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標記の分野に関心をもつ学生が身近に増えてきたので,本記事で取っ掛かりの書誌を提供したい.英単語の意味変化や意味論について卒論・修論研究を行なおうと思うのであれば,まず語の意味変化の具体例と,そのパターンを知る必要がある.つまり「通時的な意味変化」を押さえる必要がある.その上で,そもそも意味とは何か,意味とは言語学的にどう扱えばいいのか,という一般的な問いへ進むとよいだろう.後者は「共時的な意味論」の学習である.
通常は英単語の意味に関して「共時的な関心から通時的な関心へ」と進むのが(もし進むのであれば)オーソドックスな順路かと思われるが,身近なゼミ学生には通時的・歴史的な関心が先行している人もいるので,むしろ「通時的な関心からな共時的関心へ」と書誌を並べておきたい.
[ 通時的な関心のために --- 英単語の意味変化についてのお薦め書誌 ]
・ 寺澤 盾 『英単語の世界 --- 多義語と意味変化から見る』 中央公論新社〈中公新書〉,2016年.
・ 堀田 隆一 「第8章 意味変化・語用論の変化」『歴史言語学』朝倉日英対照言語学シリーズ[発展編]3 服部 義弘・児馬 修(編).朝倉書店,2018年.151--69頁.(手前味噌ですが.cf. 「#3283. 『歴史言語学』朝倉日英対照言語学シリーズ[発展編]が出版されました」 ([2018-04-23-1]))
・ Durkin, Philip. Borrowed Words: A History of Loanwords in English. Oxford: OUP, 2014.
・ Hughes, G. A History of English Words. Oxford: Blackwell, 2000.
・ Room, Adrian, ed. NTC's Dictionary of Changes in Meanings. Lincolnwood: NTC, 1991.(これを手元においておくと便利.cf. 「#4243. 英単語の意味変化の辞典 --- NTC's Dictionary of Changes in Meanings」 ([2020-12-08-1]))
・ Stern, Gustaf. Meaning and Change of Meaning. Bloomington: Indiana UP, 1931.
・ Waldron, R. A. Sense and Sense Development. New York: OUP, 1967.
・ Williams, Joseph M. Origins of the English Language: A Social and Linguistic History. New York: Free P, 1975. (本書の p. 191以降がよく書けた意味変化論となっている)
[ 共時的な関心のために --- 意味とは何かを学ぶためのお薦め書誌 ]
・ イレーヌ・タンバ 著,大島 弘子 訳 『[新版]意味論』 白水社〈文庫クセジュ〉,2013年.
・ 中野 弘三(編)『意味論』 朝倉書店,2012年.
・ ピエール・ギロー 著,佐藤 信夫 訳 『意味論』 白水社〈文庫クセジュ〉,1990年.
・ Hofmann, Th. R. Realms of Meaning. Harlow: Longman, 1993.
・ Ogden, C. K. and I. A. Richards. The Meaning of Meaning. 1923. San Diego, New York, and London: Harcourt Brace Jovanovich, 1989.
・ Saeed, John I. Semantics. 3rd ed. Malden, MA: Wiley-Blackwell, 2009.
・ Ullmann, Stephen. The Principles of Semantics. 2nd ed. Glasgow: Jackson, 1957.
私自身の関心の偏りから,上記は認知言語学的な意味論というよりも主として伝統的な意味論に関する書誌となっている(あしからず).意味論について広く体系的に学びたい方は,ぜひ山中他(編)の研究社英語学文献解題第7巻『意味論』を参照されたい.
・ 山中 桂一,原口 庄輔,今西 典子 (編) 『意味論』 研究社英語学文献解題 第7巻.研究社.2005年.
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最終更新時間: 2024-10-26 09:48
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