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bibliography - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2020-11-25 16:58

2020-11-26 Thu

#4231. 英語史のための音声学・音韻論の入門書 [phonetics][phonology][bibliography][hel_education][sound_change]

 作ろうと思いながら,なかなか作れずにいた「英語史のための音声学・音韻論の入門書」をお届けします.個人的な英語史観に基づく見解ですが,英語史を理解するためには音声学,音韻論,音の変化に関する基本的な知識が欠かせません.英語史のおもしろさを堪能するには,言語音に対する理解が是非とも必要です.英語史の魅力の半分は音にあると言ってしまってよいでしょう.
 なかなか難しいのは音声学・音韻論というのは,高度に専門的な分野だということです.英語学の学生は典型的には文系肌の人間だと思いますが,音声学・音韻論という分野には理系的な要素が多分に含まれています.苦手意識があるのも無理からぬことかもしれません.なので,むしろ英語史に関心をもった方は,その関心をベースとして,必要とされるだけの音声学・音韻論の知識を学ぶところから始めるのがよいと思います.先に音声学を学び,次に音韻論へ進むのが正攻法です.
 まずは,英語史への関心を前提とした,和書・洋書を含めた音声学・音韻論の書誌を以下に示します.英語と日本語の音声・音韻を比較するという学び方を基本にするとよいと思います(なので日本語音声学の本も混じっています).独断と偏見ですが,お薦めに ◎,○を付しました.本によっては,必ずしも最新版ではないかもしれません.取り急ぎの書籍案内ということであしからず.

 ・ 川上 秦 『日本語音声概説』 おうふう,1977年.
 ・ 川越 いつえ 『英語の音声を科学する』 大修館,2007年.
 ・ 窪園 晴夫 『音声学・音韻論』 くろしお出版,1989年.
 ○ 窪園 晴夫・溝越 彰 『英語の発音と英詩の韻律』(英語学入門講座第7巻).英潮社,1991年.
 ・ 桑原 輝男・高橋 幸雄・小野塚 裕視・溝越 彰・大石 強 『音韻論』 現代の英文法第3巻 研究社,1985年.
 ・ 小泉 保 『改訂 音声学入門』 大学書林,2003年.
 ・ 斉藤 純男 『日本語音声学入門』改訂版 三省堂,2013年.
 ◎ 菅原 真理子(編)『音韻論』 朝倉日英対照言語学シリーズ 3 朝倉書店,2014年.
 ・ 竹林 滋 『英語音声学』 研究社,1996年.
 ◎ 竹林 滋・斎藤 弘子 『英語音声学入門』 大修館,2008年.
 ◎ 服部 義弘(編) 『音声学』 朝倉日英対照言語学シリーズ 2 朝倉書店,2012年.
 ○ 服部 義弘・児馬 修(編) 『歴史言語学』 朝倉日英対照言語学シリーズ[発展編]3 朝倉書店,2018年.
 ・ 原口 庄輔 『音韻論』 現代の英語学シリーズ第3巻 開拓社,1994年.
 ・ 枡矢 好弘 『英語音声学』 こびあん書房,1976年.
 ・ 松坂 ヒロシ 『英語音声学入門』 英語・英米文学入門シリーズ 研究社,1986.
 ・ Abercrombie, David. Elements of General Phonetics. Edinburgh: Edinburgh UP, 1967.
 ・ Carr, Philip and Jean-Pierre Montreuil. Phonology. 2nd ed. Basingstoke: Palgrave Macmillan, 2013.
 ○ Cruttenden, Alan. Gimson's Pronunciation of English. 8th ed. Abingdon: Routledge, 2014.
 ・ Davenport, Mike and S. J. Hannahs. Introducing English Phonetics and Phonology. 3rd ed. Oxon: Routledge, 2010.
 ・ Hayes, Bruce. Introducing Phonology. West Sussex: Wiley-Blackwell, 2009.
 ・ International Phonetic Association. Handobook of the International Phonetic Association: A Guide to the Use of the Internatonal Phoneti Alphabet. Cambridge: Cambridge UP, 1999.
 ○ Jones, Daniel. Cambridge English Pronouncing Dictionary. 18th ed. Ed. Peter Roach, Jane Setter and John Esling. Cambridge: Cambridge UP, 2011.
 ・ Ladefoged, P. A Course in Phonetics. 3rd ed Orlando: Harcourt Brace, 1993.
 ・ Laver, John Principles of Phonetics. Cambridge: Cambridge UP, 1994.
 ・ Roach, Peter. English Phonetics and Phonology: A Practical Course. 4th ed. Cambridge: Cambridge UP, 2009.
 ○ Wells, J C. ed. Longman Pronunciation Dictionary. 3rd ed. Harlow: Pearson Education, 2008.

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2020-06-25 Thu

#4077. MED の辞書としての特徴 [lexicography][dictionary][med][me][corpus][website][link][bibliography][onomastics]

 昨日の記事「#4076. Dictionary of Old EnglishDictionary of Old English Corpus」 ([2020-06-24-1]) に引き続き,英語史研究にはなくてはならないツールについて.中英語研究といえば,何をおいても MED を挙げなければならない (Kurath, Hans, Sherman M. Kuhn, John Reidy, and Robert E. Lewis. Middle English Dictionary. Ann Arbor: U of Michigan P, 1952--2001. Available online at http://quod.lib.umich.edu/m/med/) .昨日の DOE と DOEC の関係と同様に,MED にも関連する MEC というコーパスがあり,こちらもたいへん有用である (MEC = McSparran, Frances, ed. Middle English Compendium. Ann Arbor: U of Michigan P, 2006. Available online at http://quod.lib.umich.edu/m/mec/) .
 MED は1952年に最初の小冊が出版され,1991年に最後の小冊が出版されて完成した.その後,2000年にオンライン版の Middle English Compendium に組み込まれ,使い勝手が大幅に向上した.細かな検索ができることはもちろん,hyperbibliography の充実振りが嬉しい.56,000件ほどの見出し語を誇る中英語最大の辞書であることはいうにおよばず,中英語研究史上の最大の成果物といえる.2018年にはほぼ20年振りの改訂版が公開され,現在も中英語研究の第一線を走っている.
 MED には,使用に当たって知っておくべきいくつかの特徴がある.Durkin (1150--52) に拠って指摘しておこう.まず,MED は,語義に多くの注意を払う辞書だということだ.OED ではある語の語形を大きな基準として記述を仕分けているが,MED のエントリーの最大の構成原理は語義である.ある意味では語形の違いなどは方言差と割り切って,LALME や LAEME に委ねているといった風である.しかし,この語義優先という特徴により,語学的な研究のみならず,文化的,歴史的な研究にも資するツールとなっているという側面がある.
 語義の重視と関連して,MED は該当語の固有名詞としての使用にも意を払っている.たいてい最後の語義として言及されるが,これは固有名詞研究や歴史研究に有用である.多言語テキストに記されている英語の地名なども拾い上げられており,他言語文献や言語接触の研究にも資する情報である.
 MED で惜しむらく点は,語源記述が少ないことだ.直前の古英語形や借用語であればソース言語での形態などを挙げているにとどまり,深みがない.
 最後に指揮しておくべきは,例文に付されている年代について,(1) 写本(証拠)そのものの年代と,(2) テキストが作成されたとおぼしき年代とが,分けて記されている点である(後者はカッコでくくられている).両年代を念頭におけば,例えば異写本間での語形の比較に際して貴重な判断材料となるだろう.この重要な情報は,diplomatic な読みを追求する文献学的な関心に答えてくれる可能性を秘めている.
 関連して「#4016. 中英語研究のための基本的なオンライン・リソース」 ([2020-04-25-1]) も参照.

 ・ Durkin, Philip. "Resources: Lexicographic Resources." Chapter 73 of English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Ed. Alexander Bergs and Laurel J. Brinton. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012. 1149--63.

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2020-06-24 Wed

#4076. Dictionary of Old EnglishDictionary of Old English Corpus [lexicography][dictionary][doe][corpus][oe][website][link][bibliography]

 標題の辞書は,目下進行中の古英語辞書編纂プロジェクトの所産である(cf. 「#3006. 古英語の辞書」 ([2017-07-20-1])).進行中なので未完成ということになるが,現在 The Dictionary of Old English (DOE) のサイト より,Dictionary of Old English: A to I online, ed. Angus Cameron, Ashley Crandell Amos, Antonette diPaolo Healey et al. (Toronto: Dictionary of Old English Project, 2018). の項目をオンラインで閲覧・参照できる(限定利用できる無料版あり).
 この DOE と連動する形で古英語コーパス (DOEC) の編纂も同時に進行しており,Dictionary of Old English Web Corpus よりオンラインでアクセスできるようになっている(限定利用できる無料版あり).現存する古英語の文献資料は語数にして約300万語とされ,網羅的な目録を編纂し,網羅的な検索ツールを作ることは可能な範囲である.DOEC は,そのような目的の下,DOE 編纂プロジェクトの一環として,まず高頻度語を収録したマイクロフィッシュ版が1980年と1985年に公開された.その後,1997年にオンライン版が公開される一方,2005年には A--F までの項目を収録した CD-ROM 版も世に出た.その後も現在に至るまで,編纂者たちの地道な努力によって公開項目が増してきている.
 DOE の各語のエントリーでは,文証されるスペリング,語義や用例,(翻訳テキストの場合)対応するラテン単語などの情報が得られ,OED への参照を含めた参考資料へのアクセスも提供されている.
 この世に完璧なツールはないように,DOE(C) にも使用に際して注意すべき点はある.古英語テキストに複数のバージョンがある場合,文献学的には各々の単語の variants の情報が得られることが望ましいが,DOE(C) ではテキストによってその収録幅に揺れがある.また,語としての variants はおよそ拾い上げられているとしても,統語的,形態的,音韻的な意義をもつ variants にはさほど意が払われていない.さらに,書記上の省略が暗黙のうちに展開されているという点にも注意が必要である.語源情報が与えられていない点も,辞書として残念ではある.
 それでも,古英語研究における DOE の重要性と期待の大きさは計りしれない.OED にも古英語単語は収録されているが,あくまで部分的であり,1150年を超えて生き延びた古英語単語に限定されている.編纂プロジェクトのインスピレーション自体は,OED の初版が完成されつつあった100年ほど前の Craigie のアイディアに由来するというから,実に息の長いプロジェクトなのである.応援していきましょう.
 DOEC については,CoRD (Corpus Resource Database) よりこちらの情報もどうぞ.

 ・ Lowe, Kathryn A. "Resources: Early Textual Resources." Chapter 71 of English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Ed. Alexander Bergs and Laurel J. Brinton. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012. 1119--31.
 ・ Traxel, Oliver M. "Resources: Electronic/Online Resources." Chapter 72 of English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Ed. Alexander Bergs and Laurel J. Brinton. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012. 1131--48.
 ・ Durkin, Philip. "Resources: Lexicographic Resources." Chapter 73 of English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Ed. Alexander Bergs and Laurel J. Brinton. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012. 1149--63.

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2020-04-27 Mon

#4018. 英語史概説書等の書誌(2020年度版) [bibliography][hel_education][link]

 遅ればせながら国内の大学も新年度の授業が始まりつつある頃かと思います.新年度に英語史を学び始める人も多いはずですので,英語史概説書を中心に英語史・英語学の基本文献(2020年度版)を掲げておきます.英語史の初学者に特にお薦めの図書に◎を,初学者を卒業した段階のお薦めの図書に○を付してあります.目下の状況で手に入りにくい図書も多いかもしれませんが,今期はこの書誌一覧を手元に置いてもらえればと思います.このほか各図書の巻末やウェブサイトに掲載されている参考文献表も参照してください.印刷用のPDFも作ったので,こちらから自由にどうぞ.

[英語史概説書(日本語)]

 ◎ 家入 葉子  『ベーシック英語史』 ひつじ書房,2007年.
 ・ 宇賀治 正朋 『英語史』 開拓社,2000年.
 ◎ 唐澤 一友 『多民族の国イギリス---4つの切り口から英国史を知る』 春風社,2008年.
 ◎ 唐澤 一友 『英語のルーツ』 春風社,2011年.
 ・ サイモン・ホロビン(著),堀田 隆一(訳) 『スペリングの英語史』 早川書房,2017年.
 ◎ 寺澤 盾 『英語の歴史』 中央公論新社〈中公新書〉,2008年.
 ・ 中尾 俊夫,寺島 廸子 『図説英語史入門』 大修館書店,1988年.
 ・ 橋本 功 『英語史入門』 慶應義塾大学出版会,2005年.
 ◎ 堀田 隆一 『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』 中央大学出版部,2011年.
 ○ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
 ・ 松浪 有 編,小川 浩,小倉 美知子,児馬 修,浦田 和幸,本名 信行 『英語の歴史』 大修館書店,1995年.
 ・ 柳 朋宏 『英語の歴史をたどる旅』 中部大学ブックシリーズ Acta 30,風媒社,2019年.
 ・ 渡部 昇一 『英語の歴史』 大修館,1983年.

[英語史関連のウェブサイト]

 ・ 家入 葉子 「英語史全般(基本文献等)」 https://iyeiri.com/569 .(より抜かれた基本文献のリスト)
 ・ 堀田 隆一 「hellog〜英語史ブログ」 2009年5月1日〜,http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/
 ・ 堀田 隆一 「連載 現代英語を英語史の視点から考える」 2017年1月〜12月,http://www.kenkyusha.co.jp/uploads/history_of_english/series.html
 ・ 三浦 あゆみ 「A Gateway to Studying HEL: Textbooks(日本語編)」 http://www013.upp.so-net.ne.jp/HEL/textbooks.html .(充実した英語史の文献リスト)

[英語史概説書(英語)]

 ・ Algeo, John, and Thomas Pyles. The Origins and Development of the English Language. 5th ed. Thomson Wadsworth, 2005.
 ◎ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
 ・ Blake, N. F. A History of the English Language. Basingstoke: Macmillan, 1996.
 ○ Bradley, Henry. The Making of English. London: Macmillan, 1955.
 ○ Bragg, Melvyn. The Adventure of English. New York: Arcade, 2003.
 ・ Brinton, Laurel J. and Leslie K. Arnovick. The English Language: A Linguistic History. Oxford: OUP, 2006.
 ・ Bryson, Bill. Mother Tongue: The Story of the English Language. London: Penguin, 1990.
 ・ Crystal, David. The Stories of English. London: Penguin, 2005.
 ○ Fennell, Barbara A. A History of English: A Sociolinguistic Approach. Malden, MA: Blackwell, 2001.
 ・ Gelderen, Elly van. A History of the English Language. Amsterdam, John Benjamins, 2006.
 ・ Görlach, Manfred. The Linguistic History of English. Basingstoke: Macmillan, 1997.
 ○ Gooden, Philip. The Story of English: How the English Language Conquered the World. London: Quercus, 2009.
 ・ Horobin, Simon. Does Spelling Matter? Oxford: OUP, 2013.
 ◎ Horobin, Simon. How English Became English: A Short History of a Global Language. Oxford: OUP, 2016.
 ・ Jespersen, Otto. Growth and Structure of the English Language. 10th ed. Chicago: U of Chicago, 1982.
 ○ Knowles, Gerry. A Cultural History of the English Language. London: Arnold, 1997.
 ・ McCrum, Robert, William Cran, and Robert MacNeil. The Story of English. 3rd rev. ed. London: Penguin, 2003.
 ・ Smith, Jeremy J. Essentials of Early English. London: Routledge, 1999.
 ・ Strang, Barbara M. H. A History of English. London: Methuen, 1970.
 ○ Svartvik, Jan and Geoffrey Leech. English: One Tongue, Many Voices. Basingstoke: Palgrave Macmillan, 2006.

[英語史・英語学の参考図書]

 ・ 荒木 一雄,安井 稔(編) 『現代英文法辞典』 三省堂,1992年.
 ・ 石橋 幸太郎(編) 『現代英語学辞典』 成美堂,1973年.
 ・ 大泉 昭夫(編) 『英語史・歴史英語学:文献解題書誌と文献目録書誌』 研究社,1997年.
 ・ 大塚 高信,中島 文雄(監修) 『新英語学辞典』 研究社,1982年.
 ・ 小野 茂(他) 『英語史』(太田朗, 加藤泰彦編 『英語学大系』 8--11巻) 大修館書店,1972--85年.
 ・ 佐々木 達,木原 研三(編) 『英語学人名辞典』,研究社,1995年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語史・歴史英語学 --- 文献解題書誌と文献目録書誌』 研究社,1997年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語学要語辞典』 研究社,2002年.
 ・ 寺澤 芳雄,川崎 潔 (編) 『英語史総合年表−英語史・英語学史・英米文学史・外面史−』 研究社,1993年.
 ・ 松浪 有,池上 嘉彦,今井 邦彦(編) 『大修館英語学事典』 大修館書店,1983年.
 ・ Biber, Douglas, Stig Johansson, Geoffrey Leech, Susan Conrad, and Edward Finegan, eds. Longman Grammar of Spoken and Written English. Harlow: Pearson Education, 1999.
 ・ The Cambridge History of the English Language. Vols. 1--7. Ed. Richard M. Hogg. 1992--2001.
 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of the English Language. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. 2nd ed. 2003.
 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of Language. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. 2nd ed. 2003. 3rd ed. 2019.
 ・ English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Ed. Alexander Bergs and Laurel J. Brinton. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012.
 ・ Huddleston, Rodney and Geoffrey K. Pullum, eds. The Cambridge Grammar of the English Language. Cambridge: CUP, 2002.
 ・ McArthur, Tom, ed. The Oxford Companion to the English Language. Oxford: Oxford University Press, 1992.
 ・ The Oxford English Dictionary. 2nd ed. CD-ROM. Oxford: Oxford University Press, 1992. Version 3.1. 2004. (Also available online as Oxford English Dictionary Online at http://www.oed.com/ .)
 ・ Quirk, Randolph, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, and Jan Svartvik. A Comprehensive Grammar of the English Language. London: Longman, 1985.

Referrer (Inside): [2020-05-02-1] [2020-04-28-1]

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2020-04-25 Sat

#4016. 中英語研究のための基本的なオンライン・リソース [bibliography][website][link][corpus][dictionary][hel_education][auchinleck][oed][htoed][laeme][lalme][med][ceec][me]

 標記について,Smith (47--48) の参考文献表よりいくつか抜き出し,整理し,リンクを張ってみた(現時点で生きたリンクであることを確認済み).本ブログでは,その他各種のオンライン・リソースも紹介してきたが,まとめきれないので link を参照.とりわけ Chaucer 関連のリンクは「#290. Chaucer に関する Web resources」 ([2010-02-11-1]) をどうぞ.



 ・ AM = Burnley, David and Alison Wiggins, eds. Auchinleck Manuscript. National Library of Scotland, 2003. Available online at http://www.nls.uk/auchinleck/ .
 ・ CEEC = Nevalainen, Terttu, Helena Raumolin-Brunberg, Jukka Keränen, Minna Nevala, Arja Nurmi, and Minna Palander-Collin. Corpus of Early English Correspondence (CEEC). Department of English, U of Helsinki. Available online at http://www.helsinki.fi/varieng/CoRD/corpora/CEEC/index.html .
 ・ CSC = Meurman-Solin, Anneli. Corpus of Scottish Correspondence. U of Helsinki, 2007. Available online at http://www.helsinki.fi/varieng/CoRD/corpora/CSC/ .
 ・ CTP = Robinson, Peter and Barbara Bordalejo. The Canterbury Tales Project. Institute of Textual Scholarship and Electronic Editing, U of Birmingham, 1996--. Available online at http://server30087.uk2net.com/canterburytalesproject.com/index.html .
 ・ HTOED = Kay, Christian, Jane Roberts, Michael Samuels, and Irené Wotherspoon, eds. Historical Thesaurus of the Oxford English Dictionary. Oxford: OUP, 2009. Available online via http://www.oed.com/ .
 ・ LAEME = Laing, Margaret and Roger Lass. LAEME: A Linguistic Atlas of Early Middle English, 1150--1325. U of Edinburgh, 2007. Available online at http://www.lel.ed.ac.uk/ihd/laeme2/laeme2.html .
 ・ LALME = McIntosh, Angus, Michael Samuels, and Michael Benskin, with Margaret Laing and Keith Williamson. A Linguistic Atlas of Late Mediaeval English (LALME). Aberdeen: Aberdeen UP, 1986. Available online as eLALME at http://www.lel.ed.ac.uk/ihd/elalme/elalme_frames.html .
 ・ LAOS = Williamson, Keith. A Linguistic Atlas of Older Scots, Phase 1: 1380--1500 (LAOS). 2007. Available online at http://www.lel.ed.ac.uk/ihd/laos1/laos1.html .
 ・ MEC = McSparran, Frances, ed. Middle English Compendium. Ann Arbor: U of Michigan P, 2006. Available online at http://quod.lib.umich.edu/m/mec/ .
 ・ MED = Kurath, Hans, Sherman M. Kuhn, John Reidy, and Robert E. Lewis. Middle English Dictionary. Ann Arbor: U of Michigan P, 1952--2001. Available online at http://quod.lib.umich.edu/m/med/ .
 ・ MEG-C = Stenroos, Merja, Martti Mákinen, Simon Horobin, and Jeremy Smith. The Middle English Grammar Corpus (MEG-C). Version 2011.2. Available online at https://www.uis.no/research/history-languages-and-literature/the-mest-programme/the-middle-english-grammar-corpus-meg-c/ .
 ・ OED = Simpson, John, ed. The Oxford English Dictionary. 3rd ed. Oxford UP, 2000--. Available online at http://www.oed.com/.
 ・ TOE = Edmonds, Flora, Christian Kay, Jane Roberts, and Irené Wotherspoon. Thesaurus of Old English. U of Glasgow, 2005. Available online at https://oldenglishthesaurus.arts.gla.ac.uk/ .
 ・ VARIENG = Nevalainen, Terttu, Irma Taavitsainen, and Sirpa Leppänen. The Research Unit for Variation, Contacts and Change in English (VARIENG). Department of English, U of Helsinki. Available online at http://www.helsinki.fi/varieng/index.html .



 ・ Smith, Jeremy J. "Periods: Middle English." Chapter 3 of English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Ed. Alexander Bergs and Laurel J. Brinton. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012. 32--48.

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2019-12-31 Tue

#3900. 英語史の分野の学術論文でよく使われる MLA Style [site][link][hel_education][bibliography][sotsuron]

 いよいよ2019年も終わりですが,この時期は卒論を始めとする学位論文の提出期限の前後の時期でもあります.切羽詰まっている学生もいることと思いますが,論文の書式については時間を割いて揃えましょう.
 英語学術論文の書式には様々な種類がありますが,本ブログの主題である英語史や,その隣接分野である文学などでよく用いられるものに Modern Language Association (MLA) による MLA Style があります.MLA Style にも版があり,現行版は2016年に改訂された第8版です.本ブログでも,各記事での引用や参考文献などは,原則として MLA Style に準拠しています(ただし,古い版に基づいており現行版とは多少異なっているのであしからず.本ブログ全体の参考文献リストもご参照ください).
 MLA Style は正式には1冊の本として出版されていますが,オンラインのリソースも多々あるので,以下に参照に便利なリンクを張っておきます.

 ・ The MLA Style Center の参考文献表についてのクイック・ガイド
 ・ MLA Formatting and Style Guide --- Purdue Writing Lab
 ・ The Complete Guide to MLA & Citations
 ・ MLA Format: Everything You Need to Know Here

 学術研究において参考文献リストの整理は重要です.本音として「面倒くさい」のも事実なのですが,実はそのような面倒くささを軽減してくれるのが書式でありマニュアルです.つまり,学術研究上の文房具の1つです.英語論文を執筆する(予定の)学生は,MLA Style でなくとも,いずれかの書式をしっかり身につけておきましょう.

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2019-05-14 Tue

#3669. ゼミのグループ研究のための取っ掛かり書誌 [hel_education][bibliography][seminar]

 大学の英語史ゼミでは,今期も数名でミニ調査を行なう「グループ研究」を開始しています.5つのグループ研究テーマを設けていますが,各研究の取っ掛かりとして,いくつかの参考資料や文献を提示します.今後も随時ここに書誌を加えていこうかと思っていますので,ゼミ学生はたまに覗いてください.ミニ書誌ではありますが,せっかくなのでブログ上でオープンにしておきます.強調しておきますが,あくまで「取っ掛かり」のための書誌です.ここから研究を育てていってください.

0. 全般



1. be 完了の歴史

  • hellog より "perfect be" のタグのついた記事すべて
  • Rissanen, Matti. "Syntax." The Cambridge History of the English Language. Vol. 3. Cambridge: CUP, 1999. 187--331. 215ff.
  • Sorace, A. "Gradients in Auxiliary Selection with Intransitive Verbs." Language 76 (2000): 859--90.
  • Visser, F. Th. An Historical Syntax of the English Language. 3 vols. Leiden: Brill, 1963--1973. 2043ff.
  • 荒木 一雄,宇賀治 正朋 『英語史IIIA』 英語学大系第10巻,大修館書店,1984年.423頁他.
  • 中尾 俊夫・児馬 修(編著) 『歴史的にさぐる現代の英文法』 大修館,1990年.
  • 保坂 道雄 『文法化する英語』 開拓社,2014年.


2. 行為者接尾辞の歴史

  • hellog より "suffix agent" のタグのついた記事すべて
  • Barker, Chris. "Episodic -ee in English: A Thematic Role Constraint on New Word Formation." Language 74 (1998): 695--727.
  • Bolinger. "Visual Morphemes." Language 22 (1946): 333--40.
  • Carney, Edward. A Survey of English Spelling. Abingdon: Routledge, 1994.
  • Huddleston, Rodney and Geoffrey K. Pullum. The Cambridge Grammar of the English Language. Cambridge: CUP, 2002.
  • Isozaki, Satoko. "520 -ee Words in English." Lexicon 36 (2006): 3--23.
  • Marchand, Hans. The Categories and Types of Present-Day English Word-Formation: A Synchronic-Diachronic Approach. 2nd. ed. München: Beck, 1969.
  • McDavid, Raven I., Jr. "Adviser and Advisor: Orthography and Semantic Differentiation." Studies in Linguistics 1 (1942).
  • Upward, Christopher and George Davidson. The History of English Spelling. Malden, MA: Wiley-Blackwell, 2011.
  • 大石 強 『形態論』 開拓社,1988年.
  • 太田 聡  「「〜する人[もの]」を表す接尾辞 -or について」『近代英語研究』 第25号,2009年,127--33頁.
  • 西川 盛雄 『英語接辞研究』 開拓者,2006年.


3. 強意語のサイクル

  • hellog より "intensifier" のタグのついた記事すべて
  • Peters, Hans. "Degree Adverbs in Early Modern English." Studies in Early Modern English. Ed. Dieter Kastovsky. Mouton de Gruyter, 1994. 269--88.
  • Room, Adrian, ed. NTC's Dictionary of Changes in Meanings. Lincolnwood: NTC, 1991.
  • Stern, Gustaf. Meaning and Change of Meaning. Bloomington: Indiana UP, 1931.
  • Ullmann, Stephen. The Principles of Semantics. 2nd ed. Glasgow: Jackson, 1957.
  • Waldron, R. A. Sense and Sense Development. New York: OUP, 1967.
  • Williams, Joseph M. Origins of the English Language: A Social and Linguistic History. New York: Free P, 1975. 191ff.


4. 聖書の英語の通時的比較



5. 英語帝国主義批判

  • hellog より "linguistic_imperialism" のタグのついた記事すべて
  • Graddol, David. The Future of English? The British Council, 1997. Digital version available at https://www.teachingenglish.org.uk/article/future-english.
  • Crystal, David. English As a Global Language. 2nd ed. Cambridge: CUP, 2003.
  • Graddol, David. English Next. British Council, 2006. Digital version available at https://www.teachingenglish.org.uk/article/english-next.
  • Phillipson, Robert. Linguistic Imperialism. Oxford: OUP, 1992.
  • 施 光恒 『英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる』 集英社〈集英社新書〉,2015年.
  • 津田 幸男 『英語支配とことばの平等』 慶應義塾大学出版会,2006年.
  • 中村 敬 『英語はどんな言語か 英語の社会的特性』 三省堂,1989年.
  • 中村 敬 『なぜ,「英語」が問題なのか? 英語の政治・社会論』 三元社,2004年.
  • 水村美苗 『日本語が亡びるとき』 筑摩書房,2008年.

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2019-04-10 Wed

#3635. 英語史概説書等の書誌(2019年度版) [bibliography][hel_education][link]

 年度初めで英語史を学び始める人もいると思うので、英語史概説書を中心に、英語史・英語学の基本文献(2019年度版)を掲げたい.英語史の初学者に特にお薦めの図書に◎を,次にお薦めの図書に○を付してある.このほかに,各図書の巻末やウェブサイトに掲載されている参考文献表も要参照.印刷配布用のPDFも作ったので,こちらからどうぞ.

[英語史概説書(日本語)]

 ◎ 家入 葉子  『ベーシック英語史』 ひつじ書房,2007年.
 ・ 宇賀治 正朋 『英語史』 開拓社,2000年.
 ○ 唐澤 一友 『多民族の国イギリス---4つの切り口から英国史を知る』 春風社,2008年.
 ○ 唐澤 一友 『英語のルーツ』 春風社,2011年.
 ◎ 寺澤 盾 『英語の歴史』 中央公論新社〈中公新書〉,2008年.
 ・ 中尾 俊夫,寺島 廸子 『図説英語史入門』 大修館書店,1988年.
 ・ 橋本 功 『英語史入門』 慶應義塾大学出版会,2005年.
 ・ 堀田 隆一 『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』 中央大学出版部,2011年.
 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
 ・ 松浪 有 編,小川 浩,小倉 美知子,児馬 修,浦田 和幸,本名 信行 『英語の歴史』 大修館書店,1995年.
 ○ 柳 朋宏 『英語の歴史をたどる旅』 中部大学ブックシリーズ Acta 30,風媒社,2019年.
 ・ 渡部 昇一 『英語の歴史』 大修館,1983年.

[英語史概説書(英語)]

 ・ Algeo, John, and Thomas Pyles. The Origins and Development of the English Language. 5th ed. Thomson Wadsworth, 2005.
 ◎ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
 ・ Blake, N. F. A History of the English Language. Basingstoke: Macmillan, 1996.
 ○ Bradley, Henry. The Making of English. London: Macmillan, 1955.
 ○ Bragg, Melvyn. The Adventure of English. New York: Arcade, 2003.
 ・ Brinton, Laurel J. and Leslie K. Arnovick. The English Language: A Linguistic History. Oxford: OUP, 2006.
 ・ Bryson, Bill. Mother Tongue: The Story of the English Language. London: Penguin, 1990.
 ・ Crystal, David. The Stories of English. London: Penguin, 2005.
 ○ Fennell, Barbara A. A History of English: A Sociolinguistic Approach. Malden, MA: Blackwell, 2001.
 ・ Gelderen, Elly van. A History of the English Language. Amsterdam, John Benjamins, 2006.
 ・ Göorlach, Manfred. The Linguistic History of English. Basingstoke: Macmillan, 1997.
 ○ Gooden, Philip. The Story of English: How the English Language Conquered the World. London: Quercus, 2009.
 ◎ Horobin, Simon. How English Became English: A Short History of a Global Language. Oxford: OUP, 2016.
 ・ Jespersen, Otto. Growth and Structure of the English Language. 10th ed. Chicago: U of Chicago, 1982.
 ◎ Knowles, Gerry. A Cultural History of the English Language. London: Arnold, 1997.
 ・ McCrum, Robert, William Cran, and Robert MacNeil. The Story of English. 3rd rev. ed. London: Penguin, 2003.
 ・ Smith, Jeremy J. Essentials of Early English. London: Routledge, 1999.
 ・ Strang, Barbara M. H. A History of English. London: Methuen, 1970.
 ○ Svartvik, Jan and Geoffrey Leech. English: One Tongue, Many Voices. Basingstoke: Palgrave Macmillan, 2006.

[英語史・英語学の参考図書]

 ・ 荒木 一雄,安井 稔(編) 『現代英文法辞典』 三省堂,1992年.
 ・ 石橋 幸太郎(編) 『現代英語学辞典』 成美堂,1973年.
 ・ 大泉 昭夫(編) 『英語史・歴史英語学:文献解題書誌と文献目録書誌』 研究社,1997年.
 ・ 大塚 高信,中島 文雄(監修) 『新英語学辞典』 研究社,1982年.
 ・ 小野 茂(他) 『英語史』(太田朗, 加藤泰彦編 『英語学大系』 8--11巻) 大修館書店,1972--85年.
 ・ 佐々木 達,木原 研三(編) 『英語学人名辞典』,研究社,1995年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語史・歴史英語学 --- 文献解題書誌と文献目録書誌』 研究社,1997年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語学要語辞典』 研究社,2002年.
 ・ 寺澤 芳雄,川崎 潔 (編) 『英語史総合年表−英語史・英語学史・英米文学史・外面史−』 研究社,1993年.
 ・ 松浪 有,池上 嘉彦,今井 邦彦(編) 『大修館英語学事典』 大修館書店,1983年.
 ・ Biber, Douglas, Stig Johansson, Geoffrey Leech, Susan Conrad, and Edward Finegan, eds. Longman Grammar of Spoken and Written English. Harlow: Pearson Education, 1999.
 ・ The Cambridge History of the English Language. Vols. 1--7. Ed. Richard M. Hogg. 1992--2001.
 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of the English Language. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. 2nd ed. 2003.
 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of Language. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. 2nd ed. 2003.
 ・ English Historical Linguistics: An International Handbook. 2 vols. Ed. Alexander Bergs and Laurel J. Brinton. Berlin: Mouton de Gruyter, 2012.
 ・ Huddleston, Rodney and Geoffrey K. Pullum, eds. The Cambridge Grammar of the English Language. Cambridge: CUP, 2002.
 ・ McArthur, Tom, ed. The Oxford Companion to the English Language. Oxford: Oxford University Press, 1992.
 ・ The Oxford English Dictionary. 2nd ed. CD-ROM. Oxford: Oxford University Press, 1992. Version 3.1. 2004. (Also available online as Oxford English Dictionary Online at http://www.oed.com/ .)
 ・ Quirk, Randolph, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, and Jan Svartvik. A Comprehensive Grammar of the English Language. London: Longman, 1985.

[英語史関連のウェブサイト]

 ・ 家入 葉子 「英語史関係(基本文献など)」 http://www.iyeiri.sakura.ne.jp/students/English.htm .(より抜かれた基本文献のリスト)
 ・ 堀田 隆一 「hellog〜英語史ブログ」 http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/.特に「参考文献リスト」 (http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/references.html) を参照.
 ・ 三浦 あゆみ 「A Gateway to Studying HEL: Textbooks(日本語編)」 http://www013.upp.so-net.ne.jp/HEL/textbooks.html .(充実した英語史の文献リスト)

Referrer (Inside): [2020-04-01-1]

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2017-07-20 Thu

#3006. 古英語の辞書 [lexicography][dictionary][oe][doe][bibliography][hel_education][link]

 古英語を学習・研究する上で有用な辞書をいくつか紹介する.

 (1) Bosworth, Joseph. A Compendious Anglo-Saxon and English Dictionary. London: J. R. Smith, 1848.
 (2) Bosworth, Joseph and Thomas N. Toller. Anglo-Saxon Dictionary. Oxford: OUP, 1973. 1898. (Online version available at http://lexicon.ff.cuni.cz/texts/oe_bosworthtoller_about.html.)
 (3) Hall, John R. C. A Concise Anglo-Saxon Dictionary. Rev. ed. by Herbert T. Merritt. Toronto: U of Toronto P, 1996. 1896. (Online version available at http://lexicon.ff.cuni.cz/texts/oe_clarkhall_about.html.)
 (4) Healey, Antonette diPaolo, Ashley C. Amos and Angus Cameron, eds. The Dictionary of Old English in Electronic Form A--G. Toronto: Dictionary of Old English Project, Centre for Medieval Studies, U of Toronto, 2008. (see The Dictionary of Old English (DOE) and Dictionary of Old English Corpus (DOEC).)
 (5) Sweet, Henry. The Student's Dictionary of Anglo-Saxon. Cambridge: CUP, 1976. 1896.

 おのおのタイトルからも想像されるとおり,詳しさや編纂方針はまちまちである.入門用の Sweet に始まり,簡略辞書の Hall から,専門的な Bosworth and Toller を経て,最新の Healey et al. による電子版 DOE に至る.DOE を除いて,古英語辞書の定番がおよそ19世紀末の産物であることは注目に値する.この時期に,様々なレベルの古英語辞書が,独自の規範・記述意識をもって編纂され,出版されたのである.
 現代風の書き言葉の標準が明確に定まっていない古英語の辞書編纂では,見出し語をどのような綴字で立てるかが悩ましい問題となる.使用者は,たいてい適切な綴字を見出せないか,あるいは異綴りの間をたらい回しにされるかである.大雑把にいえば,入門的な Sweet の立てる見出しの綴字は "critical" で規範主義的であり,最も専門的な DOE は "diplomatic" で記述主義的である.その間に,緩やかに "critical" な Hall と緩やかに "diplomatic" な Bosworth and Toller が位置づけられる.
 合わせて古英語語彙の学習には,以下の2点を挙げておこう.

 ・ Barney, Stephen A. Word-Hoard: An Introduction to Old English Vocabulary. 2nd ed. New Haven: Yale UP, 1985.
 ・ Holthausen, Ferdinand. Altenglisches etymologisches Wōrterbuch. Heidelberg: Carl Winter Universitätsverlag, 1963.

 Holthausen の辞書は,古英語語源辞書として専門的かつ特異な地位を占めているが,語源から語彙を学ぼうとする際には役立つ.Barney は,同じ趣旨で,かつ読んで楽しめる古英語単語リストである.

Referrer (Inside): [2020-06-24-1]

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2016-06-18 Sat

#2609. 初期の英語史書 [hel][history_of_linguistics][historiography][bibliography][periodisation]

 昨日の記事「#2608. 19世紀以降の分野としての英語史の発展段階」 ([2016-06-17-1]) で取り上げたように,英語史記述の伝統は19世紀に始まる.通史はおよそヴィクトリア朝に著わされるようになり,1つの分野としての体裁を帯びてきた.Cable (11) によると,ヴィクトリア朝を中心とする時代に出版された初期の英語史書(部分的なものも含む)の主たるものとして,次のものが挙げられる.

 ・ Bosworth, J. The Origin of the Germanic ans Scandinavian Languages and Nations. 2nd ed. London: Longman, Rees, Orme, Brown, and Green. 1848 [1836].
 ・ Latham, R. G. The English Language. 5th ed. London: Taylor, Walton, and Maberly. 1862 [1841].
 ・ Marsh, G. P. Lectures on the English Language. Rev. ed. New York: Scribner's, 1885 [1862].
 ・ Mätzner, E. Englische Grammatik. 3 vols. 3rd ed. Berlin: Weidmann, 1880--85 [1860--65].
 ・ Koch, K. F. Historische Grammatik der englischen Sprache. 4 vols. Weimar: H. Böhlau, 1863--69.
 ・ Lounsbury, T. R. A History of the English language. 2nd ed. New York: Holt, 1894 [1879].
 ・ Emerson, O. F. The History of the English Language. New York: Macmillan, 1894.
 ・ Bradley, H. The making of English. Rev. ed. Ed. B. Evans and S. Potter. New York: Walker, 1967 [1904].
 ・ Jespersen, O. Growth and Structure of the English Language. 10th ed. London: Harcourt, 1982 [1905].
 ・ Wyld, H. C. The Historical Study of the Mother Tongue. London: Murray, 1906.
 ・ Jespersen, O. A Modern English Grammar on Historical Principles. 7 vols. London: Allen & Unwin, 1909
 ・ Smith, L. P. The English Language. London: Williams and Norgate, 1912.
 ・ Wyld, H. C. A Short History of English. 3rd ed. London: Murray, 1927 [1914].
 ・ Baugh, A. C. A History of the English Language. 2nd ed. New York: Appleton-Century Crofts, 1957 [1935]. (Co-authored with Thomas Cable (1978--2002). 3rd--5th eds. Englewood Cliffs, NJ: Prentice-Hall.)

 Cable (11) によれば,現在の英語史記述の伝統に連なる最初期のとりわけ重要な著作は Latham と Lounsbury である.ことに後者は1879年に出版されてから,その後の Smith (1912) に至るまでの類書のモデルとなったといってよい.ただし注意すべきは,Lounsbury では,英語史記述の開始がいまだ現在でいうところの中英語期に設定されており,"Old English" あるいは "Anglo-Saxon" はむしろ大陸のゲルマン語の歴史の一部をなすと考えられていた点である.しかし,15年後の Emerson (1894) は,"Old English" を英語史記述の一部として位置づける姿勢を示している.
 20世紀が進んでくると,上に挙げたもののほかにも多数の英語史書と呼ぶべき著作が出版されたし,21世紀に入ってもその勢いは衰えていないどころか,ますます活発化している.このことは,英語史という分野が展望の明るい活気のある学問領域であることを示すものである.Cable (15) 曰く,

A casual observer might imagine that 200 years of modern scholarship on 1,300 years of the recorded language would have covered the story adequately and that only incremental revisions remain. Yet the subject continues to expand in fructifying ways, and interacting developments contribute to the vitality of the field: the recognition that cultural biases often narrowed the scope of earlier inquiry; the incorporation of global varieties of English; the continuing changes in the language from year to year; and the use of computer technology in reinterpreting aspects of the English language from its origins to the present.


 英語史はおおいに学習し,研究する価値のある分野である.関連して,以下の記事も参照.「#24. なぜ英語史を学ぶか」 ([2009-05-22-1]),「#1199. なぜ英語史を学ぶか (2)」 ([2012-08-08-1]),「#1200. なぜ英語史を学ぶか (3)」 ([2012-08-09-1]),「#1367. なぜ英語史を学ぶか (4)」 ([2013-01-23-1]).

 ・ Cable, Thomas. "History of the History of the English Language: How Has the Subject Been Studied." Chapter 2 of A Companion to the History of the English Language. Ed. Haruko Momma and Michael Matto. Malden, MA: Wiley-Blackwell, 2008. 11--17.

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2016-04-02 Sat

#2532. The Owl and the Nightingale の書誌 [owl_and_nightingale][literature][eme][bibliography][link]

 この新年度には,初期中英語の討論詩 The Owl and the Nightingale を読み始める予定である.それに当たって,簡単な書誌を載せておきたい.研究書や論文を細かく含めるとおびただしい量になるので,ここでは主立ったものに限る.今後,必要に応じて追加していきたい.

[ Editions ]

 ・ Atkins, J. W. H., ed. The Owl and the Nightingale. New York: Russel & Russel, 1971. 1922.
 ・ Cartlidge, Neil, ed. The Owl and the Nightingale. Exeter: U of Exeter P, 2001.
 ・ Grattan, J. H. G. and G. F. H. Sykes, eds. The Owl and the Nightingale. Vol. 119 of EETS es. London: OUP, 1935.
 ・ Stanley, Eric Gerald, ed. The Owl and the Nightingale. Manchester: Manchester UP, 1972.
 ・ Treharne, Elaine, ed. Old and Middle English c. 890--c. 1450: An Anthology. 3rd ed. Malden, Mass.: Wiley-Blackwell, 2010.

[ Editions for Part of the Text ]

 ・ Bennett, J. A. W. and G. V. Smithers, eds. Early Middle English Verse and Prose. 2nd ed. Oxford: OUP, 1968.
 ・ Burrow, J. A. and Thorlac Turville-Petre, eds. A Book of Middle English. 3rd ed. Malden, MA: Blackwell, 2005.
 ・ Dickins, Bruce and R. M. Wilson, eds. Early Middle English Texts. London: Bowes, 1951.

[ Facsimile ]

 ・ Ker, N. R. The Owl and the Nightingale: Facsimile of the Jesus and Cotton Manuscripts. EETS os 251. London: 1963.

[ Studies ]

 ・ Cartlidge, Neil. "The Date of The Owl and the Nightingale." Medium Ævum 65 (1996): 230--47.
 ・ Fletcher, A. "Debate Poetry." Readings in Medieval Literature. Ed. D. Johnson and E. Treharne. Oxford: 2005. 241--56.
 ・ Hume, Kathryn. The Owl and the Nightingale: The Poem and Its Critics. Toronto, 1975.
 ・ Palmer, R. Barton. "The Narrator in The Owl and the Nightingale: A reader in the Text." Chaucer Review 22 (1988): 305--21.
 ・ Pearsal, Derek. Old English and Middle English Poetry. London: 1977. 91--4.
 ・ Reed, Thomas L. Middle English Debate Poetry and the Aesthetics of Irresolution. Columbia: 1990.
 ・ Salter, Elizabeth. English and International: Studies in the Literature, Art and patronage of Medieval England. Cambridge: 1988. Chapter 2.
 ・ Wilson, R. M. Early Middle English Literature. London: 1951. Chapter VII.

[ Online Resources ]

 ・ CMEPV: The Owl and the Nightingale (MS Cotton):
 ・ CMEPV: The Owl and the Nightingale (MS Jes. Col. 29)
 ・ CMEPV: MED Descriptions of CMEPV
 ・ LAEME: London, British Library, Cotton Caligula A ix, The Owl and the Nightingale, language 1
 ・ LAEME: London, British Library, Cotton Caligula A ix, The Owl and the Nightingale, language 2
 ・ LAEME: Oxford, Jesus College 29, part II, English on fols. 144r-195r; 198r-200v

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2015-08-18 Tue

#2304. 古英語の hundseofontig (seventy), hundeahtatig (eighty), etc. (2) [numeral][oe][germanic][bibliography][indo-european][comparative_linguistics]

 「#2286. 古英語の hundseofontig (seventy), hundeahtatig (eighty), etc.」 ([2015-07-31-1]) で,70から120までの10の倍数表現について,古英語では hund- (hundred) を接頭辞風に付加するということを見た.背景には,本来のゲルマン語の伝統的な12進法と,キリスト教とともにもたらされたと考えられる10進法との衝突という事情があったのではないかとされるが,いかなる衝突があり,その衝突がゲルマン諸語の数詞体系にどのような結果を及ぼしたのかについて,具体的なところがわからない.
 もう少し詳しく調査してみようと立ち上がりかけたところで,この問題についてかなりの先行研究,あるいは少なくとも何らかの言及があることを知った.印欧語あるいはゲルマン語の比較言語学の立場からの論考が多いようだ.以下は主として Hogg and Fulk (189) に挙げられている文献だが,何点か他書からのものも含めてある.

 ・ Bosworth, Joseph, T. Northcote Toller and Alistair Campbell, eds. An Anglo-Saxon Dictionary. Vol. 2: Supplement by T. N. Toller; Vol. 3: Enlarged Addenda and Corrigenda by A. Campbell to the Supplement by T. N. Toller. Oxford: OUP, 1882--98, 1908--21, 1972. (sv hund-)
 ・ Hogg, Richard M. and R. D. Fulk. A Grammar of Old English. Vol. 2. Morphology. Malden, MA: Wiley-Blackwell, 2011.
 ・ Lühr, R. "Die Dekaden '70--120' im Germanischen." Münchener Studien zur Sprachwissenschaft 36 (1977). 59--71.
 ・ Mengden, F. von. "How Myths Persist: Jacob Grimm, the Long Hundred and Duodecimal Counting." Englische Sprachwissenschaft und Mediävistik: Standpunkte, Perspectiven, neue Wege. Ed. G. Knappe. Frankfurt am Main: Peter Lang, 2005. 201--21.
 ・ Mengden, F. von. "The Peculiarities of the Old English Numeral System." Medieval English and Its Heritage: Structure, Meaning and Mechanisms of Change. Ed. N. Ritt, H. Schendl, C. Dalton-Puffer, and D. Kastovsky. Frankfurt am Main: Peter Lang, 2006. 125--45.
 ・ Mengden, F. von. 2010. Cardinal Numbers: Old English from a Cross-Linguistic Perspective. Berlin: De Gruyter Mouton. (see pp. 87--94.)
 ・ Nielsen, H. F. "The Old English and Germanic Decades." Nordic Conference for English Studies 4. Ed. G. Caie. 2 vols. Copenhagen: Department of English, University of Copenhagen, I, 1990. 105--17.
 ・ Voyles, Joseph B. Early Germanic Grammar: Pre-, Proto-, and Post-Germanic Languages. Bingley: Emerald, 2008. (see pp. 245--47.)

 Nielsen の論文は,研究史をよくまとめているようであり,印欧語比較言語学の大家 Szemerényi が Studies in the Indo-European Systems of Numerals (1960) で唱えた純粋に音韻論的な説明を擁護しているという.
 すぐに入手できる文献が少なかったので,今回は書誌を挙げるにとどめておきたい.

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2015-04-18 Sat

#2182. Baugh and Cable の英語史第6版 [review][hel_education][historiography][bibliography]

 新年度なので,授業で英語史の概説書などを紹介する機会があるが,英語史の定番・名著といえば Baugh and Cable である(ほかには「#1445. 英語史概説書の書誌」 ([2013-04-11-1]) も参照).「#2089. Baugh and Cable の英語史概説書の目次」 ([2015-01-15-1]) で2013年に出版された第6版の目次を紹介した.では,第6版は先行する第5版からどのように変化したのだろうか.両版を比較した和田によると,次のような異同が認められるという.

(1) 新たに第12章として,21世紀に向けた英語やその他の国際的な言語に関する章が付け加えられ,様々な言語的アプローチや言語における相対的な複雑性といった観点を含んだ議論がなされている。(2) 音韻変化について,新しいアプローチが加えられ,第3章の古英語,第7章の中英語の各章で紹介されている。(3) ルネサンス期の英語について,コーパス言語学的なアプローチが加えられている。(4) accent と register に関するセクションが加えられている。(5) アフリカ系黒人英語の観点から creolists と neo-Anglicists に関する最新の議論が加えられている。(6) 書誌情報の更新がなされている。


 さらに和田によると,中世英語の記述に的を絞ると,§38にて古英語期を中心としたその前後の時代に起こった音韻変化の解説が従来よりも詳しく書かれており,グリムの法則以後の主要な音韻変化の理解が縦につながるような工夫がなされているという.中英語を扱う第7章の冒頭セクション(§§111--12)でも,前の版にはみられなかった中英語の音韻変化が具体的に解説されており,音韻分野での最新の研究成果が反映されたものと考えられる.
 21世紀の英語,あるいは英語の未来を扱うような章節の追加は,近年出された英語史概説書に共通する特徴である.社会的な視点が豊富に取り入れられているのも最近の傾向だろう.だが,コーパス言語学の知見については,もっと取り入れられてもよいのではないかと思う.それくらいにコーパスを用いた研究の進展は著しい.Baugh and Cable の書誌情報は相変わらず豊富で,貴重である.
 英語史を志す大学生の皆さんには,早い段階での通読をお勧めします.
 ほかに英語史概説書の目次シリーズより,以下の記事も参照.

 ・ 「#2007. Gramley の英語史概説書の目次」 ([2014-10-25-1])
 ・ 「#2038. Fennell の英語史概説書の目次」 ([2014-11-25-1])
 ・ 「#2050. Knowles の英語史概説書の目次」 ([2014-12-07-1])

 ・ 和田 忍 「新刊紹介 Albert C. BAUGH & Thomas CABLE, A History of the English Language, Sixth edition, Upper Saddle River, NJ, Pearson, 2013, 446+xviii p., $174.07」『西洋中世研究』第5号,2013年,159頁.

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2014-03-23 Sun

#1791. 語源学は技芸が科学か (2) [etymology][bibliography][lexicography]

 標題については,「#466. 語源学は技芸か科学か」 ([2010-08-06-1]) や「#727. 語源学の自律性」 ([2011-04-24-1]) で論じてきた話題だが,言語科学における語源学の位置づけというのは実に特異で,私の頭の中でも整理できていない.通時的な音韻論,形態論,意味論,語彙論でもあり,一方で文献学でもあり,はたまた言語外の社会を参照する必要がある点で社会史や文化史の領域にも属する.ある語の語史をひもとくために様々な知識を総合し,書き上げた作品が,1つの辞書項目ということになる.語源調査は,1つの学問領域を構成するというよりは,マルチタレントを要求する技芸である,という見解が現れるのももっともである.
 昨日の記事「#1790. フランスでも16世紀に頂点を迎えた語源かぶれの綴字」 ([2014-03-22-1]) で引用したブリュッケルの『語源学』を読んで,上の印象を新たにした.ブリュッケルも,以前の語源学に関する記事で言及したブランショや Malkiel とともに,語源学の自律性について肯定的に論じようと腐心しているのだが,読めば読むほど科学というよりは技芸に近いという印象が増してくる.ブリュッケル (34--35) は,語源学者のもつべき資質を挙げている.

語源学者の仕事に先行する諸条件は彼の仕事や彼の探求の対象に対する言語学者としての一連の準備または素質のなかにある.つぎの諸点を考慮に入れればよい.文学語にも,また諸方言にも富んだ,できるかぎり広範囲にわたる資料;関係する領域における音声進化についての的確な知識;語の規定と語が包含する言語外の現実との間の諸関係を明らかにすることを可能にするレアリア realia 〔文物風土.ある言語社会の制度,習慣,歴史,動植物などに関する事実,またはそれらの知識を示す.言語を言語外の事実との関連で取り扱う,本来外国語教育の用語で,最初ドイツ語の Realien――実体,事実――から借用された〕についての幅広い経験;社会文化的,社会言語学的部門がなおざりにされてはならないということ;最小限の創意と,時には想像力がなければ,語源学者は自分を認めさせることがむずかしくなるであろうということ.


 さらに,p. 44 でこうも述べている.

語の起源や意味作用を把握するために,具体的な事物,品物,仕事の道具,農業生活,田園生活などを理解し,植物相,動物相,風土,地形を考慮することの必要性を強調する人々は多い.FEW の著者である,W・フォン・ヴァルトブルクは事物に関する正確な知識を語源学的研究の絶対的条件であると考える.


 これは,博物学者の資質といったほうがよい項目の羅列である.芸人の天分の領域にも近い.
 ブリュッケルの『語源学』には特に新しい視点は見られなかったが,4章にはいくつかのフランス語語源辞典の解題が付けられており便利である.以下に書誌を示しておく.

 ・ Diez, Friedrich Christian. Etymologisches Wörterbuch der romanischen Sprachen. Adolph Marcus, 1853.
 ・ Meyer-Lübke, Wilheml, ed. Romanisches etymologisches Wörterbuch. C. Winter's Universitätsbuchhandlung, 1911. (= REW)
 ・ Wartburg, Walther von. Französisches etymologisches Wörterbuch. Mohr, 1950. (= FEW)
 ・ Baldinger, Kurt, Jean-Denis Gendron, Georges Straka, and Martina Fietz-Beck. Dictionnaire étymologique de l'ancien francais. Max Niemeyer: Presses de l'Université Laval, 1971--. (= DEAF)
 ・ Bloch, Oscar and W. von Wartburg. Dictionnaire étymologique de la langue française. Presses universitaires de France, 1932.
 ・ Dauzat, Albert, Jean Dubois, and Henri Mitterand. Nouveau dictionnaire étymologique et historique. 2nd ed. Larousse, 1964. (= DDM)
 ・ Picoche, Jacqueline. Nouveau dictionnaire étymologique du français. Hachette-Tchou, 1971.
 ・ Trésor de la langue française. Ed. Centre national de la recherche scientifique. Institut nationale de la langue Française. Nancy Gallimard, 1986. (= TLF)

 ・ シャルル・ブリュッケル 著,内海 利朗 訳 『語源学』 白水社〈文庫クセジュ〉,1997年.

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2013-05-16 Thu

#1480. (英語)社会言語学概説書の書誌 [bibliography][sociolinguistics][hel_education][link]

 「#1445. 英語史概説書の書誌」 ([2013-04-11-1]) と同様の趣旨で,(英語)社会言語学の概説的な参考図書のリストを作成した.
 近年,(英語)社会言語学の発展は著しく,扱う範囲が広大になってきているが,以下では(英語)社会言語学に関する概説的な図書とレファレンスのお薦めリストを掲げる(◎○は特にお薦めのもの).このほかにも,各図書の巻末に掲載されている参考文献リストや,オンラインでは O'Grady et al. の言語学入門書のコンパニオンサイトに置かれているPDFの参考文献リストも要参照.また,本ブログでも社会言語学の話題を多く扱っているので,とりわけ sociolinguistics の各記事を参照されたい.
 以下と同じ内容の印刷配布用のPDFはこちらからどうぞ.

[概説書(日本語)]

 ○ 東 照二 『社会言語学入門 改訂版』,研究社,2009年.
 ○ 鈴木 孝夫 『ことばと文化』 岩波書店〈岩波新書〉,1973年.
 ・ 田中 克彦 『ことばと国家』 岩波書店〈岩波新書〉,1981年.
 ○ 田中 春美,田中 幸子(編著) 『社会言語学への招待』 ミネルヴァ書房,1996年.
 ・ 津田 葵 「社会言語学」『英語学大系第6巻 英語学の関連分野』(柴谷 方良, 大津 由紀雄, 津田 葵),大修館書店, 1989年,365--495頁.
 ・ 日比谷 潤子(編著) 『はじめて学ぶ社会言語学』 ミネルヴァ書房,2011年.
 ・ ルイ=ジャン・カルヴェ(著),萩尾 生(訳) 『社会言語学』 白水社,2002年.

[概説書(英語)]

 ・ Fasold, Ralph. The Sociolinguistics of Language. Oxford: Blackwell, 1990.
 ・ Holmes, Janet. An Introduction to Sociolinguistics. 3rd ed. Harlow: Pearson Education, 2008.
 ◎ Hudson, R. A. Sociolinguistics. 2nd ed. Cambridge: Cambridge University Press, 1996.
 ・ Romain, Suzanne. Language in Society: An Introduction to Sociolinguistics. 2nd ed. Oxford: Oxford University Press, 2000.
 ○ Trudgill, Peter. Sociolinguistics: An Introduction to Language and Society. 4th ed. London: Penguin, 2000.
 ○ Wardhaugh, Ronald. An Introduction to Sociolinguistics. 6th ed. Malden: Blackwell, 2010.

[(英語)社会言語学の参考図書]

 ・ 石橋 幸太郎(編) 『現代英語学辞典』 成美堂,1973年.
 ○ 大塚 高信,中島 文雄(監修) 『新英語学辞典』 研究社,1982年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語学要語辞典』 研究社,2002年.
 ・ 松浪 有,池上 嘉彦,今井 邦彦(編) 『大修館英語学事典』 大修館書店,1983年.
 ○ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of the English Language. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. 2nd ed. 2003.
 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of Language. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. 2nd ed. 2003.
 ○ McArthur, Tom, ed. The Oxford Companion to the English Language. Oxford: Oxford University Press, 1992.
 ◎ Trudgill, Peter. A Glossary of Sociolinguistics. Oxford: Oxford University Press, 2003.

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2013-04-11 Thu

#1445. 英語史概説書の書誌 [bibliography][hel_education][link]

 年度の初めに,英語史概説書や参考図書など英語史・英語学を学習・研究する上で知っておきたい図書等を書誌としてまとめておく.近年,この分野の出版物は日本語でも英語でも数が多く,レベルも入門から専門までと幅広いので,選定するのが難しいのだが,以下は現時点での一応の厳選リストである.
 独断と偏見ではあるが,最重要として◎を,重要として○を付した.このほかに,各図書の巻末やウェブサイトに掲載されている参考文献表も要参照.印刷配布用のPDFも作ったので,こちらからどうぞ.

[英語史概説書(日本語)]

 ・ 家入 葉子  『ベーシック英語史』 ひつじ書房,2007年.
 ・ 宇賀治 正朋 『英語史』 開拓社,2000年.
 ○ 唐澤 一友 『多民族の国イギリス---4つの切り口から英国史を知る』 春風社,2008年.
 ◎ 寺澤 盾 『英語の歴史』 中央公論新社〈中公新書〉,2008年.
 ・ 中尾 俊夫,寺島 廸子 『図説英語史入門』 大修館書店,1988年.
 ・ 橋本 功 『英語史入門』 慶應義塾大学出版会,2005年.
 ○ 堀田 隆一 『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』 中央大学出版部,2011年.
 ・ 松浪 有 編,小川 浩,小倉 美知子,児馬 修,浦田 和幸,本名 信行 『英語の歴史』 大修館書店,1995年.
 ○ 渡部 昇一 『英語の歴史』 大修館,1983年.

[英語史概説書(英語)]

 ◎ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
 ○ Bradley, Henry. The Making of English. London: Macmillan, 1955.
 ・ Bragg, Melvyn. The Adventure of English. New York: Arcade, 2003.
 ・ Brinton, Laurel J. and Leslie K. Arnovick. The English Language: A Linguistic History. Oxford: Oxford University Press, 2006.
 ○ Crystal, David. The Stories of English. London: Penguin, 2005.
 ○ Fennell, Barbara A. A History of English: A Sociolinguistic Approach. Malden, MA: Blackwell, 2001.
 ・ Gelderen, Elly van. A History of the English Language. Amsterdam, John Benjamins, 2006.
 ・ Jespersen, Otto. Growth and Structure of the English Language. 10th ed. Chicago: University of Chicago, 1982.
 ・ Knowles, Gerry. A Cultural History of the English Language. London: Arnold, 1997.
 ・ McCrum, Robert, William Cran, and Robert MacNeil. The Story of English. 3rd rev. ed. London: Penguin, 2003.
 ・ Smith, Jeremy J. Essentials of Early English. London: Routledge, 1999.
 ・ Strang, Barbara M. H. A History of English. London: Methuen, 1970.
 ・ Svartvik, Jan and Geoffrey Leech. English: One Tongue, Many Voices. Basingstoke: Palgrave Macmillan, 2006.

[英語史・英語学の参考図書]

 ・ 荒木 一雄,安井 稔(編) 『現代英文法辞典』 三省堂,1992年.
 ・ 石橋 幸太郎(編) 『現代英語学辞典』 成美堂,1973年.
 ・ 大泉 昭夫(編) 『英語史 ・歴史英語学:文献解題書誌と文献目録書誌』 研究社,1997年.
 ○ 大塚 高信,中島 文雄(監修) 『新英語学辞典』 研究社,1982年.
 ◎ 小野 茂(他) 『英語史』(太田朗, 加藤泰彦編 『英語学大系』 8--11巻) 大修館書店,1972--85年.
 ・ 佐々木 達,木原 研三(編) 『英語学人名辞典』,研究社,1995年.
 ◎ 寺澤 芳雄(編) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語史 ・歴史英語学 --- 文献解題書誌と文献目録書誌』 研究社,1997年.
 ・ 寺澤 芳雄(編) 『英語学要語辞典』 研究社,2002年.
 ・ 寺澤 芳雄,川崎 潔 (編) 『英語史総合年表−英語史 ・英語学史 ・英米文学史 ・外面史−』 研究社,1993年.
 ○ 松浪 有,池上 嘉彦,今井 邦彦(編) 『大修館英語学事典』 大修館書店,1983年.
 ○ Biber, Douglas, Stig Johansson, Geoffrey Leech, Susan Conrad, and Edward Finegan, eds. Longman Grammar of Spoken and Written English. Harlow: Pearson Education, 1999.
 ○ The Cambridge History of the English Language. Vols. 1--7. Ed. Richard M. Hogg. 1992--2001.
 ◎ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of the English Language. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. 2nd ed. 2003.
 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of Language. Cambridge: Cambridge University Press, 1995. 2nd ed. 2003.
 ・ Huddleston, Rodney and Geoffrey K. Pullum, eds. The Cambridge Grammar of the English Language. Cambridge: CUP, 2002.
 ○ McArthur, Tom, ed. The Oxford Companion to the English Language. Oxford: Oxford University Press, 1992.
 ◎ The Oxford English Dictionary. 2nd ed. CD-ROM. Oxford: Oxford University Press, 1992. Version 3.1. 2004. (Also available online as Oxford English Dictionary Online at http://www.oed.com/ .)
 ○ Quirk, Randolph, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, and Jan Svartvik. A Comprehensive Grammar of the English Language. London: Longman, 1985.

[英語史関連のウェブサイト]

 ・ 家入 葉子 「英語学関係(基本文献など)」 http://homepage3.nifty.com/iyeiri/students/English.htm .(より抜かれた基本文献のリスト)
 ・ 堀田 隆一 「hellog〜英語史ブログ」 http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~rhotta .本授業の履修者は必見.特に「参考文献リスト」 (http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~rhotta/course/2009a/hellog/references.html) を参照.
 ・ 三浦 あゆみ 「A Gateway to Studying HEL: Textbooks(日本語編)」 http://www013.upp.so-net.ne.jp/HEL/textbooks.html .(充実した英語史の文献リスト)

Referrer (Inside): [2015-04-18-1] [2013-05-16-1]

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2012-09-06 Thu

#1228. 英語史における標準英語の発展と確立を巡って [standardisation][chancery_standard][writing][bibliography]

 英語史において,後期中英語から近代英語にかけて進行した Standard English の確立は,大きな話題である.本ブログでも,standardisation や,とりわけ chancery_standard の記事で,関連する話題を取り上げてきた.
 Wright (1--2) によると,この方面の研究史は,Morsbach (1888), Doelle (1913), Heuser (1914), Reaney (1925, 1926), Mackenzie (1928), Ekwall (1956), Samuels (1963), Fisher (1977) という流れで発展してきた.

 ・ Morsbach, Lorenz. Über den Ursprung der neuenglischen Schriftsprache. Heilbronn: Henninger, 1888.
 ・ Doelle, Ernst. Zur Sprache Londons vor Chaucer. Niemeyer: 1913.
 ・ Heuser, Wilhelm. AltLondon mit besonderer Berücksichtingung des Dialekts. Osnabrück: 1914.
 ・ Reaney, Percy H. "On Certain Phonological Features of the Dialect of London in the Twelfth Century". Englische Studien 59 (1925): 321--45.
 ・ Reaney, Percy H. "The Dialect of London in the Thirteenth Century". Englische Studien 61 (1926): 9--23.
 ・ Mackenzie, Barbara Alida. The Early London Dialect. Oxford: Clarendon, 1928.
 ・ Ekwall, Bror Eilert. Studies on the Population of Medieval London. Stockholm: Almqvist and Wiksell, 1956.
 ・ Samuels, Michael Louis. "Some Applications of Middle English Dialectology." English Studies 44 (1963): 81--94. Revised in Middle English Dialectology: Essays on Some Principles and Problems. Ed. Margaret Laing. Aberdeen: Aberdeen UP, 1989.
 ・ Fisher, John Hurt. "Chancery and the Emergence of Standard Written English in the Fifteenth Century." Speculum 52 (1977): 870--99.


 特に,Ekwall から影響を受けた Samuels が書き言葉標準の Type 4 として挙げた,Chancery Standard という公的文書に現われる後期中英語の変種が後の標準化の基盤であるとする議論が,主流となってきた ([2010-02-27-1]の記事「#306. Samuels の中英語後期に発達した書きことば標準の4タイプ」を参照).
 だが,最近では,英語史研究の進展と社会言語学への関心により,Samuels 説の想定するような線的な標準英語の発展と確立というモデルではなく,より複雑な現象として面的にとらえる視点が現われてきている.確かに,Samuels その他の唱えた従来の諸説では,標準化の発展の詳細を思い浮かべることはできないように思われる.例えば,Wright (2) が提示しているように,以下の問題がいまだ解かれていない.

 (1) どの程度の期間にわたって,どのような種類のテキストにおいて,形態や語彙の標準化が進んだのか.
 (2) Central Midland や East Midland からロンドンへの移民による方言接触説が唱えられているが,この説は,社会言語学的な観点から,どのように評価されるか.
 (3) Chancery Standard は,変種というよりは,ある種の綴字体系にすぎないのではないか.とすれば,他のどの水平化された変種 (levelled varieties) が,後の標準英語への入力となったのか.
 (4) 標準英語の語彙,特に標準書き言葉に用いられる語彙はどのように選択されたのか.その裏返しとして,地域的な語彙や非標準的な語彙はどのように選択されたのか.

 Wright の編んだ論文集では,以上のような問題が焦点化されている.大雑把な結論としては,以下の通りである.

Some of the papers presented here report data which displays not the familiar S-curve of change, but a more unwieldy W-curve (that is, changes which begin, progress, then recede, then progress again . . . ). Standardisation is shown not to be a linear, unidirectional or 'natural' development, but a set of processes which occur in a set of social spaces, developing at different rates in different registers in different idiolects. (6)


 ・ Wright, Laura. The Development of Standard English, 1300--1800. Introduction. Ed. Laura Wright. Cambridge: CUP, 2000.

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2012-03-06 Tue

#1044. 中英語作品,Chaucer,Shakespeare,聖書の略記一覧 [chaucer][shakespeare][bible][bibliography][literature][abbreviation]

 Chaucer など中英語の文学テキストをはじめとして,英語史で引用されることの多い主要な作品の略記を一覧にしておくと便利である.そこで,『英語語源辞典』 (xvii--xx) より,中英語作品,Chaucer,Shakespeare,聖書の書名の略記を抜き出した.関連して MEDHyperBibliography も参照.

ME期主要作品の成立年代と作品名(MED による略形)
?lateOELambeth Homilies
a1121--60Peterb. Chron. = Peterborough Chronicle
c1175Body & Soul
?c1175Poema Morale
?a1200Ancrene Riwle
?a1200Layamon Brut
?c1200St. Juliana
?c1200St. Katherine
?c1200St. Margaret
?c1200Hali Meidenhad
?c1200Sawles Warde
?c1200Ormulum
c1200Vices & Virtues
?c1225Horn
c1250Owl & Nightingale
c1250Floris
c1250Genesis & Exodus
c1275Kentish Sermons
?a1300Kyng Alisaunder
?a1300Richard Coer de Lyon
c1300Havelok
c1300Gloucester Chronicle
c1300South English Legendary
c1303Mannyng Handlyng Synne
a1325Cursor Mundi
c1330Orfeo
a1333Shoreham Poems
a1338Mannyng Chronicle
1340Ayenbite
c1340Rolle Psalter
c1350Prose Psalter
c1353Wynnere & Wastoure
a1375William of Palerne
1375Barbour The Bruce
a1376Piers Plowman A
a1378Piers Plowman B
?c1380Cleanness
?c1380Patience
?c1380Pearl
c1384Wycl. Bible (1) = Wycliffite Bible
c1386St. Erkenwald
?a1387Piers Plowman C
a1387Trevisa Polychronicon
?c1390Gawain = Sir Gawain and the Green Knight
a1393Gower Confessio Amantis
c1395Wycl. Bible (2) = Wycliffite Bible
?c1395Pierce the Ploughman's Creed
a1396Hilton Scale of Perfection
a1398Trevisa Bartholomew
?a1400Destruction of Troy
?a1400Morte Arthure
c1400Mandeville
?a1425Polychronicon (Harley)
?a1425Chauliac (1) = Guy de Chauliac's Grande Chirurgie
?c1425Chauliac (2) = Guy de Chauliac's Grande Chirurgie
?a1438MKempe = Book of Margery Kempe
1440Promp. Parv. = Promptorium Parvulorum
?a1450Gesta Romanorum
a1470Malory

Chaucer 作品名の略形(MED による略形)
ABCAn ABC
AdamChaucers Wordes Unto Adam, His Owne Scriveyn
Anel.Anelida and Arcite
Astr.A Treatise on the Astrolabe
Bal. Ch.A Balade of Complaint
BDThe Book of the Duchess
Bo.Boece
Buk.Lenvoy de Chaucer a Bukton
Comp. A.Complaynt D'Amours
Comp. L.Complaint to His Lady
CT.The Canterbury Tales
CT. Cl.The Clerk's Prologue and Tale
CT. Co.The Cook's Prologue and Tale
CT. CY.The Canon's Yeoman's Prologue and Tale
CT. Fkl.The Franklin's Prologue and Tale
CT. Fri.The Friar's Prologue and Tale
CT. Kn.The Knight's Tale
CT. Mch.The Merchant's Prologue, Tale, and Epilogue
CT. Mk.The Monk's Tale
CT. Mcp.The Manciple's Prologue and Tale
CT. Mel.The Tale of Melibee
CT. Mil.The Miller's Prologue and Tale
CT. ML.The Man of Law's Introduction, Prologue, Tale, and Epilogue
CT. Mk.The Monk's Prologue and Tale
CT. NP.The Nun's Priest's Prologue, Tale, and Epilogue
CT. Pard.The Pardoner's Introduction, Prologue, and Tale
CT. Pars.The Parson's Prologue and Tale
CT. Ph.The Physician's Tale
CT. Pri.The Prioress's Prologue and Tale
CT. Prol.General Prologue
CT. Rt.Chaucer's Retraction
CT. Rv.The Reeve's Prologue and Tale
CT. Sh.The Shipman's Tale
CT. SN.The Second Nun's Prologue and Tale
CT. Spurious Pard. Sh. LinkThe Spurious Pardoner-Shipman Link
CT. Sq.The Squire's Introduction and Tale
CT. Sum.The Summoner's Prologue and Tale
CT. Th.The Prologue and Tale of Sir Thopas
CT. WB.The Wife of Bath's Prologue and Tale
Form. A.The Former Age
Fort.Fortune
Gent.Gentilesse
HFThe House of Fame
LGWThe Legend of Good Women
LGW Prol.Prologue
L. St.Lak of Stedfastnesse
MarsThe Complaint of Mars
Merc. B.Merciles Beaute
PFThe Parliament of Fowls
PityThe Complaint unto Pity
Prov.Proverbs
PurseThe Complaint of Chaucer to His Purse
Rosem.To Rosemounde
RRoseThe Romaunt of the Rose
Scog.Lenvoy de Chaucer a Scogan
TCTroilus and Criseyde
TruthTruth
Ven.The Complaint of Venus
W. Unc.Against Women Unconstant

Shakespeare 作品名の略形(The Riverside Shakespeare (1974) による略形)
AWWAll's Well That Ends Well
AYLAs You Like It
AdoMuch Ado About Nothing
AntAntony and Cleopatra
CorCoriolanus
CymCymbeline
ErrThe Comedy of Errors
1H41 Henry IV
2H42 Henry IV
H5Henry V
1H61 Henry VI
2H62 Henry VI
3H63 Henry VI
H8Henry VIII
HamHamlet
JCJulius Caesar
JnKing John
LCLover's Complaint
LLLLove's Labour's Lost
LrKing Lear
LucThe Rape of Lucrece
MMMeasure for Measure
MNDA Midsummer-Night's Dream
MVThe Merchant of Venice
MWWThe Merry Wives of Windsor
MacMacbeth
OthOthello
PerPericles
PhoeThe Phoenix and Turtle
R2Richard II
R3Richard III
RJRomeo and Juliet
ShrThe Taming of the Shrew
SonSonnets
TCTroilus and Cressida
TGVThe Two Gentlemen of Verona
TNKThe Two Noble Kinsmen (with Fletcher)
TNTwelfth Night
TemTempest
TimTimon of Athens
TitTitus Andronicus
VAVenus and Adonis
WTThe Winter's Tale

英訳聖書 (AV) 書名の略形
ActsThe Acts of the Apostles
AmosAmos
1 Chron.The First Book of the Chronicles
2 Chron.The Second Book of the Chronicles
Col.The Epistle of Paul the Apostle to the Colossians
1 Cor.The First Epistle of Paul the Apostle to the Corinthians
2 Cor.The Second Epistle of Paul the Apostle to the Corinthians
Dan.The Book of Daniel
Deut.The Fifth Book of Moses, called Deuteronomy
Eccles.Ecclesiastes, or the Preacher
Ephes.The Epistle of Paul the Apostle to the Ephesians
Esth.The Book of Esther
Exod.The Second Book of Moses, called Exodus
Ezek.The Book of the Prophet Ezekiel
EzraEzra
Gal.The Epistle of Paul the Apostle to the Galatians
Gen.The First Book of Moses, called Genesis
Hab.Habakkuk
Hag.Haggai
Heb.The Epistle of Paul the Apostle to the Hebrews
Hos.Hosea
Isa.The Book of the Prophet Isaiah
JamesThe General Epistle of James
Jer.The Book of the Prophet Jeremiah
JobThe Book of Job
JoelJoel
JohnThe Gospel according to St. John
1 JohnThe First Epistle General of John
2 JohnThe Second Epistle of John
3 JohnThe Third Epistle of John
JonahJonah
Josh.The Book of Joshua
JudeThe General Epistle of Jude
JudgesThe Book of Judges
1 KingsThe First Book of the Kings
2 KingsThe Second Book of the Kings
Lam.The Lamentations of Jeremiah
Lev.The Third Book of Moses, called Leviticus
LukeThe Gospel according to St. Luke
Mal.Malachi
MarkThe Gospel according to St. Mark
Matt.The Gospel according to St. Matthew
Mic.Micah
Nah.Nahum
Neh.The Book of Nehemiah
Num.The Fourth Book of Moses, called Numbers
Obad.Obadiah
1 Pet.The First Epistle General of Peter
2 Pet.The Second Epistle General of Peter
Philem.The Epistle of Paul to Philemon
Philip.The Epistle of Paul the Apostle to the Philippians
Prov.The Proverbs
Ps.The Book of Psalms
Rev.The Revelation of St. John the Divine
Rom.The Epistle of Paul the Apostle to the Romans
RuthThe Book of Ruth
1 Sam.The First Book of Samuel
2 Sam.The Second Book of Samuel
Song of Sol.The Song of Solomon
1 Thess.The First Epistle of Paul the Apostle to the Thessalonians
2 Thess.The Second Epistle of Paul the Apostle to the Thessalonians
1 Tim.The First Epistle of Paul the Apostle to Timothy
2 Tim.The Second Epistle of Paul the Apostle to Timothy
TitusThe Epistle of Paul to Titus
Zech.Zechariah
Zeph.Zephaniah
外典 (Apocrypha)
BaruchBaruch
Bel and DragonThe History of the Destruction of Bel and the Dragon
Ecclus.The Wisdom of Jesus the Son of Sirach, or Ecclesiasticus
1 Esd.I. Esdras
2 Esd.II. Esdras
JudithJudith
1 Macc.The First Book of the Maccabees
2 Macc.The Second Book of the Maccabees
Pr. of ManThe Prayer of the Manasses
Rest of EstherThe Rest of the Chapters of the Book of Esther
Song of Three ChildrenThe Song of the Three Holy Children
SusannaThe History of Susanna
TobitTobit
Wisd. of Sol.The Wisdom of Solomon


 ・ 寺澤 芳雄 (編集主幹) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.

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2011-08-04 Thu

#829. she の語源説の書誌 [personal_pronoun][she][etymology][bibliography]

 一昨日の記事「she の語源説」 ([2011-08-02-1]) で概説したように,she の語源は諸説紛々としている.関連研究も累々と積み重ねられてきており,その書誌をまとめるだけでも意味があるかもしれない.まったく網羅的ではないが,昨日挙げた参考文献に載っていたものを中心にいくつかを示しておきたい.

 ・ Bennett, J. A. W. and G. V. Smithers, eds. Early Middle English Verse and Prose. 2nd ed. Oxford: OUP, 1968. xxxvi--xxxviii.
 ・ Clark, Cecily, ed. The Peterborough Chronicle 1070-1154. London: OUP, 1958. lxvi--lxvii.
 ・ Dieth, E. "Hips: A Geographical Contribution to the 'She' Puzzle." ES 36 (1955): 209--17.
 ・ Flom, G. T. "The Origin of the Pronoun 'She'." JEGP 7 (1908): 115--25.
 ・ Lindkvist, H. "On the Origin and History of the English Pronoun she." Anglia 45 (1921): 1--50.
 ・ Luick, K. Historische Grammatik der englischen Sprache. Stuttgart: Tauchnitz, 1964. Section 705.
 ・ Ruud, M. B. "A Conjecture concerning the Origin of Modern English She." MLN 25 (1920): 222--25.
 ・ Ruud, M. B. "'She' Once More." RES 2 (1926): 201--04.
 ・ Samuels, M. L. "The Role of Functional Selection in the History of English." Transactions of the Philological Society. 1965. 21--23.
 ・ Sarrazin, G. "Der Ursprung von NE. 'She'." Englische Studien 20 (1895--96): 330--31.
 ・ Smith, A. H. "Some Place-Names and the Etymology of 'She'." RES 2 (1925): 437--40.
 ・ Stevick, R. D. "The Morphemic Evolution of Middle English She." ES 65 (1964): 381--88.
 ・ Vachek, J. "Notes on the Phonological Development of the NE Pronoun she." Sborník Praci Filosfické Faculty Brnenské University 3 (1954): 67--80.
 ・ Vachek, J. "On Peripheral Phonemes of Modern English." Brno Studies in English 4 (1964): 21--29.

 ・ 尾碕 一志 「人称代名詞 she の起源について: enclitic *-se 介在説」『雲雀野 : 豊橋技術科学大学人文科学系紀要』第12巻,1990年,43--48頁.
 ・ 佐藤 哲三 「 Havelok the Dane の三人称代名詞(女性・主格・単数) SHE に関して」『第一福祉大学紀要』第2巻,2005年,27--45頁.( CiNii より PDF で入手可能.pp. 28--29 に諸説がまとまっている.)

 ほとんどが Bennett and Smithers から芋づる式に書誌を調べたので,最も新しくて1960年代の論である.それ以降も調べれば,いろいろと出てくるだろう.気付いたら,後記としてここに加えてゆきたい.

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2011-03-16 Wed

#688. 中英語の形容詞屈折体系の水平化 [adjective][inflection][lexical_diffusion][ilame][bibliography]

 目下の関心の1つに,中英語の形容詞屈折体系の水平化(自称 "Inflectional Levelling of Adjectives in Middle English" )がある.本ブログでも関連する記事は何点か書いてきた ([2010-09-13-1], [2010-10-11-1], [2011-03-15-1]) .多くの場合,中英語のテキストにおいて形容詞に -e 語尾がつくのかどうかという実に小さな点に注目するのだが,実のところ,この問題は英語史的,ゲルマン語史的な幅での含蓄をもっており,言語変化理論の観点からのアプローチにも耐えるトピックだと考えている.その理由は2つ.

 (1) 英語史上の重要な話題である中英語期の屈折の水平化 ( levelling of inflection ) については,名詞,動詞,冠詞に注目が集まりがちだが,形容詞も目立たないながら着実に水平化を経ていた.形容詞屈折体系は,修飾する名詞の性・数・格に依存していただけでなく,統語的な環境に応じて強変化と弱変化をも区別しており ([2010-10-11-1], [2011-03-15-1]),極めて複雑な体系だった.ある意味で最も複雑だった形容詞屈折体系の水平化を跡づけることは,印欧語族のなかで最も分析化の進んだ言語といわれる英語 ([2011-02-12-1], [2011-02-13-1]) の歴史の解明には欠かすことができない.
 (2) 形容詞屈折体系の水平化は,他の語類における水平化(そして多くの言語変化)と同じように,時間をかけてゆっくりと進行した.屈折の水平化の過程は裏返したS字曲線として記述される可能性があり,lexical diffusion の理論にとって示唆的である (lexical_diffusion) .一方で,過程の途中には,水平化の勢いが弱まり,退化した形で屈折の下位体系 ( subsystem ) が確立し持続する段階も観察され,単純な裏S字曲線として進行したわけではないことが示唆される.徐々に進行する言語変化では,徐々に何が生じているのだろうか.

 以下に,この問題を追究するにあたっての文献をメモ(今後もここに追加してゆき,書誌を充実させる予定).

 ・ Burrow, J. A. and Thorlac Turville-Petre, eds. A Book of Middle English. 3rd ed. Malden, MA: Blackwell, 2005. (esp. pp. 27--29.)
 ・ Burnley, David. "Inflection in Chaucer's Adjectives." Neuphilologische Mitteilungen 83 (1982): 169--77.
 ・ Burnley, David. The Language of Chaucer. Basingstoke: Macmillan Education, 1983. (esp. pp. 13--15.)
 ・ Horobin, Simon. Chaucer's Language. Basingstoke: Palgrave Macmillan, 2007. (esp. pp. 105--07.)
 ・ Laing, Margaret and Roger Lass. "Tagging." Chapter 4 of "A Linguistic Atlas of Early Middle English: Introduction." Available online at http://www.lel.ed.ac.uk/ihd/laeme1/pdf/Introchap4.pdf . (esp. pp. 19--22.)
 ・ Lass, Roger. "Phonology and Morphology." The Cambridge History of the English Language. Vol. 2. Cambridge: CUP, 1992. 23--154. (esp. pp. 23--154.)
 ・ Minkova, Donka. The History of Final Vowels in English: The Sound of Muting. Berlin: Mouton de Gruyter, 1991. (esp. pp. 171--91.)
 ・ Minkova, Donka. "Adjectival Inflexion Relics and Speech Rhythm in Late Middle and Early Modern English." Papers from the 5th International Conference on English Historical Linguistics, Cambridge, 6--9 April 1987. Ed. Sylvia Adamson, Vivien Law, Nigel Vincent, and Susan Wright. Amsterdam: John Benjamins, 1990. 313--36.
 ・ Mossé, Fernand. A Handbook of Middle English. Trans. James A. Walker. Baltimore: Johns Hopkins, 1952. (esp. pp. 64--65.)
 ・ Mustanoja, T. F. A Middle English Syntax. Helsinki: Société Néophilologique, 1960. (esp. pp. 233, 275--77.)
 ・ Pearsall, Derek. "The Weak Declension of the Adjective and Its Importance in Chaucerian Metre." Chaucer in Perspective: Middle English Essays in Honour of Norman Blake. Ed. Geoffrey Lester. Sheffield: Sheffield Academic P, 1999. 178--93.
 ・ Samuels, M. L. "Chaucerian Final -E." Notes and Queries 217 (1972): 445--48.
 ・ Topliff, Delores E. "Analysis of Singular Weak Adjective Inflexion in Chaucer's Works." Journal of English Linguistics 4 (1970): 78--89.
 ・ 中尾 俊夫 『英語史 II』 英語学大系第9巻,大修館書店,1972年.(esp. pp. 144--47.)

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