私は Shakespeare を専門とする者ではないが,英語史を研究していると Shakespeare にはいろいろなところでお世話になる.Shakespeare ともなればウェブ上の情報源はそれこそ無限に等しいものと思われるので,参照に便利なようにコメント付きで少数のリンクにまとめてみた.
・Open Source Shakespeare: http://www.opensourceshakespeare.org/
テキスト参照と検索に便利.advanced search も可能.検索結果の出力も見やすい.全体的に使いやすいインターフェース.
・The Complete Works of William Shakespeare: http://shakespeare.mit.edu/
HTML版の標準的 Shakespeare 全集.Title, Act, Scene がわかっている場合に参照しやすい.
・The Collected Works of Shakespeare: http://www.it.usyd.edu.au/~matty/Shakespeare/
HTML版の標準的 Shakespeare 全集.特にこちらの検索機能が有用.
・Mr. William Shakespeare and the Internet: http://shakespeare.palomar.edu/sitemap.htm
ハブサイト.ここを中心として,Shakespeare の世界へ飛べる.膨大なサイトなのであえてサイトマップへのリンク.
・Links to HTML Complete Works Sites: http://shakespeare.palomar.edu/works.htm#Collected
その他の HTML 化されたテキストへのリンク集.
・Shakespeare Search Tools: http://shakespeare.palomar.edu/searching.htm#Shsearch
その他の検索ツールへのリンク集.glossary へのリンクもあり.
試みに,上記の Open Source Shakespeare の検索により,worse と worser の使用頻度を調べてみた.worser はいわゆる二重比較級 ( double comparative ) の形態で,16?17世紀に特によく用いられたとされている.
検索の結果,worse が178例,worser が21例.例文をみてみると,worser は Our worser thoughts や the worser part of it などのように限定的用法の形容詞として用いられる傾向が強い一方で,worse は単独で用いられる傾向があるとわかる.これは,現代英語に標準用法として存在する二重比較級である lesser がもっぱら限定的用法で用いられるのに対応している.
などなど,ちょっとした発見が得られる.
(後記 2014/02/08(Sat):追加的に有用なサイトを以下に挙げておく.)
・ Shakespeare's Words: David Crystal による Shakespeare の言語への導入的サイト
・ Shakespeare Authorship
・ Stratford-upon-Avon - Shakespeare Birthplace Trust
・ Royal Shakespeare Company (RSC)
グラスゴー大学の英語学科のサイトには,英語史学習に最適な教材が置かれている.以下に,コメントをつけつつリンクを張る.
・Essentials of Old English: オンラインで古英語を勉強するならここ.古英語の歴史的背景や文法などが学べる.特に,A short grammar of Old Englishは手軽で必見.
・Readings in Early English: 古英語,中英語,初期近代英語のテキストとそれを読み上げたオーディオファイルが入手できる.
・ Essentials of Early English のリソース集: 古英語の屈折表などがPDFで手に入る.中世の写本へのリンクも張られている.本書はこちら
・The Basics of English Metre: 英語の韻律について学べる.英語史の理解にも,韻律や音節の学習は必要.
今回はちょっとしたサイトの紹介だけ.BBC の Ages of English Timeline は,FLASH により遊び感覚で英語史の要点を学べる.
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