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最終更新時間: 2024-05-27 08:43

2021-04-02 Fri

#4358. 英語史概説書等の書誌(2021年度版) [bibliography][hel_education][link]

 昨日は「#4357. 新年度の英語史導入キャンペーンを開始します」 ([2021-04-01-1]) と述べましたが,本日は英語史の学習・研究に役立つ書誌の最新版を掲載します.私の独断と偏見ではありますが,およそ1年振りに更新したリストです(cf. 「#4018. 英語史概説書等の書誌(2020年度版)」 ([2020-04-27-1])).
 初学者に特にお薦めの図書に◎を,初学者を卒業した段階のお薦めの図書に○を付してあります.各図書の巻末やウェブサイトに掲載されている参考文献表も,芋づる式に参照していってもらえればと思います.
 印刷用のPDFをこちらに用意しましたので,とりわけ教員や学生の皆さんは,こちらのPDFでも本記事へのリンクでも,自由に配布していただければと思います.というよりも,むしろ配布推奨です! よろしくお願いします.



[英語史(日本語)]

 ◎ 家入 葉子  『ベーシック英語史』 ひつじ書房,2007年.
 ・ 宇賀治 正朋 『英語史』 開拓社,2000年.
 ◎ 唐澤 一友 『多民族の国イギリス---4つの切り口から英国史を知る』 春風社,2008年.
 ◎ 唐澤 一友 『英語のルーツ』 春風社,2011年.
 ・ 島村 宣男 『新しい英語史?シェイクスピアからの眺め?』 関東学院大学出版会,2006年.
 ◎ 寺澤 盾 『英語の歴史』 中央公論新社〈中公新書〉,2008年.
 ・ 高橋 英光 『英語史を学び英語を学ぶ --- 英語の現在と過去の対話』 開拓社,2020年.
 ・ 中尾 俊夫,寺島 廸子 『図説英語史入門』 大修館書店,1988年.
 ・ 橋本 功 『英語史入門』 慶應義塾大学出版会,2005年.
 ◎ 堀田 隆一 『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』 中央大学出版部,2011年.
 ○ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
 ・ サイモン・ホロビン(著),堀田 隆一(訳) 『スペリングの英語史』 早川書房,2017年.
 ・ 松浪 有(編),小川 浩・小倉 美知子・児馬 修・浦田 和幸・本名 信行(著) 『英語の歴史』 大修館書店,1995年.
 ・ 柳 朋宏 『英語の歴史をたどる旅』 中部大学ブックシリーズ Acta 30,風媒社,2019年.
 ・ 渡部 昇一 『英語の歴史』 大修館,1983年.

[英語史(英語)]

 ・ Algeo, John, and Thomas Pyles. The Origins and Development of the English Language. 5th ed. Thomson Wadsworth, 2005.
 ◎ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
 ・ Blake, N. F. A History of the English Language. Basingstoke: Macmillan, 1996.
 ◎ Bradley, Henry. The Making of English. London: Macmillan, 1955.
 ○ Bragg, Melvyn. The Adventure of English. New York: Arcade, 2003.
 ・ Brinton, Laurel J. and Leslie K. Arnovick. The English Language: A Linguistic History. Oxford: OUP, 2006.
 ・ Bryson, Bill. Mother Tongue: The Story of the English Language. London: Penguin, 1990.
 ・ Crystal, David. The Stories of English. London: Penguin, 2005.
 ◎ Fennell, Barbara A. A History of English: A Sociolinguistic Approach. Malden, MA: Blackwell, 2001.
 ・ Gelderen, Elly van. A History of the English Language. Amsterdam, John Benjamins, 2006.
 ○ Görlach, Manfred. The Linguistic History of English. Basingstoke: Macmillan, 1997.
 ○ Gooden, Philip. The Story of English: How the English Language Conquered the World. London: Quercus, 2009.
 ・ Gramley, Stephan. The History of English: An Introduction. Abingdon: Routledge, 2012.
 ・ Hogg, R. M. and D. Denison, eds. A History of the English Language. Cambridge: CUP, 2006.
 ・ Horobin, Simon. Does Spelling Matter? Oxford: OUP, 2013.
 ◎ Horobin, Simon. How English Became English: A Short History of a Global Language. Oxford: OUP, 2016.
 ・ Jespersen, Otto. Growth and Structure of the English Language. 10th ed. Chicago: U of Chicago, 1982.
 ○ Knowles, Gerry. A Cultural History of the English Language. London: Arnold, 1997.
 ・ McCrum, Robert, William Cran, and Robert MacNeil. The Story of English. 3rd rev. ed. London: Penguin, 2003.
 ・ Mugglestone, Lynda, ed. The Oxford History of English. Oxford: OUP, 2006.
 ・ Smith, Jeremy J. An Historical Study of English: Function, Form and Change. London: Routledge, 1996.

 ○ Strang, Barbara M. H. A History of English. London: Methuen, 1970.
 ○ Svartvik, Jan and Geoffrey Leech. English: One Tongue, Many Voices. Basingstoke: Palgrave Macmillan, 2006.

[英語史関連のウェブサイト]

 ・ 家入 葉子 「英語史全般(基本文献等)」 https://iyeiri.com/569 .(より抜かれた基本文献のリスト)
 ・ 堀田 隆一 「hellog?英語史ブログ」 2009年5月1日?,http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/
 ・ 堀田 隆一 「連載 現代英語を英語史の視点から考える」 2017年1月?12月,http://www.kenkyusha.co.jp/uploads/history_of_english/series.html

[英語史・英語学の参考図書]

 ・ 荒木 一雄・安井 稔(編) 『現代英文法辞典』 三省堂,1992年.
 ・ 石橋 幸太郎(編) 『現代英語学辞典』 成美堂,1973年.
 ・ 大泉 昭夫(編) 『英語史・歴史英語学:文献解題書誌と文献目録書誌』 研究社,1997年.
 ・ 大塚 高信・中島 文雄(監修) 『新英語学辞典』 研究社,1982年.
 ・ 小野 茂(他) 『英語史』(太田 朗・加藤 泰彦(編) 『英語学大系』 8--11巻) 大修館書店,1972--85年.
 ・ 佐々木 達・木原 研三(編) 『英語学人名辞典』,研究社,1995年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語史・歴史英語学 --- 文献解題書誌と文献目録書誌』 研究社,1997年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語学要語辞典』 研究社,2002年.
 ・ 寺澤 芳雄・川崎 潔 (編) 『英語史総合年表?英語史・英語学史・英米文学史・外面史?』 研究社,1993年.
 ・ 松浪 有・池上 嘉彦・今井 邦彦(編) 『大修館英語学事典』 大修館書店,1983年.
 ・ Bergs, Alexander and Laurel J. Brinton, eds. English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012.
 ・ Bergs, Alexander and Laurel J. Brinton, eds. The History of English. 5 vols. Berlin/Boston: Gruyter, 2017.
 ・ Biber, Douglas, Stig Johansson, Geoffrey Leech, Susan Conrad, and Edward Finegan, eds. Longman Grammar of Spoken and Written English. Harlow: Pearson Education, 1999.
 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of the English Language. Cambridge: CUP, 1995. 2nd ed. 2003.
 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of Language. Cambridge: CUP, 1995. 2nd ed. 2003. 3rd ed. 2019.
 ・ Hogg, Richard M., ed. The Cambridge History of the English Language. 6 vols. Cambridge: CUP, 1992--2001.
 ・ Huddleston, Rodney and Geoffrey K. Pullum, eds. The Cambridge Grammar of the English Language. Cambridge: CUP, 2002.
 ・ McArthur, Tom, ed. The Oxford Companion to the English Language. Oxford: OUP, 1992.
 ・ Quirk, Randolph, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, and Jan Svartvik. A Comprehensive Grammar of the English Language. London: Longman, 1985.

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2021-04-01 Thu

#4357. 新年度の英語史導入キャンペーンを開始します [notice][hel_education][link][hellog_entry_set]

 本日より新年度が始まります.本ブログが扱っている「英語史」という分野は明らかにマイナーな科目です.大学のいわゆる英文科の外では一般に知られていない科目と思われますし,英文科ですら必修科目でないことも多くなってきて,履修する大学生も減っているかもしれません.
 しかし,英語史を専門に研究・教育している私(=慶應義塾大学・文学部・英米文学専攻の堀田隆一)としては,年度初めのこの時期に「英語史」を売り込むべき立場ですので,今後しばらくのあいだ本ブログでも,これまで以上に力を込めてその魅力を発信していきたいと思います.
 新年度の英語史導入キャンペーンの初日ということで,まずは文字通り英語史への導入のメッセージを贈ります.

 (1) 「英語史」という響きが小難しいのは仕方ありませんが,本当はそうでもありません.英語の歴史です.普通です.「なぜ a apple ではなく an apple なのか?」「なぜ3単現に -s を付けるのか?」「なぜ If I were a bird となるのか?」などの素朴な疑問にも,納得のいく答えを与えてくれる知恵の学問です.

 (2) もっと根本的な問題として,なぜ私たち義務教育で英語を学ぶことになっているのでしょうか? なぜ英語が世界中でこれほど強力な言語となっているのでしょうか? 答えは,英語は世界共通語だから.確かにそうでしょう.しかし,なぜそうなのでしょうか? その歴史的な原因を探り「なぜ英語を学ばざるを得ない状況になっているのか」という本質的な問題に明確な答えを与えてくれるのが,英語史という分野です.

 (3) 自分は英語を習得できればよいのであって,英語「史」などには興味はない,という考え方は理解できます.とりわけ英語を使わざるを得ない環境にある方々にとっては,まずは英語習得が最大の関心事でしょう.しかし,日本で生活する日本語母語話者で,そこまで切羽詰まっている人は,実はそれほど多くないと思います.英語はできるにこしたことはないし,当然習得したいと思っている,しかし生活のために絶対に必要であるという追い詰められた環境の人は少ないでしょう.
 英語を一歩引いた立ち位置から眺められる,少し余裕のある大多数の人々にこそ,英語史という分野に注目してもらいたいと思っています.英語学習そのものに没入することは,もちろん推奨します(私も英語教師の一人ですので,それを否定したら首が飛びます)が,一歩引いて英語を眺める機会をもつと,英語学習においてもぐんと気が楽になり,モチベーションも上がります.英語史を通じて,英語という学習ターゲットの正体がはっきり分かるようになるからです.対戦相手の素性を知ってから立ち向かうほうが,当然ストレスも軽減します.

 (4) なぜ英語史を学ぶのかという真面目な疑問を抱いた方は,ぜひこちらの記事群をじっくりお読みください.

 慶應義塾大学でも数日後に新学期が始まりますが,この4月,5月は私のゼミの学部生・院生たちの協力も得ながら英語史導入キャンペーンを張り,皆さんの英語史の学びを推奨していく予定です.ぜひ毎日更新する本ブログ(および,その広報としてのツイッターアカウント @chariderryu)をチェックしてもらえればと思います.
 英語史の世界にようこそ!

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2021-03-22 Mon

#4347. 講座「英語の歴史と語源」の第9回「百年戦争と黒死病」を終えました [asacul][notice][history][hundred_years_war][black_death][reestablishment_of_english][covid][link][slide]

 先日の記事「#4338. 講座「英語の歴史と語源」の第9回「百年戦争と黒死病」のご案内」 ([2021-03-13-1]) でお知らせしたように,3月20日(土)の15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・9 百年戦争と黒死病」を開講しました.数ヶ月に一度,ゆっくり続けているシリーズですが,いよいよ中世も終わりに近づいて来ました.
 今回も厳しいコロナ禍の状況のなかで参加していただいた皆さんには感謝致します.熱心な質問やコメントもたくさんのいただき,ありがとうございました.
 今回は,黒死病が重要テーマの1つということもあり,タイムリーを狙って「[特別編]コロナ禍と英語」という話題から始めました.その後,14--15世紀の2大事件ともいえる百年戦争 (hundred_years_war) と黒死病 (black_death) を取り上げ,その英語史上の意義を論じました.このような歴史上の大事件は,確かに後世の私たちにも強烈な印象を与えますが,その時代までに醸成されていた歴史の潮流を後押しする促進剤にすぎず,必ずしも事件そのものが本質的で決定的な役割を果たすわけではないと議論しました.現在のコロナ禍も大きな社会変化を引き起こしていると言われますが,本当のところは,既存の潮流を促進しているという点にこそ歴史上の意義があるのかもしれません.
 今回の講座で用いたスライドをこちらに公開しておきます.以下にスライドの各ページへのリンクも張っておきます.

   1. 英語の歴史と語源・9 「百年戦争と黒死病」
   2. 第9回 百年戦争と黒死病
   3. 目次
   4. 1. [特別編]コロナ禍と英語
   5. OED の特集記事
   6. 2. 英語の地位の低下と復権(1066?1500年)
   7. 英語の復権の歩み (#131)
   8. 3. 百年戦争 (Hundred Years War)
   9. 百年戦争前後の略年表
   10. 百年戦争と英語の復権
   11. 4. 黒死病 (Black Death)
   12. 黒死病の社会(言語学)的影響 (1)
   13. 黒死病と社会(言語学)的影響 (2)
   14. 英語による教育の始まり (#1206)
   15. 実は当時の英語(中英語)は繁栄していた
   16. 黒死病は英語の復権に拍車をかけたにすぎない
   17. まとめ
   18. 参考文献

 次回のシリーズ第10回は2021年5月29日(土)の15:30?18:45を予定しています.印欧祖語から始まった講座も,いよいよ近代に突入します.お題は「大航海時代と活版印刷術」です.この話題について,再び皆さんと議論できればと思います.講座の詳細はこちらからどうぞ.

Referrer (Inside): [2022-03-12-1]

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2021-01-15 Fri

#4281. ICAMET --- 中英語散文コーパス [icamet][corpus][me][link]

 ICAMET (= Innsbruck Computer Archive of Machine-Readable English Texts) は,約780万語(私の持っている古い Version 2.4 は約600万語ほど)からなる中英語散文コーパスである.2012年以来手元に置いていたもののほとんど活用する機会のなかったコーパスだが,同コーパスを用いた谷の論文によって思い出した次第.当時 CD-ROM で購入した有料コーパスだが,ICAMET 以外にも tagged Brown Corpus, Wall Street Journal, Switchboard tagged が含まれていた.ICAMET のファイル形式は doc と rtf で,テキストの annotation が COCOA 方式で与えられている.
 中英語テキストを含むコーパスといえば代表的なものとして以下が思い浮かぶが,このラインナップに ICAMET が加わるとなかなか強力な布陣だ.

 ・ Helsinki Corpus (HC) の中英語部分
 ・ The Penn-Helsinki Parsed Corpus of Middle English, second edition (PPCME2)
 ・ Corpus of Middle English Prose and Verse
 ・ The Middle English Grammar Corpus (MEG-C)
 ・ The Parsed Corpus of Middle English Poetry (PCMEP)

 上記コーパスにはそれぞれの特徴があるが,今回は ICAMET に注目する.まず,ジャンルとしては中英語散文のみが含まれているという点が特異である.規模については,Version 2.4 に基づいた谷 (63) によれば,次の通り.

世紀1212--131313--141414--1515Total
ファイル数38911413111159
茯????110,45458,692344,2683,996704,137378,0804,349,8085,949,435
%1.91.05.80.111.96.473.1100


 全体で約600万語というコーパスサイズは,Helsinki Corpus の中英語部分の約10倍であり,PPCME2 の約5倍である.時代の分布としては14世紀と15世紀を合わせて91.4%となっており,相当に後期中英語に偏っている.この点は使用に際して注意すべき点だろう.
 中英語コーパスについては,「#3282. The Parsed Corpus of Middle English Poetry (PCMEP)」 ([2018-04-22-1]) も参照.

 ・ 谷 明信 「ICAMET 中英語散文コーパスを用いた認識動詞 wit の衰退の調査」『コーパスと英語史』堀 正広・赤野 一郎(監修),西村 秀男(編).ひつじ書房.2019年.59--95頁.
 ・ Markus, Manfred, ed. The Middle English Prose Corpus of the ICAMET. U of Innsbruck, 2003.

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2021-01-01 Fri

#4267. 2020年によく読まれた記事 [link][sobokunagimon][notice]

 明けましておめでとうございます.本年は皆さんにとって良い年になることを切に祈っています.何が起こっても学びが止まらないよう,英語史ブログとしては本年も話題を提供し続けていきます.引き続き,よろしくお願い申し上げます.
 この1年間でどのような記事がよく読まれてきたか,ざっと調べてみました.12月30日付のアクセス・ランキング (access ranking) のトップ500記事をご覧ください(参考までに昨年版の「#3901. 2019年によく読まれた記事」 ([2020-01-01-1]) もどうぞ).とりわけ昨年中に執筆した本ブログの記事のなかでよく読まれたものを,以下に一覧しておきます.

 ・ 「#4044. なぜ活字体とブロック体の小文字 <a> の字形は違うのですか?」 ([2020-05-23-1]) (2335)
 ・ 「#4069. なぜ live の発音は動詞では「リヴ」,形容詞だと「ライヴ」なのですか?」 ([2020-06-17-1]) (1930)
 ・ 「#4017. なぜ前置詞の後では人称代名詞は目的格を取るのですか?」 ([2020-04-26-1]) (1779)
 ・ 「#3925. 電子メールの返信で用いる引用の ">" は,実は中世の句読記号」 ([2020-01-25-1]) (1383)
 ・ 「#4052. 「今日の素朴な疑問」コーナーを設けました」 ([2020-05-31-1]) (1071)
 ・ 「#4019. ぜひ英語史学習・教育のために hellog の活用を!」 ([2020-04-28-1]) (927)
 ・ 「#3941. なぜ hour, honour, honest, heir では h が発音されないのですか?」 ([2020-02-10-1]) (888)
 ・ 「#4050. 言語における記述主義と規範主義」 ([2020-05-29-1]) (835)
 ・ 「#3976. 英語史における黒死病の意義」 ([2020-03-16-1]) (796)
 ・ 「#4035. stay at homestay home か --- 英語史の観点から」 ([2020-05-14-1]) (757)
 ・ 「#4039. 言語における性とはフェチである」 ([2020-05-18-1]) (754)
 ・ 「#4045. 英語に関する素朴な疑問を1385件集めました」 ([2020-05-24-1]) (752)
 ・ 「#4047. 「英語の英米差」のまとめ --- hellog 記事リンク集」 ([2020-05-26-1]) (689)
 ・ 「#4024. なぜ JapaneseChinese などは単複同形なのですか? (1)」 ([2020-05-03-1]) (683)
 ・ 「#3983. 言語学でいう法 (mood) とは何ですか? (1)」 ([2020-03-23-1]) (672)
 ・ 「#4071. 意外や意外 able と -able は別語源」 ([2020-06-19-1]) (589)
 ・ 「#4026. なぜ JapaneseChinese などは単複同形なのですか? (3)」 ([2020-05-05-1]) (556)
 ・ 「#4060. なぜ「精神」を意味する spirit が「蒸留酒」をも意味するのか?」 ([2020-06-08-1]) (539)
 ・ 「#3969. ラテン語,古ノルド語,ケルト語,フランス語が英語に及ぼした影響を比較する」 ([2020-03-09-1]) (537)
 ・ 「#4036. stay at homestay home か --- コーパス調査」 ([2020-05-15-1]) (531)
 ・ 「#4042. anti- は「アンティ」か「アンタイ」か --- 英語史掲示板での質問」 ([2020-05-21-1]) (497)
 ・ 「#3979. 古英語期に文証される古ノルド語からの借用語のサンプル」 ([2020-03-19-1]) (480)
 ・ 「#3948. 『英語教育』の連載第12回「なぜアメリカ英語はイギリス英語と異なっているのか」」 ([2020-02-17-1]) (460)
 ・ 「#3982. 古ノルド語借用語の音韻的特徴」 ([2020-03-22-1]) (458)
 ・ 「#3940. 形容詞を作る接尾辞 -al と -ar」 ([2020-02-09-1]) (417)
 ・ 「#3999. want の英語史 --- 語源と意味変化」 ([2020-04-08-1]) (414)

 ほかに,昨年は6月辺りから新しい試みとして hellog ラジオ版 を始めました.コロナ禍でありとあらゆるものがオンラインとなり,皆PCやスマホとにらめっこの時間が増えたこともあり,眼の負担軽減のためにも,新種の刺激のためにも,「耳から入る」英語史ブログにチャレンジしてみました.素朴な疑問への回答を中心とした,なるべくハードルの低い内容を取りそろえてきました.今年も,ラジオ版においても本編においても,英語に関する素朴な疑問を多く取り上げていく予定です.関連して,参考までに英語に関する素朴な疑問の一覧もどうぞ.
 今年も多かれ少なかれオンラインでの学びが続くことと思いますが,英語史を学ぶための hellog の活用法として「#4019. ぜひ英語史学習・教育のために hellog の活用を!」 ([2020-04-28-1]) の記事も是非ご一読ください.

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2020-12-31 Thu

#4266. 講座「英語の歴史と語源」の第8回「ジョン失地王とマグナカルタ」を終えました [asacul][notice][monarch][french][history][reestablishment_of_english][magna_carta][link][slide]

 「#4254. 講座「英語の歴史と語源」の第8回「ジョン失地王とマグナカルタ」のご案内」 ([2020-12-19-1]) でお知らせしたように,12月26日(土)の15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・8 ジョン失地王とマグナカルタ」と題して話しました.ゆっくりと続けているシリーズですが,毎回,参加者の皆さんから熱心な質問やコメントをいただきながら,楽しく進めています.ありがとうございます.
 今回は英語史としてもイングランド史としても地味な13世紀に注目してみました.歴代イングランド王のなかで最も不人気なジョン王と,ジョンが諸侯らに呑まされたマグナカルタを軸に,続くヘンリー3世までの時代背景を概観した上で,当時の英語を位置づけてみようと試みました.そして最後には,同世紀の初期と後期を代表する中英語の原文を堪能しました.難しかったでしょうか,どうだったでしょうか.私自身も,資料を作成しながら,地味な13世紀も見方を変えてみれば英語史的に非常におもしろい時代となることを確認できました.
 講座で用いたスライドをこちらに公開しておきます.以下にスライドの各ページへのリンクも張っておきます.

   1. 英語の歴史と語源・8 「ジョン失地王とマグナカルタ」
   2. 第8回 ジョン失地王とマグナカルタ
   3. 目次
   4. 1. ジョン失地王
   5. 関連略年表
   6. 2. マグナカルタ
   7. マグナカルタの当時および後世の評価
   8. Carta or Charter
   9. Magna or Great
   10. ヘンリー3世
   11. 3. 国家と言語の方向づけの13世紀
   12. 4. 13世紀の英語
   13. The Owl and the Nightingale 『梟とナイチンゲール』の冒頭12行
   14. "The Proclamation of Henry III" 「ヘンリー3世の宣言書」
   15. まとめ
   16. 参考文献

 次回のシリーズ第9回は2021年3月20日(土)の15:30?18:45を予定しています.話題は,不運にもタイムリーとなってしまった「百年戦争と黒死病」です.戦争や疫病が,いかにして言語の運命を変えるか,じっくり議論していきたいと思います.詳細はこちらからどうぞ.

Referrer (Inside): [2022-03-12-1]

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2020-11-07 Sat

#4212. ゼミのホームページがオープンしました [notice][hel_education][link][chiguhagu_channel][khelf]

 大学で運営している私の「英語史ゼミ」のホームページ が立ち上がりました.毎年度この時期は、慶應義塾大学文学部英米文学専攻の学部2年生が、翌3年次より所属することになる専門ゼミを選択し、志望する時期にあたるので、当該ゼミとしても広報を始めた次第です.これまでは紙のフライヤーなどを作っていたのですが、今回はご時世によりオンライン仕様に切り替え、現役ゼミ生に HP を立ち上げてもらいました.こちらからどうぞ.
 HP で "khelf" と銘打っているのは "Keio History of the English Language Forum" の頭字語 (acronym) です.このフォーラムは、正確にいえば私の学部の英語史ゼミのみならず、大学院の英語史ゼミも含み(←むしろ重要な貢献者)、さらにその他少数の学生や関係者を含む「内輪」のグループです.内輪ではありますが、本ブログと並行して、英語史の学習・研究・教育に関する情報発信の場となることを期待しつつ、この機会にパブリック化する次第です.
 この小さなフォーラムの内部では、年がら年中、英語史に関する何らかの話題が飛び交っています.最近盛り上がっているものの1つが「ちぐはぐチャンネル」です.学部生によって端緒が開かれ、院生によって整備されてきた「チャンネル」(共有している電子掲示板のスレッドのことをこう呼んでいます)です.具体的には「英語の○○と△△って、ちぐはぐじゃない?」という英語(史)に関する一発ネタを誰かがツイート風にコメントし、他の誰かが気の赴くままにコメントバックしたり、しなかったり、というだけの活動です.しかし、侮るなかれ、キレのある秀逸な「ちぐはぐ」投稿は、すでにレポートや卒論のテーマへと発展し得るポテンシャルを示しつつあります.上の HP のメニューより「掲示板」を選ぶと、そこから「ちぐはぐチャンネル」のサンプル投稿へのリンクにたどりつけます.具体例をいくつか示してみると、こんな感じです.

 ・ four (4), fourteen(14), forty(40) .forty だけ 'u' を綴らない.ちぐはぐ?
 ・ 中高で現在完了と ago は共起できないと教えられるのに、助動詞+have p.p. は ago と共起できるのはちぐはぐ?
 ・ 同じ「世界中」を意味するのに、語順を入れ替えた2つのバージョンともに可能.all over the world と all the world over.ちょっとした統語的ちぐはぐと考えられる?
 ・ 身近な家族を表す英単語で、父は father,母は mother,兄弟は brother と -ther で終わっているのに,姉妹は sister .語源はまだ調べていませんが,ちぐはぐ?
 ・ Turkey (トルコ)と turkey(七面鳥).語頭の大文字・小文字で意味がちぐはぐ.

と,こんな軽いノリですが,いかがでしょうか.
 ゼミ選定でアレコレ悩んでいる英米文学専攻の2年生も多いと思いますが,ぜひ新設 HP の情報を参考にしてもらえればと思います.

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2020-10-06 Tue

#4180. 講座「英語の歴史と語源」の第7回「ノルマン征服とノルマン王朝」を終えました [asacul][notice][norman_conquest][monarch][french][history][link][slide]

 「#4170. 講座「英語の歴史と語源」の第7回「ノルマン征服とノルマン王朝」のご案内」 ([2020-09-26-1]) でお知らせしたように,10月3日(土)の15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・7 ノルマン征服とノルマン王朝」と題する講演を行ないました.久し振りのシリーズ再開でしたが,ご出席の皆さんとは質疑応答の時間ももつことができました.ありがとうございます.
 ノルマン征服 (norman_conquest) については,これまでもその英語史上の意義について「#2047. ノルマン征服の英語史上の意義」 ([2014-12-04-1]),「#3107. 「ノルマン征服と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-29-1]) 等で論じてきましたが,今回の講座では,ノルマン征服という大事件のみならず,ノルマン王朝イングランド (1066--1154) という88年間の時間幅をもった時代とその王室エピソードに焦点を当て,そこから英語史を考え直すということを試してみました.いかがだったでしょうか.講座で用いたスライドをこちらに公開しておきます.以下にスライドの各ページへのリンクも張っておきます.

   1. 英語の歴史と語源・7 「ノルマン征服とノルマン王朝」
   2. 第7回 ノルマン征服とノルマン王朝
   3. 目次
   4. 1. ノルマン征服,ten sixty-six
   5. ノルマン人とノルマンディの起源
   6. エマ=「ノルマンの宝石」
   7. 1066年
   9. ノルマン王家の仲違いとその後への影響
   10. ウィリアム2世「赤顔王」(在位1087--1100)
   11. ヘンリー1世「碩学王」(在位1100--1135)
   12. 皇妃マティルダ(生没年1102--1167)
   13. スティーヴン(在位1135--1154)
   14. ヘンリー2世(在位1154--1181)
   15. 3. 英語への社会的影響
   16. ノルマン人の流入とイングランドの言語状況
   17. 4. 英語への言語的影響
   18. 語彙への影響
   19. 綴字への影響
   20. ノルマン・フランス語と中央フランス語
   21. ノルマン征服がなかったら,英語は・・・?
   22. まとめ
   23. 補遺: 「ウィリアムの文書」 (William’s writ)
   24. 参考文献

 次回は12月26日(土)の15:30?18:45を予定しています.話題は,今回のノルマン王朝に続くプランタジネット王朝の前期に注目した「ジョン失地王とマグナカルタ」についてです.いかにして英語がフランス語の「くびき」から解放されていくことになるかを考えます.詳細はこちらからどうぞ.

Referrer (Inside): [2022-03-12-1]

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2020-09-26 Sat

#4170. 講座「英語の歴史と語源」の第7回「ノルマン征服とノルマン王朝」のご案内 [asacul][notice][norman_conquest][french][history][link]

 10月3日(土)の15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・7 ノルマン征服とノルマン王朝」と題する講演を行ないます.趣旨は以下の通りです.

1066年のノルマン征服はイギリス史上最大の事件といわれますが,英語史の観点からも,その後の英語がたどってゆく進路を大きく方向づけた点できわめて重大な出来事でした.以後,英語はノルマン王朝の公用語であるフランス語との接触を強め,主に語彙,語法,綴字の領域で大きな言語的影響を被ることになりました.また,当時英語が一時的にフランス語のくびきの下で社会的権威を奪われ,標準形をも失ったという事実は,近代以降の英語の世界的な発展を思うとき,実に意味深長です.本講座で,ノルマン征服の英語史上の意義を改めて考えてみましょう.


 ノルマン征服とは? ノルマン人とは何者? 彼らは何語を話していたのか? イングランドや英語とはどのような関係があるのか? 現代の英語にいかなる影響を及ぼしたのか? 英国史のみならず英語史においても計り知れないインパクトをもつ1066年の事件とその余波に迫ります.
 本シリーズもしばらく中断を余儀なくされていましたが,久し振りの再開となります.関心のある方は是非お申し込みください.よろしくどうぞ.

Referrer (Inside): [2020-10-06-1]

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2020-06-26 Fri

#4078. LEME = Lexicons of Early Modern English [leme][lexicography][dictionary][emode][lexicology][website][link][cawdrey][mulcaster][etymological_respelling]

 一昨日,昨日の記事 ([2020-06-24-1], [2020-06-25-1]) で,古英語には DOE という辞書が,中英語には MED という辞書が揃っていることをみたが,(初期)近代英語期の辞書はないのだろうか.
 初期近代英語辞書は古くより望まれていたが,現状としてはない.Shakespeare の辞書や The King James Bible のコンコーダンスはあるが,同時代を広く扱う辞書は存在していないのである.
 しかし,そのような辞書の代わりとなるようなデータベースは存在する.標題の LEME (= Lexicons of Early Modern English) である.これは初期近代英語期に文証される語を辞書編纂用に収集したリストというよりも,当時書かれた1400冊ほどの辞書や語彙集をそのままデータベース化したものである.現代英語の語彙に対応させると6万を超える語彙項目を数えるという.先行の Early Modern English Dictionaries Database (EMEDD) を受けて発展してきたプロジェクトで,およそ1480--1755年の間に書かれた辞書類の印刷本や写本が収集されてきた.公式サイトの案内によると「辞書類」とは "monolingual, bilingual, and polyglot dictionaries, lexical encyclopedias, hard-word glossaries, spelling lists, and lexically-valuable treatises" とのことである.このデータベース全体を一種の複合辞書とみなすことはできるが,現代人が現代の辞書編纂技術をもって当時の語を記述したという意味での「辞書」ではなく,あくまで同時代の人々の語感が込められた(ある意味で新歴史主義的な)「辞書」ということになろう.
 私自身は LEME をまったく使いこなせていないが,様々な検索が可能なようで,一度じっくりと勉強したいと思っている.辞書編纂はいくぶんなりとも意識的な語彙の選択・使用を前提としているという点で,そうではない一般のコーパスにみられる語彙の選択・使用と比較してみるとおもしろいかもしれない.例えば,初期近代英語期に特徴的な語源的綴字 (etymological_respelling) の使用を調査するとき,辞書に示される綴字は LEME で,一般の綴字は EEBO corpus などで調べて比較してみるという研究が考えられる.
 初期近代英語期の辞書事情は,それ自体が英語史上の1つの研究テーマとなりうる懐の深さがある.本ブログでも,以下を始めとして多くの記事で取り上げてきた.そこで触れてきた辞書も,およそ LEME に含まれているようだ.

 ・ 「#603. 最初の英英辞書 A Table Alphabeticall (1)」 ([2010-12-21-1])
 ・ 「#604. 最初の英英辞書 A Table Alphabeticall (2)」 ([2010-12-22-1])
 ・ 「#1609. Cawdrey の辞書をデータベース化」 ([2013-09-22-1])
 ・ 「#609. 難語辞書の17世紀」 ([2010-12-27-1])
 ・ 「#610. 脱難語辞書の18世紀」 ([2010-12-28-1])
 ・ 「#1995. Mulcaster の語彙リスト "generall table" における語源的綴字」 ([2014-10-13-1])
 ・ 「#3224. Thomas Harman, A Caveat or Warening for Common Cursetors (1567)」 ([2018-02-23-1])
 ・ 「#3544. 英語辞書史の略年表」 ([2019-01-09-1])

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2020-06-25 Thu

#4077. MED の辞書としての特徴 [lexicography][dictionary][med][me][corpus][website][link][bibliography][onomastics]

 昨日の記事「#4076. Dictionary of Old EnglishDictionary of Old English Corpus」 ([2020-06-24-1]) に引き続き,英語史研究にはなくてはならないツールについて.中英語研究といえば,何をおいても MED を挙げなければならない (Kurath, Hans, Sherman M. Kuhn, John Reidy, and Robert E. Lewis. Middle English Dictionary. Ann Arbor: U of Michigan P, 1952--2001. Available online at http://quod.lib.umich.edu/m/med/) .昨日の DOE と DOEC の関係と同様に,MED にも関連する MEC というコーパスがあり,こちらもたいへん有用である (MEC = McSparran, Frances, ed. Middle English Compendium. Ann Arbor: U of Michigan P, 2006. Available online at http://quod.lib.umich.edu/m/mec/) .
 MED は1952年に最初の小冊が出版され,1991年に最後の小冊が出版されて完成した.その後,2000年にオンライン版の Middle English Compendium に組み込まれ,使い勝手が大幅に向上した.細かな検索ができることはもちろん,hyperbibliography の充実振りが嬉しい.56,000件ほどの見出し語を誇る中英語最大の辞書であることはいうにおよばず,中英語研究史上の最大の成果物といえる.2018年にはほぼ20年振りの改訂版が公開され,現在も中英語研究の第一線を走っている.
 MED には,使用に当たって知っておくべきいくつかの特徴がある.Durkin (1150--52) に拠って指摘しておこう.まず,MED は,語義に多くの注意を払う辞書だということだ.OED ではある語の語形を大きな基準として記述を仕分けているが,MED のエントリーの最大の構成原理は語義である.ある意味では語形の違いなどは方言差と割り切って,LALME や LAEME に委ねているといった風である.しかし,この語義優先という特徴により,語学的な研究のみならず,文化的,歴史的な研究にも資するツールとなっているという側面がある.
 語義の重視と関連して,MED は該当語の固有名詞としての使用にも意を払っている.たいてい最後の語義として言及されるが,これは固有名詞研究や歴史研究に有用である.多言語テキストに記されている英語の地名なども拾い上げられており,他言語文献や言語接触の研究にも資する情報である.
 MED で惜しむらく点は,語源記述が少ないことだ.直前の古英語形や借用語であればソース言語での形態などを挙げているにとどまり,深みがない.
 最後に指摘しておくべきは,例文に付されている年代について,(1) 写本(証拠)そのものの年代と,(2) テキストが作成されたとおぼしき年代とが,分けて記されている点である(後者はカッコでくくられている).両年代を念頭におけば,例えば異写本間での語形の比較に際して貴重な判断材料となるだろう.この重要な情報は,diplomatic な読みを追求する文献学的な関心に答えてくれる可能性を秘めている.
 関連して「#4016. 中英語研究のための基本的なオンライン・リソース」 ([2020-04-25-1]) も参照.

 ・ Durkin, Philip. "Resources: Lexicographic Resources." Chapter 73 of English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Ed. Alexander Bergs and Laurel J. Brinton. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012. 1149--63.

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2020-06-24 Wed

#4076. Dictionary of Old EnglishDictionary of Old English Corpus [lexicography][dictionary][doe][corpus][oe][website][link][bibliography]

 標題の辞書は,目下進行中の古英語辞書編纂プロジェクトの所産である(cf. 「#3006. 古英語の辞書」 ([2017-07-20-1])).進行中なので未完成ということになるが,現在 The Dictionary of Old English (DOE) のサイト より,Dictionary of Old English: A to I online, ed. Angus Cameron, Ashley Crandell Amos, Antonette diPaolo Healey et al. (Toronto: Dictionary of Old English Project, 2018). の項目をオンラインで閲覧・参照できる(限定利用できる無料版あり).
 この DOE と連動する形で古英語コーパス (DOEC) の編纂も同時に進行しており,Dictionary of Old English Web Corpus よりオンラインでアクセスできるようになっている(限定利用できる無料版あり).現存する古英語の文献資料は語数にして約300万語とされ,網羅的な目録を編纂し,網羅的な検索ツールを作ることは可能な範囲である.DOEC は,そのような目的の下,DOE 編纂プロジェクトの一環として,まず高頻度語を収録したマイクロフィッシュ版が1980年と1985年に公開された.その後,1997年にオンライン版が公開される一方,2005年には A--F までの項目を収録した CD-ROM 版も世に出た.その後も現在に至るまで,編纂者たちの地道な努力によって公開項目が増してきている.
 DOE の各語のエントリーでは,文証されるスペリング,語義や用例,(翻訳テキストの場合)対応するラテン単語などの情報が得られ,OED への参照を含めた参考資料へのアクセスも提供されている.
 この世に完璧なツールはないように,DOE(C) にも使用に際して注意すべき点はある.古英語テキストに複数のバージョンがある場合,文献学的には各々の単語の variants の情報が得られることが望ましいが,DOE(C) ではテキストによってその収録幅に揺れがある.また,語としての variants はおよそ拾い上げられているとしても,統語的,形態的,音韻的な意義をもつ variants にはさほど意が払われていない.さらに,書記上の省略が暗黙のうちに展開されているという点にも注意が必要である.語源情報が与えられていない点も,辞書として残念ではある.
 それでも,古英語研究における DOE の重要性と期待の大きさは計りしれない.OED にも古英語単語は収録されているが,あくまで部分的であり,1150年を超えて生き延びた古英語単語に限定されている.編纂プロジェクトのインスピレーション自体は,OED の初版が完成されつつあった100年ほど前の Craigie のアイディアに由来するというから,実に息の長いプロジェクトなのである.応援していきましょう.
 DOEC については,CoRD (Corpus Resource Database) よりこちらの情報もどうぞ.

 ・ Lowe, Kathryn A. "Resources: Early Textual Resources." Chapter 71 of English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Ed. Alexander Bergs and Laurel J. Brinton. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012. 1119--31.
 ・ Traxel, Oliver M. "Resources: Electronic/Online Resources." Chapter 72 of English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Ed. Alexander Bergs and Laurel J. Brinton. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012. 1131--48.
 ・ Durkin, Philip. "Resources: Lexicographic Resources." Chapter 73 of English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Ed. Alexander Bergs and Laurel J. Brinton. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012. 1149--63.

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2020-05-29 Fri

#4050. 言語における記述主義と規範主義 [terminology][prescriptivism][linguistics][hellog_entry_set][prescriptive_grammar][link]

 先日,Merriam-Webster のサイトで "A Word on 'Descriptive' and 'Prescriptive' Defining" と題する記事を読んだ.言語に関する記述主義 (descriptivism) と規範主義 (prescriptivism) の定義が,対比的に分かりやすく示されていた.日本語にせよ英語にせよ,このように的確に要点を押さえ,易しく,レトリカルな言葉使いを心がけたいものだと思わせる,すぐれた定義だと思う.原文に少しだけ手を加え,かつ対比点を目立たせると,次の通りである.

 ・ Descriptivism reflects how words are actually used.
 ・ Prescriptivism dictates how words ought to be used.


 大学生などに言語学や英語学の分野を導入する際に,いつも難しく感じるのだが,その難しさは,まさにこの記述主義と規範主義の区別をいかに伝えるかという点に存する.何年間も英文法を学んできて,国語でも現代文や古文の文法を学んできた学生(のみならず一般の人々)にとって,言語を規範主義の視点からみるということは自然であり,慣れ親しんでもいる.もっといえば,入試の英語でも資格試験の英語でも,言葉使いには,数学の答えと同様に,明確な正誤があるのだと信じ込んでいる.ある文法なり発音なりに出会うと,どうしてもそれが正しいか誤りかという目線で見てしまうのだ.このように規範主義的な見方にどっぷり浸かってしまっているために,それが邪魔となって,記述主義の視点から言葉をみるという,現代言語学が原則として採っている立場をすんなりと理解することが難しいのかもしれない.現代言語学は規範主義ではなく記述主義の立場に立っている.まずは,これをしっかり理解することが重要である.
 一方,近年の英語史のように,歴史社会言語学的な発想を積極的に取り込む言語学の分野においては,言葉に対する規範主義の発達や意義そのものを考察対象にするという傾向も目立ってきている.いわば規範主義そのものを記述していこうという試みだ.また,記述主義と規範主義とは実は連続体であり,程度の問題にすぎないという洞察も出されるようになってきた.
 記述主義と規範主義を巡る問題は,以下の記事でも考えてきた.以下の各々,あるいはこちらの記事セット経由で,改めて考察してもらいたい.

 ・ 「#747. 記述と規範」 ([2011-05-14-1])
 ・ 「#1684. 規範文法と記述文法」 ([2013-12-06-1])
 ・ 「#1929. 言語学の立場から規範主義的言語観をどう見るべきか」 ([2014-08-08-1])
 ・ 「#2630. 規範主義を英語史(記述)に統合することについて」 ([2016-07-09-1])
 ・ 「#2631. Curzan 曰く「言語は川であり,規範主義は堤防である」」 ([2016-07-10-1])
 ・ 「#3047. 言語学者と規範主義者の対話が必要」 ([2017-08-30-1])
 ・ 「#3323. 「ことばの規範意識は,変動相場制です」」 ([2018-06-02-1])

Referrer (Inside): [2021-01-01-1]

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2020-05-26 Tue

#4047. 「英語の英米差」のまとめ --- hellog 記事リンク集 [ame_bre][link][hel_education][ame][bre][webster]

 何年も英語史のレポートや卒論を見てきましたが,英語の英米差に関する話題は常に人気のあるテーマです.英語史の授業でも,英米差の話題となると学生の反応が明らかに異なります.多くの英語学習者にとって,英語の英米差はそれくらい身近で興味を引かれるトピックなのだろうと思います.
 本ブログでも英語の英米差に注目した多数の記事を書いてきました.以下にサブテーマごとに記事をグループ化し整理しましたので,順に読んでいけば英語の英米差を巡る様々な視点を体系的に学習することができます.そこから,ぜひ英語の英米差についての新しい問題を提起し,調査していってもらえればと思います.なお筆者一押しの記事は,英語史連載企画の一環として執筆した「イギリス英語の autumn とアメリカ英語の fall --- 複線的思考のすすめ」です.
 その他,アメリカ英語やイギリス英語の個別の話題について,amebre の多くの記事もご参照ください.

[まず英語の英米差クイズで腕試し]

 ・ 「#357. American English or British English?」
 ・ 「#359. American English or British English? の解答」

[英語の英米差の概論]

 ・ 「#1343. 英語の英米差を整理(主として発音と語彙)」
 ・ 「#3948. 『英語教育』の連載第12回「なぜアメリカ英語はイギリス英語と異なっているのか」」
 ・ 「#3472. 慶友会講演 (1) --- 「歴史上の大事件と英語」」

[発音の英米差]

 ・ 「#211. spelling pronunciation
 ・ 「#406. Labov の New York City /r/」
 ・ 「#419. A Mid-Atlantic variety of English」
 ・ 「#945. either の2つの発音」
 ・ 「#964. z の文字の発音 (1)」
 ・ 「#965. z の文字の発音 (2)」
 ・ 「#3573. accomplishone の強勢母音の変異」

[スペリング・表記の英米差]

 ・ 「#240. 綴字の英米差は大きいか小さいか?」
 ・ 「#244. 綴字の英米差のリスト」
 ・ 「#305. -ise か -ize か」
 ・ 「#1097. quotation marks」
 ・ 「#2093. <gauge> vs <gage>」
 ・ 「#2437. 3文字規則に屈したイギリス英語の <axe>」
 ・ 「#3182. ARCHER で colourcolor の通時的英米差を調査」
 ・ 「#3247. 講座「スペリングでたどる英語の歴史」の第5回「color か colour か? --- アメリカのスペリング」」
 ・ 「#3934. イギリスの er とアメリカの uh

[文法の英米差]

 ・ 「#312. 文法の英米差」
 ・ 「#325. mandative subjunctiveshould
 ・ 「#3351. アメリカ英語での "mandative subjunctive" の使用は "colonial lag" ではなく「復活」か?」

[語彙・語法の英米差]

 ・ 「#510. アメリカ英語における whilst の消失」
 ・ 「#880. いかにもイギリス英語,いかにもアメリカ英語の単語」
 ・ 「#1754. queue
 ・ 「#2916. 連載第4回「イギリス英語の autumn とアメリカ英語の fall --- 複線的思考のすすめ」」
 ・ 「#2925. autumn vs fall, zed vs zee
 ・ 「#3448. autumn vs fall --- Johnson と Pickering より」
 ・ 「#982. アメリカ英語の口語に頻出する flat adverb
 ・ 「#1346. 付加疑問はどのくらいよく使われるか?」
 ・ 「#4036. stay at homestay home か --- コーパス調査」

[英語の英米差の類型]

 ・ 「#627. 2変種間の通時比較によって得られる言語的差異の類型論」
 ・ 「#628. 2変種間の通時比較によって得られる言語的差異の類型論 (2)」
 ・ 「#1331. 語彙の英米差を整理するための術語」
 ・ 「#2268. 「なまり」の異なり方に関する共時的な類型論」

[英語の英米差に関する歴史的背景]

 ・ 「#3087. Noah Webster」
 ・ 「#468. アメリカ語を作ろうとした Webster」
 ・ 「#3086. アメリカの独立とアメリカ英語への思い」
 ・ 「#851. イギリス英語に対するアメリカ英語の影響は第2次世界大戦から」
 ・ 「#1855. アメリカ英語で先に進んでいた3単現の -th → -s
 ・ 「#2261. イギリスからアメリカへの移民の出身地 (1)」
 ・ 「#2262. イギリスからアメリカへの移民の出身地 (2)」
 ・ 「#2270. イギリスからアメリカへの移民の出身地 (3)」
 ・ 「#3089. 「アメリカ独立戦争と英語」のまとめスライド」
 ・ 「#3953. アメリカ英語の non-rhotic 変種の起源を巡る問題」

[英語の英米差を巡る社会言語学とイデオロギー問題]

 ・ 「#315. イギリス英語はアメリカ英語に比べて保守的か」
 ・ 「#1266. アメリカ英語に "colonial lag" はあるか (1)」
 ・ 「#1267. アメリカ英語に "colonial lag" はあるか (2)」
 ・ 「#1268. アメリカ英語に "colonial lag" はあるか (3)」
 ・ 「#1304. アメリカ英語の「保守性」」
 ・ 「#1318. 言語において保守的とは何か?」
 ・ 「#2926. アメリカとアメリカ英語の「保守性」」
 ・ 「#3201. アメリカ英語の「保守性」について --- Algeo and Pyles の見解」
 ・ 「#2672. イギリス英語は発音に,アメリカ英語は文法に社会言語学的な価値を置く?」
 ・ 「#3280. アメリカにおける民族・言語的不寛容さの歴史的背景」
 ・ 「#1010. 英語の英米差について Martinet からの一言」

[英語の英米差を調査するためのツールやその他の情報]

 ・ 「#428. The Brown family of corpora の利用上の注意」
 ・ 「#607. Google Books Ngram Viewer」
 ・ 「#1305. 統語タグのついた Google Books Ngram Corpus」
 ・ 「#1730. AmE-BrE 2006 Frequency Comparer」
 ・ 「#1739. AmE-BrE Diachronic Frequency Comparer」
 ・ 「#2186. 研究社Webマガジンの記事「コーパスで探る英語の英米差 ―― 基礎編 ――」」
 ・ 「#2216. 研究社Webマガジンの記事「コーパスで探る英語の英米差 ―― 実践編 ――」」
 ・ 「#1321. BNC Frequency Extractor」
 ・ 「#1322. ANC Frequency Extractor」
 ・ 「#773. PPCMBE と COHA の比較」

[英語の英米差を超えた諸変種間の比較]

 ・ 「#2388. 世界の主要な英語変種の音韻的分類」
 ・ 「#2668. 現代世界の英語変種を理解するための英語方言史と英語比較社会言語学」
 ・ 「#1743. ICE Frequency Comparer」

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2020-04-28 Tue

#4019. ぜひ英語史学習・教育のために hellog の活用を! [hel_education][link][hellog_entry_set]

 国内の大学では新年度の授業が始まったか,始まりつつあり,5月はオンライン授業たけなわの月となるところが多いのではないでしょうか.私の所属する慶應義塾大学も明後日に学期がオープンします.英語史関連の授業も始まります.
 本ブログもそろそろ12年目に突入しますが,英語史を中心としつつ英語学,日本語学,言語学,歴史学,英文学など関連諸分野についても少しずつ記事を書きためてきたので,英語史周りのウェブ資料としてはそれなりの量になってきました.私自身は個人的に一日に何度も hellog 内検索を行ないますし(たいてい書いた内容を自分でも忘れているか,書いたこと自体も忘れていることが多い),公にも大学の講義・演習や大学外の講座などで hellog 記事を参照するなど日常的に利用してきました.実際 hellog 資料だけで授業1コマを運営することもしばしばです.「この記事とあの記事を読んで考えておいてください」といえば予習にも復習にもなり便利です.そこで改めて考えてみたら,hellog は昨今のにわかトレンドともいうべきオンライン授業と非常に相性がよいのではないかと思いついた次第です.
 このコロナ禍のなか,世のため人のために何かできることはないかと数週間を過ごしてきましたが,たいしたこともできそうにないと分かったので,本分に専念します.そこで,年度初めでもありますし,まずは英語史を専攻する一研究者として,同分野の知識と魅力を伝える一教育者として,英語史(および英語)を学び始める(そして学び続ける)方々に,これまで以上に意識的に関連情報を届けようと決めました.
 英語史学習のための hellog の活用法をブレストしてみました.英語史を教える方々にも参考になれば幸いです.

 (1) 英語に関する素朴な疑問への回答を始め,とにかくおもしろいネタを読みたいという場合は,英語に関する素朴な疑問集アクセス・ランキングのトップ500記事を読んでください.英語史への入り口として.

 (2) カテゴリー検索により,あるテーマに基づいた「記事セット」をまとめて表示させて,ひたすら読むのもよいと思います.各記事には内容の分類を示すカテゴリー(タグ)が付されています.およそ英語のキーワードかキーフレーズとなっており,トップページの右欄の少し下にアルファベット順で全記事からのカテゴリー一覧があります.適当なものをクリックすると,そのカテゴリーのテーマについての記事群が現われます.あるいはトップページ上部の検索欄に "cat:indo-european" などとしても可ですし,カテゴリーは角カッコでくくる慣習なので "[indo-european]" としても似たような検索結果が返ってきます.

 (3) 過去の講座等で用いたオンラインのスライド資料を,記事のなかからそのまま提供していることも多いので,cat:slide より一覧をご覧ください.スライド自体の解説はありませんが,ざっと眺めるだけでも学習になると思います.(←解説の音声ファイルを付ければ,まさにオンライン授業ぽくなるので検討中)

 (4) カテゴリーとは別に,あるテーマに基づいた「記事セット」の記事番号一式がカンマ区切りで提供されていれば,それをトップページ上部の検索欄にそのまま入れるだけで,その順序で記事が表示されます.私が授業でよく行なうのは,例えば「英語語彙の世界性」 (cosmopolitan_vocabulary) という話題について講義しようとする場合,"##151,756,201,152,153,390,3308" という構成で記事(とそこに含まれる視覚資料)を順に示して解説していくというやり方があります(先頭の "##" は任意).ほかには「母語と母国語の違い」というテーマならば "##1926,1537,2603" であるとか,「人工言語の問題」であれば "##962,959,961" などもおもしろいと思います.
 個々のブログ記事はあくまで単発の読み切り仕様ですので,それをいくつか組み合わせただけでは必ずしもきれいなストーリーにはなりません.しかし,提示する順番を工夫したり,「つなぎ」の解説がほんの少しでも与えられれば,それなりに滑らかなストーリーとなり得ます.いずれこの種のテーマ別の「記事セット」をいろいろと作ってみたいと思っています.(←音声や文章で「つなぎ」の解説資料をつければ,やはりそのままオンライン授業仕様になりそうです)

 (5) 見映えとして視覚資料が欲しい場合には,地図 (map) や言語系統図 (family_tree) や年表 (timeline) などがお薦めです.漫然と眺めるだけでも,ある程度は学べます.画像集もどうぞ.

 (6) 厳密には hellog 内の記事ではないのですが,企画としては hellog が大本となっていたので,こちらもお薦めしておきます.2017年1月から12月にかけて連載した12本のオンライン記事「現代英語を英語史の視点から考える」です.わりと力を込めて執筆しましたし,分量もあります.英語史の見方を学ぶのに使えると思います.

 (7) オンライン学習といっても,すぐに限界がきます.やはり本を読んでください.昨日の記事「#4018. 英語史概説書等の書誌(2020年度版)」 ([2020-04-27-1]) で推薦図書を挙げています.

 以上,思いつくままに hellog 活用法をブレストしてみました.私自身がオンライン授業を行なう立場にありますので,これからも活用法を模索していくつもりです.

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2020-04-27 Mon

#4018. 英語史概説書等の書誌(2020年度版) [bibliography][hel_education][link]

 遅ればせながら国内の大学も新年度の授業が始まりつつある頃かと思います.新年度に英語史を学び始める人も多いはずですので,英語史概説書を中心に英語史・英語学の基本文献(2020年度版)を掲げておきます.英語史の初学者に特にお薦めの図書に◎を,初学者を卒業した段階のお薦めの図書に○を付してあります.目下の状況で手に入りにくい図書も多いかもしれませんが,今期はこの書誌一覧を手元に置いてもらえればと思います.このほか各図書の巻末やウェブサイトに掲載されている参考文献表も参照してください.印刷用のPDFも作ったので,こちらから自由にどうぞ.

[英語史概説書(日本語)]

 ◎ 家入 葉子  『ベーシック英語史』 ひつじ書房,2007年.
 ・ 宇賀治 正朋 『英語史』 開拓社,2000年.
 ◎ 唐澤 一友 『多民族の国イギリス---4つの切り口から英国史を知る』 春風社,2008年.
 ◎ 唐澤 一友 『英語のルーツ』 春風社,2011年.
 ・ サイモン・ホロビン(著),堀田 隆一(訳) 『スペリングの英語史』 早川書房,2017年.
 ◎ 寺澤 盾 『英語の歴史』 中央公論新社〈中公新書〉,2008年.
 ・ 中尾 俊夫,寺島 廸子 『図説英語史入門』 大修館書店,1988年.
 ・ 橋本 功 『英語史入門』 慶應義塾大学出版会,2005年.
 ◎ 堀田 隆一 『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』 中央大学出版部,2011年.
 ○ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
 ・ 松浪 有 編,小川 浩,小倉 美知子,児馬 修,浦田 和幸,本名 信行 『英語の歴史』 大修館書店,1995年.
 ・ 柳 朋宏 『英語の歴史をたどる旅』 中部大学ブックシリーズ Acta 30,風媒社,2019年.
 ・ 渡部 昇一 『英語の歴史』 大修館,1983年.

[英語史関連のウェブサイト]

 ・ 家入 葉子 「英語史全般(基本文献等)」 https://iyeiri.com/569 .(より抜かれた基本文献のリスト)
 ・ 堀田 隆一 「hellog?英語史ブログ」 2009年5月1日?,http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/
 ・ 堀田 隆一 「連載 現代英語を英語史の視点から考える」 2017年1月?12月,http://www.kenkyusha.co.jp/uploads/history_of_english/series.html
 ・ 三浦 あゆみ 「A Gateway to Studying HEL: Textbooks(日本語編)」 http://www013.upp.so-net.ne.jp/HEL/textbooks.html .(充実した英語史の文献リスト)

[英語史概説書(英語)]

 ・ Algeo, John, and Thomas Pyles. The Origins and Development of the English Language. 5th ed. Thomson Wadsworth, 2005.
 ◎ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
 ・ Blake, N. F. A History of the English Language. Basingstoke: Macmillan, 1996.
 ○ Bradley, Henry. The Making of English. London: Macmillan, 1955.
 ○ Bragg, Melvyn. The Adventure of English. New York: Arcade, 2003.
 ・ Brinton, Laurel J. and Leslie K. Arnovick. The English Language: A Linguistic History. Oxford: OUP, 2006.
 ・ Bryson, Bill. Mother Tongue: The Story of the English Language. London: Penguin, 1990.
 ・ Crystal, David. The Stories of English. London: Penguin, 2005.
 ○ Fennell, Barbara A. A History of English: A Sociolinguistic Approach. Malden, MA: Blackwell, 2001.
 ・ Gelderen, Elly van. A History of the English Language. Amsterdam, John Benjamins, 2006.
 ・ Görlach, Manfred. The Linguistic History of English. Basingstoke: Macmillan, 1997.
 ○ Gooden, Philip. The Story of English: How the English Language Conquered the World. London: Quercus, 2009.
 ・ Horobin, Simon. Does Spelling Matter? Oxford: OUP, 2013.
 ◎ Horobin, Simon. How English Became English: A Short History of a Global Language. Oxford: OUP, 2016.
 ・ Jespersen, Otto. Growth and Structure of the English Language. 10th ed. Chicago: U of Chicago, 1982.
 ○ Knowles, Gerry. A Cultural History of the English Language. London: Arnold, 1997.
 ・ McCrum, Robert, William Cran, and Robert MacNeil. The Story of English. 3rd rev. ed. London: Penguin, 2003.
 ・ Smith, Jeremy J. An Historical Study of English: Function, Form and Change. London: Routledge, 1996.
 ・ Strang, Barbara M. H. A History of English. London: Methuen, 1970.
 ○ Svartvik, Jan and Geoffrey Leech. English: One Tongue, Many Voices. Basingstoke: Palgrave Macmillan, 2006.

[英語史・英語学の参考図書]

 ・ 荒木 一雄,安井 稔(編) 『現代英文法辞典』 三省堂,1992年.
 ・ 石橋 幸太郎(編) 『現代英語学辞典』 成美堂,1973年.
 ・ 大泉 昭夫(編) 『英語史・歴史英語学:文献解題書誌と文献目録書誌』 研究社,1997年.
 ・ 大塚 高信,中島 文雄(監修) 『新英語学辞典』 研究社,1982年.
 ・ 小野 茂(他) 『英語史』(太田朗, 加藤泰彦編 『英語学大系』 8--11巻) 大修館書店,1972--85年.
 ・ 佐々木 達,木原 研三(編) 『英語学人名辞典』,研究社,1995年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語史・歴史英語学 --- 文献解題書誌と文献目録書誌』 研究社,1997年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語学要語辞典』 研究社,2002年.
 ・ 寺澤 芳雄,川崎 潔 (編) 『英語史総合年表?英語史・英語学史・英米文学史・外面史?』 研究社,1993年.
 ・ 松浪 有,池上 嘉彦,今井 邦彦(編) 『大修館英語学事典』 大修館書店,1983年.
 ・ Biber, Douglas, Stig Johansson, Geoffrey Leech, Susan Conrad, and Edward Finegan, eds. Longman Grammar of Spoken and Written English. Harlow: Pearson Education, 1999.
 ・ The Cambridge History of the English Language. Vols. 1--7. Ed. Richard M. Hogg. 1992--2001.
 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of the English Language. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. 2nd ed. 2003.
 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of Language. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. 2nd ed. 2003. 3rd ed. 2019.
 ・ English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Ed. Alexander Bergs and Laurel J. Brinton. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012.
 ・ Huddleston, Rodney and Geoffrey K. Pullum, eds. The Cambridge Grammar of the English Language. Cambridge: CUP, 2002.
 ・ McArthur, Tom, ed. The Oxford Companion to the English Language. Oxford: Oxford University Press, 1992.
 ・ The Oxford English Dictionary. 2nd ed. CD-ROM. Oxford: Oxford University Press, 1992. Version 3.1. 2004. (Also available online as Oxford English Dictionary Online at http://www.oed.com/ .)
 ・ Quirk, Randolph, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, and Jan Svartvik. A Comprehensive Grammar of the English Language. London: Longman, 1985.

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2020-04-25 Sat

#4016. 中英語研究のための基本的なオンライン・リソース [bibliography][website][link][corpus][dictionary][hel_education][auchinleck][oed][htoed][laeme][lalme][med][ceec][me]

 標記について,Smith (47--48) の参考文献表よりいくつか抜き出し,整理し,リンクを張ってみた(現時点で生きたリンクであることを確認済み).本ブログでは,その他各種のオンライン・リソースも紹介してきたが,まとめきれないので link を参照.とりわけ Chaucer 関連のリンクは「#290. Chaucer に関する Web resources」 ([2010-02-11-1]) をどうぞ.



 ・ AM = Burnley, David and Alison Wiggins, eds. Auchinleck Manuscript. National Library of Scotland, 2003. Available online at http://www.nls.uk/auchinleck/ .
 ・ CEEC = Nevalainen, Terttu, Helena Raumolin-Brunberg, Jukka Keränen, Minna Nevala, Arja Nurmi, and Minna Palander-Collin. Corpus of Early English Correspondence (CEEC). Department of English, U of Helsinki. Available online at https://varieng.helsinki.fi/CoRD/corpora/CEEC/index.html .
 ・ CSC = Meurman-Solin, Anneli. Corpus of Scottish Correspondence. U of Helsinki, 2007. Available online at https://varieng.helsinki.fi/CoRD/corpora/CSC/ .
 ・ CTP = Robinson, Peter and Barbara Bordalejo. The Canterbury Tales Project. Institute of Textual Scholarship and Electronic Editing, U of Birmingham, 1996--. Available online at http://server30087.uk2net.com/canterburytalesproject.com/index.html .
 ・ HTOED = Kay, Christian, Jane Roberts, Michael Samuels, and Irené Wotherspoon, eds. Historical Thesaurus of the Oxford English Dictionary. Oxford: OUP, 2009. Available online via http://www.oed.com/ .
 ・ LAEME = Laing, Margaret and Roger Lass. LAEME: A Linguistic Atlas of Early Middle English, 1150--1325. U of Edinburgh, 2007. Available online at http://www.lel.ed.ac.uk/ihd/laeme2/laeme2.html .
 ・ LALME = McIntosh, Angus, Michael Samuels, and Michael Benskin, with Margaret Laing and Keith Williamson. A Linguistic Atlas of Late Mediaeval English (LALME). Aberdeen: Aberdeen UP, 1986. Available online as eLALME at http://www.lel.ed.ac.uk/ihd/elalme/elalme_frames.html .
 ・ LAOS = Williamson, Keith. A Linguistic Atlas of Older Scots, Phase 1: 1380--1500 (LAOS). 2007. Available online at http://www.lel.ed.ac.uk/ihd/laos1/laos1.html .
 ・ MEC = McSparran, Frances, ed. Middle English Compendium. Ann Arbor: U of Michigan P, 2006. Available online at http://quod.lib.umich.edu/m/mec/ .
 ・ MED = Kurath, Hans, Sherman M. Kuhn, John Reidy, and Robert E. Lewis. Middle English Dictionary. Ann Arbor: U of Michigan P, 1952--2001. Available online at http://quod.lib.umich.edu/m/med/ .
 ・ MEG-C = Stenroos, Merja, Martti Mákinen, Simon Horobin, and Jeremy Smith. The Middle English Grammar Corpus (MEG-C). Version 2011.2. Available online at https://www.uis.no/research/history-languages-and-literature/the-mest-programme/the-middle-english-grammar-corpus-meg-c/ .
 ・ OED = Simpson, John, ed. The Oxford English Dictionary. 3rd ed. Oxford UP, 2000--. Available online at http://www.oed.com/.
 ・ TOE = Edmonds, Flora, Christian Kay, Jane Roberts, and Irené Wotherspoon. Thesaurus of Old English. U of Glasgow, 2005. Available online at https://oldenglishthesaurus.arts.gla.ac.uk/ .
 ・ VARIENG = Nevalainen, Terttu, Irma Taavitsainen, and Sirpa Leppänen. The Research Unit for Variation, Contacts and Change in English (VARIENG). Department of English, U of Helsinki. Available online at https://varieng.helsinki.fi/index.html .



 ・ Smith, Jeremy J. "Periods: Middle English." Chapter 3 of English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Ed. Alexander Bergs and Laurel J. Brinton. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012. 32--48.

Referrer (Inside): [2020-06-25-1]

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2020-04-14 Tue

#4005. オンラインの「まさにゃんチャンネル」 --- 英語史の観点から英単語を学ぶ [hel_education][youtube][link][etymology][masanyan]

 コロナ禍の影響で,今期,多くの大学の授業の基調はオンライン授業(遠隔授業)となる見込みです.私の所属する慶應義塾大学も例外ではなく,今年度の私の英語史その他の講義もオンラインとなります.にわかにオンライン授業が活気づいてきたこの機会に,英単語を英語史や語源の観点から学べる「まさにゃんチャンネル」の YouTube 動画を紹介したいと思います.本ブログの趣旨とも合致する学習動画です.
 高校生をターゲットにした語源から英単語を学ぶ楽しさを伝える一連の動画で,単語も話題も構成も実によく練られています.その弁舌からは,講師の英語史への熱い想いも伝わってきます.高校生の皆さんも,そうでない皆さんも,これをきっかけに英語史や語源の話題に関心をもってもらえればと思います.
 動画の作者に,今回のシリーズ企画「語源で学ぶ英単語」を担当することになった経緯をうかがうことができました.

YouTube の予備校「ただよび」・河合塾英語講師の森田鉄也先生が YouTube 上で開催された英語講師オーディションに応募し,決勝戦に進出.おしくも優勝は逃したものの,動画内容を評価していただき今回このシリーズ企画を担当させてもらう運びとなりました.またこの動画のメインターゲットは大学受験を目指して英単語を覚えようとしている高校生です.ただ,同時に英語好きの大学生や大人にも楽しんでもらえる動画になるように意識して作りました.


 上で触れられている英語講師オーディションの決勝戦の様子はこちらです.そして「語源で学ぶ英単語」のシリーズそのものはこちら(全7回を連続で再生)からどうぞ.各回の動画へのリンクは以下の通りです.

第1回「英語の始まり」
第2回「グリムの法則で繋がる英単語」
第3回「古英語由来の接頭辞/動詞の語法」
第4回「同語源の意外な単語」
第5回「ヴァイキングの襲来と古ノルド語」
第6回「ヴァイキングが英文法に与えた影響」
最終回「なぜ英語には類義語が多いのか」

 作者の森田真登さんは,慶應義塾大学文学研究科英米文学専攻博士課程に在籍し,英語史を専攻しています.つまり身内ということなのでした.よろしくどうぞ.

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2020-03-28 Sat

#3988. 講座「英語の歴史と語源」の第6回「ヴァイキングの侵攻」を終えました [asacul][notice][slide][link][old_norse][lexicology][loan_word][borrowing][contact][history]

 「#3977. 講座「英語の歴史と語源」の第6回「ヴァイキングの侵攻」のご案内」 ([2020-03-17-1]) でお知らせしたように,3月21日(土)の15:15?18:30に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・6 ヴァイキングの侵攻」と題する講演を行ないました.新型コロナウィルス禍のなかで何かと心配しましたが,お集まりの方々からは時間を超過するほどたくさんの質問をいただきました.ありがとうございました.
 講座で用いたスライド資料をこちらに置いておきます.以下にスライドの各ページへのリンクも張っておきます.

   1. 英語の歴史と語源・6 「ヴァイキングの侵攻」
   2. 第6回 ヴァイキングの侵攻
   3. 目次
   4. 1. ヴァイキング時代
   5. Viking の語源説
   6. ヴァイキングのブリテン島襲来
   7. 2. 英語と古ノルド語の関係
   8. 3. 古ノルド語から借用された英単語
   9. 古ノルド借用語の日常性
   10. 古ノルド借用語の音韻的特徴
   11. いくつかの日常的な古ノルド借用語について
   12. イングランドの地名の古ノルド語要素
   13. 英語人名の古ノルド語要素
   14. 古ノルド語からの意味借用
   15. 4. 古ノルド語の語彙以外への影響
   16. なぜ英語の語順は「主語+動詞+目的語」なのか?
   17. 5. 言語接触の濃密さ
   18. 言語接触の種々のモデル
   19. まとめ
   20. 参考文献

 次回は4月18日(土)の15:30?18:45を予定しています(新型コロナウィルスの影響がますます心配ですが).「ノルマン征服とノルマン王朝」と題して,かの1066年の事件の英語史上の意義を考えます.詳細はこちらよりどうぞ.

Referrer (Inside): [2022-07-08-1] [2022-03-12-1]

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2020-03-27 Fri

#3987. 古ノルド語の影響があり得る言語項目 (2) [old_norse][contact][syntax][word_order][phrasal_verb][plural][link]

 「#1253. 古ノルド語の影響があり得る言語項目」 ([2012-10-01-1]) で挙げたリストに,Dance (1735) を参照し,いくつか項目を追加しておきたい.いずれも実証が待たれる仮説というレベルである.

 (1) the marked increase in productivity of the derivational verbal affixes -n- (as in harden, deepen) and -l- (e.g. crackle, sparkle)
 (2) the rise of the "phrasal verb" (verb plus adverb/preposition) at the expense of the verbal prefix, most persuasively the development of up in an aspectual (completive) function
 (3) certain aspects of v2 syntax (including the development of 'CP-v2' syntax in northern Middle English)
 (4) the general shift to VO order

 上記 (1) については,「#1877. 動詞を作る接頭辞 en- と接尾辞 -en」 ([2014-06-17-1]) で関連する話題に触れているので,そちらも参照.
 (2) については,関連して「#2396. フランス語からの句の借用に対する慎重論」 ([2015-11-18-1]) を参照.
 (3), (4) は統語現象だが,とりわけ (4) は大きな仮説である.これについては拙著『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』(中央大学出版部,2011年)の第5章第4節でも論じている.さらに以下の記事やリンク先の話題も合わせてどうぞ.

 ・ 「#1170. 古ノルド語との言語接触と屈折の衰退」 ([2012-07-10-1])
 ・ 「#3131. 連載第11回「なぜ英語はSVOの語順なのか?(前編)」」 ([2017-11-22-1]) (連載記事への直接ジャンプはこちら
 ・ 「#3160. 連載第12回「なぜ英語はSVOの語順なのか?(後編)」」 ([2017-12-21-1]) (連載記事への直接ジャンプはこちら
 ・ 「#3733.『英語教育』の連載第5回「なぜ英語は語順が厳格に決まっているのか」」 ([2019-07-17-1])

 最後にリストに加えるのを忘れていたもう1つの項目があった.

 (5) the spread of the s-plural

 これは,私自身が詳細に論じている説である.詳しくは Hotta をご覧ください.

 ・ Dance, Richard. "English in Contact: Norse." Chapter 110 of English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Ed. Alexander Bergs and Laurel J. Brinton. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012. 1724--37.
 ・ 堀田 隆一 『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』 中央大学出版部,2011年.
 ・ Hotta, Ryuichi. The Development of the Nominal Plural Forms in Early Middle English. Tokyo: Hituzi Syobo, 2009.

Referrer (Inside): [2022-07-08-1] [2022-05-30-1]

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