5日ほど前に Voicy heldio にて,リスナー lacolaco さん の「英語語源辞典通読ノート」の最新回に基づいて「#1357. 接頭辞 con- の単語はまだ続く --- lacolaco さんの「英語語源辞典通読ノート」最新回より」と題する音声配信をお届けした.
そこで話題の1つとして,「コネクション」に対応する英単語の綴字が connection と connexion の間で揺れを示す件が触れられた.前者の綴字が一般的だがイギリス式では後者の綴字も見られるという.deflection, inflection, reflection についても同様に,メジャーな <-ction> に対してマイナーな <-xion> も辞書に登録されている.一方,complexion については,むしろこちらの綴字のほうが一般的で complection は稀である.
上記の heldio の配信後,この問題に関心を抱かれたリスナーのり~みんさんが,「-ction v.s. -xion」と題して Google Ngram での調査と合わせて記事を書かれている.
私もこの問題が気になって,少し調べてみた.というのも,私自身の研究テーマが英語の屈折 (inflection) の歴史にあり,先行研究の文献内で inflexion の綴字をよく目にしてきたからだ.
Upward and Davidson (167--68) によれば,英語では本来的には <-xion> も普通に見られたが,アメリカの辞書編纂家かつ綴字改革者の Noah Webster (1758--1843) が <-ction> のほうを推奨したのだという.19世紀から現代にかけての <-ction> の一般化に,Webster の影響があったらしい.
-XION and -CTION
Complexion, crucifixion, fluxion are standard ModE forms, and connexion, deflexion, inflexion exist as alternatives to connection, etc.
・ Complexion derives from the past participle plexum from the Lat verb plectere; although ME and EModE used such alternatives as complection, complection, ModE is firm on the x-spelling.
・ Crucifixion derives from the participle fixum of figere 'to fix'; the form crucifixion has been consistently used in the Christian tradition, and *crucifiction is not attested.
・ Fluxion is similarly determined by the Lat participle fluxum; the verb fluere offers no -CT- alternative.
・ Uncertainty has arisen in the case of connexion, deflexion, inflexion because, despite the Lat participles nexum, flexum with x, the corresponding infinitives, nectere, flectere have given rise to the Eng verbs connect, deflect, inflect.
・ In his American Dictionary of the English Language (1828), the American lexicographer Noah Webster . . . recommended the -CT- forms, which (despite ModFr connexion, deflexion, inflexion are today found much more frequently.
単純化していえば <-xion> はラテン語の過去分詞に基づき,かつそれを採用したフランス語的な綴字であり,<-ction> はラテン語の不定詞に基づき,それを推奨したアメリカ英語的な綴字ということになる.crucifixion が <-xion> としか綴られないのは,十字架の表象たる <X> と関係があるのだろうか,謎である.
今回の問題と関連して「#2280. <x> の話」 ([2015-07-25-1]) も参照.
・ Upward, Christopher and George Davidson. The History of English Spelling. Malden, MA: Wiley-Blackwell, 2011.
本ブログの姉妹版・音声版として Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」を毎朝6時に配信しています.2021年6月2日に配信を始めてから,hellog 同様に毎日欠かさずに英語史の話題をお届けしてきました.
音声配信の heldio は,私の英語史活動こと「hel活」 (helkatsu) の最も重要なベースの1つとして軌道に乗ってきており,「英語史をお茶の間に」という趣旨に賛同して協力してくださるコアリスナーの方々にも恵まれ,(毎日配信なので苦しくも)楽しいhel活ライフを送っています.
heldio は Voicy という音声配信プラットフォームにて展開していますが,2024年7月21日より別の音声配信プラットフォーム stand.fm(スタエフ)の「英語史つぶやきチャンネル (heltalk)」というチャンネルにて,heldio の約3年遅れの再放送をお届けしています.さらに,この stand.fm を基点に,様々な音声・動画プラットフォーム (Podcast) で同コンテンツをマルチ配信しています.コンテンツの内容は同一ですが,ご自身のお好きなプラットフォームで heldio の英語史の話題をアーカイヴで聴くことができるようになっていますので,いずれもご利用ください.以下に掲載します.
ただし,現在毎朝お届けしている最新コンテンツは,Voicy heldio からのアクセスのみに限定されていますので,そちらからお聴きください.同様に,Voicy heldio のプレミアムリスナー限定配信「英語史の輪 (helwa)」やその他の有料配信も,Voicy プラットフォームからのみのアクセスとなりますのであしからず.
菊地翔太先生(専修大学)が1月21日付で公開された最新の note 記事「英語の新語30 ---『CNN English Express 2025年2月号』特集の紹介」に触発されて,同号を入手しました.ちょうど現代英語の新語に関する朝カル講座のための資料を探していたところだったこともあり,特集をありがたく楽しく読むことができました.菊地先生,ありがとうございます! 同誌2月号はこちらより入手できます.
特集で取り上げられた新語30語は雑誌編集部による選定ということで,選定基準は詳しく書かれていませんが,昨年中に多用され,今年も引き続き頻繁に使用されていくだろう単語がピックアップされているものと想定されます.以下の5つの分野で仕分けされています.
【環境・科学・健康】 heat dome, zero-dose, autumn sneezing syndrome, popcorn brain, anthrobot, decel
【経済・ビジネス】 greedflation, neobank, digital twin, employee experience, bag holder, wanderpreneur
【社会・家庭】 situationship, porch piracy, Barbiecore, anti-airport dad, range anxiety, bed rotting
【ネット関係・デジタル関連】 prompt, For You page, ELI5, doomscrolling, chronically online, enshittification
【スラング・若者言葉】 girl dinner, cap, bussin', brat, cash grab, the ick
各表現の解説と例文は,雑誌の特集に直接当たっていただければと思いますが,読者の皆さんは,どれくらいご存じでしたか? 私は多くを知らず,不勉強を思い知らされました.これを機に現代の新語に関心を寄せていきたいと思います.なお,この貴重な情報は,昨日予定通り開講された朝カル講座で活用することができました.
同雑誌との関連では,ちょうど6年前に「#3542. 『CNN English Express』2月号に拙論の英語史特集が掲載されました」 ([2019-01-07-1]) と題して記事を書いています.ぜひそちらもお訪ねください.
・ 「特集 英語の新語30」『CNN English Express』2025年2月号,朝日出版社,2025年.33--43頁.
一昨日の Voicy heldio は「#1348. 好きな英語の接尾辞を教えてください!」と題して,リスナーの皆さんに「推し接尾辞」をコメント欄で寄せてもらう,参加型hel活の回をお届けしました.この2日間で30件ほどのコメントが寄せられ,各リスナーのお気に入りの,あるいは気になる接尾辞が明らかになりつつあります.
そもそも英語の接尾辞 (suffix) って,何があったっけ? という反応が返ってきそうです.その決定版となる一覧はありませんが,本ブログでは以下の記事で接尾辞等を列挙してきたことがありますので,参考にしていただければ.
・ 「#5677. 『語根で覚えるコンパスローズ英単語』の接辞リスト(129種)」 ([2024-11-11-1])
・ 「#1478. 接頭辞と接尾辞」 ([2013-05-14-1])
・ 「#5718. ギリシア語由来の主な接尾辞,接頭辞,連結形」 ([2024-12-22-1])
緩めに定義すれば,接尾辞とは既存の単語の最後に付される何らかの意味・機能をもったパーツとなります(逆に単語の最初に付されるものは接頭辞 (prefix) です).しかし,ものによっては接尾辞なのか,そうでないのかを,形態論や音韻論の観点から厳密に仕分けることが難しいケースもあると思います(この辺りの突っ込んだ話題については,一昨日のプレミアム配信「【英語史の輪 #247】今朝の「推し接尾辞」お題(生配信)」で触れました).
今回はややこしい点は横に置いておき,あたなの好きな接尾辞を1つでも2つでも挙げてもらえれば.コメント欄は常にオープンしていますので,さらに多くの回答が集まってくることを期待しています.
振り返ってみれば,以前にも似たような heldio 企画を楽しんだことがありました.そのときは「推し前置詞」を募ったのですが,以下の通り,おおいに盛り上がりました.
・ 「#5516. あなたの「推し前置詞」は何ですか?」 ([2024-06-03-1])
・ 「#5517. 大学生に尋ねました --- あなたの「推し前置詞」は何ですか?」 ([2024-06-04-1])
・ 「#5578. 「推し前置詞」で盛り上がった helwa 配信回のスレッドを公開」 ([2024-08-04-1])
・ 日時:2月8日(土) 17:30--19:00
・ 場所:朝日カルチャーセンター新宿教室
・ 形式:対面・オンラインのハイブリッド形式(1週間の見逃し配信あり)
・ お申し込み:朝日カルチャーセンターウェブサイトより
今年度の朝カルシリーズ講座「語源辞典でたどる英語史」が,月に一度のペースで順調に進んでいます.主に『英語語源辞典』(研究社)を参照しながら,英語語彙史をたどっていくシリーズです.
明後日2月8日(土)の夕刻に開講される第11回は,「英語史からみる現代の新語」と題して,いよいよ現代英語,すなわち20--21世紀の英語の語彙に焦点を当てます.
現代英語は,新語の洪水とも言える語彙の爆発的増加の時代を迎えています.デジタル技術の発展や社会の急速な変化に伴い,新たな単語や表現が次々と誕生していますが,その背後には歴史的に一貫した語形成の型が存在します.接頭辞や接尾辞の追加による「派生」,複数の単語を組み合わせる「複合」,既存の単語の「短縮」,フレーズの頭文字を取る「頭字語」などです.
今回の講座では,英語史の各時代の傾向にも注意を払いながら,現代英語における新語導入の特徴を浮き彫りにしていきます.特に上述のような語形成の多様な方法に注目し,それらどのように現代社会の変化や文化的潮流を反映しているのかを探ります.これらの語形成のプロセスを理解することは,現代英語の語彙のダイナミズムを読み解く鍵となるはずです.いつものように『英語語源辞典』などを参照しながら進めていきます.
本シリーズ講座の各回は独立していますので,過去回への参加・不参加にかかわらず,今回からご参加いただくこともできます.過去10回分については,各々概要をマインドマップにまとめていますので,以下の記事をご覧ください.
・ 「#5625. 朝カルシリーズ講座の第1回「英語語源辞典を楽しむ」をマインドマップ化してみました」 ([2024-09-20-1])
・ 「#5629. 朝カルシリーズ講座の第2回「英語語彙の歴史を概観する」をマインドマップ化してみました」 ([2024-09-24-1])
・ 「#5631. 朝カルシリーズ講座の第3回「英単語と「グリムの法則」」をマインドマップ化してみました」 ([2024-09-26-1])
・ 「#5639. 朝カルシリーズ講座の第4回「現代の英語に残る古英語の痕跡」をマインドマップ化してみました」 ([2024-10-04-1])
・ 「#5646. 朝カルシリーズ講座の第5回「英語,ラテン語と出会う」をマインドマップ化してみました」 ([2024-10-11-1])
・ 「#5650. 朝カルシリーズ講座の第6回「英語,ヴァイキングの言語と交わる」をマインドマップ化してみました」 ([2024-10-15-1])
・ 「#5669. 朝カルシリーズ講座の第7回「英語,フランス語に侵される」をマインドマップ化してみました」 ([2024-11-03-1])
・ 「#5704. 朝カルシリーズ講座の第8回「英語,オランダ語と交流する」をマインドマップ化してみました」 ([2024-12-08-1])
・ 「#5723. 朝カルシリーズ講座の第9回「英語,ラテン・ギリシア語に憧れる」をマインドマップ化してみました」 ([2024-12-27-1])
・ 「#5760. 朝カルシリーズ講座の第10回「英語,世界の諸言語と接触する」をマインドマップ化してみました」 ([2025-02-02-1])
本講座の詳細とお申し込みはこちらよりどうぞ.『英語語源辞典』(研究社)をお持ちの方は,ぜひ傍らに置きつつ受講いただければと存じます(関連資料を配付しますので,辞典がなくとも受講には問題ありません).
第11回については,Voicy heldio でも「#1345. 2月8日(土)の朝カル講座「英語史からみる現代の新語」に向けて」としてご案内していますので,ぜひお聴きください.
・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
昨日1月28日(火)に『月刊 Helvillian 〜ハロー!英語史』の最新号となる第4号(2025年2月)が公開されました.
heldio/helwa のコアリスナーからなる有志ヘルメイトによる制作で,毎月28日に,その月の仲間の皆さんによる様々な英語史活動「hel活」(helkatsu) を,note 上でリンクを張りつつ紹介していこうという,hel活応援企画です.ぜひこちらの note アカウントをフォローしていただければと思います.
最新号では「2025年heldio/helwaで盛り上がるのは○○だ!」という特集が組まれており,今年の heldio/helwa の放送を占う対談企画を展開しています.また緊急特集として「They を狙うある英語史テロについて」も編まれ,菊地翔太先生(専修大学)の「they の5つの用法」,リスナーの ari さんと川上さんによる英語史クイズ,そして堀田によるジョーク緊急速報記事などが並びます.
さらに,川上さんの「英語のなぜ5分版やってます通信」や「日曜英語史クイズ」,lacolaco さんの「英語語源辞典通読ノート」,umisio さんの「コメント大賞」などの人気連載は,相変わらず豊かな内容です.新しい記事として,ykagata さんによる「いのほたチャンネル300回記念公開ライブに行ってきました」や,り〜みんさんによる 「KPT でふりかえるhel活2024」なども注目を集めています.ここですべてを紹介することはできませんが,質量ともにたいへんな充実振りですので,ぜひ一つひとつお読みください.
今号の表紙を飾るのは長崎の新地中華街です.表紙のことばを Galois さんが担当し,長崎在住ならではの視点から解説を加えています.編集委員の Grace さんによる「helwaのあゆみ/活動報告」も新連載としてスタートし,今後の helwa の活動記録として重要な役割を果たしていくことになりそうです.今後が楽しみです.
制作班の Galois さん,Grace さん,Lilimi さん,umisio さんには,年明け早々からお骨折りいただきました.改めて感謝いたします.過去号についても本ブログや「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」でご案内していますので,そちらもぜひご参照ください.
・ heldio 「#1282. 月刊 Helvillian 第2号が公開されました --- ヘルメイトさんによる自主的なhel活」(2024年10月29日配信)
・ helwa 「【英語史の輪 #204】祝・Helvillian 創刊」(2024年10月29日配信)
・ heldio 「#1248. 月刊誌 Helvillian 創刊! --- helwa リスナー有志によるウェブマガジン」(2024年12月3日配信)
・ hellog 「#5700. ウェブ月刊誌 Helvillian の創刊号・第2号が公開されています」 ([2024-12-04-1])
・ hellog 「#5725. ウェブ月刊誌 Helvillian の1月号が公開されました」 ([2024-12-29-1])
・ helwa 「【英語史の輪 #243】Helvillian 2月号が発行!(2025年1月28日配信)
・ heldio 「#1341. Helvillian 2月号が公開!」(2025年1月30日配信;以下よりお聴きください↓)
昨年12月より,YouTube 「いのほた言語学チャンネル」にて辻幸夫先生(慶應義塾大学名誉教授)をゲストにお招きして,4回にわたる「言語学バル」を配信してきました.
・ 「#292. 実は、認知言語学やってると思ってない! --- 辻幸夫さん(元日本認知言語学会会長)」 (2024/12/11)
・ 「#294. 辻幸夫さん(慶應義塾大学名誉教授)の広く深い知識と関心が生み出したお仕事たち」 (2025/12/18)
・ 「#294. 言語を研究している人口は,言語学より自然言語処理や工学系の方がはるかに多い --- 辻幸夫さん第三回」 (2024/12/25)
・ 「#295. 言語学の隣接領域を突破口に --- ことばの認知科学を牽引 --- 辻幸夫さん(慶應義塾大学名誉教授)」 (2025/1/1)
この収録の際に辻先生より,ご自身の書かれた「漢字仮名交じり表記法の認知科学」というご論考を紹介していただきました.日本語の漢字仮名交じり文の読み書きについて,認知科学の観点から考察された,たいへん示唆的な論文でした.冒頭に近い重要な記述を引用します (102--03) .
これまで日本語の書きことばにまつわる学問的な議論は国語学・日本語学・日本語教育学などの領域で重要な考察が多くなされてきている.同時に,漢字制限や漢字廃止論あるいは日本語の平仮名化というような言語政策的な議論もある.文字の標準化は政治経済や文化社会活動のかなめであるため,いろいろな議論があるのはうなずける.他方で,日本では戦前から漢字仮名の神経心理学的研究が積み重ねられてきており,当該領域では漢字仮名を使用する側から世界を先導してきた歴史がある.また20世紀半ばから活発になった認知科学の発展に伴い,漢字仮名使用について新しい視点から領域横断的な学際研究が行われるようになった.実際,文字の認知科学においては世界の研究者の興味を惹きつけている.そこでは漢字仮名交じりの合理性が明らかにされつつあり,日本語の文字研究は興味深い時代に入ったといえる.言語研究は人間が進化の中でつくりあげた認知機能研究の切り口として意義がある.漢字仮名が併存する現代日本語はその意味で非常に価値のあるサンプルだ.それぞれの言語には,その言語文化が積み重ねてきた文化・歴史の独自性とは切っても切れない価値があるが,それにとどまらず言語は人間という生物種の知的機能を解き明かす重要な端緒となる.本論ではこれまでの興味深い研究を瞥見し,文字および日本語の漢字仮名交じり表記法についての新たな視点や学際的観点からの意義について述べたい.
この力強い書き出しから,論文の終わりまで一気に読み込んでしまいました.まさに我が意を得たり.関連して,ぜひ heldio より「#745. 日本人よ,文字論に目覚めよ」 (2023/06/15) もお聴きいただければ.
・ 辻 幸夫 「漢字仮名交じり表記法の認知科学」『ことばと文字』第14号,日本のローマ字社,2021年4月.102--13頁.
OED より1975年以降に英語に入った日本語由来の単語を取り出してみた.ただし,厳密に日本語由来の単語のみならず,何らかの形で日本語を経由していたり日本語と関係をもったしている単語ということで,緩めの設定で拾い出したものも含めるので,あしからず. *
合計73語が収集された.まず,10年刻みで単語を挙げてみよう.
【1970年代(25語)】 Betamax, gaman, money politics, reiki, sashiko, shishito, tsutsumu, katsu, katsu curry, mechatronics, shosha, kanban, karaoke, tamari, tonkotsu, butoh, Ginsu, hamachi, Midori, shuriken, uncanny valley, washi, mokume gane, nikkeijin, omakase
【1980年代(22語)】 omotenashi, shojo, Pac-Man, okadaic, shonen, skin lady, softnomics, ankimo, bukkake, kaiju eiga, Kumon, anime, kaizen, tokkin, mecha, zaitech, izakaya, Nintendo, omurice, karoshi, manhwa, functional food
【1990年代(17語)】 hentai, chindogu, otaku, cosplay, santoku, fan service, mangaka, compensated dating, enjo kosai, bokeh, emoji, Tamagotchi, cosplayer, hikikomori, keitai, visual kei, Tabata
【2000年代(5語)】 Sudoku, hallyu, tokusatsu, amigurumi, kintsugi
【2010年代(4語)】 washi tape, chimaek, mukbang, isekai
年代ごとの傾向は必ずしも明確ではないが,技術や伝統文化から始まり,食文化,ポップカルチャー,サブカルチャー,ビジネス,ゲーム関連,インターネット関連へと流れていっているようにみえる.全体として広い領域をカバーしているが,とりわけ多いのは食文化関連で,10語ほどが関与している.
品詞としては,予想される通り,ほぼすべてが名詞だが,gaman 「我慢する」は動詞として,okadaic 「オカダ(酸)の」は形容詞として入ってきている(この酸が最初に単離された海綿動物クロイソカイメンの学名 Halichondria okadai に由来するという).使用頻度については最高頻度帯の5をつけているのは emoji のみだが,頻度帯3と2を合わせて52語を数え,それなりに英語語彙に定着しているともいえる.
日本語単語の英語への流入の現代におけるピークはいつかという問いについては,OED の採録に関する方針も関与してくるので一概には言えないが,今回の調査で得られた数値のみを判断材料とするならば,1970年代から1990年代にかけてといってよい.
関連する話題については,ぜひ以下のコンテンツもご参照ください.
・ hellog 「#5467. OED の3月アップデートで日本語からの借用語が23語加わった!」 (2024/04/15)
・ inohota 「OED(Oxford English Dictionary)の今年3月のアップデートのテーマは日本語由来の英語!」 (2024/05/26)
・ heldio 「#60. 英語に入った日本語たち」 (2021/07/31)
・ heldio 「#1331. 土曜日の朝カルでは英語に入った日本語も取り上げます --- この50年で英語に入ったオモシロ借用語をいくつか紹介」 (2025/01/20)
egg 「卵」について本ブログをはじめとする各種メディアで何度か取り上げてきた.概観を得るために,まず『英語語源辞典』の記述を確認しておこう(OED の egg, n.' も参照).
記述の通り,古英語では本来的な ǣġ が用いられていたが,後期中英語より古ノルド語 (old_norse) 由来の egg がイングランド北部・東中部に現われ,本来形を置き換えていったというプロセスを経ている.また,Caxton の Eneydos (1490) の序文における,旧形と新形の共存・競合に関する英語史上有名な逸話についても触れられている.
egg をめぐるこの2つの話題について,これまで少なからぬコンテンツを作ってきたので,リンクをまとめておこう(ここ数ヶ月間,heltube こと「YouTube: heltube --- 英語史チャンネル」へのアクセスが増えてきているので,そちらを最初に挙げている).
(1) 古ノルド語由来の egg
・ heltube 「#182. egg 「卵」は古ノルド語からの借用語!」 (2025/01/18)
・ heldio 「#182. egg 「卵」は古ノルド語からの借用語!」 (2021/11/29)
・ hellog 「#340. 古ノルド語が英語に与えた影響の Jespersen 評」 ([2010-04-02-1])
・ hellog 「#2625. 古ノルド語からの借用語の日常性」 ([2016-07-04-1])
・ hellog 「#3982. 古ノルド語借用語の音韻的特徴」 ([2020-03-22-1])
・ hellog 「#4820. 古ノルド語は英語史上もっとも重要な言語」 ([2022-07-08-1])
・ inohota 「え?それも外来語? 英語ネイティヴたちも(たぶん)知らない借用語たち」 (2022/07/08)
(2) 新旧形をめぐる Caxton の逸話
・ heltube 「heldio #183. 卵を巡るキャクストンの有名な逸話」 (2025/01/19)
・ heldio 「#183. egges/eyren:卵を巡るキャクストンの有名な逸話」 (2021/11/30)
・ hellog 「#337. #337. egges or eyren」 ([2010-03-30-1])
・ hellog 「#4600. egges or eyren:なぜ奥さんは egges をフランス語と勘違いしたのでしょうか?」 ([2021-11-30-1])
・ hellog 「#4831. 『英語史新聞』2022年7月号外 --- クイズの解答です」 ([2022-07-19-1])
・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
・ 日時:1月25日(土) 17:30--19:00
・ 場所:朝日カルチャーセンター新宿教室
・ 形式:対面・オンラインのハイブリッド形式(1週間の見逃し配信あり)
・ お申し込み:朝日カルチャーセンターウェブサイトより
今年度の朝カルシリーズ講座「語源辞典でたどる英語史」が,月に一度のペースで順調に進んでいます.主に『英語語源辞典』(研究社)を参照しながら,英語語彙史をたどっていくシリーズです.
1月25日(土)の夕刻に開講される第10回は,冬クール(3回分)の始まりとして「英語,世界の諸言語と接触する」と題して,近代英語期における世界中の諸言語からの借用語にフォーカスします.
ヨーロッパの近代英語期は,大航海時代で幕が開きます.イギリスは,スペインやポルトガルなどの列強には遅れたものの,何とか世界展開の足かがりをつかみ,2世紀半ほどの時間をかけてイギリス帝国を作り上げます.七つの海を支配したイギリスは,この過程を通じて世界中の言語と接触することになり,世界的語彙 (cosmopolitan_vocabulary) という滋養が,英語という言語に大量に流れ込んでくることになりました.英語語彙は,語源を追いかけていくだけで世界一周できるほどの豊かさを得たのです.英語界最大の辞書である OED (= Oxford English Dictionary) の編纂企画が打ち上げられたのは,上記過程の機の熟したイギリス帝国の絶頂時代,19世紀後半のことでした.今回の講座では,英語語彙史上とりわけ激動の時代というべき,この近代英語期における言語接触に注目します
本シリーズ講座の各回は独立していますので,過去回への参加・不参加にかかわらず,今回からご参加いただくこともできます.過去9回分については,各々概要をマインドマップにまとめていますので,以下の記事をご覧ください.
・ 「#5625. 朝カルシリーズ講座の第1回「英語語源辞典を楽しむ」をマインドマップ化してみました」 ([2024-09-20-1])
・ 「#5629. 朝カルシリーズ講座の第2回「英語語彙の歴史を概観する」をマインドマップ化してみました」 ([2024-09-24-1])
・ 「#5631. 朝カルシリーズ講座の第3回「英単語と「グリムの法則」」をマインドマップ化してみました」 ([2024-09-26-1])
・ 「#5639. 朝カルシリーズ講座の第4回「現代の英語に残る古英語の痕跡」をマインドマップ化してみました」 ([2024-10-04-1])
・ 「#5646. 朝カルシリーズ講座の第5回「英語,ラテン語と出会う」をマインドマップ化してみました」 ([2024-10-11-1])
・ 「#5650. 朝カルシリーズ講座の第6回「英語,ヴァイキングの言語と交わる」をマインドマップ化してみました」 ([2024-10-15-1])
・ 「#5669. 朝カルシリーズ講座の第7回「英語,フランス語に侵される」をマインドマップ化してみました」 ([2024-11-03-1])
・ 「#5704. 朝カルシリーズ講座の第8回「英語,オランダ語と交流する」をマインドマップ化してみました」 ([2024-12-08-1])
・ 「#5723. 朝カルシリーズ講座の第9回「英語,ラテン・ギリシア語に憧れる」をマインドマップ化してみました」 ([2024-12-27-1])
本講座の詳細とお申し込みはこちらよりどうぞ.『英語語源辞典』(研究社)をお持ちの方は,ぜひ傍らに置きつつ受講いただければと存じます(関連資料を配付しますので,辞典がなくとも受講には問題ありません).
第10回については,Voicy heldio でも「#1325. 1月25日(土)の朝カル講座「英語,世界の諸言語と接触する」としてご案内していますので,ぜひお聴きください.
・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
*
私が主なウェブメディア上で展開している英語史に関する主な情報発信プラットフォームを,タイムラインでまとめてみました.上記のインフォグラフィックのなかから,リンクで直接飛べます.以下にリストの形でも挙げておきます.
「#5731. heldio 2024年第4四半期のベスト回を決めるリスナー投票 --- 1月10日までオープン」 ([2025-01-04-1]) でご案内したとおり,昨年第4四半期における Voicy heldio のベスト配信回を決めるリスナー投票(1人10票まで)を実施しました.1月10日に投票が締め切られましたが,今回は25名のリスナーの皆さんよりご投票いただきました.ご協力ありがとうございました.
投票結果をまとめましたので本記事にて報告いたします(本日の heldio でも「#1324. heldio 2024年第4四半期のリスナー投票開票結果」として報告しています).今回はなかなかの混戦でした.以下に上位17位までの計18配信回を掲載します(全結果は本記事のソースHTMLをご覧ください).
1. 「#1289. 佐久平千本ノック (1) --- 小中学生の皆からの素朴な疑問」 (52%)
2. 「#1298. 保坂先生とのアフタートークでコメント返し」 (44%)
3. 「#1221. 中高生への英語史導入のコツ --- 川上さんの「英語のなぜ5分版」やってます通信のご紹介」 (40%)
4. 「#1293. 助動詞 do の文法化 --- 保坂先生との対談」 (32%)
5. 「#1245. 保坂道雄先生との「文法化入門」対談 --- 「英語史ライヴ2024」より」 (28%)
5. 「#1280. 引用後の "..." said he という語順」 (28%)
5. 「#1284. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック at 目白大学 --- Part 1」 (28%)
5. 「#1292. 佐久平千本ノック (2) --- 小中学生の皆からの素朴な疑問」 (28%)
5. 「#1294. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 高橋真理子先生とのヨーロッパと中東の英語をめぐる対談」 (28%)
5. 「【生配信】ぜいぜいしながら heldio 緊急生配信」 (28%)
11. 「#1231. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 山口美知代先生とのカリブ海の英語をめぐる対談」 (24%)
11. 「#1250. 近代英語の魅力を語る 秋元先生・田辺先生・福元先生との対談 --- 「英語史ライヴ2024」より」 (24%)
11. 「#1254. 今村洋美先生・和田忍先生との『World Englishes 入門』対談 --- 「英語史ライヴ2024」より」 (24%)
11. 「#1270. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (60-1) Latin Influence of the Second Period --- 対談精読実況中継」 (24%)
11. 「#1290. 冠詞の文法化 --- 保坂先生との対談」 (24%)
11. 「#1308. 古英語・英語史の発信とその課題 --- 小河舜さんによるダイジェスト」 (24%)
17. 「#1234. 激論「AI時代の語学を考える」 --- 「英語史ライヴ2024」より」 (20%)
17. 「#1263. 英語史クイズの予習会 (2) --- 「英語史ライヴ2024」の裏番組より」 (20%)
第1位(得票率52%)に輝いたのは,「#1289. 佐久平千本ノック (1) --- 小中学生の皆からの素朴な疑問」 (52%)でした! heldio/helwa リスナーのみーさんにホストいただき,「小中学生のために英語史」という新鮮なテーマを掲げた千本ノック企画となりました.多くのリスナーの皆様が,企画の趣旨を理解し,評価してくれたものと解釈しています.同企画の続編である「#1292. 佐久平千本ノック (2) --- 小中学生の皆からの素朴な疑問」も第5位(得票率28%)に入っていますし,堂々のグランプリといってよいでしょう.
第2位(得票率44%)は「#1298. 保坂先生とのアフタートークでコメント返し」でした.昨年第4四半期は,保坂道雄先生(日本大学)との対談が相次ぎましたが,なんと4回の対談回がいずれも上位入賞です! 単独4位(得票率32%)の「#1293. 助動詞 do の文法化 --- 保坂先生との対談」,5位(28%)の「#1245. 保坂道雄先生との「文法化入門」対談 --- 「英語史ライヴ2024」より」,11位(24%)の「#1290. 冠詞の文法化 --- 保坂先生との対談」とランクインです.保坂先生による文法化についての分かりやすい解説が人気を集めました.
第3位(得票率40%)は「#1221. 中高生への英語史導入のコツ --- 川上さんの「英語のなぜ5分版」やってます通信のご紹介」でした.「やってます通信」(および「日曜英語史クイズ」)ですでにお馴染みの高校英語教員川上さんとの対談回でした.川上さんの「やってます通信」への思いへ支持が集まった結果かと思います.川上さんの「英語教育×英語史」への挑戦,これからも期待しています!
第5位タイ(得票率28%)は6件ありましたが,配信者としては嬉しいコンテンツが並んでいました.Baugh and Cable の英語史書精読会の流れで出された問いに関連する「#1280. 引用後の "..." said he という語順」,もう1つのエキサイティングな千本ノック企画より「#1284. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック at 目白大学 --- Part 1」,シリーズ対談の一環として「#1294. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 高橋真理子先生とのヨーロッパと中東の英語をめぐる対談」,年末のジョーク企画「【生配信】ぜいぜいしながら heldio 緊急生配信」に票が入りました.
第11位タイ(得票率24%)も6件,第17位タイ(20%)は2件ありましたが,これらすべてが対談回でした.
全体として今回のリスナー投票では,千本ノック企画,研究者との対談回,helwa メンバー活躍回,Baugh and Cable 精読関連回が人気だったことが分かります.heldio リスナー,helwa リスナー,出演者の方々皆の力でチャンネルが作り上げられていることを,改めて実感しました.日々支えていただきまして,ありがとうございます.今後も良質な英語史音声コンテンツをお届けしていきます.
以上,投票結果の報告でした.なお,同報告は heldio でも「#1324. heldio 2024年第4四半期のリスナー投票開票結果」として配信しています.この結果を参考に,まだお聴きでない回がありましたら,ぜひご聴取いただければ.
一昨日の記事「#5737. 語源,etymology, veriloquium」 ([2025-01-10-1]) と関連して,2つの音声コンテンツを配信した.
・ heltalk (stand.fm) 「ラテン語で「語源」を意味する veriloquium もカッコいいですね」 (2025/01/10)
・ heldio (Voicy) 「#1322. word-lore 「語誌」っていいですよね」 (2025/01/11)
「語源」周りの用語・概念は種類が豊富である.ここから,そもそも語源 (etymology) とは何か,という問いが生じてくるだろう.実際,この問いについてはこれまでも多方面から検討してきた.各メディアから関連する主立ったコンテンツへのリンクを示そう.
・ hellog 「#466. 語源学は技芸か科学か」 ([2010-08-06-1])
・ hellog 「#1791. 語源学は技芸が科学か (2)」 ([2014-03-23-1])
・ hellog 「#598. 英語語源学の略史 (1)」 ([2010-12-16-1])
・ hellog 「#599. 英語語源学の略史 (2)」 ([2010-12-17-1])
・ hellog 「#727. 語源学の自律性」 ([2011-04-24-1])
・ hellog 「#3847. etymon」 ([2019-11-08-1])
・ hellog 「#5123. 「単語の語源を言い当てる」とは何か? --- 本日開幕した「語源バトル」のルールをめぐって」 ([2023-05-07-1])
・ hellog 「#5630. 語源学とは何か? --- 『英語語源辞典』 (p. 1647) より」 ([2024-09-25-1])
・ hellog 「#5737. 語源,etymology, veriloquium」 ([2025-01-10-1])
・ heldio 「#706. 爆笑・語源バトル with まさにゃん&藤原くん」 (2023/05/07)
・ helwa 「【英語史の輪 #9】語源って何?」 (2023/06/30)
この問いには,民間語源 (folk_etymology) をめぐる議論も深く関わってくるだろう.この重要な話題については hellog 「#5594. 民間語源(解釈語源)の復権のために」 ([2024-08-20-1]) およびそこからのリンク先コンテンツを参照されたい.
定期的に考え続けたいお題である.
英語史における through の綴り方が515通りある件について,これまで様々なメディアで頻繁に話題にしてきた.
・ hellog 「#53. 後期中英語期の through の綴りは515通り」 ([2009-06-20-1])
・ hellog 「#54. through 異綴りベスト10(ワースト10?)」 ([2009-06-21-1])
・ hellog 「#193. 15世紀 Chancery Standard の through の異綴りは14通り」 ([2009-11-06-1])
・ hellog 「#3397. 後期中英語期の through のワースト綴字」 ([2018-08-15-1])
・ hellog 「#5006. YouTube 版,515通りの through の話し」 ([2023-01-10-1])
・ hellog 「#5126. 「ゆる言語学ラジオ」出演第2回で話題となった515通りの through の怪」 ([2023-05-10-1])
・ heldio 「#599. YouTube「515通りの through」回への補足」
・ heldio 「#709. なぜ同一単語に多くのスペリングが存在し得たのか? --- 「ゆる言語学ラジオ」出演第2回で話題となった515通りの through の怪」
・ helwa 「【英語史の輪 #210】いのほた「515通りの through 回」の深掘り解説」
・ YouTube 「いのほた言語学チャンネル」 「#91. ゆるーい中世の英語の世界では綴りはマイルール?!through のスペリングは515通り!堀田的ゆるさベスト10!」
・ YouTube 「いのほた言語学チャンネル」 「#283. 中世の英語に through のつづりが515通りあるのは言語変化の象徴!」
・ YouTube 「ゆる言語学ラジオ」 「#228. 「英語史の専門家が through の綴りを数えたら515通りあった話【喜怒哀楽単語2】」
私自身が様々なソースから集めてきた証拠に基づいて「515通り」という数字を挙げてきたわけだが,さらに時間と労力をかけて探せば,異なる綴字がもう少しは見つかるだろうということは分かっていた.そして今回,516番目の through を見つけた.特に意識して探していたわけではないので,「気付いた」ほどの表現が正確かもしれない.
昨年末に note にて「【2024年12月28日正午の英語史緊急速報】3人称複数代名詞 they をめぐってたいへんなことが起こっています」を書いた.Ormulum という初期中英語期のテキストに現われる they の初例について解説した記事だ.その補足解説として,heldio でも「#1319. they の初出例 --- 昨年末緊急企画より Ormulum を覗いてみよう」を配信した.
そこで取り上げた例文を改めて掲げよう.このなかに問題の through が一度出現する.
& swa þeȝȝ leddenn heore lif Till þatt teȝȝ wærenn alde. Þatt naffdenn ðeȝȝ þurrh þeȝȝre streon. Ne sune child. ne dohhterr.
今回見つけた綴字は þurrh である.Ormulum の作者 Orm の独特な綴字は英語史上も有名で,これについて「#2712. 初期中英語の個性的な綴り手たち」 ([2016-09-29-1]) や「#3954. 母音の長短を書き分けようとした中英語の新機軸」 ([2020-02-23-1]) の記事で取り上げてきた.この through の516番目の綴字は,いかにも Orm 的である.<u> で表わされる母音が短母音であることを示すのに,後続する <r> が2つ重ねられている.
私自身,これまでの研究で Ormulum におけるこの綴字には何度となく触れてきており,ある意味では目に馴染んでいたはずだが,以前に掲げていた515通りの through の一覧に,この綴字は含まれていなかった.516番目の綴字の「劇的な発見」ではなく,単純に「見落とし」や「拾い漏れ」といったほうがよいケースだが,それでも久しぶりに記録が更新されて嬉しい.
今朝の Voicy heldio で「#1318. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (60-3) Latin Influence of the Second Period --- Taku さん対談精読実況中継」を配信しました.これは昨年末の12月26日(木)の夕方に生配信した対談精読実況中継のアーカイヴ版です.
今回の対談回はヘルメイトさんたちとの忘年会も兼ねていたので,賑やかです.今回は,前回に引き続き Taku さんこと金田拓さん(帝京科学大学)に司会をお願いしました.さらに,専門家として小河舜さん(上智大学)に加わっていただきました.ヘルメイトとしては,Grace さん,ykagata さん, lacolaco さん, Lilimi さん,ぷりっつさんが参加されました.8名でのたいへん充実した精読会となりました.
今回の精読箇所は第60節 "Latin Influence of the Second Period: The Christianizing of Britain" の第3段落です.さほど長くない1節でしたが,55分ほどかけて皆で「超」精読しました.文字通りに「豊かな」時間となりました.特に gradual という基本語の意味をめぐって,私はたいへん大きな学びを得ることができました.お時間のあるときに,ぜひ精読対象のテキストとなる1段落分の文章(Baugh and Cable, pp. 79--80 より以下に掲載)を追いつつ,超精読にお付き合いください.
The conversion of the rest of England was a gradual process. In 635 Aidan, a monk from the Scottish monastery of Iona, independently undertook the reconversion of Northumbria at the invitation of King Oswald. Northumbria had been Christianized earlier by Paulinus but had reverted to paganism after the defeat of King Edwin by the Welsh and the Mercians in 632. Aidan was a man of great sympathy and tact. With a small band of followers he journeyed from town to town, and wherever he preached he drew crowds to hear him. Within twenty years, he had made all Northumbria Christian. There were periods of reversion to paganism and some clashes between the Celtic and the Roman leaders over doctrine and authority, but England was slowly won over to the faith. It is significant that the Christian missionaries were allowed considerable freedom in their labors. There is not a single instance recorded in which any of them suffered *martyrdom* in the cause they espoused. Within a hundred years of the landing of Augustine in Kent, all England was Christian.
本節と関連の深い hellog 記事や heldio コンテンツは,「#5686. B&C の第60節 "Latin Influence of the Second Period" の第1段落を対談精読実況生中継しました」 ([2024-11-20-1]) に挙げたリンク集よりご参照ください.B&C の対談精読実況中継は,今後も時折実施していきたいと思います.
・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
昨年末の12月26日(木)の午後,小河舜さん(上智大学)とともに,大学生から寄せられていた質問を話題に,Voicy heldio の生配信で,何度目かになる「千本ノック」 (senbonknock) をお届けしました.そのアーカイヴ版を,一昨日配信しましたので,ご案内します.「#1315. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック --- 年末ヴァージョン with 小河舜さん(生配信)です.55分ほどの回となっています.以下に,参考のため,寄せられた質問と本編チャプター内での対応する分秒を一覧します.今回回答したのは8問のみですが,各々の話題を2人で縦に横に広げてトークしましたので,全体として充実した回となっていると思います.じっくりとお聴きいただければ.
(1) 02:35 --- 英語語彙における借用語は,ヨーロッパ起源のものが中心で,アメリカやアフリカ起源のものはあるのでしょうか?
(2) 09:15 --- 「help 人 (to) do」の構文で to が付かなかったりするのは,言語の単純化によるものなのでしょうか?
(3) 13:05 --- 日本語では「和語」「漢語」「外来語」を瞬時に弁別でき,ニュアンスの傾向も分かりますが,英語の native words と loan loanwords には,このような傾向はあるのでしょうか?また,英語話者はそれらを瞬時に弁別できるのでしょうか?
(4) 20:25 --- 文法性が存在することのメリットは何なのでしょうか? 現代英語のように性がない方がスッキリしているように感じます.また,文法性はどのように決まったのでしょうか?
(5) 28:09 --- 動詞に付く3人称「単数」現在が -s で,名詞に付く「複数」も -s ということが,英語を学び始めたときに不思議だなと思いました.
(6) 33:10 --- yes/no question は文末上げ調子になるのに対し,wh-question は通常下げ調になるのはなぜでしょうか? 現在のイントネーションになったのはいつ頃でしょうか? ([追加の投げ込み質問として]question mark はいつ頃から使われるようになったのですか?)
(7) 44:07 --- アポストロフィーは短縮形だけでなく Mary's のように所有格でも使われます。また CD の複数形として CD's の形もあると聞いたことがあります.アポストロフィの使われ方の歴史を知りたいです.
(8) 48:59 --- 現代英語は地域的にも社会的にもバリエーションが豊富にありますが,特定の表現がどの地域でどのような方々に使われているのかを検索できるようなツールはありますか?
今年もいろいろな形で「千本ノック」をやっていきたいと思います.皆さんもぜひ投げ込み用に素朴な疑問を温めておいていただけますと幸いです.
heldio 2024年第4四半期のベスト回を決めるリスナー投票を,2025年1月3日(金)より1月10日(金) 23:59 までこちらの投票コーナーにて受け付けています(あるいは以下のQRコードよりどうぞ).ぜひ皆さんのマイベスト10を選んでいただければ幸いです.
上記の通り,本ブログの音声版・姉妹版ともいえる毎朝配信の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」より,今年第4四半期にお届けしてきた配信回(全93回)のなかからベスト回を決めるリスナー投票イベントを開催中です.1人10票まで投票できます.投票会場は10月8日(火)23:59 までオープンしていますので,この機会に聴き逃した過去配信回などを聴取いただき,マイベストの10件をじっくり選んでいただければと思います.
各配信回へのアクセスは,本記事末尾の一覧,あるいは音声コンテンツ一覧よりどうぞ.10月1日配信の「#1220. heldio 2024年第3四半期のベスト回を決めるリスナー投票 --- 10月8日までオープン」から12月31日配信の「#1311. 2024年 heldio 配信でよく聴かれた回ベスト10」までの93回分が投票の対象となります.
過去のリスナー投票企画については,ranking の記事をご覧ください.
昨日,同じ投票を呼びかける「#1314. heldio 2024年第4四半期のベスト回を決めるリスナー投票 --- 1月10日(金)までオープン」を配信しました.皆さん,奮ってご投票ください.
・ 「#1220. heldio 2024年第3四半期のベスト回を決めるリスナー投票 --- 10月8日までオープン」 (2024/10/01)
・ 「#1221. 中高生への英語史導入のコツ --- 川上さんの「英語のなぜ5分版」やってます通信のご紹介」 (2024/10/02)
・ 「#1222. helwa コンテンツの講評 --- 「英語史ライヴ2024」より」 (2024/10/03)
・ 「#1223. 私と heldio/helwa --- 「英語史ライヴ2024」裏番組より」 (2024/10/04)
・ 「#1224. なぜ doctor は -er ではなく -or なの? --- ゼミ合宿企画より」 (2024/10/05)
・ 「#1225. コメント返し 2024/10/06(Sun)」 (2024/10/06)
・ 「#1226. フランス語は英語の音韻感覚を激変させた --- 月刊『ふらんす』の連載記事第7弾」 (2024/10/07)
・ 「#1227. 古英語LINEスタンプのお披露目 --- 「英語史ライヴ2024」より」 (2024/10/08)
・ 「#1228. 川上さんの「英語のなぜ5分版」やってます通信 --- 第2弾」 (2024/10/09)
・ 「#1229. heldio 2024年第3四半期のリスナー投票開票結果」 (2024/10/10)
・ 「#1230. どの英語を教えればいいの? --- 「英語史ライヴ2024」裏番組より」 (2024/10/11)
・ 「#1231. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 山口美知代先生とのカリブ海の英語をめぐる対談」 (2024/10/12)
・ 「#1232. コメント返し 2024/10/13(Sun)」 (2024/10/13)
・ 「#1233. case が「格」? --- 文法用語を考える」 (2024/10/14)
・ 「#1234. 激論「AI時代の語学を考える」 --- 「英語史ライヴ2024」より」 (2024/10/15)
・ 「#1235. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 山口美知代先生との中華世界の英語をめぐる対談」 (2024/10/16)
・ 「#1236. mine を『英語語源辞典』で読み解く」 (2024/10/17)
・ 「#1237. 英語史でいちばん感動したことは何ですか? --- 「英語史ライヴ2024」裏番組より」 (2024/10/18)
・ 「#1238. 10月26日(土)の朝カル講座「英語,フランス語に侵される」に向けて」 (2024/10/19)
・ 「#1239. コメント返し 2024/10/20(Sun)」 (2024/10/20)
・ 「#1240. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 (2) --- KDEE の編集方針を理解しよう」 (2024/10/21)
・ 「#1241. 著者と語る『ハリウッド映画と英語の変化』(開拓社,2024年) --- 山口美知代先生との対談」 (2024/10/22)
・ 「#1242. 川上さんの「英語のなぜ5分版」やってます通信 --- 第3弾」 (2024/10/23)
・ 「#1243. なぜ英語には単数形と複数形の区別があるの? --- 中学生のための英語史」 (2024/10/24)
・ 「#1244. 小河舜さんと古英語の句読点を語る --- Wulfstan のリズムと文体より」 (2024/10/25)
・ 「#1245. 保坂道雄先生との「文法化入門」対談 --- 「英語史ライヴ2024」より」 (2024/10/26)
・ 「#1246. コメント返し 2024/10/27(Sun)」 (2024/10/27)
・ 「#1247. 言語は数えられない!? --- khelf 藤原郁弥さんと青木輝さんとの激論」 (2024/10/28)
・ 「#1248. 月刊誌 Helvillian 創刊! --- helwa リスナー有志によるウェブマガジン」 (2024/10/29)
・ 「#1249. 古英語で「了解!」 --- 古英語LINEスタンプの文言解説シリーズ」 (2024/10/30)
・ 「#1250. 近代英語の魅力を語る 秋元先生・田辺先生・福元先生との対談 --- 「英語史ライヴ2024」より」 (2024/10/31)
・ 「#1251. 川上さんの「英語のなぜ5分版」やってます通信 --- 第4弾」 (2024/11/01)
・ 「#1252. 古英語LINEスタンプの gars (草)とは何? with 小河舜さん」 (2024/11/02)
・ 「#1253. コメント返し 2024/11/03(Sun)」 (2024/11/03)
・ 「#1254. 今村洋美先生・和田忍先生との『World Englishes 入門』対談 --- 「英語史ライヴ2024」より」 (2024/11/04)
・ 「#1255. 10月,Mond で5件の質問に回答しました」 (2024/11/05)
・ 「#1256. 英語史クイズの予習会 (1) --- 「英語史ライヴ2024」の裏番組より」 (2024/11/06)
・ 「#1257. 川上さんの「英語のなぜ5分版」やってます通信 --- 第5弾」 (2024/11/07)
・ 「#1258. 古英語の4つの文字を紹介 with 小河舜さん」 (2024/11/08)
・ 「#1259. 印欧祖語には○○の単語がなかった!」 (2024/11/09)
・ 「#1260. コメント返し 2024/11/10(Sun)」 (2024/11/10)
・ 「#1261. five の経た音変化は同化,同化,同化」 (2024/11/11)
・ 「#1262. fifth の経た音変化は異化」 (2024/11/12)
・ 「#1263. 英語史クイズの予習会 (2) --- 「英語史ライヴ2024」の裏番組より」 (2024/11/13)
・ 「#1264. 『英語語源辞典』通読はキツい,無理!」 (2024/11/14)
・ 「#1265. 川上さんの「英語のなぜ5分版」やってます通信 --- 第6弾」 (2024/11/15)
・ 「#1266. chair と sit --- 『英語語源辞典』精読会 with lacolaco さんたち」 (2024/11/16)
・ 「#1267. コメント返し 2024/11/17(Sun)」 (2024/11/17)
・ 「#1268. khelf 杯「英語史クイズ大会」 --- 「英語史ライヴ2024」より」 (2024/11/18)
・ 「#1269. 東京ポニークラス慶友会での千本ノック (1)」 (2024/11/19)
・ 「#1270. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (60-1) Latin Influence of the Second Period --- 対談精読実況中継」 (2024/11/20)
・ 「#1271. B&C 60 の芝居がかった部分のレトリック --- 昨日お届けした精読回に反応いただきました」 (2024/11/21)
・ 「#1272. 川上さんの「英語のなぜ5分版」やってます通信 --- 第7弾」 (2024/11/22)
・ 「#1273. 「英語史ライヴ2024」のフィナーレ with 井上先生&3Ms」 (2024/11/23)
・ 「#1274. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (60-2) Latin Influence of the Second Period --- Taku さん対談精読実況中継」 (2024/11/24)
・ 「#1275. コメント返し 2024/11/25(Mon)」 (2024/11/25)
・ 「#1276. 東京ポニークラス慶友会での千本ノック (2)」 (2024/11/26)
・ 「#1277. 11月30日(土)の朝カル講座「英語,オランダ語と交流する」に向けて」 (2024/11/27)
・ 「#1278. 川上さんとの対談 (1) --- 「やってます通信」インタビュー」 (2024/11/28)
・ 「#1279. 英文法におけるフランス語の影響 --- 月刊『ふらんす』の連載記事第9弾」 (2024/11/29)
・ 「#1280. 引用後の "..." said he という語順」 (2024/11/30)
・ 「#1281. コメント返し 2024/12/01(Sun)」 (2024/12/01)
・ 「#1282. 月刊 Helvillian 第2号が公開されました --- ヘルメイトさんによる自主的なhel活」 (2024/12/02)
・ 「#1283. みーさんとの対談 --- 12月8日(日)の佐久平千本ノックに向けて」 (2024/12/03)
・ 「#1284. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック at 目白大学 --- Part 1」 (2024/12/04)
・ 「#1285. 川上さんの「英語のなぜ5分版」やってます通信 --- 第8弾」 (2024/12/05)
・ 「#1286. come と some の綴字のナゾ --- 縦棒回避と語尾の -e」 (2024/12/06)
・ 「#1287. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック at 目白大学 --- Part 2」 (2024/12/07)
・ 「#1288. 川上さんとの対談 (2) --- 「英語史クイズ」インタビュー」 (2024/12/08)
・ 「#1289. 佐久平千本ノック (1) --- 小中学生の皆からの素朴な疑問」 (2024/12/09)
・ 「#1290. 冠詞の文法化 --- 保坂先生との対談」 (2024/12/10)
・ 「#1291. 田中 智之・縄田 裕幸・柳 朋宏(著)『生成文法と言語変化』(開拓社,2024年)」 (2024/12/11)
・ 「#1292. 佐久平千本ノック (2) --- 小中学生の皆からの素朴な疑問」 (2024/12/12)
・ 「#1293. 助動詞 do の文法化 --- 保坂先生との対談」 (2024/12/13)
・ 「#1294. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 高橋真理子先生とのヨーロッパと中東の英語をめぐる対談」 (2024/12/14)
・ 「#1295. コメント返し 2024/12/15(Sun)」 (2024/12/15)
・ 「#1296. 川上さんの「英語のなぜ5分版」やってます通信 --- 第9弾」 (2024/12/16)
・ 「#1297. 12月21日(土)の朝カル講座「英語,ラテン・ギリシア語に憧れる」に向けて」 (2024/12/17)
・ 「#1298. 保坂先生とのアフタートークでコメント返し」 (2024/12/18)
・ 「#1299. 書き言葉の3つの機能」 (2024/12/19)
・ 「#1300. 高橋真理子先生とのアフタートーク --- 『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年)の第8章「ヨーロッパと中東の英語」をめぐって」 (2024/12/20)
・ 「#1301. 超絶に単純な本来語要素からなる上級レベル動詞3選 --- atone, beget, don」 (2024/12/21)
・ 「#1302. コメント返し 2024/12/22(Sun)」 (2024/12/22)
・ 「#1303. 「言語化」してはいけないことがある --- タブーの存在」 (2024/12/23)
・ 「#1304. Yule! あるいは Merry Christmas!」 (2024/12/24)
・ 「#1305. 英語綴字におけるフランス語の影響 --- 月刊『ふらんす』の連載記事第10弾」 (2024/12/25)
・ 「#1306. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 (3) --- 印欧語比較言語学の学史をたどる」 (2024/12/26)
・ 「#1307. 佐久平千本ノックの振り返り with みーさん」 (2024/12/27)
・ 「#1308. 古英語・英語史の発信とその課題 --- 小河舜さんによるダイジェスト」 (2024/12/28)
・ 「#1309. コメント返し 2024/12/29(Sun)」 (2024/12/29)
・ 「【生配信】ぜいぜいしながら heldio 緊急生配信」 (2024/12/29)
・ 「#1310. 『英語史新聞』第11号が公開されました with khelf メンバー」 (2024/12/30)
・ 「#1311. 2024年 heldio 配信でよく聴かれた回ベスト10」 (2024/12/31)
本ブログの姉妹版・音声版である Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」には,プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪 (helwa)」という有料版(月額800円)があります.heldio 通常回は毎朝6時に更新する一般向けのチャンネルですが,「英語史の輪 (helwa)」は毎週火・木・土の午後6時に追加的に配信しているクローズド・チャンネルです.集まってきているのは,heldio では飽き足りないほどに英語史の好きなリスナーや,heldio を通じて「hel活」 (helkatsu) こと英語史活動を展開している(展開したい)リスナーの方々です.
helwa は1年半ほど前,2023年6月2日に開設しました.目下 helwa コミュニティには40名を超えるリスナー(=ヘルメイト)が集まっており,日々チャットツール Discord を利用した交流も盛んです.月に1回以上のオフ会も定期的に開催しており,各種のオンライン・イベントも不定期に企画しています.昨年10月28日には,有志のメルメイト数名の企画による月刊ウェブマガジン Helvillian が創刊され,先日12月28日には第3号(2025年1月)が公開されています.月々のヘルメイトによるhel活周りの記事,とりわけ英語史関連記事やイベント潜入ルポへのリンクがまとめられているほか,特集記事も編まれています.関連する hellog 記事として「#5700. ウェブ月刊誌 Helvillian の創刊号・第2号が公開されています」 ([2024-12-04-1]) や「#5725. ウェブ月刊誌 Helvillian の1月号が公開されました」 ([2024-12-29-1]))をご覧ください.
helwa は,月額800円のサブスクリプションです.お入りになる方は,Voicy アプリから入りますと手数料が多くかかり月額1040円となってしまいますので,ぜひウェブブラウザ経由でご入会ください.初月無料サービスも付いています.
また,この1月1日から Voicy 社により,新しい「プレミアムリスナーVIP」というサービスが展開しています.これは,3ヶ月分の価格(helwa の場合には2400円)をお支払いになると,これまでのすべてのバックナンバーが1ヶ月間聴き放題となるサービスです.1ヶ月を過ぎると聴けなくなりますが,過去回を一気に聴きたい等のニーズに応えるものです.なお,通常の月額サブスクリプションでは,購入された各月の配信回は,その後も聴取することができます.
昨年は helwa としては157回の配信をお届けしました.heldio 通常回とは異なるインフォーマルな雰囲気で話していることが多いです.以下に一覧しますので,ご関心のある方はバックナンバーよりお聴きいただければ.
【 1月分 】
・ 「【英語史の輪 #75】2023年 heldio の推し配信回の投票結果,について講評の続き」 (2024-01-02配信)
・ 「【英語史の輪 #76】新年会前日の配信 --- 今後の helwa コミュニティに向けて」 (2024-01-04配信)
・ 「【英語史の輪 #77】umisio さんと『英語語源辞典』で England と English を精読する」 (2024-01-06配信)
・ 「【英語史の輪 #78】Englaland から England への重音省略 (haplology)」 (2024-01-09配信)
・ 「【英語史の輪 #79】逆成 (back-formation) を深掘る」 (2024-01-11配信)
・ 「【英語史の輪 #80】ジップの法則 (Zipf's law)」 (2024-01-13配信)
・ 「【英語史の輪 #81】ジップの法則と新語・古語」 (2024-01-16配信)
・ 「【英語史の輪 #82】I think, I suppose, I believe --- 認識動詞は難しい」 (2024-01-18配信)
・ 「【英語史の輪 #83】なぜコトバはおもしろいのか?(生放送)」 (2024-01-20配信)
・ 「【英語史の輪 #84】発音辞書って使ったことありますか?」 (2024-01-23配信)
・ 「【英語史の輪 #85】「『英語語源辞典』を読む(飲む)会」を画策しています」 (2024-01-25配信)
・ 「【英語史の輪 #86】bound や sound の -d はどこから来たの?」 (2024-01-27配信)
・ 「【英語史の輪 #87】1年間の「英語史」の講義を終えて(続編)」 (2024-01-30配信)
【 2月分 】
・ 「【英語史の輪 #88】年度の成果が実る時期」 (2024-02-01配信)
・ 「【英語史の輪 #89】凡例 (legend) は良質の教材 --- legend の語源」 (2024-02-03配信)
・ 「【英語史の輪 #90】ごめんなさいの言語学 --- 五所万実さん,金田拓さん,小河舜さんとの飲み会対談」 (2024-02-06配信)
・ 「【英語史の輪 #91】否定された「言語年代学」」 (2024-02-08配信)
・ 「【英語史の輪 #92】昨晩「いのほたチャンネル」に水野太貴さんをお招きしての初の公開収録を終えました」 (2024-02-10配信)
・ 「【英語史の輪 #93】「言語変化」とは言語が変化すること?」 (2024-02-13配信)
・ 「【英語史の輪 #94】言語は女系?」 (2024-02-15配信)
・ 「【英語史の輪 #95】boss ってなんで s が2つなの?」 (2024-02-17配信)
・ 「【英語史の輪 #96】辞書を引く、読む、味わう(生放送)」 (2024-02-20配信)
・ 「【英語史の輪 #97】「置換」か「駆逐」か」 (2024-02-22配信)
・ 「【英語史の輪 #98】heldio 千回直前のオフ会飲み会」 (2024-02-25配信)
・ 「【英語史の輪 #99】「触る」はネガティヴ?」 (2024-02-27配信)
・ 「【英語史の輪 #100】好きな辞書を披露し合いましょう」 (2024-02-29配信)
【 3月分 】
・ 「【英語史の輪 #101】ニワトリとネコ --- 同音異義衝突の古典的な例」 (2024-03-02配信)
・ 「【英語史の輪 #102】helフェス2024報告」 (2024-03-05配信)
・ 「【英語史の輪 #103】長崎オフ会のお知らせ & テレビ型言語とラジオ型言語」 (2024-03-07配信)
・ 「【英語史の輪 #104】helwa のコメント返し」 (2024-03-09配信)
・ 「【英語史の輪 #105】近代英語と中英語の anigh に直接の関連はない? --- lacolaco さんも二度見した『英語語源辞典』の記述」 (2024-03-12配信)
・ 「【英語史の輪 #106】音素配列論と音素化」 (2024-03-14配信)
・ 「【英語史の輪 #107】keep --- 基本語ほど語源に謎が多い?」 (2024-03-16配信)
・ 「【英語史の輪 #108】院ゼミ合宿生中継」 (2024-03-20配信)
・ 「【英語史の輪 #109】2024年度の hel 活と khelf 活動についてご相談」 (2024-03-21配信)
・ 「【英語史の輪 #110】hel活のアイディア,ありがとうございました!」 (2024-03-23配信)
・ 「【英語史の輪 #111】「はじめての古英語」生放送の反省会&アフタートーク」 (2024-03-26配信)
・ 「【英語史の輪 #112】 印欧語根 *reg- 「支配する」からの,Lilimi さんとの対談回」 (2024-03-28配信)
・ 「【英語史の輪 #113】「名前と英語史」生放送のアフタートーク生放送」 (2024-03-30配信)
【 4月分 】
・ 「【英語史の輪 #114】英語とフランス語,というストレートな話題」 (2024-04-02配信)
・ 「【英語史の輪 #115】helwa 2024年第1四半期のベスト回を決めるリスナー投票(1人5票,4月11日まで投票受付)」 (2024-04-04配信)
・ 「【英語史の輪 #116】hel活の4月」 (2024-04-06配信)
・ 「【英語史の輪 #117】言語変化と生物進化」 (2024-04-09配信)
・ 「【英語史の輪 #118】長崎オフ会前夜祭 --- umisio 父娘を含む4人飲み会」 (2024-04-11配信)
・ 「【英語史の輪 #119】umisio さんによる fresh の語源研究発表 (1) --- 長崎オフ会/helwa 合宿より生放送」 (2024-04-13配信)
・ 「【英語史の輪 #120】umisio さんによる fresh の語源研究発表 (2) --- 長崎オフ会/helwa 合宿より生放送」 (2024-04-16配信)
・ 「【英語史の輪 #121】「はじめての古英語」第5弾の生放送後のアフタートーク with 小河舜さん&まさにゃん」 (2024-04-19配信)
・ 「【英語史の輪 #122】ランチタイムのリスナー自己紹介 --- 長崎オフ会/helwa 合宿より生放送」 (2024-04-20配信)
・ 「【英語史の輪 #123】Lilimi さんの音素配列に関する研究発表 --- 長崎オフ会/helwa 合宿より生放送」 (2024-04-23配信)
・ 「【英語史の輪 #124】5人で話す博士論文の世界(生放送)続編:五所万実さん,北澤茉奈さん,尾崎萌子さん,小河舜さん&堀田隆一」 (2024-04-25配信)
・ 「【英語史の輪 #125】helwa 新宿オフ会の様子を生中継」 (2024-04-28配信)
・ 「【英語史の輪 #126】2024年4月27日(土)の晩に5人で新宿オフ会 --- Taku さん,Lilimi さん,シューちゃん,lacolaco さん」 (2024-04-30配信)
【 5月分 】
・ 「【英語史の輪 #127】Anna さんの漱石と英語に関する研究発表 --- 長崎オフ会/helwa 合宿より生放送」 (2024-05-02配信)
・ 「【英語史の輪 #128】パワスポ巡りとなりました --- 陸奥四人旅 その4」 (2024-05-04配信)
・ 「【英語史の輪 #129】さまざまな「チーズ職人」」 (2024-05-07配信)
・ 「【英語史の輪 #130】小河舜さんの上智大学での生活について」 (2024-05-09配信)
・ 「【英語史の輪 #131】英語史における職業名の増減について」 (2024-05-11配信)
・ 「【英語史の輪 #132】「カップ」はなぜ cup なのですか? --- 川上さんからのお題」 (2024-05-14配信)
・ 「【英語史の輪 #133】英語史問題へのAI回答を検証する」 (2024-05-16配信)
・ 「【英語史の輪 #134】helwa オフ会生放送?ラジオ向きの5人、素晴らしいメンツが集まりました」 (2024-05-19配信)
・ 「【英語史の輪 #135】あなたの「推しの前置詞」は何ですか?(無茶振り大会)」 (2024-05-21配信)
・ 「【英語史の輪 #136】「推し前置詞」回の振り返り」 (2024-05-24配信)
・ 「【英語史の輪 #137】「令和の英語史教育を考える」へのお誘い with 小河舜さん&まさにゃん」 (2024-05-25配信)
・ 「【英語史の輪 #138】北澤さんとアフタートーク(生放送のアーカイヴ)」 (2024-05-28配信)
・ 「【英語史の輪 #139】高校生からの素朴な疑問 --- 川上さん通信」 (2024-05-30配信)
【 6月分 】
・ 「【英語史の輪 #140】helwa 1周年記念」 (2024-06-01配信)
・ 「【英語史の輪 #141】「英語史ライヴ2024」への思い」 (2024-06-04配信)
・ 「【英語史の輪 #142】雑談生放送のアーカイヴ with 五所さん&小河さん」 (2024-06-07配信)
・ 「【英語史の輪 #143】helwa オフ会生放送 --- 北澤茉奈さんも加えて6人の夕べ」 (2024-06-09配信)
・ 「【英語史の輪 #144】helwa のオンライン・コミュニティを始めます」 (2024-06-11配信)
・ 「【英語史の輪 #145】高校生からの素朴な疑問 --- 川上さん通信 (2)」 (2024-06-13配信)
・ 「【英語史の輪 #146】 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (52) Old English Literature --- 和田忍さんとの実況中継(後半)」 (2024-06-15配信)
・ 「【英語史の輪 #147】言語の余剰性をアレコレ挙げてみます」 (2024-06-18配信)
・ 「【英語史の輪 #148】木夜対談 with 小河舜さん&村岡宗一郎さん」 (2024-06-20配信)
・ 「【英語史の輪 #149】シンポジウム「初期近代英語期におけるスペリング」報告その他もろもろ」 (2024-06-23配信)
・ 「【英語史の輪 #150】「helロギング」 --- 菊地翔太さんの新しいhel活」 (2024-06-25配信)
・ 「【英語史の輪 #151】高校生からの素朴な疑問 --- 川上さん通信 (3)」 (2024-06-27配信)
・ 「【英語史の輪 #152】初! 学会でリスナーさんとの交流」 (2024-06-30配信)
【 7月分 】
・ 「【英語史の輪 #153】先日の学会の振り返り --- 小河舜さんと khelf メンバーとともに」 (2024-07-02配信)
・ 「【英語史の輪 #154】高校生からの素朴な疑問 --- 川上さん通信 (4)」 (2024-07-04配信)
・ 「【英語史の輪 #155】helwa 英語史コンテンツ企画 for 英語史ライヴ」 (2024-07-06配信)
・ 「【英語史の輪 #156】言葉を「追加する」や「決める」という発想を考える」 (2024-07-09配信)
・ 「【英語史の輪 #157】言語の不変化について考える」 (2024-07-11配信)
・ 「【英語史の輪 #158】h に関する逆千本ノック」 (2024-07-13配信)
・ 「【英語史の輪 #159】helwa のリスナー投票とコメント返し」 (2024-07-16配信)
・ 「【英語史の輪 #160】「英語史ライヴ2024」への参加を正式に募集します(生配信)」 (2024-07-18配信)
・ 「【英語史の輪 #161】高校生からの素朴な疑問 --- 川上さん通信 (5)」 (2024-07-20配信)
・ 「【英語史の輪 #162】ローマ字のダブルスタンダードを考える」 (2024-07-23配信)
・ 「【英語史の輪 #163】helwa リスナー投票の結果を公表・講評 --- 2024年第2四半期版」 (2024-07-25配信)
・ 「【英語史の輪 #164】helwa オフ会生放送 --- 尾崎萌子さんとの夕べ」 (2024-07-28配信)
・ 「【英語史の輪 #165】高校生からの素朴な疑問 --- 川上さん通信 (6)」 (2024-07-30配信)
【 8月分 】
・ 「【英語史の輪 #166】8月の初回はいきなり生放送 --- 「英語史ライヴ2024」の最新情報」 (2024-08-01配信)
・ 「【英語史の輪 #167】history と story 」 (2024-08-03配信)
・ 「【英語史の輪 #168】最近のhel活で挑戦しようと思っていること」 (2024-08-06配信)
・ 「【英語史の輪 #169】なぜ英語の語順はSVOなのか?という問題を深掘り」 (2024-08-08配信)
・ 「【英語史の輪 #170】高校生からの素朴な疑問 --- 川上さん通信 (7)」 (2024-08-10配信)
・ 「【英語史の輪 #171】お盆休みのゆるっと配信 --- 最近の皆のhel活をご紹介」 (2024-08-13配信)
・ 「【英語史の輪 #172】お盆休みのゆるっと配信 --- AI文字起こし編集で気づいた話し言葉の特徴」 (2024-08-15配信)
・ 「【英語史の輪 #173】heldio の改善点をAIに訊いてみたら」 (2024-08-17配信)
・ 「【英語史の輪 #174】高校生からの素朴な疑問 --- 川上さん通信 (8)」 (2024-08-20配信)
・ 「【英語史の輪 #175】語順の変異と変化」 (2024-08-22配信)
・ 「【英語史の輪 #176】土曜日の helwa オフ会生放送の2次会」 (2024-08-25配信)
・ 「【英語史の輪 #177】helwa コンテンツ for 「英語史ライヴ2024」を10倍楽しむ方法」 (2024-08-28配信)
・ 「【英語史の輪 #178】暗黙知とAI」 (2024-08-29配信)
・ 「【英語史の輪 #179】「英語史ライヴ2024」がいよいよ8日後に」 (2024-08-31配信)
【 9月分 】
・ 「【英語史の輪 #180】「英語史ライヴ2024」の裏番組企画」 (2024-09-03配信)
・ 「【英語史の輪 #181】古英語LINEスタンプがついに完成!」 (2024-09-05配信)
・ 「【英語史の輪 #182】明日の「英語史ライヴ2024」は早朝から千本ノック!」 (2024-09-07配信)
・ 「【英語史の輪 #183】「英語史ライヴ2024」の振り返り」 (2024-09-10配信)
・ 「【英語史の輪 #184】オンラインKDEE読書会がヘルメイトの手で復活する?」 (2024-09-12配信)
・ 「【英語史の輪 #185】来週以降のhel活もアツい」 (2024-09-14配信)
・ 「【英語史の輪 #186】「英語史」の枠を広げたい」 (2024-09-19配信)
・ 「【英語史の輪 #187】helwa コミュニティの動きに感嘆!」 (2024-09-21配信)
・ 「【英語史の輪 #188】次々と難問が寄せられてくる helwa コミュニティの沼」 (2024-09-22配信)
・ 「【英語史の輪 #189】ヘルメイト裏番組収録の魅力」 (2024-09-24配信)
・ 「【英語史の輪 #190】形容詞 + 不定詞補文」 (2024-09-26配信)
・ 「【英語史の輪 #191】Discord helville へのお誘いがてら新宿オフ会生配信」 (2024-09-29配信)
【 10月分 】
・ 「【英語史の輪 #192】2重語とは何か? --- camp と campus を題材に」 (2024-10-01配信)
・ 「【英語史の輪 #193】 2重語とは何か? --- 音韻変化と形態置換」 (2024-10-03配信)
・ 「【英語史の輪 #194】高校生からの素朴な疑問 --- 川上さん通信 (9)」 (2024-10-05配信)
・ 「【英語史の輪 #195】a friend of mine 問題」 (2024-10-08配信)
・ 「【英語史の輪 #196】音素配列論について雑感 --- 千本ノックはうまく音が録れておらずすみませんでした」 (2024-10-10配信)
・ 「【英語史の輪 #197】高校生からの素朴な疑問 --- 川上さん通信 (10)」 (2024-10-12配信)
・ 「【英語史の輪 #198】生配信の雑談・対談回 with umisio さん」 (2024-10-15配信)
・ 「【英語史の輪 #199】小河舜さんのスペイン学会土産話」 (2024-10-17配信)
・ 「【英語史の輪 #200】「否定」について語りませんか?」 (2024-10-19配信)
・ 「【英語史の輪 #201】イギリス地名と英語史」 (2024-10-22配信)
・ 「【英語史の輪 #202】名前ソート文化雑感」 (2024-10-24配信)
・ 「【英語史の輪 #203】商標言語学で千本ノック --- 定例オフ会に五所万実さん登場」 (2024-10-27配信)
・ 「【英語史の輪 #204】祝・Helvillian 創刊」 (2024-10-29配信)
・ 「【英語史の輪 #205】身近な社会言語学 --- オフ会に参加したプログラマー・リスナーからのお題」 (2024-10-31配信)
【 11月分 】
・ 「【英語史の輪 #206】日英語対照,音位転換の秘密(生配信)」 (2024-11-02配信)
・ 「【英語史の輪 #207】ネイティヴのような英語発音を習得すべきか否か?」 (2024-11-05配信)
・ 「【英語史の輪 #208】形容詞の意味と主観化」 (2024-11-07配信)
・ 「【英語史の輪 #209】印欧祖語には○○の単語があった!」 (2024-11-09配信)
・ 「【英語史の輪 #210】いのほた「515通りの through 回」の深掘り解説」 (2024-11-12配信)
・ 「【英語史の輪 #211】本日の収録会後の懇親」 (2024-11-15配信)
・ 「【英語史の輪 #212】収録会でのおしゃべりノック」 (2024-11-16配信)
・ 「【英語史の輪 #213】目白大学にお邪魔してきました」 (2024-11-19配信)
・ 「【英語史の輪 #214】リテラシーの話し」 (2024-11-22配信)
・ 「【英語史の輪 #215】taku さんとの対談生配信 --- 53分のフリートーク」 (2024-11-23配信)
・ 「【英語史の輪 #216】川上さんとの対談収録のアフタートーク」 (2024-11-26配信)
・ 「【英語史の輪 #217】高校生からの素朴な疑問 --- 川上さん通信 (11)」 (2024-11-28配信)
【 12月分 】
・ 「【英語史の輪 #218】濃いめの言語学雑談 at 新宿オフ会・小忘年会」 (2024-12-01配信)
・ 「【英語史の輪 #219】「大文字の存在意義は?」から「新宿オフ会2次会での ykagata さんの性と有標性をめぐる問題提起」まで」 (2024-12-03配信)
・ 「【英語史の輪 #220】お昼の helwa 雑談生配信」 (2024-12-05配信)
・ 「【英語史の輪 #221】お昼の helwa @福井 --- いのほた300回記念公開収録&ライブのお知らせと発酵の話し」 (2024-12-07配信)
・ 「【英語史の輪 #222】佐久平千本ノックを終えて --- みーさんとの反省会・感想会」 (2024-12-10配信)
・ 「【英語史の輪 #223】高校生からの素朴な疑問 --- 川上さん通信 (12)」 (2024-12-12配信)
・ 「【英語史の輪 #224】忘年会シーズンですね,音読系hel活でも?」 (2024-12-14配信)
・ 「【英語史の輪 #225】ヘルメイト活動月間&解剖図鑑(生配信)」 (2024-12-17配信)
・ 「【英語史の輪 #226】ch- よもやま話」 (2024-12-19配信)
・ 「【英語史の輪 #227】helwa 忘年会の2次会よりお届けします(生配信)」 (2024-12-22配信)
・ 「【英語史の輪 #228】高校生からの素朴な疑問 --- 川上さん通信 (13)」 (2024-12-24配信)
・ 「【英語史の輪 #229】年末収録会が楽しすぎました(生配信)」 (2024-12-27配信)
・ 「【英語史の輪 #230】Helvillian 1月号が公開!(連日の生配信) (2024-12-28配信)
・ 「【英語史の輪 #231】heldio/helwa の私的10大ニュース」 (2024-12-31配信)
今年も日々本ブログおよび姉妹版の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」 をご参照いただきました.Voicy より heldio のアナリティクスが取れましたので,今年の一昨日までの全364回について,聴取数によるランキングを作成しました.上位30回まで挙げます(全結果は本記事のソースHTMLをご覧ください).
1. 「#980. 赤ちゃんは無言語状態で育てられても言語を習得できるのか? --- 目白大学の学生から寄せてもらった素朴な疑問」(547回)(2024-02-05配信)
2. 「#1171. 自己紹介 --- 英語史研究者の堀田隆一です」(528回)(2024-08-13配信)
3. 「#1166. なぜ英語ではいつも主語が必要なの? --- 中学生のための英語史」(507回)(2024-08-08配信)
4. 「#945. なぜ言語は変化するのか?」(490回)(2024-01-01配信)
5. 「#1067. 449年,アングロ・サクソンの渡来 --- 『アングロサクソン年代記』の該当テキストより古英語音読」(478回)(2024-05-02配信)
6. 「#1093.「はじめての古英語」生放送(第7弾) with 小河舜さん&まさにゃん --- Bede を読む (4)」(382回)(2024-05-28配信)
7. 「#947. なぜ言語は変化しないのか?」(352回)(2024-01-03配信 )
8. 「#1030. 「はじめての古英語」生放送 with 小河舜さん&まさにゃん --- Bede を読む」(347回)(2024-03-26配信)
9. 「#1124. 「はじめての古英語」第9弾 with 小河舜さん&まさにゃん&村岡宗一郎さん」(331回)(2024-06-27配信)
10. 「#1107. 「はじめての古英語」生放送(第8弾) with 小河舜さん&まさにゃん --- Bede を読む (5)」(325回)(2024-06-11配信)
11. 「#948. なぜ現在分詞形容詞は1語だと名詞の前に置き,2語以上の塊になると名詞の後ろに置くの?」(323回)(2024-01-04配信)
12. 「#1201. 早朝の素朴な疑問「千本ノック」 with 小河舜さん --- 「英語史ライヴ2024」より」(318回)(2024-09-12配信)
13. 「#1054. 年度初めの「英語に関する素朴な疑問 千本ノック」生放送 with 小河舜さん」(317回)(2024-04-19配信)
14. 「#1243. なぜ英語には単数形と複数形の区別があるの? --- 中学生のための英語史」(305回)(2024-10-24配信)
15. 「#1057. 「はじめての古英語」生放送 with 小河舜さん&まさにゃん --- Bede を読む (2)」(300回)(2024-04-22配信)
16. 「#1005. and の意味って考えたことありますか?」(290回)(2024-03-01配信)
17. 「#1172. なぜ have, do の3単現形は has, does と変則的なのですか? --- 中学生のための英語史」(286回)(2024-08-14配信)
18. 「#1087. 英語の料理用語はフランス語とともにあり」(282回)(2024-05-22配信)
19. 「#1033. figure を中心に「ゆる言語学ラジオ」『ターゲット1900』(9) の単語の語源を勝手に補う回」(277回)(2024-03-29配信)
20. 「#1031. 英語は数量を表わすのに属格を好む? --- 前置詞 of を理解するために」(273回)(2024-03-27配信)
21. 「#1066. ノルマン征服 --- Ten Sixty-Six」(273回)(2024-05-01配信)
22. 「#1011. 「変なアルファベット表」の完成と公開 with 寺澤志帆さん」(270回)(2024-03-07配信)
23. 「#1003. There is an apple on the table. --- 主語はどれ?」(269回)(2024-02-28配信)
24. 「#1026. なぜ now と know は発音が違うの?」(259回)(2024-03-22配信)
25. 「#1046. 山口美知代『ハリウッド映画と英語の変化』(開拓社,2024年)」(258回)(2024-04-11配信)
26. 「#991. while の文法化」(257回)(2024-02-16配信)
27. 「#1197. khelf 主催「英語史ライヴ2024」が始まります」(257回 )(2024-09-08配信)
28. 「#990. 文法化とは何か?」(255回)(2024-02-15配信)
29. 「#988. ぎゅうぎゅうの単語とすかすかの単語 --- 内容語と機能語」(253回)(2024-02-13配信)
30. 「#1016. schedule の発音は「スケジュール」か「シェデュール」か? --- 「変なアルファベット表」の S の項目より」(251回)(2024-03-12配信)
1位は,私にとっては(専門外の話題だったので)意外性がありました.上位には「中学生のための英語史」「はじめての古英語」「千本ノック」などのシリーズものが入っています.素朴な疑問系の配信回も堅調です.
対談回としては,25位に「#1046. 山口美知代『ハリウッド映画と英語の変化』(開拓社,2024年)」が入っています.イベント系としては,27位に「#1197. khelf 主催「英語史ライヴ2024」が始まります」が見えます.
上記のランキングのダイジェストは,本日の heldio 「#1311. 2024年 heldio 配信でよく聴かれた回ベスト10」でも配信していますので,どうぞお聴きください.
ランキング上位回で聞き逃しているもの,内容を忘れているものがあれば,ぜひ年末年始のお時間のあるときにまとめ聴きしていただければ.年明けには,2024年第4四半期のリスナー投票も実施したいと思っています.
日々 hellog をお読みくださっている皆様,2024年もお世話になりました.来年も何卒よろしくお願いいたします.
昨日12月28日(土)に『月刊 Helvillian 〜ハロー!英語史』の最新号となる第3号(2025年1月)が公開されました.
heldio/helwa のコアリスナーからなる有志ヘルメイトによる制作で,毎月28日に,その月の仲間の皆さんによる様々な英語史活動「hel活」 (helkatsu) を,note 上でリンクを張りつつ紹介していこうという,hel活応援企画です.ぜひこちらの note アカウントをフォローしていただければと思います.
最新号も充実のラインナップです.まずレギュラー連載の種類が多くなりました.さらに note 上で都度公開される記事の執筆者が増え,公開頻度も増してきました.川上さんによる「日曜英語史クイズ」連載も好調です.
そして今号の特集記事は,季節感のある「英語史ゆく年くる年」(←脚韻に注目)です.2024年のhel活の振り返り,および新年に向けての抱負など,ヘルメイトさんの近況が語られています.Grace さんによる表紙のことば,および Helvillian 編集後記も読み逃しなきよう! 表紙やロゴにもこだわりが見られますので,ご注目ください.
先日本ブログでも取り上げた「#5714. 佐久平千本ノック」 ([2024-12-18-1]) は,12月8日のイベントでしたので,今号の Helvillian でも取り上げられています.そもそも今号の表紙を飾っているのは佐久平駅なのです! イベントのホストを務めてくださったコアリスナーのみーさんによる記事「教室だより2024年12月号「堀田隆一教授ご来訪!」」や,ともに参加されたヘルメイト Grace さん の記事「佐久平オフ会(千本ノック)レポ」へもリンクが張られています.
制作班の Grace さん,Lilimi さん,MISATO (Galois) さん,umisio さんには,年末のお忙しい折にお骨折りいただきました.改めて感謝いたします.
過去号については本ブログや「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」でご案内しています.そちらもぜひご参照ください.
・ heldio 「#1282. 月刊 Helvillian 第2号が公開されました --- ヘルメイトさんによる自主的なhel活」(2024年10月29日配信)
・ helwa 「【英語史の輪 #204】祝・Helvillian 創刊」(2024年10月29日配信)
・ heldio 「#1248. 月刊誌 Helvillian 創刊! --- helwa リスナー有志によるウェブマガジン」(2024年12月3日配信)
・ hellog 「#5700. ウェブ月刊誌 Helvillian の創刊号・第2号が公開されています」 ([2024-12-04-1])
(以下,後記:2025/01/06(Mon))
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