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現代英語で news は抽象名詞で不可算として扱われる.数えるときには an item [a piece, a bit] of news のように用い,No news is good news. のように無冠詞でもよく使われる.
しかし,news の起源は語尾の s に示唆される通り,複数形である.形容詞 new が名詞化され,それが複数形となったのが news である.「新奇な事物」を意味する名詞としての最も早い例は,13世紀に現われる (see MED neue (n.)) .形容詞 new から派生した通常の名詞なので,不定冠詞もつけば,複数形にもなった.
しかし,この語は「数々の新しい事物」として複数形で用いられることが多かったので,複数形が無標の形式となっていったようだ.この傾向には,ラテン語やフランス語の関与も想定できるだろう.例えば,14世紀後半の Wycliffite Bible に現われる次の例文を見てみよう.
(a1382) WBible(1) (Bod 959) Ecclus.24.35: A king..þe whiche fulfilleþ as phison wisdam & as tigris in þe daiys of newis [WB(2): newe thingis].
of newis に対応するラテン語は複数属格の novorum である.ラテン語の複数主格 nova は,古仏語でも noveles と複数形で受け入れられ,英語の複数形 news の固定化にも貢献したのではないか.
「新しい事物」から「新しい情報」へと意味が拡大すると,現代的な「ニュース」となる.OED や MED によれば,この語義での初例は次のものとされる.
c1500(?a1437) ?Jas.I KQ (SeldArch B.24) st.179: Awak..I bring The newis glad.
この語義は,一般には16世紀以降に盛んとなった.また,16世紀後半からは,news が抽象的に単数で解される例が現われるようになる.OED によると,その初例は次の通り.
1566 Pasquine in Traunce 36, I hearde speak of it, when ye newes therof was brought to Pope Iulie the seconde.
その後,19世紀まで news の複数扱いと単数扱いの例が並び立つが,結果的に単数扱いの抽象名詞としての用法が確立して現代に至っている.
名詞の複数形が集合的あるいは抽象的に解され,単数扱いとなってゆく例は,学問名などに典型的に現われる.economics, mathematics, politics, statistics などは,学問名としては単数扱い,具体的な手段や結果を表わす場合には複数扱いとなる.
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最終更新時間: 2024-09-24 08:28
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