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9月25日,白水社の月刊誌『ふらんす』10月号が刊行されました.この『ふらんす』にて,今年度,連載記事「英語史で眺めるフランス語」を書かせていただいています.今回は連載の第7回です.「フランス語は英語の音韻感覚を激変させた」と題して記事を執筆しました.以下,小見出しごとに要約します.
1. 子音の発音への影響
フランス語からの借用語が英語の発音に与えた影響について導入しています.特に /v/ の確立や,/f/ と /v/ の音素対立の形成について解説します.
2. 母音の発音への影響
フランス語由来の母音や2重母音が英語の音韻体系に与えた影響を説明しています./ɔɪ/ の導入など,具体例を挙げながらの解説です.
3. アクセントへの影響
フランス語借用語によって英語の強勢パターンがどのように変化したかを論じています.異なる強勢パターンの共存など,英語史の観点から興味深い事例を提供します.
4. 英語らしさの形成
英語はフランス語の影響を受けつつも,独自の音韻体系を発達させてきました.その過程で形成されてきた発音の「英語らしさ」について批判的に考察します.
今回の記事では,フランス語が英語の(語彙ではなく)発音に与えた影響を,具体例を交えながら解説しています.フランス語の語彙的な影響については知っているという方も,発音への影響については意外と聞いたことがないのではないでしょうか.通常レベルより一歩上を行く英語史の話題となっています.
ぜひ『ふらんす』10月号を手に取っていただければと思います.過去6回の連載記事も hellog 記事で紹介してきましたので,どうぞご参照ください.
・ 「#5449. 月刊『ふらんす』で英語史連載が始まりました」 ([2024-03-28-1])
・ 「#5477. なぜ仏英語には似ている単語があるの? --- 月刊『ふらんす』の連載記事第2弾」 ([2024-04-25-1])
・ 「#5509. 英語に借用された最初期の仏単語 --- 月刊『ふらんす』の連載記事第3弾」 ([2024-05-27-1])
・ 「#5538. フランス借用語の大流入 --- 月刊『ふらんす』の連載記事第4弾」 ([2024-06-25-1])
・ 「#5566. 中英語期のフランス借用語が英語語彙に与えた衝撃 --- 月刊『ふらんす』の連載記事第5弾」 ([2024-07-23-1])
・ 「#5600. フランス語慣れしてきた英語 --- 月刊『ふらんす』の連載記事第6弾」 ([2024-08-26-1])
・ 堀田 隆一 「英語史で眺めるフランス語 第7回 フランス語は英語の音韻感覚を激変させた」『ふらんす』2024年10月号,白水社,2024年9月25日.54--55頁.
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