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2018 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2017 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2016 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2015 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
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2011 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2010 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2009 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
本日は1つご報告させていただきます.2016年に研究社より刊行された拙著『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』が,このたび増刷され,第10刷となりました.刊行から10年近くが経過しようとしていますが,長く読み継がれていることに,著者として深く感謝申し上げます.本書は,英語学習者や大学生・大学院生はもちろん,言葉の歴史に関心を持つ一般の方々にも広く読んでいただきたいという思いで執筆したものです.英語という言語が抱える数々の「なぜ」 --- 綴字と発音の不規則な関係,文法の謎など --- を,歴史的な視点から解き明かす入門書として,これまで多くの大学の授業などでも採用していただきました.
今回の増刷を機に,改めて本書の「コンパニオン・サイト」についてご紹介したいと思います.実はこの本には,紙面の都合で載せきれなかった情報を補完するための特設ページが研究社公式サイト上に存在します.ここには本書の各章に関連するリンク集や正誤表などが置かれています.
ただし,このコンパニオン・サイトは,単なるリンク集にとどまりません.実は,刊行当時,本書と関連づけた連載「現代英語を英語史の視点から考える」を月に1度のペースで執筆し,同サイト上で公開していました(今もアーカイヴとして残っているので,お読みになれます).この連載記事は,私が当時かなりの熱量を込めて執筆したもので,書籍本体に勝るとも劣らない密度と情報量をもっていると思います.『はじめての英語史』が入門編であるとすれば,こちらの連載記事は,より深く英語史の森へと踏み込むための応用編ともいえます.
もともと『はじめての英語史』自体が,今お読みいただいているこの hellog の記事をベースに再構成された部分が多いのですが,紙幅の制約上,泣く泣くカットした話題や,より専門的な議論が,その連載記事(や hellog 記事群)に残されています.したがって,本書を読み進めながら,該当する箇所のコンパニオン・サイトを参照し,さらにそこからリンクされているブログ記事や,上記の連載記事へと飛ぶことで,立体的かつ重層的に英語史を学ぶことができます.この連載記事は現在でも無料で公開されていますので,まだご覧になったことがない方は,ぜひ一度訪れてみてください.
英語史の裾野を広げる出版活動としては,本書の第10刷のほかにも,今年の6月18日には英語史研究者仲間との共著になる『英語語源ハンドブック』(研究社)を,そして10月15日には同僚の井上逸兵さんとの共著になる『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』(ナツメ社)を上梓しました.後者は,YouTube 「いのほた言語学チャンネル」から生まれた書籍であり,電子書籍版もリリースされたばかりです.まさにメディアミックス! これらの新しい書籍と合わせて,10刷までたどり着いたロングセラー『はじめての英語史』も,ご愛顧いただければ幸いです.
昨朝の heldio でも,この第10刷のニュースとコンパニオン・サイトについてご案内しました.「#1665. 拙著『はじめての英語史』の10刷が出ています --- コンパニオンサイトもどうぞ」を,ぜひお聴きください.
英語史の面白さをより多くの方に伝え,知的好奇心を刺激する「英語史をお茶の間に」の活動を,ブログ,ラジオ,YouTube,書籍等を通じて,これからも続けていきたいと思います.今後ともご協力と応援のほど,どうぞよろしくお願いいたします.
・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
知識共有プラットフォーム mond に次の質問が届きました:God save the king. が,三単現であるべきところ,原形を用いた仮定法だと習いました.ならば,You eat sushi. ならば,「君よ寿司を食べ給へ」という意味にも,時と場合によってはなり得ますか?

この質問に回答したところ,「sushi 文」の問題として SNS 上でも注目が集まっています.
回答に当たって,前半では,仮定法現在としての「sushi 文」について,英語史の観点を交えながら,理論的な可能性と現実的な使用の実態を検討しました.願望を表わす仮定法現在は,古英語から中英語にかけては普通に用いられていました.しかし,近代英語以降には衰退し,「#3543. 『現代英文法辞典』より optative (mood) の解説」 ([2019-01-08-1]) で見たとおり,God save the king や So be it などの固定表現で用いられるのみとなり,今回の「sushi 文」のように生産的に願望表現を作ることは事実上不可能になりました.
また,後半では「平叙」と「命令」と「願望」の発話行為 (speech_act) の違いにも触れました.You eat sushi. は理論上はいずれの解釈も可能ですが,実際上は願望の読みはないといってよいでしょう.一方,発音される場合の韻律次第で「命令」の読みは残ります.この問題についても,最近気になっていたニュージーランドの道路標識 "PEDESTRIANS GIVE WAY TO VEHICLES" を例に挙げて少し論じてみました.

ぜひ上記の問答をお読みいただき,皆さんにもこの問題についてお考えいただければと思います.また,この問題への注目を受けて,一昨日のお昼に heldio で生配信「【ランチ生配信】Xで16万インプ!話題の「sushi文」解説」も行ないましたので,そちらもアーカイヴからお聴きいただければ.
・ Quirk, Randolph, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, and Jan Svartvik. A Comprehensive Grammar of the English Language. London: Longman, 1985.
古英語の数詞 ān から不定代名詞や不定冠詞 (indefinite article) が発達したように,その派生語である古英語 ǣniȝ からも不定代名詞や不定形容詞が発達した.a(n) や any は,このように起源と発達において類似点が多いため,意味や用法について互いに乗り入れしていると見受けられる側面がある.
例えば,中英語では特に同等比較の構文において,不定冠詞 a(n) が予想されるところに any が現われるケースがある.不定冠詞としての any の用法だ.Mustanoja (263) より見てみよう.
In second members of comparisons, particularly in comparisons expressing equality, any is not uncommon: --- isliket and imaket as eni gles smeþest (Kath. 1661); --- tristiloker þan ony stel (RMannyng Chron. 4864); --- his berd as any sowe or fox was reed (Ch. CT A Prol. 552); --- as blak he lay as any cole or crowe (Ch. CT A Kn. 2692); --- fair was this younge wyf, and therwithal As any wezele hir body gent and smal (Ch. CT A Mil. 3234); --- his steede . . . Stant . . . as stille as any stoon (Ch. CT F Sq. 171); --- þ maden as mery as any men moȝten (Gaw. & GK 1953; any with a plural noun); --- also red and so ripe . . . As any dom myȝt device of dayntyeȝ oute (Purity 1046). The usage goes back to OE: --- scearpre þonne ænig sweord (Paris Psalter xliv 4).
類似表現は古英語からもあるとのことだ.気になるのは,この場合の any は純粋に a(n) の代用なのだろうか.というのは,現代英語の He is as wise as any man. 「彼はだれにも劣らず賢い」の any の用法を想起させるからだ.単なる不定冠詞を使う場合よりも,any を用いる方がより強調の意味合いが出るということはないのだろうか.
・ Mustanoja, T. F. A Middle English Syntax. Helsinki: Société Néophilologique, 1960.
先日,知識共有プラットフォーム mond に次の質問が届きました.付帯状況の「with O C」はどのようにして生まれたのですか?

こちらに多くの反響が寄せられています.内的な意味変化と外的な影響という2つの視点から回答しました.ぜひお読みいただければ.
外的な影響というのは,古英語期にラテン語からの翻訳に際して,ラテン語の独立属格構文 (absolute ablative) が mid を用いた古英語の構文に移し替えられたことに基づいています.ただし,これが中英語以降の with の付帯状況の構文に,どのように結びついていくのかは,また別の問題です.英語統語論史的には,議論のあるところかと思います.
現代英語の共時的な観察としては,Quirk et al. (§9.55, pp. 704--05) に「付帯状況の with」への言及があります.英語の用語としては "accompanying circumstances" や "contingency" などが用いられることが多いです.今後の議論のために,まず「付帯状況の with」が,どのような使われ方をするのか,どんな性質をもった構文かを確認しておきましょう.
[T]hey [= with and without] can introduce finite (sic) and verbless clauses as adverbial:
He wandered in without shoes or socks on.
With so many essays to write, I won't have time to go out tonight.
The fuller clausal equivalent is a participial adverbial clause expressing contingency (cf 15.46):
Having so many essays to write, I won't have time to go out tonight.
Since with and without in these functions introduce clauses, they are subordinators, not prepositions. The nonfinite clause may also be a to-infinitive. Compare:
With Mary being away
With no one to talk to
With Mary away John felt miserable.
With the house empty
Without anyone to talk to
with のみならず without の付帯状況構文もあること,各前置詞の後に動名詞や不定詞が直接続くことはないことなど,いろいろと特徴があることが分かります.共時的にも通時的にも興味の尽きない構文です.
・ Quirk, Randolph, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, and Jan Svartvik. A Comprehensive Grammar of the English Language. London: Longman, 1985.
歴史的に文法化 (grammaticalisation) を扱う研究をみていると,ある言語項が文法化したといえるのはいつか,どんな例が現われれば確実に文法化したと言い切れるか,という問題に出くわす機会がある.文法化は形式上の問題であると同時に意味の問題でもあるが,意味は研究者が自説に都合よく「読み込む」ことができてしまう.したがって,「この例文では文法化がすでに生じている」と主張するためには,なるべく主観を排して,客観的に確認でき,かつ説得力のある言語学的根拠を示す必要がある.特に形式的な観点から示せるとベストである.
例えば,数詞 one はいつから不定冠詞 (indefinite article) へ文法化したのか,という問題を考えてみる.音韻形態的には古英語 ān が弱まって an や a となったときだと考えたくなるが,中英語期には現代に連なる one を含め,多種多様な強形・弱形が現われており,それぞれが数詞とも不定冠詞とも解釈できる例があり,決着がつかない.1200年前後に書かれた討論詩 The Owl and the Nightingale の ll. 3--4 の "Iherde ich holde grete tale / An hule and one niȝtingale." などを参照されたい.
しかし,統語的な観点から迫る方法がありそうだ.それは標題の an one man のように,2つの "one" が並んで現われるケースだ.この場合,1つめの an が不定冠詞で,2つめの one が数詞である,と結論づけるのは自然であり異論はないだろう.前者は「初出・存在」を標示する文法的な機能を担っているのに対し,後者は「1人・個人」を意味する数詞として機能している語として解釈できる.これは架空の句ではなく,Mustanoja が後期中英語の Gower より引いた実在の表現である.以下に引用する (291) .
For thei be manye, and he [i.e., the king] is on; And rathere schal an one man With fals conseil, for oght he can, From his wisdom be maad to falle (Gower CA vii 4161)
現代英語では「不定冠詞 a + 数詞 one + 名詞」という句は許されないが,中英語にはこれがみられた(もっとも,非常にまれだったことは Mustanoja (291) も述べているが).ちなみに「定冠詞 the + 数詞 one + 名詞」は現代英語でも on the one hand, the one thing, the one exception などと普通にみられる.
・ Mustanoja, T. F. A Middle English Syntax. Helsinki: Société Néophilologique, 1960.
one について,現代英語では失われてしまった副詞的な用法がある.「ただ1人・1つ;~だけ」を意味する only や alone に近い用法だ.古英語や中英語では普通に見られ,同格的に名詞と結びつく場合には one は統語的に一致して屈折変化を示したので,起源としては形容詞といってよい.しかし,その名詞から遊離した位置に置かれることもあり,その点で副詞的ともいえるのだ.
Mustanoja は "exclusive use" と呼びつつ,この one の用法について詳述している.以下,一部を引用しよう (293--94) .
EXCLUSIVE USE. --- The OE exclusive an, calling attention to an individual as distinct from all others, in the sense 'alone, only, unique,' occurs mostly after the governing noun or pronoun (se ana, þa anan, God ana), but anteposition is not uncommon either (an sunu, seo an sawul, to þæm anum tacne). It has been suggested by L. Bloomfield (see bibliography) that anteposition of the exclusive an is due to the influence of the conventional phraseology of religious Latin writings (unus Deus, solus Deus, etc.). After the governing word the exclusive one is used all through the ME period: --- he is one god over alle godnesse; He is one gleaw over alle glednesse; He is one blisse over alle blissen; He is one monne mildest mayster; He is one folkes fader and frover; He is one rihtwis ('he alone is good . . .' Prov. Alfred 45--55, MS J); --- ȝe . . . ne sculen habben not best bute kat one (Ancr. 190); --- let þe gome one (Gaw. & GK 2118). Reinforced by all, exclusive one develops into alone in earliest ME (cf. German allein and Swedish allena), and this combination, after losing its emphatic character, is in turn occasionally strengthened by all: --- and al alone his wey than hath he nome (Ch. LGW 1777).
引用の最後のくだりでは,現代の alone や all alone の語源に触れられている.要するにこれらは,今はなき副詞的 one の用法を引き継いで残っている表現ということになる.そして,類義の only もまた one の派生語である.
・ Mustanoja, T. F. A Middle English Syntax. Helsinki: Société Néophilologique, 1960.
・ Bloomfield, L. "OHG Eino, OE Ana = Solus." Curme Volume of Linguistic Studies. Language Monograph VII, Linguistic Soc. of America, Philadelphia 1930. 50--59.
11月29日(土)に,今年度の朝日カルチャーセンターのシリーズ講座「歴史上もっとも不思議な英単語」の第8回が,秋期クールの第2回として開講されました.テーマは「take --- ヴァイキングがもたらした超基本語」です.
英語学習の初期段階で出会う超基本語でありながら,あまりに多義で使いこなすのが難しい動詞 take.前回の朝カル講座では,この単語に注目し,その驚くべき歴史を紹介しました.英語本来語ではなく古ノルド語からの借用語であるという事実だけでも驚きですが,古英語で「取る」を意味した niman がいかにして置き換えられていったのか,またその化石的な生き残りの単語についてもたっぷり語りました.
この講座の前後に,take をめぐる様々な話題が hellog/heldio で取り上げられましたので,一覧しておきます.
・ hellog 「#6053. 11月29日(土),朝カル講座の秋期クール第2回「take --- ヴァイキングがもたらした超基本語」が開講されます」 ([2025-11-22-1])
・ hellog 「#6059. take --- 古ノルド語由来の big word の起源と発達」 ([2025-11-28-1])
・ hellog 「#6062. Take an umbrella with you. の with you はなぜ必要なのか? --- mond の問答が大反響」 ([2025-12-01-1])
・ hellog 「#6065. Take an umbrella with you. の with you に見られる空間関係明示機能」 ([2025-12-04-1])
・ hellog 「#6066.take の多義性」 ([2025-12-05-1])
・ heldio 「#1640. 11月29日の朝カル講座は take --- ヴァイキングがもたらした超基本語」 (2025/11/25)
・ heldio 「#1648. Take an umbrella with you. の wity you ってなぜ必要なんですか? --- 中学生からの素朴な疑問」 (2025/12/03)
・ heldio 「#1651. numb と nimble --- take に駆逐された niman の化石的生き残り」 (2025/12/06)
・ heldio 「#1652. 「Take an umbrella with you. の with you の謎」への反応をご紹介」 (2025/12/07)
・ heldio 「#1653. Take an umbrella with you. の with you のもう1つの役割」 (2025/12/08)
・ mond 「Take an umbrella with you. の with you って何故必要なんですか?」]]
さて,この朝カル講座第8回の内容を markmap によりマインドマップ化して整理しました(画像をクリックして拡大).復習用にご参照いただければ.

なお,この朝カル講座のシリーズの第1回から第7回についてもマインドマップを作成しています.
・ 「#5857. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第1回「she --- 語源論争の絶えない代名詞」をマインドマップ化してみました」 ([2025-05-10-1])
・ 「#5887. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第2回「through --- あまりに多様な綴字をもつ語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-06-09-1])
・ 「#5915. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第3回「autumn --- 類義語に揉み続けられてきた季節語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-07-07-1])
・ 「#5949. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第4回「but --- きわめつきの多義の接続詞」をマインドマップ化してみました」 ([2025-08-10-1])
・ 「#5977. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第5回「guy --- 人名からカラフルな意味変化を遂げた語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-09-07-1])
・ 「#6013. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第6回「English --- 慣れ親しんだ単語をどこまでも深掘りする」をマインドマップ化してみました」 ([2025-10-01-1])
・ 「#6041. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第7回「I --- 1人称単数代名詞をめぐる物語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-11-10-1])
シリーズの次回,第9回は,12月20日(土)に「one --- 単なる数から様々な用法へ広がった語」と題して開講されます.開講形式は引き続きオンラインのみで,開講時間は 15:30--17:00 です.ご関心のある方は,ぜひ朝日カルチャーセンター新宿教室の公式HPより詳細をご確認の上,お申し込みいただければ幸いです.
『英語語源ハンドブック』が刊行されて半年が経ちました.おかげさまですでに3重版が出ており,ご好評いただいています.本書はJACETの基本1000語をアルファベット順に見出しとして立て,その単語から広がる語源や英語史の世界を楽しんでいただくという趣旨の書籍で,英語学習者や,とりわけ英語教員に,広くお読みいただいています.
刊行当初より,読者の方々から本書で言及されている英単語・表現を一覧にした索引が欲しいとのリクエストをいただいていました.紙幅の都合により書籍本体には収録できなかったのですが,多くのリクエストを受け,このたび研究社の編集の方々がその索引を作成し,公式HPからデジタル資料として提供されました.無料でDL可能ですので,ぜひこちらの『英語語源ハンドブック』追加資料(索引)のダウンロードページにアクセスし,入手していただければと思います.
公開されているファイルは圧縮ファイルで,なかには索引のExcel版とPDF版のファイルが含まれています.「英語索引」のほか,なんと「日本語索引」が付いていることにご注目ください.
1. 英語索引:本書で言及されている全4083の単語・表現を網羅し,掲載ページと検索補助(意味など)が付されているもの
2. 日本語索引:本文解説内で触れられている主要な日本語項目と,その掲載ページが付されているもの
ぜひ特定の単語が言及されているページを素早く検索したり,あるいは語彙データを分析したりと,書籍とあわせて多目的にご活用いただければ幸いです.
なお,今回公開されたデータを眺めていると,単なる索引にとどまらない「意外な発見」がいくつかありました.特に「日本語索引」の方には,語源の本らしからぬ不思議な単語も紛れ込んでいるようです.例えば「博多どんたく」.なぜ英語語源と関係あるのかと不思議に思うかもしれませんね.これを紹介するショート動画を作ってみましたので,ぜひご覧ください.
今回の索引公開と合わせて,研究社公式の研究社 note にて,『英語語源ハンドブック』の担当編集者さんによる「英語語源クイズ」も公開されていますので,ぜひそちらも訪れてみてください.
また,本書と関連する公式情報として「#5969. 『英語語源ハンドブック』重版に伴う正誤表の公開」 ([2025-08-30-1]) もご覧ください.
引き続き『英語語源ハンドブック』のご愛用のほど,よろしくお願いいたします.

・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
以前は,英文精読といえば,紙のノートに手書きでグロスなどを書き込むスタイルが一般的だった.たとえば見開きページの左側に精読対象となる英文を,行間に十分なスペースを取りつつ手書きで写すかコピーしたものを貼り付けるかし,その行間に訳語を書き込んだり注を付けたりしたものだった.右側は,和訳を書き込んだり,それ以外の自由なメモ書きのページとした.
しかし,デジタル時代になってからだろうか,あるときから私はそのような紙のノートを使わなくなった.デジタルで代替する方法はないかと,いろいろと探り,試してきたのだが,あまりしっくりくるものがない.今も模索中なのだが,昨今の新技術,生成AIの力を借りて,自分好みの方法を編み出すのもおもしろいかもしれないと,1つ試作してみた.DeepRead と名付けた精読ノートのβ版である.
題材としたのは,(もちろん!)昨日の記事でも紹介した B&C の精読箇所だ.heldio でも配信した直近2回分の箇所の英文で,このノートシステムを試してみた.
・ 「#6070. B&C の第62節 "The Earlier Influence of Christianity on the Vocabulary" (4) --- Taku さんとの超精読会」 ([2025-12-09-1])
・ 「#6073. B&C の第62節 "The Earlier Influence of Christianity on the Vocabulary" (5) --- Taku さんとの超精読会」 ([2025-12-12-1])
機能としてはシンプルで,語句の上をマウスオーバーすると,精読の予習・復習段階で原本となるテキストファイルに付けたグロスやメモがポップアップするというだけのものだ.以下は表示画面のイメージだが,実際にはこちらから訪れていただければ.

グロスの記入や表示などのインターフェースを洗練させれば,もっと使いやすくなると思う.また,精読仲間とともに heldio 収録などする場合には,その音源と紐付け,ワンクリックで議論しているところに飛べるという機能も付加することは難しくない.しっくりくるかどうかは分からないが,少し使ってみて様子を見てみたい.
皆さんは,精読ノートのようなもののデジタル対策,何かされていますか?
今朝の Voicy heldio にて「#1657. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (62-5) with Taku さん --- オンライン超精読会より」をお届けしました.本ブログでも3日前にご案内した「#6070. B&C の第62節 "The Earlier Influence of Christianity on the Vocabulary" (4) --- Taku さんとの超精読会」 ([2025-12-09-1]) の続編となります.
引き続き,ヘルメイトの Taku さんこと金田拓さん(帝京科学大学)の進行のもと,B&C の第62節の最後の3文をじっくりと精読しています.具体的な単語が多く列挙されている箇所なので『英語語源辞典』などを引きながら読むと勉強になるはずです.
では,今回の精読対象の英文を掲載しましょう(Baugh and Cable, p. 82) .
Finally, we may mention a number of words too miscellaneous to admit of profitable classification, like anchor, coulter, fan (for winnowing), fever, place (cf. market-place), spelter (asphalt), sponge, elephant, phoenix, mancus (a coin), and some more or less learned or literary words, such as calend, circle, legion, giant, consul, and talent. The words cited in these examples are mostly nouns, but Old English borrowed also a number of verbs and adjectives such as āspendan (to spend; L. expendere), bemūtian (to exchange; L. mūtāre), dihtan (to compose; L. dictāre), pīnian (to torture; L. poena), pīnsian (to weigh; L. pēnsāre), pyngan (to prick; L. pungere), sealtian (to dance; L. saltāre), temprian (to temper; L. temperāre), trifolian (to grind; L. trībulāre), tyrnan (to turn; L. tornāre), and crisp (L. crispus, 'curly'). But enough has been said to indicate the extent and variety of the borrowings from Latin in the early days of Christianity in England and to show how quickly the language reflected the broadened horizon that the English people owed to the church.
B&C読書会の過去回については「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]) をご覧ください.B&C 全体でみれば,まだまだこの超精読シリーズも序盤といってよいです.今後もゆっくりペースで続けていくつもりです.ぜひ皆さんも本書を入手し,超精読にお付き合いください.

・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.

今年度,毎月1度の朝日カルチャーセンター新宿教室での英語史講座「歴史上もっとも不思議な英単語」シリーズも,これまで順調に進んでいます.来週末の12月20日(土),年内では最後となる,秋期クールの第3回(今年度通算第9回)が開講される予定です.今回は,一見すると何の変哲もない one という単語に注目します.
ただの数詞にすぎない,といえばそうなのですが,実はただものではありません.
・ one の綴字と発音の乖離
・ 不定冠詞 a/an への発達
・ 語源的関連語 any, alone, atone, only, other, none, no
・ 複合語 someone, anyone no one
・ 1つなのに複数形 ones がある?
・ 「屈折形」の one's, oneself
・ 代名詞としての one
・ 支柱語としての one
・ one of . . . の語法
one が数詞から尋常ならざる発達を遂げ,問題がありすぎる語へと変質してきたらしいことが見て取れるのではないでしょうか.むしろ卑近で高頻度で当たり前の単語だからこそ,様々な用法を生み出してきたといえます.講座では,この小さくも大きな語彙項目に,英語史の観点から90分じっくり向き合います.
講座への参加方法は,前回同様にオンライン参加のみとなっています.リアルタイムでのご参加のほか,2週間の見逃し配信サービスもありますので,ご都合のよい方法でご受講ください.開講時間は 15:30--17:00 です.講座と申込みの詳細は朝カルの公式ページよりご確認ください.
(以下,後記:2025/12/13(Sat)))
本講座の予告については heldio にて「「#1658. 12月20日の朝カル講座は one --- 単なる数から様々な用法へ広がった語」」としてお話ししています.ぜひそちらもお聴きください.
・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
12月7日(日)の YouTube 「いのほた言語学チャンネル」の話題は「#391. おなじ no でも元々ちがうことば --- no money の no と No, I don't. の no」でした.3週間ほど前の「#387. 英語にはなぜ冠詞があるの?日本語には冠詞がないが,英語の冠詞の役割と似ているのは日本語のあれ」が思いのほか人気回となった(1.45万回視聴)ので,冠詞 (article) の話題の続編というつもりで話しを始めたのですが,地続きのトピックとして no に言及したところ,井上さんがむしろそちらにスポットライトを当て,今回のタイトルとサムネになった次第です.結果として,今回も多くの方々に視聴していただき,良かったです.皆さん,ありがとうございます.
前回の冠詞回でも話したのですが,不定冠詞 a/an は,もともと数詞の one に由来しているので,その本質は存在標示にあるとみなせます.これに対して,否定語の no の本質は,まさに不在標示です.a/an と no は,ある意味で対極にあるものととらえられます.存在するのかしないのか,1か0か,という軸で,不定冠詞と no を眺めてみる視点です.
この観点から見ると,英文法で習う few と a few の意味の違いも理解できます.few は元来 many の対義語であり,「多くない」という否定的な意味合いが強い語です.しかし,これに存在標示の a をつけてみるとどうなるでしょうか.「ないわけではないが,多くはない」という few の否定に傾いた意味に,a が「少ないながらも存在はしている」という肯定的なニュアンスを付け加え,結果として「少しはある」へと意味が調整される,と解釈できるわけです.
さて,この a/an と no の対立構造も奥深いテーマなのですが,今回の動画で視聴者の皆さんが最も驚きをもって受け止めたのは,タイトルにもある通り,2つの no が別語源だった,という事実ではないでしょうか.現代英語では,形容詞として使われる no と,副詞として使われる no が,たまたま同じ綴字・発音になっていますが,実は歴史的なルーツは異なるものなのです.
普段何気なく使っている単語でも,そのルーツをたどると,驚くような歴史が隠されているものです.皆さんもこの不思議な no の歴史を,ぜひ YouTube の動画で確認してみてください.言語学的な知的好奇心を刺激されること請け合いです.また,冠詞や否定というテーマは,情報構造や会話分析にもつながる非常に大きな問題ですので,今後も多角的に掘り下げていきたいと考えています.
本日 Voicy heldio にて「#1654. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (62-4) with Taku さん --- オンライン超精読会より」をお届けしました.一昨日,12月7日(日)の午前中にオンラインで開催した超精読会の様子を収録したものの一部です.
今回も前回に引き続き,ヘルメイトの Taku さんこと金田拓さん(帝京科学大学)に進行役を務めていただき,さらにヘルメイト数名にもお立ち会いいただきました.おかげさまで,日曜日の朝から豊かで充実した時間を過ごすことができました.ありがとうございます.超精読会の本編だけで1時間半ほど,その後の振り返りでさらに1時間超という長丁場でした.今後 heldio/helwa で複数回に分けて配信していく予定です.
さて,今朝の配信回でカバーしているのは,B&C の第62節の後半の始まりとなる "But the church . . ." からの4文です.以下に,精読対象の英文を掲載します(Baugh and Cable, p. 82) .
But the church also exercised a profound influence on the domestic life of the people. This is seen in the adoption of many words, such as the names of articles of clothing and household use: cap, sock, silk, purple, chest, mat, sack;6 words denoting foods, such as beet, caul (cabbage), lentil (OE lent), millet (OE mil), pear, radish, doe, oyster (OE ostre), lobster, mussel, to which we may add the noun cook;7 names of trees, plants, and herbs (often cultivated for their medicinal properties), such as box, pine,8 aloes, balsam , fennel, hyssop, lily, mallow, marshmallow, myrrh, rue, savory (OE sæperige), and the general word plant. A certain number of words having to do with education and learning reflect another aspect of the church's influence. Such are school, master, Latin (possibly an earlier borrowing), grammatic(al), verse, meter, gloss, and notary (a scribe).
6 Other words of this sort, which have not survived in Modern English, are cemes (shirt), swiftlere (slipper), sūtere (shoemaker), byden (tub, bushel), bytt (leather bottle), cēac (jug), læfel (cup), orc (pitcher), and strǣl (blanket, rug).
7 Cf. also OE cīepe (onion, ll. cēpa), nǣp (turnip; L. nāpus), and sigle (rye, V.L. sigale).
8 Also sæppe (spruce-fir) and mōrbēam (mulberry tree).
B&C読書会の過去回については「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]) をご覧ください.今後もゆっくりペースですが,続けていきます.ぜひ本書を入手し,超精読にお付き合いいただければ.

・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
「#5936. 現代英語の従位接続詞一覧」 ([2025-07-28-1]) のリストで相関従位接続詞(あるいは相関従属接続詞) (correlative subordinators) をいくつか挙げた.ここでいう相関あるいは呼応とは,典型的には接続詞とそれに対応する副詞(句)がペアで現われる統語現象を指す.副詞(句)が必須の例もあれば,オプションの例もある.先の記事で挙げたもののほか,詳しく調べるとマイナーなものを含めてもっとあるようだ.Quirk et al. (§14.13) より列挙しよう.
CORRELATIVE SUBORDINATORS
(a) as . . . so (b) as . . . as so such so . . . (that) such less . . . than more(/-er) no sooner . . . than, when barely . . . when, than hardly scarcely (c) the . . . the (d) whether . . . or if (e) subordinator plus optional conjunct although . . . yet, nevertheless, etc even if (even) though while if . . . then, in that case once since [reason] unless because . . . therefore seeing (that)
ほかにも文語的文体では where . . . there や when . . . then などがある.対応する副詞(句)がオプションの場合には,それを付加することで,接続詞の意味を明示・限定する役割を果たすことができるので,従属節が長い場合や,論理的関係を確実に示したい場合にとりわけ用いられる.
・ Quirk, Randolph, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, and Jan Svartvik. A Comprehensive Grammar of the English Language. London: Longman, 1985.
11月は,知識共有プラットフォーム mond に寄せられた「英語に関する素朴な疑問」の計9件に英語史・英語学の観点から回答しました.いつものように素朴であるからこその難題も多かったのですが,回答を考えたり書いたりしながら,私自身の意見もまとまってくるので,貴重な機会です.質問をお寄せいただいた方々,ありがとうございます.
以下に時間順に9つの問いと,対応する mond の問答へのリンクを張ります.日曜日の読み物としてどうぞ.
1. 現在完了についての質問です.have gone to は go to から派生されたのだと思うのですが,have been to は「be 動詞 to 場所」では使えないですよね.「be 動詞 to 場所」はダメなのに「have been to 場所」は使えるのはなぜですか? 例文:○I have been to Tokyo. ×I am to Tokyo.
2. few と little は a を前に置くと肯定で,無いと否定の意味になるのはどういう仕組みですか.また,little は修飾する名詞が不可算の場合に使うのに不定冠詞を置くことができるのはなぜですか.
3. 等位接続で結ぶとき,二人称と三人称ではどちらが先行するのですか.また一人称を最後に置かないといけない理由は何ですか.例:he and I(I は最後に置く)
4. sensible は『分別がある』『賢明だ』という意味ですが,接頭辞 in を付した insensible は『分別がない』『馬鹿』のような反対の意味ではなく,『感覚がない』『鈍感』という意味になってしまいます.また反対にみると insensible から in を除いた sensible は『敏感』となりそうですがそうではありません.(in)flammable の場合とは違い,一応は in が否定の機能を持っていますが対義語にはなっていません.この食い違いはどのように生じたのですか.
5. 語順に関する疑問です.かつては格変化があったため,語順がある程度自由であったことは理解できるのですが格変化がなくなり,なぜ SVO になったのでしょうか.SOV や OVS などでもよくないか思ってしまいます.つまり,語順を固定することが目的であって SVO である必要はなかったのではないでしょうか.
6. なぜ形容詞は代名詞 (she, it, mine…) を修飾できないんですか?
7. public は「大衆の~」「公共の~」「公立の~」「公的」という意味ですがどうして public school は「私立学校」を表すのですか.
8. 英語の前置詞には分離から所有の意味に転じた of や対立から付帯の意味に転じた with など本来の意味とは異なった,というよりむしろ真逆のような使われ方をするようになったものがありますが,これはなぜなのでしょうか?
9. 以前,中学生に英語を教えたとき,こーゆう質問されました.「Take an umbrella with you. の with you って何故必要なんですか?」確かに,Take an umbrella. だけでも通じるので,with NP は別にいらないんじゃないかと思ってしまいます.
とりわけ最後の9問目の問答は,本ブログでも何度か言及してきた通り,大反響をいただきましたので,ぜひお読みください.

12月も,なるべく定期的に回答していければと思っています.

英語史のおもしろさは「知識の積み上げ」ではなく,ふだん当たり前に使っている英語の謎が,歴史という視点でスッと解けてしまうところにあります.Voicy で毎日配信している「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」も,この英語史の楽しさをどう伝えるかを軸に4年半ほど続けてきました.
ここ数週間,新規リスナーさんが増えてきていますので,本記事では初めて heldio に,そして英語史に触れる方のために「入口として最強の配信回10本」を物語のように楽しめる順番でご紹介します.
1. 自己紹介
・ 「#1171. 自己紹介 --- 英語史研究者の堀田隆一です」
まず heldio とそのパーソナリティを知っていただくための1本.配信者である私,堀田隆一(ほったりゅういち)の自己紹介と,その「hel活」(英語史をお茶の間に届ける活動)についてお話しします.
2. いきなり「英語に関する素朴な疑問」が解ける体験
・ 「#1. なぜ A pen なのに AN apple なの?」
「英語に関する素朴な疑問」は,歴史を通せば一瞬で解けることが多いです.英語史の醍醐味をもっとも端的に味わえる回です.heldio 最初の配信回でありながら,いまも新規リスナーの入口としてよく聴かれています.
3. 語法の謎と英語史
・ 「#1643. なぜ He turned linguist. では無冠詞なの? --- umisio さんからの冠詞の疑問」
リスナーさんから寄せられた冠詞の用法という現代英語の疑問について考えています.He turned linguist. の無冠詞がなぜ許されるのか.実は未解決なのですが,それだけに余計におもしろい,最近の人気回です.
4. 学習のモヤモヤを歴史で整理する
・ 「#1606. don't have to と must not の違いは結局…? --- 「英語史ライヴ2025」の懇親会2次会にて」
学校でもよく話題になる don't have to と must not の違い.意味上の違いだけでなく,その背後にある発想や歴史も視野に入れてみると,学習者のモヤモヤが少し整理されてきます.宴席にて,皆でガヤガヤと自由に議論しています.これこそ人生の豊かな時間!
5. 「語源」の正しい使い方を考える
・ 「#1514. 語源論法に要注意」
語源にまつわる様々な俗説,いわゆる「語源論法」には,落とし穴があります.語源そのものを盲信してしまう危うさと,英語史・語源の知識をどう使えば建設的なのかを考える回です.英語史のあるべき「利用法」を一緒に考えてみませんか?
6. 素朴な疑問を一気に浴びる
・ 「#1576. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック with 小河舜さん --- 「英語史ライヴ2025」より」
短い疑問がテンポよく続く,はじめての方にも聴きやすい人気シリーズのうちの1回.英語には「なぜ?」がこんなにあるのだと気づかされます.イベント「英語史ライヴ2025」とも連動した,にぎやかな1本です.
7. 語彙と文化のつながりを味わう
・ 「#43. スーパーマーケットとハイパーマーケット」
「スーパー」「ハイパー」という日本語の感覚と,英語の supermarket/hypermarket についての回.どこの言語から入ってきた単語なのかによってその単語の格付けが変わる様を,軽快に味わえるエピソードです.heldio 初期の回ながら,不思議とずっと人気を保っています.
8. 英語観と社会の変化を振り返る
・ 「#1613. この30年間で海外体験はこう変わった」
留学・海外旅行・海外生活の「ハードル」は,この30年でどう変わってきたのか.英語学習と社会環境の変化を俯瞰しながら,英語観・言語観の変化にも目を向けるエピソードです.目下,私が滞在中のニュージーランドからお届けしている最近の回です.
9. 言語仲間とのコラボで広がる世界
・ 「#1580. 「ゆる言語学ラジオ」『ターゲット1900』回にお邪魔してきました」
人気番組「ゆる言語学ラジオ」に出演させていただいた折りのフォローアップのエピソード.他メディアとのやりとりを通じて,英語史の話題が深掘りされていく様子を垣間見ることができると思います.heldio に新しく来られた方の入口としてもよく聴かれている1本です.
10. 英語史の「地層」を一気に聴き比べる
・ 「#499. 「主の祈り」を4時代の英語でそれぞれ読み上げます」
古英語から現代英語までの「地層」が,一度に耳で体感できる回です.同じ「主の祈り」でも,時代によって発音も綴字も語彙も大きく異なります.最後にこの回を聴くと,英語史の大きな流れが感じられるのではないでしょうか?
英語史の魅力は,一言でいえば,英語をめぐる世界が,立体的に見えはじめる感覚を得られる点にあります.上の10本は,そうした「見え方の変化」を最短距離で体験できるように並べてみました.
英語に興味のある方,言語に関心のある方,あるいはただ英語の見え方を少し変えてみたい方にも,ぜひ聴いていただければ幸いです.
動詞 take の多義性 (polysemy) について考えている.語義をどこで区分するのは意味論の古典的な難問とはいえ,どのような切り方をしても,take のような基本語は,多義語と言わざるを得ない.
手元の英和辞書でみてみると,『新英和大辞典』第6版では,他動詞項目だけで38の語義が立てられている.各語義には下位区分もある.分け方次第では,もっと細かくもなれば粗くもなるだろう.英英語辞書での扱いはといえば,OALD8 で42語義ある.歴史的な辞書をを見てみると,Johnson の辞書(1755年)で113語義ほど.OED 第2版で引くと,動詞 take の項は第17巻の pp. 557--72 にわたり,47コラムほどの分量がある.語義数でいえば94を数え,ページをめくっていくだけで壮観である.辞書には,そのほか take を用いた句動詞やイディオムなど,コロケーションの記載も豊富だ.
いちいちの動詞についてきちんと裏取りしたわけではないが,OED でみる限り,take は英語の一般動詞のなかでも群を抜いて記述が多く,その限りにおいて,ひとまず多義的といっておいて間違いない.対応する日本語の「とる」を考えても,これは十分に納得できるだろう.
現行の OED Online の take に比べ,冊子体の OED 第2版の記述がすぐれていると思うのは,同項目の冒頭に近いところで,膨大な多義性を整理し,12の大分類として簡潔に示してくれているところだ.OED Online も,ディスプレイ上で語義をある程度アウトライン化してくれるので,同様の情報は得られるのだが,積極的に取りに行かなければならない.
ここでは利便性を活かして第2版より,take の語義の大分類を示そう.
General arrangement of senses: I. To touch. II. To seize, grip, catch. III. Ordinary current sense, i. with material obj.; ii. with non-material obj. IV. To choose, take for a purpose, into use. V. To derive, obtain from a source. VI. To receive, accept, admit, contain. VII. To apprehend mentally, comprehend. VIII. To undertake, perform, make. IX. To convey, conduct, deliver, apply or betake oneself, go. X. Idiomatic uses with special obj. XI. Intransitive uses with preposition. XII. Adverbial combinations = compound verbs. XIII. Idiomatic phrases, and Phrase-key.
これらの多義をきっちり使いこなすのは非常に難しいことだ.
先日の記事「#6062. Take an umbrella with you. の with you はなぜ必要なのか? --- mond の問答が大反響」 ([2025-12-01-1]) と,それに先立つ mond での回答を受けて,この with you の役割について,さらに考察を深めてみる.
先の回答では,前置詞句 with you が,多義語 take の語義を限定する役割を担っていると解説した.この前置詞句の存在により, take が単なる「取る」ではなく「持っていく」を意味することが確定する.もちろん文脈によっても同様の役割は果たされ得るのだが,直接言語的に果たされるのであれば,それはそれで望ましいことだ.フレーズの意味は,構成要素の意味の単純な足し算で決まるというよりも,構成要素相互の共起 (collocation) それ自体によって定まる,と考えられる.これは,構造言語学的にも認知言語学的にも認められてきた捉え方だ.
さて,with you の役割は,上述の意味限定機能に尽きるだろうか.反響コメントを受けて改めて考えてみると,他にもありそうである.1つ考えたのは「空間関係明示機能」とでも名付けるべき機能だ.Take an umbrella with me. の類例,すなわち「前置詞+人称代名詞(再帰的)」を伴う他の文例を考えてみよう.例文は Quirk et al. を参照した過去の hellog 記事「#2322. I have no money with me. の me」 ([2015-09-05-1]) より再掲する.
(1) He looked about him.
(2) She pushed the cart in front of her.
(3) She liked having her grandchildren around her.
(4) They carried some food with them.
(5) Have you any money on you?
(6) We have the whole day before us.
(7) She had her fiancé beside her.
いくつかの例では,動詞の意味を限定する機能が発動されていると解釈できるが,多くの例で際立つのは,主語と目的語の指示対象各々の相対的な空間関係が明示・強調されていることだ.(6) については,その応用で時間関係にも同構文が用いられていると解せる.(1) の場合でいえば,空間関係が above him でも behind him でもなく about him なのだという,対比に近い強調の気味が感じられる.
関連してこの構文に特徴的な点は,前置詞句内の強勢は前置詞そのものに落ち,人称代名詞には落ちないことだ.つまり,表出していない他の前置詞との対比が意識されている,と考えられるのではないか.このことは,"Pat felt a sinking sensation inside (her)." のように人称代名詞が表出すらしないケースがあることからも疑われる.
Take an umbrella with you. の with you の問題に戻ると,先の意味限定機能の解釈によれば,「取る」だけでなく「取って,さらに携帯していく」という語義へ絞り込まれるというのがポイントだった.これは広い意味で動作のアスペクトに関する差異を生み出すとも解釈でき,今回新たに提案した空間関係記述機能とも無関係ではなさそうだ.むしろ,物理的な動作のアスペクトは,空間関係と密接な関係にあるはずだ.その点で,両機能は独立した別々の機能というよりは,連続体と捉える方がよいのかもしれない.
・ Quirk, Randolph, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, and Jan Svartvik. A Comprehensive Grammar of the English Language. London: Longman, 1985.
11月30日(日)に公開された「いのほた言語学チャンネル」の最新回で「#390. 言語はなぜ変化するのかにもいろいろ説があるが,この仮説,納得!?」をお届けしました.hellog でもたびたび取り上げてきた,言語変化に関する「見えざる手」仮説 (invisible_hand theory) について導入した回となります.
皆さん,高速道路などで事故も工事もないのに発生する「謎の渋滞」に巻き込まれたことがあるかと思います.英語ではこれを traffic jam out of nowhere と呼ぶのですが,実はこの現象と言語変化のメカニズムには,驚くべき共通点があるのです.
動画では,この理論を提唱した Rudi Keller の考えに基づき,まずはこの交通渋滞の例え話から解説を始めています.先頭の車がふとした拍子に少し減速すると,後続車は衝突を避けるために安全マージンをとって,前の車よりも少し強めにブレーキを踏みます.これが後ろへ後ろへと連鎖していくとどうなるか.最終的には完全停止し,その後続車の一群は渋滞にはまる,という誰も望んでいなかった結果が生まれてしまうのです.
ここで重要なのは,ドライバーの誰も「渋滞を作ってやろう」などとは考えていないという点です.1人ひとりは安全に走りたいという合理的な動機で行動しているだけにもかかわらず,小さな行動が集団的に蓄積すると,個人の意図とはかけ離れて,渋滞という社会的な現象が引き起こされてしまいます.この「ミクロな個人の意図」と「マクロな全体の結果」の間にあるパラドックスこそが,「見えざる手」と呼ばれるものの正体です.
そして,これは言語の変化にもそのまま当てはまります.私たちも普段,「日本語の文法を変えてやろう」とか「英語の発音を歴史に残るように変化させよう」などという意図をもって言語を使用しているわけではありません.ただ,目の前の相手にうまく伝えたい,あるいは少し楽に発音したいなどとと思いつつ,日々の言葉を発しているだけです.しかし,そうした無意識の微調整の機会が積み重なり,多くの人々に伝播していくと,数十年,数百年というスパンで見たときに,大きな言語変化となって現われるのです.
動画内では,井上さんとの対話を通じて,この意図せざる結果がいかにして生じるのか,一見するとブラックボックス的な「見えざる手」の仕組みについてお話ししています.
アダム・スミスが経済学で説いた「神の見えざる手」が,まさか言語学に応用できるとは,と意外に思われるかもしれません.しかし,言語変化を説明する1つの有力な仮説ですので,ぜひ動画本編でそのロジックを楽しんでいただければと思います.
なお,このテーマについては hellog の過去記事でもたびたび取り上げてきました.動画を観て,もう少し理論的な背景を知りたいと思われた方は,ぜひ invisible_hand のタグの付いた記事群,そのなかでもとりわけ以下の記事を合わせてお読みいただければ.
・ 「#8. 交通渋滞と言語変化」 ([2009-05-07-1])
・ 「#2539. 「見えざる手」による言語変化の説明」 ([2016-04-09-1])
・ Keller, Rudi. On Language Change: The Invisible Hand in Language. Trans. Brigitte Nerlich. London and New York: Routledge, 1994.

今月も出ました! helwa メンバー有志による毎月の hel活 (helkatsu) の成果をまとめたウェブマガジン『月刊 Helvillian 〜ハロー!英語史』の最新号です.一昨日12月28日(金)に最新号となる12月号(通算第14号)が公開されています.
まずは Helvillian の編集に関わられている委員の皆さん,お疲れ様でした,いつもありがとうございます.「英語史」という目立たない分野の同人雑誌の刊行が14ヶ月も続くというのは,関係者の不断の支持と,何よりも編集委員の熱量の証だと思います.しかし,それにしても驚いています.改めて感謝を申し上げます..
さて,毎月の恒例となりましたが,本記事で最新号のラインナップを紹介したいと思います.
【 「旅」特集,そして寄稿本数は増し増し 】
今回の Helvillian は,特集テーマ「旅」への寄稿が多く,なんと次号を含めて前後編の2本立てにすることが決定されたとのこと.Helvillian の記事の厚みも読み応えも,確実に増していることがわかりますね.雑誌として安定期に入ったと言ってよいのではないでしょうか.
表紙デザインは Lilimi さんがご担当.写真提供は私,堀田隆一で,ニュージーランドのダニーデンにあるオタゴ大学の時計台です.いつもながらプロ顔負けの見事なレイアウトで仕上げてくださいました.ありがとうございます!
最初の「表紙のことば」も,編集委員会からの打診により,僭越ながら私が寄稿いたしました.オタゴ大学のシンボルである時計台の写真とともに,スコットランドから1万8千キロ離れたこの地にやってきた初期移民たちに思いを馳せる文章を寄せました.私自身が目下旅人のようなものですし,英語史も英語という言語の「旅」を考える学問でもありますので,今回の特集テーマに通じる部分があるかと思います.
注目の特集「旅【前編】」に寄せられた記事は以下の通りです.
・ ari さんによる「失われた都 Winchester を巡る旅」
・ mozhi gengo さんによる「Moxibustion はモエグサモヤシ~信州小旅行の途上で」
・ 川上さんによる「passenger」
・ camin さんによる「若いとき,チチェスター滞在に行ったときのこと」
「旅」というテーマは,英語史と相性が良いこともあり,個性豊かな記事が集まりました.それぞれが独自の視点から「旅」を捉えていますね.
【 日常化した「hel活」が相互啓発の場へ 】
特集に続いて,半ば定着した「シリーズ」ものの記事が各項目に並びます.ykagata さんとり~みんさんは,それぞれ「『英語語源ハンドブック』にこじつけて学ぶドイツ語」と「『英語語源ハンドブック』にこじつけて学ぶスウェーデン語」のシリーズにおいて,『英語語源ハンドブック』を活用しつつ,各々の関心言語の話題を展開しています.lacolaco さんによる「KDEE通読」ノートも着々と進み,C の項目のコンプリートが報告されています.helwa メンバーの日々のhel活が,お互いに啓発し合いながら,新たなhel活へと繋がっていっている様子が見て取れます.
さらに,みーさんによる「連載 教室日誌」,ハンドルネーム「無職さん」こと佐久間さんによる専門性の高い記事,ari さん,川上さん,mozhi gengo さん,umisio さん等の安定感抜群の寄稿者による多様な話題が並びます.特に川上さんは,安定連載の「やってます通信」のほかに,最近は助動詞に取り憑かれておられるようで,関連する記事が蓄積されてきています.
camin さんの FAUX-AMIS クイズ,そして,新刊書「いのほたなぜ」を推してくださっているという点において,Grace さんによる「いのほたなぜ~言語学の世界へようこそ~」および金田拓さんによる「『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』を読んで,英語の世界を散歩しよう」も必読です.皆さん,幅広い「言語学への誘い」の記事を寄せてくださっています.
【 helwa の活動報告と編集 】
「Helwa のあゆみ/活動報告」では,Galois さんがこの1ヶ月の2つのイベントを紹介されています.
・ 10月25日(土),北千住& zoom オフ会
・ 11月8日(土),堀田と kendama_player さんの対談
このような活動を通じて,ヘルメイトどうしの和が着実に広がり,深まっていることを感じます.
そして,Helvillian 毎号の最後を飾るのは「Helvillian 編集後記」です.今回は Grace さんによる季節の移ろいを感じさせる美しい文章で締めくくられています.
最新号もこのように素晴らしい雑誌が仕上がりました.編集委員の Lilimi さん,Galois さん,Grace さん,umisio さんにおかれましては,良質な雑誌を毎月届けてくださることに心からの感謝を申し上げます.そして,すべての寄稿者と helwa メンバーの皆さんにも,熱意ある活動とそのご支援に感謝いたします.
最新号や過去号をご覧になり,英語史や言語学の話題に興味を持たれた方,あるいは自分も発信したいと思われた方は,ぜひ新たな月となりましたので helwa にお入りください.Voicy プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪 (helwa)」は,毎週火木土の午後6時に配信しています.月額800円のサブスクで,初月無料サービスがあります.まずは覗いてみてくださいね.
昨日に引き続いての話題.先週の金曜日に,私が知識共有プラットフォーム mond に投稿した回答が,X(旧 Twitter)上で驚くべき反響を呼んでいます.本日付でそのX投稿のインプレッション数が327万,mond 本体での「いいね」も800件に迫る勢いです.「英語に関する素朴な疑問」への関心の高さを改めて実感しています.
話題となっているのは,ある中学生から寄せられた次のような質問でした.
以前,中学生に英語を教えたとき,こーゆう質問されました.「Take an umbrella with you. の with you って何故必要なんですか?」確かに,Take an umbrella. だけでも通じるので,with NP は別にいらないんじゃないかと思ってしまいます.
実に鋭い質問です.確かに Take an umbrella. だけでも文脈上「傘を持っていきなさい」の意味となるので,基本的には通じるでしょう.辞書を引けば take には「持っていく」という語義が確かに載っているわけですから.では,なぜわざわざ with you という(一見すると冗長な)前置詞句を添えるのが自然な英語とされるのでしょうか.
私の回答の核心は「多義性の解消」にあります.動詞 take は英語でも屈指の多義語であり,基本義は「(手に)取る」 (= grab/grasp/seize) ほどです.文脈の補助がない場合,意地悪くすれば Take an umbrella. は単に「傘を手に取りなさい」とも解釈され得るのです.ここに with you を添えることで「携行」というアスペクト的な意味が明示されることになり,意味が「持っていく」に限定されるのです.これは I have money. 「お金持ちだ/いま所持金がある」と I have money on me. 「いま所持金がある」の違いにも通じる,英語の興味深いメカニズムです.
この解説の要点を,インフォグラフィック(生成AI作成)としてまとめてみました.視覚的に整理すると,with you の意味限定機能がよく分かると思います.

mond の本編では,この言語学的メカニズムについて,Pass me the salt. や日本語の補助動詞「~してくれる」との比較も交えながら,より詳しく解説しています.
今回の with you 問題については,意味限定機能という切り口から解説しましたが,ほかにアスペクト・空間関係記述機能という見方もできるのではないかと考えています.こちらはまた別の機会にご紹介したいと思います.
今回の中学生の素朴な疑問が,いかに英語の本質を突いているか.ぜひ以下のリンクから mond でのオリジナルの問答を読んで,英語の「なぜ」を深掘りしていただければ.
・ 「Take an umbrella with you. の with you って何故必要なんですか?」
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最終更新時間: 2025-12-21 11:13
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