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hellog〜英語史ブログ / 2012-12-26

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2012-12-26 Wed

#1339. インドヨーロッパ語族の系統図(上下反転版) [indo-european][family_tree][historiography]

 本ブログでは,印欧語族の系統図をいくつかの形で示してきた.

 ・ [2009-06-17-1]: 「#50. インドヨーロッパ語族の系統図をお遊びで」(Flash版
 ・ [2010-07-26-1]: 「#455. インドヨーロッパ語族の系統図(日本語版)」(Flash版
 ・ [2012-06-16-1]: 「#1146. インドヨーロッパ語族の系統図(Fortson版)」

 今回は,寺澤・川崎 (2--3) の印欧語族系統図を参照した上で,2種類の版を作成してみた.いずれも横長の系統図だが,1つ目は印欧祖語が上に来る通常のタイプ,2つ目は印欧祖語が下に来る通常のタイプである(それぞれ下図をクリックすると拡大版を表示できる).

Indo-European Family Tree with GraphViz
Reversed Indo-European Family Tree with GraphViz

 系統図は系統樹とも呼ばれるが,本来の木は,当然のことながら,下が根で上が梢である.しかし,系統関係を示す系統樹においては,ほとんどの場合,上下が反転しており,上が根で下が梢である.これは,上から下へ時間が流れて行くという我々の時間についての直感に合うために採用されているわけだが,ある意味では歴史的な見方に反している.歴史をみる場合,現在を起点にして過去へ遡って行くというのが自然な動機づけではないだろうか.現在の物事の起源は何かと問うて過去を振り返るのが,歴史に対する関心というものではないだろうか.また,このようにして過去へ遡及してゆくとき,ビッグバンのような宇宙史規模の時間の幅を念頭におくのでない限り,終着点は想定されず,さらなる過去へと常に開かれている.この歴史観や時間観は,現在を一応の終着点とみなす通常の系統図が前提とする歴史観や時間観とはおおいに異なる.
 上に述べた系統図の上下を反転させるという発想と意義は,時間遡及的な英語史を著わした Strang に負っている.印欧語族の見え方も変わってくるのではないか.関連して,「#253. 英語史記述の二つの方法」 ([2010-01-05-1]) を参照.

 ・ 寺澤 芳雄,川崎 潔 編 『英語史総合年表−英語史・英語学史・英米文学史・外面史−』 研究社,1993年.
 ・ Strang, Barbara M. H. A History of English. London: Methuen, 1970.

Referrer (Inside): [2016-02-01-1] [2012-12-27-1]

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最終更新時間: 2019-10-22 18:30

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