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本ブログでいくつか掲載してきた英語史年表のコレクションに,もう1つを加えよう.安藤貞雄『英語史入門』の第1章に「英語の外面史」と題する年表 (4--17) である.古代・中世についてかなり詳しいのが特徴(特長).
OE 外面史 (449--1100) | |
【先史時代】 | |
2500--2000BC | スペイン・フランスにも住んでいた,短身,黒髪の新石器人種である Iberia 種族,menhir (立石),dolmen (環状列石)などの巨石遺跡を残す. |
【ケルト族の移住】 | |
c2000BC | ケルト族 (Celts),大陸の Armorica (=Brittany) から Britannica (=Britain) に渡る.やがて,ピクト族 (Picts),Scythia (おそらく Scandinavia)から Caledonia (=Scotland) に移住.のちに,スコット族 (Scots),Hibernia (=Ireland) から Scotland の西半分に移住する. |
【ローマ人による征服 (Roman Conquest)】 | |
55--54BC | Caesar, 2度にわたりブリテン島を侵攻. |
AD47 | ローマ皇帝 Claudius, ブリテン島を征服,以後約350年間,ローマ帝国の支配下に置く. |
122--26 | Hadrianus 皇帝,スコットランド連合軍の侵略を防ぐ目的で,イングランド北部に125キロの城壁 (Hadrian's Wall) を築く. |
395 | ローマ帝国,東西に分裂. |
410 | 最後のローマ軍団,Vandal 族からローマを守ためにブリテン島から撤退. |
【ヴァイキングの侵入】 | |
449 | ブリテン王,北方の Pict 族の撃退を大陸のジュート族 (Jutes) に依頼,Pict 族,至るところで打ち破られる. |
455 | Jute 族,Kent に移住. |
477 | Saxon 族,Sussex に移住. |
496 | 別の Saxon 族,Wessex に定住. |
547 | Angle 族,Humber 川の北に Northumbria 王国を建国.6世紀末までに Anglo-Saxon Heptarchy (7王国)の時代となる. |
【キリスト教化】 | |
563 | St. Columba,アイルランドから12人の修道士を伴い,Iona [aióunə] 島に渡り,修道院を建立(アイルランド系キリスト教). |
597 | St. Augustine, キリスト教宣教のために教皇 Gregory I によってローマから Kent 王国へ派遣される(ローマキリスト教). |
604 | Kent 王,ロンドンに St. Paul's 会堂を創建. |
617--85 | Northumbria,イングランドを制覇,政治・文化の中心となる. |
635 | アイルランド生まれの St. Aidan [éidn], Northumbria に渡り,Lindisfarne に修道院を創設,宣教に努める. |
657--80 | Whitby の女子修道院の牛飼いであった Cædmon, 霊感を得て天地想像の賛美歌 (Hymn) を歌う. |
664 | Northumbria の Whitby での宗教会議,ローマキリスト教の優位が認められる. |
c725 | ゲルマン語最古の叙事詩 Beowulf の原本成る(ただし,British Library 所蔵の唯一の現存写本は1000年ごろのもの). |
731 | Jarrow の修道院の司祭 St. Bede, Historia Ecclesiastica Gentis Anglorum (英国民教会史)を完成(本文ラテン語,アングロサクソン族がキリスト教化された歴史を述べる). |
780--850 | 詩人 Cynewulf (Elene, The Fates of the Apostles, Christ II, Juliana) . |
【デーン人の征服】 | |
793--4 | Lindisfarne,および Jarrow の修道院,デーン人 (Danes) により掠奪される. |
829 | Wessex 王 Egbert, Mercia を征服,7王国を統一する. |
851 | デーン人,イングランドで初めて越冬,London, Canterbury を占領. |
866--71 | デーン人,East Anglia, Northumbria, Mercia を攻略,続いて Wessex に侵入. |
871--99 | Alfred 大王の治世,教会の復興,僧院の建設,学問の復興に努める.教皇 Gregory, Orosius, Boethius の著作を翻訳し,Bede の教会史の OE 訳を提唱,Anglo-Saxon Chronicle の編集を指導する. |
878 | Wedmore 協定,Alfred 王,苦戦の末,侵入者デーン人を破り,London と Chester を結ぶ線の北側をデーンロー (Danelaw) (デーン人の法律が及び,かつ居住を許される地域)とした). |
c890 | Englisch (= English) という語,Bede の OE 訳に初出. |
901--50 | ノルウェー人,アイルランドを経てデーンロー地区へ移住. |
937 | Brunanburh の戦い,Wessex 王 Athelstan,デーン人を破り,英国の統一を確立. |
978 | Ethelred,英国王となる,デーン人の攻略を防げず,"the Unready" (無策王)とあだ名される. |
c990--98 | Ælfric, 司教のための説教集 Homilies や聖徒伝を書いて散文の発達の貢献,OE で初学者用ラテン文法書も書いた. |
991 | Olaf (のち Norway 王),英国に侵攻 (The Battle of Maldon (現存するのは325行)はこのさまを歌ったもの). |
c1000 | Beowulf 写本(当時の文学語 West-Saxon 方言に基づいて筆者),West-Saxon Gospels (West-Saxon 方言による最初の本格的英訳聖書で,6種の写本が残っている). |
1013 | デンマーク王 Svein,英国王 Ethelred を国外に追放,王位を奪う. |
1016 | Svein の息子 Canute,英国王位 (--35) につく(デンマーク王 (1019--35),ノルウェー王 (1028--35) を兼ねる). |
1042 | Ethelred 無策王の息子 Edward,英国王 (--66) となり,デーン人より王位を回復する."the Confessor" (篤信王)と呼ばれ,聖徒に列せられる. |
【ノルマン人の征服】 | |
1066 | Wessex 伯 Harold, Edward を継いで王位につく.Normandy 公 William, Hastings の戦いで Harold を破り,英国王 William I となる (--87) .支配階級はノルマンフランス語を日常語とし,多数のフランス語,英語に流入する. |
1079 | 教皇 Gregory VII, Vulgata 聖書(ラテン語訳)意外の使用を禁止(他の言語への翻訳は異端とみなされた). |
1086 | William I の勅命により,課税のための土地台帳 Domesday Book が完成. |
1087 | William II 即位 (--1100) . |
1096 | 聖地奪還のため第1回十字軍 (--99) .以後約2世紀にわたって第8回(1270年)まで続き,イスラム世界と接触する. |
ME 外面史 | |
1100 | Henry I 即位 (--35) . |
1106 | Henry I, 長兄の領土 Normandy をも英国王の所属とする. |
1135 | Blois 伯 Stephen,英国王となる (--54) . |
1154 | Anjou 伯 Henry,英国王 Henry II となり (--89) ,Plantagenet 王朝始まる (--1399) .この年まで Peterborough の修道院で Anglo-Saxon Chronicle (Laud Manuscript) が書きつがれ,1080年以降の部分の英語は明らかに ME の特徴を示している.(もう一つ重要な写本 Parker Manuscript は1070年で終わっている.) |
1162 | Thomas à Becket, Canterbury 大司教となる.教会の至上権を主張して Henry II と対立. |
1170 | Oxford 大学創立,Thomas à Becket,国王側に暗殺される. |
c1175 | Poema Morale (400行からなる宗教詩,英語で初めての脚韻を用いた). |
1189 | Henry II の第3子 Richard (the Lion-Hearted 獅子心王),英国王となり (--99) ,第3回十字軍を率いる. |
1199 | Henry II の末子 John (Lackland 失地王),英国王となる (--1216) . |
c1200 | Layamon: Brut, Ancrene Riwle 'Rule for Anchoress', Ormulum, The Owl and the Nightingale (いずれもフランス語ではなく,英語 (ie ME) で書かれている点が注目に値する). |
1204 | John 王,フランス王 Philip II と戦って,Normandy および大部分の大陸所領を奪われる. |
1215 | John 王,貴族たちの要求をいれ,Magna Carta に調印. |
1216 | John 王の息子 Henry III,9歳にして即位 (--72) . |
a1225 | King Horn (英国最初の韻文ロマンス).約200のフランス借入語がある. |
【英語の復権】 | |
c1250 | 英国王 Henry III とフランス王 Lous IX に対する英国貴族の二重忠誠終わる. |
1258 | Henry III, 悪政の抑止と政治の改革を求める「オックスフォード条項」 (Provisions of Oxford) を公布(英語とフランス語で書かれている) |
1264 | 「貴族の戦い」 (Baron's War) . Simon de Montfort の率いる貴族たち,Henry III を幽閉し,「オックスフォード条項」の遵守を要求する. |
1265 | 英国下院創設. |
1272 | Henry III の第1子 Edward I 即位 (--1307) .Wales を完全に征服 (-1307) . |
1300 | 英語再び上流階級の第1言語となる. |
1307 | Edward II 即位 (--27) . |
1314 | Edward II, Scotland 王と戦い,敗れる. |
a1325 | Cursor Mundi 「世界を走る者」(北部方言を用い,天地創造から最後の審判までを扱う長編宗教史). |
1327 | Edward III 即位 (--77) |
1337 | 百年戦争 (Hundred Years' War) (--1453) (Edward III が母方の権利によってフランス王位を要求して侵略を開始したため,英仏間で断続的におこなわれた戦争)始まる. |
1348 | 黒死病 (Black Death) ,ヨーロッパ全土に広がり,多数の聖職者が死亡.その後継者養成のため,grammar school が英国各地に設けられる (--50) .労働階級の日常語である英語の重要性が増す.最高の勲位ガーター勲位 (the Order of the Garter) 制定. |
1350 | 英国議会,上下両院に分かれる. |
1356 | London, Middlesex 州法廷で英語の使用始まる. |
1362 | 議会開会演説,初めて英語で行なわれる.訴答法 (Statute of Pleading) により,法廷用語も英語となる. |
c1362 | William Langland, Piers Plowman (寓意的な物語史). |
【宗教改革,聖書英訳】 | |
1374 | John Wyclif の宗教改革運動始まる. |
1377 | Richard II 即位 (--99) (Plantagenet 朝最後の王). |
1381 | Wat Tyler, John Ball らの農民一揆 (Peasants' Revolt) により,彼らの言語である英語の重要性がさらに増す. |
1383 | 最古の英語の遺言状書かれる. |
c1384 | 最初の完訳英語聖書 Wycliffite Bible 完成(Wyclif の指導のもとに公認ラテン語訳聖書 Vulgate から重訳).Wyclif, そのために殉教する. |
1385 | 英語による教育,すべての grammar school で定着する. |
c1387 | Geoffrey Chaucer, The Canterbury Tales (--1400) .Chaucer の全作品のロマンス語の借入語の比率は51.8%. |
1388 | Purvey, Wycliffite Bible を一層慣用的な英語にするべく改訂に着手. |
c1390 | Sir Gawayne and the Grene Knight (西中部方言で書かれた,ME ロマンスの代表的傑作). |
c1393 | John Gower, Confessio Amantis (恋する男の告解)(恋物語を集めたもの).Gower の全語彙のうち,ロマンス借用語は42.1%,本来語派54.9%,ON 借入語は1.9%である. |
c1395 | Wycliffite Bible 後期訳成る. |
1399 | Lancaster 公,Richard II を破り,Henry IV となる(Lancaster 王朝始まる (--1361)). |
1400 | 遺言書,一般に英語で書かれ始める. |
1413 | Henry V 即位 (--22) . |
1415 | Henry V,アジャンクール (Agincourt) でフランスの大群を破り,英国人に自信を与える. |
1423 | 国会の議事録,英語で記される. |
1425 | ロンドン方言が標準的な書き言葉になり,公文書に用いられる. |
1431 | Jeanne d'Arc (1412--) 焚殺される. |
1438 | ドイツの Gutenberg,活字印刷を始める. |
1442 | Henry VI 即位 (--61), York 公 Edward に王位を奪われ,Scotland に亡命する. |
1450 | 諸都市の記録,英語で行なわれる. |
1455 | バラ戦争 (Wars of Roses) 勃発,王位継承をめぐって York 家と Lancaster 家の間で争われた内乱 (--85) . |
1461 | Edward IV 即位 (--70) .York 王朝始まる. |
a1470 | Thomas Malory, Le Morte Darthur (散文による Arthur 王(ケルト人)伝説の集大成.近代初期散文の文体に決定的な影響を与える). |
1470 | Henry VI (Lancaster 家),王位回復 (--71) . |
1471 | Edward IV (York 家),再び王位回復 (--83) . |
1476 | William Caxton, Westminster で英国最初の印刷物出版を始め,標準英語を普及させる. |
1483 | Edward V (York 家),2ヶ月間英国を治めるが,野心家の叔父の Richard, Edward を暗殺し,Richard III (York 家)となる (--85) . |
1485 | Lancaster 家の血を引く Henry Tudor, Richard III と決戦してこれを殺し,Henry VII となる(Tudor 王朝始まる (--1603)). |
1489 | すべての法令,英語で記録される(1300年まではラテン語,それ以後はフランス語であった). |
ModE 外面史 | |
EModE 期 (1500--1700) | |
1500 | ルネッサンス (--1650) .学校教育が普及し,活字印刷の導入によって,古典作品の翻訳が盛んに行われ,正書法も徐々に確立していく.特にラテン語から約1万の語を借入するとともに,強い民族意識に支えられて,英語が学術語トしても使用されるようになった. |
1509 | Henry VIII 即位 (--47) . |
1522 | ドイツの Martin Luther,新約聖書のドイツ語訳を出版. |
1525 | William Tyndale [tìndl],ギリシア語原典より新約聖書を訳し,ドイツで出版.素朴にして雄渾な訳文は,のちの欽定訳英語聖書 (AV) などの手本となった. |
1534 | Henry VIII,ローマ教会と絶縁する.Martin Luther,旧新約聖書のドイツ語訳を完成. |
1535 | Henry VIII, Oxford 大学に古典文学講座を設ける.Coverdale's Bible (旧新約聖書を含むが,Luther 訳や Vulgata 聖書からの重訳であった). |
1536 | Henry VIII,小修道院を破戒,解散し,その土地と財産を没収する.Tyndale,絞首焚刑に処せられる. |
1537 | Matthew Bible (Tyndale 訳と Coverdale 訳をつなぎ合わせたもの). |
1539 | Henry VIII,大修道院を解体(多数の写本・文書が紛失する),The Great Bible (大きな folio 版のため,こう呼ばれた).Coverdale 主幹で完成(最初の英国国教会の公認訳). |
1541 | Henry VIII, King of Ireland の称号をアイルランド議会に承認させる. |
1543 | inkhorn terms (インク壺言葉)という用語の OED における初例.その難解さのゆえに嘲笑,非難された. |
1547 | Henry VIII の第1子 Edward VI, 10歳で即位 (--53) . |
1549 | Edward VI, The Book of Common Prayer を制定(その後,数回の改定を経て1662年版が決定版). |
?1552 | 詩人 Edmund Spenser 生まれる (--99) . |
1553 | Henry VIII と第1夫人の娘 Mary I (Bloody Mary) 即位 (--58) .母と同様カトリック教徒で,英国をカトリック教国に戻そうとして多くの新教徒を処刑する. |
1560 | The Geneva Bible (ジョネーヴに亡命中の Calvin 派の学者たちによる翻訳,正確な訳文は,のちの欽定訳英語聖書に大きな影響を与える). |
1561 | 親切の Merchant Taylors' School の校長 Richard Mulcaster,英語を古典語よりも優先する. |
1564 | 詩人・劇作家 William Shakespeare 生まれる (--1616) . |
1568 | The Bishops' Bible (Canterbury 大主教 Parker を主幹として,The Great Bible を改定したもの). |
1582 | The Rheims-Douai Bible (政府の弾圧を逃れて大陸に亡命中のカトリック教徒が Vulgata 聖書から新訳を重訳したもの).旧約は1609--10年に出版. |
1586 | Bullokar, Bref Grammar for English (最初の英文法書). |
1588 | Drake, Hawkins ら,スペインの無敵艦隊 (Invincible Armada) を撃退,英国の海外進出の道を開く. |
1590--1620 | 英国劇全盛時代. |
1603 | スコットランドの James VI,英国王 James I となり,Stuart 王朝始まる (--1714) .王権神授 (Divine Right) を信じ,カトリック教徒と清教徒を圧迫する. |
1605 | James I に失望したカトリック教徒による,告解を撃破しようとした陰謀事件 (Gunpowder Plot) ,カトリック教徒 Guy Fawkes が首謀. |
1611 | 『欽定訳英語聖書』 (The Authorized Version of the Bible, AV) .本来語が多用され,延語数で約90%,近代英語の文体に大きな影響を与え,引用句辞典でも Shakespeare を抜いて最大の源泉. |
1620 | 102名の清教徒 Pilgrim Fathers,自由の天地を求めて北栄の Cape Cod に上陸.New England の建設に乗り出す. |
1623 | Condell and Heminge, Shakespeare の First Folio を出版. |
1625 | James I の子 Charles I 即位 (--49) .フランス王女と結婚,宮廷にカトリック的・専制的傾向が浸透. |
1631 | 詩人・劇作家・批評家 John Dryden (--1700) 生まれる. |
1636 | Harvard 大学創立. |
1638 | Sir Henry Spelman, Cambridge 大学で Anglo-Saxon 語講座を担当(まもなく廃絶). |
1640 | Ben Jonson,外国人のために The English Grammar を著す. |
1642 | 内乱 (Civil War) が起こる (--51) .Charles I,清教徒を弾圧,専制的で議会を無視したため,全国が王党 (Cavaliers) と議会党 (Roundheads) に分かれて戦った.倫敦の劇場閉鎖. |
【共和制始まる】 | |
1649 | Charles I 処刑され,共和制 (Commonwealth) 始まる (--60) . |
1650 | 理性の時代 (Age of Reason) (--1714) .形式・バランス・抑制・調和・品位・秩序が重んじられる. |
1653 | Oliver Cromwell (1599--1658),護国卿 (Lord Protector) となる. |
【王政復古】 | |
1660 | フランスに亡命中の Charles II (「陽気な王様」 "Merry Monarch")即位,王政復古 (Restoration) 成る.劇場再開. |
1662 | 英国学士院 (Royal Society) 認可(会員に簡潔明晰な表現を要求したので,散文の発達にも貢献). |
1664 | 英国学士院,「英語改良委員会」を設置(John Dryden が最も積極的に働いた). |
1667 | John Milton, Paradise Lost 『楽園喪失』,荘重体を用いて人間の原罪と神の摂理を説く. |
1678 | John Bunyan, The Pilgrim's Progress 『天路歴程』(寓意物語),広く読まれて小説勃興の気運を促す. |
1685 | York 公,James II として即位 (--88) .カトリック教徒で専制的であったため,人心離反し革命を招く. |
1688 | 名誉革命 (Glorious Revolution) .James II は,アイルランドへ逃亡し,王女 Mary と夫 William of Orange (オランダ人)が,Mary II (--1694), William III (--1702) として,共同で王位を継ぐ. |
LModE 期 (1700--1900) | |
【ジャーナリズムの勃興】 | |
1702 | Mary II の妹 Anne 即位 (--14) .“文芸全盛期” (Augustan Age) 始まる (--26) ,Samuel Beckley, 英国最初の日刊新聞 The Daily Courant を創刊 (--35) . |
1704 | Daniel Defoe, A Weekly Review of the Affairs of France and of All Europe を創刊 (--12) . |
1707 | Scotland の議会,England の議会と合流,連合王国 (The United Kingdom of Great Britain) が成立する. |
1708 | ロンドンで coffee-house が全盛期で,その数3000.文学・政治・時事問題などが論じられる. |
1709 | Sir Richard Steele, 週3回発行の刊行物 The Tatler を発行 (--11) . |
1711 | 日刊紙 The Spectator 創刊 (--14) .二人の編者 Addison と Steele の英語は,整然として平明であり,その後の英語の文体に大きく影響した. |
1712 | Swift, "A Proposal for Correcting, Improving and Ascertaining the English Tongue" (アカデミーの提唱). |
1714 | Anne 女王没.Tory 党権力を失い,Whig 党の推す James I の曾孫 Hanover 選挙公 George Louis が,George I として王位につく(今日まで続く Honaver 王朝の始まり).彼はドイツ人で全く英語が話せず,宮廷ではフランス語を使用した.閣議も欠席しがちで,ために内閣の独立性が強まった. |
1721 | Bailey, An Universal Etymological English Dictionary. 難語だけでなく,基本語も収録し,本格的に語源も示した最初の英語辞書.Johnson の事典の基礎となる.増補を続け,1802年まで30版を重ねた. |
1727 | George II 即位 (--60) . |
1731 | 公用語としてのラテン語を全廃する. |
1753 | 大英博物館 (British Museum) 創立. |
1755 | Samuel Johnson, A Dictionary of the English Language. 出典を明示,慣用として行なわれる綴り字を提示し,その固定化に寄与した.この辞典は,英国ではできなかったアカデミーの代わりとしたと言える. |
1760 | George III 即位 (--1820) . |
1762 | Robert Lowth [lauθ], A Short Introduction to English Grammar. 典型的な規範文法で,広く読まれ,米国でも好評を博した. |
1768 | Encyclopaedia Britannica (初版3巻)発刊(第4版 (1801--10) は全20巻). |
1776 | アメリカ合衆国,独立を宣言(7月4日). |
1783 | James Watt, 蒸気機関を発明.続いて産業革命起こる. |
1795 | Lindley Murray, English Grammar. will と shall の使い分け,二重否定,It's me の禁止など,18世紀中葉以来の規範文法の集大成で,19世紀末まで学校文法を風靡した. |
1805 | Nelson 提督,Trafalgar 沖海戦でフランス艦隊を破り,制海権を握る.英国は世界貿易の大部分を制し,英語の威信も高まる. |
1806 | Noah Webster, A Compendious Dictionary of the English Language. のちにアメリカの綴り字として定着する新綴り字法を使用.この辞書の百科辞書的編纂法はアメリカの辞書の伝統となる.最新番は Webster's Third New International Dictionary of the English Language (1961) で,残念ながら百科辞典的傾向が失われてしまった. |
1820 | George IV 即位 (--30) . |
1832 | First Reform Bill (商工業者に選挙権). |
1837 | Victoria 女王即位 (--1901) . |
1861 | アメリカの南北戦争 (Civil Law) (--65) . |
1867 | Second Reform Bill (納税している中流下層部に選挙権). |
1881 | Revised Version (RV) の新約出版.旧約は1885年. |
1884 | The New English Dictionary (NED) Part I (A--Ant) 刊行される(1928年に完成,全10巻).のちに13巻に分けて The Oxford English Dictionary (OED) と改称,Supplement (1933) . |
1884 | Third Reform Bill (小作人に選挙権). |
PE 期 (1900--) | |
1901 | Edward VII 即位 (--10) .The American Standard Version of the Bible (ASV) ,米国で出版. |
1910 | George V 即位 (--36) . |
1914 | 第一次世界大戦 (--18) . |
1928 | Last Reform Bill (女性に選挙権). |
1936 | Edward VIII 即位 (--36) .George VI 即位 (--52) . |
1939 | 第二次世界大戦 (--45) . |
1946 | ASV の改訂版 Revised Standard Version の新約,米国で出版.旧約は1952年. |
1952 | Elizabeth II 即位. |
1961 | The New English Bible (NEB) 新約出版.旧約は1970年.その英語について,各方面からきびしい批判にさらされる. |
1966 | The Jerusalem Bible (各書の解説と注に特色). |
1988 | OED 第2版(20巻)刊行. |
1989 | The Revised English Bible (NEB の全面改定訳).その改訂版 The New Revised English Bible (1990) では,thou, thee などが除去され,性差別表現が回避されている. |
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