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heldio - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2024-12-23 11:02

2023-10-26 Thu

#5295. アルバニア語派とその周辺をめぐって小河舜さんと実況生中継しました --- heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズ [voicy][heldio][hel_education][link][notice][bchel][albanian][indo-european]

 「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]) でご紹介したとおり,Voicy heldio では英語で書かれた英語史の名著をじっくり読み進めていくというオンライン読書会風のシリーズ企画を始めています.有志のリスナーが集う有料配信のシリーズとなっています.
 週に1,2回の配信で1節ずつゆっくり進んでおり,3ヶ月ほどかけて第20節まで進んできています.最新の第20節では,印欧語族のなかの1語派である Albanian 「アルバニア語派」が扱われています.この最新回については,ゲスト講師として小河舜さん(フェリス女学院大学ほか)を招いての特別回として「#877. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (20) Albanian --- 小河舜さんとの実況中継」を無料配信しています.生放送として収録したものをアーカイヴに置いておりますので,そちらからお聴きください.シリーズ企画の雰囲気や,そこで読み進めている英語史書のレベル感なども分かるかと思います.



 第20節は短い英文ということもありますし,シリーズ企画の特別サンプル回という位置づけでもありますので,同節のテキスト全文を以下に掲載しておきます.この長くない文章を種に50分以上お話ししました.

20. Albanian. Northwest of Greece on the eastern coast of the Adriatic is the small language branch named Albanian. It is possibly the modern remnant of Illyrian, a language spoken in ancient times in the northwestern Balkans, but we have too little knowledge of this early tongue to be sure. Moreover, our knowledge of Albanian, except for a few words, extends back only as far as the fifteenth century of our era, and, when we first meet with it, the vocabulary is so mixed with Latin, Greek, Turkish, and Slavonic elements---owing to conquests and other causes---that it is somewhat difficult to isolate the original Albanian. For this reason, its position among the languages of the Indo-European family was slow to be recognized. It was formerly classed with the Hellenic group, but since the beginning of the present century it has been recognized as an independent member of the family.


 本シリーズにご関心を抱かれた方は,ぜひ本書第6版を入手し,ご都合のよいタイミングとペースで読み進めていっていただければと思います.
 ちなみに,今晩6時辺りからも,heldio/helwa で特別ゲストとの対談生放送として,第22節 Italic 「イタリック語派」を配信する予定です.ご都合がつく方は,ぜひライヴでお聴きください.


Baugh, Albert C. and Thomas Cable. ''A History of the English Language''. 6th ed. London: Routledge, 2013.


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2023-10-25 Wed

#5294. 情報構造旧情報, 新情報 [information_structure][pragmatics][discourse_analysis][khelf][syntax][article][khelf-conference-2023][seminar][hel_education][voicy][heldio][notice]

 昨日の Voicy heldio にて「#873. ゼミ合宿収録シリーズ (7) --- 情報構造入門」を配信しました.khelf (慶應英語史フォーラム)のメンバー3名による収録で,ご好評いただいています(ありがとうございます).「桃太郎」を題材に,情報構造 (information_structure) という用語・概念の基本が丁寧に解説されています.



 情報構造に関する基本的事項の1つに,「旧情報」 (given information) と「新情報」 (new information) の対立があります.談話は原則として,話し手と聞き手にとって既知の旧情報の提示に始まり,その上に未知の新情報を加えることで,段階的に共有知識が蓄積されていきます.つまり,旧情報→新情報と進み,次にこの蓄積全体が旧情報となって,その上に新情報が積み上げられ,さらにこれまでの蓄積全体が旧情報となって次の新情報が加えられる,等々ということです.
 Cruse の用語辞典より "given vs new information" (74--75) の項目を引用します.

given vs new information These notions are concerned with what is called the 'information structure' of utterances. In virtually all utterances, some items are assumed by the speaker to be already present in the consciousness of the hearer, mostly as a result of previous discourse, and these constitute a platform for the presentation of new information. As the discourse proceeds, the new information of one utterance can become the given information for subsequent utterances, and so on. The distinction between given and new information can be marked linguistically in various ways. The indefinite article typically marks new information, and the definite article, given information: A man and a woman entered the room. The man was smoking a pipe. A pronoun used anaphorically indicates given information: A man entered the room. He looked around for a vacant seat. The stress pattern of an utterance can indicate new and given information (in the following example capitals indicate stress):

   PETE washed the dishes. (in answer to Who washed the dishes?)
   Pete washed the DISHES. (in answer to What did Pete do?)

Givenness is a matter of degree. Sometimes the degree of givenness is so great that the given item(s) can be omitted altogether (ellipsis):

   A: What did you get for Christmas?
   B: A computer. (The full form would be I got a computer for Christmas.)


 談話は旧情報の上に新情報を付け加えることで流れていく,という情報構造の基本事項を導入しました.

 ・ Cruse, Alan. A Glossary of Semantics and Pragmatics. Edinburgh: Edinburgh UP, 2006.

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2023-10-24 Tue

#5293. ギリシア語派の解説 --- heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズ [voicy][heldio][hel_education][link][notice][bchel][hellenic][greek][khelf][indo-european]



 一昨日の hellog 記事「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]) でもお伝えしましたが,目下 Voicy heldio によるオンライン読書会シリーズに力を入れているところです.ウェブ時代の新スタイルの読書会・勉強会として,とてもおもしろい試みになっているという実感があります.参加者は今のところ20名程度ですが,読んでいる本のサイズを考えると理屈上は向こう数年間にわたって続いていくシリーズ企画ということもあり,これからメンバーがゆっくりと少しずつでも増えていくと楽しそうだなと夢想しています.毎回200円の有料配信ですが,第1チャプターは試聴可能となっています.
 最新回は,昨日アップされた上記の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (19) Hellenic」です.毎週1,2回,指定の英語史書をゆっくりと1節ずつ読み進めていくという企画で,7月に開始したばかりなので,昨日ようやく第19節にたどり着いたところです.英語史といえど,まだ英語の歴史に本格的に入る前の段階で,印欧語族を構成する各語派を概説しているところです.その1つがギリシア語派ということになります.
 今回はテキストに沿ってあくまで印欧語族のなかのギリシア語派を紹介しているのですが,この語派(とりわけギリシア語そのもの)の英語史上の意義については,さほどお話ししていません.ギリシア語については本ブログで greek の記事群にて多く取り上げてきましたが,ギリシア語の英語史上のエッセンスを箇条書きすれば,次の4点となるでしょうか.

 ・ 古典ギリシア語は『新訳聖書』の言語である.
 ・ ギリシア語とギリシア文明は,現代まで続く西洋文明の基礎を形成する.そこから,英語自体が拠って立つのも究極的にはギリシア語とギリシア文明といってよい側面がある.
 ・ ギリシア語は,ラテン語に多大な影響を与え,ラテン語はフランス語に影響を与え,フランス語は英語に影響を与えてきた.ギリシア語が英語史上重要であるのはこのような事情による.
 ・ ギリシア語は古代・中世・近現代を通じて,上記の歴史的経緯により汎ヨーロッパ的な威信言語とみなされてきた.現代でもとりわけ学術の分野では,国際的な学名や学術用語は,しばしばギリシア語要素によって作られる (cf. 新古典主義的複合語 (neo-classical compounds)).現代の最たる国際語である英語も,その伝統と要素を多分に受け継いでいる.

 ギリシア語に関連した Voicy heldio の配信回としては 「#137. 英語とギリシア語の関係って?」もお聴きください.



 なお,今晩19:30~20:00の間に,こちらの Voicy heldio にてゲストを招いての生放送を配信する予定です.その内容は,テキストの次の節「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (20) Albanian」を題材とした初の「オンライン読書会生実況中継」(?)となる予定です.今回に関しましては,放送回の概要欄などにテキストも添付しますのでライヴあるいはアーカイヴにてお気軽にお聴きいただければ.
 このように一風変わったオンライン読書回シリーズですが,関心のある方はぜひ覗いていただければ.精読しているテキストは,こちらの Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013. です.名著であることは保証します.


Baugh, Albert C. and Thomas Cable. ''A History of the English Language''. 6th ed. London: Routledge, 2013.


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2023-10-22 Sun

#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます [voicy][heldio][hel_education][link][notice][bchel]


Baugh, Albert C. and Thomas Cable. ''A History of the English Language''. 6th ed. London: Routledge, 2013.



 今年の7月17日に開始した Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」でのシリーズ企画が,毎週1~2回のペースで順調に進んでいます.Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013. という著名な英語史の本を,原文で毎回1セクションずつゆっくり精読していくというオンライン読書会です.英語の文章の1文1文を精読していくわけではないのですが,表現や文法の気になる点を指摘して厳密に解釈したり,セクションの内容について英語史の観点から深掘りするなど,テキストを元にして縦横無尽に「英語史する」企画です.シリーズ開始時の記事「#5205. Baugh and Cable の英語史概説書を1節ずつ読み進めながら Voicy heldio で自由にコメントしていく試みを始めています」 ([2023-07-28-1]) をご参照ください.
 おかげさまで,ゆっくりペースながらも第18節の "Armenian" までたどり着いています(こちらの最新回は昨日より配信されています.さらにこの回は比較的短いこともあり,特別にサンプル回として該当節のテキスト全文を概要欄に載せています).また,シリーズへの参加メンバーも夏の間にじわじわと増えてきており,毎回の配信のコメント欄を通じてメンバー間のやりとりも行なわれるようになってきています.各回は有料配信ですが,第1チャプターは常に試聴可能となっていますので,関心のある方は雰囲気をご確認いただければと思います(料金はウェブブラウザ経由で200円なのに対して,Voicy アプリ経由では320円と手数料により割高となりますので,ぜひ前者からどうぞ).
 本ブログ hellog や Voicy heldio などを通じて英語史への関心が湧いた方や,しっかりと書かれた英語で英文解釈力を鍛えたい方にはお薦めのオンライン読書会シリーズとなっています.実際,よく書かれた英語で精読対象としてふさわしい英文ですので,この点は保証します(精読の練習には,対象が良い英文であることが絶対の条件です).
 読書会なのでB&Cのテキストが手元にないと参加しにくいという事情はあるかと思います.ぜひ上記よりご購入くださるか,あるいは古書や図書館での入手も結構かと思います.これから入手される場合には,改訂が重ねられてきた本であることに注意し,最新版である第6版を手に取っていただければと思います.オンライン読書会では第6版をベースに読み進めています.ただし,先立つ第5版などしか入手できないという場合でも,内容把握には大きな問題はありませんし,私自身の手元にも第5版や第4版がありますので,必要に応じて異同を確認できます.オンライン読書会の長所を活かし,メンバー間でインタラクティヴに「精読交流」もできますし,各自ご都合のよいタイミングとペースで無理なく読み進められるのもメリットかと思います.参加メンバーからの要望を受け,今後はたまに生実況回やゲスト講師を招いての精読回などもやってみようかとも企画中です.
 以下,過去18回のラインナップです.第1回(第1節)の "The History of the English Language as a Cultural Subject" については,第6版からのテキスト全文を本ブログの「#3641. 英語史のすゝめ (1) --- 英語史は教養的な学問領域」 ([2019-04-16-1]) に掲載していますので,テキストをお持ちでない方も,そちらを参照して追いかけることができます.

 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (1) The History of the English Language as a Cultural Subject」



 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (2) Influences at Work on Language」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (3) Growth and Decay」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (4) The Importance of a Language」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (5) The Importance of English」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (6) The Future of the English Language: Demography」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (7) External and Internal Aspects of English」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (8) Cosmopolitan Vocabulary」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (9) Inflectional Simplicity」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (10) Natural Gender」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (11) Language Constantly Changing」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (12) Dialectal Differentiation」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (13) The Discovery of Sanskrit」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (14) Grimm's Law」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (15) The Indo-European Family」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (16) Indian」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (17) Iranian」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (18) Armenian」
 (以下,後記)
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (19) Hellenic」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (20) Albanian --- 小河舜さんとの実況中継」(←この回は対談形式で特別無料配信となっています)
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (21) Italic --- Taku さんとの実況中継(前半)」(←この回は対談形式で特別無料配信となっています)
    - 「【英語史の輪 #46】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (21) Italic --- Taku さんとの実況中継(後半)」
    - 「【英語史の輪 #47】最後にダメ押し,Taku さんとの実況中継第3弾 --- 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (21) Italic」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (22) Balto-Slavic」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (23) Germanic」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (24) Celtic --- 和田忍先生との実況中継(前半)」(←この回は対談形式で特別無料配信となっています)
    - 【英語史の輪 #52】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (24) Celtic --- 和田忍先生との実況中継(後半)」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (25) Twentieth-century Discoveries」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (26) The Home of the Indo-Europeans --- khelf 藤原くんとの実況中継 1/3」(←この回は対談形式で特別無料配信となっています)
    - 「【英語史の輪 #57】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (26) The Home of the Indo-Europeans -- khelf 藤原くんとの実況中継 2/3」
    - 「【英語史の輪 #58】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (26) The Home of the Indo-Europeans -- khelf 藤原くんとの実況中継 3/3」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (27) The Languages in England before English」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (28) The Romans in Britain」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (29) The Roman Conquest」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (30) Romanization of the Island」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (31) The Latin Language in Britain」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (32) The Germanic Conquest --- Taku さんとの実況中継(前半)」(←この回は対談形式で特別無料配信となっています)
    - 「【英語史の輪 #65】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (32) The Germanic Conquest --- Taku さんとの実況中継(後半)」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (33) The Anglo-Saxon Civilization」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (34) The Names "England" and "English"」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (35) The Origin and Position of English」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (36) The Periods in the History of English」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (37) The Dialects of Old English」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (38) Old English Pronunciation」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (39) Old English Vocabulary」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (40) Old English Grammar」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (41) The Noun」
 ・ 「#983. B&Cの第42節「文法性」の対談精読実況生中継 with 金田拓さんと小河舜さん」(←この回は対談形式で特別無料配信となっています)
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (43) The Adjective」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (44) The Definite Article」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (45) The Personal Pronoun」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (46) The Verb」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (47) The Language Illustrated」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (48) The Resourcefulness of the Old English Vocabulary」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (49) Self-explaining Compounds」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (50) Prefixes and Suffixes」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (51) Syntax and Style」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (52) Old English Literature」(←この回は対談形式で特別無料配信となっています)
    - 「【英語史の輪 #146】 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (52) Old English Literature --- 和田忍さんとの実況中継(後半)」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (53) Contact of English with Other Languages」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (54) The Celtic Influence」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (55) Celtic Place-Names and Other Loanwords」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (56) Three Latin Influences on Old English」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (57) Chronological Criteria」(←この回は「英語史ライヴ2024」での対談精読実況生中継により特別無料配信となっています)
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (58) Continental Borrowing (Latin Influence of the Zero Period)」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (59) Latin through Celtic Transmission (Latin Influence of the First Period)」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (60) Latin Influence of the Second Period: The Christianizing of Britain」
    - 「#1270. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (60-1) Latin Influence of the Second Period --- 対談精読実況中継」
    - 「#1274. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (60-2) Latin Influence of the Second Period --- Taku さん対談精読実況中継」
 (後記ここまで)

 以下,リスナーの方々からの反応をいくつか挙げてみます.

 ・ 堀田先生,最高の企画をありがとうございます.学部・院時代が恋しくなりました.週1ペースだと5年ぐらいか…と思うとこれからの5年間が楽しみになりました
 ・ 夢のような企画,待っていました! 始まったばかりだというのに,もう次が待ち遠しいです.
 ・ 英語史の素養のない自分についていけるかなと一瞬躊躇しましたが,英語史は教養であるとの言葉に背中を押されて,本の注文ボタンもポチっと押しました.ありがとうございます.
 ・ 堀田先生,素敵な企画をありがとうございます! 先生の Voicy は楽しく拝聴しておりましたが,自分で英語で英語史の本を読むとなると,はて,読めるだろうか,と不安に感じながらも本をポチりました.
 ・ はじめまして.Twitterで見つけまして,本が届きましたので,今日より本を読んでいきたいと思います.自分も続けられるか自信がないですが,ゆっくり,歩んでいきたいと思います.宜しくお願いします!
 ・ 1セクションずつですと,熟読できて良いペースだと思います!
 ・ インタラクティブに読む!おおいに共感!本をお金を払ってまで所有する動機の一つは書き込み.
 ・ 1節に3時間かけて読んでます.超精読,とてもありがたいです.有料が妥当だと思います.私自身,体調不良が続き,皆さんからだいぶ遅れてしまいましたが,コツコツついてゆこうと思います.
 ・ 途中で脱落しそうになりましたが,やはり自分1人の読みですと気付けないことが多々あるので,ついて行けるよう少しずつ追いかけます!

 ぜひともに楽しく英語史を学び,英文解釈力をつけていきましょう!

 ・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.

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2023-10-20 Fri

#5289. 名前に意味はあるのか? [name_project][onomastics][voicy][heldio][personal_name][toponymy][semantics][pragmatics]

 名前学あるいは固有名詞学 (onomastics) の論争の1つに,標題の議論がある.はたして名前に意味があるのかどうか.この問題については,私も長らく考え続けてきた.「#5197. 固有名に意味はあるのか,ないのか?」 ([2023-07-20-1]) を参照されたい.(Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪 (helwa)」(有料)では「【英語史の輪 #15】名前に意味があるかないか論争」として議論している.)
 Nyström (40--41) は,固有名詞には広い意味での「意味」があるとして,"the maxium meaningfulness thesis" に賛同している (40) .以下に Nyström の議論より,最も重要な節を引きたい.

Do names have meaning or not, that is do they have both meaning and reference or do they only have reference? This question is closely connected to the dichotomy proper name---common noun (or to use another pair of terms name--appellative) and also to the idea of names being more or less 'namelike', showing a lower or higher degree of propriality or 'nameness'. Can a certain name be a more 'namelike' name than another? I believe it can. To support such an assertion one might argue that a name is not a physical, material object. It is an abstract conception. A name is the result of a complex mental process: sometimes (when we hear or see a name) the result of an individual analysis of a string of sounds or letters, sometimes (when we produce a name) the result of a verbalization of a thought. We shall not ask ourselves what a name is but what a name does. To use a name means to start a process in the brain, a process which in turn activates our memories, fantasy, linguistic abilities, emotions, and many other things. With an approach like that, it would be counterproductive to state that names do not have meaning, that names are meaningless.


 「名前とは何か」という問いよりも「名前は何をするものか」という名前の役割を問うことが重要なのではないか,というくだりには目から鱗が落ちた.この話題,これからも取り上げていければと.

 ・ Nyström, Staffan. "Names and Meaning." Chapter 3 of The Oxford Handbook of Names and Naming. Ed. Carole Hough. Oxford: OUP, 2016. 39--51.

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2023-10-19 Thu

#5288. 「イギリスとケルトの英語」 --- 大石晴美(編)『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年)の第1章 [voicy][heldio][review][notice][world_englishes][celtic][scots_english][wales][irish_english][hel_education][we_nyumon][variety]


大石 晴美(編) 『World Englishes 入門』 昭和堂,2023年.



 このブログでもすでに何度か紹介している新刊書『World Englishes 入門』の第1章「イギリスとケルトの英語」を執筆された和田忍先生(駿河台大学)と,直接対談する機会を得ました.一昨日の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」にて配信しました.「#869. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 和田忍さんとの対談」です(15分ほどの音声コンテンツ).ぜひお聴きいただければ.



 本書は文字通り世界英語 (world_englishes) に関する本ですが,その礎となる第1章は,実は凝縮された英語史概説となっています.つまり,古英語期以前から近代英語までを要領よくカバーした,18ページほどの英語史入門として読めるということです.
 世界英語入門を謳う本書を手に取る読者の多くは,英米以外の英語の諸変種,例えばインド英語,シンガポール英語,ジャマイカ英語などの状況についてとりわけ知りたいと思っているのではないでしょうか.そのような読者にとっては,伝統的かつ主流派に属する英語変種であるイギリス英語やアメリカ英語には,むしろあまり関心が湧かないということもあるかと思います.
 しかし,なぜ世界英語がこのように多様なのかという本質的な謎を解くためには,英語がたどってきた歴史の理解が欠かせません.その礎として,英語史の概略的な知識がぜひとも必要になります.第1章は,そのような位置づけとして読めるのではないかと思います.
 しかも,単なる「イギリスの英語」ではなく「イギリスとケルトの英語」と「ケルト」がタイトルに添えてあるのが,心憎い演出です.英語は主に近代以降にイギリスの植民地支配を通じて世界展開していきますが,すでにその千年以上前から,ケルト人が住まっていたブリテン諸島において植民地支配の練習のようなことが行なわれていたからです.第1章は近代以降の英語の世界展開のミニチュア版を示してくれている --- そのような読み方が可能です.また,英語が歴史的に言語接触の多かった言語であることもよく分かる章となっています.
 以下,第1章のなかの小見出しとコラムを挙げておきます.



1 英語のおこり --- 古代から中世末期まで
   (1) ブリトン人とローマン・ブリテン
   (2) ゲルマン人の襲来と英語のおこり
   (3) ヴァイキングとノルマン・フレンチの影響
   コラム ケルト文化の英語への影響
2 世界に広がる英語の原点 --- 近代英語以降
   (1) 大母音推移とシェイクスピアの英語
   (2) 辞書と文法書の発展
   コラム ヴァイキングのことばの影響 --- 古ノルド語と英語の姉妹語
   (3) 英語語彙の拡充
3 イングランド地域の英語
   (1) 容認発音
   (2) イングランド南部の英語 --- ロンドン近郊の英語から
   (3) イングランド北部の英語 --- 南部の英語との比較から
   コラム 大母音推移による音の変化
4 ケルト地域の英語
   (1) ケルト地域とは
   (2) スコットランドの英語
   (3) ウェールズの英語
   (4) アイルランドの英語




 ・ 大石 晴美(編) 『World Englishes 入門』 昭和堂,2023年.

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2023-10-18 Wed

#5287. YouTube で OED を紹介しています [oed][youtube][notice][link][lexicography][voicy][heldio]

 日曜日に配信した YouTube の「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」の最新回は「#171. OED(オクスフォード英語辞典 --- Oxford English Dictionary)の特徴まるわかり!」です.本ブログでも何度となく登場している,世界最強の英語辞典 OED を一から導入しています.14分ほどの対談動画です.「OED ってよく聞くけど何?」という方は,ぜひご覧ください.画面の背景に OED 第2版の全20冊が並んでいます.



 本ブログには OED の様々な側面を紹介する記事も多いですし,OED を実践的に用いて調査し執筆した記事も少なくありません(cf. oed の記事群を参照).今回の YouTube は OED とは何かという導入動画でしたので,同様にイントロ風の趣旨で執筆した記事,および Voicy heldio 配信回へのリンクを一覧しておきます.

 ・ 「#304. OED 制作プロジェクトののろし」 ([2010-02-25-1])
 ・ 「#638. 国家的事業としての OED 編纂」 ([2011-01-25-1])
 ・ 「#644. OED とヨーロッパのライバル辞書」 ([2011-01-31-1])
 ・ 「#898. OED2Web3 の比較対照表」 ([2011-10-12-1])
 ・ 「#2451. ワークショップ:OED Online に触れてみる」 ([2016-01-12-1])
 ・ 「#3544. 英語辞書史の略年表」 ([2019-01-09-1])
 ・ 「#4122. 物凄いツールが現われた --- OED Text Visualizer (beta)」 ([2020-08-09-1])
 ・ 「#4130. 英語語彙の多様化と拡大の歴史を視覚化した "The OED in two minutes"」 ([2020-08-17-1])
 ・ 「#4131. イギリスの世界帝国化の歴史を視覚化した "The OED in two minutes"」 ([2020-08-18-1])
 ・ 「#4133. OED による英語史概説」 ([2020-08-20-1])
 ・ 「#4141. 1150年を越えて残らなかった古英語単語は OED から外されている」 ([2020-08-28-1])
 ・ 「#4172. 映画『博士と狂人』の原作者による OED 編纂法の紹介文」 ([2020-09-28-1])
 ・ 「#4198. 映画『博士と狂人』を観ました」 ([2020-10-24-1])
 ・ 「#5220. OED と World Englishes」 ([2023-08-12-1])

 ・ heldio 「#503. OED は歴史的原則にもとづく辞書」(2022年3月2日配信)
 ・ heldio 「#275. どれだけ長くかかっているのよ,OED の編纂?」(2022年3月3日配信)

 上記にもありますが,OED 編纂をめぐる映画『博士と狂人』(原題 The Professor and the Madmanは必見です.
 また,「#5158. 家入葉子・堀田隆一著『文献学と英語史研究』(開拓社,2023年)を改めて紹介します」 ([2023-06-11-1]) で紹介した『文献学と英語史研究』の第2章1.1節では,研究ツールとしての OED について詳しく紹介しています.

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2023-10-17 Tue

#5286. 千葉慶友会で「英語はこんなにおもしろい」をお話ししてきました [notice][voicy][heldio][keiyukai][senbonknock][sobokunagimon][silent_letter][complementation][gerund][infinitive][impersonal_verb]

 先週末の10月14日(土)の午後,船橋の某所で開催された千葉慶友会の講演会にて「英語学習に役立つ英語史 --- 英語はこんなにおもしろい」をお話ししました.事前の準備から当日のハイブリッド開催の運営,そして講演会後の懇親会のアレンジまで,スタッフの皆さんにはたいへんお世話になり,感謝しております.ありがとうございました.とりわけ懇親会では千葉慶友会内外からの参加者の皆さんと直接お話しすることができ,実に楽しい時間でした.
 90分ほどの講演の後,その場で続けて Voicy heldio の生放送をお送りしました.前もって運営スタッフの方々と打ち合わせしていた企画なのですが,事前に参加予定者より「英語に関する素朴な疑問」を寄せていただき,当日の投げ込み質問も合わせて,私が英語史の観点から回答していくのを heldio でライヴ配信しようというものです.
 そちらの様子は,昨日 heldio のアーカイヴにて「#868. 千葉慶友会での「素朴な疑問」コーナー --- 2023年10月14日の生放送」として配信していますので,お時間のあるときにお聴きください(1時間弱の長尺となっています).



 6件ほどの素朴な疑問にお答えしました.以下に分秒を挙げておきますので,聴く際にご利用ください.

 (1) 02:25 --- 外国語からカタカナに音訳するときに何かルールはありますか.この質問をする理由は,例えば本によって「フロベール」だったり「フローベール」だったりすることがあるからです.また,カタカナを英語らしく発音するコツはありますか.
 (2) 14:43 --- 英語の「パラフレーズ」の歴史的遷移について,なにか参考資料をご存知でしたら教えていただければ嬉しいです.Academic Writing を勉強している途中で興味を持ちました.
 (3) 21:34 --- 英単語には island など読まない文字があるのはなぜですか?
 (4) 30:43 --- 世界における言語の多様性の問題,および諸言語は今後どのように展開(分岐か収束か)していくのかという問題
 (5) 39:05 --- 動詞によって目的語に -ing をとるか to 不定詞をとるかが決まっているのはなぜですか?
 (6) 44:05 --- なぜ英語には無生物主語構文があるのですか?

 時間内に取り上げられたのは6件のみですが,他にも多くの疑問をいただいていましたので,いずれ hellog/heldio で取り上げたいと思います.
 実は慶友会の講演と絡めての Voicy heldio ライブの千本ノックは初めてではありません.同様の雰囲気をさらに味わいたい方は,3ヶ月半ほど前の「#5179. アメリカ文学慶友会での千本ノック収録を公開しました」 ([2023-07-02-1]) もご訪問ください.

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2023-10-09 Mon

#5278. 久しぶりの千本ノック収録を公開しています [notice][voicy][heldio][sobokunagimon][senbonknock]

 10月5日(木)の午前11時過ぎより,事前に大学生より寄せられた英語に関する素朴な疑問に英語史の観点から回答する「千本ノック」 (senbonknock) のイベントを開催しました.その様子は Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の生放送でお届けしましたが,収録した音源をアーカイヴにも残してあります.「#859. 10月5日の「英語に関する素朴な疑問 千本ノック」生放送」です.60分ほどの長さですので,お時間のあるときにお聴きください.



 いずれもすぐれた「素朴な疑問」でした.疑問の抱き方が大事ですね.今回は10件の質問に回答しました.以下に本編(第2チャプター)の分秒を挙げておきます.

 (1) 01:00 --- なぜ疑問文の最後に ? をつけるのか.
 (2) 06:08 --- 人称代名詞について単数形と複数形では I → we,he/she/it → they と変わるのに,you は複数形になっても変わらないのはなぜか.また,なぜ3人称の複数形では同じ they になるのか.
 (3) 15:54 --- なぜイギリス英語とアメリカ英語で綴字が違うものがあるのか.同じ綴字を使ったほうが便利ではなかったのか.
 (4) 21:50 --- なぜ Good morning. というのか.
 (5) 25:44 --- なぜ英語ではアルファベットしか用いられないのか.
 (6) 35:17 --- なぜ be 動詞は主語によって使い分けるのか.
 (7) 39:45 --- なぜ Wednesday の d はなぜ発音しないのか.
 (8) 44:10 --- なぜ不定冠詞 a は「エイ」と発音することがあるのか.
 (9) 47:53 --- なぜ形容詞は名詞の後ではなく前につくのか.
 (10) 52:29 --- doctor はなぜ or で終わるのか.

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2023-10-08 Sun

#5277. よく聴かれている heldio 配信回20選 [voicy][heldio][helwa][notice]

 本ブログの姉妹編というべき,毎朝6時に配信している Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」.おかげさまで2年5ヶ月ほど続いています.今年6月からはプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪 (helwa)」も開始しており,この10月からは週3回(火木土)の午後6時に配信しています.通常配信と有料配信を含めた全配信回の一覧はこちらからどうぞ.
 通常配信のなかから,とりわけよく聴かれている上位20回をご案内します.話題に広がりもありますので,この20回を流し聴きするだけでも,英語史の魅力が伝わるのではないかと思います.週末のゆったりした時間に,ぜひ耳からの学びを!

 1. 「#333. 英語には借用語がやたらと多い!英語語彙にまつわる統計あれこれ」
 2. 「#354. long と short は対等な反対語ではない?」
 3. 「#318. can't, cannot, can not ー どれを使えばよいの?」
 4. 「#322. butter, cheese, pepper ー 大陸時代に英語に入っていたラテン単語たち」
 5. 「#338. fine と finish は同語源 --- 鍵は「切り裂く」!?」
 6. 「#326. どうして古英語の発音がわかるのですか?」
 7. 「#319. employee の ee って何?」
 8. 「#390. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック --- Part 7」
 9. 「#336. 18世紀半ばに英文法を作り上げた Robert Lowth とはいったい何者?」
 10. 「#391. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック --- Part 8」
 11. 「#317. dream, bloom, dwell ー 意味を借りた「意味借用」」
 12. 「#331. 長い間英語には標準語がなかったって本当!?」
 13. 「#384. morning 「朝」と mourning 「喪」は語源的に無関係」
 14. 「#410. 「腕」 arm と「武器」 arms の関係」
 15. 「#440. なぜ oneteen, twoteen ではなく eleven, twelve というの?」
 16. 「#340. second, sect, sequence, sue, suit はすべて同語根!」
 17. 「#353. 反対語っていろいろあっておもしろい!」
 18. 「#522. many times ではなく many a time って何?」
 19. 「#325. なぜ世界の人々は英語を学んでいるの?」
 20. 「#653. 軽快な英語文化史エッセイ集『英文学者がつぶやく英語と英国文化をめぐる無駄話』の紹介」

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2023-10-01 Sun

#5270. Voicy heldio の近況 --- 5000フォロワー突破 [voicy][heldio][helwa][hel_education]

 昨日の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」で「#852. 5000フォロワー突破記念 --- 実はこの回路が知られていない!英語の素朴な疑問といえば英語史なんです!を配信しました.



 メインタイトルに掲げた通り,先週中,同チャンネルのフォロワー数が5000人に到達しました.リスナーの皆さん,日々ご愛聴とご支援をいただきましてありがとうございます.英語の語源話を入り口として「英語史」というマイナーな領域に関心を寄せていただき感謝いたします.リスナーさんのなかには,積極的に英語史活動(hel活)にご協力してくださる方も少なからずいらっしゃり,大きな力を感じています.
 5000フォロワー突破の機会に,リスナーの皆さんがどのようなきっかけで heldio を聴き始めたか(そして聞き続けているか)かをうかがっています.上記配信回のコメント欄を通じて,あるいは匿名回答をご希望の方はこちらの Google Forms より,聴き始めたきっかけをお知らせいただけますと幸いです.今後の heldio でのhel活のために参考にしたいと思います.




 heldio を,この2年4ヶ月のあいだ毎朝6時に配信してきました.また,4ヶ月ほど前にプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪 (helwa)」も開始しました.こちらは毎週火・金の午後6時に配信している有料チャンネルで,すでに40人超のリスナーの方々に参加いただいています.helwa 内部では,限定生放送,企画の提案,オフ会などを通じた活発なhel活が繰り広げられています.
 さて,音声メディアでの発信活動は,一般にゆっくりとしか成長しないといわれています.テキストや動画のSNSに比べて音声メディア市場がそもそも小さいこと,たとえ10分の配信だとしても離脱率が高いこと,「バズる」ことが滅多にないことなどが背景にあります.
 一方,音声メディアは耳だけあればよく目を奪わないこと,「ながら聴き」も可能で寝ている時間以外はすべて可処分時間であること,発信者にとっても発信(継続)に関わる負担が比較的少ないことなどのメリットがあります.
 Voicy パーソナリティには,Voicy 社からリスナーさんの視聴行動に関する分析ツールが提供されています.そのアナリティクスを参考に,heldio の近況を10月1日付けの数字でお伝えします.

 ・ 総放送数(有料放送を含む):943回
 ・ 週平均放送:11回
 ・ 累計リスナー:24万8千人
 ・ 総再生時間:5万時間超
 ・ 総コメント数:6500件超
 ・ リスナーの職業別ボリュームゾーン:会社員が46%
 ・ リスナーの世代別ボリュームゾーン:30--50代が73%
 ・ リスナーの性別統計:男性51%,女性37%,その他12%
 ・ 最もよく聴かれている曜日:火,水,木曜日
 ・ 最もよく聴かれている時間帯:午前6--8時台
 ・ 最も人気のある放送10選:Voicy の定義(ユニークリスナーに基づく)による「人気の放送」によれば以下の通り:

  1. 「#1. なぜ A pen なのに AN apple なの?」
  2. 「#2. flower (花)と flour (小麦粉)は同語源!」
  3. 「#3. 「塵も積もれば山となる」に対応する英語の諺」
  4. 「#408. 自己紹介:英語史研究者の堀田隆一です」
  5. 「#4. harassment のアクセントはどこに置けばいいの?」
  6. 「#6. なぜ月曜日 Monday はムーンデイではなくマンデイなの?」
  7. 「#7. なぜ one と書いてオネではなくてワンなの?」
  8. 「#5. meat のかつての意味は[[「食物」一般だった!」
  9. 「#705. ゆる言語学ラジオにお招きいただき初めて出演することに!」
  10 「#88. なぜ否定語が文頭に来ると VS 語順になるの?」

 以上です.Voicy heldio,これからもよろしくお願いします!

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2023-09-24 Sun

#5263. 10月7日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第3回「中英語の綴字 --- 標準なき繁栄」 [asacul][notice][writing][spelling][orthography][me][standardisation][me_dialect][norman_conquest][link][voicy][heldio]

 約2週間後の10月7日(土)の 15:30--18:45 に,朝日カルチャーセンター新宿教室にてシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第3回となる「中英語の綴字 --- 標準なき繁栄」が開講されます.


10月7日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第3回「中英語の綴字 --- 標準なき繁栄」



 今回の講座は,全4回のシリーズの第3回となります.シリーズのラインナップは以下の通りです.

 ・ 第1回 文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり(春・4月29日)
 ・ 第2回 古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ(夏・7月29日)
 ・ 第3回 中英語の綴字 --- 標準なき繁栄(秋・10月7日)
 ・ 第4回 近代英語の綴字 --- 標準化を目指して(冬・未定)

 これまでの2回の講座では,まず英語史以前の文字・アルファベットの起源と発達を確認し,次に古英語期(449--1100年)におけるローマ字使用の実際を観察してきました.第3回で注目する時期は中英語期(1100--1500年)です.この時代までに英語話者はローマ字にはすっかり馴染んでいましたが,1066年のノルマン征服の結果,「標準英語」が消失し,単語の正しい綴り方が失われるという,英語史上でもまれな事態が展開していました.やや大げさに言えば,個々の英語の書き手が,思い思いに好きなように単語を綴った時代です.これは秩序崩壊とみればネガティヴとなりますが,自由奔放とみればポジティヴです.はたしてこの状況は,後の英語や英語のスペリングにいかなる影響を与えたのでしょうか.英語スペリング史において,もっともメチャクチャな時代ですが,だからこそおもしろい話題に満ちています.講座のなかでは中英語原文も読みながら,この時代のスペリング事情を眺めてみたいと思います.
 講座の参加にご関心のある方は,ぜひこちらのページよりお申し込みください.対面のほかオンラインでの参加も可能です.また,参加登録された方には,後日見逃し配信としてアーカイヴ動画へのリンクも送られる予定です.ご都合のよい方法でご参加ください.全4回のシリーズものではありますが,各回の内容は独立していますので,単発でのご参加も歓迎です.
 本シリーズと関連して,以下の hellog 記事,および Voicy heldio 配信回もご参照ください.

[ 第1回 文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり ]

 ・ heldio 「#668. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」(2023年3月30日)
 ・ hellog 「#5088. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」 ([2023-04-02-1])
 ・ hellog 「#5119. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」の第1回を終えました」 ([2023-05-03-1])

[ 第2回 古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ ]

 ・ hellog 「#5194. 7月29日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」」 ([2023-07-17-1])
 ・ heldio 「#778. 古英語の文字 --- 7月29日(土)の朝カルのシリーズ講座第2回に向けて」(2023年7月18日)
 ・ hellog 「#5207. 朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」を終えました」 ([2023-07-30-1])

[ 第3回 中英語の綴字 --- 標準なき繁栄 ](以下,2023/09/26(Tue)の後記)

 ・ heldio 「#848. 中英語の標準なき綴字 --- 10月7日(土)の朝カルのシリーズ講座第3回に向けて」(2023年9月26日)

Referrer (Inside): [2024-02-03-1]

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2023-09-23 Sat

#5262. 秋元実治先生との「他動性」談義 [transitivity][voicy][heldio][prototype][terminology][subjectification][language_change]

 昨日の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」にて,「#844. 他動性とは何か? --- 秋元実治先生との対談」を配信しました.30分ほどの濃密な transitivity 談義です.秋元先生のご著書「#5184. 秋元実治『イギリス哲学者の英語』(開拓社,2023年)」 ([2023-07-07-1]) の議論に基づいた談義となっていますので,そちらもご覧いただければと思います.



 対談でも論じている通り,他動性とは絶対的な指標というよりは,相対的で連続的でプロトタイプ的な指標です.他動性を決定するパラメータは様々ありますし,言語によっ具現化の仕方は異なります.それくらい抽象度の高い概念ではありますが,だからこそ広く一般的な言語の諸現象に関わってくるのであり,理論的にも興味深い視点となるわけです.主体性 (agentivity) や主観化 (subjectification) という概念とも複雑に関連してくるようで,合わせて言語変化の潮流を記述する有望な道具立てとなりそうです.
 他動性については,本ブログでも次の記事を書いてきました.参考まで.

 ・ 「#5202. 他動性 (transitivity) とは何か?」 ([2023-07-25-1])
 ・ 「#5204. 他動性 (transitivity) とは何か? (2)」 ([2023-07-27-1])
 ・ 「#5209. 他動性 (transitivity) とは何か? (3)」 ([2023-08-01-1])

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2023-09-22 Fri

#5261. 研究社会議室での3回にわたる『英語語源辞典』をめぐるインタビューが完結 [voicy][heldio][dictionary][kenkyusha][notice][kdee]

 この2ヶ月間ほど,ひょんなきっかけから,寺澤芳雄(編集主幹)『英語語源辞典』(研究社,1997年)の推し活を強力に進めてきました.この推し活においてとりわけ重要な契機となったのが,研究社会議室でのインタビューです.インタビューの様子を音声収録したものを,3週間,3回にわたって Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」 で配信してきました.一昨日第3弾が公開され,シリーズ完結となりました.



 ・ 「#828. 『英語語源辞典』(研究社,1997年)ってスゴい --- 研究社会議室での対談 (1)」
 ・ 「#834. 『英語語源辞典』(研究社,1997年)ってスゴい --- 研究社会議室での対談 (2)」
 ・ 「#842. 『英語語源辞典』(研究社,1997年)ってスゴい --- 研究社会議室での対談 (3)」

 『英語語源辞典』の魅力,そして研究社における辞書作りの伝統と「匠の技」について,たっぷりインタビューで伺いました.私にとってもたいへんに勉強になる社会科見学でした.リスナーの皆さんにも,縁の下の力持ちである辞書作りに携わる方々の地道な仕事振り,職人技,矜持のほどが伝わったのではないでしょうか.私自身も,これから辞書を一枚一枚繰るたびに「ありがたやぁ」と唱えてしまいそうです.深く感謝しつつ今日も辞書を引き続けます!
 今回のインタビューに応じていただきました小酒井英一郎さん(元研究社印刷社長),星野龍さん(研究社編集部長),中川京子さん(研究社編集部課長)には,改めてこの場を借りて感謝致します.また,対談のアレンジをしていただいた研究社の関係の方々にも御礼申し上げます.ありがとうございました.(他の辞書の話題,さらに辞書作り一般の話題について,もっと伺いたいくらいですので,またよろしくお願いいたします!)
 今回のインタビューに先立つ『英語語源辞典』の推し活につきましては,「#5210. 世界最強の英語語源辞典 --- 寺澤芳雄(編集主幹)『英語語源辞典』(研究社,1997年)」 ([2023-08-02-1]) をご参照ください.
 今後も『英語語源辞典』の推し活を続けます.Voicy heldio などで何か企画を考えたいと思っています.


寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.



 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.

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2023-09-21 Thu

#5260. 喜びに満ちた delicious の同根類義語 [eebo][synonym][me][cognate][lexicology][borrowing][loan_word][latin][french][oed][thesaurus][htoed][voicy][heldio]



 今週の月・火と連続して,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」(毎朝6時に配信)にて delicious とその類義語の話題を配信しました.

 ・ 「#840. delicious, delectable, delightful」
 ・ 「#841. deleicious の歴史的類義語がたいへんなことになっていた」

 かつて「#283. delectabledelight」 ([2010-02-04-1]) と題する記事を書いたことがあり,これとも密接に関わる話題です.ラテン語動詞 dēlectāre (誘惑する,魅了する,喜ばせる)に基づく形容詞が様々に派生し,いろいろな形態が中英語期にフランス語を経由して借用されました(ほかに,それらを横目に英語側で形成された同根の形容詞もありました).いずれの形容詞も「喜びを与える,喜ばせる,愉快な,楽しい;おいしい,美味の,芳しい」などのポジティヴな意味を表わし,緩く類義語といってよい単語群を構成していました.
 しかし,さすがに同根の類義語がたくさんあっても競合するだけで,個々の存在意義が薄くなります.なかには廃語になるもの,ほとんど用いられないものも出てくるのが道理です.
 Historical Thesaurus of the Oxford English Dictionary (= HTOED) で調べてみたところ,歴史的には13の「delicious 語」が浮上してきました.いずれも語源的に dēlectāre に遡りうる同根類義語です.以下に一覧します.

 ・ †delite (c1225--1500): Very pleasant or enjoyable; delightful.
 ・ delightable (c1300--): Very pleasing or appealing; delightful.
 ・ delicate (a1382--1911): That causes pleasure or delight; very pleasing to the senses, luxurious; pleasurable, esp. in a way which promotes calm or relaxation. Obsolete.
 ・ delightful (a1400--): Giving or providing delight; very pleasant, charming.
 ・ delicious (c1400?-): Very pleasant or enjoyable; very agreeable; delightful; wonderful.
 ・ delectable (c1415--): Delightful; extremely pleasant or appealing, (in later use) esp. to the senses; very attractive. Of food, drink, etc.: delicious, very appetizing.
 ・ delighting (?a1425--): That gives or causes delight; very pleasing, delightful.
 ・ †delitous (a1425): Very pleasant or enjoyable; delightful.
 ・ delightsome (c1484--): Giving or providing delight; = delightful, adj. 1.
 ・ †delectary (?c1500): Very pleasant; delightful.
 ・ delighted (1595--1677): That is a cause or source of delight; delightful. Obsolete.
 ・ dilly (1909--): Delightful; delicious.
 ・ delish (1915--): Extremely pleasing to the senses; (chiefly) very tasty or appetizing. Sometimes of a person: very attractive. Cf. delicious, adj. A.1.

 廃語になった語もあるのは確かですが,意外と多くが(おおよそ低頻度語であるとはいえ)現役で生き残っているのが,むしろ驚きです.「喜びを与える,愉快な;おいしい」という基本義で普通に用いられるものは,実際的にいえば delicious, delectable, delightful くらいのものでしょう.
 このような語彙の無駄遣い,あるいは類義語の余剰といった問題は,英語では決して稀ではありません.関連して,「#3157. 華麗なる splendid の同根類義語」 ([2017-12-18-1]),「#4969. splendid の同根類義語のタイムライン」 ([2022-12-04-1]),「#4974. †splendidious, †splendidous, †splendious の惨めな頻度 --- EEBO corpus より」 ([2022-12-09-1]) もご覧ください.

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2023-09-20 Wed

#5259. khelf のゼミ合宿中です [khelf][khelf-conference-2023][seminar][hel_education][voicy][heldio][helwa][notice]

 昨日9月19日(火)から2泊3日で khelf(慶應英語史フォーラム)のゼミ合宿を実施しています.コロナ禍でしばらく中断しており,4年振りの泊まり込み合宿となりました.解放感がありますね.
 学部生・院生の合同合宿で,オフィシャルセッションでは各自の個人研究について進捗状況を報告しつつ,これまでの研究成果を披露してもらっています.発表形式は通常のプレゼンではなく,コロナ下でゼミとして新規に開発してきた「ポスターなしポスターセッション」です.いわゆるアクティヴラーニングの一形態で,そのかしこまらないスタイルは学術発表界における「立食パーティ」と称してもよい代物です.昨日の初日は主に院生と学部4年生が,2日目となる本日は主に学部3年生が,夏休みの研究成果をそれぞれ発表しています.
 日中はみっちり皆で研究発表を通じて英語史を勉強しますが,アフター5はお楽しみです.グラスを片手に学部生・院生・教員が交わり,英語史のことやそれ以外のことを自由に語らっています.やおら Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の生放送収録をスタートさせる可能性もありますので,その際には,ぜひ khelf ゼミ合宿の愉快な様子をお聴きください.
 実際,昨晩はプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) で「【英語史の輪 #32】ゼミ合宿でのお悩み相談」のライヴ放送をお届けしました.
 関連して khelf 公式のX(旧ツイッター)アカウント @khelf_keio も,ぜひフォローをお願いします.

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Referrer (Inside): [2023-09-25-1]

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2023-09-18 Mon

#5257. 最近の Mond での回答,5件 [mond][sobokunagimon][politeness][simplification][contact][heldio][youtube][hel_education][phonetics][prestige][speed_of_change][language_myth][link]

 ここ数日間で,知識共有サービス Mond に寄せられてきた言語系の質問に5件ほど回答しました.こちらでもリンクを共有します.

 (1) 敬語の表現が少ない英語の話者には,日本人よりも敬意を示す機会が少ないのでしょうか?
 (2) 歴史的に見て「言語の変化=簡略化」なのでしょうか?
 (3) ブログ,ラジオ,YouTubeなど,様々なメディアを通じて英語の歴史や語源に関する情報を発信していらっしゃいますが,これらのメディアごとにアプローチやコンセプトを変えて情報を提供していますか?
 (4) なぜ人々は(もちろん個人差はあれど)イギリスやフランスなどのアクセントを“魅力的”とし,アジアやインドのアクセントを“魅力がない”とするのでしょうか?
 (5) 言語の変化は,どの程度の速度で起こりますか? 例えば,新しい言葉や表現は,どのくらいの頻度で生まれるものなのでしょうか?

 Mond に寄せられる言語系の質問は多様ですが,日本語と諸外国語との比較というジャンルの質問が目立ちます.今回も (1) や (4) がそのジャンルに属するかと思います.母語は万人にとって特別な存在であり,あまりに思い入れが強いために,他の言語と比べてきわめて特異な性質をもっているものと錯覚してしまうことがしばしば起こります.とりわけ語学を通じて理解の深まった他言語と比較するときに,母語の際立った言語特徴が目に付くことが多く,母語の特別視に拍車がかかります.
 長年言語学に触れてきた経験から感じることは,母語の特別視は往々にして行き過ぎる傾向があるということです.確かに各々の言語には固有の特徴があるもので,その点では日本語も例外ではないのですが,日本語のみに観察される言語特徴というのは,さほど多くあるわけではなく,広く古今東西の諸言語を見渡せば類例はおおよそ見つかるものです.言語の素朴な疑問に関する直感は,当たることもありますが,割と外れることも多いのです.
 今回の5件の質問のうちの3つ,(1), (2), (4) は,振り返ってみれば,言語にまつわる神話 (language_myth) に関わる質問だったように思います.言語学的な考察を通じて,言語の化けの皮を一枚一枚剥いでいくのが,何ともエキサイティングですね.

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2023-09-17 Sun

#5256. heldio/hel活応援リンク集 [notice][hel_education][voicy][heldio][khelf][heldio_community][link]

 本ブログの読者の皆さんを含めまして,日頃多くの方々より「英語史活動」 (hel活)への応援をいただいています.今回はとりわけ Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」(毎朝6時に配信)でのhel活を後押ししていただいている方々への感謝の意味を込め,リンク集を作成しました.heldio の紹介にとどまらず,配信回と連動した記事も公開されていますので,ぜひ訪問していただければ.

 ・ リスナー kitako さんによる日々の配信回のインスタストーリーでの紹介:毎日ご紹介ありがとうございます
 ・ リスナー umisio さんによる note での批評記事:ユーモアを含めた鋭いコメント,いつもありがとうございます
 ・ リスナーしゅがさんによる埼玉慶友会メルマガのバックナンバー "helmaga":目下3号まで公開されています
 ・ リスナー Kyu3 さんのブログ:heldio をお薦め番組としてご紹介いただいています
 ・ リスナー Karl さんのブログ:heldio を「英語の素朴な疑問」を大切にする番組としてご紹介いただいています
 ・ 菊地翔太先生(専修大学)の HP:heldio にもたびたび出演していただきお世話になっています
 ・ 最大の heldio 支援組織 khelf (慶應英語史フォーラム):内輪ですみません

 上記はウェブ上で私が気づいた範囲内でのリンク紹介にとどまり,まったく網羅的ではないだろうと理解しています.ほかにも一般リスナーの皆さん,プレミアムリスナー限定配信チャンネルをお聴きのコアリスナーの皆さん,対談回などへの歴代出演者の皆さん,SNS上でコメントを盛り上げてくださっている皆さんにも感謝いたします.
 heldio 関連でお気づきのリンク先を見つけましたら,ぜひ Voicy のコメント欄などを通じて,随時お知らせいただければ幸いです.
 最後に,私の X(旧ツイッター)上のアカウント @chariderryu にて「heldio コミュニティ by 堀田隆一」というコミュニティを展開し始めている旨,お知らせします.承認制のコミュニティですが,基本的にはメンバーリクエストをいただければお入りいただけますので,ぜひご参加ください.コミュニティの趣旨は以下の通りです.

Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.


「heldio コミュニティ by 堀田隆一」


Referrer (Inside): [2024-01-12-1] [2023-11-30-1]

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2023-09-16 Sat

#5255. Voicy heldio の「ゼロから学ぶはじめての古英語」シリーズへご好評いただいています [oe][masanyan][ogawashun][hel_education][voicy][heldio][runic][anglo-saxon][link][notice][alfred][beowulf][proverb][heldio_community][hajimeteno_koeigo]

 毎朝6時に音声配信している Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」にて「ゼロから学ぶはじめての古英語」シリーズが始まっています(不定期で無料の配信です).第3回まで配信してきましたが,嬉しいことにリスナーの皆さんにはご好評いただいています.各配信回の概要欄やチャプターに紐付けられたリンク先に,題材となっている古英語のテキストなども掲載していますので,そちらを参照しながら聴いていただければと思います.これまでの3回では,アルフレッド大王,古英語の格言,叙事詩『ベオウルフ』に関係する文章が取り上げられています.本当に「初めての方」に向けての講座となっていますので,お気軽にどうぞ.



 ナビゲーターは英語史や古英語を専攻する次の3人です.小河舜さん(フェリス女学院大学ほか)khelf(慶應英語史フォーラム)元会長の「まさにゃん」こと森田真登さん(武蔵野学院大学),および堀田隆一です.3人で楽しそうに話しているのが魅力,との評価もいただいています.
 毎回,厳選された古英語の短文を取り上げ,文字通り「ゼロから」解説しています.日本語による解説つきで気軽に始められる「古英語講座」なるものは,おそらくこれまでどの媒体においても皆無だったのではないでしょうか(唯一の例外は,まさにゃんによる「毎日古英語」かもしれません).このたびのシリーズは,その意味では本邦初といってよい試みとなります.ナビゲーター3人も,肩の力を抜いておしゃべりしていますので,それに見合った気軽さで聴いていただければと思います.
 本シリーズのサポートページとして,まさにゃんによる note 記事「ゼロから学ぶはじめての古英語(#1~#3)」が公開されています.また,X(旧ツイッター)上の「heldio コミュニティ by 堀田隆一」にて関連情報も発信しています.このコミュニティは承認制ですが,基本的にはメンバーリクエストをいただければお入りいただけますので,ぜひご参加ください.
 シリーズの第4弾もお楽しみに!

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2023-09-10 Sun

#5249. 川端朋広先生と現代英語の言語変化をいかに研究するかについて対談しました [voicy][heldio][review][corpus][pde][syntax][philology][methodology][link]


秋元 実治(編),片見 彰夫・福元 広二・田辺 春美・山本 史歩子・中山 匡美・川端 朋広・秋元 実治(著) 『近代英語における文法的・構文的変化』 開拓社,2023年.



 『近代英語における文法的・構文的変化』が,6月に開拓社より出版されています.15--20世紀の英文法およびその変化が実証的に記述されています.本書のユニークな点は,6名の研究者の各々が各世紀の言語事情を定点観測的に調査していることです.個々の章を読むのもよいですし,ある項目に注目して章をまたいで読むのもよいと思います.
 本書については,本ブログ,Voicy heldio,YouTube で様々にご紹介してきました.昨日の heldio では川端朋広先生(愛知大学)との対談回の第2弾「#831. 『近代英語における文法的・構文的変化』 --- 川端朋広先生との対談 (2)」を配信しました.今回は,現代英語の言語変化を研究する際の難しさ,悩み,魅力などに注目し,最終的には研究法をめぐる談義に発展しました.35分ほどの音声となります.お時間のあるときにどうぞ.



 こちらの回をもって,本書紹介シリーズが出そろったことになります.改めてこれまでの関連コンテンツへのリンクを張っておきます.著者の先生方の声を聴きつつ本書を読んでいくというのも,一つの味わい方かと思います.



 ・ YouTube 「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」より「#137. 辞書も規範文法も18世紀の産業革命富豪が背景に---故山本史歩子さん(英語・英語史研究者)に捧ぐ---」

 ・ hellog 「#5166. 秋元実治(編)『近代英語における文法的・構文的変化』(開拓社,2023年)」 ([2023-06-19-1])
 ・ hellog 「#5167. なぜ18世紀に規範文法が流行ったのですか?」 ([2023-06-20-1])
 ・ hellog 「#5182. 大補文推移の反対?」 ([2023-07-05-1])
 ・ hellog 「#5186. Voicy heldio に秋元実治先生が登場 --- 新刊『近代英語における文法的・構文的変化』についてお話しをうかがいました」 ([2023-07-09-1])
 ・ hellog 「#5208. 田辺春美先生と17世紀の英文法について対談しました」 ([2023-07-31-1])
 ・ hellog 「#5224. 中山匡美先生と19世紀の英文法について対談しました」 ([2023-08-16-1])
 ・ hellog 「#5235. 片見彰夫先生と15世紀の英文法について対談しました」 ([2023-08-27-1])
 ・ hellog 「#5242. 川端朋広先生と20世紀の英文法について対談しました」 ([2023-09-03-1])
 ・ hellog 「#5249. 川端朋広先生と現代英語の言語変化をいかに研究するかについて対談しました」 ([2023-09-09-1])

 ・ heldio 「#769. 『近代英語における文法的・構文的変化』 --- 秋元実治先生との対談」
 ・ heldio 「#772. 『近代英語における文法的・構文的変化』 --- 16世紀の英語をめぐる福元広二先生との対談」
 ・ heldio 「#790. 『近代英語における文法的・構文的変化』 --- 田辺春美先生との対談」
 ・ heldio 「#806. 『近代英語における文法的・構文的変化』 --- 中山匡美先生との対談」
 ・ heldio 「#824. 『近代英語における文法的・構文的変化』 --- 川端朋広先生との対談 (1)」
 ・ heldio 「#831. 『近代英語における文法的・構文的変化』 --- 川端朋広先生との対談 (2)」
 ・ heldio 「#837. 18世紀の英語の文法変化 --- 秋元実治先生との対談」(←こちらは 2023/09/15(Fri) の後記)




 ・ 秋元 実治(編),片見 彰夫・福元 広二・田辺 春美・山本 史歩子・中山 匡美・川端 朋広・秋元 実治(著) 『近代英語における文法的・構文的変化』 開拓社,2023年.

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