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英語語彙にはラテン語やフランス語からの借用語が多く含まれているが,元言語の動詞の命令形がそのまま英語に入ってきたという変わり種がいくつか存在する.
よく知られているのは,tennis だろう.フランス語で「取って」を意味する tenez や tenetz などの語形が中英語期に借用されたものである.球技での掛け声がそのままゲームの名前になっている.
以下,気づいた範囲内でいくつか紹介したい.
・ recipe (調理法;処方箋): ラテン語で「受け取れ」「服用せよ」ほどを意味する動詞の命令形に由来する.14世紀以降の英語で,薬の処方箋の冒頭に Recipe と書かれるようになったことから.これについては,mond のこちらの回答記事で紹介している.
・ permit (許可(証)):『英語語源辞典』によれば「名詞用法は本来は動詞の命令形で,公認書の最初の語に由来する (cf. F Iaissez-passer a permit) 」とのこと.
・ ave (アベマリアの祈り;歓迎・別れの挨拶):ラテン語の「元気でいる」を意味する avēre の命令形 avē に由来するとされる.
・ occupy (占有する): 『英語語源辞典』によれば「語尾 -y (ME -ie(n)) は非語源的.この種の動詞としては,bandy (<- F bander, levy (<- lever), parry (<- parer) などがあるが,これらは過去分詞または命令形の借用と考えられている」とある.OED はこれらの語形の説明は難しいとしている.
借用語ではなく本来語の語句ではあるが,riddlemeree (くだらない話し)が Riddle me a riddle! (私のかけた謎を解いてごらん)という命令文に由来するとも知った.こちらは Addison (1719) に初出.
このような単語は意外と多く存在するのかもしれない.よい集め方はあるだろうか.
(以下,後記:2026/01/09(Fri))
本記事公開後,読者の方々より X を通じてmemento, facsimile, Audi の事例を教えていただきました.ありがとうございます.
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最終更新時間: 2026-01-11 11:45
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