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hellog〜英語史ブログ / 2020-02-08

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2020-02-08 Sat

#3939. 日本でも弥生時代に漢字が知られていた (2) [kanji][history][archaeology]

 4年ほど前に「#2505. 日本でも弥生時代に漢字が知られていた」 ([2016-03-06-1]) という記事を書いたが,つい先日,ネットニュースと新聞から関連する新情報が入ってきた.2月3日の朝日新聞朝刊3面の「弥生時代の石製品に最古の文字?」という記事の冒頭を紹介しよう.

松江市の田和山遺跡でみつかった弥生時代中期後半(紀元前後)ごろの石製品に,文字(漢字)が墨で書かれていた可能性があると,福岡市の研究者が明らかにした.国内で書かれた文字とすれば国内最古の例となる.一方,赤外線撮影では墨書を確認できなかったことなどから慎重な意見もあり,議論を呼んでいる.


 先のブログ記事に書いた4年前の状況は,あくまで硯という書記用の道具が発見されたにとどまり,日本における主体的な文字使用の強い証拠とまでは認められなかった.一方,今回の発見は,硯らしき道具に文字が書かれていた可能性を示唆する点で,日本の主体的な文字使用の開始年代に関する議論に一石を投じるものとなった.証明されれば,弥生時代の中期後半(紀元前後)に日本における漢字使用があったということになる.
 問題の硯らしきものに書かれている文字は「子」とも「戊」とも「戌」とも読み得るもののようだが,公開されている画像からは明確なことはほとんど確認できない.識者のあいだで慎重論も強いようである.
 日本語話者の誇りとして,少しでも早い時期に日本に文字使用の実践があったことが証明されれば,それは嬉しい.しかし,何よりも事実そのものを解明することが重要である.もし今回の発見が文字使用の年代を早めることになっても,ならなくても,事実が明らかになればよいと思う.
 関連して「#3486. 固有の文字を発明しなかったとしても……」 ([2018-11-12-1]) を参照.加えて「#3138. 漢字の伝来と使用の年代」 ([2017-11-29-1]) や「#3545. 文化の受容の3条件と文字の受容」 ([2019-01-10-1]) も一読を.

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最終更新時間: 2020-03-19 19:05

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