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helkatsu - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2026-03-20 11:16

2026-03-18 Wed

#6169. 「英語史の塔」の話題がちらほら [tower_of_hel][hel_education][kochushoho][hee][kdee][hajimetenoeigoshi][kenkyusha][helkatsu][note][inohota][voicy][heldio][helkatsu][helwa][helmate]


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 1ヶ月前の2月18日は「英語史の塔」が建った記念日です.私のhel活の歴史において,おおいに注目すべき出来事でした.この塔の建設の経緯は本ブログを含め様々な媒体で公開してきました.
 この1ヶ月の間,「英語史の塔」がジワジワと知られるようになってきました.note 上で塔に反応くださる英語史ファンの方も現われており,元気づけられている次第です.「英語史の塔」が言及されているウェブ上の主要コンテンツを,いくつか挙げておきます.

 ・ 堀田による note 記事「「英語史の塔」が建設されました」(2月18日)
 ・ hellog 記事「#6150. 「英語史の塔」が建っています」 ([2026-02-27-1])
 ・ heldio 配信「#1736. この春は英語史を始めよう! --- 「英語史の塔」の登り方」(2月28日)
 ・ Grace さんによる note 記事「「英語史の塔」建設により見えるもの」(3月1日)
 ・ heldio 配信「#1735. 「英語史の塔」をご覧ください」(3月1日)
 ・ hellog 記事「#6153. 昨朝の朝日サンヤツ広告に『古英語・中英語初歩』と『英語語源ハンドブック』が掲載」 ([2026-03-02-1])
 ・ mozhi gengo さんによる note 記事「#332. 登ってみよう英語史の塔に」(3月4日)
 ・ YouTube 「いのほた言語学チャンネル」動画91年前の市河三喜の名著が新装復刊!【いのほた言語学チャンネル第407回】(3月9日)
 ・ 堀田による note 記事「「英語史の塔」の攻略の仕方」(3月9日)

 この塔は見栄えがよいだけの代物ではありません.そこには,英語史の学び方の提案という意図が乗っています.塔としてご紹介している4冊,すなわち『はじめての英語史』『英語語源ハンドブック』『古英語・中英語初歩』『英語語源辞典』は,有機的に結びついており,どこから学び始めてもいずれは出会うべき運命の書籍です.どれからでも自由に学び始めることができますが,お薦めのルートはあります.それを,note 記事「「英語史の塔」の攻略の仕方」で公開していますので,ぜひお読みください.
 昨年から今年にかけて英語史関連の書籍が複数冊出版されており,英語史を学び始めるのに最適なタイミングとなっています.この春,皆さんも英語史を学び始めてはいかがでしょうか.私も,本ブログや他のメディアを通じて英語史の学び始めをサポートし応援するコンテンツを多く挙げていく予定です.

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

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2026-03-18 Wed

#6169. 「英語史の塔」の話題がちらほら [tower_of_hel][hel_education][kochushoho][hee][kdee][hajimetenoeigoshi][kenkyusha][helkatsu][note][inohota][voicy][heldio][helkatsu][helwa][helmate]


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 1ヶ月前の2月18日は「英語史の塔」が建った記念日です.私のhel活の歴史において,おおいに注目すべき出来事でした.この塔の建設の経緯は本ブログを含め様々な媒体で公開してきました.
 この1ヶ月の間,「英語史の塔」がジワジワと知られるようになってきました.note 上で塔に反応くださる英語史ファンの方も現われており,元気づけられている次第です.「英語史の塔」が言及されているウェブ上の主要コンテンツを,いくつか挙げておきます.

 ・ 堀田による note 記事「「英語史の塔」が建設されました」(2月18日)
 ・ hellog 記事「#6150. 「英語史の塔」が建っています」 ([2026-02-27-1])
 ・ heldio 配信「#1736. この春は英語史を始めよう! --- 「英語史の塔」の登り方」(2月28日)
 ・ Grace さんによる note 記事「「英語史の塔」建設により見えるもの」(3月1日)
 ・ heldio 配信「#1735. 「英語史の塔」をご覧ください」(3月1日)
 ・ hellog 記事「#6153. 昨朝の朝日サンヤツ広告に『古英語・中英語初歩』と『英語語源ハンドブック』が掲載」 ([2026-03-02-1])
 ・ mozhi gengo さんによる note 記事「#332. 登ってみよう英語史の塔に」(3月4日)
 ・ YouTube 「いのほた言語学チャンネル」動画91年前の市河三喜の名著が新装復刊!【いのほた言語学チャンネル第407回】(3月9日)
 ・ 堀田による note 記事「「英語史の塔」の攻略の仕方」(3月9日)

 この塔は見栄えがよいだけの代物ではありません.そこには,英語史の学び方の提案という意図が乗っています.塔としてご紹介している4冊,すなわち『はじめての英語史』『英語語源ハンドブック』『古英語・中英語初歩』『英語語源辞典』は,有機的に結びついており,どこから学び始めてもいずれは出会うべき運命の書籍です.どれからでも自由に学び始めることができますが,お薦めのルートはあります.それを,note 記事「「英語史の塔」の攻略の仕方」で公開していますので,ぜひお読みください.
 昨年から今年にかけて英語史関連の書籍が複数冊出版されており,英語史を学び始めるのに最適なタイミングとなっています.この春,皆さんも英語史を学び始めてはいかがでしょうか.私も,本ブログや他のメディアを通じて英語史の学び始めをサポートし応援するコンテンツを多く挙げていく予定です.

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

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2026-03-16 Mon

#6167. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第11回「that --- 指示詞から多機能語への大出世」をマインドマップ化してみました [asacul][mindmap][notice][deixis][demonstrative][article][relative_pronoun][conjunction][hel_education][helkatsu]

 2月28日(土)に,今年度の朝日カルチャーセンターのシリーズ講座「歴史上もっとも不思議な英単語」の第11回(冬期クールとしては第2回)が開講されました.今回注目した単語は「that --- 指示詞から多機能語への大出世」です.
 現代英語における that は,指示詞,関係詞,接続詞をはじめとする様々な文法的な役割を果たす多義語です.多くの機能はすでに古英語にもみられますが,各々の機能はどのようにして起こり,発展してきたのでしょうか.超高頻度の単語でもあり,いちいち気にしたこともないと思いますが,今回あえて注目し,歴史的発展を追いかけてみました.講義は,that の八面六臂の活躍の秘密に迫る濃密な90分となりました.
 朝カル講座第11回の内容を markmap によりマインドマップ化して整理しました.復習用にご参照いただければ.


asacul_most_attractive_words_in_hel_11_20260228_mindmap.png



 なお,この朝カル講座のシリーズの第1回から第10回についてもマインドマップを作成してるので,そちらもご参照ください.

 ・ 「#5857. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第1回「she --- 語源論争の絶えない代名詞」をマインドマップ化してみました」 ([2025-05-10-1])
 ・ 「#5887. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第2回「through --- あまりに多様な綴字をもつ語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-06-09-1])
 ・ 「#5915. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第3回「autumn --- 類義語に揉み続けられてきた季節語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-07-07-1])
 ・ 「#5949. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第4回「but --- きわめつきの多義の接続詞」をマインドマップ化してみました」 ([2025-08-10-1])
 ・ 「#5977. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第5回「guy --- 人名からカラフルな意味変化を遂げた語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-09-07-1])
 ・ 「#6013. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第6回「English --- 慣れ親しんだ単語をどこまでも深掘りする」をマインドマップ化してみました」 ([2025-10-01-1])
 ・ 「#6041. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第7回「I --- 1人称単数代名詞をめぐる物語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-11-10-1])
 ・ 「#6076. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第8回「take --- ヴァイキングがもたらした超基本語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-12-15-1])
 ・ 「#6076. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第8回「take --- ヴァイキングがもたらした超基本語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-12-15-1])
 ・ 「#6098. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第9回「one --- 単なる数から様々な用法へ広がった語」をマインドマップ化してみました」 ([2026-01-06-1])
 ・ 「#6139. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第10回「very --- 「本物」から大混戦の強意語へ」をマインドマップ化してみました」 ([2026-02-16-1])

 次回の第12回は3月28日(土)で,今年度の最終回となります.テーマは「be --- 英語の「存在」を支える超不規則動詞」です.開講形式は引き続きオンラインのみで,開講時間は 15:30--17:00 となります.ぜひ朝日カルチャーセンター新宿教室の公式HPより詳細をご確認ください.
 また,2026年度も朝カルでの英語史講座を継続します.シリーズとしての大テーマも2025年度の「歴史上もっとも不思議な英単語」を引き継ぎますが,新たな試みとして,新刊書『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』を参照し,古英語や中英語の原文に挑む機会を増やしていく予定です.詳細はこちらの公式ページよりご覧ください.

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2026-03-15 Sun

#6166. sorami さんの『英語語源ハンドブック』クイズが第3弾,第4弾と快進撃 --- 中高生のための英語史 [note][hee][helkatsu][hel_education][quiz][helwa][silent_letter][onomastics][proverb][hypocorism]


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 本ブログでも2月より「#6125. heldio/helwa リスナー sorami さんによる『英語語源ハンドブック』のクイズ・シリーズが開始 --- 中高生のための英語史」 ([2026-02-02-1]) と「#6132. sorami さんの『英語語源ハンドブック』クイズ第2弾 --- 中高生のための英語史」 ([2026-02-09-1]) の2回にわたりお知らせしてきました.heldio/helwa コアリスナーの sorami さんが,協力者の方とともに繰り広げる『英語語源ハンドブック』をベースとした,中学生に向けての英語史クイズのシリーズです.その後もクイズを公開し続けられ,上記の通り第3回と第4回にもアクセスできるようになっています.
 中学校などの「授業で使える」と謳っているからでしょうか,シリーズ初回公開から1ヶ月半で,早くも note 上で人気シリーズとなっています.問題の質が高く,ヒントも中学生にとって親切で,解説も必要十分な詳しさ.実際に授業で活用されることを念頭に,コンテンツが磨き込まれているという印象です.
 第3回は,日本語になっている身近な英単語を参照して,語源で種明かしするという趣旨のクイズが多く出されています.最後の問題で黙字 (silent_letter) に注目している辺りにも,出題センスが光ります.
 第4回は,英語の諺と英語の人名と愛称形に関する興味深い話題です.ここにもやはり,日本語になっている諺や,日本でも馴染みのある英語人名をとっかかりに,その語源に踏み込んでいくという見事な構成が仕組まれています.解説は情報量が多いものの,皆が親しみやすい話題なので,知識が頭にスルスルと入ってきますね.
 すでに読者の方々からも感想が寄せられてきている通り,「中学生向け」と題しているものの,大人も楽しんで学べてしまう良質のコンテンツとなっています.
 sorami さんは,今回も結びで「授業の小ネタ,ウォームアップ,グループ活動などに自由に使っていただければ幸いです」と述べられています.全国の英語教員の皆さん,ぜひこのクイズを授業などで活用してみてください.出題や解説にあたっては,原則として『英語語源ハンドブック』に依拠しているということですので,その点もご安心ください.
 そして,慣れてきたら,皆さんご自身が『英語語源ハンドブック』からおもしろい話題を引き抜いて,クイズを作問してみてください.その折りには,ぜひ一般にも公開していただければ.「英語史を教室に」の輪が広がっていくことを期待しています!
 sorami さんのクイズシリーズについては,先日の heldio 配信回「#1748. sorami さんの『英語語源ハンドブック』クイズ・シリーズが絶好調」でもご紹介しています.ぜひそちらもお聴きください.

 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2026-03-06 Fri

#6157. 古中英語30連発の振り返りとアナリティクス [twitter][kochushoho][kenkyusha][kochukoneta30][helkatsu][hel_ogiri]

 1月26日から2月24日までの1ヶ月間,X(旧 Twitter)にて展開してきた「古中英語30連発」企画は,無事に完走しました.この企画は,2月25日の『古英語・中英語初歩』の新装復刊を記念し,古英語や中英語の魅力を1日1ネタずつ紹介していくという試みでした.本日は,この30日間の歩みを振り返り,どのような内容の投稿が皆さんに響いたのか,そのデータ分析の結果を共有したいと思います.
 まず,全体的な傾向として驚かされたのは,想像以上の反響です.全30本の投稿で得られた「いいね」の総数は約1,480件,総インプレッション数は実に31万件を超えました.平均して1投稿あたり1万ビュー以上という数字は,英語史という,ともすればマイナーと思われがちな分野に対してでも,関心が集まり得ることを示しています.
 分析の結果,特に反響が大きかったのは3つのカテゴリーに集約されます.第1は日英語を比較対照する内容の投稿です.今回,圧倒的な1位(440いいね)を記録した No.11 「英語の語彙は「3階建て」の構造」は,その典型です.英語語彙の3層構造は,本ブログでも繰り返し取り上げてきたテーマですが,日本語との比較対照がおもしろい話題でもあります.英語学習者の皆さんの単語暗記の悩みにストレートに刺さったということもあったかもしれません.
 第2に,日常語の意外なルーツを扱ったカテゴリーです.No.8 の Wednesday や No.9 の Friday といった,誰もが知る曜日の名前に潜む神話や語源のドラマは,安定した支持を集めました.特に Wednesday の綴字に残る d の謎などは,日頃から綴字と発音の乖離に悩まされている英語学習者の皆さんの知的好奇心を刺激したようです.
 第3は,「衝撃の事実」型です.No.3 の「古英語は現代の英語ネイティヴでも理解できないほどなのに,本当に「英語」と呼べるの?」という問いかけは,5万ビューを超える最大の拡散力を発揮しました.現代英語の感覚からは想像もつかない古英語の異質さと,それでも連綿と続いてきたという矛盾する事実は,英語史のダイナミズムを物語っているといえるでしょう.
 また,いくつかの話題にかこつけて「英語史大喜利」も開催しましたが,そこではリプライや引用リポストが相次ぎ,活気のある交流が生まれました.例えば No.14 の「ちゃんぽん(混種語)」の小ネタをもとにした大喜利では,主に日本語からの事例ではありましたが,多くの秀逸な混種語が集まり,たいへん賑わいました.SNS という媒体は,単なる情報発信の場に留まらず,言語に対する鋭い観察眼を持つ読者の皆さんと対話できる貴重な空間であることを再認識した次第です.
 今回の企画を通じて,英語史という分野がもつ「解決力」を改めて実感しました.歴史を知ることは,現代英語の「なぜ」を解き明かす鍵となるのです.30日間の投稿の詳細やリンクは,以下のテーブルにまとめてありますので,興味のある方はぜひ各投稿へ飛んでみてください.
 最後に,連日の投稿企画にお付き合いいただいたフォロワーの皆様,そして企画の原動力となった『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』に関心を寄せていただいた皆様,ありがとうございました.引き続き様々な方法で英語史の楽しさを発信していきますので,お付き合いのほど,よろしくお願いいたします.

小ネタタイトル日付いいねリポスト引用返信ブックマークビュー
01発音記号の æ はどこから来たの?01/266417921514422
02なぜ climb の b は発音されないの?01/2743114344654
03古英語は現代の英語ネイティヴでも理解できないほどなのに本当に「英語」と呼べるの?01/28104291131853230
04中英語のこの単語を読めますか? yhurght01/292197215860
05この中英語の文字の名前は?どんな音を表わす?01/302072223415
06「乾杯」を古英語で言ってみよう! Wes hal!01/3129102233608
073単現の -s は古中英語にもあったの?02/012391232234
08なぜ Wednesday は「ウェドネスデイ」みたいに綴るの?02/02160591112617612
09Tuesday, Wednesday, Thursday いずれも -s- がありますがなぜ Friday には -s- がないのですか?02/03642241126342
10なぜ old には elder というかわった比較級があるの?02/0438112153056
11英語の語彙は「3階建て」の構造02/05440625210039972
12英語は古英語の時代から借用語が多かったの?02/0636173344093
13中英語語彙,「自給自足」から「他力本願」への華麗なる転身?02/0729112123035
14英語も日本語もちゃんぽん(混種語)がお好き?02/08321021165289
15a six-foot manなぜ feet じゃないの?02/0941144254432
16「住所」のアクセントはどっち? addréss / áddress02/101552102319
17古英語はドイツ語のように「動詞第2の位置」が原則だった?02/1173192294330
18古英語の <y> の文字はドイツ語の <ü> に当たる?02/1256112264696
19north では <th> は濁らず northern では濁るのはなぜ?02/131971111841
20古代及び中世英語の研究は労多くして効少い02/142053123138
21古英語の名詞の「小変化」って要するに不規則名詞のこと?02/151462112346
22daisy 「ヒナギク」の語源が古英語の dæges ēage "day's eye" だと知っていましたか?02/162292265614
23なぜ sheep や deer はそのままの形で複数になるの?02/171491142028
24whilom 「以前の,昔の」 -om ってどんな語尾?02/181472131974
25hound 「猟犬」は古英語では普通の「犬」の意味だった!?02/191883103008
26「標準英語」はいつ成立したの?02/2021101112108
27英語史・英文学史を修めた人は必ずそらんじられる!? Whan that Aprill with his shoures soote02/2151123258090
28スペリングの標準化がなされていない時代の英語の辞書はどう引くの?02/221472113429
29現代英語の研究を志していますが古英語や中英語の知識は必要ですか?02/2313101122056
30『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 この本のテキストを独学で読めるようになる?02/241681111568



 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

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2026-03-04 Wed

#6155. 「英語史の塔」の4冊と英語史の始め方 [tower_of_hel][hel_education][review][kochushoho][hee][kdee][hajimetenoeigoshi][kenkyusha][helkatsu]

 「#6150. 「英語史の塔」が建っています」 ([2026-02-27-1]) にて「英語史の塔」 (tower_of_hel) が建った経緯について触れました.一見すると,研究社から出版されている英語史関連の既刊書・新刊書を積み上げただけの写真と思われたかもしれません.しかし,あの4冊の並びを眺めてみると,そこには英語史という分野に迫る上で,実に合理的な構造が隠されていることに気づきます.今回の記事では,その構造について解き明かしてみたいと思います.
 英語史という広大な領域に足を踏み入れる際,その入口は決して一つではありません.学習者の関心や動機に応じて,大きく分けて2つのルートが存在します.
 第1のルートは「全体から入る」アプローチです.このアプローチの土台となるのが,2016年に出版された拙著『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』です.本書では,英語史通史は第1章でさらっと概観するにとどめ,残りはトピック別に,すなわち音韻・綴字史,文法史,語彙史,英語社会史といった分野別の歴史を通じて,英語史的な「ものの見方」というレンズを提示することに主眼を置いています.目の前の英語を正誤で裁くのではなく,変化の結果として捉える思考のフレームワークを構築するための1冊と言えます.
 第2のルートは「単語から入る」アプローチです.これに適しているのが,昨年6月に刊行された『英語語源ハンドブック』です.身近な語の語源にまつわるエピソードは,それ自体が独立しておもしろく,どこからでも読み始めることができます.1語1語の背景にあるドラマに触れるうちに,英語という言語がいかに多様な歴史を背負っているかを肌身で実感することになります.単語間の横のつながりにも気づく機会が多いでしょう
 しかし,これら入口の本だけでは,まだ「塔」の全貌は見えてきません.そこからさらに一歩踏み込むための深化のプロセスが必要です.
 英語史の全体像,英語史の見方という骨格を習得した学習者が次に進むべきは,体験としての英語史です.そこで力を発揮するのがこの2月25日に刊行された『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』です.概説を通じて得た知識を,実際の古英語や中英語の原文にぶつけてみる.音や形を自らの目で確かめる作業を通じて,歴史は抽象的な知識から,確かな手応えを伴う身体的な経験へと昇華されます.
 一方で,単語と語源のおもしろさに目覚めた学習者が,その探究を縦に掘り下げたいと思ったときに必須となるのが,『英語語源辞典』新装版(2024年)です.『英語語源ハンドブック』で得た興味を,借用経路や形態変化の詳細,精緻な語形成の分析へとつなげていく.1語1語の背後に潜む数百年の時間を徹底的に掘り下げるこの作業は,まさに学問的な醍醐味に溢れています.
 これら4冊の関係を整理すると,以下のようになります.

 ・ 全体ルート:思考のレンズを得る(『はじめての英語史』) → 原文で身体化する(『古英語・中英語初歩』)
 ・ 単語ルート:語源のおもしろさを知る(『英語語源ハンドブック』) → 1語1語を徹底的に深掘りする(『英語語源辞典』)

 興味深いのは,どちらのルートから登り始めても,結局はもう一方のルートと交差する点にあります.単語を深く追えば必ず言語全体の歴史的背景に行き着きますし,全体を学べば必ず具体的な語の変化という事実に立ち返ることになります.英語史の学びは,平面的な移動ではなく,螺旋状に上昇していく循環構造です.本当に「塔」らしく見えてきたのではないでしょうか.
 前回の記事で紹介した写真は,まさにこの立体的な学びの構造を可視化したものと捉えることができます.土台があり,横の広がりがあり,縦の高さと深さがある.これらが組み合わさって初めて,「英語史の塔」は安定して自立します.
 どこからこの塔を登り始めるかは,読者の皆さん次第です.以下にまとめます.

 1. まず英語史の全体像を俯瞰したいなら『はじめての英語史』から
 2. 単語の語源や語彙のつながりに惹かれるなら『英語語源ハンドブック』から
 3. 過去の英語の響きを直接聴きたいなら『古英語・中英語初歩』へ
 4. 単語の語源を本格的に深掘りしたいなら『英語語源辞典』へ

 英語史の入門者であれば1か2をお薦めしますが,すでに学びを始めている方は,心の赴くままにどこから始めても構いません.これら4冊は互いに補完し合い,行き来することで皆さんの「英語史」をより立体的なものにしてくれるはずです.

 私は「英語史をお茶の間に」をモットーとしています.専門性の追求と親しみやすさは,決して矛盾するものではありません.「英語史の塔」の4冊は,その理想を具現化する1つの形です.塔は眺めるための飾りではなく,より遠く,より深くを見渡すための場所です.ぜひ,ご自身に合った登り方を見つけ,英語という言語の新しい景色を楽しんでいただければと思います.
 全4冊へのアクセスは,研究社公式のこちらのHPが便利です.

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

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2026-03-03 Tue

#6154. 英語史の月刊ウェブマガジン Helvillian の2026年3月号が公開されました [helwa][heldio][notice][helmate][helkatsu][helvillian][link]


helvillian_202603.png



 先日2月28日(土),英語史の周囲に集まる有志による月刊ウェブマガジン Helvillian 3月号(第17号)が公開されました.春の足音を感じる今号も,圧倒的なボリュームと多角的な視点が詰まった1冊となっています.
 今号の「1. 表紙のことば」は,私,堀田が担当させていただきました.滞在先の国際都市メルボルンを流れるヤラ川の早朝の風景です.多言語社会に暮らしてみて感じたことを綴っています.
 続く執筆陣はいつものように豪華です.「2. ari」さんは,2月の季節感あふれるクイズや,AI を駆使した最新の英語教育ツール,さらに偽装複合語 holiday をめぐる話題まで,八面六臂の活躍.シリーズ記事も多く,いつもどこからネタを探してくるのかと不思議なほどですね.
 「3. Grace」さんは,文字論の本を読みながら思いついたという悪名高い(?) literal 周辺の語彙を散策し,「4. lacolaco」さんの「英語語源辞典通読ノート」は D ゾーンを着実に進んでいます.
 インド短期滞在の報告が楽しみな「5. mozhi gengo」さんは,現地の動物園事情から古英語の2月の呼び名 Solmonað,そして『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』の表紙デザインから受けたインスピレーションまで,驚くべき守備範囲の広さを見せています.
 新連載や教育現場からの報告も充実しています.「6. sorami」さんによる中学生向け語源クイズは,ヘルメイトによるこの1ヶ月のhel活のなかでも大ヒットといってよいでしょう.「11. みー」さんの1月からシリーズ化が始まっている「小学生と学ぶ英語史」は,次世代に英語史や英語語源の楽しさを伝える素晴らしい試みです.「10. こじこじ先生」による英検と入試の現実的なアドバイスを含め,Helvillian 周りの活動はついに広い意味でのhel活は小中高のすべてをカバーするに至っています.「7. umisio」さんの「日曜研究」シリーズは,教科書・教育問題へ切り込んでおり,筆が止まりません.
 「8. ykagata」さんの独英語比較シリーズは,safe や take などの基本語を扱うことが多いですが,そのほか総選挙の報道やラジオ放送の改編といった時事ネタも積極的に取り上げています.「9. あまねちゃん」さんは,note 初投稿ながら,景気のよい Wes hal! の話題などでインパクトを与え始めています.
 「12. り~みん」さんの「千本ノック」論は,私が千本ノックを通じて何をしてきたのか,自分でも意味が分かっていなかったことに,1つのヒントを与えてくれた記事でした.「13. 佐久間」さんの歴史から見た生成AI論も,読み応えがあります.今こそ読んでおくべき記事ですね.
 「14. 川上」さんは,英語史を硬派に攻める急先鋒ですが,今回はレギュラーの「やってます通信」のほかラテン語の流入を歴史的背景とともに前・後編で詳述しています.「15. 堀田」のセクションでは,メルボルンでの「開封の儀」や「英語史の塔」建設について触れています.
 最後は「16. Grace」さんによるこの1ヶ月の helwa 活動報告と「17. umisio」さんによる編集後記です.編集委員でもあるお2方の3月号の総括が,なんともおもしろい.2月を通じて,皆でhel活を走り抜けてきたことがよくわかる締めとなっています.
 今月も,寄稿者各々の英語史愛が爆発した号となっています.ぜひじっくりとお読みいただければと思います.
 hellog 読者の皆さんも,このようなhel活コミュニティに加わってみませんか? ご関心のある方は,ぜひ気軽にプレミアムリスナー限定配信チャンネル 「英語史の輪 (helwa)」においでください.毎週火・木・土の午後6時に,heldio と変わらぬ熱量でお会いしましょう!

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2026-03-02 Mon

#6153. 昨朝の朝日サンヤツ広告に『古英語・中英語初歩』と『英語語源ハンドブック』が掲載 [tower_of_hel][hel_education][kochushoho][hee][kenkyusha][helkatsu]

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 昨日3月1日(日)の朝日新聞朝刊サンヤツ広告に,研究社から出版されている4冊が掲載されました.最初の2冊は,ここしばらく私自身が推しに推してきた『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』『英語語源ハンドブック』です.前者はつい先日,2月25日に刊行されたばかりの本,後者は昨年6月15日に刊行され3重版となっている本です.
 今回この2冊が並んで掲載されたことには,「英語史をお茶の間に」届けようと日々hel活を展開している者として,感慨を覚えます.というのは,2冊は一見すると別々の目的をもつ本に見えるかもしれませんが,実は英語史という「塔」を登る上で,興味深い関係で結ばれているからです(cf. 「#6150. 「英語史の塔」が建っています」 ([2026-02-27-1])).
 近々の記事で詳しく解き明かす予定ですが,英語史への入口には「全体から入るルート」と「単語から入るルート」の2つがあると考えています.『英語語源ハンドブック』は,身近な単語のエピソードから入る「単語ルート」の強力な案内人です.一方,『古英語・中英語初歩』は,英語史の骨格を学んだ者が次に進むべき「全体ルート」の深化プロセス,すなわち原文を通じた身体的経験を得られる1冊です.
 この2冊は良い具合に交わります.『ハンドブック』で単語の語源に魅了されたのであれば,その語が生まれた時代にあって,どのような響きをもっていたのかを知りたくなるはずです.すると,自然と『初歩』の原文へと導かれていくでしょう.
 逆に,『初歩』で古英語の格変化や中英語の綴字に悪戦苦闘している学習者が,個々の語の背景にあるドラマを知れば,その学習は彩り豊かなものへと変わります.
 つまり,この2冊は,語源という「点」の知識を,文献という「面」の経験へと繋ぐ,あるいはその逆へと橋渡しする関係にあります.ミクロからマクロへ,そしてマクロからミクロへ.このクロスオーバーこそが,英語史の学びを立体的なものにしてくれるのです.
 皆さんにおかれましては,以上の関係を意識しつつ,2冊の間をぜひ行き来してみてください.英語史のさらなる魅力に気づくことになるはずです.

 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

Referrer (Inside): [2026-03-18-1]

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2026-02-27 Fri

#6150. 「英語史の塔」が建っています [note][tower_of_hel][kochushoho][hee][kdee][hajimetenoeigoshi][kenkyusha][helkatsu]


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 昨日の記事「#6149. 『古英語・中英語初歩』が新装復刊」 ([2026-02-26-1]) で,伝説的な入門書『古英語・中英語初歩』の新装復刊をご案内しました.復刊に先だつこと9日ほど前の2月18日に,なんと上記の「英語史の塔」 (tower_of_hel) が建ちました.壮観ですね.この「英語史の塔」の建設の経緯については,note 記事「「英語史の塔」が建設されました」にまとめておきましたが,hellog としても概要を記しておきます.
 2026年2月18日(水)の昼下がり,X にて写真とともに「……建ちました。」とだけ投稿しました.実はこの「英語史の塔」が建設された旨のご案内でした.
 発端は,現在滞在中のオーストラリアはメルボルンからの,ほんの軽い冗談でした.ここ数週間『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』(研究社;初版1935年)を「推し」続けている身として,同社から出ている拙著を含めた英語史関連の4冊をまとめて紹介したいという切望が日増しに強まっていました.

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

 しかし,これらの本を日本から持参してきたわけはないので,紹介するにもパンチが効きません.そこで,研究社の営業担当のTさんに,4冊をそれらしく積み上げて,「英語史の塔」みたいに撮ってもらえますか? と無茶振りをお願いしてみました.1冊ずつちょこんとバランスよく重ねて,ちょっとしたネタ写真にでもなれば十分,という軽い気持ちでした.
 ところが数日後,Tさんより送られてきた写真を見て,目を見張りました.4冊の積み木遊びのようなレベルではなく,各書籍を数部ずつ巧みに組み合わせた,本気の建築物が屹立していたのです.私の軽い冗談が,プロの本気を引き出してしまったようです.
 感激して写真を眺めながら,感慨に耽りました.考えてみれば,英語史研究とは,まさにこのように「積み上げる」営みだったのではないかと.時代を積み上げ,語彙・音声・文法を積み上げ,横の広がりと縦の深さを積み上げてきた.そして,『古英語・中英語初歩』のオリジナル版が刊行された1935年から,新装復刊の2026年に至るまで,先人の知恵が詰まった本を積み上げてきた.気づいてみれば,それは一朝一夕にはガタつくことのない「塔」になっていた,ということです.
 「英語史の塔」お構成する4冊は,それぞれに役割が異なります.

 ・ 『英語語源辞典』は英単語の歴史を深掘りしていく本
 ・ 『はじめての英語史』は英語史の考え方をつかむ本
 ・ 『英語語源ハンドブック』は英語語源の世界を横断する本
 ・ 『古英語・中英語初歩』は古い英語の原文に触れる本

 一見バラバラの入口に見えて,実は1つの大きな英語史という建築物を構成する重要なパーツです.
 hellog 読者の皆さん,この春はいずれの入口からでも英語史の世界に入ってみませんか? 全4冊へのアクセスは,研究社公式のこちらのページ の下方の「関連書籍」,あるいは「英語史関連・周辺テーマの本」のページからが便利です.

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

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2026-02-22 Sun

#6145. 2月28日(土),朝カル講座の冬期クール第2回「that --- 指示詞から多機能語への大出世」が開講されます [asacul][notice][hel_education][helkatsu][deixis][demonstrative][article][relative_pronoun][conjunction]


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 今年度は月1回,朝日カルチャーセンター新宿教室で英語史講座を開いています.シリーズタイトルは「歴史上もっとも不思議な英単語」です.日常的でありながらも深い歴史やいわくありげな背景をもっている英単語を毎回1つ選び,『英語語源辞典』(研究社)や『英語語源ハンドブック』(研究社)等の記述を参照しながら,その単語の魅力に迫り,同時に英語史のダイナミズムをも感じていただきます
 2月28日(土)の講座は冬期クールの第2回となります.今回取り上げるのは,あまりに多義・多機能で正体が何なのかが分からなくなりそうな that という単語に注目します.1音節の小さな語ですが,ある意味で英文法を背負っているかのような八面六臂の活躍.その起源と発展をたどると,この単語の理解が増し,愛着も湧いてくること間違いなしです.
 以下,that をめぐってどんな論点があるのか,ブレスト風に書き出してみます.

 ・ Is that that that that that that refers to? / That that is is that that is not is not is that it it is.
 ・ that と定冠詞 the の関係は?
 ・ 指示詞の th- と疑問詞の wh- の関係は?
 ・ 直示性の単語たち:this, these, that, those
 ・ this 単独では人を指せるけれど,that 単独だと失礼になるのはなぜ?
 ・ those who などと those 人々を指し得るのはなぜ?
 ・ I think that . . . . などの that 節はいかにして生まれたか?
 ・ ゆるい副詞節を導く that
 ・ 関係代名詞の that は,他の関係代名詞と何が異なるのか?
 ・ that の「省略」,あるいは虚辞の that について

 ほかにも論点は挙がってくるものと思われます.that のすべてを90分で語り尽くすことはできませんが,歴史をたどることで,その魅力をあぶり出したいと思います.
 講座への参加方法は,今期もオンライン参加のみとなります.リアルタイムでの受講のほか,2週間の見逃し配信サービスもあります.皆さんのご都合のよい方法でご参加いただければ幸いです.開講時間は 15:30--17:00 となっています.講座と申込みの詳細は朝カルの公式ページよりご確認ください.
 なお,冬期クールの第3回は以下の通りの予定です.春に向けて,英語史の学びを盛り上げていきましょう!

 ・ 第12回:3月28日(土) 15:30~17:00 「be --- 英語の「存在」を支える超不規則動詞」

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2026-02-20 Fri

#6143. 『古英語・中英語初歩』新装復刊の裏にはヘルメイトたちのドラマがあった [kochushoho][voicy][helwa][helmate][heldio][kenkyusha][helkatsu]



 2月16日(月)に Voicy heldio にて「#1723. 『古英語・中英語初歩』新装復刊の裏にはヘルメイトたちのドラマがあった」を配信しました.
 来たる2月25日(水)に研究社より刊行予定の『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』を,この3週間ほど私は特に強く推し続けているのですが,それにはある事情があります.Voicy プレミアムリスナー限定配信チャンネル 「英語史の輪 (helwa)」のメンバーの方々(=「ヘルメイト」)とともに,10ヶ月にわたり,ある関心を共有してきたのです.それについては上記 heldio 配信回でお話ししたのですが,この hellog のほうでも,特にタイムラインとして記録を残しておこうと思った次第です.以下,ご参照ください.



【 前史 】

 ・ 1933--34年,市河三喜が雑誌『英語青年』(研究社)にて,後の『古代中世英語初歩』の母体となる連載記事を寄稿する
 ・ 1935年,市河三喜(著)『古代中世英語初歩』が出版される
 ・ 1955年,市河三喜(著)『古代中世英語初歩』改訂新版(研究社)
 ・ 1986年,市河 三喜・松浪 有(著)『古英語・中英語初歩』(研究社)が出版される(松浪による全面改訂)
 ・ 2023年,神山孝夫(著)『市河三喜伝』(研究社)が出版される
 ・ 2023年10月19日,heldio で「#871. khelf 藤原くんによる英語史本の紹介 --- 大阪大学総合図書館の paste+ より」にて『古英語・中英語初歩』が紹介される(←この回を聴いていたしーさんが,後々まで本書のことを覚えていたという経緯あり)

【 2025年4月27日 --- 運命の1日 】

 ・ 12:56,しーさんが note にて「近所の図書館に市河三喜の『古英語・中英語初歩』と大学書林の古英語辞典が揃っているのに気づいてしまった。いま手を出すべきか出さざるべきか…」とつぶやく
 ・ 13:18,ari さんがすかさず反応し,しーさんを激励する
 ・ 14:09,堀田も続けて反応し,しーさんを激励する
 ・ その後,翌日にかけて,Grace さん,みーさん,Galois さん,川上さん,umisio さんも激励に加わる
 ・ 18:48,しーさんが本書を借りたことを認める

【 その後の経緯 】

 ・ 2025年4月28日,heldio で「#1429. 古英語・中英語を学びたくなりますよね? --- 市河三喜・松浪有(著)『古英語・中英語初歩』第2版(研究社,1986年)」を配信
 ・ 2025年5月1日,ari さんが note で「#268 【雑談】市河・松浪(1986)「古英語・中英語初歩」こと,ÞOMEB を買ってみた件!!」を公開する
 ・ 2025年5月3日,ぷりっつさんが note で「Gemini 君と古英語を読む」シリーズを開始する(5月9日まで6回完結のシリーズ)
 ・ 2025年5月5日,hellog で「#5852. 市河三喜・松浪有(著)『古英語・中英語初歩』第2版(研究社,1986年)」 ([2025-05-05-1]) が公開される
 ・ 2025年5月10日,helwa メンバーが本書を(計7冊以上)持ち寄って皐月収録会(於三田キャンパス)に臨み,証拠写真を撮影する.参加者(対面あるいはオンライン)は,ari さん,camin さん,lacolaco さん,Lilimi さん,Galois さん,小河舜さん,taku さん,ykagata さん,しーさん,みーさん,寺澤志帆さん,川上さん,泉類尚貴さん,藤原郁弥さん.
 ・ 2025年5月12日,hellog で「#5859. 「AI古英語家庭教師」の衝撃 --- ぷりっつさんの古英語独学シリーズを読んで」 ([2025-05-12-1]) が公開される
 ・ 2025年5月15日,TakGottberg さんが,上記 heldio #1429 のコメント欄にて,(1986年版の)2011年第16刷の正誤表やその他の話題に言及(本記事の末尾を参照)
 ・ 2025年5月29日,heldio で「#1460. 『古英語・中英語初歩』をめぐる雑談対談 --- 皐月収録回@三田より」が配信される
 ・ 2025年7月5日,しーさんが X のポストで本書の需要の高まりを指摘
 ・ 2025年7月5日,堀田が引用リポストで,皐月収録会にて本書7冊以上が集まった様子を報告する(@Kenkyusha_PR にもメンションしつつ)

 ・ 2025年10月5日,heldio にて「#1589. 声の書評 by khelf 藤原郁弥さん --- 神山孝夫(著)『市河三喜伝』(研究社,2023年)」が配信される
 ・ 2025年10月5日,hellog にて「#6005. khelf の新たなhel活「声の書評」が始まりました --- khelf 藤原郁弥さんが紹介する『市河三喜伝』」 ([2025-10-05-1]) が公開される
 ・ 2026年1月20日,研究社より新装復刊が公式にアナウンスされる
 ・ 2026年2月25日,刊行予定




 直近3週間ほどの本書関連hel活については,一昨日の記事「#6141. 新装復刊まであと1週間 --- 『古英語・中英語初歩』見本の「開封の儀」」 ([2026-02-18-1]) のリンク集をご参照ください.

 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

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2026-02-18 Wed

#6141. 新装復刊まであと1週間 --- 『古英語・中英語初歩』見本の「開封の儀」 [notice][kochushoho][kenkyusha][youtube][heltube][voicy][heldio][kochukoneta30][link][helkatsu]



 2月25日(水)に研究社より『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』が刊行されます.本書の1ファンとして,3週間ほど前より復刊を祝って盛り上げるべく,様々な関連企画を実施しています.ついに刊行1週間前となりました.
 先日2月13日(金),研究社のご厚意により本書のホヤホヤの出来上がり見本を,目下滞在中のメルボルンまでお送りいただきました(ありがとうございます!).興奮のあまり,すぐに「開封の儀」を収録し,翌日には YouTube や Voicy で配信しました.盛り上げコンテンツとして興奮の様子が伝わるかと思いますので,ぜひご視聴ください.

 ・ YouTube heltube 版:「特別配信 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』開封の儀」
 ・ Voicy heldio 版:「特別配信 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』開封の儀」
 ・ note でも関連記事を書いています:「メルボルンで「開封の儀」 --- 研究者のちょっと幸せな朝」

 この3週間で折に触れていくつかのメディアで関連コンテンツを公開してきましたが,以下にまとめておきます.とりわけ heldio での「『古英語・中英語初歩』試し読み部分の解説シリーズ」は,古い英語に初めて触れる方にお薦めです.本書を手に取る前に,ぜひお聴きいただければ.

【 hellog 】

 ・ 「#6117. 伝説的入門書『古英語・中英語初歩』が新装復刊されます!」 ([2026-01-25-1])
 ・ 「#6120. 『古英語・中英語初歩』新装復刊のカウントダウン企画「古中英語30連発」を始めています」 ([2026-01-28-1])

【 heldio 】

 ・ 「#1706. 伝説の教科書『古英語・中英語初歩』(研究社)が新装復刊
 ・ 「#1708. 『古英語・中英語初歩』新装復刊のカウントダウン企画「古中英語30連発」を始めています」
 ・ 「#1710. 『古英語・中英語初歩』試し読み部分の解説シリーズ (1) --- 古英語の母音」
 ・ 「#1713. 『古英語・中英語初歩』試し読み部分の解説シリーズ (2) --- 古英語の子音(前編)」
 ・ 「#1716. 『古英語・中英語初歩』試し読み部分の解説シリーズ (3) --- 古英語の子音(後編)」
 ・ 「#1722. 『古英語・中英語初歩』試し読み部分の解説シリーズ (4) --- 古英語の強勢」
 ・ 「#1723. 『古英語・中英語初歩』新装復刊の裏にはヘルメイトたちのドラマがあった」

【 X(旧Twitter) 】

 ・ 私の X アカウント @chariderryu より,カウントダウン企画「古中英語30連発」を展開しています.

 あと1週間,待ちきれないですね!

 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

Referrer (Inside): [2026-02-20-1]

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2026-02-17 Tue

#6140. 唐澤一友(著)『英語のルーツ』(筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉) [review][karasawa][hel_education][indo-european][twitter][helkatsu]

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 英語史研究者の唐澤一友さんによる英語史の名著『英語のルーツ』が文庫となって帰ってきました.私も「#5830. 英語史概説書等の書誌(2025年度版)」 ([2025-04-13-1]) など,英語史関連書籍を推薦する際には,いつも定番の1冊として挙げている書籍です.
 本書は,もともと2011年に春風社より出版されており,後に増刷もされてきましたが,ある段階から在庫が切れて書店で入手することができなくなっていました.図書館で借りる,あるいは古書店で購入する,などの方法に頼らざるを得ず,推薦したくてもしにくい状況にありましたが,今回,筑摩書房の〈ちくま学芸文庫〉より復刊されるという朗報を受け,英語史界にいる者として嬉しく思います.たいへん有意義な復刊で,本ブログを定期的にお読みいただいている皆さんにお勧めしたい1冊です.
 本書は英語史の本なのですが,類書よりも「広い」意味での英語史の本と受け取ってよいかと思います.序章を除いて5章立ての本なのですが,最初の3章までは英語前史というべき「印欧祖語」や「印欧語族」の話題で占められているのです.英語史の本としては希有な構成といってよいでしょう.その点では玄人好みする本ともいえ,他の入門書を数冊読んでからトライするのがよいかとも思われますが,現代英語を意識した筆で書かれているために,おもいのほか読みやすいです.
 章立てを示すと「序章 英語発達史概観」「第1章 インド・ヨーロッパ祖語民族の言語・文化・神話」「第2章 英語の語源と印欧語比較言語学」「第3章 印欧諸語の中の英語」「第4章 古英語から現代英語まで」「第5章 文字と綴りのルーツ」となります.「狭い」意味での英語史は,第4章に凝縮されていることになります.今回刊行された文庫版には,オリジナルにはない節も書き加えられていますので,オリジナル版の既読者にも再読をお薦めします.
 著者の唐澤さんは,昨年6月に刊行された『英語語源ハンドブック』(研究社)制作チームの仲間ということもあり,共著者の小塚良孝さんと私との3人で,文庫化のお祝いを兼ねて,先日オンラインで「居酒屋KKH」を開催し,そこで heldio 対談を収録しました.2月13日に「#1720. 『英語のルーツ』文庫化記念 --- 唐澤一友さんとの対談 from 居酒屋KKH」として配信しましたので,ぜひ著者の生の声をお聴きいただければ.



 著者の唐澤さんご自身も,最近 X アカウント @KazuKarasawa で本書に関連する話題を投稿しているので,ぜひフォローしてみてください.

 ・ 唐澤 一友 『英語のルーツ』 筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉,2026年.
 ・ 唐澤 一友 『英語のルーツ』 春風社,2011年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2026-02-16 Mon

#6139. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第10回「very --- 「本物」から大混戦の強意語へ」をマインドマップ化してみました [asacul][mindmap][notice][intensifier][adverb][semantic_change][lexicology][onomasiology][kdee][hee][etymology][french][loan_word][borrowing][hel_education][helkatsu][conversion][synonym]

 1月31日(土)に,今年度の朝日カルチャーセンターのシリーズ講座「歴史上もっとも不思議な英単語」の第10回が,冬期クールの第1回として開講されました.テーマは「very --- 「本物」から大混戦の強意語へ」でした.
 very といえば,最も日常的で無標な強意語 (intensifier) と認識されていると思います,あまりに卑近な単語なので深く考えたこともないかもしれませんが,英語史的にも様々な観点から議論できる,話題の尽きない語彙項目です.講義では,very の起源と発展をたどり,他の類義語と比較し,強意語という語類の特異な性質に迫りました.濃密な90分となったと思います.
 この朝カル講座第10回の内容を markmap によりマインドマップ化して整理しました.復習用にご参照いただければ.


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 なお,この朝カル講座のシリーズの第1回から第9回についてもマインドマップを作成してるので,そちらもご参照ください.

 ・ 「#5857. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第1回「she --- 語源論争の絶えない代名詞」をマインドマップ化してみました」 ([2025-05-10-1])
 ・ 「#5887. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第2回「through --- あまりに多様な綴字をもつ語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-06-09-1])
 ・ 「#5915. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第3回「autumn --- 類義語に揉み続けられてきた季節語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-07-07-1])
 ・ 「#5949. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第4回「but --- きわめつきの多義の接続詞」をマインドマップ化してみました」 ([2025-08-10-1])
 ・ 「#5977. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第5回「guy --- 人名からカラフルな意味変化を遂げた語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-09-07-1])
 ・ 「#6013. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第6回「English --- 慣れ親しんだ単語をどこまでも深掘りする」をマインドマップ化してみました」 ([2025-10-01-1])
 ・ 「#6041. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第7回「I --- 1人称単数代名詞をめぐる物語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-11-10-1])
 ・ 「#6076. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第8回「take --- ヴァイキングがもたらした超基本語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-12-15-1])
 ・ 「#6076. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第8回「take --- ヴァイキングがもたらした超基本語」をマインドマップ化してみました」 ([2025-12-15-1])
 ・ 「#6098. 2025年度の朝カルシリーズ講座の第9回「one --- 単なる数から様々な用法へ広がった語」をマインドマップ化してみました」 ([2026-01-06-1])

 次回の第11回は2月28日(土)で,主題は「that --- 指示詞から多機能語への大出世」となります.開講形式は引き続きオンラインのみで,開講時間は 15:30--17:00 です.ご関心のある方は,ぜひ朝日カルチャーセンター新宿教室の公式HPより詳細をご確認の上,お申し込みいただければ幸いです.

Referrer (Inside): [2026-03-16-1]

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2026-02-09 Mon

#6132. sorami さんの『英語語源ハンドブック』クイズ第2弾 --- 中高生のための英語史 [note][hee][helkatsu][hel_education][quiz][helwa][doublet][political_correctness]


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 先週の月曜日の「#6125. heldio/helwa リスナー sorami さんによる『英語語源ハンドブック』のクイズ・シリーズが開始 --- 中高生のための英語史」 ([2026-02-02-1]) に引き続き、嬉しいお知らせです.sorami さんが、『英語語源ハンドブック』(研究社)をベースにした note 記事の第2弾を公開されました.「授業で使える!中学生向け英語語源クイズ#2」です.
 今回もラインナップが充実しています.祈願文 God be with ye! から生まれた挨拶表現や,history と対をなす2重語 (doublet) の話題など,英語史の定番であり,かつ学習者の「なぜ?」に直球で応える良質な問題が揃っています.
 「青りんご」問題も,色彩の文化差を考えさせる良問ですね.現代的な話題への目配りも欠かしません.SNS でおなじみの lol や,ポリティカル・コレクトネス (political_correctness) の文脈で語られる職業名の問題など,英語という生きた言語の背後にある歴史的・社会的変化を自然に学べるクイズのラインナップになっています.
 sorami さんは,今回も記事の結びで,「授業の小ネタ,ウォームアップなどに自由に使っていただければ幸いです」と述べられています.全国の英語教員の皆さん,ぜひこの宝の山を活用してみてください.授業の冒頭で例えば God be with ye! の小ネタを添えるだけで,生徒たちの単語に対する眼差しも変わるのではないでしょうか.
 「英語史をお茶の間に」ならぬ「英語史を教室に」.こうした活動を通じて,英語史的な視点が広がっていくことを願っています.sorami さん,第3弾も期待しております!

 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2026-02-02 Mon

#6125. heldio/helwa リスナー sorami さんによる『英語語源ハンドブック』のクイズ・シリーズが開始 --- 中高生のための英語史 [note][hee][helkatsu][hel_education][quiz][helwa]


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 1月28日,heldio/helwa リスナーの sorami さんが note 上で「授業で使える!中学生向け英語語源クイズ」と題するシリーズを開始されました.昨年6月に出版された『英語語源ハンドブック』(研究社)に基づいた英単語の語源に関するクイズです.「授業で使える!中学生向け英語語源クイズ#1~『英語語源ハンドブック』より~」をご覧ください.
 訪れてみればお分かりになると思いますが,すばらしい教材です.まず,出題のラインナップが絶妙です.animal から○○○への展開,business のなかに隠れている別の単語を探させるという発想,さらには percent, centimeter, century に共通する cent という部品への注目など,中学生が日々接している英単語が,実は深い歴史的な根っこでつながっていることを発見させる構成になっています.
 ほかに cultivate(耕す)と culture(文化)のつながりは,英語語源の定番の話題ではありますが,それを「土を耕す」から「人の心を耕す」への意味変化として提示することで,中学生の知的好奇心がおおいに刺激されることと思います.解答では日本語の「培う」の語源にも触れている点など,比較語源学的な視点も盛り込まれており,言語への感度を高める工夫が随所に凝らされています.
 私は常々,英語史という分野は英語教育との相性が抜群であると感じています.文法規則の丸暗記に疲れ果てた学習者にとって,語源的な背景を知ることは,単なる暗記の負担を軽減するだけでなく,言語そのものに対する愛着を育むきっかけとなるからです.sorami さんのこの試みは,まさにその理念を具現化した「授業で使える小ネタ」の宝庫です.
 全国の小中高のお英語教員の皆さんにも,ぜひこの記事を訪れていただければと思います.そして,記事の最後に「授業の小ネタやウォームアップなど自由に使っていただければ幸いです」とある通りですので,ぜひご活用ください.また,sorami さんのように,『英語語源ハンドブック』をもとに自らクイズを作成したり,あるいはハンドブックを片手に授業の導入を工夫したりといった,独自の試みを始めてみてはいかがでしょうか.「英単語って,実はこんなに繋がっているんだ!」という生徒の驚きは,教える側にとっても大きな喜びとなるはずです.
 sorami さんの note シリーズの今後の展開を楽しみにするとともに,読者の皆さんもぜひこの「語源で学ぶ,語源で教える」の輪に加わっていただければ.

 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

Referrer (Inside): [2026-03-15-1] [2026-02-09-1]

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2026-01-30 Fri

#6122. 天野優未さんの『英語語源ハンドブック』『はじめての英語史』精読実況中継 [notice][hee][hajimetenoeigoshi][kenkyusha][helkatsu]


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 字幕翻訳者&字幕講師の天野優未さんの X アカウント で,『英語語源ハンドブック』および『はじめての英語史』を精読し,実況中継的に感想を述べていただくという,著者にとっては夢のようなプロジェクトが始動しています.毎日のように本の細かなところを取り上げ,コメントをくださるというのは,著者冥利につきます.

 ・ 「#翻訳者英語語源ハンドブック1日1語感想」のスレッド,あるいはハッシュタグよりこちら
 ・ 『はじめての英語史』の実況中継スレッド

 私も自身の X アカウント から頻繁に反応させていただく機会が増えてきたのですが,翻訳者の視点からの軽妙なツッコミや的を射たご意見が毎度おもしろいく,著者にとっても励みになるのです.例えば,以下のような驚きや納得感を伝えるコメントをいただいています.



【 『英語語源ハンドブック』への感想より 】

【able】早速、「形容詞のableと接尾辞ableはそれぞれ別の語源」とかビックリの事実が!でも、ラテン語habilem(持ちやすい)から古フランス語を経由して頭のhが落ちた、と聞くとちょっと納得が。haveとableがそんなに密接な関係にあるとは…。すっかりableが元から「?できる」の意味で、それを語尾にも付けて…という「合理的なストーリー」を想像してたけど、実は歴史を辿ると「後から人々が覚えやすいように合理的なストーリーが後付けされた」みたいなことって多くて、言語って度々人間の想像を超えてくるなあと改めて思わされる。


でも、*Ten years were agon.って、完了形?受動態じゃなくて?と思ったら、その直後に「have+過去分詞は他動詞に使われたものがやがて完了形全体へと応用されたもので、元来、文の末尾に置かれる過去分詞は常に受動的な意味であり、他動詞の完了形にのみ使われ、自動詞の完了形はbe動詞+過去分詞で表された。」と解説があって納得。疑問に思ったことがすぐに解説される形式、とても親切。


【alive】aliveが名詞の前に置けないことも、on+life→aliveであることも知っていたけど、「名詞の前に置けない理由が、元々on+lifeという前置詞句だったため」は知らなかった!確かに、修飾する前置詞句は名詞の後ろに置かれるもんな!


前から思ってたんだけど、基礎単語だけでなく、英検1級に出てくるような単語のこういう元の意味が解説されてるような『上級英単語語源ハンドブック』があったら、ボキャビルにも役立ちそうで嬉しいな…


【 『はじめての英語史』への感想より 】

文法の話は好きなので、古英語はラテン語みたいに格変化が複雑なことは知ってたけど、それが単純化されたのすら、発音変化の影響だったの!?まだ「はじめての英語史」を10ページ程度しか読んでないけど、数えきれぬほど「英語、音声に振り回されすぎ!」の感想を抱いてる。


「母音連続はよくあるのに、なぜaの時だけ必ず回避する?」「なぜ入る音がn?」という疑問は確かにあって、「通常はoneの弱形であるanで、次に子音が来る時だけaになる」って説明で全て解消されるが、「母音の時はan」の原則が染みついた身としては、「そんなの許されるのか…!?」という衝撃が…


「次が母音の時にanになるのではなく、次が子音の時にaになるのだ」に続く、「3単現の時だけsが付くのではなく、3単現の時以外の語尾が消えてしまったのだ」だ!発想の逆転により、むしろ論理的にクリアになるパターン、大好き!しかも、これも「sに相当する語尾以外は発音しづらかったから消えた」って、また「英語、音声に振り回されすぎ!」の例だ…


「次が母音の時にanになるのではなく、次が子音の時にaになるのだ」「3単現の時だけsが付くのではなく、3単現の時以外の語尾が消えてしまったのだ」に続く、「feetやchildrenが変わってるのではなく、他の単語が-s複数へと変わっただけなのだ」だ!(いつまで続くのか、このシリーズ)




 特に「英語,音声に振り回されすぎ!」の名フレーズには感動してしまい,先日 heldio にて天野さんを引きつつ「#1698. 英語,音声に振り回されすぎ」と題してお話ししてしまったほどです.
 皆さん,ぜひ天野さんのシリーズにご注目ください.

 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.

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2026-01-29 Thu

#6121. ウェブ月刊誌 Helvillian の2026年2月号が公開されました [helwa][heldio][notice][helmate][helkatsu][helvillian][link]


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 昨日1月28日,英語史の周囲に集まる,有志による月刊ウェブマガジン Helvillian 2月号(第16号) が公開されました.2026年という新たな年の幕開けにふさわしく,今号も驚くべき熱量と多角的な視点が詰まった号となっています.
 今号の表紙写真および「1. 表紙のことば」を寄せてくださったのは,しーさんです.マレーシアのクチンからの1枚です(私も訪れたことがあり,Kuching の響き懐かしい!).実は,しーさんは,目下私が一押し中の書籍,2月25日に刊行予定の『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』にも,ある角度から関連しているキーパーソンでもあります.表紙の編集は,編集委員の Galois さんが担当されています.
 続く「2. 特集 裏切り」では,ari さんが言葉の本質を問う「凡庸の罠」を,川上さんが「裏切らないユダ」を寄稿されています.いずれも深い思考と調査に基づいた力作.皆さんも,この機会に「裏切り」について考えてみませんか.「3. 英語語源ハンドブック」のセクションでは,ari さんの新連載「Word of the Day」が紹介されています.ハンドブックからランダムに単語を選んで,それについて何か書くぞ,という企画です.ykagata さんの「『英語語源ハンドブック』にこじつけて学ぶドイツ語」シリーズは安定的に回を重ねており,今号では dance から magazine まで,ドイツ語との比較を通じて,語源の話題が縦横無尽に掘り下げられています.
 個別の連載陣も充実しています.川上さんの「4. 連載 『英語のなぜ』やってます通信25」シリーズは第25回を数える節目を迎え,lacolaco さんによる「5. 連載 英語語源辞典通読ノート」は D ゾーンへ入っています.さらに,こじこじ先生による「6. 『不規則動詞戦争』OP曲(オーケストラバージョン)」では,不規則動詞の立場に立った英語動詞の歴史が披露されています.Grace さんによる「7. カタカナ表記が果たす役割」では,書籍紹介とともに,日本語の文字論的考察がなされています.
 「8. ari」さんのセクションでは,デジタル教材研究会の発表報告からアイルランド英語,英語史クイズ,さらには積読に関する書評まで,その守備範囲の広さに驚かされます.そして,り~みんさんからは,「9. 綴字を規定するパラメタは何か?」を寄せていただきました.川上さんの新年の力作 「なぜ judge の2つの /dʒ/ は異なる綴り字なの?」 とあわせて読むことで,英語の綴字体系の問題の深淵を覗くことができると思います.関連して文字の話題といえば,「10. mozhi gengo」さんです.アルファベットの印欧比較やインドの決済事情を報告されています,2026年は,私も文字論やスペリング論の発信を多くしていきたいと思っているので,今号で関連する話題が多く集まってきており嬉しいです.
 そして,新年に気合の入ったスタートを切られたのが「11. みー」さん.「小学生と学ぶ英語史」シリーズの幕開きです.a/ an から始まり,アルファベット順に hair, I まで,子供たちに英語史のおもしろさを届けるこの試みを,私は心から応援しています.
 「12. umisio」さんは,動物言語学の知見を交えた国語教科書研究や E テレの批評を通じて,言語教育のあり方を問い直し,「13. ykagata」さんはグリーンランドの地名やドイツ語の借用表現の通報窓口という興味深い話題を提供されています.
 最後は Grace さんによる「14. Helwaのあゆみ/活動報告」と,umisio さんによる「15. Helvillian編集後記」で締めくくられます.両記事ともに,1月中に helwa で話題となった「大事件」に言及しています.
 ここには書ききれないほど,寄稿者一人ひとりの英語史愛が集結した号となっています.ぜひじっくりとお読みいただければと思います.
 さて,2026年も本格的に始動しました.この機会に,hellog 読者の皆さんも「hel活」コミュニティに加わってみませんか? こうした多様なアウトプットの源泉に触れてみたい方は,ぜひプレミアムリスナー限定配信チャンネル 「英語史の輪 (helwa)」の扉を開いてみてください.毎週火・木・土の午後6時に,heldio と変わらぬ熱量で,さらに濃い内容をお届けしています.

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2026-01-24 Sat

#6116. 1月31日(土),朝カル講座の冬期クール第1回「very --- 「本物」から大混戦の強意語へ」が開講されます [asacul][notice][intensifier][adverb][semantic_change][lexicology][onomasiology][kdee][hee][etymology][french][loan_word][borrowing][hel_education][helkatsu][conversion][synonym]


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 今年度は月1回,朝日カルチャーセンター新宿教室で英語史講座を開いています.シリーズタイトルは「歴史上もっとも不思議な英単語」です.英語史的に厚みと含蓄のある英単語を1つ選び,そこから説き起こして,『英語語源辞典』(研究社)や『英語語源ハンドブック』(研究社)等の記述を参照しながら,その英単語の歴史,ひいては英語全体の歴史を語ります.
 1週間後,1月31日(土)の講座は冬期クールの初回となります.今回取り上げるのは,英語学習者にとって(そして多くの英語話者にとっても)最も馴染み深い副詞の1つでありながら,その来歴に驚くべき変遷を隠し持っている very です.
 私たちは普段,何気なく「とても,非常に」という意味で very を使っています.機能語に近い役割を果たす,ごくありふれた単語です.しかし,英語史の観点からこの語を眺めると,そこには「強調」という人間心理につきまとう,激しい生存競争の歴史が見えてきます.以下,very をめぐって取り上げたい論点をいくつか挙げてみます.

 ・ 高頻度語の very は,実は英語本来語ではなく,フランス語からの借用語です.なぜこのような基礎的な単語が借用されるに至ったのでしょうか.
 ・ フランス語ではもともと「真実の」を意味する形容詞 (cf. Fr. vrai) であり,英語に入ってきた当初も形容詞として用いられていました.the very man 「まさにその男」などの用法にその痕跡が残っています.これがいかなるきっかけで強意の副詞となり,しかもここまで高頻度になったのでしょうか.
 ・ 強意語には「強意逓減の法則」という語彙論・意味論上の宿命があります.強調表現は使われすぎると手垢がつき,強調の度合いがすり減ってしまうのです.
 ・ 英語史を通じて,おびただしい強意語が現われては消えていきました.古英語や中英語で使われていた代表的な強意語を覗いてみます.
 ・ 多くの強意語が消えゆく(あるいは陳腐化する)なかで,なぜ very は生き残り,さらに現代英語においてこれほどの安定感を示しているのでしょうか.大きな謎です.
 ・ 一般的に「強調」とは何か,「強意語」とは言語においてどのような位置づけにあるのかについても考えてみたいと思います.

 このように,very という一見単純な単語の背後に,形容詞から副詞への品詞転換,意味の漂白化,そして類義語との競合といった,英語語彙史上ののエッセンスが詰まっています.このエキサイティングな歴史を90分でお話しします.
 講座への参加方法は,今期もオンライン参加のみとなります.リアルタイムでの受講のほか,2週間の見逃し配信サービスもあります.皆さんのご都合のよい方法でご参加いただければ幸いです.開講時間は 15:30--17:00 となっています.講座と申込みの詳細は朝カルの公式ページよりご確認ください.
 なお,冬期クールのラインナップは以下の通りです.2026年の幕開けも,皆さんで英語史を楽しく学んでいきましょう!

- 第10回:1月31日(土) 15:30?17:00 「very --- 「本物」から大混戦の強意語へ」
- 第11回:2月28日(土) 15:30?17:00 「that --- 指示詞から多機能語への大出世」
- 第12回:3月28日(土) 15:30?17:00 「be --- 英語の「存在」を支える超不規則動詞」

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2026-01-22 Thu

#6114. 『英語語源ハンドブック』通読系コンテンツの広がり [notice][hee][review][link][hel_education][helkatsu][khelf]


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 昨年の6月に『英語語源ハンドブック』が研究社より刊行されてから,早いもので7ヶ月ほどが経ちます.おかげさまで多くの方に手に取っていただき,好意的な反響をいただいております.さて,本書は「ハンドブック」と銘打ってはいますが,辞書のように引くだけでなく,通読していただくことも想定した作りになっています.この「通読」に挑戦する読者が増えているようです.
 さらにありがたいことに,この「通読」のプロセスや成果を,ブログや SNS などで発信してくださる方々がいらっしゃり,少しずつ増えてきています.ウェブ上に展開するこれらのコンテンツは,これから本書を手に取る方,あるいは現在通読中の方にとって,よい伴走者となると思います.今回は,それぞれのコンテンツ作成者の方々への感謝の気持ちも込めて,現在ウェブ上で確認できる関連コンテンツをいくつか紹介したいと思います.
 まず,教育的な視点からの通読シリーズです.

 ・ 「研究社の英語語源ハンドブックの Word of the Day」 (ari さん blogspot)
 ・ 「小学生と学ぶ英語史」 (みーさん note)

 ari さんの記事は英語教員向けの「大人のための」通読シリーズとなっており,現場の先生方にとっても有益な情報が満載です.一方,みーさんは「小学生のための」通読シリーズという,これまで誰も足を踏み入れたことのない領域に挑戦されています.英語史の裾野が広がっていることを実感し,感銘を受けています.
 続いて,ゲルマン語比較言語学的な観点から本書を読み解くという,硬派かつユニークな試みを紹介します.

 ・ 「『英語語源ハンドブック』にこじつけて学ぶドイツ語」 (ykagata さん Hatena Blog)
 ・ 「『英語語源ハンドブック』にこじつけて学ぶドイツ語」に便乗して眺めるスウェーデン語」 (り~みんさん note)

 ykagata さんはドイツ語の観点から,そしてそれに呼応する形で,り~みんさんはスウェーデン語の観点から英語語源を眺めるという新機軸を展開されています.英語,ドイツ語,スウェーデン語は同じゲルマン語派 (Germanic) の姉妹言語なので,これらを比較対照することは語源学習において非常に有効です.
 プロフェッショナルな視点からの感想や書評も見逃せません.

 ・ 「#翻訳者英語語源ハンドブック1日1語感想」 (天野優未さん X)
 ・ 「【2025年のベスト本】『英語語源ハンドブック』について,思ったことを語り尽くす.」 (やるせな語学さん)

 翻訳者である天野さんからは,常に日英語を対照している翻訳のプロとしての鋭いコメントをいただいています.また,やるせな語学さんには,大変丁寧な書評を執筆していただきました.著者が意図した細部まで読み込んでいただいていることに感謝いたします.
 それから,身内ではありますが khelf(慶應英語史フォーラム)のメンバーによる活動も紹介させてください.

 ・ 「『英語語源辞典』でたどる英語綴字史」 (khelf 寺澤志帆さん)

 こちらは『英語語源辞典』が主テキストではありますが,『英語語源ハンドブック』への言及も頻繁になされています.綴字の歴史という観点から語源を深掘りする際に非常に参考になります.
 最後に,版元である研究社による公式コンテンツです.

 ・ 「英語語源クイズ」 (研究社 note)

 本書の編集者によるクイズ形式の記事です.英語史や語源の授業,あるいは英語学習のちょっとした余興などに,大いに活用できる内容となっています.
 私としては『英語語源ハンドブック』を通読するというムーヴメントを作りたいと密かに(公に?)願っています.上記の方々はその先駆者たちです.語源の学習は,1語1語の背景にある歴史や文化を紐解く旅のようなものです.1人で黙々と進むのも楽しいものですが,こうしてウェブ上で自身の学びや発見を共有することで,その旅はより豊かなものになるはずです.
 これらに続く通読挑戦者が現われ,少しでも多くの方が関連コンテンツを発信してくれるようになれば,英語史の楽しみもさらに広がっていくことと思います.皆さんも,ぜひこの「通読ムーヴメント」に参加してみませんか?

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