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本日は直近の YouTube と Voicy で取り上げた話題をそれぞれ紹介します.
(1) 昨日,YouTube の「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」の第29弾が公開されました.「英語と日本語とでは同音異義語ができるカラクリがちがう!」です.
英語にも日本語にも同音異義語 (homonymy) は多いですが,同音異義語が歴史的に生じてしまう経緯はおおよそ3パターンに分類される,という話題です.1つは,異なっていた語が音変化により発音上合一してしまったというパターン.もう1つは,同一語が意味変化により異なる語とみなされるようになったというパターン.さらにもう1つは,他言語から入ってきた借用語が既存の語と同形だったというパターンです.
英語の同音異義語の例をもっと知りたいという方は「#2945. 間違えやすい同音異綴語のペア」 ([2017-05-20-1]),「#4533. OALD10 が注意を促している同音異綴語の一覧」 ([2021-09-24-1]) の記事がお薦めです.第2パターンの例として挙げた flower と flour については Voicy 「#2. flower (花)と flour (小麦粉)は同語源!」をお聴きください.
また,対談内でも出てきた,故鈴木孝夫先生による「テレビ型言語」か「ラジオ型言語」かという著名な区別については「#1655. 耳で読むのか目で読むのか」 ([2013-11-07-1]),「#2919. 日本語の同音語の問題」 ([2017-04-24-1]),「#3023. ニホンかニッポンか」 ([2017-08-06-1]) でも触れています.
今回の話題に関心をもたれた方は,本チャンネルへのチャンネル登録もよろしくお願いします.
(2) 今朝,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」 にて,リスナーさんからいただいた付加疑問 (tag_question) に関する質問に回答してみました.「#371. なぜ付加疑問では肯定・否定がひっくり返るのですか? --- リスナーさんからの質問」です.なかなかの難問で,当面の不完全な回答しかできていませんが,ぜひお聴きください.
どうやら主文の表わす命題の肯定・否定を巡る単純な論理の問題ではなく,話し手の命題に関する前提と,話し手が予想する聞き手の反応との組み合わせからなる複雑な語用論の問題となっているようです.あくまで前者がベースとなっていると考えられますが,歴史的にはそこから後者が派生してきたのではないかとみています.未解決ですので,今後も考え続けていきたいと思います.なお,放送で述べていませんでしたが,今回参考にしたのは主に Quirk et al. です.
上記の Voicy 放送はウェブ上でも聴取できますが,以下からダウンロードできるアプリ(無料)を使うとより快適に聴取できます.Voicy チャンネル「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のフォローも合わせてよろしくお願いいたします! また,放送へのコメントや質問もお寄せください.
新しい一週間の始まりです.今週も楽しい英語史ライフを!
・ Quirk, Randolph, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, and Jan Svartvik. A Comprehensive Grammar of the English Language. London: Longman, 1985.
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最終更新時間: 2024-12-16 08:44
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