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voicy - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2025-06-17 08:37

2025-06-17 Tue

#5895. 『英語語源ハンドブック』発売記念企画 (2) --- 「Amazon 最速レビュー」にご協力ください [hee][notice][voicy][heldio]

 明日の6月18日(水),この1ヶ月ほど広報してきた『英語語源ハンドブック』(研究社)が,いよいよ発売となります.
 昨日の記事「#5894. 『英語語源ハンドブック』発売記念企画 (1) --- 「フォトチャレンジ」のお知らせ」 ([2025-06-16-1]) では,発売記念企画の第1弾として「フォトチャレンジ」をご案内しましたが,今日はそれに続く企画の第2弾をご案内します.「Amazon 最速レビュー」です.その名の通り,『英語語源ハンドブック』をいち早く手にしてくださった皆さんに,Amazon レビューにご感想等を投稿していただこうという企画です.
 本題に入る前に,まずは1ヶ月ほど前の5月20日の「予約爆撃アワー企画」について触れさせてください.あの企画では,皆さんの熱意と行動力に,関係者一同も本当に驚きました.おかげさまで,本書は Amazon 新着ランキングの「英語」部門で1位を獲得したばかりか,その地位を長らくキープしてきました.また,さらに上の階層の「語学・辞事典・年鑑」部門で2位という結果を残すこともできました.ご協力くださった皆さんに,改めて感謝いたします.
 予約段階での盛り上がりが,本書の発売前の認知度を大きく押し上げてくれたことは間違いありません.そして,明日以降に重視したいのは,発売直後の「初速」です.現代の書籍販売,特にオンラインでは,この初速がその後の売れ行きを大きく左右すると言われています.発売後の1,2週間でどれだけレビューが集まるか.これがその後の本書の注目度を決定づけることになります.そこで皆さんに「Amazon 最速レビュー」企画へのご協力をお願いしたい次第です.
 参加方法はシンプルです.本書を手にしましたら,ぜひ Amazon の『英語語源ハンドブック』のページでレビューを投稿していただければと思います.いくつかポイントをまとめます.

 ・ Amazon で購入していなくてもレビューは投稿できます.書店で入手された方もぜひご参加ください.
 ・ 長文コメントである必要はありません.お忙しい方におかれましては,一言の感想でも,星評価だけでも,大きな力になります.
 ・ ご自身のブログや SNS 等に書かれた感想をコピペしていただく形も,もちろん歓迎します.

 今回皆さんにお願いしたいのは「Amazon に最速でレビューを投稿する」というアクションです.もし本書を応援したいと思っていただけましたら,ぜひこの初速アップにご協力いただけますと幸いです.昨日の「フォトチャレンジ」と合わせて,この発売後のお祭りを一緒に楽しんでいきましょう!
 昨日と今日の記事でお知らせした『英語語源ハンドブック』発売記念企画2本については,今朝の heldio で「#1479. いよいよ明日『英語語源ハンドブック』が発売 --- 「フォトチャレンジ」と「Amazon最速レビュー」の2つの企画にご協力ください!」としてもお話ししています.ぜひそちらもお聴きいただければ.



 それでは,明日の『英語語源ハンドブック』の発売をお楽しみに!

 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2025-06-16 Mon

#5894. 『英語語源ハンドブック』発売記念企画 (1) --- 「フォトチャレンジ」のお知らせ [hee][notice][voicy][heldio][twitter]

 明後日の6月18日(水),私も共著者の1人として名を連ねる『英語語源ハンドブック』(研究社)が,いよいよ発売となります.1ヶ月前より広報活動に努めてきましたが,本ブログや Voicy heldio をはじめ各種 SNS を通じて多くの皆さんから温かいご声援やご期待の声をいただくことができました.心より御礼申し上げます.
 さて,『英語語源ハンドブック』の発売を記念して,本書の船出を皆さんとともにさらに楽しむための企画を2つほどご提案します.今日はその第1弾として『英語語源ハンドブック』の「フォトチャレンジ」企画をご案内します.
 この企画は,オンラインでの予約が一段落し,いよいよリアル書店に書籍が並び始めるこのタイミングだからこそ意味をもつ企画です.新刊の認知度をさらに高めるために,オンラインでの話題作りと並行して,全国の書店で「実際に本が置かれている」事実を伝えることが重要となります.書店に足を運んでくださる潜在的な読者の方々へ本書の存在を知らせる上で,「フォトチャレンジ」ほど強力なアピールはありません.このアイディアは,khelf メンバーや heldio/helwa リスナーさんとの日々のやり取りのなかでインスピレーションを得たものであり,共著者らや出版社(研究社)も含めて皆で一体となって本書を育てていきたいという思いから生まれたものです.
 「フォトチャレンジ」企画の参加方法は至ってシンプルです.

 (1) 発売日以降に,お近くのリアル書店へお立ち寄りください
 (2) 語学書などの関連する書棚を覗いていただき『英語語源ハンドブック』を見つけたら,ぜひ写真に収めてください
 (3) その写真を,ご自身の使い慣れた SNS(X, Instagram, Facebook, note など)でご投稿ください
 (4) 投稿の際には,ハッシュタグとして #英語語源ハンドブック および #フォトチャレンジ の2つを添えていただけますと,関係者や読者の皆さんが発見しやすくなりますので大変助かります

 撮影される際には,本の表紙だけでなく,それがどのようなコーナーに,どんな本と一緒に並べられているかといった「書棚のコンテクスト」がわかるような引きの写真も大歓迎です.これは,本書が世の中にどのように受け入れられているかを知るための貴重な情報となります.
 もちろん,店内が混雑している,あるいは撮影が憚られるような状況もあるかと思います.その場合は,写真なしのテキストのみで,「〇〇県〇〇市の〇〇書店にありました」といったご報告を文章で投稿していただくだけでも,十分に価値のある情報となります.ご無理のない範囲でご参加ください.
 ご投稿いただく際に,形式に迷うようであれば以下のテンプレートをご活用ください.〇〇の部分を書き換えたり,一言感想を添えたりと,ご自由に改変いただいてかまいません.

[ 写真付き報告の例 ]

〇〇県〇〇市の〇〇書店で『英語語源ハンドブック』を見つけました!

(ここに書店の棚などの写真を添付)

語源好きにはたまらない一冊です!

#英語語源ハンドブック #フォトチャレンジ


[ テキストのみ報告の例 ]

〇〇書店の語学書コーナーにて『英語語源ハンドブック』の在庫を確認しました.テキストのみですがご報告まで.

#英語語源ハンドブック #フォトチャレンジ


 なお,他のお客さんが写り込んでしまったり,通行の妨げになったりすることのないよう,書店での写真撮影についてはマナーを守っていただけますようお願いいたします.私たち著者陣が書店を訪問する際には,事前に書店員の方へ一言お声がけしてから撮影させていただこうと思っております.
 まずは企画の口火を切るべく,発売日の翌日,6月19日(木)の夕方,共著者数名で都内の大型書店をめぐるツアーを予定しています.その様子は,可能な限り私の X アカウント @chariderryu や Voicy heldio/helwa などでも実況中継していきたいと考えていますので,事前にフォローしていただけますと幸いです.
 この「フォトチャレンジ」は,発売直後だけでなく,むしろ中長期的に続けていきたいと思っています.「旅先の町の書店で偶然見つけた」「1ヶ月経って,近所の本屋にも入荷していた」といったご報告なども歓迎します.皆さんと一緒に,全国の書店での『英語語源ハンドブック』探しを楽しめればと思います.

(以下,後記:2025/06/17(Tue))
 今回の『英語語源ハンドブック』発売記念企画については,heldio にて「#1479. いよいよ明日『英語語源ハンドブック』が発売 --- 「フォトチャレンジ」と「Amazon最速レビュー」の2つの企画にご協力ください!」として配信していますので,そちらもぜひお聴きください.



 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

Referrer (Inside): [2025-06-17-1]

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2025-06-14 Sat

#5892. 制限的付加詞 (restrictive adjunct) と非制限的付加詞 (non-restrictive adjunct) [adjective][restrictive_adjunct][relative_pronoun][semantics][youtube][yurugengogakuradio][voicy][heldio][notice][terminology]

 「ゆる言語学ラジオ」の最新回「不毛な対立を避けるために,英文法を学べ!」で関係詞の制限用法と非制限用法が話題とされている.こちらを受けて,先日 heldio でも「#1474. ゆる言語学ラジオの「カタルシス英文法」で関係詞の制限用法と非制限用法が話題になっています」と題してお話しした.
 関係詞に限らず,単純な形容詞を含め,名詞を修飾する付加詞 (adjunct) には,機能的に大きく分けて2つの種類がある.制限的付加詞 (restrictive adjunct) と非制限的付加詞 (non-restrictive adjunct) だ.Jespersen (108) より,まず前者についての説明を読んでみよう.

It will be our task now to inquire into the function of adjuncts: for what purpose or purposes are adjuncts added to primary words?
   Various classes of adjuncts may here be distinguished.
   The most important of these undoubtedly is the one composed of what may be called restrictive or qualifying adjuncts: their function is to restrict the primary, to limit the number of objects to which it may be applied; in other words, to specialize or define it. Thus red in a red rose restricts the applicability of the word rose to one particular sub-class of the whole class of roses, it specializes and defines the rose of which I am speaking by excluding white and yellow roses; and so in most other instances: Napoleon the third | a new book | Icelandic peasants | a poor widow, etc.


 続けて,後者について (111--12) .

Next we come to non-restrictive adjuncts as in my dear little Ann! As the adjuncts here are used not to tell which among several Anns I am speaking of (or to), but simply to characterize her, they may be termed ornamental ("epitheta ornantia") or from another point of view parenthetical adjuncts. Their use is generally of an emotional or even sentimental, though not always complimentary, character, while restrictive adjuncts are purely intellectual. They are very often added to proper names: Rare Ben Johnson | Beautiful Evelyn Hope is dead (Browning) | poor, hearty, honest, little Miss La Creevy (Dickens) | dear, dirty Dublin | le bon Diew. In this extremely sagacious little man, this alone defines, the other adjuncts merely describe parenthetically, but in he is an extremely sagacious man the adjunct is restrictive.


 ただし,付加詞の機能として2種類が区別されるとはいっても,それが形式的に区別されているかといえば,必ずしもそうではないことに注意が必要である.

 ・ Jespersen, O. The Philosophy of Grammar. London: Allen and Unwin, 1924.

Referrer (Inside): [2025-06-15-1]

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2025-06-13 Fri

#5891. helwa で配信中 --- 英語に関する素朴な疑問 千本ノック with 唐澤一友さん,福田一貴さん,小河舜さん [senbonknock][sobokunagimon][voicy][helwa][hel_education][notice][ogawashun][helkatsu]



 6月10日(火)の夜に Voicy のプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) で生配信した「千本ノック」を,helwa アーカイヴとしても配信しました.今回の千本ノックは,6月18日(水)に発売予定の『英語語源ハンドブック』(研究社)の共著者・校閲協力者の4名が集まっての豪華版でした.千本ノックでお馴染みの小河舜氏(上智大学)に加え,千本ノックには初登場となる唐澤一友氏(立教大学)と福田一貴氏(駒澤大学)も参加されました.
 84分ほどの長尺となりましたので,アーカイヴでは前編と後編に2分割しています.

 ・ 【英語史の輪 #301】英語に関する素朴な疑問 千本ノック with 唐澤一友さん,福田一貴さん,小河舜さん(前編)(約50分)
 ・ 【英語史の輪 #302】英語に関する素朴な疑問 千本ノック with 唐澤一友さん,福田一貴さん,小河舜さん(後編)(約34分)

 英語史研究者4名での千本ノックは初めてでしたが,限定配信かつ深夜便ということで,もちろん学びもありましたが爆笑シーンも多々あり,新鮮な千本ノック回となりました.heldio の通常配信には流しにくいトンデモ回答も続出し,ある意味で聴きごたえのある内容となっています.
 今回取り上げた素朴な疑問は,いつも通り,大学生から寄せてもらっていた疑問リストからランダムに選んだ9問です.普段の千本ノックよりもじっくりと議論できたように思います.

 (1) なぜ英語は大文字で文が始まるの?
 (2) どのような過程で英語はラテン語から変遷していったの?(←勘違いの質問です)
 (3) 「What a/an +形容詞+名詞+主語+動詞」や「How +形容詞+主語+動詞」などの感嘆文の語順はどうなっているの?
 (4) なぜ「カフェオレ」は(英語の coffee with milk ではなく)フランス語 café au lait なの?
 (5) どうしてアルファベットは26文字なの? 日本語は平仮名だけで50音あるので,少なすぎるように感じます.
 (6) 英語,スペイン語は English, Spanish などといいますが,日本語,中国語は *Japanish,*Chinish にならないのはなぜ?
 (7) <th> は機能語の語頭で有声化したということですが,through ではなぜ無声のままなのですか?
 (8) なぜ discuss には about が要らないのか?
 (9) 月名が9月以降は -ber になるのはなぜ?

 helwa は月額800円のサブスク配信ですが,初月は無料ですので,これを機にぜひお入りいただければ.

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2025-06-12 Thu

#5890. 日本中世英語英文学会西支部で『英語語源ハンドブック』の新刊紹介をしてきました [hee][academic_conference][notice][voicy][heldio]

 先週の土曜日,6月7日に京都の立命館大学で開かれた日本中世英語英文学会西支部例会へ参加してきました.来る6月18日に研究社から出版される『英語語源ハンドブック』の新刊紹介の機会をいただいていたのです.新刊紹介のセッションは以下の通りでした.

新刊紹介 (15:10~15:50)

『英語語源ハンドブック』(研究社,2025年)
   唐澤 一友(立教大学教授)
   小塚 良孝(愛知教育大学教授)
   堀田 隆一(慶應義塾大学教授)
   司会 福田 一貴(駒澤大学教授)


 共著者の唐澤氏,小塚氏とともに登壇し,校閲協力者のお1人である福田氏に司会を務めていただきました.新刊紹介のために40分という異例の長さのお時間を賜わり,深く感謝いたします.当日,会場には40~50名ほどの参加者が集まってくださり,皆さんの熱心な視線を感じながらのセッションとなりました.今回の記事では,当日のセッションの様子を振り返りつつ,本書のねらいと特徴を改めて紹介したいと思います.
 一昨日の記事「#5888. khelf の藤平さんに『英語語源ハンドブック』のチラシを作成していただきました」 ([2025-06-10-1]) でご紹介した広報用のチラシを60部用意して臨んだのですが,すべてなくなりました.また,出来たての『ハンドブック』の見本2部を会場で回覧したところ,多くの方にじっくりと手に取っていただけたようです.その効果もあってか(!?),翌日の Amazon 新刊ランキング「英語」部門で1位に返り咲くことができました.ご参加くださった皆様,本当にありがとうございました.
 セッションでは,まず司会の福田氏から,本書がこれまでの類書とどう違うのか,という話から始まりました.従来の語源本と異なり,英語史の専門家3名が集まって制作した点に本書のユニークさがある旨が指摘されました.
 これを受けて,唐澤氏は,本書が単なる「語源本」ではなく「英語史入門」として読めるように作られている旨を述べました.個々の単語をきっかけに,その背景にある英語の歴史(音の変化,綴字の変化,意味の変化など)に自然と触れられるように設計されている,ということです.
 次に小塚氏は,小学校から大学までの英語の教員や学習者といった,幅広い読者を想定している点に触れました.このような読者層を念頭に,1つひとつの単語の歴史を丁寧に描くことを心がけたとのことです.専門家向けの辞典と,一般的な学習参考書の間のギャップを埋めることこそ,英語史専門家がこの本を書いた意義だと語りました.
 堀田からは,企画当初からいわゆる「ボキャビル本」とは異なるものを作りたいと考えていたことを話しました.そのための鍵が,小塚氏のアイディアである「JACET8000の基本1000語」に絞るという戦略でした.誰もが知る単語を入口にしつつも,印欧語根まで遡ったり,そこから広がる別の単語も紹介したりすることで,より専門的な英語史の世界や上級者向けの辞典への「橋渡し」となることを強く意識した,という次第です.専門書では当たり前すぎて説明が省かれがちな「グリムの法則」なども,本書では具体例に即して逐一言及し,丁寧に解説しています.
 セッションでは,「基本1000語」を扱う上での工夫や苦労話にも花が咲きました.唐澤氏は,印欧語根まで遡って解説することで語彙のネットワーク的な広がりを感じられるようにした点を,小塚氏は,言語の背景にある社会や文化が垣間見える意味変化の魅力をたくさん盛り込んだ点を挙げていました.堀田からは,各見出し語に付けた「キャッチコピー」決めの舞台裏を紹介しました.なかなか大変な作業で,ウンウン唸りながら,なんとかかんとかひねり出したものが多いなど,打ち明け話しで盛り上がりました.
 最後に,この企画の意外な誕生秘話を披露しました.実は今から10年近く前,日本中世英語英文学会の懇親会の3次会の席で,この3名で「こんな本があったらおもしろいよね」と語り合ったのがすべての始まりだったようなのです(このことは,小塚氏のみが記憶していました).学会での雑談がきっかけで生まれた本を,時を経てその学会(の支部)で紹介できたことは,実に感慨深いものがあります.
 セッションの締めくくりには,会場で参加していた校閲協力者の小河舜氏(上智大学)からも「専門家にも一般の読者にもちょうど良いバランスの本」「さらなる学習へのジャンプ台になる本」という,嬉しいコメントをいただきました.
 この本が,多くの人にとって英語(史)の奥深さに触れるきっかけになってくれることを願っています.

 なお,本記事と同趣旨で,6月11日に唐澤氏,福田氏,小河氏とともに4人で heldio にて「#1473. 土曜日の『英語語源ハンドブック』新刊紹介の振り返り」を配信していますので,そちらもお聴きいただければ.


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 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2025-06-11 Wed

#5889. 6月21日(土),朝カル講座の春期クール第3回「autumn --- 類義語に揉み続けられてきた季節語」が開講されます [asacul][notice][kdee][etymology][hel_education][helkatsu][link][voicy][heldio]


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 今年度も朝日カルチャーセンター新宿教室にて,英語史のシリーズ講座を月に一度の頻度で開講しています.新シリーズは「歴史上もっとも不思議な英単語」と題して,毎回1つ豊かな歴史と含蓄をもつ単語を取り上げ,『英語語源辞典』(研究社)などの文献を参照しながら,英語史の魅力に迫ります.
 春期クールの第3回は,来週末の6月21日(土) 17:30~19:00 に開講される予定です.タイトルとして「autumn --- 類義語に揉み続けられてきた季節語」を掲げています.なぜ「秋」を意味する単語には autumnfall があるのでしょうか? 両者は何がどう異なるのでしょうか? 他の季節名 spring, summer, winter の各々の語源は? それぞれに動詞用法がありますが,その意味は? 英語には昔から四季があったの? 季節をめぐる疑問は尽きません.今回の講座では autumn を中心に季節に関わる語彙の歴史をひもときつつ,英語話者集団の季節感の変遷をたどります.
 また,6月18日(水)に発売予定の『英語語源ハンドブック』(研究社)の「テーマ別」セクションにて,まさに今回取り上げる季節語4語が立項されています.講座ではこちらの記述にも注目する予定です.『ハンドブック』発売直後の講座となりますので,同書そのものについてもいくつかお話しできればと思っています.ご関心のある方は,受講の際に,ぜひ『英語語源辞典』および『英語語源ハンドブック』を傍らに置いていただければ.
 受講形式は,新宿教室での対面受講に加え,オンライン受講も選択可能です.また,2週間限定の見逃し配信もご利用できます.ご都合のよい方法で参加いただければ幸いです.講座の詳細・お申込みは朝カルのこちらのページよりどうぞ.皆様のエントリーを心よりお待ちしています.


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(以下,後記:2025/06/16(Mon))
本講座の予告については heldio にて「#1478. 6月21日の朝カル講座では季節語に注目します --- 発売直後の『#英語語源ハンドブック』も大活躍するはず」としてお話ししています.ぜひそちらもお聴きください.



 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2025-06-10 Tue

#5888. khelf の藤平さんに『英語語源ハンドブック』のチラシを作成していただきました [notice][hee][khelf][helkatsu][voicy][heldio]


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 去る6月7日(土)に,立命館大学の衣笠キャンパスにて,日本中世英語英文学会第41回西支部例会が開催されました.そこで,来たる6月18日(水)に発売予定の『英語語源ハンドブック』を,共著者3名が紹介させていただくというありがたいセッションを設けていただきました.その折に,広報のために紙のチラシ(上掲)を配布いたしましたが,持参した60部はすべて来場者にお持ちいただきました.関係者一同嬉しく思っております.
 この素敵なチラシを作成してくれたのは,khelf(慶應英語史フォーラム)メンバーの藤平さんです.藤平さんにはこの場を借りて心より感謝申し上げます.ありがとうございます.研究社の営業担当の方々も含め関係者の皆が異口同音に素晴らしいと評する出来映えのチラシなので,『ハンドブック』の特徴ともども,hellog 読者の皆さんにもじっくりご覧いただきたく,本日の記事で紹介します.
 まず目を引くのが,本書のキャッチコピー「約1000の基本語から広がり・深まり・つながっていく」です.この惹句は,本書のコンセプトを的確に表現しています.全体の色使いやレイアウトも洗練されており,公式のものといっても過言ではないほどの完成度ですね(←妙な言い方でした,実際のところ研究社公認のチラシなのです).
 チラシでは書の特色が箇条書きで分かりやすくまとめられています.いくつか引用してみましょう.

 ・ 英語史の専門家による英語語源本
 ・ エビデンスに基づいて精選された約1000の基本語を徹底解説
 ・ 授業に使えるネタが満載
 ・ JACET1000の基本語を徹底解説
 ・ 英語史の入門書としても活用できる

 執筆者・校閲協力者が全員英語史の専門家であること,そして学習基本語約1000語を対象としていることが,本書の大きな柱です .チラシでは,その点が明確に打ち出されています.また,「授業に使えるネタ」や「英語史の入門書」といった具体的な活用法に触れているのも,読者にとって親切なガイドとなります.先日の Amazon 新着ランキング「英語」部門で1位獲得のニュースも,目立つように挿入してくれています,ナイス!
 また,このチラシの中程では,研究社公式HP「試し読み」(PDFへの直接リンク)で公開されている部分より paper の項目をサンプルとして抜き出し,内容の雰囲気を伝えています.これを見ると,単語の語源解説にとどまらず,その背景にある文化史(紙の歴史など)にも触れていることがよく分かります .また,paper がギリシア語で「パピルス」を意味する語に遡ること,そして同じ語源からフランス語経由で入った paper と,ラテン語から直接入った papyrus とが二重語 (doublet) の関係にあることなど,英語史の醍醐味がコンパクトに示されています.
 このチラシは,研究社公認のものであり,作成者の許可もいただいていますので,改変しない限り,画像やPDFのデジタル資料としても,印刷した紙の資料としても,hellog 読者の皆さんには,ご自由に閲覧・ダウンロード・利用していただけます.むしろ『英語語源ハンドブック』の存在をあまねく知っていただけるよう,SNS でも,学校・塾の授業でも,各種会合などでも,なるべく広く頒布していただけますと幸いです.本書発売まであと8日ほど.皆さんも,ぜひこのチラシを眺めて,本書への期待を膨らませていただければ幸いです.

 ・ チラシの画像 (PNG) はこちら
 ・ チラシの PDF はこちら

 今回紹介したチラシについては,本日の heldio 「#1472. 『英語語源ハンドブック』発売まであと8日 --- eight の項を覗き見」の第3チャプターでも触れています.ぜひお聴きください.



 合わせて,チラシ作成者,藤平さんの heldio 出演回「#598. メタファーとは何か? 卒業生の藤平さんとの対談」もどうぞ.

 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

Referrer (Inside): [2025-06-12-1]

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2025-06-08 Sun

#5886. 近刊『英語語源ハンドブック』 --- 共著者たちの赤裸々トーク [voicy][heldio][hee][kdee][asacul][notice]



 一昨日の夜,6月18日に研究社より発売予定の『英語語源ハンドブック』の共著者・校閲協力者である唐澤一友氏,小塚良孝氏,福田一貴氏,堀田隆一の4名が京都は丸太町の鳥どころの個室に集い,『英語語源ハンドブック』(研究社)について語る会を催しました.
 この会合は『英語語源ハンドブック』の情報が公開されて以来,著者3名を含む関係者が初めて対面で一堂に会する貴重な機会となりました.しかも,目の前には出来たてホヤホヤの,製本された『英語語源ハンドブック』の実物が置かれていました.この生の手触り感は,5月20日の「予約爆撃アワー企画」の時とはまた異なる,格別の興奮を私たちにもたらしました.そして,この興奮の様子を heldio にて実況生配信した次第です.ライヴでお付き合いいただいたリスナーの皆さん,ありがとうございました.その翌朝(=昨朝),そのアーカイヴ版を「#1469. 『英語語源ハンドブック』の著者対談@京都」として配信しました.32分ほどの音声配信となります.ぜひお時間のあるときにお聴きいただければ.以下では,その配信内容をかいつまんで紹介し,共著者らの語る『英語語源ハンドブック』の魅力と狙いを hellog の読者の皆さんにもお伝えしたいと思います.
 本書の企画の根幹をなすアイデアは,「新JACET8000」の最頻1000語を対象とするという点にあります.この着想は,共著者の1人,小塚氏によるものです.従来の語源本が,TOEIC 対策やボキャビルを主眼とし,中上級者向けの難解な単語やラテン語系の接頭辞・接尾辞を中心に扱ってきたのに対し,本書はむしろ逆のアプローチを取ります.というのは,私たちが目指したのは,特定の学習者層に限定されない,すべての英語学習者のために開かれつつ,とりわけ英語教師に資する「虎の巻」となるような一冊だったからです.小学校から大学に至るまで,どの教育段階においても必ず触れるであろう基本的な単語群.その語源を探ることこそが,英語という言語の根幹への理解を深める最も確実な道筋だと考えたのです.
 しかし,このアプローチは執筆者にとって大きな挑戦でもありました.予めリストアップされた1000語のなかには,語源的に特筆すべき変化に乏しい単語や,そもそも語源がはっきりしない単語も含まれます.「書けそうな単語を集めてくる」既存の語源本とは異なり,私たちには「逃げ道」がないのです.唐澤氏が「力が試される」と述べていたように ,与えられた素材をいかにして魅力的な語りの俎上に載せるか,まさに英語史研究者としての力量が問われる作業だったのです.
 その挑戦から生まれた工夫の1つが,各見出し語に必ず付されている「キャッチコピー」です.たとえば so のような,一見すると語源的な広がりを語りにくい単語に「様々な単語に組み込まれている」,あるいは soft に「五感への意味の広がり」といったコピーを付していくのです.この短いキャッチコピーは,読者の知的好奇心を刺激する導入として機能するだけでなく,私たち執筆者自身が各単語の核心を捉えるための指針ともなりました.ときに編集者の方からも厳しくも温かい指摘を受けながら,一つひとつのキャッチコピーを練り上げた過程は,苦しくも創造的な営みでした.
 本書のもう1つの大きな特徴は,種本ともいえる『英語語源辞典』 (kdee) との補完的関係性にあります.KDEE が専門家向けに,印欧祖語から古英語への形態的な流れを中心に記述しており,意味変化については必ずしも網羅的ではなかったのに対し,『英語語源ハンドブック』ではその点を意識的に補っています.なぜその意味が生まれたのか,その背景にある社会や文化の変化にまで踏み込んで解説することを試みました.また,大母音推移 (gvs) やグリムの法則 (grimms_law) といった英語史の基本的な音変化や,綴字の変化についても,KDEE では前提知識として省略されがちな部分を,ハンドブックでは丁寧に解説しています.「英語史入門と専門的な語源研究の世界とを橋渡しする一冊」として仕上がったといえます
 400ページを超える分量ながらも,持ち運びやすい比較的コンパクトな判型,目的の単語を探しやすい「ツメ」の採用など,ハンドブックとしての物理的な使いやすさにもこだわりがみられます.巻頭には英語史概説,巻末には英語史の用語解説も付されており,これ一冊で英語史の基礎知識がある程度身につくように設計されています.
 校閲協力者の福田氏は,読んでいるうちに自然と『英語語源辞典』の使い方もわかってくるとも評しています.本ハンドブックは「調べる」辞書であると同時に,物語として「読む」本でもあります.毎日1つか2つ,項目を読み進めるだけで,英語の世界がより深く,立体的に見えてくるはずです.英語史の専門家が集い,一般の読者に向けてここまでアクセシブルな形で語源の魅力を伝えようとした本は,これまでになかったものと自負しています.
 発売まであと10日ほどです.私たち関係者一同も引き続き,様々な形で本書の魅力をお伝えしていきたいと思います.昨日の記事「#5885. 7月19日(土)「深堀り『英語語源ハンドブック』徹底解読術 出版記念・鼎談」を朝日カルチャーセンター新宿教室にて開催」 ([2025-06-07-1]) で取り上げたとおり,1ヶ月ほど後には,共著者らによる出版記念講座の開催も予定しています.今後も,ぜひ『英語語源ハンドブック』をとりまくイベント全体にお付き合いいただければ幸いです.


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 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2025-05-27 Tue

#5874. khelf 顧問の泉類尚貴さん(関東学院大学),note を始める [notice][khelf][heldio][voicy][helkatsu][elf][historical_pragmatics][hel_herald]

 khelf(慶應英語史フォーラム)には,hel活 (helkatsu) こと英語史普及活動にいそしんでいるメンバーが多くいます.関連する最新ニュースとしては khelf 顧問の泉類尚貴さん(関東学院大学)が note を始められました.こちらからどうぞ.


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 泉類さんの「自己紹介」の記事を読むと,研究上の関心やhel活への思いがよく伝わってきます.社会言語学的な視点から英語史を捉えるアプローチや,ELF (English as a Lingua Franca; elf) に関する考察は,現代の英語のあり方を考える上で重要なトピックです.「呼びかけ語」という歴史語用論的なテーマも,英語史研究の潮流を意識したタイムリーな話題です.
 泉類さんには,これまで Voicy heldio にも度々出演していただきました.上記 note の昨日公開の最新記事「「英語の語源が身につくラジオ(heldio)」出演まとめ」には,出演回の一覧がリンクとともに記されていますので,ぜひこの機会に過去回をお聴きください.最近の出演回は先日の土曜日,5月24日の「#1455. khelf 泉類さんとリンガ・フランカとしての英語をめぐって --- 皐月収録回@三田より」です.



 泉類さんは,ほかにも khelf 発行の『英語史新聞』への寄稿など,khelf のhel活におおいに貢献してきてくれました.新たに開始された note でのhel活についても,今後の記事の更新がとても楽しみです.hellog 読者の皆さんもぜひ泉類さんの note をフォローしていただければ.hel活界隈,皆でますます盛り上げていきましょう!

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2025-05-25 Sun

#5872. 『英語語源ハンドブック』を初告知した heldio 緊急生配信の要旨 [voicy][heldio][notice][hee][kdee]



 5月15日(水)の正午,研究社公式HPにて近刊『英語語源ハンドブック』の案内が掲載されました.これを受けて,同日18:20より Voicy heldio にて本書の共著者の1人として興奮の生配信をお届けしました.ライヴでお聴きいただいたリスナーの皆さんには感謝致します.その生配信は,翌日5月16日(木)の朝の heldio で「#1447. 緊急生配信(のアーカイヴ) --- 6月18日に『英語語源ハンドブック』(研究社)が出ます」として配信しました.30分ほどの熱いトークとなっています.以下は,その要旨となります.



 本日(5月15日)正午,「緊急生配信」を行いました.聴いていただけましたでしょうか? なぜ「緊急」だったかというと,私たちの長年の夢がついに形になったからです! その興奮をいち早くお伝えすべく,急遽マイクの前に座った次第です.
 新しい本が出ます.本日正午ついにその情報公開が解禁されました.その名も『英語語源ハンドブック』(唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力))です.英語のタイトルは Handbook of English Etymology,略して HEE と呼んでいこうと思っています.この本が,約1ヶ月後の6月18日 (水)に研究社より発売されることになりました.
 この本は,英語史を専門とする5名の研究者が総力を結集して作り上げた,前代未聞の1冊です.JACETの基本語1000語を取り上げ,その意味・語形・発音の変化や,単語間に隠されたつながりを,英語史の視点から徹底的に解説しています.研究社の紹介文にもあるように「見慣れた単語から,英語が四次元的に見えてくる」はずです.
 どのような方々に読んでいただきたいかといえば,答えは様々ですが,以下の5点を挙げておきましょう.

 1. 英語の語源を純粋に楽しみたい方
 2. 英語の授業で使える「ネタ」を探している先生方(これが企画の最初のコンセプトでした)
 3. 本格的に語源でボキャビルしたい方
 4. 英語の「なぜ?」の背景を知りたい方
 5. そして何より英語史の基礎を学びたい方

 巷には語源に関する本はたくさんありますが,本書の最大の特徴は,英語史研究者が専門的な知見に基づき,信頼できる情報できる限りやさしく解説している点にあります.
 同じ研究社からは,本格的な『英語語源辞典』 (kdee) も出版されていますが,今回のハンドブックは,その専門的な世界への親切な「つなぎ役」になってくれると信じています.ハンドブックで語源の考え方や英語史の基礎に触れれば,より詳しい『英語語源辞典』の世界も楽しんで味わうことができるようになるでしょう.
 発売までの約1ヶ月間,この hellog はもちろん,heldio その他の媒体でも共著者の方々との対談なども交えながら,この本の魅力を次々に発信していく予定です.ぜひ,SNS などでハッシュタグ #英語語源ハンドブック を活用して一緒に盛り上げていただけると幸いです.
 最後に,なぜ私がこれほど興奮しているかというと,この本こそが「英語史をお茶の間に」広めるための,最大のチャンスだと信じているからです.この1冊を通じて,英単語の魅力はもちろん,英語という言語のもつ壮大な歴史とロマンを感じていただきければ.




 皆さん,ぜひこちらより予約注文をお願いいたします! ご自宅に1冊,職場や学校の図書館にももう1冊.この本が,日本の英語学習・英語教育に新しい風を吹き込むことを確信しています.


 来たる2025年6月18日(水),唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力)『英語語源ハンドブック』(研究社)が発売される予定です.5月21日以来の歴代記録として,Amazon 新着ランキングで「英語」部門にて第1位「語学・辞事典・年鑑」部門にて第2位を獲得しています.こちらの Amazon ページ(あるいは以下のQRコード)より,ぜひ予約注文をお願いいたします.

『英語語源ハンドブック』の Amazon 予約注文リンク




 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2025-05-24 Sat

#5871. 「英語に関する素朴な疑問 プチ千本ノック生配信 with 小河舜さん」のアーカイヴを YouTube で配信しました [senbonknock][sobokunagimon][voicy][heldio][youtube][hel_education][notice][ogawashun][terasawashiho][khelf][helkatsu]



 去る5月10日(土)の午前10時30分過ぎより,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」にて「英語に関する素朴な疑問 プチ千本ノック生配信 with 小河舜さん」をライヴでお届けしました.いつもの千本ノック (senbonknock) は1時間ほどの長尺でお届けすることが多いのですが,今回はサクッと22分ほどのプチ回となりました.生配信でお聴きいただいたリスナーの皆さん,ありがとうございました.
 前回の「#5851. 「英語に関する素朴な疑問 千本ノック --- GW回 with 小河舜さん」のアーカイヴを YouTube で配信しました」 ([2025-05-04-1]) のときと同様に,今回も小河舜さん(上智大学)とともにノックを受けました.小河さんは,最近hel活のために X アカウント @scunogawa を開設され,活発に情報発信されていますので,ぜひフォローしていただければ.
 また,khelf(慶應英語史フォーラム)の寺澤志帆さんには,問題を選んで読み上げる係を務めてもらいました.寺澤さんも最近「『英語語源辞典』でたどる英語綴字史」シリーズという熱いhel活を始められているので,ぜひご訪問ください.
 生配信の様子は音声のみならず動画としても収録していたので,このたび YouTube 「heltube --- 英語史チャンネル」より公開しました.上記スクリーン,あるいは「英語に関する素朴な疑問 プチ千本ノック生配信 with 小河舜さん」よりご覧ください.音声のみで聴きたいという方のために,後日 Voicy heldio でも配信すべく準備中ですので少々お待ちください.
 今回取り上げた疑問は,いつものように慶應義塾大学文学部英米文学専攻の学生から寄せられたものです.今回はプチ回で,取り上げられたのは6問のみですが,おもしろいトークにはなっています.おおよその分秒とともに疑問を一覧します.

 (1) 01:21 --- 「これ」は this,「あれ」は that なのに,「それ」は it になるのはなぜですか?
 (2) 04:55 --- なぜ固有名詞(TokyoJapan など)の頭文字は大文字にしなければならないのですか?
 (3) 08:57 --- なぜ -teen をもつ thirteenfourteen とは異なり,eleventwelve はこのような特別な形になるのですか? なぜ *twoteen や * threeteen ではないのですか?
 (4) 12:52 --- 英語の方がおしゃれに感じるのは気のせいですか? 外国人もそう感じているのですか?
 (5) 16:03 --- なぜ主節と従属節で時制を一致させる必要があるのですか?
 (6) 19:15 --- なぜ相手の疑問文が肯定でも否定でも,答えが肯定なら Yes,否定なら No になるのですか?

 今後も千本ノックのシリーズは続けていきます.過去の千本ノック企画については,本ブログの senbonknock 記事群よりアクセスしてください.

(以下,後記:2025/05/31(Sat))
 今回の千本ノック生配信は heldio でも「#1462. 英語に関する素朴な疑問 プチ千本ノック with 小河舜さん --- 皐月収録回@三田より」として配信しています.


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2025-05-17 Sat

#5864. 6月18日(水)に本が出ます! 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著)『英語語源ハンドブック』(研究社) [notice][hee][kdee][hel_education][helkatsu][voicy][heldio][kenkyusha]


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 ほぼ一ヵ月後の2025年6月18日(水),上掲の本が出ます.英語史研究者3名と,同じく英語史研究者である校閲協力者2名による,英語の語源本です.タイトルは『英語語源ハンドブック』で,英語名は A Handbook of English Etymology です.略して「HEE」.
 この近刊書については,一昨日,研究社のHPの近刊コーナーにて公式に情報公開されました.研究社近刊『英語語源ハンドブック』よりご確認ください.部分的に「試し読み by YONDEMILL」も可能となっています.ぜひ覗いてみて,いな,精読してみてください.
 JACETの基本語1000語を中心に取り上げ,英語教員にとっての虎の巻となることを念頭に執筆しています.英語史概要や用語解説などもついており,全体で450ページのハンドブックとなっています.英語の学習や教育に携わるすべての方にとっての必携書となればと期待しています.
 以下,公式の紹介文より引用します.

見慣れた単語から,英語が四次元的に見えてくる!

約1000の基本語について、意味・語形・発音の変化や、単語間の隠れた絆などを徹底解説。基本語の多くは、長い歴史の中で元の姿から大きく変わっており、だからこそ、その歴史を紐解くことで各語の本質に一気に迫ることができる。見出しの1000語以外にも、同じ語根に基づく語や類義語など、関連語を豊富に収録。なじみの単語が意外な原義をもっていたり、これまで結びつけたこともなかったような単語と単語が実は有機的に結びついていたり──知識は広がり、深まり、つながっていく!

こんな方にオススメ!

■英語の語源を楽しみたい
■英語の授業のネタを探したい
■本格的に語源でボキャビルがしたい
■英語の不規則性の背景を知りたい
■英語史の基礎を学びたい


 情報公開日だった一昨日の18:20より,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」にて,この近刊を告知する生配信を行ないました.そのアーカイヴ版を昨日の heldio で配信しましたので,「#1447. 緊急生配信(のアーカイヴ) --- 6月18日に『英語語源ハンドブック』(研究社)が出ます」よりお聴きいただければ(本編30分ほど).



 当面,本ブログでも,その他のメディアでも,向こう一ヶ月は『英語語源ハンドブック』の話題が多くなってくると思います.ぜひご注目ください.SNS などではハッシュタグ #英語語源ハンドブック にて応援していただけますと幸いです.

 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

Referrer (Inside): [2025-05-20-1]

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2025-05-09 Fri

#5856. 私の『英語語源辞典』推し活履歴 --- 2025年5月9日版 [notice][kdee][youtube][link][etymology][review][voicy][heldio][lexicography][asacul]


寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.



 たまに振り返ってみるシリーズです.これまでの『英語語源辞典』推し活履歴は,以下の記事をご参照ください.

 ・ 「#5210. 世界最強の英語語源辞典 --- 寺澤芳雄(編集主幹)『英語語源辞典』(研究社,1997年)」 ([2023-08-02-1])
 ・ 「#5261. 研究社会議室での3回にわたる『英語語源辞典』をめぐるインタビューが完結」 ([2023-09-22-1])
 ・ 「#5436. 私の『英語語源辞典』推し活履歴 --- 2024年3月15日版」 ([2024-03-15-1])
 ・ 「#5522. 私の『英語語源辞典』推し活履歴 --- 2024年6月9日版」 ([2024-06-09-1])
 ・ 「#5553. 寺澤芳雄(編集主幹)『英語語源辞典』(研究社,1997年)の新装版 --- 「いのほた言語学チャンネル」でも紹介しました」 ([2024-07-10-1])

 今回は2024年7月11日以降の推し活履歴を時系列に一覧します.2024年度の朝カル講座「語源辞典でたどる英語史」の関連が多いので,これについては特にこちらの記事群ご覧ください.ほかには kdee タグのついた記事群も参照.

 ・ 2024年07月26日 heldio で「#1153. 『英語語源辞典』を読むシリーズ (8) --- khelf 藤原くんと king の項を精読する」が公開される.
 ・ 2024年07月27日 朝カルのシリーズ講座「語源辞典でたどる英語史」の第4回「現代の英語に残る古英語の痕跡」が開講される.
 ・ 2024年08月24日 heldio で「#1182. 【緊急のご報告】研究社『英語語源辞典』新装版が重版決定!」が公開される.
 ・ 2024年08月24日 朝カルのシリーズ講座「語源辞典でたどる英語史」の第5回「英語,ラテン語と出会う」が開講される.
 ・ 2024年09月28日 朝カルのシリーズ講座「語源辞典でたどる英語史」の第6回「英語,ヴァイキングの言語と交わる」が開講される.
 ・ 2024年09月08日 khelf 主催の「英語史ライヴ2024」の英語史クイズにて,研究社のご提供により『英語語源辞典』が景品とされる.
 ・ 2024年09月08日 khelf の『英語史新聞』第10号号外にて,『英語語源辞典』制作にかかわる貴重なエピソードが紹介される.
 ・ 2024年09月20日 『はじめての英語史』と『英語語源辞典』が読売新聞朝刊のサンヤツ広告に掲載される.
 ・ 2024年09月23日 heldio で「#1212. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 --- 「英語史ライヴ2024」より」が公開される.
 ・ 2024年10月21日 heldio で「#1240. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 (2) --- KDEE の編集方針を理解しよう」が公開される.
 ・ 2024年10月26日 heldio で「#1236. mine を『英語語源辞典』で読み解く」が公開される.
 ・ 2024年10月26日 朝カルのシリーズ講座「語源辞典でたどる英語史」の第7回「英語,フランス語に侵される」が開講される.
 ・ 2024年11月14日 heldio で「#1264. 『英語語源辞典』通読はキツい,無理!」が公開される.
 ・ 2024年11月16日 heldio で「#1266. chair と sit --- 『英語語源辞典』精読会 with lacolaco さんたち」が公開される.
 ・ 2024年11月30日 朝カルのシリーズ講座「語源辞典でたどる英語史」の第8回「英語,オランダ語と交流する」が開講される.
 ・ 2024年12月21日 朝カルのシリーズ講座「語源辞典でたどる英語史」の第9回「英語,ラテン・ギリシア語に憧れる」が開講される.
 ・ 2024年12月26日 heldio で「#1306. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 (3) --- 印欧語比較言語学の学史をたどる」が公開される.
 ・ 2025年01月25日 朝カルのシリーズ講座「語源辞典でたどる英語史」の第10回「英語,世界の諸言語と接触する」が開講される.
 ・ 2025年02月08日 朝カルのシリーズ講座「語源辞典でたどる英語史」の第11回「英語史からみる現代の新語」が開講される.
 ・ 2025年03月15日 朝カルのシリーズ講座「語源辞典でたどる英語史」の第12回「勘違いから生まれた英単語」が開講される.
 ・ 2025年04月25日 heldio で「#1426. 『英語語源辞典』をランダム読み --- khelf メンバーとの思いつき企画」が公開される.
 ・ 2025年04月27日 heldio/helwa リスナーの ari さんが『英語語源辞典』で一人遊びするアプリを開発し,note 上で公表する:「#264 【KQ1】Voicy の KDEE の単語遊びを ChatGPT で体験してみた!」.アプリの改訂版は2日後のこちら:「#266【KQ2】ゴラクエを update して遊ぶ!!」
 ・ 2025年05月01日 khelf の寺澤志帆さんが,連載「『英語語源辞典』でたどる英語綴字史」を開始する.
 ・ 2025年05月04日 heldio/helwa リスナーの lacolaco さんによる note 上の「英語語源辞典通読ノート」が順調に継続しており,crash まで達している.

 khelf メンバーやヘルメイトさんとも力を合わせ,ものすごい活動になってきました.皆さんも,どのような形であれ,ぜひ KDEE 推し活にご参加いただければ!

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.

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2025-05-04 Sun

#5851. 「英語に関する素朴な疑問 千本ノック --- GW回 with 小河舜さん」のアーカイヴを YouTube で配信しました [senbonknock][sobokunagimon][voicy][heldio][youtube][hel_education][khelf][notice][ogawashun]



 先日,5月28日(水)の午後1時30分過ぎより,khelf(慶應英語史フォーラム)の協賛のもと,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」にて「千本ノックGW回 with 小河舜さん」の生配信をお届けしました.平日昼間の65分にわたるライヴでしたが,ご聴取くださった皆さん,ありがとうございました.
 その生配信の様子は音声のみならず動画としても収録していたので,このたび YouTube 「heltube --- 英語史チャンネル」より公開しました.上記スクリーン,あるいは「英語に関する素朴な疑問 千本ノック --- GW回 with 小河舜さん」よりご覧ください.(音声のみで十分という方は,後日 Voicy heldio のアーカイヴとしても配信する予定ですので,しばらくお待ちください.)
 今回の千本ノックは,前回の「#5843. 「英語に関する素朴な疑問 千本ノック --- 年度初めの生配信」のアーカイヴを YouTube で配信しています」 ([2025-04-26-1]) とは異なり,私1人ではなく,小河舜さん(上智大学)にも久しぶりにご登場いただき,2人体制で千本ノックを受けるという形式をとりました.前回は孤独に大量の質問の矢面に立ちましたが,今回は強力な助っ人を得て,心強く千本ノックに臨むことができました.小河さん,ありがとうございました! 小河さんは,最近hel活のために X アカウント @scunogawa を開設されましたので,hellog 読者の皆さんは,ぜひフォローをお願い致します.
 さて,今回の千本ノックの質問も,慶應義塾大学文学部英米文学専攻や通信教育課程で「英語史」を受講している学生の皆さんから事前に募ったものがほとんどです.鋭い質問や興味深い観点からの疑問が多く寄せられました.生配信では時間の制約もあり,取り上げられた質問は15件にとどまりますが,英語史の多様な側面が垣間見えたのではないでしょうか.
 今回の15の疑問について,おおよその分秒とともに一覧します.

 (1) 08:09 --- 肯定の平叙文で some + 名詞を含む文を疑問文や否定文にするとき,なぜ someany にひっくり返るのか?
 (2) 12:48 --- freedomliberty は重なる部分が多いが,ニュアンスの違いもある.このように基本的に同義でも特定の解釈で慎重さが求められる語が生まれた理由は?
 (3) 17:40 --- なぜ(文法書もなかったような)古い時代の英語で屈折に富んだ文法が使えたのか?
 (4) 21:55 --- 数が 0 の場合,それを受ける可算名詞がなぜ複数形になるのか? (実際には単数形もあり得ます)
 (5) 26:18 --- 不定冠詞 an/a の使い分け(an apple vs. a pen)の現象は,ギリシア語由来の接頭辞 an/a の現象と同じですか?
 (6) 28:05 --- なぜ Monday など曜日の最初の文字は大文字なのか? なぜ固有名詞扱いなのか?
 (7) 32:19 --- なぜ be 動詞は現在形では am, are, is の3種類なのに,過去形では was, were の2種類になるのか?
 (8) 36:35 --- 英語が世界言語として広まったのは,他言語と似ていて習得しやすいからか?
 (9) 39:39 --- なぜ英語では親指は finger ではなく thumb というのか?
 (10) 43:19 --- なぜ関係代名詞で「前置詞 + that」の形はないのか? なぜ that は非制限用法で使えないのか?
 (11) 46:47 --- 日本人の名字の長音(例:「大下」)のローマ字表記は,Ohshita, Ōshita, Oshita のどれが適切か?
 (12) 50:02 --- なぜ昔の文章ほど難解に感じられるのか?
 (13) 53:28 --- knightknife の語頭の k は発音しないが,昔は発音されていたのか?
 (14) 55:30 --- コンマ (,) の歴史的変遷は? 感嘆符 (!) や疑問符 (?) はどのようにして生まれたのか? なぜ文末にピリオド (.) を打つのか?
 (15) 58:28 --- 倒置は強調したい要素を文頭に出す場合に起こるが,仮定法(例:Were it not for ...)では何を強調しているのか?

 まだまだ未回答の疑問はたくさん残っていますので,別の機会に取り上げていきたいと考えています.過去の千本ノック企画については,本ブログの senbonknock 記事群よりアクセスしてみてください.引き続き,英語史の学びを楽しんでいきましょう!

(以下,後記:2025/05/08(Thu))
 今回の千本ノック生配信は heldio でも「#1439. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック --- GW回 with 小河舜さん」として配信しています.


Referrer (Inside): [2025-05-24-1] [2025-05-08-1]

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2025-04-27 Sun

#5844. 「英語に関する素朴な疑問 千本ノック」最新回への参加者のコメント [youtube][senbonknock][sobokunagimon][voicy][heldio][hel_education][notice][khelf]



 昨日の記事「#5843. 「英語に関する素朴な疑問 千本ノック --- 年度初めの生配信」のアーカイヴを YouTube で配信しています」 ([2025-04-26-1]) と関連して,千本ノックの参加者(大学生)から寄せられてきた感想コメントをいくつかピックアップして示します.取り上げられた素朴な疑問の順で挙げていきます.(コメントの文章は適宜編集・要約しています.)

(1) なぜ複数形や3単現では -s を使うのか?

 ・ 3単現の -s が他の語尾(aq)でもよかったのでは,という根本的で「聞いても仕方ない」ような疑問にも英語史的な答えがあると知り,感動した.
 ・ 当たり前だと思っていた3単現の s が,古くは th であり,それが(音が似ているからではなく)置き換わったという歴史に驚き,言語変化のダイナミズムを感じた.

(2) なぜアルファベットと発音記号を分けているのか?

 ・ 綴り字は保守的だが発音は変化しやすいという原則を知り,綴りと発音の不一致問題が腑に落ちた.
 ・ 発音しない文字は単なる無駄ではなく,言語の過去(かつては発音されていた事実)を今に伝える「痕跡」であり,歴史の積み重ねだと感じた.
 ・ 綴り字改革が何度も試みられたが成功しなかった事実に,たとえ非合理でも定着したものを変えることの難しさ,言語の文化的・歴史的な重みを感じた.

(3) 発音しない h の存在意義は?

 ・ h の問題が「盲腸」や「男性の乳首」に喩えられていた,発音しない h の存在意義の説明が衝撃的で,言語における「進化」の痕跡という視点に感心した.
 ・ フランス語の影響で英語の h の発音が揺れた歴史を知り,英文学史で学んだノルマン・コンクエストと言語史が繋がり,興奮した.

(5) なぜ英語は左から読むのか?

 ・ 「なぜ英語は左から読むのか」という当たり前すぎる問いが,実は古英語では右書きもあったという事実から,深い歴史的問題になりうることに驚き,英語史の面白さを感じた.

(7) なぜ冠詞は分かりづらいのか?

 ・ 冠詞が歴史の途中(近代英語期)から発達した比較的新しい文法項目であり,古英語にはなかったという事実に衝撃を受けた.
 ・ 冠詞や進行形が比較的新しいことを知り,言語は不変ではなく,必要に応じて変化・進化するものだと実感した.

(8) なぜ英語にはドイツ語やフランス語にはない進行形があるのか?

 ・ 進行形も比較的新しい(近代英語以降の)文法で,シェイクスピアは使っていなかったこと,今も用法が拡大中であることを知り,言語が生きていることを実感した.

(10) なぜ英語には大文字と小文字があるのか?

 ・ 大文字と小文字の起源と用途の変遷(威厳 vs 速記 → 文中での強調・区別)を知り,実用性が文字の形や規則を生み出す過程に納得した.

(13) なぜ英語を話せる人を無意識にクールだと感じてしまうのか?

 ・ 英語話者をかっこいいと感じるのは,言語がもつ社会的な威信が原因であり,言語と権力の関係性(かつてのラテン語やフランス語のように)で説明できることに知的刺激を受けた.

(15) なぜ get in, get together, get over のように,基本動詞と副詞(または前置詞)の組み合わせによる句動詞が多く,多様な意味を持つのか?

 ・ 基本動詞+副詞(前置詞)から成る句動詞が,中英語期以降に激増したという歴史を知り,なぜそのような(学習者にとっては厄介な)形式が必要になったのか,その背景に興味をそそられた.

(17) なぜ be 動詞の現在形は am, are, is の3種類もあるのか?

 ・ 頻用される be 動詞が最も不規則変化するのは言語の宿命であり,「特別なんだろう」という曖昧だった認識が,英語史的説明で腑に落ちた.
 ・ 頻度が高い基本動詞ほど不規則になるという言語の原則に触れ,なぜ最初に習うものが一番複雑なのか納得した.

 その他,全体的な感想をいくつか挙げてみます.

 ・ 目の前でラジオの生放送が進行しているシチュエーションは初めてで,非常に新鮮であった.
 ・ 今後英語史を学んでいく上でさまざまな「なぜ」が出てくると思うので,また機会があればこのような企画を実施してほしいです.すごく有意義でした.
 ・ 素朴な疑問こそが英語史の入り口であり,歴史的視点から見ればどんな疑問にも(たとえ完全な答えがなくとも)考える「とっかかり」があるという指摘になるほどと思った.
 ・ 文法ルールを単なる暗記ではなく,「なぜそうなったのか」という歴史的背景とともに理解することで,英語学習がより深く,面白くなることを実感した.
 ・ 英語史を学ぶことで,一見無関係に見える文学史や社会史など,他の分野との繋がりが見えた.

 私も,千本ノックを通じて,多くの参加者が英語史に関心を抱いたようだと知ることができて嬉しかったです.英語史の本当の楽しさはこれからです.皆さん,ぜひこれから前のめりに学んでいってください!

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2025-04-26 Sat

#5843. 「英語に関する素朴な疑問 千本ノック --- 年度初めの生配信」のアーカイヴを YouTube で配信しています [youtube][senbonknock][sobokunagimon][voicy][heldio][hel_education][notice][khelf]



 先日の月曜日,4月21日の午後1時20分より,khelf(慶應英語史フォーラム)の協賛のもと,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の生配信という形で「英語に関する素朴な疑問 千本ノック」を配信しました.会場では70名ほどの大学生に参加してもらい,ライヴ配信では30名ほどのリスナーに聴取いただきました.盛り上げに協力してくださりまして,ありがとうございます.
 会場では千本ノックの様子を動画でも撮影しており,今朝 YouTube 「heltube --- 英語史チャンネル」にて動画を公開しました(音源は後日 Voicy heldio でもアーカイヴとして配信する予定です).「英語に関する素朴な疑問 千本ノック 2025年4月21日 --- 年度初めの生配信(アーカイヴ)」よりご覧ください(65分ほどの動画です).
 千本ノックの企画に先立ち,学生の皆さんには事前に英語に関する素朴な疑問を寄せてもらっていました.実に100以上の質問が集まりました.千本ノックでは,時間の都合でその一部の疑問にしか触れられませんでしたが,それでも話題の範囲は広く,英語史の懐の深さの感じられるラインナップだったのでないかと思っています.
 今回の千本ノックで取り上げた17の疑問について,おおよその分秒とともに一覧します.

 (1) 04:02 --- なぜ複数形や3単現では -s を使うのか?
 (2) 07:56 --- なぜアルファベットと発音記号を分けているのか?(発音記号をそのまま文字にすればよいのでは?)
 (3) 14:30 --- 発音しない h の存在意義は?
 (4) 20:06 --- なぜ過去形などにするとき,短い母音の後の子音字は重ねて書くのか?
 (5) 23:52 --- なぜ英語は左から読むのか?
 (6) 27:47 --- I am とその省略形 I'm はどう違うのか?
 (7) 31:39 --- なぜ冠詞は分かりづらいのか?
 (8) 34:48 --- なぜ英語にはドイツ語やフランス語にはない進行形があるのか?
 (9) 39:21 --- なぜ u という1つの文字に多様な発音があるのか?
 (10) 41:55 --- なぜ英語には大文字と小文字があるのか?
 (11) 44:08 --- なぜ曜日の名前は日本語とずれているのか?
 (12) 45:52 --- なぜ sisterbrother には姉・妹,兄・弟の区別がないのか?
 (13) 48:35 --- なぜ英語を話せる人を無意識にクールだと感じてしまうのか?
 (14) 51:17 --- なぜ Is this a pen? の答えは Yes, it is. であり,*Yes, this is. ではないのか?
 (15) 54:08 --- なぜ get in, get together, get over のように,基本動詞と副詞(または前置詞)の組み合わせによる句動詞が多く,多様な意味を持つのか?
 (16) 56:01 --- なぜ英語では固有名詞の所有格にアポストロフィを用いるのか?(ドイツ語のように -s だけではダメなのか?)
 (17) 59:49 --- なぜ be 動詞の現在形は am, are, is の3種類もあるのか?

 取り上げられなかった素朴な疑問がまだたくさん残っていますので,今後も千本ノックその他の機会を捉えて,話題にしていきたいと思います.過去の千本ノック企画については,本ブログより senbonknock を訪れてみてください.新年度も楽しい英語史の学びを!

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2025-04-22 Tue

#5839. 「いのほた言語学チャンネル」で go/went の堀田説について再び語りました [voicy][heldio][youtube][inohota][suppletion][sociolinguistics][homonymic_clash][verb][notice][sobokunagimon][taboo]

 同僚の井上逸兵さん(慶應義塾大学)と運営している YouTube 「いのほた言語学チャンネル」は開設から3年以上が経ちますが,おかげさまで多くの方にご覧いただいています(チャンネル登録者は目下1万4千人です).
 日曜日に配信された最新回は「#329. 2年経ってもご覧いただき続けている go/went 堀田説回(第25回)へのみなさまのコメントに堀田が回答!」です.視聴回数が著しく伸びています.18分ほどの動画です.ぜひご視聴ください.



 今回の動画は,3年以上前に(タイトルでは「2年経っても」とありますが,調べたら3年以上経っていました)公開した「#25. 新説!go の過去形が went な理由」という動画に,今なお多くのコメントをお寄せいただいていることを受けて制作したものです.



 この #25 は「いのほた言語学チャンネル」の全配信回のなかでも特によく視聴されている回の1つとなっています.#25 のコメント欄には,これまで様々なご意見,ご感想,ご批判が寄せられてきていたので,今回の #329 では,そのような反応に対して私より補足説明や回答をさせていただいたという次第です.#329 の内容を要約すると以下の通りです.



 #25 で取り上げられたのは,なぜ go の過去形が *goed ではなく went なのか,という英語に関する素朴な疑問です.これは英語史では補充法 (suppletion) と呼ばれる現象の代表例とされています.異なる語源をもつ単語が,ある単語の形態変化の一部(ここでは過去形)を補う形で使われるというものです.英語では,go の過去形に,もともと「行く,進む」を意味した別系統の動詞 wend の過去形 went が採用されたというのが,伝統的な英語史の説明です.
 #25 で提示した私の「新説」とは,一度 wentgo の過去形として定着した後,なぜ他の多くの不規則動詞が経験したような規則化,つまり *goed のような形への変化が起こらなかったのか,という点に焦点を当てたものです.私は,その理由を社会言語学 (sociolinguistics) 的な観点から説明してみました.つまり,不規則な went の使用が,ある種の「言語的な境界マーカー」として機能し,英語母語話者と非英語母語話者を,すなわち言語共同体の内部の人と外部の人を区別する役割を(無意識的にせよ)果たしてきたのではないか,と考えたわけです.詳しくは #25 をご覧いただければと思いますが,#329 でもこの点を要約して話してはいます.
 #25 のコメント欄には,「goed だと God (神)の発音と近くなり,不敬だから避けられたのではないか?」という趣旨の意見もいくつかいただきました.これは「神」のタブー性と同音異義衝突 (homonymic_clash) という言語変化の要因に関する仮説に基づいたものと思われます.
 しかし,動画内でも説明しましたが,私はこの説に与しません.理由としては,まず go の古英語期の形態は gān のように ā'' の母音を示すものであり,その過去形が仮に規則化したとしても,God (古英語形 god)との母音の類似性は低いからです.両語は,母音の音質も音量も明確に異なっていたのです.さらにいえば,言語において同音異義語はごく普通に存在しており,それらが衝突して片方が消滅するというのは,事例としては確かにあるものの,まれな現象です.この go/went の件に関して,同音異義衝突に基づく説を積極的に支持する根拠は見当たりません.
 もう1点,#25 での解説について,誤解を招く点があったかもしれませんので,補足しておきたいことがあります.コメント欄にて,went のような不規則な形は母語話者が非母語話者を排除するために意図的に作った罠であるという見方は,少々陰謀論的に過ぎるのではないか,という趣旨のコメントをいただいていました.
 #25 で私の言いたかったことは次の通りでした.言語変化は,基本的には誰かが意図して起こすものではなく,自然発生的に進んでいくものであり,go の過去形が went になったのも,あくまで歴史的な偶然の結果である.ただし,その結果として生じた不規則な形が,後から社会言語学的な意味合いを帯び,内部と外部を区別するような機能をもつようになった,ということは十分にあり得ると考えます.つまり,「罠を仕掛けた」のではなく,「自然にできた落とし穴のような窪地を,後から罠として利用するようになった」という喩えが適切でしょう.




 改めて,この説について考えていただければ.

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2025-04-18 Fri

#5835. リスナー投票による heldio 2025年第1四半期のランキング [voicy][heldio][notice][ranking][link][helkatsu]

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 「#5820. heldio 2025年第1四半期のベスト回を決めるリスナー投票 --- 4月10日までオープン」 ([2025-04-03-1]) でご案内したとおり,今年の第1四半期(1月--3月)における Voicy heldio のベスト配信回を決めるリスナー投票(1人10票まで)を実施しました.投票締切を少々延長し,4月13日をもって投票会場を閉じましたが,今回も多くのリスナーの皆さんよりご投票いただきました.ご協力ありがとうございました.
 投票結果をまとめましたので本記事にて報告いたします.本日の heldio でも「#1419. heldio 2025年第1四半期のリスナー投票の結果発表」として報告しているので,ぜひお聴きください.
 今回は同率1位,同率3位など,複数の配信回が同じ得票率で並ぶ結果となりました.以下に上位17位までの計23配信回を掲載します(全結果は本記事のソースHTMLをご覧ください).



 1. 「#1320. 小河舜さんの研究とキャリアに迫る(前半)--- lacolaco さんインタビュー企画」 (44%)
 1. 「#1384. 学びとはレトロニム化だ!」 (44%)
 3. 「#1363. そもそも文法って? --- 保坂道雄先生が「いのほた言語学チャンネル」にご出演中」 (31%)
 3. 「#1391. 種は蒔いて捨てておけば誰かが拾ってくれる --- hel活でも研究でも」 (31%)
 3. 「#1394. 白黒つけずにグレーで持ちこたえることが大事 --- 井出新先生の最終講義より」 (31%)
 6. 「#1326. through の綴字,516通り目を発見!」 (28%)
 7. 「#1315. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック --- 年末ヴァージョン with 小河舜さん(生配信)」 (25%)
 7. 「#1398. 世界一謎めいた写本「ヴォイニッチ写本」を知っていますか?」 (25%)
 9. 「#1400. 素朴な疑問に答えよう --- 生配信 from 高崎オフ会」 (22%)
 10. 「#1348. 好きな英語の接尾辞を教えてください!」 (19%)
 10. 「#1350. CNN English Express 2025年2月号の特集「英語の新語30」」 (19%)
 10. 「#1366. あなたの思い出の英文法用語を教えてください」 (19%)
 10. 「#1373. 英語史は「英語の歴史」というよりも「英語と歴史」 --- 慶應義塾研究者紹介動画より」 (19%)
 10. 「#1383. 英文精読回 --- 幽霊語をめぐる文の jealously をどう解釈する?」 (19%)
 10. 「#1396. 川上さんの「英語のなぜ5分版」やってます通信 --- 第14弾」 (19%)
 10. 「#1401.英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (61-1) Effects of Christianity on English Civilization」 (19%)
 17. 「#1318. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (60-3) Latin Influence of the Second Period --- Taku さん対談精読実況中継」 (16%)
 17. 「#1332. 意味の場 --- semantic field」 (16%)
 17. 「#1336. lacolaco さんの「英語語源辞典通読ノート」最新回より」 (16%)
 17. 「#1353. enshittification 「メタクソ化」を飲みながら議論する」 (16%)
 17. 「#1355. リスナーの皆さんから寄せていただいた「推し接尾辞」を紹介します」 (16%)
 17. 「#1370. 「ゆる言語学ラジオ」で取り上げられた pronounce vs. pronunciation の綴字問題」 (16%)
 17. 「#1376. 「英語史クイズ」生配信 --- 「英語史フェス2025」より」 (16%)




 第1位(得票率44%)は同率で2つの配信回が輝きました.「#1320. 小河舜さんの研究とキャリアに迫る(前半)--- lacolaco さんインタビュー企画」は,heldio/helwa でもお馴染みの小河舜さん(上智大学)の学問的背景や今後の展望に迫る,コアリスナー lacolaco さんによるインタビュー企画の前編です.小河さんの人となりや英語史への情熱が伝わる内容が,多くのリスナーの心を掴んだようです(インタビュー後半は helwa より「【英語史の輪 #235】小河舜さんの研究とキャリアに迫る(後半)--- lacolaco さんインタビュー企画としてお届けしました).
 同率第1位の 「#1384. 学びとはレトロニム化だ!」は,コアリスナー Lilimi さんのコメントに触発される形で,学びに対する考え方を「レトロニム化」というキーワードで語った回です.日々の学びや研究活動に対する哲学的な視点が,共感を呼んだものと思われます.heldio/helwa のコアリスナーが媒介となった2つの配信回が第1位を獲得したというのは,実に示唆的です.




 第3位(得票率31%)には,3つの配信回が並びました.「#1363. そもそも文法って? --- 保坂道雄先生が「いのほた言語学チャンネル」にご出演中」は,文法化 (grammaticalization) 研究の第一人者である保坂道雄先生(日本大学)が,「いのほた言語学チャンネル」にご出演し,文法そのものについて語られた回を紹介したものです.保坂先生の人気は heldio でも健在です.
 同率第3位の「#1391. 種は蒔いて捨てておけば誰かが拾ってくれる --- hel活でも研究でも」は,hel活や研究活動における私の実感に基づき,「発信することの意義」について語った回です.多くのリスナーの皆さんに響くメッセージとなったようで嬉しいです.
 同じく第3位の「#1394. 白黒つけずにグレーで持ちこたえることが大事 --- 井出新先生の最終講義より」は,慶應義塾大学の井出新先生(名誉教授)の最終講義から得た学びや感銘を共有した回です.学問や人生における示唆に富んだ言葉が,支持を集めたものと想像されます.
 第6位(得票率28%)は「#1326. through の綴字,516通り目を発見!」.英語の綴字の歴史的多様性を示す衝撃的な(!)事例を紹介した回で,英語史の奥深さやおもしろさが伝わったものと思います.
 第7位(得票率25%)も同率で2件.「#1315. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック --- 年末ヴァージョン with 小河舜さん(生配信)」は,昨年末の生配信企画として行なった恒例の「千本ノック」です.小河さんとの掛け合いとライブ感が好評だったようです.
 もう1つは「#1398. 世界一謎めいた写本「ヴォイニッチ写本」を知っていますか?」です.未解読写本として有名なヴォイニッチ写本 (voynich) を紹介した回で,知的好奇心をくすぐるミステリアスなテーマへの関心が高かったことがうかがえます.このテーマについては,最近出版された書籍の hellog での紹介記事「#5815. 安形麻理・安形輝『ヴォイニッチ写本』(星海社,2024年)」 ([2025-03-29-1]).
 第9位(得票率22%)には「#1400. 素朴な疑問に答えよう --- 生配信 from 高崎オフ会」がランクイン.helwa の地方オフ会での生配信という,コミュニティの繋がりを感じさせる企画が支持されました.
 10位以下(得票率19%, 16%)にも,「推し接尾辞」や「思い出の文法用語」といったリスナー参加型企画,『CNN English Express』の新語特集紹介,慶應義塾の研究者紹介動画の裏話,幽霊語をめぐる英文精読,川上さんの「やってます通信」,Baugh and Cable 精読シリーズ,意味論に関する話題,lacolaco さんの「英語語源辞典通読ノート」紹介,現代の新語 enshittification の話題,ゆる言語学ラジオで話題になった綴字問題,英語史フェスでのクイズ大会など,実に多彩な配信回が並びました.
 全体として,今期の人気回は,コアリスナーやゲスト研究者への注目,学びや研究に対する哲学的な話題,コミュニティ活動(hel活,オフ会),そしてリスナー参加型企画などがバランス良く支持を集めた四半期だったといえそうです.
 今回も投票にご参加いただいたリスナーの皆さん,誠にありがとうございました.皆さんからのフィードバックは,今後の heldio 配信の大きな励みとなります.これからも英語史の魅力と学びの楽しさをお届けできるよう努めていきます.
 上記の結果を参考に,まだお聴きでない配信回がありましたら,ぜひご聴取ください.

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2025-04-16 Wed

#5833. YouTube で「英語史をお茶の間に」 --- 3つの再生リストをご紹介 [youtube][heltube][inohota][helkatsu][voicy][heldio][hellog-radio][heltalk][sobokunagimon][notice]

 新年度,英語史の学びを始める/続ける方も多いと思います.私は「英語史をお茶の間に」をモットーに様々な媒体で,英語史の情報をお伝えしています.英語史の学びを促す活動を「hel活」 (helkatsu) と呼んでいますが,最近もっとも伸びているhel活の媒体が YouTube です.
 2つの YouTube チャンネルを運営しており,各々の内部でいくつかの再生リストが用意されています.煩雑にならないよう,ここでは3つの厳選お薦め再生リストを示したいと思います.

 1. 「【再配信】 英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の再生リスト

   毎朝6時頃に配信.4年弱続いている Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」を,YouTube で再放送しているものです.3年ほど遅れて,初回から1つずつ配信を重ねています.ここ数ヶ月ほど,視聴回数がぐんぐん伸びています.ちなみに今朝の配信回は「#270. cheap の語源」です.



 2. 「【再配信】 hellog-radio --- 英語史小ネタ」の再生リスト

   同じく毎朝6時頃に配信.上記 Voicy heldio の前身として2020年度に不定期で音声配信してきた hellog-radio の全62回を,目下毎日1回ずつ再放送しています.ちなみに,今朝の配信回は「#42. <x> の不思議あれこれ」です.参考までに「#5806. heldio の前身「hellog-radio」で一軍級の素朴な疑問を取り上げています」 ([2025-03-20-1]) もお読みください.



 3. 「いのほた言語学チャンネル」・堀田回の再生リスト

   同僚の英語学研究者,井上逸兵先生と毎週水・日の午後6時に配信している「いのほた言語学チャンネル」(旧「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」)より,堀田がメインで英語史について語っている回を集めた再生リストです.ちなみに,最新の配信回は「#325. English ということばをここまで掘り下げました」です(5000回以上視聴されています).



 いずれのチャンネルも視聴回数が伸びています.ぜひチャンネル登録の上,定期的にご覧になり,英語史の学びに活かしていただければ.

Referrer (Inside): [2025-05-07-1]

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2025-04-12 Sat

#5829. 朝カル講座の新シリーズ「歴史上もっとも不思議な英単語」が4月26日より月一で始まります [asacul][notice][kdee][etymology][hel_education][helkatsu][link][voicy][heldio]


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 新年度が始まりました.今年度も「英語史をお茶の間に」広げていく活動,hel活 (helkatsu) を積極的に展開していくつもりです.hellog の読者の皆さんも,ぜひhel活にご協力いただければと思います.
 今年度の目玉となる私のhel活の1つは,数年来続けてきた朝日カルチャーセンター新宿教室で,新しいシリーズ講座を始めることです.新シリーズのタイトルは「歴史上もっとも不思議な英単語」です.昨年度のシリーズ「語源辞典でたどる英語史」のテイストを受け継ぎ,『英語語源辞典』(研究社)などを参照しながら,英単語の語源を軸に英語史のお話しをしていきます.具体的には,毎回英語史の観点から興味深い日常単語を1つ選び,それを中心に据えつつ,そこから縦横無尽に話題を広げ,英語史を味わっていこう,という趣旨です.上記HPにも掲載されている正式な趣意文章は次の通りです.

「なぜこの英単語はこんな意味や綴字なの?」 本講座では,日常的でありながら特異な背景をもつ英単語のナゾ --- she の誕生秘話,混乱をきわめた through の綴字,季節語 autumn をめぐる競合と共存 --- に迫ります.『英語語源辞典』(研究社)を道しるべに,英単語と英語史の深淵を覗いてみましょう.


 月一回の講座となりますが,初回講座は2週間後の4月26日(土) 17:30--19:00 となります.春期クール3回分のラインナップは次の通りです.

 1. 4月26日(土):she --- 語源論争の絶えない代名詞
 2. 5月24日(土):through --- あまりに多様な綴字をもつ語
 3. 6月21日(土):autumn --- 類義語に揉み続けられてきた季節語

 第1回は,3人称単数女性代名詞 she です.ごく日常的な単語ですが,その誕生には意外な歴史的背景があります.いったいどのような道のりを経て,この語は英語で使われ出したのでしょうか.she を中心にした関連語彙の歴史を語っていきます.
 第2回は,歴史上516通りの綴字があったことで知られる前置詞・副詞 through に注目します.なぜこのように多様な綴字が生まれたのでしょうか.そして,どのようにして現代の綴字に落ち着いたのでしょうか.周辺の単語の話題も盛り込みながら,英語の綴字と発音の関係について考えていきたいと思います.
 第3回は「秋」を意味する autumn にフォーカスを当てます.同じ「秋」を意味する単語に fall がありますが,何がどう異なるのでしょうか.これらの類義語はどのようにして生まれ,どのように使い分けられるようになったのでしょうか.他の季節語も合わせて考えていく予定です.英語の語彙の豊かさとその文化的背景を味わっていきましょう.

 受講形式は,新宿教室での対面受講に加え,オンライン受講も選択可能です.また,2週間限定の見逃し配信もご利用できます.ご都合のよい方法で参加いただければと思います.講座の詳細・お申込みは朝カルのこちらのページからどうぞ.
 『英語語源辞典』をお持ちになると,さらに受講が楽しくなるはずです.この機会にぜひ「語源の森」へと足を踏み入れてみませんか.皆様のエントリーを心よりお待ちしています.


寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.



(以下,後記:2025/04/24(Thu))
 本講座の予告については heldio でも「#1420. 朝カル講座の新シリーズ「歴史上もっとも不思議な英単語」 --- 4月26日(土)より月一で始まります」および「#1425. 明後日の朝カル講座では she に注目します」と題してお話ししていますので,そちらもお聴きください.




 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.

Referrer (Inside): [2025-05-10-1]

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