
一昨日の土曜日,7月11日の午後,アイルランドはダブリンの地より Zoom で繋ぎ,Voicy プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪 (helwa)」のメンバー(ヘルメイト)の皆さんとともに半日を費やすオンラインでの「ダブリン・ギネス収録会」を敢行しました.急な呼びかけであったにもかかわらず,入れ替わり立ち替わりで延べ20名近くのヘルメイトの皆さんにお集まりいただき,盛況のうちに幕を閉じることができました.ご参加くださった方々,そしてチャット等で場を盛り上げてくださったギャラリーの皆さんに,この場を借りて心より御礼申し上げます.ありがとうございました.
滞在先のダブリンでは朝の6時(日本時間の午後2時)からスタートし,気がつけば日本時間の夜11時まで,実にみっちり9時間にわたる濃密な時間でした.もともとは少人数での小さな対談会を調整していたのですが,オープンなオンラインイベントとして企画を立ち上げたところ,驚くべきフットワークの軽さで多くのヘルメイトのご都合がカチリと噛み合い,嵐のような収録会の決行に至りました.前々から周到に準備された企画よりも,こうした突発的なお祭りのほうが不思議とうまくいくケースがあるのですが,今回はまさにその例でした.
今回の収録会では良質な対談回をたくさん収録することができましたが,その「取れ高」以上に私にとって貴い財産となったのは,ヘルメイトの皆さんと深く歓談し,親睦を深めることができたことです.結果として,今回の収録会の最大の意義はそこにあったと思っています.
収録会のメニューを時系列で振り返っておきましょう.まず午後2時過ぎのオープニングに続き,kendama_player さんの英語史講義報告の対談から始まりました.3時過ぎからは,khelf(慶應英語史フォーラム)の寺澤志帆さんをゲストに迎え,『英語語源辞典』 (kdee) の bear の項目をじっくりと読み解く対談を行ないました.普段は私自身が解説する側に回ることが多いのですが,寺澤さんの明快な語り口を,ひたすら聞き役に回って味わうという体験は,たいへんに新鮮な時間でした.解説を聴くうちに次々と新しいアイディアが湧き出し,大いに知的好奇心が刺激されました.
4時過ぎからは上智大学の小河舜さんにお越しいただき,昨日の記事でも触れた「地球ことば村オンラインサロン」より配信された最新動画に絡めて「英国地名×英語史」をテーマに熱く語り合いました.さらに5時過ぎからは,刊行から1年が経ち,物書堂さんからアプリ版もリリースされた『英語語源ハンドブック』 (hee) の使用感について,ご参加されているヘルメイトの皆さんにマイクを回しながら語り合うコーナーを設けました.
6時からは,本日の目玉企画である川上さん持ち込みの「聞かせて!『なぜさんたんげん』のなぜ」の heldio 生配信を90分枠で敢行しました.私の側の機器の不調により,途中で生配信が途切れるというトラブルがありましたが,『なぜさんたんげん』をご担当いただいたNHK出版の編集者・田中菜乃香さんにもご出演いただくことができました.著者に向けられた鋭いツッコミに対し,著者は頭をフル回転させ,言葉を整理しながら喋る,きわめて消耗的ながらも価値のある時間となりました.後半の生配信未配信部分は別途録音してあるため,後日,アーカイヴ配信したいと思っています.ぜひご期待ください.
その後は主にギネスビールを片手に,ヘルメイトの皆さんとの Zoom 上での懇親会へと移りましたが,ari さん や ykagata さんを中心とした「なぜさんたんげんカウントダウン企画」(そして,ari さんによる4コマ漫画シリーズ「英子さんたんげん」)を振り返る回顧展の対談も収録しました.最後には,ヘルメイトの皆さんから総括のコメントをいただきました.
半日の収録会を通じて私が確信したのは,このコミュニティ「英語史の輪 (helwa)」が,単なるクローズドな音声配信のチャンネルではなく,「学びと継続をお互いに支援し合う最強の環境」に育ってきているという事実です.毎日記事を書く方,独自の新しい勉強法を開発される方,そして何より,対談収録中に驚異的な集中力を発揮して体系的なライヴ議事録を書き残してくださった orangemorishita さんのような存在.各メンバーによる活動が有機的に結びつき,お互いの学びのモチベーションを高め合う文化が形成されてきています.寺澤志帆さんが最後に投げかけてくれた「純度100パーセント」というキラーフレーズが,まさにこのコミュニティの本質を言い当てていました.
今回の「ダブリン・ギネス収録会」で収録した濃密な対談や振り返りの数々は,今後の heldio 通常回で配信していく予定です.第1弾は,すでに昨日の朝に「#1869. コアリスナー kendama_player さんが,前橋市立図書館で英語史講座を開かれました」としてお届けしました.ぜひ hellog 読者の皆さんも,今後の配信にご期待いただければ.
そして,もしこの「純度100パーセント」の学びの熱気や,お互いに刺激を与え合うコミュニティの空気を直に体験してみたいと思われた方は,ぜひプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪 (helwa)」へのご参加をご検討いただければと思います.毎週火・木・土の午後6時に,heldio レギュラー配信とは一味違うテイストの話題をお届けしています.月額800円のサブスクリプション配信ですが,初月無料のサービスも用意されていますので,一歩足を踏み入れ,数週間その環境に浸っていただければ,なぜこれほどまでに今「hel活」(helkatsu) が盛り上がっているのか,その理由が必ずお分かりいただけるはずです.hellog 読者の皆さんを helwa でもお待ちしています!
heldio/helwa コアリスナーの sorami さんによる『英語語源ハンドブック』に基づいた「授業で使える!中学生向け英語語源クイズ」シリーズが,素晴らしい注目度を集めつつ継続しています.隔週土曜日に新作が公開されていますが,最新は6月27日に公開された第12弾です.
今回のクイズは,目下開催中の FIFA World Cup を睨んで,サッカーやスポーツに関連する言葉の特集となっており,非常にタイムリーな企画です.
毎回のことながら,相変わらずの良質の出題と丁寧な解説には脱帽するばかりです.あまり細かく書いてしまうとネタバレになってしまうので,ここではいくつかのおもしろい問いを厳選して紹介していきましょう.
まずは基本となる soccer というスポーツ名についてです.日本やアメリカでは soccer と呼びますが,実はサッカー発祥の地であるイギリスでは soccer とは呼ばない,というナゾから始まります.イギリスでは football なのですが,ではなぜ soccer という語が生まれたのかという語源のストーリーが解説されています.日常的な英単語の背景に,意外と知られていない語形成の歴史が隠されているのを知ると,ニヤリとしてしまうはずです.
さらにクイズは英語にとどまらず,日中語スポーツ名比較へと展開します.中国語で野球を「○球」,テニスを「○球」と別の呼び方をするなど,同じスポーツを翻訳するにしても言語によって着眼点が異なるという指摘は,対照言語学的に興味深い視点です.また,ある球技で「0点」のことを love と呼ぶのはなぜかという問いや,大谷翔平選手が所属するドジャースのチーム名とも深く関わる dodgeball の語源など,知的好奇心をくすぐる良問が目白押しです.
嬉しいことに,作者の sorami さん自ら「今回のスポーツ関連クイズも,授業の小ネタ,ウォームアップ,グループ活動などに自由に使っていただければ幸いです.ALTの先生を巻き込むのもありですね!」と言ってくださっています.pdf 形式の印刷用資料も用意されていますので,英語の教材として学校の授業やサークルなどで,すぐにでも活用できます.
さて,この出題のベースとなっている『英語語源ハンドブック』(研究社)ですが,2週間前の6月18日に,めでたく刊行1周年を迎えました.また,3日前の6月30日には物書堂より『英語語源ハンドブック』アプリ (iOS) が発売されました.7月21日までセール販売とのことですので,こちらより詳細をご覧ください.
この1年間,本当に多くの読者の皆様に温かく迎えられ,愛用されてきたことは,著者陣・関係者一同にとって大きな喜びです.心より御礼申し上げます.読者の皆さん,今後とも本書を末永くご愛用いただけますよう,よろしくお願いいたします.
今回の sorami さんのクイズ記事を通じて,1人でも多くの方が英単語の奥深い世界に触れ,英語史のロマンを感じていただければ幸いです.ぜひ過去号も含め sorami さんの note へと足をお運びください!
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』(通称『なぜさんたんげん』)が好評発売中である.おかげさまで各地の書店でもよく売れている模様で,著者として嬉しい限りである.
さて,先日6月20日付けで,heldio/helwa のコアリスナーでヘルメイトの ykagata さんが,ご自身の note にて実に読み応えのある批評的考察記事を公開してくださった.タイトルは「「語源」の本でなく「英語史」の本が書店に並ぶこと」である.この記事が,英語史の非専門家である読者の視点から書かれたものとは信じられないほどに鋭く,かつ温かい賛辞に満ちており,私は深く感激した.本日の記事では,この ykagata さんの note 記事を紹介しながら,hellog 読者の皆さんにもぜひご一読を促したいと思う.
ykagata さんの考察の主眼は,今回の新著のメインタイトルに,敢えて「語源」ではなく「英語史」という硬派なキーワードが掲げられたことの歴史的・出版史的な意義にある.近年の出版界における「語源」ブームの商業的な軽薄さに緩やかな警鐘を鳴らしつつ,地味で硬派な「英語史」こそが市民権を得ていくのかもしれない,力をもつ本当のムーブメントになっていくのかもしれない,という実に刺激的な予言が展開されているのだ.
とりわけ,著者の私自身が読みながら文字通りに打ち震えたのが次の3箇所である.
まず1点目として,編集者として表題にずばり「英語史」を掲げる決断をしたNHK出版の編集者,田中菜乃香さんは慧眼だった,という指摘である.
2点目に,その決断に至る背景には,著者の堀田による「hel活」すなわち英語史のアウトリーチ活動の長年の積み重ねが欠かせなかった,と言及してくださっている点である.
そして3点目に,「英語史だなんていって一般読者に分かってもらえるだろうか」と躊躇していた英語史関係者自身が,今後堂々と「英語史」を謳う契機として,今回の本の出版が重要な出来事なのではないか,と寿いでくださっている点である.出版史上,表題に「英語の歴史」を掲げる新書は寺澤盾先生の名著などがあるけれども,「英語史」をずばり掲げた新書はきわめて珍しいのではないか,という出版史的な縦のパースペクティブにも唸らされた.実際,その通りなのだ.
これまでは一般向けの書物のタイトルにするには「硬すぎる」と敬遠されがちだった「英語史」であるが,これからはもっと多くの関連書が安心してこの名前を題名に冠して出てこられるようになるのではないか,という予言は本当に力強く,勇気づけられる.
著者として,また1人の英語史研究者として,この評価を最大の賛辞と感謝をもって受け入れたい.ぜひ ykagata さんの note 記事をじっくりと味わっていただければっc.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.
note 上に,来たる6月10日に発売予定の『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』(NHK出版新書)に関連する話題が少しずつ集まってきています.本書やその内容に関連する記事を書き,本書の公式統一ハッシュタグ #なぜさんたんげん (すべて平仮名で)を付して,note 上で応援してください,との先日の私の呼びかけに応じてくださった方々が多くいらっしゃり,感激しております.ありがとうございます.
各記事を広くお読みいただきたいので,私としてはできる限りコメントを加えたり,X 上で記事を紹介するなどしております.そして,もう1つ,皆さんによるこの記事群そのものが,本書を広める役割を果たし,さらには活発なhel活 (helkatsu) を体現するものとなっているという観点から,note 上のマガジンとして「『なぜさんたんげん』応援記事集」を開設することにしました.一昨日これを公開していますので,本記事はそのお知らせとなります.まずは訪れてみていただければ.『なぜさんたんげん』の盛り上がりを感じられると思います.

マガジンの巻頭では,「新刊『なぜさんたんげん』を応援していただいている記事を集めたマガジンを始動!英語史をお茶の間に届ける「hel活」の輪」と題して私自身がマガジン開設の趣意について書いていますので,そちらもご一読ください.
まだ発売前ですので,応援してくださる note クリエーターの方々にとっても,本書の内容に踏み込むことができずに,書きづらいかと思います.しかし,第1章第5節のまさに「3単現の s」に関する文章については,NHK出版デジタルマガジンより「紀元前からのこだわり?なぜ3単現の s をつけるのか【英語史で解く英文法の謎】」という記事として事実上公開されています(おかげさまで,非常に多くの方々にお読みいただいています).現時点では,今のところ,この記事と関連づけてお書きいただいている方が多いようです.
マガジン企画は始まったばかりです.ますます多くの note クリエーターの方に,発売前でも発売後でも本書に直接・間接に関わる記事をお書きいただければ幸いです.とりわけ発売前のテーマについては「本書の目次を見て気になったトピック」「私が抱いている英語に関する素朴な疑問」「英語史に興味を持ったきっかけ」「こんな『なぜさんたんげん』関連グッズがほしい」など何でもかまいません.私としても皆さんの記事を積極的に紹介していきたいと思います.
本書を広める活動を通じて,hel活全体が広がっていき,クリエーター同士がつながっていくようになるとよいなと考えています.ぜひ皆さんのお力をお貸しください.どうぞよろしくお願いいたします.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.
6月10日,新書『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』(NHK出版)が発売されます.関連して,すでに「#6224. 祝!近刊『英語史で解く英文法の謎』Amazon 2部門で第1位」 ([2026-05-12-1]) で触れた通り,先週5月11日より,私の X(旧Twitter)アカウント @chariderryu 上で,発売前のカウントダウン企画を実施しています.
本書に関する話題を毎日1つお届けするという企画で,これまでに7つ(7連)の投稿がポストされています.今のところ「3単現の s」のみで話題が持っており,まだしばらくはこの勢いで行けそうです.本書の公式統一ハッシュタグ #なぜさんたんげん (すべて平仮名で)や,本企画のハッシュタグ #なぜさんたんげんカウントダウン より訪れていただき,アカウントをフォローしていただけると嬉しいです.そして,私が本企画内外で本書と関連して投稿しているポストに対して,ぜひ皆さんも #なぜさんたんげん のハッシュタグを付けつつリプライなどしていただけますと幸いです.
さて,すでに走り出しているこのカウントダウン企画ではありますが,本日5月18日より,この企画に,NHK出版公認のプレゼント企画を掛け合わせたいと思います.本書の存在を広めるべく,本企画での私からの X 投稿に対して,リプライ等にて最も貢献くださった3名の各々に,発売前に見本を1部差し上げるい,というプレゼント企画です.
このカウントダウン企画については,当初よりNHK出版のいくつかの X アカウントが公認・応援してくださっています.そして,今回追加する見本プレゼント企画についても,NHK出版公認です.プレゼントに当選された方には,本書の見本1部をNHK出版から直接送らせていただくことになっています.お名前や宛先は当選後に私から直接DMなどでお伺いし,送付のみの目的でNHK出版と共有させていただきます.
「リプライ等での貢献」は,表示数やいいね数で機械的に測るわけではなく,あくまで著者である私が,独断と偏見も入れつつ,本書やその内容の注目度アップに貢献していただいたと,総合的に判断するものとさせていただきます.また,企画のプラットフォームは直接的には X となりますが,例えば note 上で本書の関連記事をお書きになり,そのリンクを X に張るという間接的な形であっても,実質的な貢献をいただいているようであれば,そのように積極的に判断させていただきます.いずれにせよ,記事に気づきやすくなるよう,ぜひ #なぜさんたんげん のハッシュタグを添えていただければ.
カウントダウン企画はすでに走り出していますが,プレゼント企画の対象期間としては,本日5月18日よりスタートし,見本ができあがる予定の今月末辺りまでを目処に設定したいと思います(予定ですので前後数日ほどの変動は念頭においていただければ).本日より,カウントダウン企画の過去のポストも含めて,ぜひ積極的にご反応ください.対象期間後,当選者3名を公表させていただき,発売前に見本1部をプレゼントとして送付いたします.
ぜひ1人でも多くの方に,X 上でのカウントダウン・プレゼント企画にご参加いただけますと幸いです.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.

私は英語史を広める活動「hel活」 (helkatsu) として本ブログを毎日更新していますが,それとは別に note 上でも不定期に記事を書いています.note では主に #hel活 というハッシュタグを付けて記事を投稿していますが,最近では少なからぬhel活仲間の note クリエーターたちも同じハッシュタグを付すようになってきています.現時点で調べてみると,note 上で「hel活」ハッシュタグを帯びた記事は,なんと1770件にも及んでおり,驚いた次第です.
この1769件を人気順に並べ替えてみると,本ブログでも推してきた sorami さんによる『英語語源ハンドブック』に基づいた「授業で使える!中学生向け英語語源クイズ」シリーズが,上位をさらっています.隔週土曜日に更新されるシリーズで,第8回まで進んできています.
「無職さん」こと,佐久間泰司さんによる「『語源で学ぶ医学英単語ハンドブック』に見る,医学英語教育の新たな地平」も上位につけています.私自身の「「英語史の塔」が建設されました」や,昨日公開した「【祝・Amazon1位】「英語史をお茶の間に」への挑戦が本格的に始まりました! 『なぜさんたんげん』予約爆撃アワーへの御礼」も人気のようで何よりです.
ari さんによる「#653【英語史クイズ】 chair,bench,sofa,couchのうち英語本来語はどれ?(答え編)」,lacolaco さんによる「英語語源辞典通読ノート D (depopulate-desert)」,ykagata さんによる「バリバリボールの思い出:社会言語学と第二言語習得の交差点,あるいは日本の教育現場の英語方言について」,mozhi gengo さんによる「#350. 言葉の海」も上位入賞です.
寺澤志帆さんの「約1年かけて『英語語源辞典』のAで始まる語を通読してみた」や,みーさんの『英語語源ハンドブック』に基づくシリーズも「小学生と学ぶ英語史#110 "oh"」が上位にランクインしています.
ほかにも挙げていけばキリがありませんが,「hel活」ハッシュタグの下でhel活の輪が広がってきていることは確かです.ぜひ本ブログをお読みの皆さんも,note でのhel活に参加しませんか?
ちなみに,6月10日に発売予定の『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』の公式統一ハッシュタグ #なぜさんたんげん を帯びた note 記事も,(著者によるもの以外にも)現われてきています.こちらのハッシュタグも,ぜひ積極的にお使いいただければと思います.

6月10日に発売予定の『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』の版元であるNHK出版が展開するNHK出版マガジンにて,本書の一部が5月11日付けで記事として無料公開されました.
記事のタイトルは「紀元前からのこだわり?なぜ3単現の s をつけるのか【英語史で解く英文法の謎】」です.この記事は本書の第1章第5節「なぜ3単現の s をつけるのか」にまるまる相当します.発売に先立って,まずこの話題についてじっくりお読みいただければと思います.
「3単現の s」問題は,本書の副題に含まれている通り,本書で取り上げる「英語に関する素朴な疑問」の代表選手です.すべての英語学習者が,つまずいたり,引っかかったり,あるいは疑問に思った経験があるのではないかと思います.しかし,ほとんどの英語学習者は,「なぜ3単現の s をつけるのか」への納得のゆく答えを与えられたことがありません.いまだにモヤモヤしている人もいれば,深く考えないことにして疑問を記憶から消し去った人もいるでしょう.しかし,英語史の観点からみると,答えがあるのです.少なくとも考えるヒントが確かにあるのです.英語史は,かつて抱いていた素朴な疑問に改めて光を当ててくれます.
本書は,「3単現」問題に代表される,皆さんが抱いたことのある(かもしれない)素朴な疑問を集め,英語史の観点から切っていく,そのような本です.素朴な疑問のスタンダード集を目指して執筆・編集しました.どうぞご期待ください.
発売までの約1ヶ月の間に,NHK出版デジタルマガジンからは,本書に関する別の記事も出ることになっております.そちらもお楽しみにしていただければ(デジマガの X アカウント @nhkpb_digimag もぜひフォローを!).
hellog 読者の皆さんにおかれましては,各種のSNSアカウントをお持ちでしたら,ぜひ今回公開された「3単現の s」の記事について,広めていただいたり,ご感想やご質問を発信していただければと思います.最近はとりわけ 有志による note 上での「hel活」(=英語史活動)が盛んです(現時点で1767件の記事!)ので,note などで皆さんと「3単現の s」で議論できればと思います.そして,発信される際には,ぜひ本書の公式統一ハッシュタグ #なぜさんたんげん を添えていただければ.
・ 堀田 隆一 『英語史で解く 英文法の謎 --- なぜ「3単現の s」をつけるのか』 NHK出版〈NHK出版新書〉,2026年.

heldio/helwa のコアリスナーであるみーさんが,note 上で展開されている連載「小学生と学ぶ英語史」が,先日4月21日に記念すべき第100回に到達しました.1月12日の連載開始以来,一日も欠かすことなく毎日更新を続けての100回達成です.この偉業に,心よりお祝い申し上げます.
このシリーズは『英語語源ハンドブック』の項目をベースとしながら,みーさんご自身が教えられている英語教室での経験を活かし,小学生にもわかるように丁寧に,かつ優しくかみ砕いて解説されているものです.タイトルには「小学生と学ぶ」とありますが,その内容は決して小学生向けに限定されるわけではありません.各記事には語源に関する確かな知識に加え,学習上の助けとなる周辺知識やエピソードが豊富に盛り込まれており,中高生や大学生,さらには学び直しを志す大人の学習者にとっても,非常に示唆に富む内容となっています .
みーさんの記事の魅力は,何といっても語り口の柔らかさにあります.『英語語源ハンドブック』の記述をそのまま提示するのではなく,目の前にいる子供たちがどこで躓き,どこで目を輝かせるのかを熟知した教育実践者としての視点が貫かれています.たとえば,lady の語源が「パンをこねる女性」であるという話から,聖母マリアにちなむ ladybug 「てんとう虫」の話題へと繋げ,子供たちの好奇心を刺激する手法などは,まさにその真骨頂と言えるでしょう .
また,みーさんは,hel活をしている helwa の仲間たちがアルファベット順に語源をたどる試みにインスピレーションを受け,ご自身も a, b, c ... と一巡し,また a に戻るという独自のルーティンを確立されました.このように志を同じくする仲間たちが互いに刺激し合い,学びを深めていく姿は,まさに「英語史をお茶の間に」を体現するものだと思います.
このたび,100回突破を祝して heldio にてみーさんとの対談を収録しました.4月28日(火)の朝に配信した「#1794. 祝・みーさん「小学生と学ぶ英語史」100回記念対談」です.連載を始めたきっかけから,日々の継続のコツ,そして教室での子供たちの生の反応まで,たっぷりとお話しを伺っています.
さらに,同日の夕方に,プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪 (helwa)」でも,対談の続編を「【英語史の輪 #0438】みーさんとお祝い対談(今朝の続き)」と題して配信しています.こちらでは,よりリラックスした雰囲気で,継続の仕組みや仲間との交流について深掘りしています.ご関心のある方は,あわせてお聴きください.
英語史という分野は,一見すると難解に思われがちですが,みーさんのように橋渡しをされる方がいれば,小学生であっても「印欧祖語」 (indo-european) などの用語も自然に使いこなすようになるのです.こうした英語史の草の根の活動が,英語教育の現場に新しい風を吹き込むことを期待してやみません.読者の皆様も,ぜひみーさんの note を訪れ,フォローしたり温かいコメントを寄せていただければと思います
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


隔週土曜日は,heldio/helwa コアリスナーの sorami さんによる『英語語源ハンドブック』クイズ・シリーズの新作が note 上で公開される日です.昨日は第6弾が公開されました.相変わらず楽しく学べる良質の教材です.2週間前に公開された第5弾とともに,ご紹介したいと思います.
まず3月21日に公開された第5弾ですが,相変わらずの良問揃いで,私自身も感激しつつ解いていました.取り上げられているトピックは多岐にわたります.偽装複合語 holiday の話題から始まり,続けて listen と hear の使い分けなど,学習者がつまずきやすいポイントが鮮やかにクイズ化されています.また,nice の意味変化の話題は英語史の鉄板のネタですが,これを「すごい」や「やばい」といった日本語の語義変化と対比させて解説する手際の良さには感心しました.
また,第5弾からはユーザーインターフェースが改善され,さらに pdf での配布まで始まっています.出血大サービスと言わざるを得ません.学校の授業の余興や,ちょっとした頭の体操に利用しない手はないですね.
続いて,昨日公開されたばかりの第6弾です.こちらは冒頭からギリシア語由来の単語に焦点を当てるという,なんとも心憎い構成になっています.現代の私たちにとって極めて身近な単語が,いかにして古代ギリシアの文化を背景に成立したのかが分かります.ギリシア語特有の高尚な響きも相まって,クイズとしての難易度も少し上がっているかもしれませんが,西洋文明の源流に触れる歴史学習としても非常に教育的です.
後半では right の多義性や,trip と travel の語源的な対比など,深く掘り下げた問題が続きます.travel がなんと「拷問器具」に由来するというエピソードには,答えを見て「え~,まさか!」と声を上げる挑戦者が続出すること間違いなしですね.
sorami さんのクイズは,単語の背後にある歴史や文化という人間の営みを感じさせてくれます.そして,「英語史をお茶の間に」をハイレベルで体現している素晴らしいコンテンツとなっていると思います..
両記事の冒頭には「このシリーズでは,研究社『英語語源ハンドブック』の中に詰まった「へぇーッ」をクイズにしてお届けしています.授業のネタに,親子の雑学タイムに,脳トレに,お役立てください.昔中学生だったあなたもぜひ!」という,ほっこりするメッセージが付されていますね.最後にはいつものように「授業の小ネタ,ウォームアップ,グループ活動などに自由に使っていただければ幸いです」ともあります.とても嬉しい心遣いですね.
今回の新作紹介と合わせて,sorami さんのクイズ・シリーズの過去回をご紹介した,以下の hellog 記事もお読みいただければと思います.
・ 「#6125. heldio/helwa リスナー sorami さんによる『英語語源ハンドブック』のクイズ・シリーズが開始 --- 中高生のための英語史」 ([2026-02-02-1])
・ 「#6132. sorami さんの『英語語源ハンドブック』クイズ第2弾 --- 中高生のための英語史」 ([2026-02-09-1])
・ 「#6166. sorami さんの『英語語源ハンドブック』クイズが第3弾,第4弾と快進撃 --- 中高生のための英語史」 ([2026-03-15-1])
ぜひこちらのクイズ・シリーズを解いてみてください.そして,さらに広めていただければと思います.
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

1ヶ月前の2月18日は「英語史の塔」が建った記念日です.私のhel活の歴史において,おおいに注目すべき出来事でした.この塔の建設の経緯は本ブログを含め様々な媒体で公開してきました.
この1ヶ月の間,「英語史の塔」がジワジワと知られるようになってきました.note 上で塔に反応くださる英語史ファンの方も現われており,元気づけられている次第です.「英語史の塔」が言及されているウェブ上の主要コンテンツを,いくつか挙げておきます.
・ 堀田による note 記事「「英語史の塔」が建設されました」(2月18日)
・ hellog 記事「#6150. 「英語史の塔」が建っています」 ([2026-02-27-1])
・ heldio 配信「#1736. この春は英語史を始めよう! --- 「英語史の塔」の登り方」(2月28日)
・ Grace さんによる note 記事「「英語史の塔」建設により見えるもの」(3月1日)
・ heldio 配信「#1735. 「英語史の塔」をご覧ください」(3月1日)
・ hellog 記事「#6153. 昨朝の朝日サンヤツ広告に『古英語・中英語初歩』と『英語語源ハンドブック』が掲載」 ([2026-03-02-1])
・ mozhi gengo さんによる note 記事「#332. 登ってみよう英語史の塔に」(3月4日)
・ YouTube 「いのほた言語学チャンネル」動画91年前の市河三喜の名著が新装復刊!【いのほた言語学チャンネル第407回】(3月9日)
・ 堀田による note 記事「「英語史の塔」の攻略の仕方」(3月9日)
この塔は見栄えがよいだけの代物ではありません.そこには,英語史の学び方の提案という意図が乗っています.塔としてご紹介している4冊,すなわち『はじめての英語史』『英語語源ハンドブック』『古英語・中英語初歩』『英語語源辞典』は,有機的に結びついており,どこから学び始めてもいずれは出会うべき運命の書籍です.どれからでも自由に学び始めることができますが,お薦めのルートはあります.それを,note 記事「「英語史の塔」の攻略の仕方」で公開していますので,ぜひお読みください.
昨年から今年にかけて英語史関連の書籍が複数冊出版されており,英語史を学び始めるのに最適なタイミングとなっています.この春,皆さんも英語史を学び始めてはいかがでしょうか.私も,本ブログや他のメディアを通じて英語史の学び始めをサポートし応援するコンテンツを多く挙げていく予定です.
・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.


本ブログでも2月より「#6125. heldio/helwa リスナー sorami さんによる『英語語源ハンドブック』のクイズ・シリーズが開始 --- 中高生のための英語史」 ([2026-02-02-1]) と「#6132. sorami さんの『英語語源ハンドブック』クイズ第2弾 --- 中高生のための英語史」 ([2026-02-09-1]) の2回にわたりお知らせしてきました.heldio/helwa コアリスナーの sorami さんが,協力者の方とともに繰り広げる『英語語源ハンドブック』をベースとした,中学生に向けての英語史クイズのシリーズです.その後もクイズを公開し続けられ,上記の通り第3回と第4回にもアクセスできるようになっています.
中学校などの「授業で使える」と謳っているからでしょうか,シリーズ初回公開から1ヶ月半で,早くも note 上で人気シリーズとなっています.問題の質が高く,ヒントも中学生にとって親切で,解説も必要十分な詳しさ.実際に授業で活用されることを念頭に,コンテンツが磨き込まれているという印象です.
第3回は,日本語になっている身近な英単語を参照して,語源で種明かしするという趣旨のクイズが多く出されています.最後の問題で黙字 (silent_letter) に注目している辺りにも,出題センスが光ります.
第4回は,英語の諺と英語の人名と愛称形に関する興味深い話題です.ここにもやはり,日本語になっている諺や,日本でも馴染みのある英語人名をとっかかりに,その語源に踏み込んでいくという見事な構成が仕組まれています.解説は情報量が多いものの,皆が親しみやすい話題なので,知識が頭にスルスルと入ってきますね.
すでに読者の方々からも感想が寄せられてきている通り,「中学生向け」と題しているものの,大人も楽しんで学べてしまう良質のコンテンツとなっています.
sorami さんは,今回も結びで「授業の小ネタ,ウォームアップ,グループ活動などに自由に使っていただければ幸いです」と述べられています.全国の英語教員の皆さん,ぜひこのクイズを授業などで活用してみてください.出題や解説にあたっては,原則として『英語語源ハンドブック』に依拠しているということですので,その点もご安心ください.
そして,慣れてきたら,皆さんご自身が『英語語源ハンドブック』からおもしろい話題を引き抜いて,クイズを作問してみてください.その折りには,ぜひ一般にも公開していただければ.「英語史を教室に」の輪が広がっていくことを期待しています!
sorami さんのクイズシリーズについては,先日の heldio 配信回「#1748. sorami さんの『英語語源ハンドブック』クイズ・シリーズが絶好調」でもご紹介しています.ぜひそちらもお聴きください.
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

昨日の記事「#6149. 『古英語・中英語初歩』が新装復刊」 ([2026-02-26-1]) で,伝説的な入門書『古英語・中英語初歩』の新装復刊をご案内しました.復刊に先だつこと9日ほど前の2月18日に,なんと上記の「英語史の塔」 (tower_of_hel) が建ちました.壮観ですね.この「英語史の塔」の建設の経緯については,note 記事「「英語史の塔」が建設されました」にまとめておきましたが,hellog としても概要を記しておきます.
2026年2月18日(水)の昼下がり,X にて写真とともに「……建ちました。」とだけ投稿しました.実はこの「英語史の塔」が建設された旨のご案内でした.
発端は,現在滞在中のオーストラリアはメルボルンからの,ほんの軽い冗談でした.ここ数週間『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』(研究社;初版1935年)を「推し」続けている身として,同社から出ている拙著を含めた英語史関連の4冊をまとめて紹介したいという切望が日増しに強まっていました.
・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.
しかし,これらの本を日本から持参してきたわけはないので,紹介するにもパンチが効きません.そこで,研究社の営業担当のTさんに,4冊をそれらしく積み上げて,「英語史の塔」みたいに撮ってもらえますか? と無茶振りをお願いしてみました.1冊ずつちょこんとバランスよく重ねて,ちょっとしたネタ写真にでもなれば十分,という軽い気持ちでした.
ところが数日後,Tさんより送られてきた写真を見て,目を見張りました.4冊の積み木遊びのようなレベルではなく,各書籍を数部ずつ巧みに組み合わせた,本気の建築物が屹立していたのです.私の軽い冗談が,プロの本気を引き出してしまったようです.
感激して写真を眺めながら,感慨に耽りました.考えてみれば,英語史研究とは,まさにこのように「積み上げる」営みだったのではないかと.時代を積み上げ,語彙・音声・文法を積み上げ,横の広がりと縦の深さを積み上げてきた.そして,『古英語・中英語初歩』のオリジナル版が刊行された1935年から,新装復刊の2026年に至るまで,先人の知恵が詰まった本を積み上げてきた.気づいてみれば,それは一朝一夕にはガタつくことのない「塔」になっていた,ということです.
「英語史の塔」お構成する4冊は,それぞれに役割が異なります.
・ 『英語語源辞典』は英単語の歴史を深掘りしていく本
・ 『はじめての英語史』は英語史の考え方をつかむ本
・ 『英語語源ハンドブック』は英語語源の世界を横断する本
・ 『古英語・中英語初歩』は古い英語の原文に触れる本
一見バラバラの入口に見えて,実は1つの大きな英語史という建築物を構成する重要なパーツです.
hellog 読者の皆さん,この春はいずれの入口からでも英語史の世界に入ってみませんか? 全4冊へのアクセスは,研究社公式のこちらのページ の下方の「関連書籍」,あるいは「英語史関連・周辺テーマの本」のページからが便利です.
・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

先週の月曜日の「#6125. heldio/helwa リスナー sorami さんによる『英語語源ハンドブック』のクイズ・シリーズが開始 --- 中高生のための英語史」 ([2026-02-02-1]) に引き続き、嬉しいお知らせです.sorami さんが、『英語語源ハンドブック』(研究社)をベースにした note 記事の第2弾を公開されました.「授業で使える!中学生向け英語語源クイズ#2」です.
今回もラインナップが充実しています.祈願文 God be with ye! から生まれた挨拶表現や,history と対をなす2重語 (doublet) の話題など,英語史の定番であり,かつ学習者の「なぜ?」に直球で応える良質な問題が揃っています.
「青りんご」問題も,色彩の文化差を考えさせる良問ですね.現代的な話題への目配りも欠かしません.SNS でおなじみの lol や,ポリティカル・コレクトネス (political_correctness) の文脈で語られる職業名の問題など,英語という生きた言語の背後にある歴史的・社会的変化を自然に学べるクイズのラインナップになっています.
sorami さんは,今回も記事の結びで,「授業の小ネタ,ウォームアップなどに自由に使っていただければ幸いです」と述べられています.全国の英語教員の皆さん,ぜひこの宝の山を活用してみてください.授業の冒頭で例えば God be with ye! の小ネタを添えるだけで,生徒たちの単語に対する眼差しも変わるのではないでしょうか.
「英語史をお茶の間に」ならぬ「英語史を教室に」.こうした活動を通じて,英語史的な視点が広がっていくことを願っています.sorami さん,第3弾も期待しております!
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

1月28日,heldio/helwa リスナーの sorami さんが note 上で「授業で使える!中学生向け英語語源クイズ」と題するシリーズを開始されました.昨年6月に出版された『英語語源ハンドブック』(研究社)に基づいた英単語の語源に関するクイズです.「授業で使える!中学生向け英語語源クイズ#1~『英語語源ハンドブック』より~」をご覧ください.
訪れてみればお分かりになると思いますが,すばらしい教材です.まず,出題のラインナップが絶妙です.animal から○○○への展開,business のなかに隠れている別の単語を探させるという発想,さらには percent, centimeter, century に共通する cent という部品への注目など,中学生が日々接している英単語が,実は深い歴史的な根っこでつながっていることを発見させる構成になっています.
ほかに cultivate(耕す)と culture(文化)のつながりは,英語語源の定番の話題ではありますが,それを「土を耕す」から「人の心を耕す」への意味変化として提示することで,中学生の知的好奇心がおおいに刺激されることと思います.解答では日本語の「培う」の語源にも触れている点など,比較語源学的な視点も盛り込まれており,言語への感度を高める工夫が随所に凝らされています.
私は常々,英語史という分野は英語教育との相性が抜群であると感じています.文法規則の丸暗記に疲れ果てた学習者にとって,語源的な背景を知ることは,単なる暗記の負担を軽減するだけでなく,言語そのものに対する愛着を育むきっかけとなるからです.sorami さんのこの試みは,まさにその理念を具現化した「授業で使える小ネタ」の宝庫です.
全国の小中高のお英語教員の皆さんにも,ぜひこの記事を訪れていただければと思います.そして,記事の最後に「授業の小ネタやウォームアップなど自由に使っていただければ幸いです」とある通りですので,ぜひご活用ください.また,sorami さんのように,『英語語源ハンドブック』をもとに自らクイズを作成したり,あるいはハンドブックを片手に授業の導入を工夫したりといった,独自の試みを始めてみてはいかがでしょうか.「英単語って,実はこんなに繋がっているんだ!」という生徒の驚きは,教える側にとっても大きな喜びとなるはずです.
sorami さんの note シリーズの今後の展開を楽しみにするとともに,読者の皆さんもぜひこの「語源で学ぶ,語源で教える」の輪に加わっていただければ.
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
先日の記事「#6075. 『英語語源ハンドブック』追加資料(索引)が公開されています」 ([2025-12-14-1]) でお知らせした通り,研究社のウェブサイトにて『英語語源ハンドブック』の索引データ(Excel および PDF)が無料公開されています.2週間ほどまえの公開以来,多くの英語学習者や先生方にダウンロードしていただいているようです.
この索引の使い方ですが,単に「あの単語はどこに載っているかな?」と検索するために使うだけではもったいないのです.とりわけ Excel 版のデータは,並べ替えたり,フィルタをかけたりすることで,本書の(いな英語語源の)隠れた構造や,著者陣すら気づいていなかった意外な事実をあぶり出すことができる優れものです.単なる検索ツールというよりは,それ自体が探索可能な「英語語源のデータベース」と捉えることができます.
ここ数日,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」では,この索引データを題材として,担当編集者さんや私自身がいかにそれを使って遊べるか,学べるか,というトピックを集中的に取り上げてきました.索引の公開を記念して,「索引の歩き方」をいくつか紹介したいと思います.
まず,手始めに「日本語索引」を眺めてみましょう.通常,語源辞典の索引といえば英単語が並んでいるものですが,今回の追加資料には日本語の項目もリストアップされています.パラパラと見ていると,「なぜこの単語が?」という不思議な日本語に出くわします.例えば「ファミリーマート」.英語語源の本になぜコンビニ名が登場するのでしょうか.その謎については,以下の放送回で語っています.
・ 「#1660. ファミリーマートと摩訶不思議 --- 語源ハンドブック索引より」 (2025/12/15)
次に,Excel ならではの機能である「並べ替え」や「カウント」を活用してみましょう.「英語索引」のデータを分析してみると,本書の中で最も頻繁に言及されている英単語(見出し語としてではなく,解説の中で引き合いに出されている単語)が何であるかが分かります.1位はどんな単語なのか,予想してから聴いてみてください.
・ 「#1661. 言及数トップの英単語はアレ! --- 語源ハンドブック索引より」 (2025/12/16)
また,データをページ順にソートし直してみるのも一興です.アルファベット順(辞書順)から解放され,本書内での掲載順に単語を並べ替えてみると,本書の構成や,執筆陣がどのあたりでどのような語群に熱を上げていたか(?)が透けて見えてきます.
・ 「#1662. ページ順にソートして見えてくるもの --- 語源ハンドブック索引より」 (2025/12/17)
さらに,今回の索引作成を担当された研究社の編集者さんから,索引データに基づいた「語源クイズ」が出題されています.索引作成者だからこそ気づくことのできた,マニアックかつ興味深い視点からのクイズです.
・ 「#1663. 『英語語源ハンドブック』の担当編集者より語源クイズ (1)」 (2025/12/18)
・ 「#1664. 『英語語源ハンドブック』の担当編集者より語源クイズ (2)」 (2025/12/19)
このように,たかが索引,されど索引です.データとして手元にあることで,書籍本体とはまた違った角度から英語語源の世界を楽しむことができます.
まだ入手されていない方は,ぜひ『英語語源ハンドブック』追加資料(索引)のダウンロードページよりファイルをダウンロードしていただき,データをいじり倒してみてください.きっと独自の発見があるはずです.
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
『英語語源ハンドブック』が刊行されて半年が経ちました.おかげさまですでに3重版が出ており,ご好評いただいています.本書はJACETの基本1000語をアルファベット順に見出しとして立て,その単語から広がる語源や英語史の世界を楽しんでいただくという趣旨の書籍で,英語学習者や,とりわけ英語教員に,広くお読みいただいています.
刊行当初より,読者の方々から本書で言及されている英単語・表現を一覧にした索引が欲しいとのリクエストをいただいていました.紙幅の都合により書籍本体には収録できなかったのですが,多くのリクエストを受け,このたび研究社の編集の方々がその索引を作成し,公式HPからデジタル資料として提供されました.無料でDL可能ですので,ぜひこちらの『英語語源ハンドブック』追加資料(索引)のダウンロードページにアクセスし,入手していただければと思います.
公開されているファイルは圧縮ファイルで,なかには索引のExcel版とPDF版のファイルが含まれています.「英語索引」のほか,なんと「日本語索引」が付いていることにご注目ください.
1. 英語索引:本書で言及されている全4083の単語・表現を網羅し,掲載ページと検索補助(意味など)が付されているもの
2. 日本語索引:本文解説内で触れられている主要な日本語項目と,その掲載ページが付されているもの
ぜひ特定の単語が言及されているページを素早く検索したり,あるいは語彙データを分析したりと,書籍とあわせて多目的にご活用いただければ幸いです.
なお,今回公開されたデータを眺めていると,単なる索引にとどまらない「意外な発見」がいくつかありました.特に「日本語索引」の方には,語源の本らしからぬ不思議な単語も紛れ込んでいるようです.例えば「博多どんたく」.なぜ英語語源と関係あるのかと不思議に思うかもしれませんね.これを紹介するショート動画を作ってみましたので,ぜひご覧ください.
今回の索引公開と合わせて,研究社公式の研究社 note にて,『英語語源ハンドブック』の担当編集者さんによる「英語語源クイズ」も公開されていますので,ぜひそちらも訪れてみてください.
また,本書と関連する公式情報として「#5969. 『英語語源ハンドブック』重版に伴う正誤表の公開」 ([2025-08-30-1]) もご覧ください.
引き続き『英語語源ハンドブック』のご愛用のほど,よろしくお願いいたします.

・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
2025年6月29日(日)に helwa 名古屋オフ会が開催されました.その様子をルポとして書き留めておきたいと思います.同じ文章を note にも上げており,そちらには写真なども掲載していますので,ご関心のある方はご訪問ください.
1. helwa 名古屋オフ会の濃密な一日
皆さん,こんにちは! 2025年6月29日(日)に開催された helwa 名古屋オフ会の興奮が冷めやらず,この熱量を早く皆さんにお届けしたいという思いでルポを書きました.記憶が鮮明なうちに,あの濃密な一日の出来事を記録として残しておきたいと思います.
このレポートを通じて,当日ご参加くださった方には「そうそう,こんなことがあった!」と楽しい記憶を呼び覚ますきっかけに,そして残念ながら今回は参加できなかった方には,会場の熱気や和やかな雰囲気を少しでも追体験していただければ,これほど嬉しいことはありません.
なお,本記事は7月3日に helwa で配信された「【英語史の輪 #311】名古屋オフ会を終えて」の内容に基づいたものであることを記しておきます.
2. 始まりは前日の「近代英語協会」から
今回のオフ会が実現した直接のきっかけは,6月28日(土)に名古屋大学で近代英語協会の学会が開催されたことでした.所属しているこの学会への参加は早い段階から決めており,新年度に入って具体的な仕事の予定が見えてきたところで,「これは間違いなく行ける!」と確信し,「名古屋でオフ会をやりましょう!」と helwa の皆さんにお声がけさせていただきました.
すると,すぐさま力強く手を挙げてくださったのが,関東在住で名古屋出身の Lilimi さんでした.「名古屋でオフ会をやるなら是非」と以前から伺っており,その言葉通り,企画が本格化すると驚くほどのスピード感で様々な手配を進めてくださいました.そのやる気と実行力には,いつもながら助けられています.
Lilimi さんを中心に,名古屋在住のヘルメイトの皆さんとも連携し,懇親会のお店選びなどが進められていきました.また,「名古屋は関西からも関東からもアクセスしやすい」という地の利を活かして広く参加を募ったところ,最終的に私を含めて総勢10名ほどが東西から集まる,多彩な顔ぶれの会となりました.
3. 波乱の幕開け?深酒,寝坊,そしてまさかの・・・
オフ会前日,私は早朝の新幹線で名古屋入りし,近代英語協会に参加しました.「アフターファイブが本番」とも言われる学会の世界(←本当か?)ですが,ビフォーファイブにも,セッションの合間には普段なかなか会えない熊本学園大学の矢冨弘さんなどを捕まえて,控室で heldio の対談収録にいそしんでいました.
学会後の懇親会も大いに盛り上がり,2次会,3次会へと流れ,最終的に矢冨さん,専修大学の菊池翔太さんとともに3人で,名古屋駅前で飲み明かしました.お開きになったのは,なんと翌朝の5時(ファイブ)でした.オフ会当日にもかかわらず,20代の頃に戻ったかのような無茶をしてしまったのです(後悔はありません).
宿に帰ったのは朝5時半.そこから6時の heldio 配信のために大急ぎでイントロを収録したのですが,当然ながら全く呂律が回りません.普通の速度で話したら舌が動かない状態で,苦肉の策として通常の1/2倍速で話すことで,なんとか収録を終えました.
その後,力尽きてベッドに倒れ込み,3時間弱の睡眠をとったのですが,目が覚めてからの作業に手間取り,気づけば helwa オフ会の集合時間である10時が迫っていました.慌てて会場へ向かったものの,名古屋駅の広大な地下街で迷子になってしまい,結局30分もの大遅刻….「主催者なのに大丈夫か,この人?」という皆さんの顔に迎えられ,ただただ平謝りするしかありませんでした.この場を借りて,改めてお詫び申し上げます.
4. 熱気に満ちたオフ会本編
4.1 午前の部:豪華ゲストとデジャヴュ収録
こんな私を温かく迎えてくれた皆さんと自己紹介などをしていると,そこに驚きの人物がいるではありませんか.なんと,前夜一緒に5時まで飲んでいた矢冨さんが,涼しい顔をして会場で座っていたのです.「9時に宿を追い出された」とのことでしたが,その元気さには舌を巻きました.
矢冨さんはお昼の飛行機で熊本へ帰る予定だったため,これはまさに4月13日の京都オフ会の再現.出発前の切羽詰まった状況で,大急ぎで heldio を一本収録しました.先日 heldio で配信された「#1495. do の不思議を専門家に尋ねる --- 名古屋オフ会に矢冨弘さん登場」は,こうして生まれたのです.
4.2 昼の部:書店視察と『英語語源ハンドブック』フォトチャレンジ
矢冨さんが去られた後,お昼ご飯を調達しに,皆で名古屋駅のデパ地下へ買い出しツアーに出かけました.その帰り道で「せっかくだから」とジュンク堂書店に立ち寄り,『英語語源ハンドブック』が置かれているかどうかの視察を行うことになりました.
語学書の棚へ向かうと,ありました! しかも,ただ棚に差さっているのではなく,表紙がしっかりと見える形で立てかけられていたのです.この嬉しい発見に皆で喜び,書店員さんに許可をいただいて記念撮影をすることに.しかし,語学コーナーに熱心なお客さんがいらっしゃり,10分ほど皆でその方が立ち去るのを待つという一幕も.ようやく私が本を指さしているお決まりのポーズで写真を撮ることができ,これは「フォトチャレンジ」として SNS にも投稿しました.皆さんと一緒にこんな体験ができたのは,本当に良い思い出です.
名古屋ジュンク堂書店にて
4.3 午後の部:専門家と語らう,白熱の生配信
会場に戻ってお弁当を広げていると,前日の学会で事務局として大忙しだった日本大学の村岡宗一郎さんが会場にて合流してくださいました.村岡さんは気鋭の英語史研究者.このまたとない機会を逃すまいと,早速 heldio の対談収録をお願いしました.テーマは「直接知覚と間接知覚」.専門的でありながらも,「言われてみれば確かに面白い」と知的好奇心をくすぐられる話題で,収録後も参加者を交えての議論が長く続きました.こちらは7月1日に heldio で「#1493. 知覚動詞構文と知覚の直接性について --- 名古屋オフ会で村岡宗一郎さんと対談」として配信しましたので,ぜひお聴きください.?
オフ会では,参加者一人ひとりとの会話が弾みすぎて,気づけば収録時間がなくなってしまう,という「オフ会あるある」が今回も発生.それでも「やはり生配信はやりたい!」ということで,3時過ぎから私が半ば強引に「that節」というお題を提案し,heldio の生配信を行いました.そのアーカイヴは「#1500. that 節を語ろう --- 名古屋オフ会より生配信」としてお聴きいただけます.
さらに続けて helwa の生配信も収録.その最後には,『英語語源ハンドブック』の共著者である愛知教育大学の小塚良隆さんもギリギリで駆けつけてくださり,さらに場が盛り上がりました.その様子は,後日「【英語史の輪 #309】名古屋オフ会より helwa 生配信(前編)」および「【英語史の輪 #310】名古屋オフ会より helwa 生配信(後編)」の2回にわたって配信しました.
5. 最高のフィナーレ:絶品うなぎと尽きない語らい
17時過ぎにオフ会本編は終了.撤収準備をしていると,Lilimi さんから「小塚先生と堀田先生のツーショットで,ハンドブック紹介のショート動画を撮りませんか?」という,素晴らしいご提案(無茶振り?)が.こうして撮影された動画は,小塚さんとの初のツーショット動画となり,今も再生数が伸び続けています(笑) 以下,YouTube 版の「『英語語源ハンドブック』を小塚&堀田が紹介」よりどうぞ.
そして,いよいよお待ちかねの懇親会へ.Lilimi さんが予約してくださったお店でいただいたのは,脳みそがバグってしまうほどの素晴らしいうなぎのフルコースでした.ひつまぶしをメインに,白焼きや骨せんべいなどが次々と運ばれ,まさに至福のひとときでした.
しかし,どんなご馳走でも敵わない最高のスパイスは,個室で交わされた皆さんとの打ち解けた会話でした.今回初めてじっくりお話できた清水さんや,トークで場を沸かせてくれた Ko さん,『古英語・中英語初歩』で古英語を学び始めているしーさん,そして小塚良孝さんは地元愛知県組.関西から参加された無職さん.関東から参加されたのは,Lilimi さんと ykagata さん,そして近代英語協会にも出席された村岡宗一郎さんと寺澤志帆さんです.懇親会では,こうしたバックグラウンドの異なる皆さんの魅力が爆発しました.今回の名古屋出張のピークは,間違いなくこの時間でした.ざっくばらんに,自由に語り合えたこの経験は,何よりの思い出です.
6. かけがえのない出会いに感謝を込めて
この会を通じて改めて深く感じたのは,helwa というプラットフォームがなければ一生出会うことがなかったような方々との繋がりの尊さです.英語(史)という緩やかな共通項はありつつも,参加者の皆さんの専門や経歴,興味の対象は実に様々.そんな多様な人々が一点に集い,互いの話に笑い,頷き,刺激を受ける.この化学反応こそが,オフ会の醍醐味なのだと再認識しました.この出会いは,私にとっては「貴重な体験」という表現では足りず,かけがえのない「財産」でした.
宴もたけなわ,別れの時間はあっという間にやってきます.特に日帰りの関東・関西組は新幹線の時間が迫っており,小塚さんが「あと30分!」と引き留めようとするのを振り切って,名残を惜しみながら解散となりました.
ご参加いただいた皆様,本当に楽しく,刺激的な時間をありがとうございました.そして,いつも配信を聴いて応援してくださるリスナーの皆さんにも,心から感謝申し上げます.これからも,皆さんと直接お会いできる機会を国内外問わず作っていきたいと思っています.helwa にも,helwa オフ会にも,どうぞお気軽にご参加ください.
昨日の記事「#5754. divers vs diverse」 ([2025-01-27-1]) の続編.昨日の記事を執筆した後,ヘルメイトの ari さんによるhel活 note 記事「#177 【WD】久しぶりの英語辞書の「今日のことば」。」を読んで知ったのだが,divers という単語が1月24日の Merriam-Webster: Word of the Dayで取り上げられていたとのこと.

divers と diverse について,1755年の Johnson の辞書を引いてみた.昨日の引用文で示されていた通り,各々の語が確かに別々に立項されている.そちらを掲載しよう.

Johnson の記述から,このペアの単語について気になった点を列挙する.
・ diverse のほうも divers とともに強勢は第1音節にあった(ただし現代でも両語にはいずれの音節にも強勢が落ち得るマイナー発音は聞かれる)
・ 意味の違いは divers は "more than one" で,diverse は "different" と単純明快
・ 当時すでに divers は使われなくなっていた
・ 例文をみると divers に不定代名詞としての用法があり,同じ例文には同用法の some もみえる
divers を用いた聖書の「使徒行伝」 (= the Acts of the Apostles) からの有名な1節として,"But when divers were hardened, and believed not, but spake evil of that way before the multitude, he departed from them, and separated the disciples, disputing daily in the school of one Tyrannus." (Acts 19:9) を挙げておこう.
*
私が主なウェブメディア上で展開している英語史に関する主な情報発信プラットフォームを,タイムラインでまとめてみました.上記のインフォグラフィックのなかから,リンクで直接飛べます.以下にリストの形でも挙げておきます.

英語史の研究者がじきじきに英語史分野を推す本気の「hel活」 (helkatsu) が現われてきています.
「#5487. 菊地翔太さん(専修大学)が note を始められました」 ([2024-05-05-1]) でご紹介した菊地翔太さん(専修大学)が,5月1日付でこちらの note に自己紹介の初記事を投下されました.
その後,周囲で期待が膨れ上がる中,50日あまりの沈黙を破り,昨日6月23日,第2弾となる記事が公開されました.満を持しての note 更新といってよいでしょう.「英語史学習の記録にブクログを!」です.
記事の内容は,菊地さんがゼミ生向けに始められた「ブクログ」による英語史活動の紹介です.ブクログは web 本棚サービスであり,本の感想やレビューによって人々がつながっていくことができるサービスです.菊地さんは,ゼミ生たちをブクログに巻き込み,英語史関連の書籍を紹介し合う学習・教育活動を展開しています.
まずは菊地さんご自身の「専修大学英語史ゼミの本棚」を覗いてみることをお薦めします.本棚にはすでに96冊の英語史書が並んでおり,圧巻の充実振りです.
菊地さんの斬新なhel活に刺激を受け,私自身もすぐにブクログのアカウントを開設し,とりあえず「helbs の本棚」(= "hel + bookshelf" のつもり)の名前で英語史の本棚を急ごしらえ.棚だけ作り,まず練習のために拙著を放り込んでみました.本格的な書籍選定はこれからなのですが,すでにおもしろい! ぜひ皆さんもブクログでご自身の本棚を持ち,菊地さんが提案する新しいhel活を始めませんか?
ちなみに菊地さんは,この新手のhel活を「helロギング」 (= "hel-logging"?) と呼び始めていらっしゃいます.名前学的に本ブログの名称「hellog」(ヘログ)に寄りすぎたニアミスであり,領域侵犯の疑いから私も臨戦態勢に入りかけましたが,菊地さんが上記 note 記事のなかで私を名指して「Let's enjoy helロギング!」と高らかに唱えつつ文章を締めくくっているのを見るにつけ,完全に脱力しました(笑).
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