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hellog〜英語史ブログ / 2019-08-22

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2019-08-22 Thu

#3769. 言語学とフィロロジー [linguistics][philology][terminology][history_of_linguistics]

 言語学 (linguistics) とフィロロジー (philology) は,ともに言語を研究する分野でありながら,対置されて捉えられることが多い.後者は「文献学」と訳されてきた経緯があるが,誤解を招くきらいがあることから,しばしばそのまま「フィロロジー」と横文字で称される.
 言語研究は伝統的にフィロロジーと呼ばれてきたが,19--20世紀以降に一般化・理論化の方向を示す近代言語学が発展してくると,それを前者から区別し,言語学と呼ぶようになった.両者の間には以下のような相違がある.

 フィロロジー言語学
研究対象文化や文学を担うものとしての言語(したがって,民族の精神文化に迫ろうとする)言語自体(したがって,文字や文学をもたない言語も対象となる)
指向性テキスト指向的,データ中心的非テキスト指向的,事実中心的
目的個別性を目指し,たとえば「英語性」を明らかにしようとする一般化と理論体系の構築を目指す
スタンス歴史的記述的


 このように言語学とフィロロジーには言語に対するまなざしの違いがあるが,いずれも等しく追究するに値する言語研究の方法である.したがって,たとえば英語学といった場合にも,フィロロジー的英語学 (English philology) と言語学的英語学 (English linguistics) が区別されることになる.理想をいえば,いずれの英語学をも視野に収めて研究していくことが望まれる.
 以上,安藤・澤田, p. 2--3 に依拠した.関連して「#542. 文学,言語学,文献学」 ([2010-10-21-1]) も参照されたい.

 ・ 安藤 貞雄・澤田 治美 『英語学入門』 開拓社,2001年.

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最終更新時間: 2019-10-05 12:21

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