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hellog〜英語史ブログ / 2020-06-01

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2020-06-01 Mon

#4053. 花粉症,熱はないのに hay fever [sobokunagimon]

 英語史の授業の掲示板で,次の質問をいただきました.

花粉症のことを英語で hay fever もしくは、pollen allergies などといいますが(後者はストレートで分かりやすい)、私の疑問は、花粉症と発熱がどうしても結びつかないことです。なぜ発熱または熱を表すfeverが付いたのでしょうか。昔は発熱を伴ったのでしょうか。もしくはfeverは熱以外の意味で使われているのでしょうか。
hayはもともと干し草が原因であったためということで理解できます。
今花粉症で鼻水とくしゃみに悩まされています。
よろしくお願いします。


 この質問について少し調べてみましたが,残念ながら解決には至っていません.一応の回答をしたので,それをこちらに再現しておきます.

 考えたこともなかったですが,確かに,と気付かされる質問でした.私もこの厄介なものを軽く発症することがあります.鼻や目が充血して熱く感じることはありますが,あくまで局所的な発熱で,体全体の発熱には至らないですね.ただし,医学的なことは分からないものの,発熱もマイナーな症状(微熱程度)としてはあるようです.重度の慢性的花粉症患者である家の者にきいてみても,微熱が出たことはあると言っていました.
 しかし,そうだとしても,あまりふさわしくない命名であることは確かですね.fever は古英語から一貫して「(発)熱」の意味を保持しており,意味変化の関与もなかったはずです.
 花粉が原因であると知られるようになったのは19世紀後半のことのようで,それ以前には誤って枯草熱と称されていました.干し草 (hay) の作業をしている人がよくかかるということから名付けられたようです.OED hay-fever, n. によると,1829年に hay-asthma (cf. フランス語 asthme de foin)とともに hay-fever が使われたとあります.

First described under the name of summer catarrh by Bostock in Trans. Medico-Chirurg. Soc. 1819, X. 161, and 1828, XIV. 437. Gordon in 1829 used the names hay-asthma, hay-fever.


 当時,発熱を伴う似たような病気と混同して用いられた可能性もあるかもしれませんが,知る術はありません.回答できるのはここまでです.
 どうぞお大事に.

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最終更新時間: 2021-11-28 10:30

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