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hel_education - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2024-04-27 09:58

2024-04-24 Wed

#5476. 「ゼロから学ぶはじめての古英語」 Part 5 with 小河舜さん and まさにゃん [voicy][heldio][masanyan][ogawashun][oe][oe_text][bede][christianity][anglo-saxon][st_augustine][hajimeteno_koeigo][hel_education][notice][popular_passage][history][literature]


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 4月18日(木)の夜,Voicy heldio にて「#1057. 「はじめての古英語」生放送 with 小河舜さん&まさにゃん --- Bede を読む (2)」をお届けしました.ライヴでお聴きいただいたリスナーの方々には,盛り上げていただき感謝いたします.
 前回に引き続き,精読対象となったテキストは,Bede によりラテン語で著わされた『英国民教会史』 (Historia Ecclesiastica Gentis Anglorum [= Ecclesiastical History of the English People]) の古英語訳からの1節です.3人で60分ほどかけてわずか1.5文しか進みませんでしたが,それだけ「超」精読・解説したということでお許しいただければと思います.同テキストは hellog の「古英語の原文を読む --- 597年,イングランドでキリスト教の布教が始まる」 ([2024-03-23-1]) に掲載しています.
 Bede については,heldio 「#1029. 尊師ベーダ --- The Venerable Bede」にて解説していますので,そちらもお聴きください.
 復習のために,これまでの「はじめての古英語」シリーズ回を一覧しておきます.

 (1) 「#822. ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 1 with 小河舜さん and まさにゃん」
 (2) 「#829. ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 2 with 小河舜さん and まさにゃん」
 (3) 「#836. ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 3 with 小河舜さん and まさにゃん」
 (4) 「#1030. 「はじめての古英語」生放送 with 小河舜さん&まさにゃん --- Bede を読む」
 (5) 「#1057. 「はじめての古英語」生放送 with 小河舜さん&まさにゃん --- Bede を読む (2)」

 今回の第5弾の収録の舞台裏については,プレミアム限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) のほうで「【英語史の輪 #111】「はじめての古英語」生放送の反省会&アフタートーク」としてお話ししていますので,ご関心のある方はぜひ helwa へお入りください.
 最後に,本シリーズ出演者の小河舜さん(上智大学)「まさにゃん」こと森田真登さん(武蔵野学院大学)については,以下の記事をご覧ください.

 ・ 「#5445. 小河舜さんとのhel活(まとめ)」 ([2024-03-24-1])
 ・ 「#5446. まさにゃんとのhel活(まとめ)」 ([2024-03-25-1])

 今後も応援のほどよろしくお願い致します! 本シリーズ第6弾もお楽しみに!

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2024-04-13 Sat

#5465. khelf 企画「英語史コンテンツ50+」が今年度もスタートしました [notice][khelf][hel_education][hel_contents_50_2024][helkatsu][voicy][heldio]

khelf logo    khelf banner
(このアイコンとバナーは khelf メンバーが作成)


 khelf(慶應英語史フォーラム)では,学びの意欲が高まる毎年度始まりに,様々なお祭りイベントを企画しています.その第1弾が,一昨日4月10日にスタートした「英語史コンテンツ50+」です.現役の大学院生と学部生を中心とする khelf メンバーの各々が,休日を除く毎日,順次1つずつ英語史に関するコンテンツを khelf HP 上に公開していくというイベントです.駅伝式のバトンリレーなので途中で息切れしてしまう可能性が常にあり,企画運営側としてはハラハラなのですが,何とかつないでいきたいと思います.
 2021年度に始まった季節イベントで今年度で4年目となりますが,今年度はコンテンツ提供者が khelf 外にも広がっていきます.バトンリレーの後半戦での掲載になると思いますが,khelf 外の大学(院)生も英語史コンテンツを貢献してくれることになっています.これにより最終的には50件以上のコンテンツが公開となる見込みです.したがって「英語史コンテンツ50+」とタイトルの終わりに「+」がついています.
 2024年度の「英語史コンテンツ50+」のトップバッターは,khelf 会長の青木輝さんです.続いて khelf シニアメンバーの大学院生が続いています.本日までに公開されている最初の4本のコンテンツへリンクを張ります.

 ・ 「#1. "A" History of the English Language」(4月10日, 青木輝さん(慶應義塾大学大学院生)によるコンテンツ)
 ・ 「#2. 欲しいもの,買えますか?」(4月11日, 慶應義塾大学大学院生によるコンテンツ)
 ・ 「#3. ある地図から考える言語についてのあれこれ」(4月12日, 高山真梨子さん(慶應義塾大学大学院生)によるコンテンツ)
 ・ 「#4. iPhoneはスマホになるか?」(4月13日, 慶應義塾大学大学院生によるコンテンツ)

 こちら4本を含め今後公開されてくるコンテンツも,新年度に英語史に初めて触れる読者を意識した導入的な話題が多くなってくると思います.英語史コンテンツはいずれも気軽に読める短いエッセイで,「英語史」を日常化するための素材としても最適です.hellogheldio とともに「英語史コンテンツ50+」を訪問することを,ぜひ日々の習慣にしていただければ幸いです.日々のコンテンツ公開情報は khelf の公式ツイッターアカウント @khelf_keio からもお知らせしていきます.ぜひフォローいただき,リマインダーとしてご利用ください.
 前述の通り,本イベントの実施は,今回で4年目となります.第1回は「英語史導入企画2021」として49本のコンテンツが,第2回は「英語史コンテンツ50 (2022)」として59本のコンテンツが,第3回は「英語史コンテンツ50 (2023)」として50本のコンテンツが公開されてきました.アーカイヴとしていつでも閲覧・ダウンロード可能ですので,英語史成分の摂取がまだ足りないという方は,そちらもご覧ください.また,以下の記事では過年度のベスト10コンテンツを紹介しています.

 ・ 2021年度のベスト10:「#4726. 昨年度のコンテンツ企画のベスト10」 ([2022-04-05-1])
 ・ 2022年度のベスト10:「#5102. 2022年度の英語史コンテンツのベスト10 --- 昨年度の振り返り」 ([2023-04-16-1])
 ・ 2023年度のベスト10:「#5447. 2023年度の英語史コンテンツ企画のベスト10 --- 昨年度の振り返り」 ([2024-03-26-1])

 学生による英語史活動の一環としてのイベントですので温かく見守っていただければ幸いです.学びの応援のほど,どうぞよろしくお願いいたします.
 「英語史コンテンツ50+」の企画については,先日の heldio でもご紹介しました.音声で聴きたいという方は,ぜひ「#1047. khelf 企画「英語史コンテンツ50+」が今年度もスタート」もどうぞ.


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2024-04-11 Thu

#5463. 2024年度の「英語史」講義が始まります --- 慶應義塾大学文学部英米文学専攻の必修科目 [hel_education][hellog][heldio][hellog_entry_set][link][helkatsu][notice]

 本日,慶應義塾大学文学部英米文学専攻の必修科目の1つ「英語史」の講義が開講します.主に専攻の2年生が履修する科目です,1年間(2セメスター)かけて,英語という言語の有為転変の歴史を紡いでいきます.
 重要な初回講義は,主に本ブログの記事を組み合わせることで英語史への導入を図ります.以下のセクションには多くの情報が詰め込まれていますが,履修生の皆さんは,今回の講義ですべてを消化できなくても,いつでもこの記事に戻ってきてください.
 また,一般の hellog 読者の方々も,以下のリンクを通じて,初回講義を部分的・擬似的に体験できるかと思います.特に年度始まりの4, 5, 6月は khelf(慶應英語史フォーラム)活動の一環として「英語史コンテンツ50+」企画も始まっていますし,ほかにも様々な形で英語史の学びを促す活動「hel活」 (helkatsu) を展開していく予定です.英語史に関心のあるすべての方々の学びを応援しますので,ぜひ以下のリンクを1つひとつたどっていただければ.



1. イントロ
   1.1. 不定冠詞 aan について: 「#831. Why "an apple"?」 ([2011-08-06-1]),heldio 「#1. なぜ A pen なのに AN apple なの?」
   1.2. 「英語史」講義担当者の紹介: note 「堀田隆一のプロフィール」heldio 「#408. 自己紹介:英語史研究者の堀田隆一です」,「#2. 自己紹介」 ([2009-05-01-2])
2. 英語史の世界へようこそ
   2.1. 英語史の魅力4点: 「#4546. 新学期の始まりに,英語史の学び方」 ([2021-10-07-1])
      (1) 英語の見方が180度変わる
      (2) 英語と歴史(社会科)がミックスした不思議な感覚の科目
      (3) 素朴な疑問こそがおもしろい
      (4) 現代英語に戻ってくる英語史
   2.2. 「#4361. 英語史は「英語の歴史」というよりも「英語と歴史」」 ([2021-04-05-1]): 魅力 (2) に通じます
   2.3. 「なぜ英語史を学ぶのか」の記事セット: 様々な角度から「なぜ学ぶのか」を検討してみました(cf. heldio 「#444. 英語史を学ぶとこんなに良いことがある!」heldio 「#112. 英語史って何のため?」でも取り上げています)
3. 英語に関する素朴な疑問
   3.1. 「#1093. 英語に関する素朴な疑問を募集」 ([2012-04-24-1]): 魅力 (3) に通じます
   3.2. 3166件の素朴な疑問
   3.3. これまで hellog で取り上げてきた素朴な疑問集
   3.4. 知識共有サービス「Mond」で英語・言語に関する素朴な疑問に回答しています
   3.5. この講義で Slido (質疑応答サービス)を利用して英語に関する素朴な疑問を募集します(こちらからアクセスしてください)
4. 英語史を日常の風景に
   4.1. 「#5097. hellog の読み方(2023年度版)」 ([2023-04-11-1]): 2009年5月1日より毎日更新している英語史のブログです.この hellog の効果的な使い方の tips をどうぞ.
   4.2. 音声コンテンツ一覧 (heldio & hellog-radio): hellog の音声版というべき Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」 (heldio) .2021年6月2日より毎朝6時に1本10分ほどで英語史の話題をお届けしています.日々の英語史の学びのためにフォローしてください.英語史の話題が日常になります.「#5093. heldio の聴き方(2023年度版)」 ([2023-04-07-1]) および「#5098. 英語史を学び始めようと思っている方へ hellog と heldio のお薦め回一覧(2023年度版)」 ([2023-04-12-1]) も参照.
   4.3. 「#5091. khelf の沿革,活動実績,ミッションステートメント」 ([2023-04-05-1]): khelf HPと公式ツイッターアカウント @khelf_keio より情報を発信しています.
   4.4. 「#5426. 『英語史新聞』第8号が発行されました」 ([2024-03-05-1]): 世界初の英語史を主題とする新聞の第8号です.
   4.5. khelf イベント「英語史コンテンツ50+」が始まっています: 昨日4月10日より休日を除く毎日,英語史を専攻するゼミ生・院生から手軽に読める「英語史コンテンツ」がウェブ上にアップされてきます.上記だけでは足りないという方は,過年度の同企画もどうぞ.
   4.6. 「いのほた言語学チャンネル」(旧「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」): 2022年2月26日より同専攻の井上逸兵先生(英語学・言語学)と一緒に週2回(水)と(日)の午後6時に動画を公開しています
5. 講義の進め方
   5.1. 講義スライド,テキスト,課題,試験,評価
   5.2. 指定テキストは英語史の古典的名著 Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.:「#5205. Baugh and Cable の英語史概説書を1節ずつ読み進めながら Voicy heldio で自由にコメントしていく試みを始めています」 ([2023-07-28-1])
   5.3. 英語史の読書案内:「#5462. 英語史概説書等の書誌(2024年度版)」 ([2024-04-10-1]),「#4557. 「英語史への招待:入門書10選」」 ([2021-10-18-1]),heldio 「対談 英語史の入門書」
   5.4. 過年度に「英語史」を履修した先輩たちの言葉: 「#5393. 2023年度,1年間の「英語史」の講義を終えて」 ([2024-02-01-1]),heldio 「#974. 1年間の「英語史」の講義を終えて --- 2023年度版」
6. ライヴで寄せられた英語の素朴な疑問に即興で答える「千本ノック」



 1年間,楽しい英語史ライフをお送りください!

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2024-04-10 Wed

#5462. 英語史概説書等の書誌(2024年度版) [bibliography][hel_education][link]

 毎年度初めの恒例となっていますが,英語史の学習・研究に役立つ書誌の最新版を公表します.
 初学者にお薦めの図書に◎を,初学者を卒業した段階のお薦めの図書に○を付してあります.各図書の巻末などには,たいてい解題書誌や参考文献一覧が含まれていますので,さらに学習を続けたい方は芋づる式にたどっていってください.
 印刷用のPDFをこちらに用意しましたので,自由に閲覧・印刷・配布していただいて結構です.
 関連して以下の記事,および bibliography の記事群もご参照ください.

 ・ 「#4557. 「英語史への招待:入門書10選」」 ([2021-10-18-1])
 ・ 「#4731. 『英語史新聞』新年度号外! --- 英語で書かれた英語史概説書3冊を紹介」 ([2022-04-10-1])
 ・ 「#4870. 英語学入門書の紹介」 ([2022-08-27-1])
 ・ 「#5237. 大阪大学総合図書館発行の「英語史について調べる」」 ([2023-08-29-1])



[英語史(日本語)]

 ◎ 家入 葉子  『ベーシック英語史』 ひつじ書房,2007年.
 ・ 宇賀治 正朋 『英語史』 開拓社,2000年.
 ・ 大石 晴美(編) 『World Englishes 入門』 昭和堂,2023年.
 ◎ 唐澤 一友 『多民族の国イギリス --- 4つの切り口から英国史を知る』 春風社,2008年.
 ○ 唐澤 一友 『英語のルーツ』 春風社,2011年.
 ○ 唐澤 一友 『世界の英語ができるまで』 亜紀書房,2016年.
 ・ 島村 宣男 『新しい英語史 --- シェイクスピアからの眺め ---』 関東学院大学出版会,2006年.
 ◎ 寺澤 盾 『英語の歴史』 中央公論新社〈中公新書〉,2008年.
 ・ 高橋 英光 『英語史を学び英語を学ぶ --- 英語の現在と過去の対話』 開拓社,2020年.
 ・ 中尾 俊夫,寺島 廸子 『図説英語史入門』 大修館書店,1988年.
 ・ 橋本 功 『英語史入門』 慶應義塾大学出版会,2005年.
 ◎ 堀田 隆一 『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』 中央大学出版部,2011年.
 ○ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
 ・ サイモン・ホロビン(著),堀田 隆一(訳) 『スペリングの英語史』 早川書房,2017年.
 ・ 松浪 有(編),小川 浩・小倉 美知子・児馬 修・浦田 和幸・本名 信行(著) 『英語の歴史』 大修館書店,1995年.
 ・ 柳 朋宏 『英語の歴史をたどる旅』 中部大学ブックシリーズ Acta 30,風媒社,2019年.
 ・ 渡部 昇一 『英語の歴史』 大修館,1983年.

[英語史(英語)]

 ○ Algeo, John, and Thomas Pyles. The Origins and Development of the English Language. 5th ed. Thomson Wadsworth, 2005.
 ◎ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
 ・ Blake, N. F. A History of the English Language. Basingstoke: Macmillan, 1996.
 ◎ Bradley, Henry. The Making of English. London: Macmillan, 1955.
 ○ Bragg, Melvyn. The Adventure of English. New York: Arcade, 2003.
 ○ Brinton, Laurel J. and Leslie K. Arnovick. The English Language: A Linguistic History. Oxford: OUP, 2006.
 ・ Bryson, Bill. Mother Tongue: The Story of the English Language. London: Penguin, 1990.
 ・ Crystal, David. The Stories of English. London: Penguin, 2005.
 ◎ Fennell, Barbara A. A History of English: A Sociolinguistic Approach. Malden, MA: Blackwell, 2001.
 ○ Gelderen, Elly van. A History of the English Language. Amsterdam, John Benjamins, 2006.
 ・ Görlach, Manfred. The Linguistic History of English. Basingstoke: Macmillan, 1997.
 ○ Gooden, Philip. The Story of English: How the English Language Conquered the World. London: Quercus, 2009.
 ・ Gramley, Stephan. The History of English: An Introduction. Abingdon: Routledge, 2012.
 ・ Hogg, R. M. and D. Denison, eds. A History of the English Language. Cambridge: CUP, 2006.
 ○ Horobin, Simon. Does Spelling Matter? Oxford: OUP, 2013.
 ◎ Horobin, Simon. How English Became English: A Short History of a Global Language. Oxford: OUP, 2016.
 ・ Jespersen, Otto. Growth and Structure of the English Language. 10th ed. Chicago: U of Chicago, 1982.
 ○ Knowles, Gerry. A Cultural History of the English Language. London: Arnold, 1997.
 ・ McCrum, Robert, William Cran, and Robert MacNeil. The Story of English. 3rd rev. ed. London: Penguin, 2003.
 ・ Mugglestone, Lynda, ed. The Oxford History of English. Oxford: OUP, 2006.
 ・ Smith, Jeremy J. An Historical Study of English: Function, Form and Change. London: Routledge, 1996.
 ○ Strang, Barbara M. H. A History of English. London: Methuen, 1970.
 ○ Svartvik, Jan and Geoffrey Leech. English: One Tongue, Many Voices. Basingstoke: Palgrave Macmillan, 2006.

[英語史関連のウェブサイト]

 ・ 家入 葉子 「英語史全般(基本文献等)」 https://iyeiri.com/569
 ・ 井上 逸兵・堀田 隆一 「YouTube 井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」 2022年2月26日~,https://www.youtube.com/channel/UCth3mYbOZ9WsYgPQa0pxhvw
 ・ 菊地 翔太 「菊地翔太 (Shota Kikuchi) のHP」 https://sites.google.com/view/shotakikuchi
 ・ khelf (慶應英語史フォーラム) 「Keio History of the English Language Forum のHP」 https://sites.google.com/view/khelf-hotta
 ・ 堀田 隆一 「hellog~英語史ブログ」 2009年5月1日~,http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog
 ・ 堀田 隆一 「連載 現代英語を英語史の視点から考える」 2017年1月~12月,http://www.kenkyusha.co.jp/uploads/history_of_english/series.html
 ・ 堀田 隆一 「Voicy 英語の語源が身につくラジオ (heldio)」 2021年6月2日~,https://voicy.jp/channel/1950
 ・ 三浦 あゆみ 「A Gateway to Studying HEL」 https://sites.google.com/view/gatewaytohel
 ・ 矢冨 弘 「矢冨弘 homepage」 https://yadomi1989.wixsite.com/my-site-1

[英語史・英語学の参考図書]

 ・ 荒木 一雄・安井 稔(編) 『現代英文法辞典』 三省堂,1992年.
 ・ 家入 葉子・堀田 隆一 『文献学と英語史研究』 開拓社,2022年.
 ・ 石橋 幸太郎(編) 『現代英語学辞典』 成美堂,1973年.
 ・ 大泉 昭夫(編) 『英語史・歴史英語学:文献解題書誌と文献目録書誌』 研究社,1997年.
 ・ 大塚 高信・中島 文雄(監修) 『新英語学辞典』 研究社,1982年.
 ・ 小野 茂(他) 『英語史』(太田 朗・加藤 泰彦(編) 『英語学大系』 8--11巻) 大修館書店,1972--85年.
 ・ 佐々木 達・木原 研三(編) 『英語学人名辞典』,研究社,1995年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語史・歴史英語学 --- 文献解題書誌と文献目録書誌』 研究社,1997年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語学要語辞典』 研究社,2002年.
 ・ 寺澤 芳雄・川崎 潔 (編) 『英語史総合年表 --- 英語史・英語学史・英米文学史・外面史 ---』 研究社,1993年.
 ・ 服部 義弘・児馬 修(編) 『歴史言語学』 朝倉日英対照言語学シリーズ[発展編]3 朝倉書店,2018年.
 ・ 松浪 有・池上 嘉彦・今井 邦彦(編) 『大修館英語学事典』 大修館書店,1983年.
 ・ Bergs, Alexander and Laurel J. Brinton, eds. English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012.
 ・ Bergs, Alexander and Laurel J. Brinton, eds. The History of English. 5 vols. Berlin/Boston: Gruyter, 2017.
 ・ Biber, Douglas, Stig Johansson, Geoffrey Leech, Susan Conrad, and Edward Finegan, eds. Longman Grammar of Spoken and Written English. Harlow: Pearson Education, 1999.
 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of the English Language. Cambridge: CUP, 1995. 2nd ed. 2003.
 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of Language. Cambridge: CUP, 1995. 2nd ed. 2003. 3rd ed. 2019.
 ・ Hogg, Richard M., ed. The Cambridge History of the English Language. 6 vols. Cambridge: CUP, 1992--2001.
 ・ Huddleston, Rodney and Geoffrey K. Pullum, eds. The Cambridge Grammar of the English Language. Cambridge: CUP, 2002.
 ・ McArthur, Tom, ed. The Oxford Companion to the English Language. Oxford: OUP, 1992.
 ・ Quirk, Randolph, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, and Jan Svartvik. A Comprehensive Grammar of the English Language. London: Longman, 1985.
 ・ van Kemenade, Ans and Bettelou Los, eds. The Handbook of the History of English. Malden, MA: Blackwell, 2006.

Referrer (Inside): [2024-04-11-1]

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2024-04-09 Tue

#5461. この4月,皆さんの「hel活」がスゴいことになっています [khelf][voicy][heldio][helwa][helkatsu][hel_education][note]

 1年のなか最も力強く学びの意欲が湧き出す4月.私の周囲でも英語史の学びを奨励する「hel活」 (helkatsu) が著しくなってきています.皆さんには,ご自身で驚くほどの精力でhel活を推進していただいている,あるいは他の方々のhel活に側面から支援していただいています.
 今回は,3ヶ月ほど前に「#5373. Voicy heldio を通じて「hel活」仲間が増えてきました」 ([2024-01-12-1]) としてすでにご紹介している方々も含め,パワーアップしたhel活支援者のラインナップの抜粋を示します.

 ・ khelf(慶應英語史フォーラム)のメンバー:私の身近なところでは最大の「hel活」推進団体です.『英語史新聞』を季刊で発行しています.HP での広報のほか,X(旧ツイッター)アカウント @khelf_keio からも日々元気にhel活中.
 ・ heldio/helwa のリスナーの皆さん:日々の配信回へのコメント,SNS を通じての広報,企画回や生放送への参加,その他のhel活でお世話になっています.とりわけ最近注目すべき note 上での活動をご紹介します.
   - リスナー umisio さんの note 「heldio の風に乗って」.heldio を聴いて気づいたことをコラムや論文にして投稿されています.
   - リスナー lacolaco さんの note 「英語語源辞典通読ノート」.『英語語源辞典』を A から読み,おもしろい項目のみを抜き出してコメントしていくという,たいへん勉強になるシリーズ記事です.
   - リスナー Grace さんの note 「Voicy で英語の語源が身につくラジオ (heldio) を聴き,言葉についてあれこれ考えることを日課としています」.強力な heldio 推し活が展開されています.
   - リスナー り~みん さんの note 「工学と言語学との狭間にハマってみた」.heldio を推していただいています.
   - ほかには「#5459. 「はじめての古英語」シリーズのオマケとしての古英語音読投稿企画が続いています」 ([2024-04-07-1]) で触れたリスナーさんも.
 ・ heldio/helwa 対談出演者の研究者や学生の皆さんにもお世話になっています.特に最近ご出演いただいた方々を中心にまとめてみます.
   - 菊地翔太先生(専修大学)の HP
   - 矢冨弘先生(熊本学園大学)の HP
   - 小河舜先生(上智大学)の HP
   - 「まさにゃん」こと森田真登先生(武蔵野学院大学)の HP
 ・ そしてもちろん本ブログを毎日お読みいただいている皆さんにも感謝いたします.私の公式 X アカウント @chariderryu からも情報を発信していますので,ぜひフォローをお願い致します.

 hel活に,この4月という絶好のタイミングを利用しない手はありません.hel活のますますの盛り上がりに期待しています.皆さん,どんな形でもけっこうですので,ぜひhel活にご参加いただければと思います.SNS などではぜひ「#hel活」のハッシュタグをご活用ください.私からも,見つけられる限り反応していきたいと思います.
 ちなみに今朝の heldio 「#1044. リスナーさんの著しいhel活をご紹介」でも同じ話題をお届けしています.


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2024-04-07 Sun

#5459. 「はじめての古英語」シリーズのオマケとしての古英語音読投稿企画が続いています [voicy][heldio][ogawashun][masanyan][hajimeteno_koeigo][hel_education][notice][oe_text][helkatsu]


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 3月25日(月)に Voicy heldio の生放送としてお届けした「#1030. 「はじめての古英語」生放送 with 小河舜さん&まさにゃん --- Bede を読む」に対して,多くの反響をいただいています.本ブログでも「#5450. heldio の人気シリーズ復活 --- 「ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 4 with 小河舜さん and まさにゃん」」 ([2024-03-29-1]) にて振り返った通りです.
 上記配信回では「#5444. 古英語の原文を読む --- 597年,イングランドでキリスト教の布教が始まる」 ([2024-03-23-1]) で公開した古英語テキストの一部を,小河舜先生(上智大学)および「まさにゃん」こと森田真登先生(武蔵野学院大学)と3人で精読・解説しました.
 その後,復習用のオマケ・遊びとして,問題の古英語原文を音読・収録し,X(旧ツイッター)上に投稿する "The First Take" の企画を展開しました.3人による一発録り音読を投稿した後,熱心なお2人のリスナーさんにバトンを継いでいただきました.

 (1) まさにゃんによる音読投稿
 (2) 小河舜さんによる音読投稿
 (3) 堀田隆一による音読投稿
 (4) リスナーのり~みんさんによる音読投稿
 (5) リスナーのりりみさんによる音読投稿

 学びのための遊び企画として,ぜひ他の方々にもバトンを継いでいただければ幸いです.何度か音読を練習した上で,本番として動画録音し,その動画を X 上で投稿していただくだけです.その際に,上記の既存の投稿への引用ポストとしていただくか,あるいは #はじめての古英語 とハッシュタグを付けて投稿していただければ,皆さんがすぐに認識できます.
 この古英語音読投稿企画は,今後の同シリーズでも継続していきたいと思っています.年度初めの「hel活」 (helkatsu) の一環として,一人でも多くの方に乗っていただければ.

Referrer (Inside): [2024-04-09-1]

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2024-04-02 Tue

#5454. 小学生にも英語史? --- 田地野彰(編著)『小学生から知っておきたい英語の?ハテナ』(Jリサーチ出版,2024年) [review][hel_education][notice][helkatsu][sobokunagimon][toc]


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 フレッシュな書籍,田地野彰(編著)『小学生から知っておきたい英語の?ハテナ』(Jリサーチ出版,2024年)が出版されています.共著者の一人である高橋佑宜氏(神戸市外国語大学)よりご恵投いただきました(ありがとうございます!).
 本書では,7名の著者が小学生に向けて分かりやすい言葉で英語に関する素朴な疑問に答えています.絵本といってもよいイラストの数々に彩られ,大人でも楽しめる異色の本です.本編を構成する7章の見出しを掲げます.



 第1章 英語の?ハテナ
 第2章 英語の歴史の?ハテナ
 第3章 日本語と英語の?ハテナ
 第4章 英語の物語の?ハテナ
 第5章 英語を使うための?ハテナ
 第6章 英単語の?ハテナ
 第7章 英文法の?ハテナ



 赤字で示した第2章の執筆者が,「ゆうき先生」こと,英語史を専門とする高橋佑宜氏です.次の5つのハテナが取り上げられています.

 ・ 英語はいつ,どこから来たの?
 ・ 英語って昔から変わらないの?
 ・ 英語はいつから世界中に広まったの?
 ・ どうして英語は世界中で使われているの?
 ・ アメリカ英語とイギリス英語は違うの?

 この第2章は「ゆうき先生からの応援メッセージ」で締められています.この応援メッセージが実に熱いのです.ぜひ皆さんにも手に取っていただきたいと思います.
 私自身「英語史をお茶の間に」をモットーにhel活 (helkatsu) を展開していますが,その観点から本書の出版企画と作りには興奮しました.まさか英語史を(中学生にであればまだしも)小学生にまで届けるとは! まずこの発想にたまげました.しかも,大人にも味わえるイラスト本として作り込まれている点にも感激しました.
 取り上げられているハテナは35個と決して多いわけではありませんが,むしろ小学生のために厳選されたハテナリストとして解釈できます.このような本質的な疑問に,専門家たちがどのように端的に答えるのか,もし自分が回答者だったらどのように答えるか.このように考えながら読みなおしてみると,すべてのハテナが難問に思えてきました.なるほど,このような形で英語史(そして英語学習)について子供たちに導入できるのかと一本取られた感があります.新しいです.
 高橋佑宜氏については,hellog でも「#4527. 英語の語順の歴史が概観できる論考を紹介」 ([2021-09-18-1]) および「#5059. heldio 初の「英語史クイズ」」 ([2023-03-04-1]) で言及しています.ぜひ今後もhel活でご一緒していければ!

 ・ 田地野 彰(編著),加藤 由崇・川原 功司・笹尾 洋介・高橋 佑宜・ハンフリー 恵子・山田 浩(著),りゃんよ(イラスト) 『小学生から知っておきたい英語の?ハテナ』 Jリサーチ出版,2024年.

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2024-04-01 Mon

#5453. 朝カル講座の新シリーズ「語源辞典でたどる英語史」が4月27日より始まります [asacul][notice][kdee][etymology][hel_education][helkatsu][link]

 本日,新年度の幕開きです.2024年度も「英語史をお茶の間に」広げていく活動,hel活 (helkatsu) を積極的に展開していきたいと思います.hellog を読まれている皆さんにおかれましては,hel活にご協力いただけますと幸いです.年度の切り替わりの機会に,note 上の「堀田隆一のプロフィール(2024年4月1日現在)」も更新しました.ご覧ください.
 この4月には様々なhel活企画を展開していきますが,そのうちの1つをご紹介します.4週間ほど後,4月27日(土)の 17:30--19:00 に,朝日カルチャーセンター新宿教室にてシリーズ講座「語源辞典でたどる英語史」がスタートします.全12回のシリーズとして月1回,指定の土曜日に開講していく予定です.


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 シリーズの趣旨は以下の通りです.

英語は歴史上さまざまな言語と接触し,豊かな語彙を蓄えてきました.英単語の語源を探ると,そこには常に新たな発見があります.その宝庫といえるのが,数多く存在する英語の語源辞典です.本講座では,英語語源辞典の記述を頼りに具体的な単語の語源を読み解きながら,丁寧に英語史をたどっていきます.資料は毎回配布します.


 全12回のタイトル(第4回以降は予定タイトル)は以下の通りです.

 1. 英語語源辞典を楽しむ(2024年4月27日)
 2. 英語語彙の歴史を概観する(2024年5月18日)
 3. 英単語と「グリムの法則」(2024年6月8日)
 4. 現代の英語に残る古英語の痕跡(日付未定)
 5. 英語,ラテン語と出会う(日付未定)
 6. 英語,ヴァイキングの言語と交わる(日付未定)
 7. 英語,フランス語に侵される(日付未定)
 8. 英語,オランダ語と交流する(日付未定)
 9. 英語,ラテン・ギリシア語に憧れる(日付未定)
 10. 英語,世界の諸言語と接触する(日付未定)
 11. 英語史からみる現代の新語(日付未定)
 12. 勘違いから生まれた英単語(日付未定)

 4月27日(土)の第1回は「英語語源辞典を楽しむ」と題して,シリーズ全体のイントロとなる話しをします.とりわけ英語語源辞典の読み解き方に注目します.余裕のある方はぜひ『英語語源辞典』(研究社,1997年)(= KDEE) を入手し,それを手元に置きつつ受講していただければ.
 受講の仕方は,従来通り新宿教室での対面でも可能ですし,Vimeo を利用したオンライン・リアルタイムも可能です.また,1週間限定の見逃し配信サービスも提供されています.ご都合のよい方法でご参加いただければと思います.
 英語の語源を調べるための資料としては KDEE をはじめとして様々な(語源)辞典がありますので,そちらも紹介していく予定です.KDEE を基本に据えつつ,注目した単語(語彙)の語源をじっくり読み解くことによって英語(語彙)史の流れをたどるのが本シリーズの狙いです.特に KDEE は私が強力に推してきた参考資料でもあり,本ブログでも「#5436. 私の『英語語源辞典』推し活履歴 --- 2024年3月15日版」 ([2024-03-15-1]) などの記事でたびたび取り上げてきました.そちらから関連コンテンツもご参照ください

 新シリーズ「語源辞典でたどる英語史」へ,多くの皆様の参加をお待ちしています!

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.

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2024-03-29 Fri

#5450. heldio の人気シリーズ復活 --- 「ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 4 with 小河舜さん and まさにゃん」 [voicy][heldio][ogawashun][masanyan][hajimeteno_koeigo][hel_education][notice][oe_text][helwa]


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 去る3月25日(月)13:30より予定通り Voicy heldio にて「「はじめての古英語」生放送 with 小河舜さん&まさにゃん」をお届けしました.平日のお昼過ぎという時間帯ではありましたが,ライヴで参加し,盛り上げていただいたリスナーの皆さんに感謝いたします.生放送を収録したものを,翌朝の通常回にて「#1030. 「はじめての古英語」生放送 with 小河舜さん&まさにゃん --- Bede を読む」として配信しました.精読の対象となった古英語テキストは,「#5444. 古英語の原文を読む --- 597年,イングランドでキリスト教の布教が始まる」 ([2024-03-23-1]) に掲載しています.本編53分の長尺配信ですが,聴き応えのある回となっていますので,お時間のあるときにでもどうぞ.
 「シリーズ復活」と述べましたが,過去に3回ほどお届けしてきました.いずれも昨年の8月から9月にかけての配信です.

 ・ 「#822. ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 1 with 小河舜さん and まさにゃん」
 ・ 「#829. ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 2 with 小河舜さん and まさにゃん」
 ・ 「#836. ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 3 with 小河舜さん and まさにゃん」

 今回も含め本シリーズに出演していただいている2人と,その heldio 出演歴については,以下の記事をご覧ください.

 ・ 「#5445. 小河舜さんとのhel活(まとめ)」 ([2024-03-24-1])
 ・ 「#5446. まさにゃんとのhel活(まとめ)」 ([2024-03-25-1])

 今回の配信回の復習には,まさにゃんが自身の note のなかで公開している「ゼロから学ぶ はじめての古英語(#4 生放送)」もご覧ください.
 ちなみに生放送の日の朝6時の heldio では「#1029. 尊師ベーダ --- The Venerable Bede」と題して,古英語テキストの究極のソースを表わしたアングロサクソンの大学者を紹介しています.
 さらに生放送の日の夜には,プレミアム限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) のほうで「【英語史の輪 #111】「はじめての古英語」生放送の反省会&アフタートーク」もお届けしています.
 最後に,昨日付でコアリスナーの umisio さんが,今回の配信回のまとめノートを作り,それをこちらのページにて公開されています.
 本シリーズをさらに続けていけますよう,皆さん,応援をよろしくお願い致します!

Referrer (Inside): [2024-04-07-1]

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2024-03-26 Tue

#5447. 2023年度の英語史コンテンツ企画のベスト10 --- 昨年度の振り返り [notice][khelf][hel_education][hel_contents_50_2023][ranking][link]

 年度末です.新年度のhel活に向けて動き出す時期となりました.毎年度初めには,khelf(慶應英語史フォーラム)では,メンバーより英語史の話題を提供してもらい,それを日々 HP 上に公開していく「英語史コンテンツ50」の企画を実施しています.この4月から始まるラウンドで4年目4回目となります.本ブログでもご案内していくことになると思いますが,開始に先立ちまして,ご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします.
 さて,このタイミングで1年前の「英語史コンテンツ50 (2023)」で公開された50のコンテンツについて,最もよく閲覧されたベスト10のランキングを作ってみました.より抜きの10本となります.やめられないおもしろさです.ぜひ英語史の魅力をご堪能ください.
 なお,2021年度と2022年度のランキングも,それぞれ「#4726. 昨年度のコンテンツ企画のベスト10」 ([2022-04-05-1]),「#5102. 2022年度の英語史コンテンツのベスト10 --- 昨年度の振り返り」 ([2023-04-16-1]) でまとめていますので,そちらも訪れていただければ.

【 2023年度の英語史コンテンツ企画のベスト10 】

 ・ 第1位(閲覧616回) 「#35. 強調構文の英語史 "It ARE John and Anne that are married." はアリ!?」
 ・ 第2位(閲覧603回) 「#44. ハリー・ポッターと英語の方言」
 ・ 第3位(閲覧436回) 「#40. 「play the piano の the を忘れるなよ!」の真偽」
 ・ 第4位(閲覧408回) 「#9. なぜ be going to は未来を意味するの」
 ・ 第5位(閲覧302回) 「#6. b と d は紛らわしい!」
 ・ 第6位(閲覧281回) 「#7. consumption の p はどこから?」
 ・ 第7位(閲覧276回) 「#1. 『平家物語』と英語史」
 ・ 第8位(閲覧267回) 「#42. 四体液説の遺産?英単語に残る伝統医学の教え?」
 ・ 第9位(閲覧250回) 「#4. 「時代区分」を考える」
 ・ 第10位(閲覧241回) 「#30. That'll be fun. ←この fun の品詞は...?」

Referrer (Inside): [2024-04-13-1]

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2024-03-23 Sat

#5444. 古英語の原文を読む --- 597年,イングランドでキリスト教の布教が始まる [bchel][voicy][heldio][masanyan][ogawashun][oe][oe_text][bede][christianity][anglo-saxon][st_augustine][hajimeteno_koeigo][hel_education][notice][popular_passage][history][literature]

 731年,ビード (あるいはベーダ;Bede [673--735]) によりラテン語で著わされた『英国民教会史』 (Historia Ecclesiastica Gentis Anglorum [= Ecclesiastical History of the English People]) は,古代イングランド史を記した貴重なテキストである.後にアルフレッド大王 (849--99) の指示のもとで古英語に翻訳されている.
 597年,ローマの修道士で,後にカンタベリの初代大司教となる St. Augustine (?--604) が,イングランドに布教にやってきた.イングランド史上きわめて重大なこの年に起こった出来事について,Bede の古英語版より読んでみたい.以下,英語史の古典的名著 Baugh and Cable (pp. 58--60) に掲載されている古英語原文を再現する.

   Ða wæs on þā tīd Æþelbeorht cyning hāten on Centrīce, and mihtig: hē hæfde rīce oð gemǣru Humbre strēames, sē tōscādeþ sūðfolc Angelþēode and norðfolc. Þonne is on ēasteweardre Cent micel ēaland, Tenet, þæt is siex hund hīda micel æfter Angelcynnes eahte. . . . On þyssum ēalande cōm ūp sē Godes þēow Augustinus and his gefēran; wæs hē fēowertiga sum. Nāmon hīe ēac swelce him wealhstodas of Franclande mid, swā him Sanctus Gregorius bebēad. And þā sende to Æþelbeorhte ǣrendwrecan and onbēad þæt hē of Rōme cōme and þæt betste ǣrende lǣdde; and sē þe him hīersum bēon wolde, būton twēon he gehēt ēcne gefēan on heofonum and tōweard rīce būton ende mid þone sōþan God and þone lifigendan. Ðā hē þā sē cyning þās word gehīerde, þa hēt hē hīe bīdan on þæm ēalande þe hīe ūp cōmon; and him þider hiera þearfe forgēaf, oð þæt hē gesāwe hwæt hē him dōn wolde. Swelce ēac ǣr þǣm becōm hlīsa tō him þǣre crīstenan ǣfæstnesse, forþon hē crīsten wīf hæfde, him gegiefen of Francena cyningcynne, Beorhte wæs hāten. Þæt wīf hē onfēng fram hiere ieldrum þǣre ārǣdnesse þæt hēo his lēafnesse hæfde þæt hēo þone þēaw þæs crīstenan gelēafan and hiere ǣfæstnesse ungewemmedne healdan mōste mid þȳ bischope, þone þe hīe hiere tō fultume þæs gelēafan sealdon, þæs nama wæs Lēodheard.
   Ðā wæs æfter manigum dagum þæt sē cyning cōm tō þǣm ēalande, and hēt him ūte setl gewyrcean; and hēt Augustinum mid his gefērum þider tō his sprǣce cuman. Warnode hē him þȳ lǣs hīe on hwelc hūs tō him inēoden; brēac ealdre hēalsunga, gif hīe hwelcne drȳcræft hæfden þæt hīe hine oferswīðan and beswīcan sceolden. . . . Þā hēt sē cyning hīe sittan, and hīe swā dydon; and hīe sōna him līfes word ætgædere mid eallum his gefērum þe þǣr æt wǣron, bodedon and lǣrdon. Þā andswarode sē cyning and þus cwæð: "Fæger word þis sindon and gehāt þe gē brōhton and ūs secgað. Ac forðon hīe nīwe sindon and uncūðe, ne magon wē nū gēn þæt þafian þæt wē forlǣten þā wīsan þe wē langre tīde mid ealle Angelþēode hēoldon. Ac forðon þe gē hider feorran elþēodige cōmon and, þæs þe mē geþūht is and gesewen, þā þing, ðā ðe [gē] sōð and betst gelīefdon, þæt ēac swelce wilnodon ūs þā gemǣnsumian, nellað wē forðon ēow hefige bēon. Ac wē willað ēow ēac fremsumlīce on giestlīðnesse onfōn and ēow andleofne sellan and ēowre þearfe forgiefan. Ne wē ēow beweriað þæt gē ealle, ðā þe gē mægen, þurh ēowre lāre tō ēowres gelēafan ǣfæstnesse geðīeden and gecierren."


 目下,Baugh and Cable の英語史書 A History of the English Language を1節ずつ丁寧に読んでいくオンライン読書会シリーズを Voicy heldio で展開中です(有料配信ですが第1チャプターは試聴可).上に引用した古英語原文が含まれているのは第47節で,これを扱った回は「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (47) The Language Illustrated」です.ただし,そこでは上記の古英語原文は,かなり長いために解説するのを割愛していました.
 これを補うべく,明後日3月25日(月)の午後1時30分より heldio の生放送による解説を配信します.小河舜さん(フェリス女学院大学ほか)および「まさにゃん」こと森田真登さん(武蔵野学院大学)とともに,「はじめての古英語」シリーズの一環としての特別企画です.上記の古英語原文は,その予習用として掲げた次第です.お楽しみに!


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 Bede の古英語訳の原文としては,ほかにも「#2900. 449年,アングロサクソン人によるブリテン島侵略」 ([2017-04-05-1]) を参照.

 ・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.

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2024-03-13 Wed

#5434. 「変なアルファベット表」完成 [khelf][spelling_pronunciation_gap][hel_herald][notice][hel_education][link][voicy][heldio][helwa][inohota][orthography]

変なアルファベット表



 昨秋より khelf(慶應英語史フォーラム)の企画として,一般の方々にも参加していただきつつ展開してきた「変なアルファベット表」がついに完成しました.先週の3月4日,khelf より『英語史新聞』第8号が発行されましたが,その第4面に「変なアルファベット表」が掲載されています.
 英語の綴字と発音の乖離 (spelling_pronunciation_gap) の問題を逆手にとって,それをダシにして遊んでしまおうという企画でした.イラスト付きアルファベット表に A から Z の各文字で始まる単語が掲げられていますが,いずれの単語も発音との関係で何かしら「変な」語頭綴字を示しています.英語初学者にとっては「意地悪な」,したがって「大人の」アルファベット表ということになります.
 昨秋の本企画発足以来,khelf では担当班を組織し,主に Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」で進捗状況をお伝えするなど発信に努めてきました.まず,一般の方々に呼びかけて,各文字で始まる「変な」単語の候補をお寄せいただきました.その後,khelf で取りまとめた後に,各文字で始まる単語の候補のなかから,最も「変な」単語を決めていただくための投票を呼びかけました.N の単語については決選投票にまでもつれ込むことになりました.企画を進める過程で,そもそも綴字の(不)規則とは何なのかという本質的な問題にぶつかるなどしましたが,最終的には上記の通り「変なアルファベット表」が仕上がりました.各単語のイラストも khelf オリジナルの制作ですので,ぜひご注目ください.一般公募と一般投票という形で皆さんにご協力いただいた企画として,ここに完成の旨を報告し,改めて感謝申し上げます.
 『英語史新聞』第8号の第4面には,「変なアルファベット表」のほか,投票結果なども掲載されています.次点候補の単語なども挙げられていますので,そちらも眺めながら綴字と発音の乖離という問題に思いを巡らせていただければと思います.
 これまで「変なアルファベット表」企画に関するコンテンツを,heldio, helwa, hellog, YouTube などで様々に公開してきました.以下に一覧しておきます.特に heldio では,「変なアルファベット表」の公開後も,表に掲載されている各単語と関連する話題をお届けしています.向こう数日の配信回にもご期待ください.

 ・ heldio 「#872. 変なアルファベット表を作ろうと思っています --- khelf 企画」
 ・ heldio 「#873. スペリングの規則と反則 --- 「変なアルファベット表」企画に寄せて」
 ・ heldio 「#887. khelf 寺澤志帆さんと「変なアルファベット表」企画の中間報告」
 ・ heldio 「#924. 今週は「変なアルファベット表」のための投票週間です」
 ・ heldio 「#933. 「変なアルファベット表」の投票は済ませましたか? --- khelf 寺澤さんと投票の呼びかけ」
 ・ heldio 「#966. 「変なアルファベット表」の n- の単語のための決選投票 --- khelf 寺澤志帆さんからの呼びかけ」
 ・ heldio 「#1011. 「変なアルファベット表」の完成と公開 with 寺澤志帆さん」
 ・ heldio 「#1015. cello --- 「変なアルファベット表」からの話題」
 ・ heldio 「#1016. schedule の発音は「スケジュール」か「シェデュール」か? --- 「変なアルファベット表」の S の項目より」

 ・ helwa (有料配信) 「【英語史の輪 #42】変なアルファベット表を作る企画」
 ・ helwa (有料配信) 「【英語史の輪 #43】変なアルファベット表企画への反響」

 ・ hellog 「#5303. 『英語史新聞』第7号が発行されました」 ([2023-11-03-1])
 ・ hellog 「#5341. 今週は「変なアルファベット表」企画の投票週間です」 ([2023-12-11-1])
 ・ hellog 「#5426. 『英語史新聞』第8号が発行されました」 ([2024-03-05-1])

 ・ YouTube 「いのほた言語学チャンネル」 「#185. eye はもっとへんなつづりだった!!三文字規則が生み出した現象たち?---へんなアルファベット表向け単語大募集!」

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2024-03-05 Tue

#5426. 『英語史新聞』第8号が発行されました [hel_herald][notice][khelf][hel_education][link][kdee]

『英語史新聞』第8号



 全国の『英語史新聞』ファン(?)の皆さん,お待たせしました.昨日3月4日付けで,khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第8号がウェブ公開となりました.こちらよりPDFで閲覧・ダウンロードできます.
 ほぼ2年前の4月1日に創刊号が発行されて以来,3ヶ月に一度のペース順調に号を重ねてきました.今回の第8号は本来であれば新年に発行という予定でしたが,諸事情で3月にずれ込みました.しかし,遅れた代わりに良質の記事が集まってきていますので,楽しく読んでいただけるかと思います.
 第8号の公開および記事紹介などの情報は,今後立て続けに khelf 公式の X アカウント @khelf_keio からお届けしていく予定ですので,ぜひフォローのほどよろしくお願いします.読者の皆さんにおかれましても,そちらのリポストなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.
 さて,今回も khelf の『英語史新聞』制作班が献身的に執筆・編集し,丁寧に作り込んでくれました.第8号の記事のラインナップをご紹介します.

 ・ シングリッシュとダイグロシア
 ・ 『英語語源辞典』を使ってみよう
 ・ ハリー・ポッターとロンの英語
 ・ 英語史ラウンジ by khelf 「第3回 小河舜先生(Part 1)」
 ・ 変なアルファベット表 完成!

 一言では紹介しきれない充実のラインナップです.執筆陣は学部3年生から大学院博士課程の学生まで,皆で協力して作りました.どれが目玉記事か決められないほど,いずれも充実の内容となっています.
 前号で呼びかけた「変なアルファベット表」企画は,hellog 読者の皆さんにも投票などに参加していただきつつ数ヶ月かけてじっくり進めてきましたので,ここで特別に触れておきたいと思います.ご協力ありがとうございました.
 本号は昨日の Voicy heldio でも「#1008. 『英語史新聞』第8号」としてご案内していますので,そちらもぜひお聴きください.



 『英語史新聞』は上述の通り2022年4月に創刊号を発行して以来,おおよそ3ヶ月に1度のペースで発行し続けてきました.毎号の制作班のモチベーションが保たれているのも,多くの方々にお読みいただいているからこそです.ご愛読ありがとうございます.最新号も含め『英語史新聞』のすべての号は,教育目的での利用・配布について自由にお取り扱いいただけます.むしろ,英語史の魅力を広げるべく活動している発行主体の khelf としては,電子媒体・紙媒体を問わず,皆様に広く利用・配布していただけますと幸いです.
 もし学校の授業などの公的な機会(あるいは,その他の準ずる機会)にお使いの場合には,ぜひこちらのフォームを通じてご一報くださいますと khelf の活動実績の把握につながるほか,『英語史新聞』編集委員の励みともなります.ご協力のほどよろしくお願いいたします.ご入力いただいた学校名・個人名などの情報につきましては,khelf の実績把握の目的のみに限り,記入者の許可なく一般に公開するなどの行為は一切行なわない旨,ここに明記いたします.フォームへの入力を通じ,khelf による「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)への賛同をいただけますと幸いです.
 最後に『英語史新聞』のバックナンバー(号外を含む)も紹介しておきます.こちらも合わせてご一読ください(khelf HP のこちらのページにもバックナンバー一覧があります).

 ・ 『英語史新聞』第1号(創刊号)(2022年4月1日)
 ・ 『英語史新聞』号外第1号(2022年4月10日)
 ・ 『英語史新聞』第2号(2022年7月11日)
 ・ 『英語史新聞』号外第2号(2022年7月18日)
 ・ 『英語史新聞』第3号(2022年10月3日)
 ・ 『英語史新聞』第4号(2023年1月11日)
 ・ 『英語史新聞』第5号(2023年4月10日)
 ・ 『英語史新聞』第6号(2023年8月14日)
 ・ 『英語史新聞』第7号(2023年10月30日)

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2024-02-19 Mon

#5411. heldio で「文法化」を導入するシリーズをお届けしました [voicy][heldio][grammaticalisation][notice][hel_education][language_change][link]

 毎朝6時に,本ブログの姉妹版ともいえる音声ブログ Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」を配信しています.2024年の heldio のテーマは言語変化 (language_change) です.大きなテーマなので取り上げていく話題も多岐にわたりますが,避けて通れないものの1つに文法化 (grammaticalisation) があります.本ブログでも「#417. 文法化とは?」 ([2010-06-18-1]) を始めとして,多くの記事で注目してきました.
 先週,heldio にて5日連続で文法化の超入門となる話題をお届けしました.結果的に文法化の導入シリーズとなりました.こちらにリンクをまとめておきます.

 ・ 「#988. ぎゅうぎゅうの単語とすかすかの単語 --- 内容語と機能語」
 ・ 「#989. 内容語と機能語のそれぞれの特徴を比較する」
 ・ 「#990. 文法化とは何か?」
 ・ 「#991. while の文法化」
 ・ 「#992. while の文法化(続き)」
(以下,後記)
 ・ 「#1001. 英語の文法化について知りたいなら --- 保坂道雄(著)『文法化する英語』(開拓社,2014年)」
 ・ 「#1003. There is an apple on the table. --- 主語はどれ?」
(後記,ここまで)

 5回の話しはスムーズにつながっているので,順に聴いていただくとよいと思います.手っ取り早く聴きたいという方は,中心回となる「#990. 文法化とは何か?」だけでもシリーズの大枠はつかめると思います.



 もっと本格的に文法化を学びたいという方は,本ブログの grammaticalisation の各記事をご覧ください.特に重要な記事をいくつか挙げておきます.

 ・ 「#1972. Meillet の文法化」 ([2014-09-20-1])
 ・ 「#1974. 文法化研究の発展と拡大 (1)」 ([2014-09-22-1])
 ・ 「#1975. 文法化研究の発展と拡大 (2)」 ([2014-09-23-1])
 ・ 「#2575. 言語変化の一方向性」 ([2016-05-15-1])
 ・ 「#2576. 脱文法化と語彙化」 ([2016-05-16-1])
 ・ 「#3273. Lehman による文法化の尺度,6点」 ([2018-04-13-1])
 ・ 「#3272. 文法化の2つのメカニズム」 ([2018-04-12-1])
 ・ 「#3281. Hopper and Traugott による文法化の定義と本質」 ([2018-04-21-1])
 ・ 「#5124. Oxford Bibliographies による文法化研究の概要」 ([2023-05-08-1])

Referrer (Inside): [2024-02-28-1]

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2024-02-17 Sat

#5409. 最近 Mond で6件の質問に回答しました [mond][sobokunagimon][heldio][hel_education][notice][link]

 ここ数日間で,知識共有サービス Mond に寄せられてきた英語史系の質問に6件ほど回答しました.こちらでもリンクを共有します(質問文の原文を短文に要約・編集してあります).新しい順に並べています.
 今朝お答えした8歳の娘さんからの最新の質問は,とりわけ強力でしたね,パンチが効いています.これまで私が受けたことのなかった英語に関する素朴な疑問で,刺激的でした.ありがとうございます!

 (1) boss ってなんで s がふたつなの?と8歳娘に質問されました.なんでですか?


Mond answer 20240217 re boss



 (2) 英語がラテン語から動詞を借用するとき,完了分詞形に基づいた語形を採用するのはなぜなのでしょうか?
 (3) Japan という単語の語源は?
 (4) who, what, where, when などに対して,なぜ how だけが wh- でなく h- で始まるのでしょうか?
 (5) 5文型の SVO などの V は「動詞」とされますが,「述語」が正しいのではないでしょうか?
 (6) なぜ動作を表わすはずの動詞に「状態動詞」なるものがあるのでしょうか?

 今回お答えした質問は,本ブログや Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」 で関連する話題を取り上げたり,詳しく解説してきたりしたものも多く,実際に回答のなかでいくつかリンクを張っていますので,合わせてご参照いただければと思います.

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2024-02-10 Sat

#5402. 2023年度に提出された卒論論文と修士論文の題目 [hel_education][sotsuron][shuron][khelf][seminar][link]

 今年度,慶應義塾大学文学部英米文学専攻の堀田ゼミより14本の卒業論文と1本の修士論文が提出されました.以下,各々の題目を一覧します.私の英語史のゼミでどんなことが研究テーマとなるのかが伝わると思います.

[ 卒業論文 ]

 ・ Changes in the Frequency of Inanimate S-Genitive Case Use in British Popular and Quality Papers
 ・ The Characteristics and Development of Suffix -some in the History of English
 ・ The Origin and Development of the Construction It is Adj of NP to VP
 ・ The Difference between To-infinitive and Bare Infinitive in a Subjective Complement
 ・ A Study on the Singular and Plural Concord with the Collective Noun "Government"
 ・ An HTOED-Based Study on Semantic Change of Words Meaning "Delicious"
 ・ Contemporary Usage of 'unto' with Semantic Extension from the Bible
 ・ The Usage of Metonymies Shared among ENL Areas: The Case of Governmental Facilities
 ・ Stylistic Differences and Literary Commonalities among Two Works of George Orwell
 ・ Changes in the Social Demand and Frequency of the Woman's Honorific Title Ms
 ・ Decoding the N-word: A 20-Year Analysis of Language Evolution in Grammy Nominated Rap (2004--2024)
 ・ Political Correctness of the Infectious Disease Names: Hansen's disease, AIDS, and Mpox
 ・ Class Society and Language in Britain: Focusing on the Linguistic Characteristics of the Beatles
 ・ Changes and Trends of English Use in the Indian Movies: New Middle Class as the Audience

[ 修士論文 ]

 ・ Tautologies in the History of English: Their Usage and Conventionality

 今年度のゼミでも英語史・英語学に関する多様なテーマで研究がなされました.形態論,統語論,意味論,語用論,語法研究,文体論,社会言語学など,関心が多岐にわたる点が,本ゼミの特徴です.ただし今回は音声学・音韻論に注目した研究がありませんでした(私としては少々寂しい).調査方法としてはコーパスを用いた実証的な研究が基本となってきています.来年度の卒論・修論にもテーマの幅広さを期待しています!
 過年度のゼミ卒業論文の題目についてはこちらの記事セットあるいは sotsuron をどうぞ.英語史分野のテーマ探しのヒントとなるかと思います.khelf HP より「研究テーマ紹介」,あるいはゼミ紹介 HP より「ゼミ生の卒論テーマ」も役立つと思います.

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2024-02-09 Fri

#5401. 文法上の性について60分間の対談精読実況生中継をお届けしました [bchel][gender][oe][noun][category][voicy][heldio][notice][hel_education]


 去る2月6日(火)午後4時半より Voicy heldio にて「#983. B&Cの第42節「文法性」の対談精読実況生中継 with 金田拓さんと小河舜さん」を生放送でお届けしました.Baugh and Cable による英語史の古典的名著 A History of the English Language (第6版)を原書で精読するシリーズの一環です.今回は特別ゲストとして金田拓さん(帝京科学大学)と小河舜さん(フェリス女学院大学ほか)をお招きして,対談精読実況生中継としてお届けしました.上記は,昨日の通常配信でアーカイヴとして公開したものです.60分間の長丁場ですが,ぜひお時間のあるときにお聴きください.
 2月5日(月)には,この hellog 上でも予告編となる記事「#5397. 文法上の「性」を考える --- Baugh and Cable の英語史より」 ([2024-02-05-1]) を公開しました.そちらの記事では今回注目した第42節 "Grammatical Gender" の原文を掲載していますので,それを眺めながらお聴きいただければと思います.そこからは,英語史における性 (gender) の話題に注目した重要な記事へのリンクも張っています.
 早々に配信を聴いてくださったコアリスナーの umisio さんが,まとめノートを作ってこちらのページで公開されています.ぜひ予習・復習のおともにご参照ください.


umisio note 2024028



 heldio で B&C の英語史を精読するシリーズのバックナンバー一覧は「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]) でまとめています.全264節ある本の第42節にようやくたどり着いたところですので,まだまだ序盤戦です.皆さんには後追いでかまいませんので,このオンライン精読シリーズにご参加いただければ.まずは以下のテキストを入手してください!


Baugh, Albert C. and Thomas Cable. ''A History of the English Language''. 6th ed. London: Routledge, 2013.



 ・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.

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2024-02-05 Mon

#5397. 文法上の「性」を考える --- Baugh and Cable の英語史より [bchel][gender][oe][noun][category][voicy][heldio][notice][hel_education][link]

 昨年7月より週1,2回のペースで Baugh and Cable の英語史の古典的名著 A History of the English Language (第6版)を原書で精読する Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」 (heldio) でのシリーズ企画を進めています.1回200円の有料配信となっていますが第1チャプターに関してはいつでも試聴可です.またときどきテキストも公開しながら無料の一般配信も行なっています.これまでのバックナンバーは「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1])にまとめてありますので,ご確認ください.


Baugh, Albert C. and Thomas Cable. ''A History of the English Language''. 6th ed. London: Routledge, 2013.



 今までに41節をカバーしてきました.目下,古英語を扱う第3章に入っています.次回取り上げる第42節 "Grammatical Gender" は,古英語の名詞に確認される文法上の「性」,すなわち文法性 (gender) に着目します.以下に同節のテキストを掲載しておきます(できれば本書を入手していただくのがベストです).

42. Grammatical Gender. As in Indo-European languages generally, the gender of Old English nouns is not dependent on considerations of sex. Although nouns designating males are often masculine, and those indicating females feminine, those indicating neuter objects are not necessarily neuter. Stān (stone) is masculine, and mōna (moon) is masculine, but sunne (sun) is feminine, as in German. In French, the corresponding words have just the opposite genders: pierre (stone) and lune (moon) are feminine, while soleil (sun) is masculine. Often the gender of Old English nouns is quite illogical. Words like mægden (girl), wīf (wife), bearn (child, son), and cild (child), which we should expect to be feminine or masculine, are in fact neuter, while wīfmann (woman) is masculine because the second element of the compound is masculine. The simplicity of Modern English gender has already been pointed out as one of the chief assets of the language. How so desirable a change was brought about will be shown later.


 文法性に関する話題は hellog でも gender のタグを付した多くの記事で取り上げてきました.そのなかから特に重要な記事へのリンクを以下に張っておきます.

 ・ 「#25. 古英語の名詞屈折(1)」 ([2009-05-23-1])
 ・ 「#26. 古英語の名詞屈折(2)」 ([2009-05-24-1])
 ・ 「#28. 古英語に自然性はなかったか?」 ([2009-05-26-1])
 ・ 「#487. 主な印欧諸語の文法性」 ([2010-08-27-1])
 ・ 「#1135. 印欧祖語の文法性の起源」 ([2012-06-05-1])
 ・ 「#2853. 言語における性と人間の分類フェチ」 ([2017-02-17-1])
 ・ 「#3293. 古英語の名詞の性の例」 ([2018-05-03-1])
 ・ 「#4039. 言語における性とはフェチである」 ([2020-05-18-1])
 ・ 「#4040. 「言語に反映されている人間の分類フェチ」の記事セット」 ([2020-05-19-1])
 ・ 「#4182. 「言語と性」のテーマの広さ」 ([2020-10-08-1])

 ・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.

Referrer (Inside): [2024-02-09-1]

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2024-02-01 Thu

#5393. 2023年度,1年間の「英語史」の講義を終えて [hel_education]



 一昨日の Voicy heldio にて「#974. 1年間の「英語史」の講義を終えて --- 2023年度版」と題して,慶應義塾大学文学部英米文学専攻で私が開講している「英語史」講義の履修者から回収した感想をいくつか紹介しました.毎年この時期に hellog や heldio にて報告する慣習ができ,恒例のイベントとなってきた感があります.今年度のものを含めこれまでの「英語史」講義への感想のリンクを以下にまとめておきます.

 ・ heldio 「#974. 1年間の「英語史」の講義を終えて --- 2023年度版」 (2024/01/30)
 ・ helwa (有料配信)「【英語史の輪 #87】1年間の「英語史」の講義を終えて(続編)」 (2024/01/30)
 ・ heldio 「#607. 1年間の「英語史」の講義を終えて」 (2023/01/28)
 ・ hellog 「#5020. 2022年度,英語史の授業を通じて何を学びましたか?」 ([2023-01-24-1])
 ・ hellog 「#4661. 2021年度,英語史の授業を通じて何を学びましたか?」 ([2022-01-30-1])
 ・ hellog 「#3922. 2019年度,英語史の授業を通じて何を学びましたか?」 ([2020-01-22-1])
 ・ hellog 「#3566. 2018年度,英語史の授業を通じて何を学びましたか?」 ([2019-01-31-1])
 ・ hellog 「#2470. 2015年度,英語史の授業を通じて何を学びましたか?」 ([2016-01-31-1])

 冒頭に掲げた heldio 配信回では,ほんの数名の履修者のコメントしか紹介できませんでした.手元には読み上げきれないほどの分量があり,どれもこれも紹介したいところですが,以下にいくつか選んだ感想を掲載します.文章は中略したり軽微な編集を加えているところはありますが,基本的には履修生から寄せられてきた原文のままで公表しています.なお,感想を募った際の文言は「今期あるいは今年度の英語史の授業を通じて学んだ(広い意味で「学んだ」)事柄のうち,あなたにとって最も価値あるものは何ですか.自由に記述してください.」でした.

植民による支配の歴史の中で世界中に広まり,現在はグローバルな言語として定着した英語そのものが,その言語史の中で被支配を受けてだんだん変化し,独自性を取得しながら今ある形になったのだということ.特に「中英語は方言の時代であった」の部分,音声と綴字の不一致について学んだパートはとても興味深いものだった.他のヨーロッパ諸語と比べても,単純で明瞭に思える英語が古い形から,そうした周囲の複雑な言語にもまれて,今の形に変わっていく過程を追うことで,何気ない英語の「当たり前」にも歴史的意義を問う姿勢が,学び始めと比較して身についたと思う(heldio で紹介されていた「変なアルファベット表」の完成も楽しみである).この授業とは別に,語学科目としてフランス語とラテン語を受講していたが,どちらも英語種に深く関わる言語であったため,それぞれ学んだ内容が線で繋がる感覚が面白く,多角的に勉強することの意義を再確認できたと思う.


私の中での英訳の捉え方が変ったことです.英語史をやるまでは,世界は英語とその他言語で構成されているように見えていて,日本語を英訳するというと,マイノリティ言語からマジョリティ言語に翻訳するというふうに捉えていました.この概念において,マジョリティーは英語一強であり,残りがマイノリティという関係図が脳内には住んでいました.ですが,英語史において借用について学んだことで変わりました.借用語が山ほどあるといったことはもちろんですが,例えばラテン語は英語の復権時に語彙の欠乏をカバーする最も効率的な方法として流入した,ということや,聖書の英訳時には語彙の欠乏に悩みを抱えてラテン語を流入した等です.これを聞いて英語も英語を確立するまでの基盤を作るための手法として英訳をしたんだということに気付き,英訳という概念は決してグローバル化のためだけのものではなく,多角的に捉えられるものだし,かつ英語そのものの成長にも関わる方法なのだと気づかされました.


一つの授業でも抜けると分からなくなるくらい繋がりがあり,一本のストーリーラインがあるなと強く感じた.途中から『進撃の巨人』を読んでも,伏線回収や一つの行動選択の影響の余波なんて想像できないだろう,それと同じような心持ちになった.古ノルド語と出会っていなければ,ノルマンコンクェストがなければ,はたまたウィリアム一世がフランス語に統一していたら,そんな「what if」がいくつも思いつき,そのような英語を変えてしまうような分岐点が英語史にはいくつもあると感じられる.言語と人々,文化は密接に関わっているというのは自明のことだが,つまり今自分が何を話したか,何を書いたかということすら,英語史の一つの選択なのではないだろうか.人それぞれの生き方も映し出してしまう歴史,それが言語史だなと思う.


大学一年生までで私は英語を7年間ほど勉強していたことになるが,そこでは英語という言語そのものの語彙,文法,そして英語に関するスキルを身につけることばかりが学びの中心で,英語の歴史,いわゆる英語を縦軸で見るという視点は一切なかった.だからこそ,英語史の時間は私にとって興味深いことの連続でしかなかった.〔中略〕この一年間は改めて自分が自分の人生において英語に深く関わることができてよかったと心の底からそう感じられる有意義な時間であった.


一年を通して英語史について学んだことで,最も価値のあるものは学ぶ姿勢を改めて学ぶことができたことだ.私は春学期の英語史の初回の授業を鮮明に覚えている.初回の内容は,英語に関する素朴な疑問を私たちが自由に送って,堀田先生がそれに答えるというものだったが,私は全くと言っていいほど質問が浮かばなかった.今思うと,それは今までの義務教育の中で「これはこういうものだから」とただ受動的に学習してきたからであろう.私はその授業で寄せられた質問に一々感動し「確かに」と思った.それまで「なぜ?」という問いを掘り下げていくのは効率が悪いと思い込んでいたが,こういった姿勢こそが真の学習であることを知った.そして楽しいと思った.英語の授業はもちろん,英語の歴史を学んだが,私にとって最も価値があったのは学ぶということはどういうことかを学ぶことができたことである.一見するとなんてことはないものでも「なぜ?」という問いは無限に生まれる.学びは受動的に生まれるものではなく,能動的に自ら探して行くものなのだと学ぶことができた.これは私の残りの大学生活のみならず,今後の人生にも役立つ学びであると感じる.


私は今期学んだ英語史の授業を通して,言語はコミュニケーションだけでなく,ある国の歴史を表すようなエビデンスとしての存在であることに気づいた.それは非常に価値のある学びとなった.英語の地位の復権やフランス語,ラテン語の流入など,言語にそのまま痕跡を残している.それをもとに,言語は表現としてであっても,歴史の記録としてであっても,人類において非常に重要な存在であるということに気づいた.ある特定的な内容より全般的な内容から得られた学びがあった.


私にとって英語に対する見方が大きく変わったことが最も価値あるものであると考えています.英語が今のように世界的言語になったのは,世界の歴史の活動によるものであり,長きにわたる人類の活動によるものだと,この授業でよく理解しました.なぜ発音と綴り字に大きなギャップがあるのか?なぜ不規則な文法がたくさんあるのか?など,歴史の中に原因を見出すことがとても面白いし,意味のあることだと思っています.英語のルールを今までただ暗記して覚えていた私にとっては,英語史を学ぶことは大きな転換だったし,歴史など考えたこともあまりなかった私にとって歴史から英語の謎を解くということを意識するようになったことも,私にとっては価値のあるものです.英語史は英語の本質を教えてくれるもので,英語はどういうものかを一層理解できるものにしてくれると思います.発音と綴り字の乖離についての「変なアルファベット表」に参加するのもとても楽しかったし,英語史に関する新聞や先生のラジオとブログを見ることもとても楽しかったです.今後も英語を学んでいくとは思いますが,授業で触れていなかったたくさんの話題がまだまだあると思いますし,それを見て聞いて理解するとともに,英語に関する素朴な疑問など英語史の観点から説明できるようになるまで頑張りたいと思います.


英語史の授業を通じて学んだことの中で最も価値があったのは常識を疑うことである.〔中略〕現代の社会を見ていると,シェークスピアやメルヴィルのような英語で書かれた文学は広く知れ渡っており,ビジネス,学問,芸能などあらゆる分野で英語は重要なポジションにある.どうしてもそれが当たり前だと思ってしまっており,詳しく英語の歴史について考えたりしたことはなかったので,一田舎の言語にすぎなかったという話は衝撃的だった.私はこの学びの体験をして,学問において常識を疑うことを大切にしたいと思う.そして,歴史を知ろうとすることは,本質を見極め,常識にとらわれないようにするための一つの手段として必要不可欠であると考える.


英語とかかわりのある言語を学ぶ際に合わせて英語史を学ぶことに意義があるということ.ヨーロッパの言語であれば,その言語から英語への借用語(意味借用なども含む)があったり.古く元をたどれば,同根であったりする単語が多くあるのだということを知った.言語を学び習得しようとする際には,そこにばかりフォーカスし,時間を割きがちであるが,もう少し視野を広げ,自分が既に知っている英語という言語,そしてそれらの関わりとしての英語史を学ぶことで,その言語の学習に役立つのみならず.新たな発見や疑問が得られたりするという楽しみが生まれる.また,これは逆から見れば英語史を学ぶことの楽しみや意義の一つと言うこともでき,互いの学習が相乗効果的に大きなな力を生むことになる.この視野の持ち方・広げ方は言語習得に限った話ではないように思う.ある一つの物事に集中しすぎることなく,少しで良いので視野を広げ,周りとの関連や別の見方を得ることで日々の活動を豊かにしていけるのではないかと考える.


私は教員を目指しているため.綴字と発音の乖離について学べたことに最も価値を感じている.〔中略〕教壇に立ち,英語を教える上で綴字と発音は避けて通れないテーマである.これらの乖離をそういうものとして教えると,生徒にとって英語は単なる暗記科目になってしまう.しかし,もし doubt という単語の <b> を読まないことを暗記事項としてだけでなく.学者が昔の言葉に憧れて,発音にはない文字を入れてしまったと説明することができれば,英語をより人間味のある面白い言語として感じてくれる生徒が出てくるのではないか.私が大学一年生のとき,堀田先生の授業を聞いて味わった「腹落ち感」を誰かに伝える立場になりたい.しかし,このような英語の知識は生徒全員にとって有効かというと,そうとも言えないのが実情である.したがって私が教員になったらこの知識をなりふりかまわず披露するのではなく,蘊蓄や背景知識に興味のある生徒を見極めて,生徒本人のために話したい.また,もしも英語史の知見を教壇で使わないとしても,教えている綴字と発音のギャップに対する「なぜ」の答えを知っているのといないのとでは,生徒の前に立つときの自信の大きさが明らかに異なる.堂々と生徒の前に立っていられるよう3月に大学を卒業してからも英語史ブログを読み続ける.


現代英語に対する素朴な疑問を問い,それを英語の歴史を見ていく中で解決し,理解するという営み.そしてそれによって得た知識こそが,私にとって最も価値のあるものであると思う.私は将来中学校の英語科教師になりたいと思い,教職課程を履修する中で,前期と後期この授業を受けた.今まで英語を学ぶ中で,綴字と発音のギャップやその他の様々なことについて疑問を抱いていたことを自覚し,将来教師になり,生徒に疑問を呈された時に答えられないのはいかがなものかと思い,熱心に授業に臨むと「これはそういう決まりだから」で済まされてきた英語の特徴が,その歴史を遡ればしっかりと論理的に説明できるのだと知った.これにより,英語という言語の奥深さを知ると同時に,必要な教養を身につけることができた.


私が一年間かけて学んだのは,英語をよりクリティカルに見るということだ.英語というと,さまざまなイメージがある.例えば優越言語である,純粋な言語であるなど.そのような世界英語が世の中にあるなかで英語を学び,それらの多くのステレオタイプを破壊し始めることができたと感じる.例えば今学期では英語が実は二つの言語の下にあったこと,そして300年もの間,英語話者以外の人に支配されてきたことを考えると,将来英語はどのような地位へとシフトしているのか考えさせられる.今や英語話者で生まれないこと,日本人で生まれることがまるで disadvantage であるかのような社会風潮がある中,英語の優越性は変化するかもしれない,そして本質的な優越性ではないということを踏まえることで,言語や人々の偏見も少なくなるきっかけになるのではと思う.そしてアメリカこそが多様性の国というが,その影にイングランド,そして英語自体が本質的に多様である,雑種であるという事実も,今現在の多様な世界諸英語に対してよりインクルーシブな意識で受け入れることに繋がっているのではないかと思いました.よく日本では発音を矯正する教育などがあります.そのような方法も英語史の学びによって変化する可能性があると思います.


英語史を学ぶことはとても難しく,つまらないものだと講義を受ける前は考えていたが.今使用している英語がどのように作られてきたのか,どういった出来事で変化してきたのかについて,堀田先生のわかりやすく楽しい講義でよく理解できたと感じる.最初の講義で「この講義を受け終えたら英語の見方が180度変わる」とおっしゃっていたことが今とてもよくわかった.これからも英語史に関心を持ち続けていきたいと思う.


義務教育によって,現在では小学校五年生から英語を教科として誰もが学ぶ時代だ.そんな中で英語という言語に潜む「なぜ?」という疑問の数数に,納得のいく答えをもたらしてくれ,また新たな視点を与えてくれるのが英語史的知見だった.


今期の英語史を通じて,私が学んだことはどんなに小さな事柄であっても調べてみるという癖をつけることの大切さである.〔中略〕身の回りにあるちょっとしたものに目を向け考えることで,大きな歴史の流れやたくさんの教養を学べることを知る良い機会となった.


英語史で学んだこととして,最も自分に価値のあったことは「固定観念にとらわれず,多角的に物事を分析・観察することで新たな学びや発見に出会える」ということだ.春学期最初の授業の an apple の話は忘れない.母音の前の a は an になるという考えは歴史的には誤りで,正しくは最初はみんな an (one) だったが,子音連続を避けるため a pineapple のようになったということ.固定観念にとらわれるのは本当に良くないと実感した.


抽象的に言えば,当たり前の知識やシステムに疑いの目を持ち続けることにより,新しい学びや発見が得られるということだ.印象に残っているのは,英語が様々な言語から語彙を借用してきたことで英語が構成されていると理解した時の衝撃だ.英語は一つの言語の英語という枠組みでのみ捉えていたので,古英語→中英語→近代英語と時代が区分される,それぞれの過程で他言語からの影響を受けていることを知り,物事を一つの枠組み,固定観念として捉えてしまうことは,人生の面白さを半減させると気づきました.また,もっとも衝撃を受けたのは,Voicy の through が500通り以上あるという放送で,現在言語が標準化されていることが,そもそも当たり前ではない,through の方言の中でスルーという発音により近いスペリングを持つ単語があったはずだ.というお話.最初は疑問に思ったスルーの発音をいつの間にか当たり前に感じ,through のスペリングが多数あったことに驚いたことには,自分でも情けなさすら感じた.抱いた疑問は忘れず解決する,当たり前のことにも疑問の目を持ち続ける姿勢が重要だと感じた.英語の世界を広げるだけでなく,日常生活における物の見方を考え方をに影響を与えてしまう英語史の授業の面白さを痛感しています.新しい世界を開いてくださった堀田先生にはすごく感謝しています.


それまで当たり前だと認識して疑わなかった事象を一歩引いて客観視する方法や姿勢を学んだことです.英語においてその方法は,例えば言語(英語)の変化を言語内的要因だけでなく,言語外的要因で考えることでした.換言すれば,一つの事象を内面史と外面史の視座においてアプローチすることでしょう.片方の方法だけでは解決しえない問題がこれにより,時にエレガントに解けることを身をもって体感することができました.この時に得られるアハ体験は,今後の自身の学術研究活動におけるおーいなるモチベーション,インスピレーションになりました.ありがとうございます.今後も「よりによって!」「ちなみに!」といった素朴な疑問を積極的に持ち,それに今述べた姿勢で当たって,英語史,英語学,言語学の大海原でたくさん遊ぶつもりです.


 以上です.皆さんの英語史の学びのお役に立てば.

Referrer (Inside): [2024-04-11-1]

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2024-01-12 Fri

#5373. Voicy heldio を通じて「hel活」仲間が増えてきました [voicy][heldio][helwa][hel_education][khelf][language_change][link][helkatsu]

 毎朝6時にお届けしている Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の2024年の大テーマは「言語変化」 (language_change) です.この「hellog~英語史ブログ」でも長きにわたって注目してきたトピックですが,音声メディア heldio も用いて,より広く「なぜコトバは変化するのか」という魅力的な話題をお届けしていきたいと思います.よろしくお願いいたします.
 heldio チャンネルは2021年6月2日に開設し,2年7ヶ月ほどの間,毎朝英語史に関するお話しをお届けしてきました.heldio 開設2周年に当たる2023年6月2日には,有料版となるプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪 (helwa)」もオープンしました(こちらは毎週火木土の午後6時に配信しています).
 私はブログや Voicy 等のメディアを通じて「英語史をお茶の間に」広げていくことをモットーとしていますが,「hel活」(英語史活動)を推進してゆく「助っ人」にも囲まれるようになりました.感謝に堪えません.そのhel活助っ人のごく一部にすぎませんが,以下にご紹介します.

 ・ khelf(慶應英語史フォーラム)のメンバー:「hel活」の最大の応援団体です.『英語史新聞』を季刊で刊行しています.HP での広報のほか,X(旧ツイッター)アカウント @khelf_keio からも日々元気にhel活中.
 ・ heldio/helwa のリスナーの皆さん:日々の配信回へのコメント,SNS を通じての広報,企画回や生放送への参加,その他のhel活でお世話になっています.とりわけ最近注目すべきSNS上での活動としては:
   - リスナーの umisio さんによる「2024年「英語史の輪#77」英語語源辞典を読む。ノート完成。」,および「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む(34)のノートを取ったどー」
   - リスナーの kitako さんによる「heldio瓦版2024年1号」
   - 同じく kitako さんによるインスタグラムでの日々の heldio 配信回の紹介
   が目を見張ります
 ・ heldio/helwa 対談出演者の研究者や学生の皆さんにもお世話になっています.特に出演回数の多い方々の一覧は,いずれ整理したいと思っています.当面は以下のお二方が独自にまとめられているものをどうぞ.
   - 菊地翔太先生(専修大学)の HP
   - 矢冨弘先生(熊本学園大学)の HP
 ・ そしてもちろん本ブログを毎日お読みいただいている皆さんにも感謝いたします.私の公式 X アカウント @chariderryu からも情報を発信していますので,ぜひフォローをお願い致します.

 皆さんのhel活支援に感謝いたします.引き続き「英語史をお茶の間に」の応援をよろしくお願いします.今回と同趣旨の記事として「#5256. heldio/hel活応援リンク集」 ([2023-09-17-1]) もご覧いただければ.

Referrer (Inside): [2024-04-09-1]

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