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最終更新時間: 2024-11-21 08:03

2013-06-09 Sun

#1504. 日本語の階層差 [japanese][sociolinguistics][variation][link]

 階級による英語の言語的な差異については,例えば次の記事で扱ってきた.
 
 ・ 「#1359. 地域変異と社会変異」 ([2013-01-15-1])
 ・ 「#1481. カンナダ語にみる社会方言差と地域方言差の逆ピラミッド」 ([2013-05-17-1])
 ・ 「#1370. Norwich における -in(g) の文体的変異の調査」 ([2013-01-26-1])
 ・ 「#406. Labov の New York City /r/」 ([2010-06-07-1])
 ・ 「#1371. New York City における non-prevocalic /r/ の文体的変異の調査」 ([2013-01-27-1])
 ・ 「#1363. なぜ言語には男女差があるのか --- 女性=保守主義説」 ([2013-01-19-1])
 ・ 「#1203. 中世イングランドにおける英仏語の使い分けの社会化」 ([2012-08-12-1])
 ・ 「#1292. 中英語から近代英語にかけての h の位置づけ」 ([2012-11-09-1])

 現代日本語では階級による言語の差異が明確にはみられないので,英語での差異について直感的に理解しにくいが,明治以前には日本語にも階級差が明確に存在した.『新版日本語教育事典』 (468) より,関連する箇所を引用する.
 

士農工商という身分制度が存在した江戸時代には,日本語も同様であった.福沢諭吉は『旧藩情』(1877) のなかで,旧中津藩において士農商のことばにはっきりした差異があったことを,具体例を挙げて記述している.さらに,このような言語の変異は身分の違いに起因するものであり,このような状況は,他藩でも同じだろうとも述べている.〔中略〕日本語の社会階層差は,明治時代に入り,いわゆる身分制度が廃止された後も,教育・職業などによることばの違いとして存続してきた./近世・近代に比べると,高学歴化が進み,階層が固定的でなくなった現代では,社会階層間の格差の現象を反映して,日本語の階層による違いも,小さくなってきているといえよう.しかし,音声上の諸特徴,使用する語彙の選択,表現の方法などから,話者の職業などをある程度特定することは可能である.


 青空文庫より『旧藩情』を参照したところ,例えば「見てくれよ」というのに,上士は「みちくれい」,下士は「みちくりい」,商人は「みてくりぃ」,農民は「みちぇくりい」の如く変異を示したという.
 同じく『日本語学研究事典』 (176) より引用.

【階層差】宮廷・貴族の言葉と庶民の言葉,武家の言葉と町人の言葉など,身分・階級によって,言葉の様相に大きな差異がみられる.落語の『たらちね』は,宮仕えをしていた公家の娘を妻に迎えた,長屋住まいの八五郎夫婦の言葉の行き違いを描いたものであり,『八五郎出世』には,殿様の側室になった妹を訪ねた八五郎が武家言葉に戸惑うおかしみが描かれている.こうした,言語の階層差には,かつてイギリスやロシアの貴族社会ではフランス語が使われていたというような極端な例もある.江戸時代,各藩の武家社会の言葉は,「ご家中言葉(家中語)」などと呼ばれたが,そこには,改易や移封によって,地域住民の言葉とは全く別の地域の言語が行なわれていることが珍しくなかった.また,武家の女性たちの用いる,上品な言葉遣いは「お屋敷言葉・大和言葉」などと呼ばれ,庶民の言葉の純化に貢献した.例えば上田万年・保科孝一らの「東京の中流社会の言葉」をもとにして標準語を作ろうといった言説にも見られるように,言語に上流・中流・下流などの階層差を意識する傾向は,かなり強く残っている.


 明治以前の日本語でも,現在のイングランドの場合と同様に,上層の階級では地域による変異が小さいが,下層では変異が大きいピラミッド構造を示す([2013-01-15-1]の記事「#1359. 地域変異と社会変異」の図を参照).ただし,部分的にその逆のパターンを示すカンナダ語のような例があることは,「#1481. カンナダ語にみる社会方言差と地域方言差の逆ピラミッド」 ([2013-05-17-1]) で触れたとおりである.

 ・ 『新版日本語教育事典』 日本語教育学会 編,大修館書店,2005年.
 ・ 『日本語学研究事典』 飛田 良文ほか 編,明治書院,2007年.

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2013-05-16 Thu

#1480. (英語)社会言語学概説書の書誌 [bibliography][sociolinguistics][hel_education][link]

 「#1445. 英語史概説書の書誌」 ([2013-04-11-1]) と同様の趣旨で,(英語)社会言語学の概説的な参考図書のリストを作成した.
 近年,(英語)社会言語学の発展は著しく,扱う範囲が広大になってきているが,以下では(英語)社会言語学に関する概説的な図書とレファレンスのお薦めリストを掲げる(◎○は特にお薦めのもの).このほかにも,各図書の巻末に掲載されている参考文献リストや,オンラインでは O'Grady et al. の言語学入門書のコンパニオンサイトに置かれているPDFの参考文献リストも要参照.また,本ブログでも社会言語学の話題を多く扱っているので,とりわけ sociolinguistics の各記事を参照されたい.
 以下と同じ内容の印刷配布用のPDFはこちらからどうぞ.

[概説書(日本語)]

 ○ 東 照二 『社会言語学入門 改訂版』,研究社,2009年.
 ○ 鈴木 孝夫 『ことばと文化』 岩波書店〈岩波新書〉,1973年.
 ・ 田中 克彦 『ことばと国家』 岩波書店〈岩波新書〉,1981年.
 ○ 田中 春美,田中 幸子(編著) 『社会言語学への招待』 ミネルヴァ書房,1996年.
 ・ 津田 葵 「社会言語学」『英語学大系第6巻 英語学の関連分野』(柴谷 方良, 大津 由紀雄, 津田 葵),大修館書店, 1989年,365--495頁.
 ・ 日比谷 潤子(編著) 『はじめて学ぶ社会言語学』 ミネルヴァ書房,2011年.
 ・ ルイ=ジャン・カルヴェ(著),萩尾 生(訳) 『社会言語学』 白水社,2002年.

[概説書(英語)]

 ・ Fasold, Ralph. The Sociolinguistics of Language. Oxford: Blackwell, 1990.
 ・ Holmes, Janet. An Introduction to Sociolinguistics. 3rd ed. Harlow: Pearson Education, 2008.
 ◎ Hudson, R. A. Sociolinguistics. 2nd ed. Cambridge: Cambridge University Press, 1996.
 ・ Romain, Suzanne. Language in Society: An Introduction to Sociolinguistics. 2nd ed. Oxford: Oxford University Press, 2000.
 ○ Trudgill, Peter. Sociolinguistics: An Introduction to Language and Society. 4th ed. London: Penguin, 2000.
 ○ Wardhaugh, Ronald. An Introduction to Sociolinguistics. 6th ed. Malden: Blackwell, 2010.

[(英語)社会言語学の参考図書]

 ・ 石橋 幸太郎(編) 『現代英語学辞典』 成美堂,1973年.
 ○ 大塚 高信,中島 文雄(監修) 『新英語学辞典』 研究社,1982年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語学要語辞典』 研究社,2002年.
 ・ 松浪 有,池上 嘉彦,今井 邦彦(編) 『大修館英語学事典』 大修館書店,1983年.
 ○ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of the English Language. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. 2nd ed. 2003.
 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of Language. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. 2nd ed. 2003.
 ○ McArthur, Tom, ed. The Oxford Companion to the English Language. Oxford: Oxford University Press, 1992.
 ◎ Trudgill, Peter. A Glossary of Sociolinguistics. Oxford: Oxford University Press, 2003.

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2013-05-11 Sat

#1475. 英語と言語に関する地図のサイト [internet][link][timeline][hel_education][map][global_language][elf][vexillology]

 Map of the World という,様々な地図を提供する良サイトを見つけた.探してみると,英語やその他の言語に関する地図やヴィジュアル資料による説明も豊富で,本ブログとして紹介する価値があると思ったので,以下にリンクを張っておきたい.地図の一般的な用途にも便利に使える.

 ・ English Language --- Facts & Infographic: 英語の特徴や英語の歴史を大雑把に解説.そのなかの English Speaking Countries の地図は有用.
 ・ Should English Be The Official Language Of The World --- Facts & Infographic: 世界語としての現代英語の地位を客観的に記述.データの典拠はわからないが The Web of Words では,ウェブ上のコンテンツの英語比率は56%(圧倒的首位),ウェブ上のコミュニケーションの英語比率は26.8%(中国語について2位)となっている.英語が公用語となっている56カ国の国旗が示されている.アルファベット順に挙げると,Antigua and Barbuda, Bahamas, Barbados, Belize, Botswana, Cameroon, Canada, Dominica, Eritrea, Ethiopia, Federated States of Micronesia, Fiji, Gambia, Ghana, Grenada, Guyana, India, Ireland, Jamaica, Kenya, Kiribati, Lesotho, Liberia, Malawi, Malta, Marshall Islands, Mauritius, Namibia, Nauru, New Zealand, Nigeria, Pakistan, Palau, Papua New Guinea, Philippines, Rwanda, Saint Kitts and Nevis, Saint Lucia, Saint Vincent and the Grenadines, Samoa, Seychelles, Sierra Leone, Singapore, Solomon Islands, South Africa, South Sudan, Sudan, Swaziland, Tanzania, Tonga, Trinidad and Tobago, Tuvalu, Uganda, Vanuatu, Zambia, Zimbabwe.関連して,「#177. ENL, ESL, EFL の地域のリスト」 ([2009-10-21-1]) や「#376. 世界における英語の広がりを地図でみる」 ([2010-05-08-1]) も参照.
 ・ Top Ten English Speaking Countries: 地図で英語話者(母語話者とは限らない)人口の世界トップ10の国が示されている.データソースと凡例に不明な点があるが,アルファベット順に挙げると,Australia, Canada, France, Germany, India, Italy, Nigeria, Philippines, United Kingdom, United States.本当だろうか・・・.
 ・ Top Ten Daily Newspapers in English: これも地図で示されるが,英米とインドのみ.1日の平均発行部数順に,The Sun (UK), USA Today (USA), The Daily Mail (UK), The Mirror (UK), Times of India (India), Wall Street Journal (USA), New York Times (USA), The Daily Telegraph (UK), Daily Express (UK), Los Angeles Times (USA) .

 ・ Language Map of the World: 25言語とその他というくくりで色分けの地図がある.

 ・ UK Map --- United Kingdom: イギリスの地図をざっと示すときに使える.Physical Map はこちら.  *  
 ・ USA Map: アメリカ地図をざっと示すときに使える.Physical Map はこちら.  *  
 ・ Europe Map: ヨーロッパ地図をざっと示すときに使える.Physical Map はこちら.  *  
 ・ Map of the World: 世界地図をざっと示すときに使える.  *  *  *

 ほかにオンラインの言語地図としては,「#715. Britannica Online で参照できる言語地図」 ([2011-04-12-1]) で張ったリンクや,EthnologueBrowse by Map Title を参照.

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2013-04-11 Thu

#1445. 英語史概説書の書誌 [bibliography][hel_education][link]

 年度の初めに,英語史概説書や参考図書など英語史・英語学を学習・研究する上で知っておきたい図書等を書誌としてまとめておく.近年,この分野の出版物は日本語でも英語でも数が多く,レベルも入門から専門までと幅広いので,選定するのが難しいのだが,以下は現時点での一応の厳選リストである.
 独断と偏見ではあるが,最重要として◎を,重要として○を付した.このほかに,各図書の巻末やウェブサイトに掲載されている参考文献表も要参照.印刷配布用のPDFも作ったので,こちらからどうぞ.

[英語史概説書(日本語)]

 ・ 家入 葉子  『ベーシック英語史』 ひつじ書房,2007年.
 ・ 宇賀治 正朋 『英語史』 開拓社,2000年.
 ○ 唐澤 一友 『多民族の国イギリス---4つの切り口から英国史を知る』 春風社,2008年.
 ◎ 寺澤 盾 『英語の歴史』 中央公論新社〈中公新書〉,2008年.
 ・ 中尾 俊夫,寺島 廸子 『図説英語史入門』 大修館書店,1988年.
 ・ 橋本 功 『英語史入門』 慶應義塾大学出版会,2005年.
 ○ 堀田 隆一 『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』 中央大学出版部,2011年.
 ・ 松浪 有 編,小川 浩,小倉 美知子,児馬 修,浦田 和幸,本名 信行 『英語の歴史』 大修館書店,1995年.
 ○ 渡部 昇一 『英語の歴史』 大修館,1983年.

[英語史概説書(英語)]

 ◎ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
 ○ Bradley, Henry. The Making of English. London: Macmillan, 1955.
 ・ Bragg, Melvyn. The Adventure of English. New York: Arcade, 2003.
 ・ Brinton, Laurel J. and Leslie K. Arnovick. The English Language: A Linguistic History. Oxford: Oxford University Press, 2006.
 ○ Crystal, David. The Stories of English. London: Penguin, 2005.
 ○ Fennell, Barbara A. A History of English: A Sociolinguistic Approach. Malden, MA: Blackwell, 2001.
 ・ Gelderen, Elly van. A History of the English Language. Amsterdam, John Benjamins, 2006.
 ・ Jespersen, Otto. Growth and Structure of the English Language. 10th ed. Chicago: University of Chicago, 1982.
 ・ Knowles, Gerry. A Cultural History of the English Language. London: Arnold, 1997.
 ・ McCrum, Robert, William Cran, and Robert MacNeil. The Story of English. 3rd rev. ed. London: Penguin, 2003.
 ・ Smith, Jeremy J. Essentials of Early English. London: Routledge, 1999.
 ・ Strang, Barbara M. H. A History of English. London: Methuen, 1970.
 ・ Svartvik, Jan and Geoffrey Leech. English: One Tongue, Many Voices. Basingstoke: Palgrave Macmillan, 2006.

[英語史・英語学の参考図書]

 ・ 荒木 一雄,安井 稔(編) 『現代英文法辞典』 三省堂,1992年.
 ・ 石橋 幸太郎(編) 『現代英語学辞典』 成美堂,1973年.
 ・ 大泉 昭夫(編) 『英語史 ・歴史英語学:文献解題書誌と文献目録書誌』 研究社,1997年.
 ○ 大塚 高信,中島 文雄(監修) 『新英語学辞典』 研究社,1982年.
 ◎ 小野 茂(他) 『英語史』(太田朗, 加藤泰彦編 『英語学大系』 8--11巻) 大修館書店,1972--85年.
 ・ 佐々木 達,木原 研三(編) 『英語学人名辞典』,研究社,1995年.
 ◎ 寺澤 芳雄(編) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語史 ・歴史英語学 --- 文献解題書誌と文献目録書誌』 研究社,1997年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語学要語辞典』 研究社,2002年.
 ・ 寺澤 芳雄,川崎 潔 (編) 『英語史総合年表?英語史 ・英語学史 ・英米文学史 ・外面史?』 研究社,1993年.
 ○ 松浪 有,池上 嘉彦,今井 邦彦(編) 『大修館英語学事典』 大修館書店,1983年.
 ○ Biber, Douglas, Stig Johansson, Geoffrey Leech, Susan Conrad, and Edward Finegan, eds. Longman Grammar of Spoken and Written English. Harlow: Pearson Education, 1999.
 ○ The Cambridge History of the English Language. Vols. 1--7. Ed. Richard M. Hogg. 1992--2001.
 ◎ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of the English Language. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. 2nd ed. 2003.
 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of Language. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. 2nd ed. 2003.
 ・ Huddleston, Rodney and Geoffrey K. Pullum, eds. The Cambridge Grammar of the English Language. Cambridge: CUP, 2002.
 ○ McArthur, Tom, ed. The Oxford Companion to the English Language. Oxford: Oxford University Press, 1992.
 ◎ The Oxford English Dictionary. 2nd ed. CD-ROM. Oxford: Oxford University Press, 1992. Version 3.1. 2004. (Also available online as Oxford English Dictionary Online at http://www.oed.com/ .)
 ○ Quirk, Randolph, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, and Jan Svartvik. A Comprehensive Grammar of the English Language. London: Longman, 1985.

[英語史関連のウェブサイト]

 ・ 家入 葉子 「英語学関係(基本文献など)」 http://homepage3.nifty.com/iyeiri/students/English.htm .(より抜かれた基本文献のリスト)
 ・ 堀田 隆一 「hellog?英語史ブログ」 http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~rhotta .本授業の履修者は必見.特に「参考文献リスト」 (http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~rhotta/course/2009a/hellog/references.html) を参照.
 ・ 三浦 あゆみ 「A Gateway to Studying HEL: Textbooks(日本語編)」 http://www013.upp.so-net.ne.jp/HEL/textbooks.html .(充実した英語史の文献リスト)

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2013-04-07 Sun

#1441. JACET 8000 等のベース辞書による語彙レベル分析ツール [lexicology][web_service][link][elt]

 日本の英語教育の世界では,「JACET 8000」という語彙集がよく用いられる.各語に1--8の語彙レベルが付されており,英文テキストの難易度判定や教材研究・開発などに使われる.ほかにも,類似した目的で SVL12000 や WLC などの語彙集が存在するが,それぞれの特徴については,染谷泰正氏のベース辞書についてに,次のようにある.

JACET8000 は大学英語教育学会基本語改訂委員会が編纂した学習語彙リストで,「British National Corpus と日本人英語学習者の環境を踏まえて独自に作成されたサブコーパスに準拠し,かつ中高の教育現場の状況にも配慮」して作成されたもので,「日本人英語学習者のための科学的教育語彙表」として評価を得ています.詳しくは『大学英語教育学会基本語リストJACET List of 8000 Basic Words』(大学英語教育学会基本語改訂委員会/2003年)を参照してください.

SVL12000(「標準語彙水準12000」)は株式会社アルクが独自に開発した語彙リストで,「ネイティブスピーカーの「使用頻度」をベースにしながら,日本人学習者にとっての「有用性」「重要性」を考慮して編集」したもので,既存の学習語彙表ではカバーされていない上級?最上級レベルの語彙(Level 8 ? Level 12)が含まれているのが特徴です.

WLC ベース辞書 は「AWK による語彙レベル分布計測プログラム」(染谷 1998) において作成されたもので,ビジネス英語の分析用に特化した約35,000語の見出し語からなる語彙リストです.詳しくは ここを参照してください.なお,WLC ベース辞書で使用されている品詞タグの種類についてはここを参照してください.


 染谷氏の提供するオンライン版 Word Level Checker(英文語彙難易度解析プログラム)では,テキストボックスに英文を投げ込むと,語彙レベルごとのテキストカバー率を返してくれる.ベース辞書としては,JACET8000, SVL12000, WLC (Ver.02) のいずれかを選択することができる.
 特に JACEL 8000 をベースとした類似ツールとしては,JACET 8000 TOOLS からいくつかのものにアクセスできる.

 ・ JACET 8000 LEVEL ANALYZER: 英文を投げ込むと,単語を見出し語化したうえで語彙レベルごとのテキストカバー率を返してくれる.プログラムの仕様や使用例については,清水伸一氏による JACET 8000 付属CD-ROM のプログラムデータ使用法が参考になる.
 ・ JACET 8000 LEVEL MARKER: 英文を投げ込むと,各単語にレベルを表わすタグ (1--8) をつけてカラー表示してくれる.
 ・ JACET 8000 Measuring Vocabulary: 語彙力診断テスト.「#833. 語彙力診断テスト」 ([2011-08-08-1]) で紹介した Test Your Vocab も参照.

 関連して,その他の英語語彙頻度表については「#308. 現代英語の最頻英単語リスト」 ([2010-03-01-1]) を参照.

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2013-03-28 Thu

#1431. Gelderen の英語史概説書のリンク集 [link]

 Gelderen の英語史概説書で言及されているウェブサイトのリンク集を作った.それぞれがどのようなサイトなのか,内容説明をつけている余力はなく,内容別に仕分けているわけでもないのだが,概説書で現われている順に抜き出したものなので,緩やかに時代順にはなっているはずである.このようなリンク集を作っておくと,後々けっこう役立つものなので,とりあえずの掲載.
 なお,Gelderen の英語史概説書のコンパニオンサイト History of English 自体にも有益なリンクが多数あるので,じっくり探ってみる価値はあるだろう.


 ・ Timeline of Britain's Prehistoric Past
 ・ Verbix -- Germanic languages: conjugate Old-English verbs
 ・ Ethnologue
 ・ World Wide Words
 ・ Shaw Phonetic Alphabet
 ・ The English Spelling Society
 ・ English Spelling Reform
 ・ The Great Vowel Shift
 ・ Phonetics: The Sounds of Spoken Language
 ・ UCLA Phonetics Lab Data
 ・ A Study of Some of the Most Commonly Misspelled Words
 ・ Origins of Modern Humans: Multiregional or Out of Africa?
 ・ Omniglot: Writing Systems & Language of the World
 ・ A Compendium of World-Wide Writing Systems from Prehistory to Today
 ・ Everything you ever wanted to know about Proto-Indo-European
 ・ Book of Kells Images
 ・ Old English Texts Transliterated
 ・ The Dictionary of Old English (DOE)
 ・ Runic alphabets
 ・ Audio Recordings of OE and ME Texts
 ・ OE Lessons
 ・ OE Grammar
 ・ The Electronic Introduction to Old English
 ・ Bosworth-Toller Dictionary
 ・ Diacritically-Marked Text of Beowulf facing a New Translation (with explanatory notes)
 ・ Beowulf Readings
 ・ Beowulf Translation
 ・ Thesaurus of Old English
 ・ Bright's Old English Glossary
 ・ The Anglo-Saxon Chronicle
 ・ Old English Aerobics Anthology
 ・ Gelderen's Audio History of English
 ・ The Wanderer: e-Edition by Tim Romano. Swarthmore, PA.
 ・ Yorshire Dialect
 ・ Bede's account in Medieval Sourcebook
 ・ Ogden's Basic English
 ・ Middle English Texts Transliterated
 ・ Anthology of ME Literature
 ・ The Auchinleck Manuscript
 ・ Jane Zatta's Chaucer
 ・ Transcription and Manuscript of Sir Orfeo
 ・ Transcription and Notes of Sir Orfeo
 ・ Chaucer Studio
 ・ 2 Gawain Manuscript Images
 ・ 5 Ellesmere Manuscript Images
 ・ Milton Reading Room
 ・ The Complete Works of Marlowe
 ・ Beaumont and Fletcher Play List
 ・ Queen Elizabeth I of England: Selected Writing and Speeches
 ・ Edmund Coote's English School-maister (1596)
 ・ The evolution of English lexicography by James Augustus Henry Murray
 ・ Diary archive (Pepys' Diary)
 ・ Shakespearean Prompt-Books of the Seventeenth Century
 ・ Book Facsimiles: Internet Shakespeare Editions
 ・ Shakespeare's Early Editors
 ・ Shakespeare Authorship
 ・ Sixteenth Century Renaissance English Literature (1485--1603)
 ・ King Aflred's Boethius' English Translation
 ・ Letters from Dorothy Osborne to Sir William Temple
 ・ Eighteenth-Century E-Texts
 ・ Bartleby.com: Great Books Online -- Quotes, Poems, Novels, Classics and hundreds more
 ・ British National Corpus -- free
 ・ Sample Sound Files @ ICE-corpora.net
 ・ New Spelling
 ・ Scottish-Themed Audio Library
 ・ English Dialect Links
 ・ The Routes of English
 ・ Letters of delegates to Congress, 1774--1789, Volume 2, September 1775--December 1775
 ・ Johnson, Preface to the Dictionary
 ・ Selections from Johnson's Dictionary
 ・ Mencken, H. L. 1921. The American Language
 ・ Common Errors in English Usage
 ・ Oxford English Dictionary
 ・ British Accents and Dialects
 ・ Routes of English: Accents and Dialects
 ・ Varieties of English
 ・ A Glossary of Hardboiled Slang
 ・ Computer History Museum
 ・ LearnEnglish by British Council
 ・ IDEA: International Dialects of English Archive
 ・ Speech Accent Archive
 ・ Australian Broadcast Corporation
 ・ Radio New Zealand International
 ・ Canadian raising and other oddities
 ・ World English: Listen to English around the World
 ・ Stories of the Dreaming -- Australian Museum
 ・ Wordorigins.org
 ・ British Slang Dictionary or English-to-American Dictionary
 ・ Jamaican Creole Texts
 ・ The Corpus of Written British Creole
 ・ Society for Pidgin and Creole Linguistics
 ・ Endangered languages home
 ・ American Indian Language Development Institute (AILDI)
 ・ BBC NEWS: Census shows Welsh language rise
 ・ The Bologna Declaration
 ・ Tok Pisin -- Pidgin / English Dictionary
 ・ Concordance software: MonoConc and ParaConc
 ・ The University of Oxford Text Archive (OTA)
 ・ EModE and ModE collection
 ・ The Online Books Page -- EModE and ModE
 ・ Childes: Child Language Data Exchange System
 ・ Micase: Michigan Corpus of Academic Spoken English
 ・ Early Manuscripts at Oxford University
 ・ New Words in TV-series
 ・ BBC History
 ・ American Speech: A Quarterly of Linguistic Usage
 ・ Luciferous Logolepsy: Dragging obscure words into the light of day
 ・ Barbara Wallraff's Word Court

 ・ Gelderen, Elly van. A History of the English Language. Amsterdam, John Benjamins, 2006.

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2013-03-26 Tue

#1429. 英語史に関連する BL の写本等画像と説明 [link][bl][manuscript][bible]

 The British LibraryOnline Gallery より,英語史に関連する写本等の画像(とその説明)へのリンクを集めてみた.およそ1枚画像だが,いくつかについては,ブラウザ上でページをめくるようにして写本や刊本の画像を次々に閲覧できるサービスも提供されている.Online Gallery からサーチ機能を利用すれば,いろいろと掘り出し物が出てきそうである.

 ・ Bede's History of the English Church and People の写本画像と説明.
 ・ Beowulf の写本画像と説明.
 ・ The Lindisfarne Gospels の写本画像と説明.写本をめくって読めるサービスもあり.
 ・ Anglo-Saxon Chronicle の写本画像と説明.
 ・ Magna Carta の画像と説明.(See also Treasures in Full: Magna Carta, as mentioned in [2011-06-08-1].)
 ・ 'Sumer is icumen in' の写本画像と説明.
 ・ Geoffrey Chaucer's 'The Canterbury Tales' の写本画像と説明.
 ・ Thomas Malory's 'Le Morte Darthur' の写本画像と説明.
 ・ William Caxton's Chaucer: 'The Canterbury Tales' の刊本画像と説明.
 ・ William Tyndale's New Testament の写本画像と説明.
 ・ Princess Elizabeth's letter の手記画像と説明.
 ・ King James Bible の刊本画像と説明.写本をめくって読めるサービスもあり.
 ・ Shakespeare's First Folio の刊本画像と説明.

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2013-02-03 Sun

#1378. 英語史のインフォグラフィック [timeline][hel_education][link]

 昨日の記事「#1377. Gelderen 版,英語史略年表」 ([2013-02-02-1]) も含め,ここ最近,英語史年表にこだわってきた(##777,1368,1369,1377 ほか,timeline の各記事も参照).
 取り上げてきたのは,年代と文字だけの伝統的で散文的な年表ばかりだが,絵入りの年表のようなものがあるとおもしろい.ウェブ上で探してみたところ,Infographic Showing the History of the English Language なるページを見つけた.画像による英語史の概説だ.画像は縦長で1.5MBと重いので,以下のようにクリックによるズームと移動を可能にした(あるいはこちらのページへ).



 このインフォグラフィック作成に当たっては,画像の下部にあるように以下のサイトを情報源として利用したという.ウェブ上には,あちらこちらに年表のページが転がっているようだ.

 ・ BBC British History in Depth: The Ages of English: 「#18. 英語史をオンラインで学習できるサイト」 ([2009-05-16-1]) で紹介したのと同じサイト内
 ・ Key Events in the History of the English Language: これ自身も英語史略年表.割りに詳しい説明がついている
 ・ Chronology of Events in the History of English: コメント付きの英語史略年表
 ・ Language Timeline: 数十年単位での説明つきの英語史略年表

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2012-11-18 Sun

#1301. Gramley の英語史概説書のコンパニオンサイト [link][review][hel_education]

 今年出版された Gramley の英語史概説書コンパニオンサイトが充実している.特に Timeline とそこからアクセスできる資料の豊富さが魅力だ.
 概説書をめくってみると,ページの至る所に,ウェブ上に説明書きのある項目が青字で示されている.多くは用語説明だが,なかには便利な表や一覧を含んでいるものもあり,相当の情報量だ.PDFで資料をダウンロードする必要があり,ウェブ上でシームレスにとはいかないが,探ってみる価値はある.
 こちらのページからは,古い英語のグロッサリー付きテキスト(91頁分)が手に入り,講読用教材としておおいに利用できそうだ.
 また,様々な英語変種で発音された音声ファイルがこちらから手に入る.諸変種のサンプル音源については,以下の記事に張ったリンクからもアクセスできるので参考までに.

 ・ 「#517. ICE 提供の7種類の地域変種コーパス」 ([2010-09-26-1])
 ・ 「#303. 世界で話される英語の発音のサンプル音源」 ([2010-02-24-1])

 本書自体は未読だが,目次を見る限り,社会言語学的な観点を打ち出しており,外面史への傾斜が強いようだ.昨今の英語史の潮流を反映して,近代以降の諸変種の誕生にも力点が置かれている.438頁の分厚い本だが,いずれ目を通したい.

 ・ Gramley, Stephan. The History of English: An Introduction. Abingdon: Routledge, 2012.

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2012-11-10 Sat

#1293. Sir Orfeo の関連サイト [link][romance][sir_orfeo][literature][auchinleck]

 大学院の授業で,"Breton lay" と呼ばれるジャンルに属する中英語ロマンス Sir Orfeo を,Burrow and Turville-Petre 版に基づいて読み始める.比較として,Bliss, Sisam, Treharne による版を使用.

 ・ Bliss, A. J., ed. Sir Orfeo. 2nd ed. Oxford: Clarendon, 1966.
 ・ Burrow, J. A. and Thorlac Turville-Petre, eds. A Book of Middle English. 3rd ed. Malden, MA: Blackwell, 2005.
 ・ Sisam, Kenneth, ed. Fourteenth Century Verse and Prose. Oxford: OUP, 1921.
 ・ Treharne, Elaine, ed. Old and Middle English c. 890--c. 1450: An Anthology. 3rd ed. Malden, Mass.: Wiley-Blackwell, 2010.

 Web上で関連するリソースを探したので,以下にまとめておく.

 ・ Page from the Online Database of the Middle English Verse Romances: 中英語ロマンスの総合サイトより粗筋と刊本の情報.
 ・ Page from Middle English Compendium HyperBibliography: MED よりテキスト情報.
 ・ Page from Wikipedia

 ・ Text and Manuscript from the Auchinleck Manuscript: Auchinleck 版のテキストと写本画像.研究書誌はこちら
 ・ Text: Laskaya and Salisbury's edition (based on Auchinleck): イントロや研究書誌はこちら.Auchinleck MS については,「#744. Auchinleck MS の重要性」 ([2011-05-11-1]) も参照.
 ・ Text: Shuffleton's edition (based on Ashmole): イントロはこちら
 ・ Introduction and Text: Hostetter's edition

 ・ Modern English translation in the Hannah Scot Manuscripts
 ・ Modern English translation by Hunt

Referrer (Inside): [2014-05-18-1]

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2012-11-02 Fri

#1285. FLASHで英語史略年表 [timeline][history][flash][web_service][world_languages][loan_word][link]

 マンチェスター大学の発信する,子供向け教育コンテンツを用意しているこちらのサイトのなかに,Timeline of English Language なるFLASHコンテンツを発見した.粗い英語史年表で,あくまで導入的な目的での使用を念頭に置いたものだが,話の種には使えるかもしれないので紹介しておく.
 言語に関する他のコンテンツへのリンクは,こちらにある.次のものなどは,結構おもしろい.

 ・ World Language Map
 ・ Borrowing Game

 簡易年表ということでいえば,A brief chronology of English なるものを見つけた.本ブログ内では,timeline を参照.

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2012-10-26 Fri

#1278. BNC を中心とするコーパス研究関連のリンク集 [corpus][bnc][link][web_service][lltest]

 コーパス言語学の勢いが止まらない.分野が分野だけに,関連情報はウェブ上で得られることが多く,便利なようにも思えるが,逆に情報が多すぎて,選択と判断に困る.せめて自分のためだけでも便利なリンク集をまとめておこうと思うのだが,学界のスピードについて行けない.私が最もよく用いる BNC に関連するものを中心に,断片的ではあるが,リンクを張る.リンク集をまとめる労を執るよりは,芋づる式にたどるかキーワード検索のほうが効率的という状況になりつつある・・・.
 
1. BNC インターフェース

  ・ BNCweb要無料登録
  ・ BYU-BNC (要無料登録)
  ・ BNC ( The British National Corpus )

2. BNC のレファレンス・ガイド

  ・ Quick Reference for Simple Query Syntax (PDF)
  ・ Reference Guide for the British National Corpus (XML Edition)
  ・ 上の Reference Guide の目次
    * 6.5 Guidelines to the Wordclass Tagging
    * The BNC Basic (C5) Tagset
    * 9.8 Simplified Wordclass Tags
    * 9.7 Contracted forms and multiwords
    * 1 Design of the Corpus
    * 9.6 Text and genre classification code

3. コーパス関連の総合サイト

  ・ David Lee による Bookmarks for Corpus-based Linguists
    * Corpora, Collections, Data Archives
    * Software, Tools, Frequency Lists, etc.
    * References, Papers, Journals
    * Conferences & Project

4. hellog 内の記事

  ・ 「#568. コーパスの定義と英語コーパス入門」: [2010-11-16-1]
  ・ 「#506. CoRD --- 英語歴史コーパスの情報センター」: [2010-09-15-1]
  ・ 「#308. 現代英語の最頻英単語リスト」: [2010-03-01-1]
  ・ コーパス関連記事: corpus
  ・ BNC 関連記事: bnc
  ・ COCA 関連記事: coca

5. 計算ツール

  ・ Corpus Frequency Wizard
  ・ Paul Rayson's Log-likelihood Calculator
  ・ VassarStats
  ・ hellog の「#711. Log-Likelihood Tester CGI, Ver. 2」: [2011-04-08-1]

 ・ Hoffmann, Sebastian, Stefan Evert, Nicholas Smith, David Lee, and Ylva Berglund Prytz. Corpus Linguistics with BNCweb : A Practical Guide. Frankfurt am Main: Peter Lang, 2008.

Referrer (Inside): [2015-04-22-1]

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2012-10-18 Thu

#1270. 類義語ネットワークの可視化ツールと類義語辞書 [web_service][thesaurus][link][synonym][dictionary][polysemy]

 [2010-08-11-1]の記事「#471. toilet の豊富な婉曲表現を WordNet と Visuwords でみる」で,オンラインで利用できる類義語ネットワークの可視化ツールを2点紹介したが,同趣旨のツールとして WordNet のデータベースに基づいた Graph Words を追加したい.以下に,関連するツールのリンクを挙げておく.

 ・ Graph Words: フリー.出力がシンプル.
 ・ Visuwords: フリー.出力が凝っている.
 ・ Visual Thesaurus: 有料だがトライアルあり.出力が凝っている.

 あわせて,今では通常の類義語辞典もオンラインで豊富にアクセスできるが,いくつか挙げておこう.
 
 ・ Merriam-Webster Thesaurus: 語義ごとに豊富な類義語群が得られる.
 ・ The Free Online Dictionary, Thesaurus and Encyclopedia: 語義もついており,単語学習によい.
 ・ Thesaurus.com: 手早く類義語リストを得られる.
 ・ HyperDictionary.com: 上に同じ.

 類義語リストを簡便に得られるスタンドアロンの辞書ソフトウェアとしては,以下のものを利用することがある.

 ・ WordWeb:英語辞書ソフトウェアとして人気がある.
 ・ TheSage's English Dictionary and Thesaurus:インターフェースがきれい.
 
 歴史英語類義語辞典は,以下の二つ.

 ・ HTOED (Historical Thesaurus of the Oxford English Dictionary)
 ・ TOE (A Thesaurus of Old English)

 類義語ネットワークの可視化ツールをいじっているうちに,単にキーワードに関連する語彙のネットワークを示すものとしてだけでなく,キーワードの語義の広がりを示すものとして利用することができることを発見した.例えば,Graph Words で多義語 "star" のネットワークを覗いてみると,およそ区別される語義ごとに枝のグループができていることがわかる.各語義が,単語置換による示唆というかたちではあるが,荒っぽく「定義」されているといえる(以下,拡大は画像をクリック).

Graph Words for "star"

 "star" のような多義語については,類義語可視化ツールは語義の広がりを見せてくれる,辞書代わりのツールとしても有効なのではないか.

Referrer (Inside): [2021-05-30-1] [2013-03-29-1]

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2012-07-03 Tue

#1163. オンライン語彙データベース DICT.ORG [web_service][dictionary][lexicology][link]

 The DICT Development Group による DICT.ORG は,ウェブ上の様々な語彙データベースや辞書を利用するための統一的な仕様を提供するサービスである.登録されている語彙データベースを利用するインターフェースはこちら
 辞書というよりは語彙データベースと呼ぶ方が適切なのは,ある語の定義や発音などを与えてくれるというよりは,ある条件(主として綴字上の条件)を満たす語の一覧を作成するのが得意だからだ.ある特定の目的で行なわれる語彙研究のために,単語リストを準備するのに役立つ.
 DICT.ORG で利用できる辞書はオンライン上で公開されている無料のものが多いが,語彙データベースとしての使用を前提とすれば,機能的には十分である.条件指定の方法("strategy" と呼ばれる;以下参照)は,電子辞書などでお馴染みの,綴字の完全一致,前方一致,後方一致,部分一致のほか,正規表現も完全にサポートしており,近似した綴字の語を取り出す Levenshtein distance 検索や Soundex algorithm 検索も実装されている.

 Strategy   Description
---------   -----------
    first : Match the first word within headwords
    exact : Match headwords exactly
       re : POSIX 1003.2 (modern) regular expressions
     last : Match the last word within headwords
  nprefix : Match prefixes (skip, count)
  soundex : Match using SOUNDEX algorithm
      lev : Match headwords within Levenshtein distance one
     word : Match separate words within headwords
   suffix : Match suffixes
   regexp : Old (basic) regular expressions
substring : Match substring occurring anywhere in a headword
   prefix : Match prefixes

 出力が非常にシンプルであり,まさに語の一覧という体裁なので,この一覧を拾い上げて,別の語彙ツールに投げ込むという使い方もできる.語彙研究に役立つツールを開発するためのベースとして利用できるのではないか.ウェブ上のインターフェースのほか,ローカルからは,Perl で書かれた dict というクライアントなどを経由して利用できる.
 DICT.ORG からは,英語の語彙データベースや辞書への役立つリンクが張られていて便利.特に Dictionary Database SiteOther Database InformationLinguistic Data Resources on the Internet: Dictionaries, Lexica, and Lexical Resources の情報が有用.

Referrer (Inside): [2018-08-24-1]

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2012-02-21 Tue

#1030. England の現代英語方言区分 (2) [dialect][bre][link][isogloss]

 昨日の記事「#1029. England の現代英語方言区分 (1)」 ([2012-02-20-1]) でイングランドにおける現代英語の方言区分を示した.方言区分は,なるべく弁別力の高い語を選び出し,その等語線 (isogloss) の重なり具合で線引きしてゆくのが伝統的な手法だが,どの語を選び出すかについての客観的な基準を設けることは難しい.多かれ少なかれ方言学者の主観が入るものだ.
 では,昨日の Trudgill の方言区分は何に基づいているか.Trudgill は,以下の8個の単語を選び出し,その等語線によって13の区分を設けた.等語線が複雑に入り組んでいることは,以下の分布表から容易に知れるだろう (Trudgill 33) .

  LongNightBlindLandArmHillSevenBat
older form lang /læŋ/neet /niːt/blinnd /blɪnd/land /lænd/arrm /aːrm/hill /hɪl/seven /sevn/băt [bat]
newer form long /lɒŋ/nite /naɪt/blined /blaɪnd/lond /lɒnd/ahm /aːm/ill /ɪl/zeven /zevn/bæt [bæt]
1Northumberlandlangneetblinndlandarrmhillsevenbat
2Lower Northlangneetblinndlandahmillsevenbat
3Lancashirelongneetblinedlondarrmillsevenbat
4Staffordshirelongniteblinedlondahmillsevenbat
5South Yorkshirelongneetblinndlandahmillsevenbat
6Lincolnshirelongniteblinndlandahmillsevenbat
7Leicestershirelongniteblinedlandahmillsevenbat
8Western Southwestlongniteblinedlandarrmillzevenbat
9Northern Southwestlongniteblinedlondarrmillsevenbat
10Eastern Southwestlongniteblinedlandarrmillsevenbat
11Southeastlongniteblinedlændarrmillsevenbæt
12Central Eastlongniteblinedlændahmillsevenbæt
13Eastern Countieslongniteblinedlændahmhillsevenbæt


 以下に,これまで本ブログで扱った英米における方言区分に関する記事,及び外部ページへのリンクを張っておこう.一括して見るなら ##1029,130,457,458,376 から.

 ・ 「#1029. England の現代英語方言区分 (1)」: [2012-02-20-1]
 ・ 「#130. 中英語の方言区分」: [2009-09-04-1]
 ・ 中英語の方言地図: The distribution of Middle English dialects
 ・ 古英語の方言地図: The distribution of Old English dialects
 ・ 「#457. アメリカ英語の方言区分( Kurath 版)」: [2010-07-28-1]
 ・ 「#458. アメリカ英語の方言区分( Baugh and Cable 版)」: [2010-07-29-1]
 ・ 「#376. 世界における英語の広がりを地図でみる」: [2010-05-08-1]

 ・ Trudgill, Peter. The Dialects of England. 2nd ed. Blackwell: Malden, MA: 2000.

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2012-02-15 Wed

#1024. 現代英語の綴字の不規則性あれこれ [spelling][spelling_pronunciation_gap][pde_characteristic][link][hiragana]

 綴字と発音の乖離は,しばしば現代英語の最大の特徴(現実的には弱点)の1つともいわれ([2009-09-25-1]の記事「#151. 現代英語の5特徴」を参照),これまでにも spelling_pronunciation_gap の多くの記事で取りあげてきた.大学の授業などでこの問題点を指摘すると,昔から不思議でいぶかしく思っていたという学生もいれば,言われてみればそうだなと呑気に構えて英語の綴字を吸収してきた学生もいる.そこで,綴字と発音の乖離の事実におもしろく気付くことができるように,以下に記事へのリンク集を作ってみた.個別には以下のリンクを,一括したものは ##1024,15,210,565,547,562,580,116,192,62,503 より.

 ・ 「#15. Bernard Shaw が言ったかどうかは "ghotiy" ?」: [2009-05-13-1]
 ・ 「#210. 綴字と発音の乖離をだしにした詩」: [2009-11-23-1]
 ・ 「#565. 弛緩前舌高母音に対応する英語の綴字」: [2010-11-13-1]
 ・ 「#547. <oo> の綴字に対応する3種類の発音」: [2010-10-26-1]
 ・ 「#562. busy の綴字と発音」: [2010-11-10-1]
 ・ 「#580. island --- なぜこの綴字と発音か」: [2010-11-28-1]
 ・ 「#116. 語源かぶれの綴り字 --- etymological respelling」: [2009-08-21-1]
 ・ 「#192. etymological respelling (2)」: [2009-11-05-1]
 ・ 「#62. なぜ綴りと発音は乖離してゆくのか」: [2009-06-28-2]
 ・ 「#503. 現代英語の綴字は規則的か不規則的か」: [2010-09-12-1]

 最後に挙げた記事では,現代英語における規則性は75--84%で意外と高いこと,ただし頻度の高い日常語にとりわけ不規則性がみられることについて触れた.頻度の高い語で不規則な綴字のものが一覧になっていれば便利だと思い,Crystal (71) が "Some irregular English spellings" で挙げている60語を再掲したい.これまでの記事で取りあげてきたものも多く含まれているので,hellog 検索ボックスに単語を入力すれば当たる可能性もあります.

although, among, answer, are, aunt, autumn, blood, build, castle, clerk, climb, colour, comb, come, cough, could, course, debt, do, does, done, dough, eye, friend, gone, great, have, hour, island, journey, key, lamb, listen, move, none, of, once, one, only, own, people, pretty, quay, receive, rough, said, salt, says, shoe, shoulder, some, sugar, talk, two, was, water, were, where, who, you


 関連して,拙著『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』第6章第2節「綴り字と発音の乖離」なども参考にどうぞ.
 なお,日本語の仮名はおよそ拍の単位で表音的であり,規則正しい表音文字の模範の1つのように評価されることが多いが,「は」「へ」のように文字と発音の対応が1対2であるもの,「お」と「を」のように対応が2対1であるもの,「じ」「ず」「ぢ」「づ」の四つ仮名問題,「おとさん」 /oto:san/ や「とけ」 /toke:/ にみられる表記の問題など,現代仮名遣いに引き継がれている過去の遺産もある.

 ・ Crystal, David. The English Language. 2nd ed. London: Penguin, 2002.

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2011-07-27 Wed

#821. "The History of English in Ten Minutes" by The Open University [link][youtube]

 ウェブ上で "The History of English in Ten Minutes - for iPod/iPhone by The Open University" なる,英語史をイラストで手短かに概説する動画を発見した.1分ほどの短い動画が10本あり,YouTube版でも視聴できる.以下はそれぞれへのリンク.

 ・ Anglo-Saxon - The History of English (1/10)
 ・ The Norman Conquest - The History of English (2/10)
 ・ Shakespeare - The History of English (3/10)
 ・ The King James Bible - The History of English (4/10)
 ・ The English of Science - The History of English (5/10)
 ・ English and Empire - The History of English (6/10)
 ・ The Age of the Dictionary - The History of English (7/10)
 ・ American English - The History of English (8/10)
 ・ Internet English - The History of English (9/10)
 ・ Global English - The History of English (10/10)

 英語史に関する視聴覚教材は多くない.MacNeil-Lehrer Productions と BBC の制作したテレビシリーズ The Story of English (1986) の VHS や,ITV のテレビシリーズ The Adventure of English (2003) の VHS/DVD や,The Teaching Company の The Great Courses シリーズの1つ The History of the English Language, 2nd Edition, Parts 1 to 3 (by Seth Lerer) の講義 DVD が公表されているが,それ以外にはあまり見あたらない.一般の歴史ものであれば視聴覚教材は数限りなくあるのだろうが,言語の歴史となると乏しいのが現状である."The History of English in Ten Minutes" by The Open University はこの分野での一つの貢献といえるだろう.
 本ブログではなかなか動画資料を用意することはできないが,できるだけ図表などのヴィジュアル資料を提供しようと心がけている.紙の上で表現しにくいことを効果的に表現できるウェブ上のメリットを活かしたい.

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2011-05-11 Wed

#744. Auchinleck MS の重要性 [auchinleck][manuscript][romance][scribe][link]

 The Auchinleck Manuscript (National Library of Scotland Advocates' MS. 19.2.1) は,中世イングランドの語学,文学,写本,読書文化などを論じる際に最も重要な写本の1つといっていいだろう.今日は,この写本の重要性を何点か指摘したい.以下は,Pearsall and Cunningham のイントロ部の "LITERARY AND HISTORICAL SIGNIFICANCE OF THE MANUSCRIPT" (vii--xi) から要点を抜き出してノートしたものである.

 ・ 1330--40年という早い時期に作成されており,様々なジャンルのテキストを寄せ集めた写本としては,群を抜いて最初期のものである.
 ・ 納められているテキストの大多数が,各テキストの現存する最古のヴァージョンを提供している.例外は,nos. 4, 7, 8, 13, 19, 29, 34, 35, 40 のみである.
 ・ テキストのほとんどが英語で書かれている.例外は,no. 20 の Anglo-Norman の混交体と nos. 8, 10, 36 の Latin の挿入部のみである.Auchinleck MS 以前の編纂もの (Jesus College, Oxford, MS. 29; British Library Cotton Caligula A.ix; Trinity College, Cambridge, MS. 323; Bodleian Library Digby 2; Bodleian Library Digby 85; British Library Harley 2253) には,Anglo-Norman と Latin のテキストも普通に見られた.
 ・ 以前の編纂もの写本には,主として学者層を対象としたテキストが含まれていた,Auchinleck MS には世俗的で洗練されていないテキストが多く含まれており,新しいタイプの読者層の存在が浮かび上がってくる.
 ・ テキストのジャンルの幅が広い(全44テキスト).no. 21 以外はすべて韻文で書かれている.
  - saint's legends: nos. 1, 4, 5, 12
  - other types of religious narrative: nos. 3, 6, 8, 9, 13, 16, 29
  - religious debates: nos. 7, 34
  - homiletic and monitory pieces: nos. 10, 35, 39
  - poems of religious instruction: nos. 14, 15, 36
  - a chronicle: no. 40
  - a list of names of Norman barons: no. 21 (not in verse)
  - humorous tales: nos. 27, 28
  - poems of satire and complaint: nos. 20, 42, 44
  - romances: nos. 2, 11, 17, 18, 19, 22, 23, 24, 25, 26, 30, 31, 32, 33, 37, 38, 41, 43 (accounting for three-quarters of the bulk of MS)
 ・ 非ロマンスの26テキストのうち15テキストが,現存する唯一の写しである.
 ・ ロマンスの18テキストのうち8テキストが,現存する唯一の写しであり,9テキストが現存する最も古い写しである.残りの1テキスト (no. 19 = Floris ) のみが例外.
 ・ 対象読者層は "popular" とまではいかないが,"the aspirant middle-class citizen, perhaps a wealthy merchant" (viii) だったと想定される.
 ・ ロンドンの "bookshop" で,複数の写字生が共同作業で作り上げたと考えられる.共同作業は高度に洗練されていたわけではないが,ある程度は組織化されていた.
 ・ 6人の写字生が以下の分布で共同写本作りに貢献している.scribe 1 が全体の72%を担当している.
Gatherings Item nos. Texts Scribe
1--6 1--9 Religious poems (incl. King of Tars) 1
7--10 10 Speculum Gy de Warewyke 2
11--13 Religious poems (incl. Amis) 1
11--16 14--19 Miscellaneous 3
20 Sayings of the Four Philosophers 2
21 List of names of Norman barons 4
17(?)--25 22--23 Guy of Warwick and continuation 1
24 Reinbrun 5
26--36 25 Beues of Hamtoun 5
26--29 Arthour and Merlin plus 3 fillers 1
37 30--31 Lay le freine, Roland and Vernagu 1
38--[?] 32 Otuel (and other poems?) 6
[?]--41 33--36 Kyng Alisaunder plus 3 fillers 1
42--44 37--39 Tristrem and Orfeo plus 1 filler 1
45--47 40--42 Chronicle and Horn childe plus 1 filler 1
48--[?] 43 Richard 1
52 44 The Simonie 2

・ 主要な2人の写字生 scribe 1 (全体の72%を担当) と scribe 3 (11%) の言語が14世紀前半のロンドン方言を代表していることが知られている.同世紀後半以降にロンドン方言に基づく書き言葉が標準化していくが,Auchinleck MS はそれ以前のロンドン方言の実態を知る上で重要な証拠を提供している ([2010-02-27-1]).( scribes 2, 4, 5, 6 はそれぞれ全体の約4%, 1%, 10%, 2%を担当).
・ 写本内部の同一著者推定については,Kyng Alisaunder, Richard, The Seven Sages が同じロンドンの著者に帰せられる.同様に,OrfeoLay le freine もおそらく1人の著者によるものであり,St MargaretSt Katherine も同様とされる.
・ この写本はかつて Chaucer が所有していた可能性があるという興味深い説が Loomis によって唱えられている.

 このように,Auchinleck MS とそのテキストは尽きざる魅力を秘めている.Web上のリソースとしては,以下を参照.

 ・ The Auchinleck Manuscript : National Library of Scotland: 特に写本の重要性については,Importance of the Auchinleck Manuscript を参照.
 ・ Auchinleck MS Home Page: 電子化されたテキスト (transcription) へのリンクがこちらにあり.

 下に,The Auchinleck Manuscript : National Library of Scotland の各テキスト (eds. David Burnley and Alison Wiggins) へのリンクを張っておく.

  1. The Legend of Pope Gregory (ff.1r-6v)
  2. f.6Ar / f.6Av (thin stub)
  3. The King of Tars (ff.7ra-13vb)
  4. The Life of Adam and Eve (E ff.1ra-2vb; ff.14ra-16rb)
  5. Seynt Mergrete (ff.16rb-21ra)
  6. Seynt Katerine (ff.21ra-24vb)
  7. St Patrick's Purgatory (ff.25ra-31vb)
  8. þe Desputisoun Bitven þe Bodi and þe Soule (ff.31vb-35ra stub)
  9. The Harrowing of Hell (ff.?35rb-?37rb or 37va stub)
  10. The Clerk who would see the Virgin (ff.?37rb or 37va stub-38vb)
  11. Speculum Gy de Warewyke (ff.39ra-?48rb stub)
  12. Amis and Amiloun (ff.?48rb stub-?61va stub)
  13. The Life of St Mary Magdalene (ff.?61Ava stub-65vb)
  14. The Nativity and Early Life of Mary (ff.65vb-69va)
  15. On the Seven Deadly Sins (ff.70ra-72ra)
  16. The Paternoster (ff.72ra-?72rb or ?72va stub)
  17. The Assumption of the Blessed Virgin (?72rb or ?72va stub-78ra)
  18. Sir Degare (ff.78rb-?84rb stub)
  19. The Seven Sages of Rome (ff.?84rb stub-99vb)
  20. Gathering missing (c1400 lines of text)
  21. Floris and Blancheflour (ff.100ra-104vb)
  22. The Sayings of the Four Philosophers (ff.105ra-105rb)
  23. The Battle Abbey Roll (ff.105v-107r)
  24. f.107Ar / f.107Av (thin stub)
  25. Guy of Warwick (couplets) (ff.108ra-146vb)
  26. Guy of Warwick (stanzas) (ff.145vb-167rb)
  27. Reinbroun (ff.167rb-175vb)
  28. leaf missing.
  29. Sir Beues of Hamtoun (ff.176ra-201ra)
  30. Of Arthour & of Merlin (ff.201rb-256vb)
  31. þe Wenche þat Loved þe King (ff.256vb-256A thin stub)
  32. A Peniworþ of Witt (ff.256A stub-259rb)
  33. How Our Lady's Sauter was First Found (ff.259rb-260vb)
  34. Lay le Freine (ff.261ra-262A thin stub)
  35. Roland and Vernagu (ff.?262va stub-267vb)
  36. Otuel a Knight (ff.268ra-277vb)
  37. Many leaves lost, but some recovered as fragments.
  38. Kyng Alisaunder (L f.1ra-vb; S A.15 f.1ra-2vb; L f.2ra-vb; ff.278-9)
  39. The Thrush and the Nightingale (ff.279va-vb)
  40. The Sayings of St Bernard (f.280ra)
  41. Dauid þe King (ff.280rb-280vb)
  42. Sir Tristrem (ff.281ra-299A thin stub)
  43. Sir Orfeo (ff.299A stub-303ra)
  44. The Four Foes of Mankind (f.303rb-303vb)
  45. The Anonymous Short English Metrical Chronicle (ff.304ra-317rb)
  46. Horn Childe & Maiden Rimnild (ff.317va-323vb)
  47. leaf missing.
  48. Alphabetical Praise of Women (ff.324ra-325vb)
  49. King Richard (f.326; E f.3ra-vb; S R.4 f.1ra-2vb; E f.4ra-vb; f.327)
  50. Many leaves lost.
  51. þe Simonie (ff.328r-334v)

・ Pearsall, Derek and I. C. Cunningham, eds. The Auchinleck Manuscript: National Library of Scotland Advocates' MS. 19.2.1. London: Scholar P, 1979.

Referrer (Inside): [2014-05-18-1] [2012-11-10-1]

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2011-04-12 Tue

#715. Britannica Online で参照できる言語地図 [indo-european][germanic][slavic][me_dialect][oe_dialect][comparative_linguistics][map][link]

 Encyclopedia - Britannica Online Encyclopedia より,英語史に関連する有益な言語地図がいくつか参照できる.ズームできるのでプレゼンに便利.以下にリンクを張っておく.

 ・ Approximate locations of Indo-European languages in contemporary Eurasia (関連して印欧語族の系統図は,[2009-06-17-1], [2010-07-26-1]を参照.)  *  
 ・ Distribution of the Germanic languages in Europe (関連してゲルマン語派の系統図は,[2009-10-26-1]を参照.)  *
 ・ Distribution of Romance languages in Europe  *
 ・ Distribution of the Slavic languages in Europe  *
 ・ The distribution of Old English dialects  *
 ・ The distribution of Middle English dialects (中英語方言区分については,[2009-09-04-1]を参照.)  *
 ・ English Language Imperialism: The English Language Across the World (世界における英語の広がりについては,[2010-05-08-1]を参照.)  *

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2011-01-16 Sun

#629. 英語の新語サイト Word Spy [lexicology][neologism][link][web_service]

 英語の新語ウォッチには Paul McFedries によるサイト Word Spy が注目に値する.1996年以来,新語が日々追加されており,現時点で2750以上の新語が登録されている.最大の特徴は,ほとんどの新語(全体の約85%)について用例と出典が与えられており,多く(全体の約73%)は初出年も記されていることだ.
 サイトを走査し,初出年の記載のある2019個について初出年ごとに数え上げてみたのが次の棒グラフである.連続して50例を超えているのは1987--2006年の20年間で,特に1990年代は層が厚い.

	1962 (  1) 
	1963 (  1) 
	1964 (  1) 
	1970 (  1) 
	1972 (  2) *
	1973 (  3) *
	1975 (  5) **
	1976 (  8) ****
	1977 ( 11) ******
	1978 ( 14) *******
	1979 ( 16) ********
	1980 ( 24) *************
	1981 ( 33) ******************
	1982 ( 32) *****************
	1983 ( 39) *********************
	1984 ( 38) *********************
	1985 ( 54) ******************************
	1986 ( 47) **************************
	1987 ( 59) ********************************
	1988 ( 66) ************************************
	1989 ( 67) *************************************
	1990 ( 77) ******************************************
	1991 ( 78) *******************************************
	1992 ( 83) **********************************************
	1993 ( 72) ****************************************
	1994 (100) *******************************************************
	1995 (101) ********************************************************
	1996 (101) ********************************************************
	1997 ( 87) ************************************************
	1998 ( 78) *******************************************
	1999 (109) ************************************************************
	2000 ( 85) ***********************************************
	2001 (111) *************************************************************
	2002 ( 87) ************************************************
	2003 ( 66) ************************************
	2004 ( 57) *******************************
	2005 ( 56) *******************************
	2006 ( 61) **********************************
	2007 ( 32) *****************
	2008 ( 33) ******************
	2009 ( 14) *******
	2010 (  9) *****

 [2011-01-10-1]の記事で American Dialect Society による2010年の流行語大賞の話題を取り上げたが,そのノミネート語の多くは Word Spy で発見できなかった.ただし,MOST LIKELY TO SUCCEED 部門でノミネートされた hacktivisttelework はしっかりと掲載されていた.
 掲載基準など詳しいことは分からないが,American Dialect Society の定期刊行誌 American Speech の新語記事 "Among the New Words" と合わせて,直近数十年の新語の傾向を探る資料として活用することができるかもしれない.

Referrer (Inside): [2022-08-13-1] [2011-09-21-1]

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