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最終更新時間: 2024-11-12 07:24

2023-11-03 Fri

#5303. 『英語史新聞』第7号が発行されました [hel_herald][notice][khelf][hel_education][link][voicy][heldio]

『英語史新聞』第7号


 10月30日付けで,khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第6号がウェブ公開となりました.こちらよりPDFで閲覧・ダウンロードできます.
 第7号の公開および記事紹介などの情報は,khelf 公式の X アカウント @khelf_keio からもお届けしています.フォローやリツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.
 今回も khelf の『英語史新聞』第7号の制作班が,総力を結集して作り込んでくれました(関係者一同よく頑張りました,ありがとう!).第7号の記事のラインナップです.

 ・ 四季か二季か
 ・ 読書の秋に古英語を
 ・ 形を変えることわざ
 ・ 英語の擬態語: gl- と輝き
 ・ 「変なアルファベット表」単語募集フォーム
 ・ 英語史ラウンジ by khelf 「第2回 矢冨弘先生(後編)」
 ・ EMOJI の発達と新たな時代のコミュニケーション~英語現代史の変化を考える~

 今回も読者の皆さんを飽きさせない多種多様な記事を取りそろえています.読者参加型の「変なアルファベット表」企画についての案内もありますので,ご注目ください.また,目玉企画の「英語史ラウンジ by khelf」では,前号に引き続き,新進気鋭の英語史研究者である矢冨弘先生(熊本学園大学)にスポットライトを当てます.矢冨先生には khelf でもお世話になっていますし,Voicy heldio にも何度も出演していただいています(ありがとうございます).本号は voicy heldio でも「#884. 『英語史新聞』第7号発行!」としてご案内していますので,そちらもお聴きいただければ.



 『英語史新聞』は昨年4月に創刊号を発行して以来,おおよそ3ヶ月に1度のペースで発行し続けてきました.毎号の制作班のモチベーションが保たれているのも,多くの方々にお読みいただいているからこそです.ご愛読ありがとうございます.最新号も含め『英語史新聞』のすべての号は,教育目的での利用・配布について自由にお取り扱いいただけます.むしろ,英語史の魅力を広げるべく活動している発行主体の khelf としては,電子媒体・紙媒体を問わず,皆様に広く利用・配布していただけますと幸いです.
 もし学校の授業などの公的な機会(あるいは,その他の準ずる機会)にお使いの場合には,ぜひこちらのフォームを通じてご一報くださいますと khelf の活動実績の把握につながるほか,『英語史新聞』編集委員の励みともなります.ご協力のほどよろしくお願いいたします.ご入力いただいた学校名・個人名などの情報につきましては,khelf の実績把握の目的のみに限り,記入者の許可なく一般に公開するなどの行為は一切行なわない旨,ここに明記いたします.フォームへの入力を通じ,khelf による「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)への賛同をいただけますと幸いです.
 最後に『英語史新聞』のバックナンバー(号外を含む)も紹介しておきます.こちらも合わせてご一読ください(khelf HP のこちらのページにもバックナンバー一覧があります).

 ・ 『英語史新聞』第1号(創刊号)(2022年4月1日)
 ・ 『英語史新聞』号外第1号(2022年4月10日)
 ・ 『英語史新聞』第2号(2022年7月11日)
 ・ 『英語史新聞』号外第2号(2022年7月18日)
 ・ 『英語史新聞』第3号(2022年10月3日)
 ・ 『英語史新聞』第4号(2023年1月11日)
 ・ 『英語史新聞』第5号(2023年4月10日)
 ・ 『英語史新聞』第6号(2023年8月14日)

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Referrer (Inside): [2024-03-13-1] [2023-12-11-1]

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2023-10-29 Sun

#5298. イタリック語派をめぐって Taku さんと対談精読実況生中継しました --- heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズ [voicy][heldio][hel_education][link][notice][bchel][italic][latin][french][spanish][portuguese][italian][indo-european]

 10月26日(木)の夜に,帝京科学大学の金田拓さんとともに,Baugh and Cable の英語史書の「対談精読実況生中継」を Voicy heldio で配信しました.同書の第21節 Italic (イタリック語派)を題材に,英文を精読し,内容について様々な角度から議論と解説を行ないました.(一緒に講師を務めました Taku さん,対談内での重要かつ適切なコメントで盛り上げていただきましてありがとうございました!)
 配信している側の2人は確かに豊かで実りある時間を過ごすことができたのですが,お聴きのリスナーの方々はいかがでしたでしょうか? まだお聴きでない方もいるかと思いますので,ぜひお時間のあるときにどうぞ.生放送のアーカイヴは3回に分かれており,第1回は通常配信で,第2回と第3回はプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) にてお届けしています(第1回だけでも50分超の長尺です).第1回で関心が湧いた方は,ぜひ第2第,第3回へもお進みいただければと存じます(後者2回は有料となります).
 対談特別回だったこともあり,精読対象となったテキストを特別にこちらの PDF に上げておきます.できれば,オンライン読書会のシリーズ企画でもありますので,ぜひ本書そのものを入手し,今後も長くお付き合いください.

 (1) 「#879. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (21) Italic --- Taku さんとの実況中継(前半)」


 (2) 「【英語史の輪 #46】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (21) Italic --- Taku さんとの実況中継(後半)」(10月分の helwa に含まれる有料配信です)


 (3) 「【英語史の輪 #47】最後にダメ押し,Taku さんとの実況中継第3弾 --- 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (21) Italic」(10月分の helwa に含まれる有料配信です)



 各回にはリスナーの皆さんからも今回の精読について様々なコメントが寄せられてきていますので,そちらもご覧ください.
 今回の対談精読実況生中継(第1回)は,先日の「#877. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (20) Albanian --- 小河舜さんとの実況中継」と同様に,サンプル回ということで一般公開した次第です.普段は週に1,2回のペースでお届けする有料配信のシリーズとなっています.ぜひ「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]) より過去回のラインナップをご覧いただければと思います.今後,皆さんとともに本書を読み進めていけることを楽しみにしています.


Baugh, Albert C. and Thomas Cable. ''A History of the English Language''. 6th ed. London: Routledge, 2013.



 ・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.

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2023-10-26 Thu

#5295. アルバニア語派とその周辺をめぐって小河舜さんと実況生中継しました --- heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズ [voicy][heldio][hel_education][link][notice][bchel][albanian][indo-european]

 「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]) でご紹介したとおり,Voicy heldio では英語で書かれた英語史の名著をじっくり読み進めていくというオンライン読書会風のシリーズ企画を始めています.有志のリスナーが集う有料配信のシリーズとなっています.
 週に1,2回の配信で1節ずつゆっくり進んでおり,3ヶ月ほどかけて第20節まで進んできています.最新の第20節では,印欧語族のなかの1語派である Albanian 「アルバニア語派」が扱われています.この最新回については,ゲスト講師として小河舜さん(フェリス女学院大学ほか)を招いての特別回として「#877. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (20) Albanian --- 小河舜さんとの実況中継」を無料配信しています.生放送として収録したものをアーカイヴに置いておりますので,そちらからお聴きください.シリーズ企画の雰囲気や,そこで読み進めている英語史書のレベル感なども分かるかと思います.



 第20節は短い英文ということもありますし,シリーズ企画の特別サンプル回という位置づけでもありますので,同節のテキスト全文を以下に掲載しておきます.この長くない文章を種に50分以上お話ししました.

20. Albanian. Northwest of Greece on the eastern coast of the Adriatic is the small language branch named Albanian. It is possibly the modern remnant of Illyrian, a language spoken in ancient times in the northwestern Balkans, but we have too little knowledge of this early tongue to be sure. Moreover, our knowledge of Albanian, except for a few words, extends back only as far as the fifteenth century of our era, and, when we first meet with it, the vocabulary is so mixed with Latin, Greek, Turkish, and Slavonic elements---owing to conquests and other causes---that it is somewhat difficult to isolate the original Albanian. For this reason, its position among the languages of the Indo-European family was slow to be recognized. It was formerly classed with the Hellenic group, but since the beginning of the present century it has been recognized as an independent member of the family.


 本シリーズにご関心を抱かれた方は,ぜひ本書第6版を入手し,ご都合のよいタイミングとペースで読み進めていっていただければと思います.
 ちなみに,今晩6時辺りからも,heldio/helwa で特別ゲストとの対談生放送として,第22節 Italic 「イタリック語派」を配信する予定です.ご都合がつく方は,ぜひライヴでお聴きください.


Baugh, Albert C. and Thomas Cable. ''A History of the English Language''. 6th ed. London: Routledge, 2013.


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2023-10-24 Tue

#5293. ギリシア語派の解説 --- heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズ [voicy][heldio][hel_education][link][notice][bchel][hellenic][greek][khelf][indo-european]



 一昨日の hellog 記事「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]) でもお伝えしましたが,目下 Voicy heldio によるオンライン読書会シリーズに力を入れているところです.ウェブ時代の新スタイルの読書会・勉強会として,とてもおもしろい試みになっているという実感があります.参加者は今のところ20名程度ですが,読んでいる本のサイズを考えると理屈上は向こう数年間にわたって続いていくシリーズ企画ということもあり,これからメンバーがゆっくりと少しずつでも増えていくと楽しそうだなと夢想しています.毎回200円の有料配信ですが,第1チャプターは試聴可能となっています.
 最新回は,昨日アップされた上記の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (19) Hellenic」です.毎週1,2回,指定の英語史書をゆっくりと1節ずつ読み進めていくという企画で,7月に開始したばかりなので,昨日ようやく第19節にたどり着いたところです.英語史といえど,まだ英語の歴史に本格的に入る前の段階で,印欧語族を構成する各語派を概説しているところです.その1つがギリシア語派ということになります.
 今回はテキストに沿ってあくまで印欧語族のなかのギリシア語派を紹介しているのですが,この語派(とりわけギリシア語そのもの)の英語史上の意義については,さほどお話ししていません.ギリシア語については本ブログで greek の記事群にて多く取り上げてきましたが,ギリシア語の英語史上のエッセンスを箇条書きすれば,次の4点となるでしょうか.

 ・ 古典ギリシア語は『新訳聖書』の言語である.
 ・ ギリシア語とギリシア文明は,現代まで続く西洋文明の基礎を形成する.そこから,英語自体が拠って立つのも究極的にはギリシア語とギリシア文明といってよい側面がある.
 ・ ギリシア語は,ラテン語に多大な影響を与え,ラテン語はフランス語に影響を与え,フランス語は英語に影響を与えてきた.ギリシア語が英語史上重要であるのはこのような事情による.
 ・ ギリシア語は古代・中世・近現代を通じて,上記の歴史的経緯により汎ヨーロッパ的な威信言語とみなされてきた.現代でもとりわけ学術の分野では,国際的な学名や学術用語は,しばしばギリシア語要素によって作られる (cf. 新古典主義的複合語 (neo-classical compounds)).現代の最たる国際語である英語も,その伝統と要素を多分に受け継いでいる.

 ギリシア語に関連した Voicy heldio の配信回としては 「#137. 英語とギリシア語の関係って?」もお聴きください.



 なお,今晩19:30~20:00の間に,こちらの Voicy heldio にてゲストを招いての生放送を配信する予定です.その内容は,テキストの次の節「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (20) Albanian」を題材とした初の「オンライン読書会生実況中継」(?)となる予定です.今回に関しましては,放送回の概要欄などにテキストも添付しますのでライヴあるいはアーカイヴにてお気軽にお聴きいただければ.
 このように一風変わったオンライン読書回シリーズですが,関心のある方はぜひ覗いていただければ.精読しているテキストは,こちらの Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013. です.名著であることは保証します.


Baugh, Albert C. and Thomas Cable. ''A History of the English Language''. 6th ed. London: Routledge, 2013.


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2023-10-22 Sun

#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます [voicy][heldio][hel_education][link][notice][bchel]


Baugh, Albert C. and Thomas Cable. ''A History of the English Language''. 6th ed. London: Routledge, 2013.



 今年の7月17日に開始した Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」でのシリーズ企画が,毎週1~2回のペースで順調に進んでいます.Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013. という著名な英語史の本を,原文で毎回1セクションずつゆっくり精読していくというオンライン読書会です.英語の文章の1文1文を精読していくわけではないのですが,表現や文法の気になる点を指摘して厳密に解釈したり,セクションの内容について英語史の観点から深掘りするなど,テキストを元にして縦横無尽に「英語史する」企画です.シリーズ開始時の記事「#5205. Baugh and Cable の英語史概説書を1節ずつ読み進めながら Voicy heldio で自由にコメントしていく試みを始めています」 ([2023-07-28-1]) をご参照ください.
 おかげさまで,ゆっくりペースながらも第18節の "Armenian" までたどり着いています(こちらの最新回は昨日より配信されています.さらにこの回は比較的短いこともあり,特別にサンプル回として該当節のテキスト全文を概要欄に載せています).また,シリーズへの参加メンバーも夏の間にじわじわと増えてきており,毎回の配信のコメント欄を通じてメンバー間のやりとりも行なわれるようになってきています.各回は有料配信ですが,第1チャプターは常に試聴可能となっていますので,関心のある方は雰囲気をご確認いただければと思います(料金はウェブブラウザ経由で200円なのに対して,Voicy アプリ経由では320円と手数料により割高となりますので,ぜひ前者からどうぞ).
 本ブログ hellog や Voicy heldio などを通じて英語史への関心が湧いた方や,しっかりと書かれた英語で英文解釈力を鍛えたい方にはお薦めのオンライン読書会シリーズとなっています.実際,よく書かれた英語で精読対象としてふさわしい英文ですので,この点は保証します(精読の練習には,対象が良い英文であることが絶対の条件です).
 読書会なのでB&Cのテキストが手元にないと参加しにくいという事情はあるかと思います.ぜひ上記よりご購入くださるか,あるいは古書や図書館での入手も結構かと思います.これから入手される場合には,改訂が重ねられてきた本であることに注意し,最新版である第6版を手に取っていただければと思います.オンライン読書会では第6版をベースに読み進めています.ただし,先立つ第5版などしか入手できないという場合でも,内容把握には大きな問題はありませんし,私自身の手元にも第5版や第4版がありますので,必要に応じて異同を確認できます.オンライン読書会の長所を活かし,メンバー間でインタラクティヴに「精読交流」もできますし,各自ご都合のよいタイミングとペースで無理なく読み進められるのもメリットかと思います.参加メンバーからの要望を受け,今後はたまに生実況回やゲスト講師を招いての精読回などもやってみようかとも企画中です.
 以下,過去18回のラインナップです.第1回(第1節)の "The History of the English Language as a Cultural Subject" については,第6版からのテキスト全文を本ブログの「#3641. 英語史のすゝめ (1) --- 英語史は教養的な学問領域」 ([2019-04-16-1]) に掲載していますので,テキストをお持ちでない方も,そちらを参照して追いかけることができます.

 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (1) The History of the English Language as a Cultural Subject」



 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (2) Influences at Work on Language」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (3) Growth and Decay」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (4) The Importance of a Language」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (5) The Importance of English」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (6) The Future of the English Language: Demography」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (7) External and Internal Aspects of English」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (8) Cosmopolitan Vocabulary」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (9) Inflectional Simplicity」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (10) Natural Gender」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (11) Language Constantly Changing」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (12) Dialectal Differentiation」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (13) The Discovery of Sanskrit」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (14) Grimm's Law」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (15) The Indo-European Family」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (16) Indian」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (17) Iranian」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (18) Armenian」
 (以下,後記)
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (19) Hellenic」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (20) Albanian --- 小河舜さんとの実況中継」(←この回は対談形式で特別無料配信となっています)
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (21) Italic --- Taku さんとの実況中継(前半)」(←この回は対談形式で特別無料配信となっています)
    - 「【英語史の輪 #46】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (21) Italic --- Taku さんとの実況中継(後半)」
    - 「【英語史の輪 #47】最後にダメ押し,Taku さんとの実況中継第3弾 --- 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (21) Italic」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (22) Balto-Slavic」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (23) Germanic」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (24) Celtic --- 和田忍先生との実況中継(前半)」(←この回は対談形式で特別無料配信となっています)
    - 【英語史の輪 #52】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (24) Celtic --- 和田忍先生との実況中継(後半)」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (25) Twentieth-century Discoveries」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (26) The Home of the Indo-Europeans --- khelf 藤原くんとの実況中継 1/3」(←この回は対談形式で特別無料配信となっています)
    - 「【英語史の輪 #57】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (26) The Home of the Indo-Europeans -- khelf 藤原くんとの実況中継 2/3」
    - 「【英語史の輪 #58】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (26) The Home of the Indo-Europeans -- khelf 藤原くんとの実況中継 3/3」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (27) The Languages in England before English」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (28) The Romans in Britain」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (29) The Roman Conquest」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (30) Romanization of the Island」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (31) The Latin Language in Britain」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (32) The Germanic Conquest --- Taku さんとの実況中継(前半)」(←この回は対談形式で特別無料配信となっています)
    - 「【英語史の輪 #65】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (32) The Germanic Conquest --- Taku さんとの実況中継(後半)」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (33) The Anglo-Saxon Civilization」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (34) The Names "England" and "English"」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (35) The Origin and Position of English」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (36) The Periods in the History of English」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (37) The Dialects of Old English」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (38) Old English Pronunciation」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (39) Old English Vocabulary」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (40) Old English Grammar」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (41) The Noun」
 ・ 「#983. B&Cの第42節「文法性」の対談精読実況生中継 with 金田拓さんと小河舜さん」(←この回は対談形式で特別無料配信となっています)
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (43) The Adjective」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (44) The Definite Article」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (45) The Personal Pronoun」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (46) The Verb」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (47) The Language Illustrated」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (48) The Resourcefulness of the Old English Vocabulary」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (49) Self-explaining Compounds」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (50) Prefixes and Suffixes」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (51) Syntax and Style」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (52) Old English Literature」(←この回は対談形式で特別無料配信となっています)
    - 「【英語史の輪 #146】 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (52) Old English Literature --- 和田忍さんとの実況中継(後半)」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (53) Contact of English with Other Languages」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (54) The Celtic Influence」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (55) Celtic Place-Names and Other Loanwords」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (56) Three Latin Influences on Old English」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (57) Chronological Criteria」(←この回は「英語史ライヴ2024」での対談精読実況生中継により特別無料配信となっています)
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (58) Continental Borrowing (Latin Influence of the Zero Period)」
 ・ 「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (59) Latin through Celtic Transmission (Latin Influence of the First Period)」
 (後記ここまで)

 以下,リスナーの方々からの反応をいくつか挙げてみます.

 ・ 堀田先生,最高の企画をありがとうございます.学部・院時代が恋しくなりました.週1ペースだと5年ぐらいか…と思うとこれからの5年間が楽しみになりました
 ・ 夢のような企画,待っていました! 始まったばかりだというのに,もう次が待ち遠しいです.
 ・ 英語史の素養のない自分についていけるかなと一瞬躊躇しましたが,英語史は教養であるとの言葉に背中を押されて,本の注文ボタンもポチっと押しました.ありがとうございます.
 ・ 堀田先生,素敵な企画をありがとうございます! 先生の Voicy は楽しく拝聴しておりましたが,自分で英語で英語史の本を読むとなると,はて,読めるだろうか,と不安に感じながらも本をポチりました.
 ・ はじめまして.Twitterで見つけまして,本が届きましたので,今日より本を読んでいきたいと思います.自分も続けられるか自信がないですが,ゆっくり,歩んでいきたいと思います.宜しくお願いします!
 ・ 1セクションずつですと,熟読できて良いペースだと思います!
 ・ インタラクティブに読む!おおいに共感!本をお金を払ってまで所有する動機の一つは書き込み.
 ・ 1節に3時間かけて読んでます.超精読,とてもありがたいです.有料が妥当だと思います.私自身,体調不良が続き,皆さんからだいぶ遅れてしまいましたが,コツコツついてゆこうと思います.
 ・ 途中で脱落しそうになりましたが,やはり自分1人の読みですと気付けないことが多々あるので,ついて行けるよう少しずつ追いかけます!

 ぜひともに楽しく英語史を学び,英文解釈力をつけていきましょう!

 ・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.

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2023-10-18 Wed

#5287. YouTube で OED を紹介しています [oed][youtube][notice][link][lexicography][voicy][heldio]

 日曜日に配信した YouTube の「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」の最新回は「#171. OED(オクスフォード英語辞典 --- Oxford English Dictionary)の特徴まるわかり!」です.本ブログでも何度となく登場している,世界最強の英語辞典 OED を一から導入しています.14分ほどの対談動画です.「OED ってよく聞くけど何?」という方は,ぜひご覧ください.画面の背景に OED 第2版の全20冊が並んでいます.



 本ブログには OED の様々な側面を紹介する記事も多いですし,OED を実践的に用いて調査し執筆した記事も少なくありません(cf. oed の記事群を参照).今回の YouTube は OED とは何かという導入動画でしたので,同様にイントロ風の趣旨で執筆した記事,および Voicy heldio 配信回へのリンクを一覧しておきます.

 ・ 「#304. OED 制作プロジェクトののろし」 ([2010-02-25-1])
 ・ 「#638. 国家的事業としての OED 編纂」 ([2011-01-25-1])
 ・ 「#644. OED とヨーロッパのライバル辞書」 ([2011-01-31-1])
 ・ 「#898. OED2Web3 の比較対照表」 ([2011-10-12-1])
 ・ 「#2451. ワークショップ:OED Online に触れてみる」 ([2016-01-12-1])
 ・ 「#3544. 英語辞書史の略年表」 ([2019-01-09-1])
 ・ 「#4122. 物凄いツールが現われた --- OED Text Visualizer (beta)」 ([2020-08-09-1])
 ・ 「#4130. 英語語彙の多様化と拡大の歴史を視覚化した "The OED in two minutes"」 ([2020-08-17-1])
 ・ 「#4131. イギリスの世界帝国化の歴史を視覚化した "The OED in two minutes"」 ([2020-08-18-1])
 ・ 「#4133. OED による英語史概説」 ([2020-08-20-1])
 ・ 「#4141. 1150年を越えて残らなかった古英語単語は OED から外されている」 ([2020-08-28-1])
 ・ 「#4172. 映画『博士と狂人』の原作者による OED 編纂法の紹介文」 ([2020-09-28-1])
 ・ 「#4198. 映画『博士と狂人』を観ました」 ([2020-10-24-1])
 ・ 「#5220. OED と World Englishes」 ([2023-08-12-1])

 ・ heldio 「#503. OED は歴史的原則にもとづく辞書」(2022年3月2日配信)
 ・ heldio 「#275. どれだけ長くかかっているのよ,OED の編纂?」(2022年3月3日配信)

 上記にもありますが,OED 編纂をめぐる映画『博士と狂人』(原題 The Professor and the Madmanは必見です.
 また,「#5158. 家入葉子・堀田隆一著『文献学と英語史研究』(開拓社,2023年)を改めて紹介します」 ([2023-06-11-1]) で紹介した『文献学と英語史研究』の第2章1.1節では,研究ツールとしての OED について詳しく紹介しています.

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2023-10-10 Tue

#5279. Z の推し活 [notice][z][alphabet][ame_bre][greek][latin][french][academy][shakespeare][consonant][youtube][grapheme][link][spelling][helsta]

 一昨日配信した YouTube の「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」の最新回は「#169. なぜ Z はアルファベットの最後に追いやられたのか? --- 時代に翻弄された日陰者 Z の物語」です.歴史的に「日陰者 Z」と称されてきたかわいそうな文字にスポットライトを当て,12分ほど集中して語りました.これで Z が多少なりとも汚名返上できればよいのですが.



 z の文字については,この hellog,および Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」等の媒体でも,様々に取り上げてきました.Z の汚名返上のために助力してきた次第ですが,さすがに Z に関する話題はこれ以上見つからなくなってきましたので,ネタとしてはいったん打ち切りになりそうです.
 これまでの Z の推し活の履歴を列挙します.



[ hellog ]

 ・ 「#305. -ise か -ize か」 ([2010-02-26-1])
 ・ 「#314. -ise か -ize か (2)」 ([2010-03-07-1])
 ・ 「#446. しぶとく生き残ってきた <z>」 ([2010-07-17-1])
 ・ 「#447. Dalziel, MacKenzie, Menzies の <z>」 ([2010-07-18-1])
 ・ 「#799. 海賊複数の <z>」 ([2011-07-05-1])
 ・ 「#964. z の文字の発音 (1)」 ([2011-12-17-1])
 ・ 「#965. z の文字の発音 (2)」 ([2011-12-18-1])
 ・ 「#1914. <g> の仲間たち」 ([2014-07-24-1])
 ・ 「#2916. 連載第4回「イギリス英語の autumn とアメリカ英語の fall --- 複線的思考のすすめ」」 ([2017-04-21-1])
 ・ 「#2925. autumn vs fall, zed vs zee」 ([2017-04-30-1])
 ・ 「#4990. 動詞を作る -ize/-ise 接尾辞の歴史」 ([2022-12-25-1])
 ・ 「#4991. -ise か -ize か問題 --- 2つの論点」 ([2022-12-26-1])
 ・ 「#5042. 『中高生の基礎英語 in English』の連載第24回(最終回)「アルファベット最後の文字 Z のミステリー」」 ([2023-02-15-1])

heldio (Voicy) ]

 ・ 「#171. z と r の発音は意外と似ていた!」 (2021/11/18)
 ・ 「#540. Z について語ります」 (2022/11/22)
 ・ 「#541. Z は zee か zed か問題」 (2022/11/23)

[ helsta (stand.fm) ←数日前に始めました ]

 ・ 「#3. 動詞を作る接尾辞 -ize の裏話」 (2023/10/08)




 ただし,いずれ Z に関する新ネタを仕込むことができれば,もちろん Z の汚名返上活動に速やかに戻るつもりです.皆様,これからも Z にはぜひとも優しく接してあげてくださいね.

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2023-09-24 Sun

#5263. 10月7日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第3回「中英語の綴字 --- 標準なき繁栄」 [asacul][notice][writing][spelling][orthography][me][standardisation][me_dialect][norman_conquest][link][voicy][heldio]

 約2週間後の10月7日(土)の 15:30--18:45 に,朝日カルチャーセンター新宿教室にてシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第3回となる「中英語の綴字 --- 標準なき繁栄」が開講されます.


10月7日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第3回「中英語の綴字 --- 標準なき繁栄」



 今回の講座は,全4回のシリーズの第3回となります.シリーズのラインナップは以下の通りです.

 ・ 第1回 文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり(春・4月29日)
 ・ 第2回 古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ(夏・7月29日)
 ・ 第3回 中英語の綴字 --- 標準なき繁栄(秋・10月7日)
 ・ 第4回 近代英語の綴字 --- 標準化を目指して(冬・未定)

 これまでの2回の講座では,まず英語史以前の文字・アルファベットの起源と発達を確認し,次に古英語期(449--1100年)におけるローマ字使用の実際を観察してきました.第3回で注目する時期は中英語期(1100--1500年)です.この時代までに英語話者はローマ字にはすっかり馴染んでいましたが,1066年のノルマン征服の結果,「標準英語」が消失し,単語の正しい綴り方が失われるという,英語史上でもまれな事態が展開していました.やや大げさに言えば,個々の英語の書き手が,思い思いに好きなように単語を綴った時代です.これは秩序崩壊とみればネガティヴとなりますが,自由奔放とみればポジティヴです.はたしてこの状況は,後の英語や英語のスペリングにいかなる影響を与えたのでしょうか.英語スペリング史において,もっともメチャクチャな時代ですが,だからこそおもしろい話題に満ちています.講座のなかでは中英語原文も読みながら,この時代のスペリング事情を眺めてみたいと思います.
 講座の参加にご関心のある方は,ぜひこちらのページよりお申し込みください.対面のほかオンラインでの参加も可能です.また,参加登録された方には,後日見逃し配信としてアーカイヴ動画へのリンクも送られる予定です.ご都合のよい方法でご参加ください.全4回のシリーズものではありますが,各回の内容は独立していますので,単発でのご参加も歓迎です.
 本シリーズと関連して,以下の hellog 記事,および Voicy heldio 配信回もご参照ください.

[ 第1回 文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり ]

 ・ heldio 「#668. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」(2023年3月30日)
 ・ hellog 「#5088. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」 ([2023-04-02-1])
 ・ hellog 「#5119. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」の第1回を終えました」 ([2023-05-03-1])

[ 第2回 古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ ]

 ・ hellog 「#5194. 7月29日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」」 ([2023-07-17-1])
 ・ heldio 「#778. 古英語の文字 --- 7月29日(土)の朝カルのシリーズ講座第2回に向けて」(2023年7月18日)
 ・ hellog 「#5207. 朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」を終えました」 ([2023-07-30-1])

[ 第3回 中英語の綴字 --- 標準なき繁栄 ](以下,2023/09/26(Tue)の後記)

 ・ heldio 「#848. 中英語の標準なき綴字 --- 10月7日(土)の朝カルのシリーズ講座第3回に向けて」(2023年9月26日)

Referrer (Inside): [2024-02-03-1]

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2023-09-18 Mon

#5257. 最近の Mond での回答,5件 [mond][sobokunagimon][politeness][simplification][contact][heldio][youtube][hel_education][phonetics][prestige][speed_of_change][language_myth][link]

 ここ数日間で,知識共有サービス Mond に寄せられてきた言語系の質問に5件ほど回答しました.こちらでもリンクを共有します.

 (1) 敬語の表現が少ない英語の話者には,日本人よりも敬意を示す機会が少ないのでしょうか?
 (2) 歴史的に見て「言語の変化=簡略化」なのでしょうか?
 (3) ブログ,ラジオ,YouTubeなど,様々なメディアを通じて英語の歴史や語源に関する情報を発信していらっしゃいますが,これらのメディアごとにアプローチやコンセプトを変えて情報を提供していますか?
 (4) なぜ人々は(もちろん個人差はあれど)イギリスやフランスなどのアクセントを“魅力的”とし,アジアやインドのアクセントを“魅力がない”とするのでしょうか?
 (5) 言語の変化は,どの程度の速度で起こりますか? 例えば,新しい言葉や表現は,どのくらいの頻度で生まれるものなのでしょうか?

 Mond に寄せられる言語系の質問は多様ですが,日本語と諸外国語との比較というジャンルの質問が目立ちます.今回も (1) や (4) がそのジャンルに属するかと思います.母語は万人にとって特別な存在であり,あまりに思い入れが強いために,他の言語と比べてきわめて特異な性質をもっているものと錯覚してしまうことがしばしば起こります.とりわけ語学を通じて理解の深まった他言語と比較するときに,母語の際立った言語特徴が目に付くことが多く,母語の特別視に拍車がかかります.
 長年言語学に触れてきた経験から感じることは,母語の特別視は往々にして行き過ぎる傾向があるということです.確かに各々の言語には固有の特徴があるもので,その点では日本語も例外ではないのですが,日本語のみに観察される言語特徴というのは,さほど多くあるわけではなく,広く古今東西の諸言語を見渡せば類例はおおよそ見つかるものです.言語の素朴な疑問に関する直感は,当たることもありますが,割と外れることも多いのです.
 今回の5件の質問のうちの3つ,(1), (2), (4) は,振り返ってみれば,言語にまつわる神話 (language_myth) に関わる質問だったように思います.言語学的な考察を通じて,言語の化けの皮を一枚一枚剥いでいくのが,何ともエキサイティングですね.

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2023-09-17 Sun

#5256. heldio/hel活応援リンク集 [notice][hel_education][voicy][heldio][khelf][heldio_community][link]

 本ブログの読者の皆さんを含めまして,日頃多くの方々より「英語史活動」 (hel活)への応援をいただいています.今回はとりわけ Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」(毎朝6時に配信)でのhel活を後押ししていただいている方々への感謝の意味を込め,リンク集を作成しました.heldio の紹介にとどまらず,配信回と連動した記事も公開されていますので,ぜひ訪問していただければ.

 ・ リスナー kitako さんによる日々の配信回のインスタストーリーでの紹介:毎日ご紹介ありがとうございます
 ・ リスナー umisio さんによる note での批評記事:ユーモアを含めた鋭いコメント,いつもありがとうございます
 ・ リスナーしゅがさんによる埼玉慶友会メルマガのバックナンバー "helmaga":目下3号まで公開されています
 ・ リスナー Kyu3 さんのブログ:heldio をお薦め番組としてご紹介いただいています
 ・ リスナー Karl さんのブログ:heldio を「英語の素朴な疑問」を大切にする番組としてご紹介いただいています
 ・ 菊地翔太先生(専修大学)の HP:heldio にもたびたび出演していただきお世話になっています
 ・ 最大の heldio 支援組織 khelf (慶應英語史フォーラム):内輪ですみません

 上記はウェブ上で私が気づいた範囲内でのリンク紹介にとどまり,まったく網羅的ではないだろうと理解しています.ほかにも一般リスナーの皆さん,プレミアムリスナー限定配信チャンネルをお聴きのコアリスナーの皆さん,対談回などへの歴代出演者の皆さん,SNS上でコメントを盛り上げてくださっている皆さんにも感謝いたします.
 heldio 関連でお気づきのリンク先を見つけましたら,ぜひ Voicy のコメント欄などを通じて,随時お知らせいただければ幸いです.
 最後に,私の X(旧ツイッター)上のアカウント @chariderryu にて「heldio コミュニティ by 堀田隆一」というコミュニティを展開し始めている旨,お知らせします.承認制のコミュニティですが,基本的にはメンバーリクエストをいただければお入りいただけますので,ぜひご参加ください.コミュニティの趣旨は以下の通りです.

Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.


「heldio コミュニティ by 堀田隆一」


Referrer (Inside): [2024-01-12-1] [2023-11-30-1]

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2023-09-16 Sat

#5255. Voicy heldio の「ゼロから学ぶはじめての古英語」シリーズへご好評いただいています [oe][masanyan][ogawashun][hel_education][voicy][heldio][runic][anglo-saxon][link][notice][alfred][beowulf][proverb][heldio_community][hajimeteno_koeigo]

 毎朝6時に音声配信している Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」にて「ゼロから学ぶはじめての古英語」シリーズが始まっています(不定期で無料の配信です).第3回まで配信してきましたが,嬉しいことにリスナーの皆さんにはご好評いただいています.各配信回の概要欄やチャプターに紐付けられたリンク先に,題材となっている古英語のテキストなども掲載していますので,そちらを参照しながら聴いていただければと思います.これまでの3回では,アルフレッド大王,古英語の格言,叙事詩『ベオウルフ』に関係する文章が取り上げられています.本当に「初めての方」に向けての講座となっていますので,お気軽にどうぞ.



 ナビゲーターは英語史や古英語を専攻する次の3人です.小河舜さん(フェリス女学院大学ほか)khelf(慶應英語史フォーラム)元会長の「まさにゃん」こと森田真登さん(武蔵野学院大学),および堀田隆一です.3人で楽しそうに話しているのが魅力,との評価もいただいています.
 毎回,厳選された古英語の短文を取り上げ,文字通り「ゼロから」解説しています.日本語による解説つきで気軽に始められる「古英語講座」なるものは,おそらくこれまでどの媒体においても皆無だったのではないでしょうか(唯一の例外は,まさにゃんによる「毎日古英語」かもしれません).このたびのシリーズは,その意味では本邦初といってよい試みとなります.ナビゲーター3人も,肩の力を抜いておしゃべりしていますので,それに見合った気軽さで聴いていただければと思います.
 本シリーズのサポートページとして,まさにゃんによる note 記事「ゼロから学ぶはじめての古英語(#1~#3)」が公開されています.また,X(旧ツイッター)上の「heldio コミュニティ by 堀田隆一」にて関連情報も発信しています.このコミュニティは承認制ですが,基本的にはメンバーリクエストをいただければお入りいただけますので,ぜひご参加ください.
 シリーズの第4弾もお楽しみに!

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2023-09-10 Sun

#5249. 川端朋広先生と現代英語の言語変化をいかに研究するかについて対談しました [voicy][heldio][review][corpus][pde][syntax][philology][methodology][link]


秋元 実治(編),片見 彰夫・福元 広二・田辺 春美・山本 史歩子・中山 匡美・川端 朋広・秋元 実治(著) 『近代英語における文法的・構文的変化』 開拓社,2023年.



 『近代英語における文法的・構文的変化』が,6月に開拓社より出版されています.15--20世紀の英文法およびその変化が実証的に記述されています.本書のユニークな点は,6名の研究者の各々が各世紀の言語事情を定点観測的に調査していることです.個々の章を読むのもよいですし,ある項目に注目して章をまたいで読むのもよいと思います.
 本書については,本ブログ,Voicy heldio,YouTube で様々にご紹介してきました.昨日の heldio では川端朋広先生(愛知大学)との対談回の第2弾「#831. 『近代英語における文法的・構文的変化』 --- 川端朋広先生との対談 (2)」を配信しました.今回は,現代英語の言語変化を研究する際の難しさ,悩み,魅力などに注目し,最終的には研究法をめぐる談義に発展しました.35分ほどの音声となります.お時間のあるときにどうぞ.



 こちらの回をもって,本書紹介シリーズが出そろったことになります.改めてこれまでの関連コンテンツへのリンクを張っておきます.著者の先生方の声を聴きつつ本書を読んでいくというのも,一つの味わい方かと思います.



 ・ YouTube 「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」より「#137. 辞書も規範文法も18世紀の産業革命富豪が背景に---故山本史歩子さん(英語・英語史研究者)に捧ぐ---」

 ・ hellog 「#5166. 秋元実治(編)『近代英語における文法的・構文的変化』(開拓社,2023年)」 ([2023-06-19-1])
 ・ hellog 「#5167. なぜ18世紀に規範文法が流行ったのですか?」 ([2023-06-20-1])
 ・ hellog 「#5182. 大補文推移の反対?」 ([2023-07-05-1])
 ・ hellog 「#5186. Voicy heldio に秋元実治先生が登場 --- 新刊『近代英語における文法的・構文的変化』についてお話しをうかがいました」 ([2023-07-09-1])
 ・ hellog 「#5208. 田辺春美先生と17世紀の英文法について対談しました」 ([2023-07-31-1])
 ・ hellog 「#5224. 中山匡美先生と19世紀の英文法について対談しました」 ([2023-08-16-1])
 ・ hellog 「#5235. 片見彰夫先生と15世紀の英文法について対談しました」 ([2023-08-27-1])
 ・ hellog 「#5242. 川端朋広先生と20世紀の英文法について対談しました」 ([2023-09-03-1])
 ・ hellog 「#5249. 川端朋広先生と現代英語の言語変化をいかに研究するかについて対談しました」 ([2023-09-09-1])

 ・ heldio 「#769. 『近代英語における文法的・構文的変化』 --- 秋元実治先生との対談」
 ・ heldio 「#772. 『近代英語における文法的・構文的変化』 --- 16世紀の英語をめぐる福元広二先生との対談」
 ・ heldio 「#790. 『近代英語における文法的・構文的変化』 --- 田辺春美先生との対談」
 ・ heldio 「#806. 『近代英語における文法的・構文的変化』 --- 中山匡美先生との対談」
 ・ heldio 「#824. 『近代英語における文法的・構文的変化』 --- 川端朋広先生との対談 (1)」
 ・ heldio 「#831. 『近代英語における文法的・構文的変化』 --- 川端朋広先生との対談 (2)」
 ・ heldio 「#837. 18世紀の英語の文法変化 --- 秋元実治先生との対談」(←こちらは 2023/09/15(Fri) の後記)




 ・ 秋元 実治(編),片見 彰夫・福元 広二・田辺 春美・山本 史歩子・中山 匡美・川端 朋広・秋元 実治(著) 『近代英語における文法的・構文的変化』 開拓社,2023年.

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2023-09-01 Fri

#5240. Voicy heldio で「ゼロから学ぶはじめての古英語」シリーズが始まりました [oe][masanyan][ogawashun][hel_education][voicy][heldio][runic][anglo-saxon][link][notice][hel_education]



 昨日の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の配信で,待望の(?)の古英語入門講座がスタートしました.「#822. ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 1 with 小河舜さん and まさにゃん」です(上記の左側のパネル).シリーズ初回のメインパーソナリティは小河舜さん(フェリス女学院大学ほか),そして進行補佐が「まさにゃん」こと森田真登さん(武蔵野学院大学)と私,堀田隆一です.
 初回ということで,古英語の短い1文のみを素材として導入しています.9世紀に文武両道で活躍したウェセックスのアルフレッド大王 (King Alfred) による言葉です.大英図書館のサイトの King Alfred's Translation of the Pastoral Care より,写本画像が閲覧できます.

Þeos boc sceal to Wiogora ceastre


 今回取り上げるのはこの短い文のみですが,実はここに古英語とアングロサクソン文化の様々な側面が凝縮されているのです.小河さんが,それを解凍し,やさしく解説しくれています.また,まさにゃんもこちらの note 記事にて補足を加えてくれています.
 私自身も,今朝の Voicy 配信で補足のお話しをお届けしています.「#823. 昨日の「ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 1」の補足と関連過去回」をお聴き下さい(上記の右側のパネル).今朝の配信では関連する過去回に多く言及しましたが,Voicy から直接飛ぶには不便かと思いますので,以下にリンクを張っておきます.この週末などのお時間のあるときに,今回の例文 "Þeos boc sceal to Wiogora ceastre" と関連付けて,古英語とアングロサクソンの世界に浸っていただければと思います.
 シリーズ第2回も近日公開予定ですので,お楽しみに! 初回へのご感想やご意見も Voicy のコメントよりお寄せいただけますと幸いです.

[ 指示代名詞 this をめぐる謎 ]

 ・ 「#233. this, that, the などの th は何を意味するの?」
 ・ 「#274. 不定指示形容詞の this」
 ・ 「#432. なぜ短縮形 that's はあるのに *this's はないの?」
 ・ 「#493. 指示詞 this, that, these, those の語源」

[ 名詞 book の深すぎる歴史 ]

 ・ 「#661. book と beech --- 本とブナの関係は?」
 ・ 「#662. 印欧祖語の故郷をめぐるブナ問題」

[ 衰退気味の shall の諸相 ]

 ・ 「#218. shall と will の使い分け規則はいつからあるの?」
 ・ 「#530. 日本ハム新球場問題の背後にある英語版公認野球規則の shall の用法について」

[ 前置詞の to もあるけれど不定詞マーカーの to にも注目を ]

 ・ 「#645. to 以外の不定詞マーカー」
 ・ 「#688. なぜ不定詞には to 不定詞 と原形不定詞の2種類があるの?」

[ イングランド地名についてアレコレ ]

 ・ 「#306. 市川誠先生との対談 長万部はイングランドか!?」
 ・ 「#349. 市川誠先生との対談 「ウスター」と「カステラ」,「レスター」と「リア王」」
 ・ 「#819. 古英語地名入門 with 小河舜さん」

[ 古英語一般の理解のために ]

 ・ 「#148. 古英語期ってどんな時代?」
 ・ 「#149. 対談 [[「毎日古英語」のまさにゃんと,古英語ってどんな言語?」
 ・ 「#326. どうして古英語の発音がわかるのですか?」
 ・ 「#628. 古英語の単語はどれくらい現代英語に受け継がれているの?」
 ・ 「#778. 古英語の文字 --- 7月29日(土)の朝カルのシリーズ講座第2回に向けて」

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2023-08-26 Sat

#5234. 5人で語る CMC (computer-mediated communication) [cmc][punctuation][voicy][heldio][masanyan][ogawashun][punctuation][link]

 「#1664. CMC (computer-mediated communication)」 ([2013-11-16-1]) について,英語学研究者が5人集まって飲みながらフリートークしました.話しはあちらこちらに飛んでいますが,結果として CMC の様々な側面に光を当てた議論となっていると思います(し,随所に笑いもあります).一昨日の Voicy heldio の生放送でお届けしたものを,昨日アーカイヴより通常配信しています.60分ほどの長尺ですが,この週末にゆっくりお聴きいただければと.「#816. ネット時代の言葉遣い --- CMC (生放送のアーカイヴ)」です.



 今回参加している私以外の4人のメンバーは以下の通りです.

 ・ 多々良直弘さん(桜美林大学): https://gproweb1.obirin.ac.jp/obuhp/KgApp?resId=S000185
 ・ 金田拓さん(帝京科学大学):https://www.ntu.ac.jp/research/kyoin/kodomo/gakoukyouiku/kaneta_t.html
 ・ 小河舜さん(フェリス女学院大学ほか):https://sites.google.com/view/shunogawa (cf. ogawashun)
 ・ 「まさにゃん」こと森田真登さん(武蔵野学院大学):https://sites.google.com/view/moritamasato/ (cf. masanyan)

 主に句読点 (punctuation) の話題で盛り上がりました.関連する hellog 記事をいくつか挙げておきます.
 
 ・ 「#574. punctuation の4つの機能」 ([2010-11-22-1])
 ・ 「#575. 現代的な punctuation の歴史は500年ほど」 ([2010-11-23-1])
 ・ 「#808. smileys or emoticons」 ([2011-07-14-1])
 ・ 「#2848. 「若者は1字下げない」」 ([2017-02-12-1])
 ・ 「#3045. punctuation の機能の多様性」 ([2017-08-28-1])
 ・ 「#3891. 現代英語の様々な句読記号の使用頻度」 ([2019-12-22-1])
 ・ 「#3893. grammatical punctuation と correspondence punctuation」 ([2019-12-24-1])
 ・ 「#4751. なぜすべてを大文字書きする人がいるの?」 ([2022-04-30-1])
 ・ 「#4987. 英語の感嘆符の使いすぎ批判は19世紀から」 ([2022-12-22-1])
 ・ 「#4986. 日本語で増えてきている感嘆符」 ([2022-12-21-1])

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2023-08-15 Tue

#5223. 『英語史新聞』第6号が発行されました [hel_herald][notice][khelf][hel_education][link]

 昨日8月14日,khelf(慶應英語史フォーラム)により『英語史新聞』第6号がウェブ公開されました.こちらよりPDFで閲覧・ダウンロードできます.
 第6号公開は,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio を通じてこちらのツイートでも案内しています.リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.

『英語史新聞』第6号



 今回も khelf の『英語史新聞』第6号の編集委員および執筆者の皆がベストを尽くしてくれました(関係者一同ありがとう!).以下が記事のラインナップです.

 ・ 不思議なスペルの動物たち
 ・ super と hyper だけじゃない
 ・ Buffalo と buffalo と buffalo?
 ・ The Data ARE!?
 ・ 英語史ラウンジ by khelf 「第2回 矢冨弘先生(前編)」
 ・ コトバと身体の共創関係 --- 意味と方向感覚のつながり ---

 第4号から始まっている目玉の新企画「英語史ラウンジ by khelf」では,英語史研究者へのインタビュー記事が掲載されます.今回注目する研究者は矢冨弘先生(熊本学園大学)です.記事でも触れているとおり,矢冨先生には khelf でもたびたびお世話になっており,Voicy heldio にも何度も出演していただいています.
 さて,『英語史新聞』は昨年4月に創刊号を発行して以来,おおよそ3ヶ月に1度のペースで発行し続け,1年半が経ちました.ここまで続けて来られましたのも読者の皆様のおかげです,ご愛読ありがとうございます.最新号も含めまして『英語史新聞』のすべての号は,教育目的での利用・配布について自由にお取り扱いいただくことができます.むしろ,英語史の魅力を広げるべく活動している発行主体の khelf としましては,電子媒体・紙媒体を問わず,皆様に広く利用・配布していただけますと幸いです.
 もし学校の授業などの公的な機会(あるいは,その他の準ずる機会)にお使いの場合には,ぜひこちらのフォームを通じてご一報くださいますと khelf の活動実績の把握につながるほか,『英語史新聞』編集委員の励みともなります.ご協力のほどよろしくお願いいたします.ご入力いただいた学校名・個人名などの情報につきましては,khelf の実績把握の目的のみに限り,記入者の許可なく一般に公開するなどの行為は一切行なわない旨,こちらに明記いたします.フォームへの入力を通じ,khelf による「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)への賛同をいただけますと幸いです.
 最後に『英語史新聞』のバックナンバー(号外を含む)も紹介しておきます.こちらも合わせてご一読ください(khelf HP のこちらのページにもバックナンバー一覧があります).

 ・ 『英語史新聞』第1号(創刊号)(2022年4月1日)
 ・ 『英語史新聞』号外第1号(2022年4月10日)
 ・ 『英語史新聞』第2号(2022年7月11日)
 ・ 『英語史新聞』号外第2号(2022年7月18日)
 ・ 『英語史新聞』第3号(2022年10月3日)
 ・ 『英語史新聞』第4号(2023年1月11日)
 ・ 『英語史新聞』第5号(2023年4月10日)

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2023-08-02 Wed

#5210. 世界最強の英語語源辞典 --- 寺澤芳雄(編集主幹)『英語語源辞典』(研究社,1997年) [notice][review][etymology][voicy][heldio][yurugengogakuradio][youtube][link][kenkyusha][kdee]


寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.



 日々の hellog 記事の執筆のためにも,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の収録のためにも,標題の『英語語源辞典』を引かない日は私にとってないと言い切ってよいと思います(もう1つ引かないことがないのは OED).
 先日,「ゆる言語学ラジオ」への出演,および田辺春美先生(成蹊大学)との Voicy 対談の2回にわたり,英語の語源に関心のある方々に向けて『英語語源辞典』を強く推奨しました.それぞれ YouTube 「英単語帳の語源を全部知るために,研究者を呼びました【ターゲット1900 with 堀田先生】#247」(とりわけ49分30秒辺りから)と Voicy 「#787. 寺澤芳雄(編集主幹)『英語語源辞典』(研究社,1997年)のスゴさをご紹介 --- 田辺春美先生との対談」です.ぜひご視聴ください.



 この『英語語源辞典』と関連して,昨日 「研究社note」より「『英語語源辞典』と活版印刷裏話」と題する興味深い記事が公開されました.研究社編集部の N. A. さんが,元研究社印刷社長の小酒井英一郎さんにインタビューして執筆された記事です.



 『英語語源辞典』制作の裏側について,知らないことばかりで驚きました.例えば:

 ・ 研究社最後の活字で組版された辞典
 ・ 17年近い年月をかけて編纂された辞典
 ・ 使用した活字は,本が刷り終わったら全部溶かす(保管場所も文字も足りなくなるので)

 制作に携わったすべての方々に改めて感謝しつつ,今日も『英語語源辞典』をめくっていきたいと思います.
 hellog の語源(辞典)関連の記事は数多くありますが,以下に主だったものを抜き出します.ご参考までに.

 ・ 「#600. 英語語源辞書の書誌」 ([2010-12-18-1])
 ・ 「#1765. 日本で充実している英語語源学と Klein の英語語源辞典」 ([2014-02-25-1])
 ・ 「#485. 語源を知るためのオンライン辞書」 ([2010-08-25-1])

 ・ 「#5051. 語源を利用した英語ボキャビルのために hellog と heldio の活用を!」 ([2023-02-24-1])
 ・ 「#3546. 英語史や語源から英単語を学びたいなら,これが基本知識」 ([2019-01-11-1])
 ・ 「#3696. ボキャビルのための「最も役に立つ25の語のパーツ」」 ([2019-06-10-1])
 ・ 「#3698. 語源学習法のすゝめ」 ([2019-06-12-1])
 ・ 「#4360. 英単語の語源を調べたい/学びたいときには」 ([2021-04-04-1])
 ・ 「#3381. 講座「歴史から学ぶ英単語の語源」」 ([2018-07-30-1])(←5年前に『英語語源辞典』にも注目しつつ英語語源講座を開いたことがあります)

 ・ 「#466. 語源学は技芸か科学か」 ([2010-08-06-1])
 ・ 「#727. 語源学の自律性」 ([2011-04-24-1])
 ・ 「#1791. 語源学は技芸が科学か (2)」 ([2014-03-23-1])
 ・ 「#598. 英語語源学の略史 (1)」 ([2010-12-16-1])
 ・ 「#599. 英語語源学の略史 (2)」 ([2010-12-17-1])

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.

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2023-07-28 Fri

#5205. Baugh and Cable の英語史概説書を1節ずつ読み進めながら Voicy heldio で自由にコメントしていく試みを始めています [voicy][heldio][hel_education][link][notice][bchel]

 本ブログでは英語史に関心を持ち始めた方のために,たびたびお勧めの英語史概説書を紹介してきました.英語史という分野は,実用的な英語の語学の陰に隠れて,一見マイナーな領域のように思われるかもしれません.しかし,研究の歴史は思いのほか長く,概説書の類いも洋書・和書を含めて数十冊では効かないくらい多く著わされてきました.
 その中でも,本ブログでも強く推奨してきた英語で書かれた英語史概説書の1冊として,Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013. があります.


Baugh, Albert C. and Thomas Cable. ''A History of the English Language''. 6th ed. London: Routledge, 2013.



 この一押しの概説書は12章264節からなる英語史の通史ですが,これを最初から1節ずつ読んでいき,Voicy heldio にて私が自由自在にコメントしていくという有料配信(1回200円)の試みを始めています.以下の通り,第1回を7月17日に,第2回を7月24日に配信しました.各配信回の第1チャプターは試聴できるチャプターとして無料公開していますので,ぜひお聴きいただければと思います.



 当面は,数日に一度の不定期の配信としていく予定ですが,リスナーの皆さんからの反応に応じてペースや内容なども再検討していきたいと思っています.Voicy のコメント欄を通じて,ご意見やご感想を寄せていただければ幸いです.
 この英語史概説書については,hellog や heldio でも多く取り上げてきましたので,以下をご参照ください.

 ・ hellog 「#2089. Baugh and Cable の英語史概説書の目次」 ([2015-01-15-1])
 ・ hellog 「#2182. Baugh and Cable の英語史第6版」 ([2015-04-18-1])
 ・ hellog 「#2588. Baugh and Cable の英語史からの設問 --- Chapters 1 to 4」 ([2016-05-28-1])
 ・ hellog 「#2594. Baugh and Cable の英語史からの設問 --- Chapters 5 to 8」 ([2016-06-03-1])
 ・ hellog 「#2602. Baugh and Cable の英語史からの設問 --- Chapters 9 to 11」 ([2016-06-11-1])
 ・ hellog 「#3091. Baugh and Cable の英語史概説書の目次よりランダムにクイズを作成」 ([2017-10-13-1])
 ・ hellog 「#4557. 「英語史への招待:入門書10選」」 ([2021-10-18-1])
 ・ hellog 「#4731. 『英語史新聞』新年度号外! --- 英語で書かれた英語史概説書3冊を紹介」 ([2022-04-10-1])
 ・ hellog 「#5094. 英語史概説書等の書誌(2023年度版)」 ([2023-04-08-1])

 ・ heldio 「#140. 対談 英語史の入門書」 (2021/10/18)
 ・ heldio 「#313. 泉類尚貴先生との対談 手に取って欲しい原書の英語史概説書3冊」 (2022/04/09)
 ・ heldio 「#315. 和田忍先生との対談 Baugh and Cable の英語史概説書を語る」 (2022/04/10)

 ぜひ一緒に Baugh and Cable の英語史概説書を読み進めていきましょう.書かれている英語も平易かつ豊かですので,英語の勉強にもなります.

 ・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.

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2023-07-24 Mon

#5201. 古英語で書かれた英雄詩 Beowulf 『ベオウルフ』 [voicy][heldio][oe][literature][link]

 昨日,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」で「#783. 古英詩の傑作『ベオウルフ』 (Beowulf) --- 唐澤一友さん,和田忍さん,小河舜さんと飲みながらご紹介」を配信しました(27分ほどの尺となっています)



 出演者の皆さんが Beowulf の専門家といってもよいですが,とりわけ唐澤先生にとってはストライクの話題です,唐澤先生とは一度 heldio で対談しています.そのときには古英語と無関係の「#314. 唐澤一友先生との対談 今なぜ世界英語への関心が高まっているのか?」という話題でお届けしましたが,本来のご専門は古英語とその文学です.
 Beowulf の概要については上記の配信よりお聴きいただければと思いますが,ここでも簡単に紹介しておきます.Beowulf は古英語文学の最高傑作とされる英雄詩であり,ヨーロッパにおいて最も早くヴァナキュラーで著わされた叙事詩です.紀元1000年頃のものと推定される唯一写本 Cotton Vitellius A XV に納められたテキストだが,物語としては6世紀初頭の出来事を扱っており,作られたのは8世紀前半と考えられています.テキストの存在は近代まで広く知られることはなく,ようやく19世紀前半に印刷されることになりました.
 物語は主人公ベオウルフの冒険と生涯を軸に進んでいきますが,この人物が歴史的存在であるという証拠はありません.ただし,物語の登場人物,場所,出来事のなかには,歴史的に確認できるものが含まれています.
 形式,文体,主題の観点からは,Beowulf はゲルマン英雄詩の伝統に乗った作品といえます.主人公が怪物の腕を引き裂く場面や湖に潜る場面を含め多くのエピソードが民間伝承に基づくものです.倫理的価値観としては運命・忠誠心・復讐など明らかにゲルマン的な要素が濃い一方で,キリスト教的な精神も強く,実際にキリスト教の寓意詩であるとの評価も一般的に受け入れられています.
 現代英語訳や和訳もあり,映画化もされている古英語文学の至宝です.ぜひ関心をもっていただければ.hellog でも beowulf の各記事で取り上げてきたので,ご覧ください.
 今回の heldio 出演者の HP 等へリンクを張っておきます.

 ・ 唐澤一友先生(立教大学)
 ・ 和田忍先生(駿河台大学)
 ・ 小河舜先生(フェリス女学院大学ほか)

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2023-07-17 Mon

#5194. 7月29日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」 [asacul][notice][writing][spelling][orthography][oe][link][voicy][heldio]

 来週末7月29日(土)の 15:30--18:45 に,朝日カルチャーセンター新宿教室にてシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回となる「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」が開講されます.
 シリーズ初回は「文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり」と題して3ヶ月前の4月29日(土)に開講しました.それを受けて第2回は,ローマ字が英語に入ってきて本格的に用いられ始めた古英語期に焦点を当てます.古英語話者たちは,ローマ字をいかにして受容し,格闘しながらも自らの道具として手なずけていったのか,その道筋をたどります.実際にローマ字で書かれた古英語のテキストの読解にも挑戦してみたいと思います.
 ご関心のある方はぜひご参加ください.講座紹介および参加お申し込みはこちらからどうぞ.対面のほかオンラインでの参加も可能です.また,参加登録された方には,後日アーカイヴ動画(1週間限定配信)のリンクも送られる予定です.ご都合のよい方法でご参加ください.全4回のシリーズものではありますが,各回の内容は独立していますので,単発のご参加も歓迎です.
 シリーズ全4回のタイトルは以下の通りとなります.

 ・ 第1回 文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり(春・4月29日)
 ・ 第2回 古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ(夏・7月29日)
 ・ 第3回 中英語の綴字 --- 標準なき繁栄(秋・未定)
 ・ 第4回 近代英語の綴字 --- 標準化を目指して(冬・未定)

 本シリーズと関連して,以下の hellog 記事,および Voicy heldio 配信回もご参照下さい.

 ・ hellog 「#5088. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」 ([2023-04-02-1])
 ・ heldio 「#668. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」(2023年3月30日)
 ・ (2023/07/18(Tue) 後記)heldio 「#778. 古英語の文字 --- 7月29日(土)の朝カルのシリーズ講座第2回に向けて」(2023年7月18日)


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2023-06-18 Sun

#5165. khelf の英語史活動 「英語史コンテンツ50」から「khelf 声の祭典」へ [voicy][heldio][helwa][notice][khelf][hel_education][link][helwa]

khelf logo    khelf banner
(このロゴとバナーは khelf メンバーが作成)



 4月半ばに開始した khelf(慶應英語史フォーラム)の年度始め企画「英語史コンテンツ50」は,先日無事に終了しました.hellog 読者の皆さんにも,伴走いただきましてありがとうございました.
 さて,khelf の次なる英語史活動(hel活)の企画の紹介です.「英語史コンテンツ50」の成果を最大限に活用すべく,改めてコンテンツの紹介なども含めつつ,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」にて「khelf 声の祭典」なる企画をすでに始めています.khelf メンバーや khelf にゆかりの方々を招き,連日 heldio で対談・議論していくというシリーズ企画です.実際には,この「khelf 声の祭典」のために6月16日(金)に多くのメンバーに集まってもらい,heldio 大収録会を開催しました.その成果が,今後2週間ほどにわたって日々公開されていくことになります.改めてお付き合いのほどお願いします.
 新企画の第1弾は,先の大収録日の午後6時過ぎから生放送でお届けした「#747. 金曜夜のコトバ対談(生放送) --- 「khelf 声の祭典」第1弾」です.五所万実さん,尾崎萌子さん,小河舜さん,菊地翔太さんをお招きし,5人で乾杯しながら金曜日夜のゆるっとトークを展開しました.生放送には50名近くのリスナーの方々にお聴きいただきました.昨朝これをアーカイヴ放送として配信しましたので,お時間のあるときにぜひお聴きください(60分超の長尺です).



 上記の生放送のアフタートーク,あるいは2次会といってもよい続編は,昨晩,プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) のほうで「【英語史の輪 #5】金曜夜のコトバ対談(生放送)の2次会」として配信しています.生放送中にリスナーの方々から寄せられた質問に回答しつつ5人で話し続けています.「研究者のタイプとは?」「英語史研究者がタイムスリップできたら何をしたい?」「学問は役に立つかどうか問題」「大学院進学のすすめ」などについて盛り上がっています.こちらも40分ほどの長尺です.



 そして,今朝の通常配信は「#748. 強調構文の歴史 with 疋田くん --- 「khelf 声の祭典」第2弾」です.「英語史コンテンツ50」のなかの注目すべきコンテンツの1つを,その作成者と対談しながら紹介しています.



 このように,向こう2週間は heldio から耳を離せません.ぜひお付き合いのほど,よろしくお願いします.

Referrer (Inside): [2023-06-26-1]

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