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hellog〜英語史ブログ / 2018-11-23

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2018-11-23 Fri

#3497. 『イギリス史10講』の年表 [timeline][history][monarch]

 この数週間のうちに「#3478. 『図説イギリスの歴史』の年表」 ([2018-11-04-1]),「#3479. 『図説 イギリスの王室』の年表」 ([2018-11-05-1]),「#3487. 『物語 イギリスの歴史(上下巻)』の年表」 ([2018-11-13-1]) などイギリス史年表をいくつか掲げてきたが,ついでにもう1つ近藤和彦(著)『イギリス史10講』の年表を提示しよう(以下,pp. 2, 18, 42, 72, 114, 148, 176, 200, 248, 284 より).このイギリス史概説は,経済や文化にも目配りをし,日本史との関わりにも注意を払っている点で読み応えがある.年表中で [I] はアイルランド,[S] はスコットランド,[A] は北アメリカを指す.

今から10000年前(紀元前8000ころ)このころまで氷期.ブリテン諸島はヨーロッパ大陸の大きな半島
紀元前6000このころまでに海水面が上昇し,現ブリテン諸島が出現
紀元前3000ころスカラ・ブレイなどオークニ島の遺跡群
紀元前2300ころストーンヘンジの完成
紀元前1000ころケルト系諸部族が広がる
紀元前55カエサルのブリタニア侵攻 (--54)
紀元後43クラウディウスのブリタニア征服
122ハドリアヌスの壁建設始まる;このころ「パクス・ローマーナ」
212ローマ帝国の全自由民に市民権
4世紀末ゲルマン諸部族の移住(--5世紀)
461以前[I] 聖パトリックの布教
563[I, S] コルンバ,アイオナに修道院創設
570以前ギルダス『ブリタニアの破滅について』
597聖アウグスティヌス,キャンタベリに教会建設
731ベーダ『イギリス人の教会史』,古英語に言及;このころアルクイン,フランク王国へ
793ヴァイキングの襲撃,始まる
871アルフレッド大王 (--899)
959エドガ王 (--975)
1016カヌート王 (--35) ,エマと再婚
1042エドワード証聖王 (--66)
10661. ハロルド王.10. ヘイスティングズの戦いでギヨーム(ウィリアム)勝利;ウィリアム1世征服王 (--87),ノルマン建築,中期英語の始まり
1069[S] マルカム3世,マーガレットと結婚
1135王位を巡る内戦 (--54)
1154ヘンリ2世 (-89),法と行政の整備,アイルランド遠征
1189リチャード1世獅子心王 (--99),第3回十字軍
1199ジョン欠地王 (--1216)
1215マグナ・カルタ
1216ヘンリ3世 (--72).尚書部,財務府が確立
1264シモン・ド・モンフォールの反乱 (--65)
1272エドワード1世長脛王 (--1307) .この前後に「アーサ王と騎士の物語」写本
1276ウェールズ戦争 (--83)
1296スコットランド独立戦争 (--1357)
1327エドワード3世 (--77)
1337フランスで百年戦争 (--1453)
1348黒死病猛威をふるう (--50)
1381人頭税,農民一揆(ウォト・タイラの乱)
1400以前チョーサ『キャンタベリ物語』
1422ヘンリ6世 (--61, 70--71)
1455バラ戦争 (--87) .このころフォーテスキュ『イングランドの統治』.このころイタリア・ルネサンス最盛期
1476キャクストン,ロンドンで活版印刷を開始.近世英語の始まり
1485ヘンリ7世 (--1509),テューダ朝始まる
1497カボット,ニューファンドランドへ
1509ヘンリ8世 (--47)
1517ルターの宗教改革始まる
1519カール5世,神聖ローマ皇帝 (--56)
1533上訴禁止法にて主権国家宣言
1534国王至上法にて国教会成立
1536ウェールズ合同法 (43にも)
1538教区登録法
1541アイルランド王位法
1542[S] メアリ・ステュアート (--67)
1547エドワード6世 (--53) .まもなく共通祈祷書,信仰統一法
1533メアリ1世 (--58) 「血まみれメアリ」.まもなくフォックス『殉教者の書』
1558エリザベス1世 (--1603) .国教会の再確立.[S] このころノックスの宗教改革
1568ネーデルラント(オランダ)で独立戦争始まる
1567[S] ジェイムズ6世 (--1625)
1580ドレイクの世界周航
1588アルマダ海戦.ティルベリの演説
1594[I] アルスタの反乱 (--1603)
1600ウィリアム・アダムズ九州に漂着,徳川家康に謁見.東インド会社設立.シェイクスピア『ハムレット』
1601貧民対策法,チャリティ用益法
1603ジェイムズ1世 (--25),ステュアート朝始まる
1607[I, A] プロテスタントのアルスタ植民,ヴァージニア植民
1611『欽定訳聖書』完成し,全国の教会へ
1613東インド会社のセーリス,ぜめし帝王の親書をたずさえ家康に越権
1618三十年戦争 (--48)
1623アンボイナ事件,以後東・東南アジア貿易はオランダが独占
1625チャールズ1世 (--49)
1638[S] 国民盟約.[I] ウェントワース総督「根こぎ」政策
1639主教戦争(翌年,第2次主教戦争)
16404. 短期議会.11. 長期議会 (--60) .「ピューリタン革命」開始
16415. ウェントワース(ストラフォード伯)処刑.10--. アイルランド「大虐殺」の報
16421. 王のクーデタ.8. 内戦始まる
1643[S] 厳粛な同盟と盟約
1645ニューモデル軍編成
1647パトニ討論(軍の幹部と水平派の議論)
16491. 特別法廷でチャールズ1世有罪,処刑.5. イングランド共和国.8. [I] クロムウェル,アイルランド出征
1651[S] エディンバラにて長老派,チャールズ2世の戴冠式.このころホッブズ『リヴァイアサン』
1652対オランダ戦争 (74まで継続)
1653統治章典によりクロムウェルは護国卿,ブリテン諸島は単一の共和国に
1660王政復古(国教会,3王国も復活),チャールズ2世 (--85)
1661フランスでルイ14世の親政 (--1715)
1665ロンドンでペスト大流行.ロイアル・ソサエティ『学術紀要』創刊
1666ロンドン大火
1679このころから議会でトーリ・ホウィグが対立
1685ジェイムズ2世 (--88) .この年ルイ14世,ナント王令を廃し,ユグノ難民生じる
1688九年戦争(大同盟戦争,ファルツ継承戦争,--97).6. 王太子誕生,「名誉革命」はじまる.11. オラニエ公ウィレム上陸.12. ジェイムズ2世,亡命
16892. 権利の宣言,ウィリアム3世 (--1702) & メアリ2世 (--94) .寛容法.12. 権利の章典.ロック『統治二論』.[S] エディンバラにて権利の要求.名誉革命レジームの始まり.第二次百年戦争の開始 (1815まで継続)
1690[I] ジェイムズ2世とウィリアム3世の会戦
1692[S] グレンコーの殺戮.最初の国債発行
1694イングランド銀行
1701王位継承法.スペイン継承戦争 (--13) .キャラコ論争
1703メシュエン条約
1707イングランドとスコットランドの合同(グレートブリテン王国成立)
1713ユトレヒト条約.このころから大西洋多角貿易の成長
1714ジョージ1世 (--27),ハノーヴァ朝始まる.ヴォルテールを援助
1715騒擾法,老僭王とジャコバイトの反乱
1720南海会社のバブル事件
1721ウォルポール首相 (--42) .このころデフォー,スウィフト,マンドヴィル,新聞雑誌,コーヒーハウスが活況を呈し,市民的公共圏が開花
1740オーストリア継承戦争 (--48)
1745若僭王とジャコバイトの反乱,翌年に惨敗
1754工芸振興協会
1755ジョンソン『英語辞典』,近代英語の確定
1756七年戦争 (--63) ,[A] 前年からフレンチ=インディアン戦争
1757インドでプラッシ会戦
1759ブリティシュ・ミュージアム開館.スミス『モラル感情論』
1760ジョージ3世 (--1820)
1763パリ条約(北アメリカの領土を拡大).ロンドンでウィルクス事件 (--74)
1765[A] 印紙税一揆
1771アークライトの水力紡績工場
1773[A] ボストン茶会事件.東インド会社規制法
1775[A] 13植民地の独立戦争 (--83)
1776スミス『諸国民の富』,ギボン『ローマ帝国衰亡史』.ペイン『コモンセンス』
1778コールブルクデイルに鉄製の橋
1780このころGDP年成長率1%をこえる(産業革命の始動)
1782[I] グラタン議会
1783パリ条約(合衆国独立の承認).ピット首相 (--1801, 04--06)
1784ウォット,複動回転蒸気機関の特許
1786英仏通商条約(イーデン条約)
1789マンチェスタに蒸気力紡績工場.フランス革命 (-99) .ワシントン大統領
1791[I] ユナイテッド・アイリッシュメン
1793対フランス大同盟による戦争(1815まで断続)
1799ネイサン・ロスチャイルド,マンチェスタに居住(1804にロンドンへ)
1800アイルランド合同法により,翌年に連合王国成立
1802/03綿製品がイギリス輸出品の第1位に
1808長崎でフェートン号事件(13より日本は「本国サラサ」を輸入)
1814ウィーン会議 (--15) でナポレオン戦争処理.第二次百年戦争終結
1825空前の好況,鉄道開通,年末に最初の恐慌.日本で「異国船打払令」
1826ロンドン大学 (UCL) 創立
1828審査法・自治体法の廃止
1829カトリック解放法
18309. リヴァプール・マンチェスタ鉄道開通.11. グレイ首相 (--34)
1832選挙法改正
1834貧民対策法改正(新救貧法).12. ピール首相 (--35, 41--46)
1837ヴィクトリア女王 (--1901)
18388. 人民憲章,チャーティスト運動.9. 穀物法反対教会(翌年,穀物法反対同盟)
1840アヘン戦争 (--42) ,グラッドストンの反対演説
1845ディズレーリ『シビル――または2つの国民』
1846穀物法撤廃,トーリ党分裂
1851大博覧会(最初の万博).ロイター通信社設立.全国信教調査
1854クリミア戦争に参戦 (--56)
1857インド大反乱 (--58) ,インド直接支配へ
1860英仏通商条約(コブデン条約).ナイティンゲールの看護婦養成学校
1862文久の遣欧使節(福沢諭吉も随行)が渡英
1863サッカー規約.翌年にクリケット規約
1867第2次選挙法改正.バジョット『イングランドの国政』.カナダ連邦
18682. ディズレーリ保守党首相 (--68, 74--80) .12. グラッドストン自由党首相 (--74, 80--85, 86, 92--94)
1869スエズ運河開通
1870初等教育法(80に就学義務化).国家公務員採用試験始まる
1871労働組合法
1872岩倉使節団(久米邦武も随行)が渡英
1876女王,インド皇帝を称する
1884第3次選挙法改正.フェビアン協会.セツルメント始まる
1885インド国民会議結成
1886アイルランド自治法案,チェインバレンが自由党から分裂
1887第1回植民地会議.「シャーロック・ホームズ」始まる
1889キプリング East is East . . .
1892ビアトリス・ポッタ,シドニ・ウェブと結婚
1899南アフリカ戦争 (--1902)
1900夏目漱石,渡英 (--02) .チャーチル政界入り
1901オーストラリア連邦.エドワード7世 (--10) .タフヴェイル裁判
1902日英同盟 (--23)
1903「田園都市」の建設始まる
1906労働党,総選挙で29名当選
1907ニュージーランド自治国に
1908アスクィス首相 (--16) .老齢年金法
1910ロイド=ジョージ財務相の人民予算.南アフリカ連邦
1912タイタニック号,処女航海で沈没
1914第一次世界大戦 (--18) .アイルランド自治法成立,棚上げ
1916イースタ蜂起.徴兵法.ロイド=ジョージ首相 (--22)
1917ロシア革命.バルフォア宣言
191830歳以上の女性参政権
1919パリ講和会議.ヴェルサイユ条約.アムリトサル虐殺.インド統治法
1921「グレートブリテンおよびアイルランド連合王国」から「アイルランド自由国」成立
1922アイルランド内戦 (--23) .BBCラジオ放送始まる
1924労働党政権,マクドナルド首相 (--24, 29--35) .フォースタ『インドへの道』
1928男女平等の選挙権
1929筝??????????
1936王位継承危機,ジョージ6世 (--52) .ケインズ『一般理論』.ペンギン・ブックス
1939対ドイツ宣戦布告.第二次世界大戦 (--45)
1940チャーチル首相 (--45, 51--55)
1942「ベヴァリッジ報告」の社会保障構想,終戦まで棚上げ
1945終戦.総選挙で労働党圧勝(翌年から社会保障,国有化など実現)
1947インド,パキスタン,分裂独立
1948「国籍法」で帝国臣民,コモンウエルス市民の入国権を再確認.南アフリカでアパルトヘイト政策始まる
1949アイルランド共和国,コモンウェルスから離脱
1952エリザベス2世(--今日).原爆実験
1956スターリン批判.スエズ危機.『怒りをこめて振りかえれ』.原発操業開始
1957E. H. ノーマンの死.マクミラン首相 (--63) .「絶好調」発言.ガーナ独立に続きアフリカ諸国独立
1960ビートルズ (--70)
1961EEC に加盟申請(63にフランスが拒否権発動)
1964ウィルスン首相 (--70, 74--76)
1965ヴェトナム戦争 (--73) ,反戦運動たかまる
1968北アイルランド紛争 (--94) .パウエルの人種差別発言続く
1971メートル法,通貨百進法へ切り替え.入国管理法で入国制限はじまる
1973連合王国,アイルランド共和国とともにヨーロッパ共同体 (EC) に加盟.石油危機
1978「われらが不満の冬」 (--79)
1979サッチャ首相 (--90) ,二〇世紀のコンセンサス政治との戦い
19814. ブリクストン騒擾.7. チャールズ王太子結婚式
1982フォークランド戦争
1986金融自由化(ビッグバン),ロンドン市場の活性化
1989ベルリンの壁崩壊
1990ユーロ・トンネル開通.南アフリカでアパルトヘイト撤廃.メイジャ首相 (--97)
1991ソ連邦解体
1993マーストリヒト条約を批准して EU に加盟.このころアイルランドは好況で「ケルトの虎」と評される
1994IRA テロ活動停止宣言.マンデラ,南アフリカ大統領に
1997総選挙で労働党圧勝,ブレア首相 (--2007) .権限委譲進む
20019.11 アメリカで同時多発テロ
2003イギリス,イラクへ進軍
2010保守党・自由民主党の連立政権,キャメロン首相


 ・ 近藤 和彦 『イギリス史10講』 岩波書店〈岩波新書〉,2013年.

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最終更新時間: 2024-11-26 08:10

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