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英語の形容詞を作る典型的な接尾辞 (suffix) に -al がある.abdominal, chemical, dental, editorial, ethical, fictional, legal, magical, medical, mortal, musical, natural, political, postal, regal, seasonal, sensational, societal, tropical, verbal など非常に数多く挙げることができる.これはラテン語の形容詞を作る接尾辞 -ālis (pertaining to) が中英語期にフランス語経由で入ってきたもので,生産的である.
よく似た接尾辞に -ar というものもある.これも決して少なくない.angular, cellular, circular, insular, jocular, linear, lunar, modular, molecular, muscular, nuclear, particular, polar, popular, regular, singular, spectacular, stellar, tabular, vascular など多数の例が挙がる.この接尾辞の起源はやはりラテン語にあり,形容詞を作る -āris (pertaining to) にさかのぼる.両接尾辞の違いは l と r だけだが,互いに関係しているのだろうか.
答えは Yes である.これは典型的な l と r の異化 (dissimilation) の例となっている.ラテン語におけるデフォルトの接尾辞は -ālis の方だが,基体に l が含まれるときには l 音の重複を嫌って,接尾辞の l が r へと異化した.特に基体が「子音 + -le」で終わる場合には,音便として子音の後に u が挿入され (anaptyxis) ,派生形容詞は -ular という語尾を示すことになる.
l と r の異化については,「#72. /r/ と /l/ は間違えて当然!?」 ([2009-07-09-1]),「#1597. star と stella」 ([2013-09-10-1]),「#1614. 英語 title に対してフランス語 titre であるのはなぜか?」 ([2013-09-27-1]),「#3016. colonel の綴字と発音」 ([2017-07-30-1]),「#3684. l と r はやっぱり近い音」 ([2019-05-29-1]),「#3904. coriander の第2子音は l ではなく r」 ([2020-01-04-1]) も参照.
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最終更新時間: 2024-11-26 08:10
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