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hellog〜英語史ブログ / 2009-11-18

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2009-11-18 Wed

#205. 大母音推移 [gvs][vowel][language_change]

 英語史のなかで最も著名なトピックと思われる大母音推移 ( Great Vowel Shift ) について.GVS はこれまで何十年にもわたって注目され,研究され続けているテーマだが,いまだにその過程や原因について不明な点が多く,英語史最大の謎といってよいかもしれない.大きなトピックなので,今日はひとまず標準的な説明を.
 GVS とは,英語の強勢のある長母音に対して体系的に生じたとされる音声変化である.5W1H で要点をまとめると以下のようになる.

What大母音推移
Whenおよそ1400年〜1700年
Where当時英語の話されていたブリテン島内全域で,異なるタイミング,スピード,一貫性で生じた
Who各方言話者
How強勢のある長母音が一段あるいは二段,上昇した
Whypush chain? drag chain? 社会言語学的な動機付け?


 GVS の過程を母音四辺形[2009-05-17-1]で理解すると,「体系的に生じた」ことがよくわかる.

GVS in Vowel Diagram

 次に,単語のなかで GVS をみてみよう.

GVS 前の発音GVS 後の発音PDE の発音
find/fi:nd//fəɪnd//faɪnd/
keep/ke:p//ki:p//ki:p/
eat/ɛ:t//e:t/ -> /i:t//i:t/
name/na:m//nɛ:m//neɪm/
goal/gɔ:l//go:l//goʊl/
food/fo:d//fu:d//fu:d/
house/hu:s//həʊs//haʊs/


 GVS 後,現在に至るまでの期間にも別の音声変化が起きているため,現代英語の発音の知識だけを頼りにすると GVS の前後の過程がぼやけてくるので,あくまで GVS 直前と直後とで比較されたい.
 注目すべきは,eat のケースである.ここでは,一段ではなく二段の上昇が生じている.もちろん,一段ずつ時間をかけて上がっていったものである.

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最終更新時間: 2018-11-18 19:11

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