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2011年12月の半ばにゼミ学生が提出した卒業論文のタイトルをリストアップする(緩やかな分野別の順序で).2009年,2010年のリストと合わせて,##973,608,266 を参照.
(1) イギリス英語における単数普通名詞と複数普通名詞の頻度 --- 書き言葉と話し言葉のジャンル別観点から ---
(2) 名詞不規則複数形のゆれについての通時的研究
(3) 書き言葉における do/make を用いた複合述語の増加
(4) 近代英語後期における be 完了形の減少
(5) 現代アメリカ英語から見る HELP + 不定詞構文における to 不定詞と原形不定詞 --- 形態と有生性の観点から ---
(6) 味覚形容詞「酸っぱい」と "sour" にみる共感覚表現の日英比較
(7) アメリカにおける性差別に関する PC 表現の変遷
(8) カナダ英語がアメリカ英語に及ぼした語彙における影響
(9) 動詞と共起する「関連」の前置詞 about, over, on における用法の差異
(10) アメリカ英語の綴字改革における Noah Webster の影響力はどの程度のものなのか
(11) 書き言葉の媒体の変化が与える綴り字への影響
(12) 話しことばに現われるジェンダーに隠れた年齢差
(13) インドにおける多様性と統一性 --- インド英語における現地語由来の語彙に現われた特徴 ---
(14) The Identity Problem in Singlish Controversy
昨年度までと同様に,扱われている話題は多岐にわたる.前年度から続く特徴としてはコーパス利用が14件中10件もあることである.授業でコーパスを紹介する際に,テーマによっては卒論での使用も考慮に入れてみては,と述べているのだが,当初の予想よりコーパスへの関心が高い.
分野としては,伝統的な英語学の区分けによれば形態,統語,意味,語用,語彙,語法,綴字の研究があり,音声が見られないくらいである.社会言語学的な関心も目立っており,コーパスにより比較的手軽に扱えるようになってきた英語変種の研究が増えている.地域変種でいえば,英米のほか,カナダ,インド,シンガポールの英語が取り上げられた.
時代でいえば,2件が近代英語に触れているが,それ以外はすべて現代英語である.(11) はインターネット上のデータを用いた最新の Netspeak の考察を含んでおり,現代というよりは現在進行中の話題だ.
これだけテーマに幅があると着いて行くのが大変だが,その過程で私も学べることが多く,楽しいのも事実である.来年度も variation の広さに期待したい.
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最終更新時間: 2024-11-26 08:10
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