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proverb - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2019-05-20 08:12

2019-01-14 Mon

#3549. 講座「中世の英語 チョーサー『カンタベリ物語』」 [asacul][chaucer][proverb][hel_education][slide][link]

 「#3531. 講座「中世の英語 チョーサー『カンタベリ物語』」のお知らせ」 ([2018-12-27-1]) で告知したように,1月12日(土)に同タイトルで講座を開きました.参加された方におかれましては,600年も前のチョーサーの英語が,現代英語の知識で意外と読めることが分かったのではないでしょうか.むしろ,チョーサーの英語と比較しながら,現代英語の理解が深まることにも気づいたのではないかと思います.次のようなメニューで話しました.

   1. まずは General Prologue の冒頭を音読
   2. チョーサーと『カンタベリ物語』
   3. 中英語期の言語事情
   4. 『カンタベリ物語』の言語
   5. General Prologue の冒頭を精読
   6. 中英語から解きほぐす現代英語の疑問

 講座で使用したスライド資料をこちらにアップしておきます.また,スライドのページごとのリンクも以下に張っておきます.スライド中からも本ブログの関連記事へリンクを豊富に張りつけていますので,ご参照ください.

   1. シリーズ「英語の歴史」第1回 中世の英語チョーサー『カンタベリ物語』
   2. 本講座のねらい
   3. Ellesmere MS, fol. 1r
   4. General Prologue の冒頭18行 (Benson)
   5. 現代英語訳 (市河・松浪,p. 191)
   6. 西脇(訳)「ぷろろぐ」より (pp. 7--8)
   7. チョーサーと『カンタベリ物語』
   8. 中英語期の言語事情
   9. ノルマン征服から英語の復権までの略史 (#131)
   10. 『カンタベリ物語』の言語
   11. General Prologue の冒頭を精読
   12. 中英語から解きほぐす現代英語の疑問
   13. 異なる写本を覗いてみる(第7行目に注目)
   14. まとめ
   15. 参考文献

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2018-09-15 Sat

#3428. 講座「英語のエッセンスはことわざに学べ」 [asacul][proverb][hel_education][slide][link]

 「#3404. 講座「英語のエッセンスはことわざに学べ」のお知らせ」 ([2018-08-22-1]) でお知らせしたとおり,先日,同講座を開講しました.参加された方におかれましては,ありがとうございました.講座で用いたスライド資料をこちらに置いておきます.
 以下,スライドのページごとにリンクを張っておきます.そこからさらに,本ブログの様々な記事へ飛べますので,合わせてご覧ください.

   1. 講座『英語のエッセンスはことわざに学べ』
   2. 本講座のねらい
   3. Art is long, life is short.
   4. 英語ことわざに関する辞書・書籍の紹介
   5. 「ことわざ」「金言」「格言」など(『広辞苑第六版』より)
   6. proverb, saying, maxim, etc. (OALD8)
   7. 英単語 proverb の語源
   8. 英語ことわざ史 (#2691)
   9. 英語ことわざの起源 (#3321)
   10. 英語ことわざの内容による分類 (#3320)
   11. 英語ことわざのキーワード,トップ50 (#3419)
   12. キーワード入りことわざの例 (#3420)
   13. 英語ことわざの短さ (#3421)
   14. 短いことわざの例(短文,句,省略)
   15. 参考 長いことわざもある
   16. 対義ことわざ
   17. 頭韻 (alliteration)
   18. 頭韻とことわざ (#943)
   19. 強勢リズム
   20. Many a little makes a mickle. (#564)
   21. Money makes the mare to go. (##970,978)
   22. Handsome is as handsome does. (#3319)
   23. One man's meat is another man's poison.
   24. One swallow does not make a summer.
   25. 日英(東西)ことわざ比較(安藤,第8章より)
   26. 聖書に由来することわざ
   27. 古いことわざ(古英語・中英語より)
   28. まとめ
   29. 参考文献

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2018-09-13 Thu

#3426. 日英語(東西)ことわざ比較 [proverb][japanese]

 ことわざは,その言語文化で伝統的に受け入れられてきた生活の知恵であるから,そこにその文化独自の物事の見方やとらえ方が反映しているというのは,確かにありそうなことである.典型的な種類のことわざを言語ごとに比較してみれば,おもしろい差異の洞察が得られるにちがいない.
 安藤の第8章に,日英語(東西)ことわざ比較の議論がある.『東西ことわざもの知り百科』(春秋社,2012年)に依拠しつつ,例が挙げられていたが,主たるものを以下に引用しよう.

英語 日本語
[多弁型] Don't beat about the bush. Call a spade a spade. ←→ [寡黙型]口は災の元.秘すれば花.
[行動型] Do to others as you would be done by. (『マタイ伝』『ルカ伝』) ←→ [慎重型]己の欲せざる所を人に施すこと勿れ.(『論語』)
[攻撃型] Offense is the best defense. ←→ [守勢型]和をもって尊しとなす.(聖徳太子)
[経験主義] Experience without learning is better than learning without experience. ←→ [権威主義]学若し成らずんば死すとも帰らず.温故知新.
[個人主義] Who spits against heaven, it falls in his face. ←→ [集団主義]一蓮托生.親の因果が子に報い.
[罪を意識] Religion is the rule of life. ←→ [世間を意識]生きて虜囚の恥かしめを受けず.忠臣は二君に仕えず.


 きれいに図式化されている.しかし,対比するのに各々の言語からどのようなことわざを持ってくるのかという点には注意しておきたい.昨日の記事「#3425. 英語の対義ことわざ」 ([2018-09-12-1]) で見たように,日英語ともに対義ことわざというものがあり得るからだ.例えば,英語の Offense is the best defence と日本語の「和をもって尊しとなす」とを対比しているが,前者の日本語版「攻撃は最大の防御」も,現在の日本では広く通用している.この種の文化比較の議論には,先に結論ありきといった雰囲気がちらつきはするが,腑に落ちるところがないかといえば,それもウソである.確かにおもしろい.

 ・ 安藤 邦男 『ことわざから探る 英米人の知恵と考え方』 開拓社,2018年.

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2018-09-12 Wed

#3425. 英語の対義ことわざ [proverb]

 互いに反対の意味のことわざ(対義ことわざ)があることは,日本語でもよく知られている.「急がば回れ」と「善は急げ」,「二度あることは三度ある」と「三度目の正直」,「終わりよければすべてよし」と「始めよければ終わりよし」,「覆水盆に返らず」と「明日は明日の風が吹く」等々.英語にも似たような対義ことわざが用意されている.安藤 (11--13) より,いくつか挙げてみよう.

A good beginning makes a good ending. ←→ All is well that ends well.
A little learning is a dangerous thing. ←→ It is better to know something than to know nothing.
An occasion lost cannot be redeemed. ←→ Tomorrow is another day.
One is never too old to learn. ←→ You can't teach an old dog new tricks.
The tailor makes the man. ←→ The cowl (or hood) does not make the monk.
Experience is a good (or the best) teacher. ←→ Experience is the teacher of fools.
Love is a flower which turns into fruit at marriage. ←→ Marriage is the tomb of love.
Many hands make light work. ←→ Too many cooks spoil the broth.


 このような対義ことわざのペアを見せられると,ことわざというのはいい加減なものだなと思いたくなる.ところが,安藤 (11--12) はそれは野暮な見方だという.

 さて,このように意味の正反対のことわざに出会うと,割り切ることの好きな人は,「どちらかハッキリせよ」といって不満に思うかも知れません.あるいは,ことわざは昔の人が思いつきで言ったことだから,非科学的で矛盾していて当たり前,だからあまり意味がないと思うかもしれません.しかし,それはことわざの何たるかをわきまえないものというべきでしょう.
 たしかに,これらは一見矛盾しているように思われます.しかし,何かを成し遂げようとする場合のことを考えてください.始めの段階では,私たちは「始めが大事」と言って覚悟を新たにしなければなりませんが,終わりの段階になればそのときにはまた,「終わりが大事」と言って気持ちを引き締めなければならないのです.ことわざは,それぞれの状況のそれぞれの段階における知恵ですから,けっして矛盾しているわけではありません.それぞれの段階に応じて重点の置き方が違っているだけであって,どちらも真実なのです.


 はい,私のことわざ観は完全に野暮でした! 大人の解釈をもって,ことわざのワキマエを学んでいきたいと思います.

 ・ 安藤 邦男 『ことわざから探る 英米人の知恵と考え方』 開拓社,2018年.

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2018-09-09 Sun

#3422. 古英語・中英語のことわざ [proverb][oe][me][hel_education]

 英語ことわざは,古英語期や中英語期にもたくさん記録されている.最古の英語ことわざ集に Proverbs of Alfred (c. 1150--80) と呼ばれるものがあるし,いわゆる文学作品にも聖書由来のものを含めて数々のことわざが収録されてきた.
 13--14世紀のものを中心とした,Skeat 編のことわざ集がある.現代にも受け継がれているものが多いので,中世英語や英語史の学習にうってつけである.以下に,現代語訳をつけていくつか拾い出してみよう.

 ・ Hwa is thet mei thet hors wettrien the him-self nule drinken? (Old English Homilies): "Who is he that may water the horse and not drink himself?"
 ・ Nis nawer nan so wis mon / That me ne mai bi-swiken. (Layamon): "There is nowhere so wise a man that one cannot deceive him."
 ・ Euer so the hul is more and herre, so the wind is more theron. (Ancrene Riwle): "The greater and higher the hill, the greater the wind on it." (方言形 hul について「#1812. 6単語の変異で見る中英語方言」 ([2014-04-13-1]) を参照)
 ・ Wel fight that wel specth --- seide Alvred. (Owl and Nightingale): "He that speaks will, fights well --- said Alfred."
 ・ Strong hit is to rowe ayeyn the see that floweth, So hit is to swynke ayeyn un-ylimpe. (Prov. of Alfred): "As it is hard to row against the sea that flows, so it is to toil against misfortune."
 ・ For qua bigin wil ani thing / He aght to thinc on the ending. (Cursor Mundi): "For he who will begin a thing ought to think how it may end."
 ・ Ther God wile helpen, nouht ne dereth. (Havelok): "Where God will help, nothing does harm."
 ・ More honour is, faire to sterve, Than in servage vyliche to serve. (Kyng Alisaunder): "It is more honour to die fairly than to serve cunningly in servitude."
 ・ Tel thou neuer thy fo that thy fot aketh. (Hending): "Never tell thy foe that thy foot aches."
 ・ The lyf so short, the craft so long to lerne. (Parlement of Foules): "Life is so short, art is so long to learn."
 ・ Hit is not al gold, that glareth. (Hous of Fame): "All is not gold that glitters."
 ・ The nere the cherche, the fyrther fro Gode. (Handlyng Synne): "The nearer to the church, the further from God."
 ・ That that rathest rypeth ・ roteth most saunest. (P. Pl.): "What ripes most quickly, rots earliest."
 ・ A litell stane, as men sayis, / May ger weltir ane mekill wane. (Bruce): "A little stone, as many say, can cause a great waggon to be overturned."
 ・ For spechëles may no man spede. (Confessio Amantis): "For no man can succeed by being speechless."
 ・ It is nought good a sleping hound to wake. (Troilus): "It is not good to wake a sleeping dog."
 ・ Mordre wol out. (Canterbury Tales) (方言形 wol について「#89. one の発音は訛った発音」 ([2009-07-25-1]) を参照)
 ・ Charite schuld bigyne at hem-self. (Wyclif, Works): "Charity should begin at home."

 ・ Skeat, Walter W., ed. Early English Proverbs, Chiefly of the Thirteenth and Fourteenth Centuries, with Illustrative Quotations. Oxford: Clarendon, 1910.

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2018-09-08 Sat

#3421. 英語ことわざの文体・語彙的特徴を示す統計値 [proverb][statistics][corpus][stylistics]

 「#3419. 英語ことわざのキーワード」 ([2018-09-06-1]) と「#3420. キーワードを含む英語ことわざ」 ([2018-09-07-1]) に引き続き,英語ことわざの話題.安藤邦男(著)『ことわざから探る 英米人の知恵と考え方』の紹介ページより取り出した866件の英語ことわざについて,その文体的・語彙的な特徴を数字で示してみたい.特徴を浮き彫りにするには,英語ことわざコーパスを,より大きな一般的なコーパスと比較する必要があるので,昨日と同様に100万語規模の British English 06 (BE06) を使用した.結果として,次のような基本的な統計値が得られた.  *  *

CorpusProverbsBE06
tokens (running words) in text6,2761,011,020
types (distinct words)1,61645,298
type/token ratio (TTR)25.754.48
standardised TTR45.2543.90
STTR std.dev.46.4254.62
STTR basis1,0001,000
mean word length (in characters)4.094.69
word length std.dev.1.922.58
sentences86953,466
mean (in words)7.2218.91
std.dev.2.8614.38
1-letter words29238,775
2-letter words1,020168,273
3-letter words1,345205,211
4-letter words1,370166,961
5-letter words996110,856
6-letter words55388,195
7-letter words35979,174
8-letter words16356,645
9-letter words9639,767
10-letter words5326,170
11-letter words1715,493
12-letter words68,208
13-letter words44,557
14-letter words11,687
15-letter words1623


 見るべき点として,まず "type/token ratio" を指摘しておこう.この数値が高いほど,コーパス内で異なる語が多く用いられていると解釈できる.純粋に数値を見ると,一般コーパスよりもことわざコーパスのほうが高い値を示しており,語彙が多様であると解釈できそうだが,「#2336. Text Analyser --- 簡易テキスト統計分析器」 ([2015-09-19-1]) で示したように,コーパスサイズが互いに大きく異なるので,この指標単独ではそれほど情報量はない.
 "mean word length" と "word length std.dev." は1語当たりの文字数である.両コーパス間の違いはそれほど大きくないが,示唆的ではある.ことわざコーパスのほうが一般コーパスよりも,より短い綴字の単語を好むと解釈できるが,どんなものだろうか.確かに,いたずらに長い単語は一般コーパスよりも出にくいようには感じられる.
 最もなるほどと感じさせられるのは,1文がいくつの単語から成り立っているかを示す "mean (in words)" とその "std.dev." だろう.これらの数値もコーパスサイズに依存するとはいえ,ことわざでは平均して7.22語,一般では18.91語というのは,差が歴然としている.標準偏差も合わせて考えると,ことわざを構成する1文は全体的に短いことが分かる.「短く,語呂がよくてなんぼ」というのが,ある意味ではことわざの形式的な特徴でもあるから,この結果はまったく不思議ではないが,こうして客観的に数値を目の当たりにするとおもしろい.

 ・ 安藤 邦男 『ことわざから探る 英米人の知恵と考え方』 開拓社,2018年.

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2018-09-07 Fri

#3420. キーワードを複数含む英語ことわざの一覧 [proverb][keyword]

 昨日の記事「#3419. 英語ことわざのキーワード」 ([2018-09-06-1]) を受けて,英語ことわざを特徴づける50のキーワードが実際にいくつか含まれていることわざを挙げておきたい.安藤リストの全866件のなかから,5つ以上のキーワードを含むことわざ(重複あり)は33件ほど見つかった.  *

 ・ No man better knows what good is than he who has endured evil.
 ・ See no evil, hear no evil, speak no evil.
 ・ Give a man a fish and you feed him for a day; show him how to catch fish and you feed him for a lifetime.
 ・ Better the devil you know than the devil you don't know.
 ・ A good neighbor is better than a brother far off.
 ・ It is easier for a camel to go through the eye of a needle, than for a rich man to enter into the kingdom of God.
 ・ Half a loaf is better than no bread.
 ・ Better be the head of a dog than the tail of a horse.
 ・ A wise man changes his mind, a fool never.
 ・ A man of words and not of deeds is like a garden full of weeds.
 ・ A man may lead (or take) a horse to the water but he cannot make him drink.
 ・ A good wife and health is a man's best wealth.
 ・ Where there is a will, there is a way.
 ・ We may not expect a good whelp from an ill dog.
 ・ The good you do for others is good you do yourself.
 ・ Poverty is no disgrace, but it is a great inconvenience.
 ・ It is the bridle and spur that makes a good horse.
 ・ It is better to be stung by a nettle than pricked by a rose.
 ・ In a calm sea every man is a pilot.
 ・ He that hath a full purse never wanted a friend.
 ・ Don't make yourself a mouse, or the cat will eat you.
 ・ Better be the head of a dog than the tail of a lion.
 ・ Adversity makes a man wise.
 ・ A picture is worth a thousand words.
 ・ A wise man never wants a weapon.
 ・ A good wife makes a good husband.
 ・ A good wife is a good prize.
 ・ A good husband makes a good wife.
 ・ A good beginning makes a good ending.
 ・ A friend who shares is a friend who cares.
 ・ A friend to everybody is a friend to nobody.
 ・ A friend in need is a friend indeed.
 ・ A fool at forty is a fool indeed.

 なるほど,英語ことわざの典型がいかなるものか,何となくつかめてくる.賢愚,邪正,貧福,貴賤.キーワードを組み合わせれば,適当なことわざを作れてしまえそうなほどだ.逆にいえば,少なからぬことわざが表わす知恵や真理というものは,限られた数のキーワードを組み合わせることによって表現できるほどのものなのかもしれない.だから内容も軽いと言いたいわけではなく,むしろ重いのだろう.

 ・ 安藤 邦男 『ことわざから探る 英米人の知恵と考え方』 開拓社,2018年.

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2018-09-06 Thu

#3419. 英語ことわざのキーワード [proverb][keyword][statistics][corpus]

 今年6月に開拓社より出版された安藤邦男(著)『ことわざから探る 英米人の知恵と考え方』の紹介ページに,同著で言及された英語ことわざの索引や,その他の関連するリストが公開されている.こちらから英語のことわざ866件を取り出し,簡単にキーワード分析してみた.  *
 一般的な参照コーパスとして,British English 06 (BE06) を指定した.このコーパスについては「#1730. AmE-BrE 2006 Frequency Comparer」 ([2014-01-21-1]) で紹介しているが,端的にいえば2006年(頃)に出版されたイギリス英語の諸テキストからなる100万語規模のコーパスである.計算の結果,キーワード度数の高かった順に50の単語を挙げよう.  *

is, makes, good, man, cannot, a, never, you, love, wise, better, thief, devil, ill, than, fool, horse, no, truth, fortune, sweet, adversity, evil, make, shall, travels, friend, every, don't, beauty, knows, not, money, neighbor, speak, words, will, worth, fair, hath, best, blind, deceives, dog, longest, comes, honor, man's, great, bread


 上位語には機能語も多く入っているが,ことわざの文体の雰囲気をよく示しているように思われ,興味深い.cannot, never, you, than, no, shall, every, don't, not, hath などは,いかにもことわざと似合う機能語である.
 それに劣らず内容語のラインナップもおもしろい.動詞では make, know, deceive というのがいかにもだし,名詞では man, thief, devil, fool, horse, truth, fortune, adversity, evil, friend, beauty, money, neighbor, words, dog, honor, bread など,思わず首肯してしまうものばかりだ.形容詞や副詞では,good, better, best, ill はもちろんのこと,wise, fair, blind, longest などには納得させられる.善悪,真偽,賢愚の対比や比較により,道徳上・生活上の知恵を授けるという英語ことわざの本質が見えてくるようなキーワードだ.
 このような文体に関わるキーワード分析は,極めて客観的でありながら,往々にして直観に適う結果が出る(あるいはそれ以上に発見がある)という点でおもしろい.ほかにも,「いかにもなキーワード」シリーズの記事として,「#317. 拙著で自分マイニング(キーワード編)」 ([2010-03-10-1]),「#518. Singapore English のキーワードを抽出」 ([2010-09-27-1]),「#880. いかにもイギリス英語,いかにもアメリカ英語の単語」 ([2011-09-24-1]),「#2332. EEBO のキーワードを抽出」 ([2015-09-15-1]) を参照.歴史英語の通時的なキーワード分析については,初期中英語コーパス LAEME を利用した Hotta (2013) 論文もある.

 ・ 安藤 邦男 『ことわざから探る 英米人の知恵と考え方』 開拓社,2018年.
 ・ Hotta, Ryuichi. "Representativeness, Word Frequency, and Keywords in the LAEME Corpus." Journal of the Faculty of Letters: Language, Literature and Culture 112 (2013): 67--84.

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2018-08-22 Wed

#3404. 講座「英語のエッセンスはことわざに学べ」のお知らせ [notice][etymology][proverb][hel_education][asacul][link][rhetoric]

 9月8日(土)の15:00〜18:15に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて講座「英語のエッセンスはことわざに学べ」を開講します.知る人ぞ知る,ことわざは英語表現の醍醐味を味わうのにうってつけの素材なのです.以下の趣旨でお話しする予定です.

 どの文化においても,ことわざは人生の機微を巧みに表現するものとして,古くから人々に言いならわされてきました.英語文化においても例外ではなく,古英語期よりことわざが尊ばれ,ことわざ集が編まれてきました.現代に伝わる英語のことわざを学ぶことにより,英語文化で培われてきた人生の知恵を味わえるばかりではなく,英語そのものの深い理解に達することができることは,あまり気づかれていません.ことわざの英語には,太古より存続してきた英語特有の韻律があり,古英語や中英語に起源をもつ英語らしい文法・語法が息づいています.
 例えば,「塵も積もれば山となる」に対応する Many a little makes a mickle. は,古英語に典型的な頭韻という詩法と強弱音節の繰り返しという韻律が見事に調和した,言語的にも優れたことわざです.「地獄の沙汰も金次第」に相当する Money makes a mare to go. では,使役の make にもかかわらず to 不定詞が用いられており,現代の文法からは逸脱しているように思われますが,ここにも韻律上の効果を認めることができます.
 本講座の前半では,千年以上にわたる英語のことわざの歴史を具体例とともにひもとき,後半では現代まで受け継がれてきた英語のことわざに用いられている様々な言語的な技法を読み解くことにより,現代に残る数々のことわざをこれまで以上に楽しむことを目指します.


 英語史の概要はある程度知っているけれども,その知識の骨組みに具体的に肉付けしていこうとすれば,古英語や中英語の原文を読んでいく作業が避けられません.とはいうものの,多くの英語学習者にとって,外国語の古文を読み解くなどということは,あまりに敷居が高いと思われるのではないでしょうか.そこでよい材料となるのが,ことわざです.ことわざには,しばしば古い言葉遣いが残っています.そのようなことわざを題材に,古い音韻,形態,統語,語彙,意味,語法,方言などをつまみ食いつつ,英語史を学ぼうという趣旨です.英語の語彙増強や文法理解にも役立ちますし,英語史の枠をはみ出して,英語学,そして言語学一般の話題への導入にもなります.
 もちろん,ことわざの内容自体もおおいに味わう予定です.どうぞお楽しみに.
 本ブログでも,時々ことわざについて取り上げてきたので,以下の記事をご覧下さい.

 ・ 「#564. Many a little makes a mickle」 ([2010-11-12-1])
 ・ 「#780. ベジタリアンの meat」 ([2011-06-16-1])
 ・ 「#910. 語の定義がなぜ難しいか」 (1)」 ([2011-10-24-1])
 ・ 「#948. Be it never so humble, there's no place like home.」 (1)」 ([2011-12-01-1])
 ・ 「#955. 完璧な語呂合わせの2項イディオム」 ([2011-12-08-1])
 ・ 「#970. Money makes the mare to go」 ([2011-12-23-1])
 ・ 「#978. Money makes the mare to go」 (2)」 ([2011-12-31-1])
 ・ 「#2248. 不定人称代名詞としての you」 ([2015-06-23-1])
 ・ 「#2395. フランス語からの句の借用」 ([2015-11-17-1])
 ・ 「#2691. 英語の諺の受容の歴史」 ([2016-09-08-1])
 ・ 「#3319. Handsome is as handsome does」 ([2018-05-29-1])
 ・ 「#3320. 英語の諺の分類」 ([2018-05-30-1])
 ・ 「#3321. 英語の諺の起源,生成,新陳代謝」 ([2018-05-31-1])
 ・ 「#3322. Many a mickle makes a muckle」 ([2018-06-01-1])
 ・ 「#3336. 日本語の諺に用いられている語種」 ([2018-06-15-1])

Referrer (Inside): [2018-09-15-1]

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2018-06-15 Fri

#3336. 日本語の諺に用いられている語種 [japanese][proverb][lexicology][etymology][genre][hel_education]

 木下 (84--87) が,日本語の諺に用いられている語彙を「漢語」「和語」「混種語/外来語」に区分して提示している.

 漢語和語混種語/外来語
ほにゅう類しし,象,てん,ひょう,駄馬(荷物運びの馬)あしか,いたち,犬,うさぎ,牛,馬,おおかみ,きつね,くま,こうもり,さる,鹿,たぬき,虎,猫,ねずみ,羊,豚,むじな,め牛 
鳥類くじゃくあひる,う,うぐいす,おうむ,かささぎ,かも,からす,きじ,さぎ,みみずく,すずめ,たか,ちどり,つぐみ,つばめ,つる,とび,はと,ひばり,ほととぎす,めじろ,山鳥,よたか,わし 
は虫類・両生類亀,かえる,とかげ,へび,まむし,わに  
魚介類あんこうあさり,あわび,いか,いわし,魚,うなぎ,えび,かき,かつお,かに,かます,かれい,くじら,くらげ,こい,さば,さめ,さんま,しじみ,たこ,たにし,どじょう,なまこ,なまず,はぜ,はまぐり,はも,ひらめ,ふぐ,ふな,まぐろ,ます,めだか,やつめうなぎ 
虫類 あぶ,あり,いもむし,うじ,か,くも,けら,しらみ,せみ,かたつむり,なめくじ,のみ,はえ,はち,ほたる,みのむし,むかで 
想像上の動物きりん,りゅうおに,かっぱ,ぬえ 
植物甘草,しょうぶ,じんちょうげ,せんだん,ぼたん,れんげ草おさがお,あざみ,あし,あやめ,いばら,えのき,かし,かや,けやき,こけ,桜,ささ,杉,すすき,竹,たで,とち,どんぐり,野菊,またたび,松,柳,やまもも,よもぎ 
道具類絵馬,看板,金銭,剣,こたつ,さいころ,財布,磁石,尺八,三味線,手裏剣,定規,膳,線香,ぞうきん,太鼓,茶碗,ちょうちん,鉄砲,のれん,鉢,判,びょうぶ,仏壇,ふとん,棒,やかん,ようじらっぱ,わんいかり,糸,うす,大鍋,おけ,鏡,かぎ,かご,刀,かなづち,金,鐘,釜,鎌,かまど,紙,かみそり,かんな,きね,きり,くい,釘,鍬,琴,こま,さお,さかずき,皿,ざる,しめなわ,鋤,鈴,墨,すりこぎ,薪,手綱,棚,たらい,たる,杖,つぼ,てこ,と石,つづら,なた,なわ,のみ,はさみ,箸,はしご,針,火打ち石,ひも,袋,筆,舟,船,へら,帆,枕,升,まないた,耳かき,むち,眼鏡,矢,やすり重箱,すり鉢,そろばん,拍子木,弁当箱
料理せんべい,たくあん,まんじゅうあずき飯,いも汁,かば焼,かゆ,刺身,塩から,たら汁,つけ物,どじょう汁,なます,煮しめ,冷酒,冷飯,ぼたもち,飯,もち甘茶,金つば,団子,茶漬け,鉄砲汁,豆腐汁
食品・食材牛乳,こしょう,こんにゃく,こんぶ,さとう,さんしょう,しょうゆ,茶,豆腐,納豆,肉,みそ油あげ,かつおぶし,米,酒,塩,酢,たまご焼豆腐
野菜・作物ごぼう,ごま,すいか,大根,にんじん,ひょうたん,びわ,ゆず麻,小豆,いね,いも,うど,梅,瓜,柿,菊,栗,しめじ,そば,だいだい,たけのこ,長いも,なし,なす,ねぎ,はす,へちま,まつたけ,麦,桃,山いも,わらびかぼちゃ
衣服烏帽子,下駄,ずきん,雪駄,ぞうり,はんてん帯,笠,かたびら,かみしも,かさ,小袖,衣,たすき,足袋,羽織,日がさ,振袖,みの,むつき(おむつ),わらじ越中ふんどし,白むく,高下駄,まち巻き,かぶと,じゅばん


 これは「諺というテキストタイプにおける語種(名詞)の分布」を表わす区分表であり,実際に何の役に立つのかは分からないものの,眺めていてなんだかおもしろい.なんらかの方法で語彙研究に貢献しそうな予感がする.これを英語の諺でもやってみたら,それなりにおもしろくなるかもしれない.
 この区分表を掲げた後で,木下 (88) が次のようにコメントしている.

 道具,衣服などは,洋風化,機械化が進んだ現在では,ほとんど見られなくなってしまったものが多くあります.生活が便利になった半面,日本の伝統的な生活の道具がしだいに私たちのまわりから姿を消しています.そして,おもしろいことに,新しく作られた便利な道具は,まだ,歴史が浅いせいか,ことわざのなかには見つかりません.将来,テレビやラジオ,せんたく機,そうじ機などといったことばを使ったことわざができるかもしれませんね.
 動物にしても,植物にしても,虫にしても,たくさんの名前を,ことわざの中に見ることができます.この中の何種類かは,もうわたしたちのまわりでは見ることができません.自然破壊が進んで,森や野原や沼がなくなり,川も海も姿を変えつつあります.私たちの生活を便利にし,より高度な文明を作り上げるためには,いたしかたない側面もあるのですが,これらのことわざを聞くたびに,さびしい気持ちになりますね.


 各言語の諺というのは,いろんな方面からディスカッションの題材となりそうだ.

 ・ 木下 哲生 『ことわざにうそはない?』 アリス館,1997年.

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2018-06-01 Fri

#3322. Many a mickle makes a muckle [proverb][phonaesthesia][sound_symbolism][alliteration][folk_etymology]

 「塵も積もれば山となる」に対応する英語の諺について「#564. Many a little makes a mickle」 ([2010-11-12-1]) で取り上げた.強弱音節が繰り返される trochee の心地よいリズムの上に,語頭音として m が3度繰り返される頭韻 (alliteration) も関与しており,韻律的にも美しいフレーズである.
 この諺には標記の「崩れた」ヴァージョンがあり,そちらもよく聞かれるようだ.muckle は語源的には mickle の異なる方言形にすぎず,同義語といってよい.
「#1557. mickle, much の語根ネットワーク」 ([2013-08-01-1]) で述べたように,古英語の myċel と同根だが,中英語では方言によって第1母音と第2子音が様々に変異し,多くの異形態が確認される.大雑把にいえば,mickle は北部方言寄り,muckle は中部方言寄りととらえておいてよい(MEDmuchel (adj.) の異綴字を参照).
 だが,micklemuckle が同義語ということになると,標記のヴァージョンは「山も積もれば山となる」ということになり,諺として意味をなさない.これが有意義たり得るためには,micklelittle が同義語であると勘違いされていなければならない.そして,このヴァージョンは,実際にそのような誤解のもとに成り立っているに違いない.民間語源 (folk_etymology) の1例とみなせそうだ.
 しかし,この誤解なり勘違いに基づく民間語源は,なかなかよくできた例である.まず,結果的に正しいヴァージョンよりも1つ多くの頭韻を踏んでいることになり,リズム的には完璧に近い.さらに,mickle が「小」で muckle が「大」という理解(あるいは誤解)は,「#242. phonaesthesia と 遠近大小」 ([2009-12-25-1]) で触れたように,英語の音感覚性 (phonaesthesia) に対応している.英語には,前舌母音の /ɪ/ が小さなものを, 後舌母音の /ʊ/ (現在の /ʌ/ はこの後舌母音からの発達)が大きなものを象徴する例が少なくない.かくして,「崩れた」ヴァージョンは,英語話者の音象徴 (sound_symbolism) の直感にも適っているのである.こちらのヴァージョンは初例が1793年となっており,正しいヴァージョンの1250年(より前)と比べればずっと新しいものだが,今後も人気を上げていく可能性があるかも!?

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2018-05-31 Thu

#3321. 英語の諺の起源,生成,新陳代謝 [proverb][literature]

 昨日の記事「#3320. 英語の諺の分類」 ([2018-05-30-1]) に引き続き,諺の話題.英語の諺の起源は様々である.英語独自に培われてきたものもあれば,他言語ですでに使われていたものを借りてきた場合もある.例えば,英語独自の諺の代表例としては It never rains but it pours (降れば必ずどしゃ降り)が挙げられる.この諺(の変異形)の初例は,The Oxford Dictionary of Proverbs によれば1726年の It cannot rain but it pours である.
 しかし,多くはギリシア語やラテン語などの古典語,あるいはフランス語などで用いられていた諺が,英訳されて入ってきたものである.つまり,「伝統的」とされる英語の諺も,多くが外国産というわけだ.There's many a slip 'twixt cup and lip (コップを口に持っていく間にも多くのしくじりがある;油断大敵)は1539年に初出しているが,ギリシア語やラテン語の原型から借りたものである.また,Nothing succeeds like success (一事成れば万事成る)は,1867年にフランス語から入ったものである.日本語の「井の中の蛙大海を知らず」が1918年に英語に入った,The frog in the well knows nothing of the sea もある.
 上記の例からも分かる通り,すべての諺が古い歴史をもっているかといえば,案外そうでもない.英語の諺でもアメリカで生まれて普段使いされているものもあり,それらは近現代の産物である.例として,1948年に初出の The family that prays together stays together (ともに祈りをする家族の結束は固い)や,1978年に初出の The opera isn't over till the fat lady sings (太った女性が歌うまでオペラは終らない;事は最後の最後までわからない)を挙げておこう.
 上のオペラの諺は最新の諺の1つだが,コンピュータ革命によってもたらされた知恵の1つ Garbage in, garbage out (不良情報を入力すれば,不良情報が出力される)も初出が1957年と若い.There's no such thing as a free lunch (無料の昼飯などない)は1967年の初出だが,すでに広く使われている.
 このように諺は各時代,各地域で新しいものが作られ,一方で古いもので忘れ去られていくものもあり,常に新陳代謝が生じている.その意味では,通時的な振る舞い方は語彙などと異なるところがない.

 ・ Speake, Jennifer, ed. The Oxford Dictionary of Proverbs. 6th ed. Oxford: OUP, 2015.

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2018-05-30 Wed

#3320. 英語の諺の分類 [proverb][literature][rhetoric]

 英語の諺の分類には,内容によるもの,形式によるもの,起源によるものなどがあるが,The Oxford Dictionary of Proverbs の序文に掲げられている内容による3分法を紹介しよう (xi) .

Proverbs fall readily into three main categories. Those of the first type take the form of abstract statements expressing general truths, such as Absence makes the heart grow fonder and Nature abhors a vacuum. Proverbs of the second type, which include many of the more colourful examples, use specific observations from everyday experience to make a point which is general; for instance, You can take a horse to water, but you can't make him drink and Don't put all your eggs in one basket. The third type of proverb comprises sayings from particular areas of traditional wisdom and folklore. In this category are found, for example, the health proverbs After dinner rest a while, after supper walk a mile and Feed a cold and starve a fever. These are frequently classical maxims rendered into the vernacular. In addition, there are traditional country proverbs which relate to husbandry, the seasons, and the weather, such as Red sky at night, shepherd's delight; red sky in the morning, shepherd's warning and When the wind is in the east, 'tis neither good for man nor beast.


 分類が微妙なケースはあるだろうが,例えば昨日の記事 ([2018-05-29-1]) で紹介した Handsome is as handsome does という諺は,第2のタイプに属するだろうか.
 なお,同辞書による諺の定義は,"A proverb is a traditional saying which offers advice or presents a moral in a short and pithy manner." (xi) である.

 ・ Speake, Jennifer, ed. The Oxford Dictionary of Proverbs. 6th ed. Oxford: OUP, 2015.

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2018-05-29 Tue

#3319. Handsome is as handsome does [proverb][flat_adverb][relative_pronoun]

 この諺は,「立派な行いの人は美しい」「見目より心」ほどを意味している,統語的には Handsome is he who does handsomely ほどに解釈される.handsome は,一般には見た目の美しさを表わす形容詞ととらえられているが,正式には騎士道的な礼儀正しさや丁重さ,つまり内面の美しさを形容する語だった.諺の1つ目の handsome は外面の美しさを,2つ目は心の内面の美しさを意味するものとして解釈できる.なお,2つ目は does にかかる単純副詞である.アメリカ英語では Pretty is as pretty does という変異形もよく口にされる.
 古くはしばしば as ではなく that が用いられていた.この thathe who ほどに相当する先行詞込みの関係代名詞である.that のこの用法は,中英語でも普通にみられる (cf. MEDthat (rel. pron.) 3a; Mustanoja 190) .しかし,as にも同用法があったかどうかは確認できていない.少なくとも OEDMED には語義として挙げられていない.その意味ではいまだ謎なのだが,当面は that と同様に解釈しておくほかない.
 The Oxford Dictionary of Proverbs (6th ed.) より,この諺(とその変異形)の歴史的使用例を覗いてみよう.

 ・ c 1580 A. MUNDAY View of sundry Examples in J. P. Collier John A Kent (1851) 78 As the ancient adage is, goodly is he that goodly dooth.
 ・ 1659 N. R. Proverbs 49 He is handsome that handsome doth.
 ・ 1766 GOLDSMITH Vicar of Wakefield i. They are as heaven made them, handsome enough if they be good enough; for handsome is that handsome does.
 ・ 1845 Spirit of Times 23 Aug. 297 Handsome is as handsome does.
 ・ 1873 C. M. YONGE Pillars of House II. xvii. 'Don't you think her much better looking than Alda?' 'If handsome is that handsome does.'
 ・ 1979 A. WILLIAMSON Funeral March for Siegfried xxiv. 'But he's such a handsome, chivalrous, man.' Handsome is as handsome does, thought York grimly.

 諺によくある通り,強弱が繰り返される trochee のリズムが心地よい.

 ・ Mustanoja, T. F. A Middle English Syntax. Helsinki: Société Néophilologique, 1960.
 ・ Speake, Jennifer, ed. The Oxford Dictionary of Proverbs. 6th ed. Oxford: OUP, 2015.

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2016-09-08 Thu

#2691. 英語の諺の受容の歴史 [literature][proverb][rhetoric]

 Simpson の英語諺辞典のイントロ (x) に,その受容の歴史が概説されていた.簡潔にまとまっているので,以下に引用する.

It is sometimes said that the proverb is going out of fashion, or that it has degenerated into the cliché. Such views overlook the fact that while the role of the proverb in English literature has changed, its popular currency has remained constant. In medieval times, and even as late as the seventeenth century, proverbs often had the status of universal truths and were used to confirm or refute an argument. Lengthy lists of proverbs were compiled to assist the scholar in debate; and many sayings from Latin, Greek, and the continental languages were drafted into English for this purpose. \ By the eighteenth century, however, the popularity of the proverb had declined in the work of educated writers, who began to ridicule it as a vehicle for trite, conventional wisdom. In Richardson's Clarissa Harlowe (1748), the hero, Robert Lovelace, is congratulated on his approaching marriage and advised to men his foolish ways. His uncle writes: 'It is a long lane that has no turning.---Do not despise me for my proverbs.' Swift, in the introduction to his Polite Conversation (1738), remarks: 'The Reader must learn by all means to distinguish between Proverbs, and those polite Speeches which beautify Conversation: . . As to the former, I utterly reject them out of all ingenious Discourse.' It is easy to see how proverbs came into disrepute. Seemingly contradictory proverbs can be paired---Too many cooks spoil the broth with Many hands make light work: Absence makes the heart grow fonder with its opposite Out of sight, out of mind. Proverbs could thus become an easy butt for satire in learned circles, and are still sometimes frowned upon by the polished stylist. The proverb has none the less retained its popularity as a homely commentary on life and as a reminder that the wisdom of our ancestors may still be useful to use today.


 中世から初期近代までは,諺は議論などでも用いられる賢き知恵として尊ばれていた.実際,16--17世紀には,諺は文学や雄弁術の華だった.John Heywood (1497?--1580?) が1546年に諺で戯曲を著わし,Michael Drayton (1563--1631) がソネットを書き,16世紀の下院では諺による演説もなされたほどだ.ところが,18世紀以降,諺は知識人の間で使い古された表現として軽蔑されるようになった.とはいえ,一般民衆の間では諺は生活の知恵として連綿と口にされてきたのであり,諺文化が廃れたわけではない.諺が用いられる register こそ変化してきたが,諺そのものが衰えたわけではないのである.
 なお,最古の英語諺集は,宗教的,道徳的な教訓を納めた,いわゆる "Proverbs of Alfred" (c. 1150--80) である.初学者にラテン語を教える修道院,修辞学の学校,説教などで言及されることにより,諺は広められ,写本にも保存されるようになった.

 ・ Simpson, J. A., ed. The Concise Oxford Dictionary of Proverbs. Oxford: OUP, 1892.
 ・ Encyclopaedia Britannica. Encyclopaedia Britannica 2008 Ultimate Reference Suite. Chicago: Encyclopaedia Britannica, 2008.

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2015-11-17 Tue

#2395. フランス語からの句の借用 [french][loan_translation][borrowing][contact][phraseology][proverb][methodology]

 「#2351. フランス語からの句動詞の借用」 ([2015-10-04-1]) の話題と関連して,Prins の論文 "French Influence in English Phrasing" を紹介する.Prins はこの論文で,フランス語の影響が想定される英語の表現が多数あることを,豊富な具体例を挙げながら主張する.Prins の言葉をそのまま借りると,". . . besides the numerous isolated words which English has borrowed from French, there are also a great many cases in which complete phrases and turns of speech, proverbs and proverbial sayings were taken over from French and incorporated in the English language" (28) ということである.
 論文の大半は,フランス語と英語の文献から集めた文脈つきの対応表現リストである.本記事では,その一覧を再現するのは控え,Prins が結論として指摘している3点を要約するにとどめたい.1点目は,フランス語由来と目される英語の句・表現が,14世紀にピークを迎えているという事実である.前の記事 ([2015-10-04-1]) で参照した Iglesias-Rábade も述べていたように,単体のフランス借用語のピークと時間的におよそ符合するという事実が重要である.ただし,Iglesias-Rábade は句の借用のピークを14世紀後半とみているのに対して,Prins は14世紀前半とみているという違いがある.Prins (81) が挙げている統計表を再現しておこう.

PeriodItemsN. B.
1000--11001 
1100--12000 
1200--130013(3 of which ins S. E. Leg.. c 1290)
1300--140029(during the first half of the century twice as as many as during the second. Brunne comes in for 8, Cursor Mundi for 5, Chaucer for 4 items)
1400--150012(of which 5 in Caxton)
1500--16008 
1600--17003 
1700--18001 
1800--19001 


 次に,上掲の表に示される数の句の多くが,現代まで残っているという事実が指摘されている.現在までに廃用あるいは古風となっているものは15個にすぎず,残りの53個は現役で,"part and parcel of every day speech" (81--82) であるという.残存率は77.9%と確かに高い.
 3点目として,借用された句の意味領域に注目すると,様々ではあるが,主たるところを挙げれば戦争関係が17個,騎士道が11個,法律が9個となる.文学史的にはフランス語の散文の文体が英語に恩恵を与えたのは15世紀後半といわれることが多いが,これらの表現の借用も文体的な含みがあることを考えれば,問題の恩恵は実際にはもっと早い時期から始まっていたと考えることができるかもしれない.
 問題の多くの句は,フランス語の句の翻訳借用 (loan_translation) として提示されている.つまり,英語側の表現には,フランス借用語ではなく英語本来語の含まれているものが多い.そのような場合には,本当にフランス語からの「なぞり」なのか,あるいは英語で自前で作り上げられた表現なのか,確定するのが難しいケースもままある.単語単体ではなく,複数の単語を組み合わせた句や表現の借用に関する研究は,文法的な借用の研究とともに,方法として難しいところがある.

 ・ Prins, A. A. "French Influence in English Phrasing." Neophilologus 32 (1948): 28--39, 73--83.

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2015-06-23 Tue

#2248. 不定人称代名詞としての you [personal_pronoun][proverb][register][sobokunagimon]

 6月3日付けで寄せられた素朴な疑問.不定人称代名詞として peopleone ほどの一般的な指示対象を表わす you の用法は,歴史的にいつどのように発達したものか,という質問である.現代英語の例文をいくつか挙げよう.

 ・ You learn a language better if you visit the country where it is spoken.
 ・ It's a friendly place---people come up to you in the street and start talking.
 ・ You have to be 21 or over to buy alcohol in Florida.
 ・ On a clear day you can see the mountains from here.
 ・ I don't like body builders who are so overdeveloped you can see the veins in their bulging muscles.


 まずは,OED を見てみよう.you, pron., adj., and n. によれば,you の不定代名詞としての用法は16世紀半ば,初期近代英語に遡る.

8. Used to address any hearer or reader; (hence as an indefinite personal pronoun) any person, one . . . .

   c1555 Manifest Detection Diceplay sig. D.iiiiv, The verser who counterfeatith the gentilman commeth stoutly, and sittes at your elbowe, praing you to call him neare.


 当時はまだ2人称単数代名詞として thou が生き残っていたので,OED の thou, pron. and n.1 も調べてみたが,そちらでは特に不定人称代名詞としての語義は設けられていなかった.
 中英語の状況を当たってみようと Mustanoja を開くと,この件について議論をみつけることができた.Mustanoja (127) は,thou の不定人称的用法が Chaucer にみられることを指摘している.

It has been suggested (H. Koziol, E Studien LXXV, 1942, 170--4) that in a number of cases, especially when he seemingly addresses his reader, Chaucer employs thou for an indefinite person. Thus, for instance, in thou myghtest wene that this Palamon In his fightyng were a wood leon) (CT A Kn. 1655), thou seems to stand rather for an indefinite person and can hardly be interpreted as a real pronoun of address.


 さらに本格的な議論が Mustanoja (224--25) で繰り広げられている.上記のように OED の記述からは,この用法の発達が初期近代英語のものかと疑われるところだが,実際には単数形 thou にも複数形 ye にも,中英語からの例が確かに認められるという.初期中英語からの 単数形 thou の例が3つ引かれているが,当時から不定人称的用法は普通だったという (Mustanoja 224--25) .

 ・ wel þu myhtes faren all a dæis fare, sculdest thu nevre finden man in tune sittende, ne land tiled (OE Chron. an. 1137)
 ・ no mihtest þu finde (Lawman A 31799)
 ・ --- and hwat mihte, wenest tu, was icud ine þeos wordes? (Ancr. 33)


 中英語期には単数形 thou の用例のほうが多く,複数形 ye あるいは you の用例は,これらが単数形 thou を置換しつつあった中英語末期においても,さほど目立ちはしなかったようだ.しかし,複数形 ye の例も,確かに初期中英語から以下のように文証される (Mustanoja 225) .

 ・ --- þenne ȝe mawen schulen and repen þat ho er sowen (Poema Mor. 20)
 ・ --- and how ȝe shal save ȝowself þe Sauter bereth witnesse (PPl. B ii 38)
 ・ --- ȝe may weile se, thouch nane ȝow tell, How hard a thing that threldome is; For men may weile se, that ar wys, That wedding is the hardest band (Barbour i 264)


 なお,MEDthou (pron.) (1g, 2f) でも (1b, 2b) でも,不定人称的用法は初期中英語から豊富に文証される.例文を参照されたい.
 本来聞き手を指示する2人称代名詞が,不定の一般的な人々を指示する用法を発達させることになったことは,それほど突飛ではない.ことわざ,行儀作法,レシピなどを考えてみるとよい.これらのレジスターでは,発信者は,聞き手あるいは読み手を想定して thou なり ye なりを用いるが,そのような聞き手あるいは読み手は実際には不特定多数の人々である.また,これらのレジスターでは,内容の一般性や普遍性こそが身上であり,とりあえず主語などとして立てた thouye が語用論的に指示対象を拡げることは自然の成り行きだろう.例えばこのようなレジスターから出発して,2人称代名詞がより一般的に不定人称的に用いられることになったのではないだろうか.

 ・ Mustanoja, T. F. A Middle English Syntax. Helsinki: Société Néophilologique, 1960.

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2011-12-31 Sat

#978. Money makes the mare to go (2) [proverb][etymology][infinitive]

 [2011-12-23-1]の記事「#970. Money makes the mare to go.」で取り上げた諺について,調べてみた.OED でのこの諺(の変種)の初例は1659年のもので,そこでは the grey mare (葦毛の雌馬)が目的語となっている.

 1659 Howell Lex., Prov. 6/2 Money makes the grey Mare to go.


 the grey mare は慣用的に「かかあ天下」 (the wife who rules her husband) を意味し,それ自身が別の諺 the grey mare is the better horse (女房が夫を尻に敷く)の一部となっている.これは,「葦毛の馬が良馬」と言い張る妻の強引さに負けて,葦毛の雌馬を買わされた男の故事に基づく諺と言われる.こちらの諺の初例は,OED では16世紀のことである.
 さて,Simpson の英語諺辞典によると,Money . . . の variation としては,1500年より前から見られる.つまり,この諺の発想や教訓は,標題の形で文証されるよりもずっと早くから英語として知られていたことになる.

a a1500 in R. L. Greene Early English Carols (1935) 262 In the heyweyes ther joly palfreys Yt [money] makyght to . . praunce.  1573 J. SANFORDE Garden of Pleasure 105v Money makes the horsse to goe.  1670 J. RAY English Proverbs 122 It's money makes the mare to go.  1857 KINGSLEY Two Years Ago p. xvi. I'm making the mare go here . . without the money too, sometimes. I'm steward now.  1930 L. MEYNELL Mystery at Newton Ferry xiii. 'Tis money makes the mare go. . . They're all afteer it, every one of them.  1978' Countryman Spring 183 Weardale farmer's advice to daughter about to reject proposal of marriage from a wealthy tradesman: 'Never cock your snoop at money, my lass, 'cos it's money that makes the mare to go'.


 上記の例には原形不定詞が用いられている異形もみられるが,実は,現代でも主要な辞書では to がカッコに入れられている.
 mare の語源については,古英語では m(i)ere に遡り,これは mearh "horse" の女性形である.この古英語 mearh は同義の Gmc *marχjōn, IE *marko- へと遡る.もともと「馬丁」を意味していた marshal (司令官)もこの語根に由来する.

 ・ Simpson, J. A., ed. The Concise Oxford Dictionary of Proverbs. Oxford: OUP, 1982.

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2011-12-23 Fri

#970. Money makes the mare to go. [proverb][causative][infinitive][syntax][alliteration]

 標記の文は,「お金は(しぶとい)雌馬をも歩かせる(=地獄のさたも金次第)」という諺である.m の頭韻が効いているほか,一見非文法的にみえる to があることにより強弱のリズム (trochee) が実現しており,韻律的には完璧な諺だ.
 現代標準英語の規範文法では,使役の maketo 不定詞が連なることは許されていないが,古い英語では可能だった.諺という固定表現において化石的に残存した珍しい例である.使役の maketo 不定詞が可能だったことは,現代英語でも受動態では He was made to wait for some time. のように to が「復活」することと関連する.かつては原形不定詞も to 不定詞もあり得た,しかしやがて前者が優勢となり,後者は受動態という限定された統語環境で生き残るのみとなった.これが,make における不定詞選択の歴史の概略である.
 中英語での make の不定詞選択について,Mustanoja (533) を参照しよう.

. . . both forms of the infinitive occur with this causative verb: --- heo makede him sunegen on hire (Ancr. 24); --- she maketh men mysdo many score tymes (PPl. B iii 122); --- þe veond hit makede me to don (Ancr. 136); --- alwey the nye slye Maketh the ferre leeve to be looth (Ch. CT A Mil. 3393). In the Book of London English 1384--1425, make is accompanied by the plain infinitive in three cases and by the infinitive with to in five.


 MED "māken (v. (1))" では,15. (b) が使役の make を扱っているが,多くの用例を眺めると,to 不定詞の使用も普通にみられる.OED では,"make", v.1 53.a. が to 不定詞との構造を,53.b. が原形不定詞との構造を記述している.いずれも中英語最初期から用例が見られる.
 関連する話題について一言.現代英語に起こっている統語変化に,helpto 不定詞でなく原形不定詞を伴う傾向が強まってきているという現象がある.だが,help でも受動態ではいまだに to 不定詞が優勢のようであり,これは make の不定詞選択の歴史と平行しているようにみえ,興味深い.

 ・ Mustanoja, T. F. A Middle English Syntax. Helsinki: Société Néophilologique, 1960.

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2011-12-08 Thu

#955. 完璧な語呂合わせの2項イディオム [binomial][rhyme][corpus][coca][collocation][euphony][n-gram][suffix][proverb]

 [2011-12-06-1], [2011-12-07-1]の記事で,COCA ( Corpus of Contemporary American English ) の 3-gram データベースから取り出した,現代英語における頭韻を踏む2項イディオム (binomial) と脚韻を踏む2項イディオムの例を見てきた.分析するなかで,両リストのなかで重複する2項イディオムが散見されたので,取り出してみた.これぞ,頭韻と脚韻の両方を兼ねそなえた,完璧な語呂合わせとしての共起表現である.(検索結果を収めたテキストファイルはこちら.)整理した50表現を挙げよう.

Saturday and Sunday, personal and professional, himself or herself, quantity and quality, morbidity and mortality, quantitative and qualitative, security and stability, best and brightest, latitude and longitude, sixteenth and seventeenth, whenever and wherever, sensitivity and specificity, watching and waiting, majority and minority, basketball and baseball, fight or flight, ranting and raving, forties and fifties, cooperation and coordination, nature and nurture, pushing and pulling, tossing and turning, twisting and turning, grandchildren and great-grandchildren, skiers and snowboarders, communication and collaboration, cooking and cleaning, psychiatrists and psychologists, biggest and best, development and deployment, slipping and sliding, communication and cooperation, Dungeons and Dragons, heterosexual and homosexual, healthier and happier, grandmother and grandfather, stopping and starting, sixteen or seventeen, hooting and hollering, competence and confidence, stalactites and stalagmites, waxing and waning, positive and productive, reading and rereading, patience and perseverance, bedroom and bathroom, consultation and collaboration, going and getting, grandfather and grandmother, protection and promotion


 多くは,頭韻と脚韻が語呂として偶然に一致したと考えるよりは,語幹どうしに語源的な関連があるがゆえに頭韻を踏んでいるのであり,同じ接尾辞を用いているがゆえに脚韻を踏んでいるのだ,と解釈すべきだろう.
 単なる語呂遊びというなかれ.上記の例は,音と意味の調和をいやおうなく感じさせ,2項の間に一種の必然性すら呼び起こすかのような,高度に修辞的な表現といえるだろう.fight or flight, nature and nurture, competence and confidence, positive and productive などは,単なる高頻度の共起表現であるという以上に,教訓的,ことわざ的ですらある.

Referrer (Inside): [2018-08-22-1] [2015-09-07-1]

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