-06-15-1])
 ・ hellog 「#2285. hundred は "great ten"」 ([2015-07-30-1])
 ・ hellog 「#2286. 古英語の hundseofontig (seventy), hundeahtatig (eighty), etc.」 ([2015-07-31-1])
 ・ hellog 「#2304. 古英語の hundseofontig (seventy), hundeahtatig (eighty), etc. (2)」 ([2015-08-18-1])
 ・ hellog 「#2477. 英語にみられる20進法の残滓」 ([2016-02-07-1])
 ・ hellog 「#3104. なぜ「ninth(ナインス)に e はないんす」かね?」 ([2017-10-26-1])
 ・ hellog 「#3105. tithetenth」 ([2017-10-27-1])
 ・ hellog 「#4046. 歴史的に妙な ten の短母音」 ([2020-05-25-1])
 ・ hellog 「#4248. なぜ threethirteen では r の位置が異なるのですか? --- hellog ラジオ版」 ([2020-12-13-1])
 ・ hellog 「#4429. 序数詞 thirddfourthth の関係」 ([2021-06-12-1])

 ・ heldio 「#10. third は three + th の変形なので準規則的」
 ・ heldio 「#419. 23 が「three and twenty」!?」
 ・ heldio 「#440. なぜ oneteen, twoteen ではなく eleven, twelve というの?」
 ・ heldio 「#442. 英語における12進法的発想」
 ・ heldio 「#443. 英語における20進法的発想」

 ・ Davis, Norman. Sweet's Anglo-Saxon Primer. 9th ed. Oxford: Clarendon, 1953.

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2024-05-16 Thu

#5498. 中英語期で最もよくある職業名ベースの姓は何? [onomastics][personal_name][name_project][by-name][occupational_term][ranking][voicy][heldio]

 Fransson (33) が,中英語期の職業名ベースの姓をめぐる研究において,調査資料のなかで100回以上現われる姓 (by-name) を抜き出し,そのランキングを25位まで挙げている.中英語の綴字で示そう.

 ・ Taillour (仕立屋)
 ・ Chapman (行商人)
 ・ Marescal (馬丁)
 ・ Carpenter (大工)
 ・ Mason (石工)
 ・ Smyth (鍛冶屋)
 ・ Coke (料理人)
 ・ Coupere (おけ屋)
 ・ Tannere (なめし皮職人)
 ・ Fullere (縮絨工)
 ・ Turnour (旋盤工)
 ・ Milner (粉屋)
 ・ Muleward (粉屋)
 ・ Keu (料理人)
 ・ Mouner (粉屋)
 ・ Bakere (パン屋)
 ・ Barber (床屋)
 ・ Ferrour (鍛冶屋)
 ・ Pottere (陶器職人)
 ・ Coliere (石炭商)
 ・ Mercer (服地屋)
 ・ Feuere (鍛冶屋)
 ・ Skynnere (皮職人)
 ・ Deyer (染物屋)
 ・ Leche (医者)

 英語本来語のものもあればフランス語由来のものもある.現代でも広く用いられている名前もあれば,そうでもないものもある.英語でも日本語でも時代によって人気のある first name が移り変わってきたことはよく知られているが,姓にも通時的な分布の変化があるのだろうか.中英語期は姓が導入され固まった時代ではあるが,特にその前期には,まだ流動的な代物にすぎなかったということも考え合わせたい.
 なお,今回の話題については,すでに先日の5月11日の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」配信回にて取り上げている.「#1076. 「中英語の職業名の姓」人気ランキング」をお聴きいただければ.



 ・ Fransson, G. Middle English Surnames of Occupation 1100--1350, with an Excursus on Toponymical Surnames. Lund Studies in English 3. Lund: Gleerup, 1935.

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2024-05-15 Wed

#5497. 「ゼロから学ぶはじめての古英語」 Part 6 with 小河舜さん and まさにゃん [voicy][heldio][masanyan][ogawashun][oe][oe_text][bede][christianity][anglo-saxon][st_augustine][hajimeteno_koeigo][hel_education][notice][popular_passage][history][literature]


hajimeteno_koeigo_06_20240513.png



 5月9日(木)の夜,Voicy heldio にて「#1078. 「はじめての古英語」生放送 with 小河舜さん&まさにゃん --- Bede を読む (3)」をお届けしました.ライヴでお聴きの方々には,投げ込みのコメントや質問をいただきましてありがとうございました.
 精読対象テキストは,前回に引き続き,Bede によりラテン語で著わされた『英国民教会史』 (Historia Ecclesiastica Gentis Anglorum [= Ecclesiastical History of the English People]) の古英語訳の1節です.原文は,hellog の「古英語の原文を読む --- 597年,イングランドでキリスト教の布教が始まる」 ([2024-03-23-1]) に掲載していますので,そちらをご覧になりながらお聴きください.
 著者の Bede については,heldio 「#1029. 尊師ベーダ --- The Venerable Bede」にて解説していますので,そちらもお聴きください.
 今回は,古英語の動詞屈折の話題,とりわけ過去形や仮定法の話題に触れる機会が多くありました.また,定冠詞 the に相当する語の屈折についても議論しました.事後に出演者の1人「まさにゃん」こと森田真登さん(武蔵野学院大学)が,ご自身の note 上で復習となる記事「ゼロから学ぶ はじめての古英語(#6 生放送3回目)」を公開されているので,そちらも合わせてご参照ください.

 これまでの「はじめての古英語」シリーズ回を一覧しておきます.

 (1) 「#822. ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 1 with 小河舜さん and まさにゃん」
 (2) 「#829. ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 2 with 小河舜さん and まさにゃん」
 (3) 「#836. ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 3 with 小河舜さん and まさにゃん」
 (4) 「#1030. 「はじめての古英語」生放送 with 小河舜さん&まさにゃん --- Bede を読む」
 (5) 「#1057. 「はじめての古英語」生放送 with 小河舜さん&まさにゃん --- Bede を読む (2)」
 (6) 「#1078. 「はじめての古英語」生放送 with 小河舜さん&まさにゃん --- Bede を読む (3)」

 目下,次回 Part 7 に向けて3人とも鋭意準備中です.

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2024-05-14 Tue

#5496. 『英語史新聞』第9号が発行されました [hel_herald][notice][khelf][hel_education][link][hel_contents_50_2024][helkatsu]

『英語史新聞』第9号



 本日5月12日,khelf(慶應英語史フォーラム)発行の『英語史新聞』第9号がウェブ上で公開されました.こちらよりPDFで自由に閲覧・ダウンロードできます.
 khelf では,2022年4月1日の創刊号の発行以来,おおよそ3ヶ月に1度のペースで最新号を発行してきました.今年度で3年目に入りますが,編集委員会一同,順調に号を重ねてくることができました.継続的にお読みいただき応援いただいている皆さんのおかげです.ありがとうございます.
 第9号の記事のラインナップは以下の通りです.

 ・ 息づかいの風景(第1面)
 ・ 天候の it ってなんだ?(第1面)
 ・ nearer は「より近くに」!? ~analysis と analogy から考える,言語変化の担い手~(第2面)
 ・ 英語史ラウンジ by khelf 「第3回 小河舜先生(Part 2)」(第3面)
 ・ 英語史コンテンツ50+ -2024- が始まっています! ~過去の人気コンテンツ紹介~(第4面)

 今号の執筆陣は,学部4年生から大学院博士課程の学生まで,さらに通信教育課程の卒業生も含めて,皆で協力して作りました.ですので,いずれも目玉記事です.一文字一文字に注意を払いつつ丁寧に作りましたので,ぜひ時間をかけてゆっくりとご堪能いただければ幸いです.
 もし学校の授業などの公的な機会(あるいは,その他の準ずる機会)にお使いの場合には,ぜひこちらのフォームを通じてご一報くださいますと khelf の活動実績の把握につながるほか,『英語史新聞』編集委員の励みともなります.ご協力のほどよろしくお願いいたします.ご入力いただいた学校名・個人名などの情報につきましては,khelf の実績把握の目的のみに限り,記入者の許可なく一般に公開するなどの行為は一切行なわない旨,ここに明記いたします.フォームへの入力を通じ,khelf による「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)への賛同をいただけますと幸いです.
 最後に『英語史新聞』のバックナンバー(号外を含む)も紹介しておきます.こちらも合わせてご一読ください(khelf HP のこちらのページにもバックナンバー一覧があります).

 ・ 『英語史新聞』第1号(創刊号)(2022年4月1日)
 ・ 『英語史新聞』号外第1号(2022年4月10日)
 ・ 『英語史新聞』第2号(2022年7月11日)
 ・ 『英語史新聞』号外第2号(2022年7月18日)
 ・ 『英語史新聞』第3号(2022年10月3日)
 ・ 『英語史新聞』第4号(2023年1月11日)
 ・ 『英語史新聞』第5号(2023年4月10日)
 ・ 『英語史新聞』第6号(2023年8月14日)
 ・ 『英語史新聞』第7号(2023年10月30日)
 ・ 『英語史新聞』第8号(2023年3月4日)

(以下,後記:2024/05/16(Thu))-->



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2024-05-13 Mon

#5495. インド憲法第343条に記載されている連邦の公用語 [hindi][india][statistics][official_language][demography]

 1950年に定められたインド憲法(英語版)の第343条の第1項によれば,連邦の公用語 (official_language) はデーヴァナーガリー文字 (Devanagari) で書かれたヒンディー語 (hindi) とされている.しかし,向こう15年間は英語の暫定的使用も認める,という但し書き条項が加えられていた.さらに,その15年の後にも,英語を引き続き公的に使用することができる選択肢は開かれていた.インドの公用語をめぐる問題は,すでに憲法制定時より,このように奥歯に物が挟まったような言い方で始まっていたということだ.英語版より343条を引用しよう.

   343. Official language of the Union.---(1) The official language of the Union shall be Hindi in Devanagari script.
   The form of numerals to be used for the official purposes of the Union shall be the international form of Indian numerals.
   (2) Notwithstanding anything in clause (1), for a period of fifteen years from the commencement of this Constitution, the English language shall continue to be used for all the official purposes of the Union for which it was being used immediately before such commencement:
   Provided that the President may, during the said period, by order authorise the use of the Hindi language in addition to the English language and of the Devanagari form of numerals in addition to the international form of Indian numerals for any of the official purposes of the Union.
   (3) Notwithstanding anything in this article, Parliament may by law provide for the use, after the said period of fifteen years, of---
      (a) the English language, or
      (b) the Devanagari form of numerals,
      for such purposes as may be specified in the law.


 憲法上の記載の順序でいえば,ヒンディー語が筆頭の公用語である.実際,インド国内ではヒンディー語は話者が最も多く,2020年の時点で約6億人以上を数えるという(大石(編),p. 70).さらにいえば,ヒンディー語は,世界の中でも3番目に話者の多い超大言語である.2020年のこちらのニュース記事によると,Ethnologue による統計に基づき,次のような解説がなされている.

Hindi is the 3rd most spoken language of the world in 2019 with 615 million speakers. The 22nd edition of the world language database Ethnologue stated English at the top of the list with 1,132 million speakers. Chines Mandarin is at the second position with 1,117 million speakers.


 今後もインドの人口増加と連動してヒンディー語の話者人口は増えていくものと思われる.インドのダイナミックな言語事情からは目を離せない.
 関連して Ethnologue の言語話者人口について「#3009. 母語話者数による世界トップ25言語(2017年版)」 ([2017-07-23-1]) を,多言語国家の公用語の話題として「#3291. 11の公用語をもつ南アフリカ共和国」 ([2018-05-01-1]) を参照.

 ・ 大石 晴美(編) 『World Englishes 入門』 昭和堂,2023年.

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2024-05-12 Sun

#5494. 中英語期には同じ職業を表わすにも様々な名前があった [onomastics][personal_name][name_project][by-name][occupational_term][morphology][word_formation][compound][compounding][derivation][suffix]

 中英語期の職業名を帯びた姓 (by-name) について調べている.Fransson や Thuresson の一覧を眺めていると,同一の職業とおぼしきものに,様々な呼称があったことがよく分かってくる.とりわけ呼び方の種類の多いものを,ピックアップしてみた.確認された初出年代と当時の語形を一覧してみよう.

 ・ チーズを作る(売る)人 (Fransson 66--67): Cheseman (1263), Cheser (1332), Chesemakere (1275), Chesewright (1293), Chesemonger (1186), Furmager (1198), Chesewryngere (1281), Wringer (1327)
 ・ 織り手,織工 (Fransson 87--88): Webbe (1243), Webbester (1275), Webbere (1340), Weuere (1296)
 ・ 小袋を作る人 (Fransson 95--96): Pouchemaker (1349), Poucher (1317), Pocheler, Poker (1314)
 ・ 金細工職人 (Fransson 133--34): Goldsmyth/Gildsmith (125), Gilder/Golder (1281), Goldbeter (1252), Goldehoper (1327)
 ・ 車(輪)大工 (Fransson 161--62): Whelere (1249), Whelster (1327), Whelwright (1274), Whelsmyth (1319), Whelemonger (1332)
 ・ ブタ飼い (Thuresson 65--67): Swynherde (1327), Swyneman (1275), Swyner (1257), Swyndriuere (1317), Swon (c1240)
 ・ 猟師 (Thuresson 75--76): Hunte (1203), Hunter (1301), Hunteman (1235)

 このような異形態は,とりわけ語彙論,意味論,形態論の観点から興味をそそられる.しかしそれ以上に,当時の職業の多様性や,人々の自称・他称へのこだわりが感じられ,何かしら感動すら覚える.

 ・ Fransson, G. Middle English Surnames of Occupation 1100--1350, with an Excursus on Toponymical Surnames. Lund Studies in English 3. Lund: Gleerup, 1935.
 ・ Thuresson, Bertil. Middle English Occupational Terms. Lund Studies in English 19. Lund: Gleerup, 1968.

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最終更新時間2024-05-18 11:29

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