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今回もよく尋ねられる素朴な疑問です.number の省略表記であれば nu. などとなりそうなところですが,なぜか no. となっています.この o はいったいどこから来たのでしょうか.これは英語史が得意とするタイプの問題です.音声の解説を聴いてください.
いかがだったでしょうか.no. は number を省略したものではなく,number の語源であるラテン語 numerus の奪格単数形である numero を省略したものだったのです.number と no. の関係は,したがって,直系の母娘関係ではなく,従姉妹くらいの関係ということになります.究極的には同語源であり,語頭の n- も共通しているので,かえって紛らわしいわけですが,上記のような背景がありました.
解説のなかで関連して触れた i.e (= id est "that is") や e.g. (= exempli gratia "for example") などは,省略表記と元の表現があまりに異なっており,直接の省略であるわけがないとすぐに分かるのですが,no. (= numero "in number") の場合にはなまじ似ているだけに,だまされてしまいますね.英語に「音読み」と「訓読み」があったという事実にも驚いたのではないでしょうか.
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最終更新時間: 2024-11-26 08:10
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