
一昨日の5月28日(木),英語史をテーマとする日本(世界でも?)唯一の月刊ウェブマガジン Helvillian 6月号が公開されました.通算第20号となる節目の号です.前号の紹介記事で「次号はいよいよ第20号の大台に乗る」と期待を寄せていましたが,こうして実際に形になり,継続の重みと有志ヘルメイトの皆さんの自発的なエネルギーに改めて深い敬意を表します.
今号の「表紙のことば」を担当されたのは taku さんです.ダイバーの taku さんが,ダイビングと英語史の共通点をアクロバティックに指摘されています.実は私もダイバーなのですが,「ダイビング×英語史」は考えたことがなかったので,今回 taku さんのことばを読んで目から鱗が落ちました.taku さんにお寄せいただいた表紙の写真はもちろん海面下の絶景.表紙デザインは,編集委員のお一人 Galois さんが手がけられました.
続く本編は,この1ヶ月のあいだに主に note 上で公開されたヘルメイトさんたちの記事群の抜粋一覧です.6月10日に発売予定の拙著 #なぜさんたんげん こと『英語史で解く英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』(NHK出版新書)を応援してくださる記事も多く含まれており,感謝に堪えません.
まず ari さんによる記事は,今月も圧倒的な質と量で,お馴染みの「ari 節」が安定的に炸裂しています.マカロンと増大辞をめぐる語源の話題から,『なぜさんたんげん』カウントダウン企画をマンガで応援する「英子さんたんげん」シリーズまで,縦横無尽のhel活振りです.
Grace さんは「新・家庭の常備「薬」なぜさんたんげん」と題する記事のなかで,近刊についてすでにウェブ公開されている部分のみを手がかりに,著者が近刊にこめた意図を鋭い洞察で暴いてくれています.著者として早くも身ぐるみを剥がされてしまったと感じています.恐るべし Grace 節!
今号の特筆すべき点として,kendama_player さんが note で初投稿を果たされたことが挙げられます.「ROAD TO 英語学・英語史」と題して,ご自身の英語史との出会いを振り返られています.新たな書き手の登場にコミュニティの広がりを感じ,嬉しい思いです.
lacolaco さんの「英語語源辞典通読ノート」は D ゾーンを順調に走行中で,今回は dental から desert までの単語をカバーしています.lacolaco さんが切り開いた「辞書を通読する」という道は,後に他のヘルメイトも歩むことになり,最も堅実で強力なhel活コンテンツに成長しました.そのような同志の1人が,あまねちゃんです.今号から『英語語源辞典』を気軽に通読する新シリーズを立ち上げられ,abacus から abyss に至るまで4本の記事を連発されています.この辞典通読ムーブメントの連鎖には,驚きを禁じ得ません.
mozhi gengo さんの寄稿の多さと視野の広さにも,相変わらず圧倒されます.インド英語の「クセ」に関する話題や,vacuum の <uu> という不思議な綴字の謎,さらには英領インド側から見たイギリスにとってのペルシャという歴史的な話題にまで筆が及んでいます.ペルシャ語の hastam が英語の I am に対応するという比較言語学的な指摘など,知的好奇心を大いに刺激されます.
教育・普及の観点からは,sorami さんの中学生向け英語語源クイズが第8弾・第9弾へと到達し,ラテン語の紹介や数の接頭辞を取り上げています.またみーさんの「小学生と学ぶ英語史」シリーズは128回に到達し(実際には本日までに140回に届こうというところ),継続力にただただ脱帽するばかりです.
佐久間さんは,日本歯科医史学会の特別講演のお知らせや,『語源で学ぶ医学英単語ハンドブック』を通じた医学英語教育の新たな地平についての議論により,医学の世界と言語研究の成果の交差点を探る希有なhel活を展開されています.
ykagata さんは,毎日連続投稿100回を優に超える活躍振りで,「ドイツ語×英語史」の話題を中心としつつ,いまや最も幅広いテーマでhel活を展開するヘルメイトとなっています.「「プチプチ」のドイツ語」や「カルビーのパッケージ仕様変更についてのドイツ語圏での報道を読む」など,タイトルだけ見ても読まざるを得ない記事が並びます.番外編として「『紀元前からのこだわり?なぜ3単現の s をつけるのか』にこじつけて学ぶドイツ語」も投稿されています.
umisio さんの記事群は,今号でも鋭い批評性とユーモアが同居しています.川上語録の深掘りシリーズ最終回,国語の教科書や大河ドラマをめぐる歴史の考察,さらには「「英語史で解く英文法の謎 なぜ[3単現のs]をつけるのか」というタイトルのなぜ」シリーズも開始されました.
専門的な英語史の窓としては,川上さんによる「古英語の規範意識」および「重なる三単現 s」の2本の論考が,誌面に重厚な学術的深みを与えています.私自身も,新刊書の予約をめぐる御礼や,応援マガジンの始動について微力ながら記事を寄せさせていただきました.
巻末は Grace さんによる「あゆみ」と,編集委員4名による第20号到達までの道のりを振り返っての「編集後記」で美しく締めくくられています.
このように通算第20号は,記念の号にふさわしく,質量ともに過去最高水準の充実ぶりとなっています.有志の皆さんのエネルギーによって紡がれるこの知的空間を,ぜひ時間をかけてゆっくりと味わっていただければ幸いです.
「読むだけでなく,自分もこのhel活の輪に加わってみたい」という方は,ぜひプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪 (helwa)」の扉を叩いてみてください.ともに学び,ともに創る喜びが,そこには溢れています.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.

一昨日5月27日(水)の午前7時,NHK出版デジタルマガジンにて,嬉しいお知らせが一般公開されました.来たる6月10日に刊行を控えている拙著『英語史で解く英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』(NHK出版新書)の,まさに心臓部とも言える「はじめに」の全文が,発売に先駆けてウェブ上で読めるようになっています.
私たちが中学校の英語の授業で誰もが一度は衝撃を受け,ときに呪文のように唱えさせられた摩訶不思議なルールの数々.「複数の名詞には s をつける」「主語が3人称・単数で現在の文のときは動詞に s をつける」.ふだん日本語で不自由なく意思疎通できている私たちからすれば,「なぜこんな不要なルールばかりあるのだろう」「理不尽だ」と感じてしまうのも無理はありません.実際,テストの引っかけ問題のようにして s をつけ忘れ,減点された苦い思い出から,英語そのものを嫌いになってしまった少年少女も少なくないはずです.
しかし,ここで声を大にしてお伝えしたいのは,皆さんがかつて嫌いになったのは学校での「受験科目としての英語」であって,英語本来の姿ではないということです.英語は本来,そのことばを使ってきた人々の長い長い歴史の表出,すなわち「言語」にほかなりません.英語の歴史をひもといていけば,一見すると理不尽で不規則な活用にこそ奥深い歴史と「答え」がしっかりと潜んでいるのです.あの頃に抱いた素朴な疑問を深く深く追求していくことで,教科書の向こう側にある英語の本当の姿,驚くべき物語を皆さんにお示ししたい --- そんな熱い想いと勢いを込めた「はじめに」の全文を,ぜひこちらの NHK出版デジタルマガジン特別公開ページより直接お読みいただければと思います.
また,同じNHK出版デジタルマガジンにて,去る5月11日に先行公開された本書の第1章第5節にあたる記事「紀元前からのこだわり?なぜ3単現の s をつけるのか【英語史で解く英文法の謎】」は,おかげさまで3万回PVを突破する大反響をいただいています.本書の副題に含まれている「3単現の s」にまさに迫る内容となっておりますので,今回の「はじめに」と合わせて,ぜひご一読ください.
何はともあれ,本書を読み終わったとき,皆さんのなかには新鮮な英語観が築かれていることと思います.「もう一度英語を学んでみようかな」という気持ちになっていただければ,著者としてこれ以上の喜びはありません.
発売日の6月10日まであと12日となりました.まだ本書をご予約いただいていない方は,ぜひこの機会に,特典(1節分の書き下ろし)もついてくる Amazon での予約注文をお勧めいたします.皆さんの熱い応援をよろしくお願いいたします.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.

5月22日(金)よりスタートしていました,6月10日発売の新刊『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』の発売前大イベント「『なぜさんたんげん』24の疑問・総選挙」 (in Slido) ですが,5月26日(火)の 23:59 をもちまして,予定通りに投票を締め切りました.最終的な投票総数は96件にのぼりました.深夜のラストスパートにかけて票を投じてくださった皆さん,そしてSNS等でこのお祭りを一緒に盛り上げてくださったすべての方々に,著者として心より御礼申し上げます.ありがとうございました.
一昨日お届けした中間報告の記事「#6238. 今晩投票締切 --- 『なぜさんたんげん』24の疑問・総選挙,現在大激戦中」 ([2026-05-26-1]) では,2位グループの凄まじいデッドヒートの様子をお伝えしましたが,その後,どのような結末を迎えたのでしょうか.お待たせいたしました.ここに最終結果の確定順位と得票率を,降順にてご報告いたします.皆さんの「推し疑問」がどこに着地したのか,ぜひお確かめください.
1位:問5. なぜ3単現の s をつけるのか (38%)
2位:問9. なぜ現在分詞と動名詞は同じ -ing で表されるのか (21%)
3位:問7. なぜ「時・条件を表す副詞節」では未来のことも現在形で表すのか (19%)
3位:問21. アルファベット最後の文字 Z のミステリー (19%)
5位:問20. どのように単語ごとのアクセントの位置が決まるのか (18%)
6位:問1. なぜ英語の語順は SVO なのか (16%)
6位:問3. なぜ存在を表すのに There is/are .... という構文を使うのか (16%)
6位:問4. なぜ疑問文に do が現れるのか (16%)
9位:問2. なぜ英語の文には主語が必要なのか (15%)
9位:問8. なぜ仮定法では if I WERE a bird となるのか (15%)
11位:問15. なぜIは大文字で書くのか (11%)
11位:問24. 単数の they とは何か (11%)
13位:問12. なぜ go の過去形は went になるのか (10%)
13位:問17. なぜ know や high には発音されない文字があるのか (10%)
15位:問6. なぜ will を使って未来を表すのか (8%)
15位:問14. なぜAの読みは「アー」ではなく「エイ」なのか (8%)
17位:問13. なぜ形容詞の比較級には -er と more があるのか (6%)
17位:問16. 「マジック e」とは何か (6%)
19位:問18. なぜ one, two はこのスペリングでこの発音なのか (5%)
19位:問22. なぜ英語には類義語が多いのか (5%)
19位:問23. なぜ英語には省略語が多いのか (5%)
22位:問19. なぜ eleven, twelve というのか (4%)
23位:問11. なぜ child の複数形は children になるのか (3%)
24位:問10. なぜ foot の複数形は feet になるのか (2%)
いかがでしょうか.最終結果を眺めてみますと,中間発表からの数時間でさらなるドラマが生まれていたことが分かります.
まず,栄えある第1位に輝いたのは「問5. 3単現の s」でした.得票率38%で,他を寄せ付けない圧倒的な強さで王座に君臨しました.まさに本書のタイトルにふさわしい,英語学習者にとって最大の謎であることが証明された形です.
そして,最も注目すべきは2位以下の大激戦の結末です.中間報告で21%の同率2位に並んでいた三つ巴の争いから,頭一つ抜け出したのは「問9. -ing」でした.単独2位を死守したその背景には,文法上の役割が異なるのに形が同じであることへの,根深いモヤモヤ感があったのでしょうか.一方で,受験英語の定番「問7. 時・条件の副詞節」は,後半で怒涛の追い上げを見せた「問21. 文字 Z のミステリー」に捕らえられ,19%で同率3位という結果になりました.Z の謎がここまで上位に食い込んでくるとは,正直なところ著者としても予想していませんでした.文字・綴字史のロマンが皆さんに伝わったということなのかもしれません.
対照的に,英語史の定番中の定番である「問12. went の謎」 (10%) や「問11. children の謎」 (3%),「問10. feet の謎」 (2%) といった不規則変化の面々は,最終的にも下位グループに沈むことになりました.これらは一見すると風変わりな不規則変化にすぎませんが,その向こう側には壮大な英語史のカラクリが潜んでいます.本書では,その奥深さが伝わるのではないかと期待しています.
今回の総選挙で上位にランクインした話題については,本書の発売を待つことなく,今後の Voicy heldio にて「先出し深掘り解説」としてお届けしていく予定です.どの疑問の背後にどのようなダイナミックな歴史が隠されているのか,ぜひ楽しみにお待ちください.
今回の総選挙を通じて,皆さんと一緒に英語史のビッグウェーブをさらに高く大きくできたことを,重ねて感謝いたします.6月10日の新書発売に向けて,ここからさらにお祭りムードを加速させていきます.
特典(1節分の書き下ろし)もついてくる Amazon での予約注文にて本書をご予約いただければ.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.

5月22日(金)よりスタートした,6月10日発売の新刊『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』の発売前の大イベント『なぜさんたんげん』24の疑問・総選挙」 (in Slido) ですが,最終投票日の本日までに多くの票(お1人3票まで)を投じていただいています.すでにご投票いただいた皆さん,本当にありがとうございます.
投票締切は本日5月26日(火) 23:59 です.残り時間が少なくなってきましたが,今朝の 00:10 現在の最新中間結果(得票率)を,皆さんにどこよりも早く公開いたします(Slido では投票済みの方は現時点での結果を見ることができる仕様です).
24項目のスタンダードな「英語に関する素朴な疑問」が,現在どのようなデッドヒートを繰り広げているのか,まずはその生々しい順位と得票率をご覧ください.
1位:問5. なぜ3単現の s をつけるのか (37%)
2位:問7. なぜ「時・条件を表す副詞節」では未来のことも現在形で表すのか (21%)
2位:問9. なぜ現在分詞と動名詞は同じ -ing で表されるのか (21%)
2位:問20. どのように単語ごとのアクセントの位置が決まるのか (21%)
5位:問4. なぜ疑問文に do が現れるのか (19%)
6位:問8. なぜ仮定法では if I WERE a bird となるのか (18%)
7位:問3. なぜ存在を表すのに There is/are .... という構文を使うのか (16%)
7位:問21. アルファベット最後の文字 Z のミステリー (16%)
9位:問2. なぜ英語の文には主語が必要なのか (15%)
10位:問17. なぜ know や high には発音されない文字があるのか (14%)
11位:問1. なぜ英語の語順は SVO なのか (12%)
12位:問12. なぜ go の過去形は went になるのか (8%)
12位:問15. なぜIは大文字で書くのか (8%)
12位:問16. 「マジック e」とは何か (8%)
12位:問24. 単数の they とは何か (8%)
16位:問6. なぜ will を使って未来を表すのか (7%)
16位:問22. なぜ英語には類義語が多いのか (7%)
18位:問13. なぜ形容詞の比較級には -er と more があるのか (5%)
18位:問14. なぜ A の読みは「アー」ではなく「エイ」なのか (5%)
18位:問18. なぜ one, two はこのスペリングでこの発音なのか (5%)
21位:問11. なぜ child の複数形は children になるのか (4%)
22位:問10. なぜ foot の複数形は feet になるのか (3%)
22位:問19. なぜ eleven, twelve というのか (3%)
22位:問23. なぜ英語には省略語が多いのか (3%)
いかがでしょうか.現時点での中間結果を見て,著者としても非常に興味深い発見がいくつもあります.
まず首位を独走しているのは,本書のタイトル・副題にも掲げ,先日のNHK出版デジタルマガジンの無料公開記事(すでに3万回閲覧突破)でも反響を呼んでいる「問5. 3単現の s」です.37%という圧倒的な得票率で,王者の風格を漂わせています.
しかし,凄まじいのは2位グループのデッドヒートです.受験英語の呪文の代表格「問7. 時・条件を表わす副詞節」,役割は異なるのに同形の「問9. -ing」,不規則きわまりない英単語の「問20. アクセントの位置」に関する3つの疑問が21%という同率の数字で並び,激しく火花を散らしています.確かに,英語学習者の皆が感じてきたモヤモヤが集まっている感じがします.
一方で,英語史ネタの定番ともいえそうな「問12:went の謎」 (8%) や「問10:feet の謎」 (3%),「問11:children の謎」 (4%) といった不規則変化のトリオが,現時点では意外にも下位グループに甘んじています.これはまだ,これらの不規則変化の向こう側に潜む壮大な英語史のカラクリが世の中に知られていないということなのか何なのか.
改めて,今回の総選挙の投票期間は,本日26日(火)の 23:59 までです.投票が締め切られましたら,近々に最終結果の大発表を Voicy heldio にて行います.そして,上位に輝いた疑問については,本書の発売前に先出し深掘り解説を行ないたいと思います.
まだ投票を迷っている皆さん,あるいはすでに投票を終えた皆さん,あなたの,あるいはあなたの知り合いの方々の3票が投じられれば,この大混戦の2位グループから頭一つ抜け出させることも,下位に沈んでいる推しの疑問を上位にごぼう抜きさせることも十分に可能です.どの話題が上位をさらっていくのかは,残り数時間の皆さんの投票にかかっています.
アカウント不要,匿名で1タップで即完了する投票会場はこちらです↓
・ Slido の投票会場
今晩の投票締切に向けて,皆さんと一緒に英語史のビッグウェーブをさらに高く大きくしていければと思います.皆さんのラストスパートのご投票を心よりお待ちしています.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.

来たる6月10日(水)にNHK出版新書として刊行される拙著『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』の一般発売まで,あと19日となりました.おかげさまで5月11日の「予約爆撃アワー」以降も大変な反響をいただいており,Amazon 新着ランキングの「英語」部門でも第1位をキープし続けています.いろいろな形で本書を応援してくださっている皆さんに,心より感謝申し上げます.
また,5月11日に「NHK出版デジタルマガジン」で無料公開された本書の一部(第1章第5節「なぜ3単現の s をつけるのか」)が,なんと3万回閲覧されているとの内々のニュースも飛び込んできました.発売前にしてこれほど多くの方が「3単現の s」という理不尽(に見える)ルールにモヤモヤを抱え,そして英語史の視点に興味を寄せてくださっている事実に,著者として興奮を隠せません.
この熱量をさらに大きな「お祭り」へと昇華させるべく,本日5月22日(金)から5月26日(火)までの5日間,様々なプラットフォーム(hellog, heldio, note, heltube, X, Instagram)を巻き込んだ一大イベントを打ち上げます!
題して「『なぜさんたんげん』24の疑問・総選挙 --- あなたのベスト3はどれ?」です.
本書には,誰もが一度は首をかしげたことのある「英語に関する素朴な疑問」が24個,スタンダード集であるかのように,ギッシリと詰まっています.以下にその全24項目(本書の各節のタイトルに対応します)をズラリと並べてみます.皆さんのベスト3の疑問を選んでください.何をもって「ベスト」とするかは,皆さんそれぞれの判断でかまいません.「昔これが知りたかった!」「今もこれに苦しめられている!」「一番気になる!」「この謎についてもっと深掘り解説してほしい」「謎の答えは知っているけれども,その答えがエキサイティング!」等々.
1. なぜ英語の語順は SVO なのか
2. なぜ英語の文には主語が必要なのか
3. なぜ存在を表すのに There is/are .... という構文を使うのか
4. なぜ疑問文に do が現れるのか
5. なぜ3単現の s をつけるのか
6. なぜ will を使って未来を表すのか
7. なぜ「時・条件を表す副詞節」では未来のことも現在形で表すのか
8. なぜ仮定法では if I WERE a bird となるのか
9. なぜ現在分詞と動名詞は同じ -ing で表されるのか
10. なぜ foot の複数形は feet になるのか
11. なぜ child の複数形は children になるのか
12. なぜ go の過去形は went になるのか
13. なぜ形容詞の比較級には -er と more があるのか
14. なぜAの読みは「アー」ではなく「エイ」なのか
15. なぜIは大文字で書くのか
16. 「マジック e」とは何か
17. なぜ know や high には発音されない文字があるのか
18. なぜ one, two はこのスペリングでこの発音なのか
19. なぜ eleven, twelve というのか
20. どのように単語ごとのアクセントの位置が決まるのか
21. アルファベット最後の文字 Z のミステリー
22. なぜ英語には類義語が多いのか
23. なぜ英語には省略語が多いのか
24. 単数の they とは何か
この24項目の中から,あなた自身のベスト3を選んで,こちらの Slido の投票会場からポチポチポチッと投票してください.アカウント取得などの面倒は一切不要です.1タップで匿名投票でき,現在の得票結果もリアルタイムでグラフ化されてその場で見ることができます.
今回の総選挙の得票結果は,現在展開中の「X(旧Twitter)での発売前カウントダウン企画(NHK出版公認・本書プレゼント企画)」の集計とも連動いたします.X アカウントをお持ちの方は,Slido で投票した番号とコメントなどを,私の X アカウントのこちらの総選挙告知ポストへリプライ(あるいは #なぜさんたんげん を付けてポスト)していただければ,プレゼント企画の選考対象とさせていただきます.また,note クリエイターの皆さまにおかれましては,気になる疑問について「#なぜさんたんげん」を付けて note 記事を書いていただければ,先日新設した note 公式マガジン『なぜさんたんげん』応援記事集にどんどん集約(採用)させていただきます.
今回の総選挙の投票期間は,本日5月22日(金)より5月26日(火)の 23:59 までとします.
投票期間が終了しましたら,総選挙最終結果の大発表を行い,上位に輝いた疑問について,本書発売前に「先出し深掘り解説」を行いたいと考えています.
全プラットフォームのヘルメイトの皆さまの熱き清き1票(実際には1人3票まで選べます)をお待ちしています.ぜひご家族,ご同僚,ご友人,ご近所の方々,先生方や生徒たちなどもお誘い合わせの上,総選挙にご参加ください.皆さんと一緒に「英語史をお茶の間に」届けるビッグウェーブを作っていければと思います.

・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.
note 上に,来たる6月10日に発売予定の『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』(NHK出版新書)に関連する話題が少しずつ集まってきています.本書やその内容に関連する記事を書き,本書の公式統一ハッシュタグ #なぜさんたんげん (すべて平仮名で)を付して,note 上で応援してください,との先日の私の呼びかけに応じてくださった方々が多くいらっしゃり,感激しております.ありがとうございます.
各記事を広くお読みいただきたいので,私としてはできる限りコメントを加えたり,X 上で記事を紹介するなどしております.そして,もう1つ,皆さんによるこの記事群そのものが,本書を広める役割を果たし,さらには活発なhel活 (helkatsu) を体現するものとなっているという観点から,note 上のマガジンとして「『なぜさんたんげん』応援記事集」を開設することにしました.一昨日これを公開していますので,本記事はそのお知らせとなります.まずは訪れてみていただければ.『なぜさんたんげん』の盛り上がりを感じられると思います.

マガジンの巻頭では,「新刊『なぜさんたんげん』を応援していただいている記事を集めたマガジンを始動!英語史をお茶の間に届ける「hel活」の輪」と題して私自身がマガジン開設の趣意について書いていますので,そちらもご一読ください.
まだ発売前ですので,応援してくださる note クリエーターの方々にとっても,本書の内容に踏み込むことができずに,書きづらいかと思います.しかし,第1章第5節のまさに「3単現の s」に関する文章については,NHK出版デジタルマガジンより「紀元前からのこだわり?なぜ3単現の s をつけるのか【英語史で解く英文法の謎】」という記事として事実上公開されています(おかげさまで,非常に多くの方々にお読みいただいています).現時点では,今のところ,この記事と関連づけてお書きいただいている方が多いようです.
マガジン企画は始まったばかりです.ますます多くの note クリエーターの方に,発売前でも発売後でも本書に直接・間接に関わる記事をお書きいただければ幸いです.とりわけ発売前のテーマについては「本書の目次を見て気になったトピック」「私が抱いている英語に関する素朴な疑問」「英語史に興味を持ったきっかけ」「こんな『なぜさんたんげん』関連グッズがほしい」など何でもかまいません.私としても皆さんの記事を積極的に紹介していきたいと思います.
本書を広める活動を通じて,hel活全体が広がっていき,クリエーター同士がつながっていくようになるとよいなと考えています.ぜひ皆さんのお力をお貸しください.どうぞよろしくお願いいたします.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.

昨日の記事「#6231. 研究社ロケ in 「いのほた言語学チャンネル」の第2弾と第3弾が公開されています」 ([2026-05-19-1]) でご案内した研究社ロケ回の第3弾では,『英語語源辞典』の読みこなしについても話題となりました.
編集者の星野龍さん,中川京子さん,青木奈都美さんとのお話しのなかで,『英語語源辞典』(や OED の語源関係欄)は,情報がぎっしり詰め込まれており,専門的な記号や略称も多いので,一般読者は読みこなすのが難しい.一般の英語学習者が,同辞典の良さを本格的に味わおうと思えば,読み解き方の手ほどきが必要なほどだ.そのための講座やガイドブックがあるとよい,という趣旨のお話しも出ました.
一般の方々にとって『英語語源辞典』を使いこなすのが容易ではないことは,同辞典を激推ししてきた私自身も気付いており,そのためにいくつかの活動もしてきました.1つは,動画内で私自身も触れている通り,Voicy チャンネル「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のなかで,まさに『英語語源辞典』読み解き講座に近い配信回をしばしばお届けしてきました.英語史を専攻する大学院生などとともに,同辞典の読み方を解説したり,議論したりしています.以下に主だった回を一覧します.
・ 2023年10月23日 heldio にて「#875. 『英語語源辞典』を読むシリーズ (1) --- 藤原くんと foot を語る」が配信され,藤原郁弥さんとの画期的なシリーズの幕開きとなる.ちなみに,この回は2023年の heldio 配信回のリスナー投票で第2位に入った.
・ 2023年10月26日 heldio にて「#878. 『英語語源辞典』を読むシリーズ (2) --- 藤原くんと foot を語る」が配信される.
・ 2023年11月8日 heldio にて「#891. 『英語語源辞典』を読むシリーズ (3) --- khelf 藤原くんと marble を語る第1弾」が配信される.ちなみに,この回は2023年の heldio 配信回のリスナー投票で第9位に入った.
・ 2023年11月11日 heldio にて「#894. 『英語語源辞典』を読むシリーズ (4) --- khelf 藤原くんと marble を語る第2弾」が配信される.
・ 2023年11月14日 heldio にて「#897. 『英語語源辞典』を読むシリーズ (5) --- khelf 藤原くんと marble を語る第3弾」が配信される.
・ 2023年12月15日 heldio にて「#928. 『英語語源辞典』を読むシリーズ (6) --- khelf 藤原くんと2重語 compute/count を語る」が配信される.
・ 2024年1月31日 heldio にて「#975. 『英語語源辞典』の収録語彙」が公開される.
・ 2024年2月2日 heldio にて「#977. 『英語語源辞典』を読むシリーズ (7) --- khelf 藤原くんと同音異義語 bank の項を精読する」が配信される.
・ 2024年2月3日 heldio にて「#978. 『英語語源辞典』の語義・初出年代 --- khelf 藤原くんと凡例を読もう」が配信される.凡例を熟読するという稀代な企画がスタート.
・ 2024年6月6日 heldio にて「#1101. 『英語語源辞典』凡例読みシリーズ with 藤原郁弥さん&青木輝さん」が配信される.
・ 2024年07月26日 heldio で「#1153. 『英語語源辞典』を読むシリーズ (8) --- khelf 藤原くんと king の項を精読する」が公開される.
・ 2024年08月24日 heldio で「#1182. 【緊急のご報告】研究社『英語語源辞典』新装版が重版決定!」が公開される.
・ 2024年09月23日 heldio で「#1212. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 --- 「英語史ライヴ2024」より」が公開される.
・ 2024年10月21日 heldio で「#1240. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 (2) --- KDEE の編集方針を理解しよう」が公開される.
・ 2024年10月26日 heldio で「#1236. mine を『英語語源辞典』で読み解く」が公開される.
・ 2024年11月14日 heldio で「#1264. 『英語語源辞典』通読はキツい,無理!」が公開される.
・ 2024年11月16日 heldio で「#1266. chair と sit --- 『英語語源辞典』精読会 with lacolaco さんたち」が公開される.
・ 2024年12月26日 heldio で「#1306. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 (3) --- 印欧語比較言語学の学史をたどる」が公開される.
・ 2025年04月25日 heldio で「#1426. 『英語語源辞典』をランダム読み --- khelf メンバーとの思いつき企画」が公開される.
また,私は数年来朝日カルチャーセンター新宿教室にて定期的に英語史関連の講座を開いてきましたが,とりわけ2024年度の毎月の講座では,「語源辞典でたどる英語史」をシリーズタイトルとして掲げて,事実上の『英語語源辞典』読み解き講座を展開していました.現行の毎月講座でも,『英語語源辞典』は常に参照し,その一部を精読するということを続けています.今週土曜日に予定されている5月回でも,もちろん参照する予定です(先日の hellog 記事「#6228. 「again を探って中英語原文の世界へ」 --- 今年度の朝カル英語史シリーズ第2回」([2026-05-16-1]) をご参照ください).
ほかには,上記 Voicy heldio から派生したプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪 (helwa)」や khelf(慶應英語史フォーラム)のメンバーによる,『英語語源辞典』をめぐる様々な活動も,『英語語源辞典』の読みこなしに貢献しています.とりわけ同辞典の通読に挑戦されているお2人 lacolaco さんによる note 上の「英語語源辞典通読ノート」や寺澤志帆さんの連載企画「『英語語源辞典』でたどる英語綴字史」は要注目です.ari さんによる『英語語源辞典』で一人遊びするアプリ「#266【KQ2】ゴラクエを update して遊ぶ!!」も参照ください.
上記のように,これまでにも仲間たちと私とで様々な活動を展開してきましたが,『英語語源辞典』を読みこなせるようになるための「体系的」な講座やガイドブックなどは,確かに存在しませんでした.どのくらいの需要があるのか,という問題はありますが,今回のいのほた動画で触れている通り,一考の余地はあるかもしれません.
読者の皆さん,需要はありますか?
・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
5月1日に「#6213. 研究社ロケ in 「いのほた言語学チャンネル」が公開されました」 ([2026-05-01-1]) で第1弾をご案内した研究社ロケシリーズが,第2弾,第3弾と続いています.
【第2弾】 「最後の活版印刷の『英語語源辞典』(研究社)の編集に辞書作りプロたちはどう挑んだか?」(5月6日公開)
【第3弾】 「世界一の『英語語源辞典』はどのようにできあがったかー研究社さんロケ第3弾!」(5月17日公開)
飯田橋の研究社のビルにお邪魔しての,いのほたとしては初のロケのシリーズとなっています.私が各所で激推ししている,寺澤芳雄(編)『英語語源辞典』(研究社,1997年;新装版2024年)の編集・印刷の様子を,出版社の中の方々に直接うかがう貴重な機会となりました.
第2弾では,『英語語源辞典』の編集を担当された中川京子さんと根本保行さんに主にお話しいただきました.お2人は,足掛け18年にも及ぶというこの壮大なプロジェクトの途中に,初校の段階から参加されていました.当時はまだ執筆された原稿を印刷所に回し,ゲラをやり取りするという伝統的な辞書作りの工程を踏んでいましたが,時代はアナログからデジタルへの過渡期に位置していました.根本さんによれば,かつては印刷所の方々が「最後の門番」として大きな判断力を持ち,全体のペースを調整する役割を担っていたとのことです.現場のプロ同士が呼吸を合わせながら,1996年夏という厳しいデッドラインに向けて一丸となって突き進んだ熱量は,今ではなかなか味わえない辞書編纂の醍醐味を感じさせます.辞書作りという知の集積がいかに泥臭く,かつ精緻な現場作業に支えられていたのかを物語る貴重な証言の数々です.
引き続き,第3弾では,編集者の青木奈都美さん,中川京子さん,星野龍さんにお話しをうかがっています.ここでは,1ユーザーとして私が本辞典をいかに愛用しているかという話から始まり,とりわけ青木さんがいかに語源や英語史と付き合ってきたかという話題に移りました.特に印象的だったのは,語源や英語史を学ぶ意義についての議論です.語源を学ぶことは,単に英単語を暗記するための手段ではありません.青木さんの言葉を借りれば,運用面ではネイティブに追いつくのが難しいとしても,語源に関しては学習者もネイティブも平等です.英語が世界語として勢力を拡大する以前の,イングランドの小さな島国の言語であった頃の姿が見えてくるという視点は,私たちが英語史を学ぶ意義を教えてくれます.『英語語源辞典』やそこから派生したといってよい『英語語源ハンドブック』の魅力は,そうした歴史の深みを,日常語から専門語まで一貫して提供してくれる点にあります.
良い語源辞典は,一度手に取れば一生の友となります.今回の動画を通じて,編纂者たちの情熱と,辞書の背後に広がる英語史の豊かさを感じ取っていただければ幸いです.語源や英語史のおもしろを再認識し,ぜひ皆さんの手元に1冊,この世界一の『英語語源辞典』を置いてみてください.
・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
6月10日,新書『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』(NHK出版)が発売されます.関連して,すでに「#6224. 祝!近刊『英語史で解く英文法の謎』Amazon 2部門で第1位」 ([2026-05-12-1]) で触れた通り,先週5月11日より,私の X(旧Twitter)アカウント @chariderryu 上で,発売前のカウントダウン企画を実施しています.
本書に関する話題を毎日1つお届けするという企画で,これまでに7つ(7連)の投稿がポストされています.今のところ「3単現の s」のみで話題が持っており,まだしばらくはこの勢いで行けそうです.本書の公式統一ハッシュタグ #なぜさんたんげん (すべて平仮名で)や,本企画のハッシュタグ #なぜさんたんげんカウントダウン より訪れていただき,アカウントをフォローしていただけると嬉しいです.そして,私が本企画内外で本書と関連して投稿しているポストに対して,ぜひ皆さんも #なぜさんたんげん のハッシュタグを付けつつリプライなどしていただけますと幸いです.
さて,すでに走り出しているこのカウントダウン企画ではありますが,本日5月18日より,この企画に,NHK出版公認のプレゼント企画を掛け合わせたいと思います.本書の存在を広めるべく,本企画での私からの X 投稿に対して,リプライ等にて最も貢献くださった3名の各々に,発売前に見本を1部差し上げるい,というプレゼント企画です.
このカウントダウン企画については,当初よりNHK出版のいくつかの X アカウントが公認・応援してくださっています.そして,今回追加する見本プレゼント企画についても,NHK出版公認です.プレゼントに当選された方には,本書の見本1部をNHK出版から直接送らせていただくことになっています.お名前や宛先は当選後に私から直接DMなどでお伺いし,送付のみの目的でNHK出版と共有させていただきます.
「リプライ等での貢献」は,表示数やいいね数で機械的に測るわけではなく,あくまで著者である私が,独断と偏見も入れつつ,本書やその内容の注目度アップに貢献していただいたと,総合的に判断するものとさせていただきます.また,企画のプラットフォームは直接的には X となりますが,例えば note 上で本書の関連記事をお書きになり,そのリンクを X に張るという間接的な形であっても,実質的な貢献をいただいているようであれば,そのように積極的に判断させていただきます.いずれにせよ,記事に気づきやすくなるよう,ぜひ #なぜさんたんげん のハッシュタグを添えていただければ.
カウントダウン企画はすでに走り出していますが,プレゼント企画の対象期間としては,本日5月18日よりスタートし,見本ができあがる予定の今月末辺りまでを目処に設定したいと思います(予定ですので前後数日ほどの変動は念頭においていただければ).本日より,カウントダウン企画の過去のポストも含めて,ぜひ積極的にご反応ください.対象期間後,当選者3名を公表させていただき,発売前に見本1部をプレゼントとして送付いたします.
ぜひ1人でも多くの方に,X 上でのカウントダウン・プレゼント企画にご参加いただけますと幸いです.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.

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5月14日,大修館書店より月刊誌『英語教育』の6月号が発売されました.今年度,同僚の井上逸兵さん(慶應義塾大学教授)とともに配信している YouTube 「いのほた言語学チャンネル」をベースとして,連載企画「いのほた言語学チャンネル PRESENTS 英語を深める社会言語学・英語史の視点」を始めています.
連載第3回となる今回は,私がメイン執筆者として「英語史の3つの扉:ことばの考察に通時的な次元を復活させる」を書いています.前号の井上さんによる「社会言語学の3つの扉:人はことば「で」何をしているのか」への返答のような形になります.井上さんからの温かいコメントも最後に付いた文章です.
今回の記事タイトルは,前号の井上さんの記事タイトルへのオマージュ(いや,パロディというべきでしょうか)として生まれたものです.井上さんがそう来るなら,私としては「英語史の3つの扉」しかない,と直感し,先にタイトルが決まりました.では,その3つとは何か.それは後から考え出すという,いかにも「いのほた」らしいライブ感のある記事執筆です.
記事では,英語史への3つの入口として,「比較言語学」 (),「文献学」 (philology),「歴史言語学」 (historical_linguistics) を取り上げています.第1の扉「比較言語学」では,文献に残らない祖語の姿を「再建」 )という手法によって浮かび上がらせる営みを論じました.第2の扉「文献学」では,1文字・1語に宿る言語的・社会的文脈を丁寧に読み解くことの醍醐味を述べています.そして第3の扉「歴史言語学」では,言語変化 (language_change) のメカニズムを体系的に追う視点を紹介しました.3者はそれぞれ異なる分野でありながらも「社会と言語の接点」という点で通底しています.この締めくくりによって,社会言語学を専門とされる井上さんとのコラボ的なエッセイとして仕上げることができたかな,と感じています.
なお,本連載は月々メイン執筆者を交代するスタイルをとっており,サブの側がコメントを数行添える形式をとっています.今回,井上さんからは「英語史ってロマンですねー」という言葉をいただきました.「いのほた言語学チャンネル」のゆるいライブ感を,誌面でも少しずつ体現できているとすれば,望外の喜びです.
本連載記事と関連して,heldio でも先日「#1812. 英語史の3つの扉 --- 『英語教育』の「いのほた連載」第3弾より」としてお話ししました.あわせてお聴きください.
・ 井上 逸兵・堀田 隆一 「いのほた言語学チャンネル PRESENTS 英語を深める社会言語学・英語史の視点 第3回 英語史の3つの扉:ことばの考察に通時的な次元を復活させる」『英語教育』2026年6月号,大修館書店,2026年5月14日.44--45頁.

1週間後の5月23日(土) 15:30--17:00 に,今年度の2回目となる朝日カルチャーセンター新宿教室でのオンライン講座が開かれます.昨年度より継続しているシリーズ「歴史上もっとも不思議な英単語」の通算第14弾ということで,今回は「again を探って中英語原文の世界へ」と題して,日常的な副詞 again とその双子の兄弟である前置詞 against に注目します.
講座では,『英語語源辞典』や『英語語源ハンドブック』を参照しつつ,この単語の語源や意味・形態上の発達を追いかけ,副詞 again と前置詞 against とで棲み分けがなされるようになった背景に迫ります.本来は接頭辞にすぎなかった形態素が,独立した単語となっていくという興味深い歴史をもっているのです.関連して,古英語の前置詞全体についても概観する予定です.
この単語の発音やスペリングの変化・変異にも注目します.異形が非常に多く,古英語や中英語の辞書ではどの形が見出し語に上がっているのかを予想するのが困難なほどです.
また,この春期クールでは,2月25日に研究社より刊行された伝説的入門書,市河三喜・松浪有(著)『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』(研究社,2026年)を参考テキストとして活用します.今回はこの入門書に収載されている初期中英語のテキスト Peterborough Chronicle より,again を含む,中世の拷問をおどろおどろしく描写する箇所を少々読んでみたいと思います.
中英語の原文が初めてという方も心配は要りません.上記参考テキストについても,講座で読む部分については配付資料内で引用しますので,受講に必須ではありませんが,テキストには現代英語訳や辞書も付属していますので,あれば学びが深まると思います.
講座の詳細とお申込みは,朝カルのこちらの公式ページをご覧ください.See you again!
(以下,後記:2026/05/18(Mon))
今回の講座については Voicy heldio でも案内を放送しています.ぜひ「#1814. again を探って中英語原文の世界へ --- 5月23日(土)『古中初歩』による朝カルシリーズ第2回」をお聴きください.
・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.
・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

「#6211. 寺澤盾先生が PIVOT TALK に出演して【世界の英語と日本人】をお話しされています」 ([2026-04-29-1]) で少し触れましたが,英語史界隈で待望の新書が上梓されました.英語史研究者の寺澤盾先生(青山学院大学教授,東京大学名誉教授)による『世界の英語 --- 5大陸に広がる多様な Englishes』〈中公新書〉です.3月25日に刊行されました.
本書は,『英語の歴史:過去から未来への物語』(2008年),『英単語の世界 --- 多義語と意味変化から見る』(2016年)に次ぐ,寺澤先生の新書3部作の3冊目となります.
本書の最大の特徴は,タイトルに「歴史」や「英語史」という言葉こそ冠していませんが,その実体はきわめて濃密な(特に近現代の)英語史の本である,という点にあります.17世紀以降の大英帝国の拡大とともに,英語がどのように世界へ拡散し,各地の土着の言語と接触しながら変容を遂げてきたのでしょうか.その動的なプロセスを「5大陸」という壮大なスケールで描き出したのが本書です.「世界英語」 (world_englishes) をめぐる議論の現在地を把握するための決定版といえます.
寺澤先生は本書の中で,英語を単なる言語の枠組みに閉じ込めていません.むしろ,英語を軸とした優れた「社会科の本」になっているものと,私は読みました.世界各地の英語を論じることは,その地域の歴史,地理,政治,そして文化そのものを論じることにほかなりません.世界史的な大事件がどのように言語に刻印されているのか,あるいは地理的な条件がいかに変種間の差異を生み出してきたのか.本書を読み進めることは,英語というフィルターを通して,複雑な現代世界を読み解くようなものです.
構成の妙も見逃せません.全編を通して,専門的な知見に基づきながらも,一般の読者が興味を持ち続けられるようなエピソードが随所に散りばめられています.写真,グラフ,表,地図などの図版も豊富で,コラムや「豆知識」コーナーも工夫が凝らされています.本文に続く付きものとしては,文献案内,世界英語対照年表,用語解説,人名・作品名・事項索引,語句索引などが丁寧に編集されています.学術的な厳密さを一切妥協することなく,それでいて新書というフォーマットにふさわしい,語りかけるような平易な文体や構成で作られていることに驚嘆せざるを得ません.
本書は日本における英語のあり方についても鋭い示唆を与えてくれます.「世界の英語」を知ることは,私たちの多くが学んできた「標準英語」という概念がいかに限定的なものであるかを気づかせてくれます.多様な Englishes の存在を認めることは,英語学習において完璧主義に陥りがちな日本人英語学習者にとって,ある種の救いになるのではないでしょうか.多層的な歴史背景を持つ各国の英語の姿を鏡として,ひるがえって,日本人がいかに英語と向き合い,共生していくべきかという未来志向の問いが,本書の底流には流れています.
私個人としても,本ブログでご案内している通り,来たる6月10日に初めての新書『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』を上梓します.寺澤先生が長年培ってこられた「英語史×新書」の熟練には遠く及びませんが,身が引き締まる次第です.寺澤先生の三部作を並べて読むことで,英語史という学問が持つ懐の深さと,現代社会におけるその意義を存分に味わうことができるはずです.英語に関わるすべての人に読んでもらいたい3冊です.
新刊書『世界の英語』については,先日 Voicy heldio にて「#1805. 寺澤盾(著)『世界の英語 --- 5大陸に広がる多様な Englishes』〈中公新書〉」としても取り上げました.本記事よりも詳細にご紹介していますので,そちらも合わせてお聴きいただければと思います.
・ 寺澤 盾 『世界の英語 --- 5大陸に広がる多様な Englishes』 中央公論新社〈中公新書〉,2026年.

私は英語史を広める活動「hel活」 (helkatsu) として本ブログを毎日更新していますが,それとは別に note 上でも不定期に記事を書いています.note では主に #hel活 というハッシュタグを付けて記事を投稿していますが,最近では少なからぬhel活仲間の note クリエーターたちも同じハッシュタグを付すようになってきています.現時点で調べてみると,note 上で「hel活」ハッシュタグを帯びた記事は,なんと1770件にも及んでおり,驚いた次第です.
この1769件を人気順に並べ替えてみると,本ブログでも推してきた sorami さんによる『英語語源ハンドブック』に基づいた「授業で使える!中学生向け英語語源クイズ」シリーズが,上位をさらっています.隔週土曜日に更新されるシリーズで,第8回まで進んできています.
「無職さん」こと,佐久間泰司さんによる「『語源で学ぶ医学英単語ハンドブック』に見る,医学英語教育の新たな地平」も上位につけています.私自身の「「英語史の塔」が建設されました」や,昨日公開した「【祝・Amazon1位】「英語史をお茶の間に」への挑戦が本格的に始まりました! 『なぜさんたんげん』予約爆撃アワーへの御礼」も人気のようで何よりです.
ari さんによる「#653【英語史クイズ】 chair,bench,sofa,couchのうち英語本来語はどれ?(答え編)」,lacolaco さんによる「英語語源辞典通読ノート D (depopulate-desert)」,ykagata さんによる「バリバリボールの思い出:社会言語学と第二言語習得の交差点,あるいは日本の教育現場の英語方言について」,mozhi gengo さんによる「#350. 言葉の海」も上位入賞です.
寺澤志帆さんの「約1年かけて『英語語源辞典』のAで始まる語を通読してみた」や,みーさんの『英語語源ハンドブック』に基づくシリーズも「小学生と学ぶ英語史#110 "oh"」が上位にランクインしています.
ほかにも挙げていけばキリがありませんが,「hel活」ハッシュタグの下でhel活の輪が広がってきていることは確かです.ぜひ本ブログをお読みの皆さんも,note でのhel活に参加しませんか?
ちなみに,6月10日に発売予定の『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』の公式統一ハッシュタグ #なぜさんたんげん を帯びた note 記事も,(著者によるもの以外にも)現われてきています.こちらのハッシュタグも,ぜひ積極的にお使いいただければと思います.

6月10日に発売予定の『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』の版元であるNHK出版が展開するNHK出版マガジンにて,本書の一部が5月11日付けで記事として無料公開されました.
記事のタイトルは「紀元前からのこだわり?なぜ3単現の s をつけるのか【英語史で解く英文法の謎】」です.この記事は本書の第1章第5節「なぜ3単現の s をつけるのか」にまるまる相当します.発売に先立って,まずこの話題についてじっくりお読みいただければと思います.
「3単現の s」問題は,本書の副題に含まれている通り,本書で取り上げる「英語に関する素朴な疑問」の代表選手です.すべての英語学習者が,つまずいたり,引っかかったり,あるいは疑問に思った経験があるのではないかと思います.しかし,ほとんどの英語学習者は,「なぜ3単現の s をつけるのか」への納得のゆく答えを与えられたことがありません.いまだにモヤモヤしている人もいれば,深く考えないことにして疑問を記憶から消し去った人もいるでしょう.しかし,英語史の観点からみると,答えがあるのです.少なくとも考えるヒントが確かにあるのです.英語史は,かつて抱いていた素朴な疑問に改めて光を当ててくれます.
本書は,「3単現」問題に代表される,皆さんが抱いたことのある(かもしれない)素朴な疑問を集め,英語史の観点から切っていく,そのような本です.素朴な疑問のスタンダード集を目指して執筆・編集しました.どうぞご期待ください.
発売までの約1ヶ月の間に,NHK出版デジタルマガジンからは,本書に関する別の記事も出ることになっております.そちらもお楽しみにしていただければ(デジマガの X アカウント @nhkpb_digimag もぜひフォローを!).
hellog 読者の皆さんにおかれましては,各種のSNSアカウントをお持ちでしたら,ぜひ今回公開された「3単現の s」の記事について,広めていただいたり,ご感想やご質問を発信していただければと思います.最近はとりわけ 有志による note 上での「hel活」(=英語史活動)が盛んです(現時点で1767件の記事!)ので,note などで皆さんと「3単現の s」で議論できればと思います.そして,発信される際には,ぜひ本書の公式統一ハッシュタグ #なぜさんたんげん を添えていただければ.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.
やりました! 来たる6月10日に NHK出版新書より発売予定の拙著『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』が,Amazon の新着ランキング「英語」部門と「新書」部門の2部門において,第1位を獲得しました.ランキングが刻一刻と変化するなかで,5月12日 00:20 に確認した状況です.
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昨晩の heldio 「予約爆撃アワー」生配信でお伝えした数時間後に,この嬉しいニュースを確認することができました.予約段階からこれほど多くの方々に関心を持っていただき,著者としてこれほど心強く,ありがたいことはありません.応援してくださった皆様,本当にありがとうございます.
昨晩の生配信でも熱く語りましたが,本書はNHK出版の担当の編集者さんと二人三脚で,英語史のおもしろさをいかに読者に届けるか,その思いを込めて作り上げた書籍です.昨日の生配信の様子は,近日中にアーカイブとして公開する予定ですので,制作秘話などに興味のある方はぜひそちらをお聴きください.
発売日の6月10日まで,あと約30日あります.この1ヶ月間,待機している皆さんが待ちくたびれることのないよう,本ブログ,heldio, helwa, YouTube 等の様々な媒体を通じて,発売前のお祭りを盛り上げるべく本書に関する多様な仕掛けを繰り出していく予定です.
まずは,昨晩,私の X アカウント @chariderryu より,発売前のカウントダウン企画を立ち上げました.本書に関連する有意義なつぶやきを,毎日1つ,お届けします.第1弾はこちらです.ぜひアカウントをフォローしていただければと思います.
皆さんも,SNS や note 等の発信のアカウントをお持ちであれば,ぜひ本書に関連する話題に触れていただけますと幸いです.その際には,ぜひ公式の統一ハッシュタグ #なぜさんたんげん を添えていただけますと幸いです.本書をより多くの方に届けるための大きな推進力となりますので,よろしくお願いいたします.著者としてもできる限り反応していきたいと考えています.
ちなみに,本記事を公開した 20:20 現在も,上記と同じ第1位をキープしています.また,新着ランキング「英語」部門の1つ上のカテゴリーである「新着,語学・辞事典・年鑑」部門では第4位,売れ筋ランキングの「英語」部門では第24位につけています.
このたびの喜びと感謝につきましては,今朝の heldio 配信回「#1808. 多謝!『なぜさんたんげん』が【英語】部門と【新書】部門で第1位を獲得」でも爆発させましたので,ぜひお聴きください.
「英語史をお茶の間に」広めるための私の挑戦は,今回の新刊によって新たなステージに入ります.皆様と一緒に,「3単現の s」という小さな窓から,数千年にわたる英語の壮大な歴史を覗き見る喜びを分かち合えればと願っています.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.
1ヶ月後の2026年6月10日(水),NHK出版より拙著『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』が刊行されます.初の新書出版であり,編集担当の方と二人三脚で時間をかけて作り上げた思い入れの深い1冊となります.本書は,英語を学んでいる,あるいは教えているすべての方にお届けしたい本となっています.英語の素朴な疑問 (sobokunagimon) は英語史が解決してくれる,この認識を世の中の当たり前にしたい,そんな思いを込めて作った本です.
発売まであと1ヶ月となった本日5月11日(月)の午後7時より,Voicy チャンネル「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」にて生配信をお届けします.題して「【ライヴ】近刊『英語史で解く 英文法の謎』予約爆撃アワー」です.この生配信中に,リスナーの皆さんに Amazon より一斉に予約注文していただくことで,本書の注目度,そして英語史という分野の認知度を一気に高めようというお祭り企画です.Amazon 予約注文された方には特典もつきます.この特典についても,今晩,じっくりとお話しいたします.
19:00の生配信開始直後は,通信環境の確認を兼ねて数分間の雑談からスタートします.19:30くらいまでには,私のほうから新書の案内や予約注文の呼びかけなど,今回の企画の骨子をお話しする予定です.そして,生配信の目玉は19:30頃からのゲスト対談です.本書のもととなった連載記事の頃より編集を担当してくださったNHK出版の田中菜乃香さんにご登壇いただく予定です.田中さんには,連載記事や今回の新書の編集にまつわる逸話,編集者の立場から見た連載と新書の違い,さらには本書のタイトルの決定経緯や,著者である私への「今だから言えること」など,時間の許す限りたっぷりとお話を伺いたいと考えています.30分では収まりきらない予感もしていますが・・・
今晩の「予約爆撃アワー」企画については,昨晩公開した heltube (私のhel活 YouTube チャンネル)での動画,および今朝の heldio の配信回でも熱烈に広報を行なっています.ぜひそちらもチェックして,今晩のお祭りの気分を高めていただければ幸いです.
・ 昨晩公開した heltube 動画:「2026年5月11日(月)19:00より heldio 生配信で近刊の「予約爆撃アワー」を実施します」
・ 今朝公開した heldio 音声配信:「#1807. 今晩7時生配信,近刊書の「予約爆撃アワー」」
とりわけ前者の heltube 動画では,私が現在滞在中のスコットランド,アバディーンの様子も見ていただけます.町の南側を流れるディー川の河口付近,地元で Fittie と呼ばれる港の周辺を毎日ジョギングするのが日課となっています.北海に注ぐこの川の河口では,野生のイルカに遭遇することもあり,自然の豊かさを肌で感じながら過ごしています.その様子もご覧になりつつ,今晩7時の heldio 生配信への準備を整えていただければと思います.
「英語史をお茶の間に」を実現すべく,皆様の熱い「爆撃」をお待ちしています.今晩のライヴでは,ぜひコメント・質問等を投げ込んでいただけますと幸いです.今晩7時,heldio でお会いしましょう!
なお,今後の本書の広報に際して,ハッシュタグは #なぜさんたんげんの平仮名8文字で統一いたします.本書の応援,何卒よろしくお願いいたします.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.
去る4月25日(土)に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて今年度の初回となるオンライン講座を開きました.春期クール全体のタイトルは「歴史上もっとも不思議な英単語 語源を探って古英語・中英語原文の世界へ!」です.初回となる今回は,「knight を探って中英語原文の世界へ」と題して西洋中世を理解するうえで重要な文化語 knight に迫りました.主に中英語原文から,この単語を含む具体的な箇所を抜き出して,文脈を押さえながら読みことで,knight の理解を深めようという趣旨です.参考としたテキストは,市河三喜・松浪有(著)『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』(研究社,2026年)です.
今回の講座でまず注目したのは,knight という語の現代での語感です.「騎士」や「勲爵士」といった高潔なイメージを纏っていますね.しかし,古英語期までさかのぼれば,その原義は単なる「少年」 (boy) や「召使い」 (servant) にすぎませんでした.この意味変化の背景には,「従者」たちが軍事的な功績を立て,社会的な地位を獲得していくという姿が映し出されています.knight がたどってきた意味上の「出世」についても,詳しく扱いました.
講座の中盤では,実際に中英語の原文を味読しました.Chaucer の The Canterbury Tales の冒頭に登場する騎士の描写 "A KNYGHT ther was, and that a worthy man" をはじめとして,いくつかの原文を紹介しました.語源辞典で単語を引くだけでは味わえない,原文の文脈に照らして初めて感じられる knight に迫ることができたと思います.
さらに,この単語の綴字と発音の関係についても深掘りしました.現代の knight に含まれる黙字 <k> や <gh> は,かつてはしっかりと発音されていました.古英語期の綴字は cniht であり,[knɪçt] のように発音されていたのです.17世紀頃に語頭の [k] が脱落し,語中の喉を鳴らすような [ç] 音も消失しましたが,綴字だけが取り残された結果,現在の不規則な姿となりました.講座では,歴史上確認される knight の綴字が63種類にも及ぶことを紹介し,標準化以前の英語の多様性を視覚的に提示しました.
次回の講座は,5月23日(土)に「again を探って中英語原文の世界へ」と題して,knight とは趣が異なりますが,やはり興味深い単語に迫ります.次回も『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』を参照します.ご関心のある方は,ぜひ朝カルのこちらの公式ページよりお申込みいただければ.
・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.
・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
去る4月25日(土)に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて今年度の初回となるオンライン講座を開きました.春期クール全体のタイトルは「歴史上もっとも不思議な英単語 語源を探って古英語・中英語原文の世界へ!」です.初回となる今回は,「knight を探って中英語原文の世界へ」と題して西洋中世を理解するうえで重要な文化語 knight に迫りました.主に中英語原文から,この単語を含む具体的な箇所を抜き出して,文脈を押さえながら読みことで,knight の理解を深めようという趣旨です.参考としたテキストは,市河三喜・松浪有(著)『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』(研究社,2026年)です.
今回の講座でまず注目したのは,knight という語の現代での語感です.「騎士」や「勲爵士」といった高潔なイメージを纏っていますね.しかし,古英語期までさかのぼれば,その原義は単なる「少年」 (boy) や「召使い」 (servant) にすぎませんでした.この意味変化の背景には,「従者」たちが軍事的な功績を立て,社会的な地位を獲得していくという姿が映し出されています.knight がたどってきた意味上の「出世」についても,詳しく扱いました.
講座の中盤では,実際に中英語の原文を味読しました.Chaucer の The Canterbury Tales の冒頭に登場する騎士の描写 "A KNYGHT ther was, and that a worthy man" をはじめとして,いくつかの原文を紹介しました.語源辞典で単語を引くだけでは味わえない,原文の文脈に照らして初めて感じられる knight に迫ることができたと思います.
さらに,この単語の綴字と発音の関係についても深掘りしました.現代の knight に含まれる黙字 <k> や <gh> は,かつてはしっかりと発音されていました.古英語期の綴字は cniht であり,[knɪçt] のように発音されていたのです.17世紀頃に語頭の [k] が脱落し,語中の喉を鳴らすような [ç] 音も消失しましたが,綴字だけが取り残された結果,現在の不規則な姿となりました.講座では,歴史上確認される knight の綴字が63種類にも及ぶことを紹介し,標準化以前の英語の多様性を視覚的に提示しました.
次回の講座は,5月23日(土)に「again を探って中英語原文の世界へ」と題して,knight とは趣が異なりますが,やはり興味深い単語に迫ります.次回も『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』を参照します.ご関心のある方は,ぜひ朝カルのこちらの公式ページよりお申込みいただければ.
・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.
・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

上掲書については,hellog でも「#6209. 4月23日,研究社から英語語源本が2冊 --- 『コンパスローズ英単語〈新装版〉』と『医学英単語ハンドブック』」 ([2026-04-27-1]) で紹介しました.そこで少し触れていたように,その後,この本をめぐって,医学専門家で heldio/helwa のコアリスナーの「無職さん」こと,佐久間泰司さんと対談する機会を得ました.そちらの音源を heldio 対談として公開していますので,「#1800. 『医学英単語ハンドブック』(研究社,2026年)を片手に「無職さん」と対談」をお聴きください(53分ほどの対談です).
対談では,専門家である無職さんの視点から,本書の画期的な特徴について多角的に語っていただきました.まず驚かされたのは,従来の医学ラテン語の教本は,格変化などの文法事項から入るものが多く,専門外の学生にはきわめてハードルが高かったという実態です.それに対して本書は,語源 (etymology) と連結形 (combining_form) に特化しており,理系人間にとって非常に馴染みやすく,とっつきやすい構成になっているとのことです.
医学用語の世界では,解剖学用語はラテン語,疾患名はギリシア語が主流であるという興味深い住み分けについても議論が及びました.無職さんによれば,解剖学用語は国際的にラテン語で統一されている一方,ルネサンス期以降に発達した疾患名などにはギリシア語由来の語彙が流入したという背景があるようです.私のような英語史研究者の視点からは,これらが近代英語期以降の科学語彙の爆発的な増加とどのように関わっているのかという点が最大の関心事となりますが,従来の医学の現場では,これらを単なる記号として「丸暗記」してきたという実情も浮き彫りになりました.
本書の魅力の一つとして,ギリシア神話に絡めたコラムの充実が挙げられます .例えば眠りの神 Hypnos と hypnosis(催眠)の関係など,神話という人間臭い物語から説き起こされる語源解説は,私のような文系人間にとっても読み物としておもしろいものです.無職さんも,こうしたコラムがあることで本を開く心理的障壁が下がり,学習の継続につながると太鼓判を押してくれました.
一方で,専門家の立場からの要望として,発音記号やアクセント表示の有無,あるいは dent- と tooth のような一般語と専門語の結びつきを説明してくれる「グリムの法則」 (grimms_law) の解説があればさらに有意義だったのではないか,といった贅沢なツッコミも飛び出しました.しかし,全体としては,無数の医学用語を要素の足し算で効率よく学べる,これまでにない体系的なハンドブックに仕上がっているという評価で一致しました.
医学英語はもちろん,科学英語 (scientific_english) や語形成 (word_formation) に興味のある方はもちろん,英語史の観点から語彙の国際性を考えてみたい方にとっても,本書は示唆に富む一冊です.医学関係者ならずとも,ぜひ手に取って,その重厚な語源の世界に触れてみてください.
また,佐久間さんご自身による関連する note 記事「『語源で学ぶ医学英単語ハンドブック』に見る,医学英語教育の新たな地平」も公開されています.そちらもぜひお読みください.
・ 野中 泉(編著)・森田 勝之(編著)・木下 晃吉(監修) 『語源で学ぶ 医学英単語ハンドブック』 研究社,2026年.
本日は重要なお知らせがあります.先日 Voicy heldio で「#1793. 新書が出ます!5月11日(月)の夕刻に予約爆撃アワー」としてお伝えしましたが,このたび初めて新書を上梓することになりました.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.
発売日は1ヶ月少々先の6月10日(水)です.GWが終わり,今週末が明けて5月11日(月)辺りが,ちょうど発売の1ヶ月前となりますので,そのタイミングで近刊書に関する様々な情報開示を始めていきたいと考えています.
まずは,5月11日の夕刻に,Voicy heldio の生配信で「予約爆撃アワー」企画を打ち上げます.生配信をお聴きになりながら,ぜひそのタイミングで Amazon より本書を予約注文していただき,注目度を高めるのにご協力いただけますと幸いです.生配信では,本書についてももろもろご紹介したいと思います.
すでに Amazon の予約受付は始まっていますが,ぜひ5月11日の夕刻の「お祭り」の時間までお待ちください.なお,Amazon から予約いただいた方は,発売後にある「特典」を受け取ることができます.そちらもご期待ください.
近刊書のベースとなっているのは,2021--2022年度のNHKテキスト『中高生の基礎英語 in English』において毎月掲載されていた連載「歴史で謎解き 英語のソボクな疑問」です.その原稿に大幅な加筆・修正を施し,このたび新書化しました.英語を学び直している社会人の方から,日頃英語教育に携わっている先生方,英語史という分野に初めて触れるという方まで,幅広く読んでいただける1冊に仕上がりました.「英語に関する素朴な疑問」に英語史の観点から答えるスタンダード編というべき本となっています.
タイトルにも掲げた「3単現の s」 (3sp) は,英語学習者が最初期に出会う英文法の謎の代表格ですね.なぜ主語が3人称・単数で,文の時制が現在のときにだけ,わざわざ -s をつけなければならないのか.なぜ他の人称などでは,つける必要がないのか.こうした素朴な疑問に対して,英語史の視点から光を当てることで,一見不条理に見える英文法のルールがいかにして形成されてきたのかを解説していきます.本書には,3単現の -s 以外にも,英語史的な知見から英文法の謎をスッキリ解決するトピックを凝縮して詰め込んでいます.
近刊書に関連する話題は,今後,hellog, heldio, YouTube, X などのメディアでたっぷりお届けしていく予定です.その皮切りとなるのが,5月11日(月)夕刻の「予約爆撃アワー」企画となります.ぜひスケジュールを空けて生配信をお待ちいただければ幸いです.また,当日の聴き逃しのないよう,この機会にぜひ「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」をフォローしていただけますと幸いです.本書の出版をきっかけに,皆さんと一緒にますます英語史を盛り上げていければと思います.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.
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