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shakespeare - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2022-12-09 15:40

2014-01-11 Sat

#1720. Shakespeare の綴り方 [shakespeare][spelling]

 英語の綴字の歴史は本ブログでも様々に扱ってきたが,歴史的にはすべての単語に異綴りが確認されるといっても過言ではない.Shakespeare という姓も,例外ではない.現在では,英語の読み手や書き手は,この姓とこの綴字に慣れ親しんでいるが,英語史上確認される異綴りは70以上もある.
 姓の構成は単純で,shake + spear すなわち「槍持ち」ほどの意味である.13世紀に遡ることのできる比較的凡庸な名前であり,その70以上の歴史的異綴りのなかには,1248年に文証される Shakespere のほか,Shaksper, Chacsper, Schakespere, Scakespeire, Saksper などが含まれる.
 David Kathman という研究者が収集したところによると,劇作家 William Shakespeare (1564--1616) の姓としては,生存中のものとして,25種類の異綴りが確認されたという.全収集例342個のうち,6割以上は ShakespeareShake-speare だったというから,現在の綴字は歴史的にも正当 (?) といってよいかもしれない.
 Crystal and Crystal (108) に挙げられている,その25種類の綴字を以下に列挙しよう.

Schaksp, Shackespeare, Shackespere, Shackspeare, Shackspere, Shagspere, Shakespe, Shakespear, Shakespeare, Shake-speare, Shakespere, Shakespheare, Shakp, Shakspe?, Shakspear, Shakspeare, Shak-speare, Shaksper, Shakspere, Shaxberd, Shaxpeare, Shaxper, Shaxpere, Shaxspere, Shexpere


 なお,真正とされる Shakespeare による自著は6点残っているが,そのなかに次の5種類の綴字が現れる (Crystal 131) .Shakp (1612年,Belott-Mountjoy Deposition), Shakspe(r) (1613年,Gatehouse Conveyance), Shaksper (1613年,Gatehouse Mortgage), Shakspere (1616年,first and second sheet of will), Shakspeare (1616年,third sheet of will) .おもしろいことに,このなかに現在の標準的な綴字はない.
 Shakespeare の時代には,綴字の標準化は着々と進行中だったが,定着したといえるまでにはもう数十年が必要だった.17世紀半ばにはおよそ定着したが,より強固な基盤ができあがるまでには18世紀半ばの Johnson の辞書を待たねばならなかった.とりわけ印刷ではなく手書きでは,綴字の揺れはいまだ激しかったろう.
 現在の Shakespeare の綴字は,現代人にとっても十分に変則的な綴字に見えるが,多少間違えたところで恥ずかしく感じる必要はない.Shakespeare 自身も使っていなかった可能性はあるし,かつてはこんな綴字もあったのだと軽く受け流せばよい(かもしれない)ので.

 ・ Crystal, David and Ben Crystal. The Shakespeare Miscellany. Woodstock & New York: The Overlook Press, 2005.

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2013-12-30 Mon

#1708. *wer- の語根ネットワークと weird の語源 [etymology][indo-european][literature][shakespeare][word_family]

 昨日の記事「#1707. Woe worth the day!」 ([2013-12-29-1]) で,印欧語根 *wer- (to turn, bend) に由来する動詞 worth について取り上げた.この語根に由来する英単語は数多く,語彙の学習に役立つと思われるので,『英語語源辞典』 (1643) に従って語根ネットワークを示そう.

 ・ Old English: inward, stalworth, -ward, warp, weird, worm, sorry, worth, wrench, wrest, wrestle, wring, wrinkle, wrist, wry
 ・ Middle English: (wrap)
 ・ Old Norse: wrong
 ・ Other Germanic: gaiter, garrote, ribald, (wrangle), wrath, wreath, wriggle, writhe, wroth
 ・ Latin: avert, controversy, converge, converse, convert, dextrorse, diverge, divert, extrovert, introvert, inverse, obvert pervert, prose, reverberate, revert, (ridicule), subvert, transverse, universe, verge, vermeil, vermi-, vermicelli, vermicular, vermin, versatile, verse, version, versus, vertebra
 ・ Greek: rhabd(o)-, rhabdomancy, rhapsody, (rhomb, rhombus)
 ・ Slavic: verst
 ・ Sanskrit: bat (speech)


 一見すると形態的には簡単に結びつけられない語もあるが,意味的には「曲がりくねった」でつながるものも多い.くねくね動く虫 (worm) のイメージと結びつけられるものが多いように思われる.
 この中で,特に weird (不思議な,気味の悪い)を取り上げよう.この語の語源を古英語まで遡ると,(ge)wyrd (運命)にたどりつく.古英語文学においてとりわけ重要な単語であり概念である."to happen" を意味する weorþan の名詞形であり,"what is to happen" (起こるべきこと)を意味した.現代標準英語では「運命」の語義は古風だが,スコットランド方言などではこの語義が生きている.
 さて,この語は古英語以来,名詞として用いられていたが,1400年くらいから「運命を司る」を意味する形容詞としての用法が発達した.形容詞用法としては,Shakespeare が Macbeth において weird sisters (魔女;運命の3女神)を用いたことが後世に影響を与え,Shelley, Keats などのロマン派詩人もそれにならった.しかし,Shelley らは意味を「運命を司る」から「不可思議な,超自然的な」へと拡大し,さらに「奇妙な,風変わりな」の語義も発展させた.ロマン派詩人ならではの意味の発展のさせ方といえよう.この語は,古英語と後期近代英語の文学を象徴するキーワードといってもよいのではないか.
 現在の語形 weird は,中英語の北部方言形 wērd, weird に由来するとされる.Shakespeare 1st Folio では,the weyward sisters という綴字が見られ,語源的に区別すべき wayward (強情な;気まぐれな)との混同がうかがえる.

 ・ 寺澤 芳雄 (編集主幹) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.

Referrer (Inside): [2017-01-25-1]

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2013-03-15 Fri

#1418. 17世紀中の its の受容 [personal_pronoun][genitive][emode][bible][shakespeare][speed_of_change]

 古英語の人称代名詞体系において,中性単数属格形は男性単数属格形と同じ his であり,これが中英語でも継承されたが,16世紀末にits が現われ,17世紀中に his を置換していった.この歴史について,「#198. its の起源」 ([2009-11-11-1]) で概説した.
 Baugh and Cable (243--44) によれば,後期中英語から初期近代英語にかけて,中性単数属格形の his の代用品として,its 以外にも様々なものが提案されてきた.聖書にみられる two cubits and a half was the length of itnine cubits was the length thereof のような迂言的表現 (「#1276. hereby, hereof, thereto, therewith, etc.」の記事[2012-10-24-1]を参照),Shakespeare にみられる It lifted up it head (Hamlet) や The hedge-sparrow fed the cuckoo so long, / That it had it head bit off by it young (Lear) のような主格と同じ it をそのまま用いる方法,Holland の Pliny (1601) にみられる growing of the own accord のような定冠詞 the で代用する方法などである.
 しかし,名詞の属格として定着していた 's の強力な吸引力は,人称代名詞ですら避けがたかったのだろう.おそらく口語から始まった its あるいは it's (apostrophe s のついたものは1800年頃まで行なわれる)の使用は,16世紀末に初例が現われてから数十年間は,正用とはみなされていなかったようだが,17世紀の終わりにかけて急速に受け入れられていった.例えば,17世紀前半では,欽定訳聖書 (The King James Bible) での使用は皆無であり,Shakespeare の First Folio (1623) では10例を数えるにすぎなかったし,John Milton (1608--74) でもいささか躊躇があったようだ.しかし,John Dryden (1631--1700) ではすでに his が古風と感じられていた.

 Görlach (86) も,17世紀に入ってからの its の急速な受容について,次のように述べている.

The possessive its . . . is the only EModE innovation; his, common for neuter reference until after 1600 . . ., did not reflect the distinction 'human':'nonhuman' found elsewhere in the pronominal system. This is likely to be the reason for the possessive form it . . ., which is found from the fourteenth century, and the less equivocal forms of it or thereof, which are common in the sixteenth and seventeenth centuries . . . . But its . . . obviously fitted the system ideally, as can be deduced from its rapid spread in the first half of the seventeenth century.


 ・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 5th ed. London: Routledge, 2002.
 ・ Görlach, Manfred. Introduction to Early Modern English. Cambridge: CUP, 1991.

Referrer (Inside): [2019-02-14-1] [2015-05-20-1]

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2013-03-11 Mon

#1414. 品詞転換はルネサンス期の精力と冒険心の現われか? [conversion][shakespeare][word_formation][causation][synthesis_to_analysis]

 品詞転換 (conversion) あるいはゼロ派生 (zero-derivation) については,「#190. 品詞転換」 ([2009-11-03-1]) をはじめ conversion の各記事で関連する話題を取り上げてきた.品詞転換が生産的な語形成として登場するのは初期近代英語,特に Shakespeare においてであり,ルネサンス期の活力,若々しさ,挑戦心などと結びつけられることがある.後に続く規範主義の時代と対比して,確かにのびのびとした雰囲気に満ちた時代である.Baugh and Cable (250) も,ルネサンス期の英語の特徴の1つとして,品詞転換を以下のように評している.

English in the Renaissance, at least as we see it in books, was much more plastic than now. People felt freer to mold it to their wills. Words had not always distributed themselves into rigid grammatical categories. Adjectives appear as adverbs or nouns or verbs, nouns appear as verbs---in fact, any part of speech as almost any other part. When Shakespeare wrote stranger'd with an oath he was fitting the language to his thought, rather than forcing his thought into the mold of conventional grammar. This was in keeping with the spirit of his age. It was in language, as in many other respects, an age with the characteristics of youth---vigor, a willingness to venture, and a disposition to attempt the untried. The spirit that animated Hawkins and Drake and Raleigh was not foreign to the language of their time.


 当時の社会の風潮と品詞転換という語形成とを結びつけて考えるのは,確かに魅力的ではある.しかし「#1015. 社会の変化と言語の変化の因果関係は追究できるか?」 ([2012-02-06-1]) で取り上げた Martinet の主張に従い,まずは品詞転換の発展という問題を,あくまで言語内的に論じる必要があるのではないだろうか.
 「屈折の衰退=語根の焦点化」 ([2011-02-11-1]) で述べたように,英語はこの時代までにほぼすべての品詞において屈折を著しく衰退させ,語根主義とでも呼ぶべき分析的な言語へと発展してきた.同時に,語順も厳しく固定化し,主として統語的な位置により各語の品詞や用法が同定される言語となってきた.このような統語的,形態的な特徴をもつに至った初期近代英語においては,本来語や中英語までに入った借用語の多くは,すでに品詞転換の自由を与えられていたといえる.そこへラテン語を中心としたおびただしい借用語が新たに加わり(この大量借用がルネサンス期の時代の産物であるとみなすことには異論はないだろう),それらも品詞転換という便法に付されることとなった,ということではないだろうか.
 社会の風潮と品詞転換のあいだの関係は否定すべきだと言っているのではない.ただ,その関係が直接的というよりはワンクッション挟んだ間接的なものであると考え,あくまで言語内的,機能主義的な因果関係を探るのが先ではないかということである.

 ・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 5th ed. London: Routledge, 2002.

Referrer (Inside): [2021-01-19-1] [2013-12-17-1]

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2013-03-09 Sat

#1412. 16世紀前半に語彙的貢献をした2人の Thomas [emode][renaissance][lexicology][loan_word][shakespeare][bible]

 英語史では,特定の作家や作品がその後の英語の発展において大きな役割を果たしたと明言できる例は多くないということが言われる.そのなかで,初期近代英語を代表する Shakespeare や The King James Bible は例外だと言われることもある.そこに現われる多くの語彙や表現が,現代英語に伝わっており,広く用いられているからだ.確かに,質においても量においても,この両者の影響は他の作家や作品を圧倒している.
 ここから連想されるのは,後期中英語の Chaucer の英語史上,特に英語語彙史上の意義を巡る議論である.「#257. Chaucer が英語史上に果たした役割とは?」 ([2010-01-09-1]), 「#298. Chaucer が英語史上に果たした役割とは? (2) 」 ([2010-02-19-1]), 「#524. Chaucer の用いた英語本来語 --- stevene」 ([2010-10-03-1]) で見たとおり,最近の議論では,中英語におけるフランス語借用の重要な部分を Chaucer に帰する従来の見解に対する慎重論が出されている.借用語を英語文献に初出させるのはほぼ常に個人だが,そうだからといってその個人が英語語彙史上の栄光を独り占めにしてよいということにはならない.借用熱に浮かされた時代に生まれ,書く機会とある程度の文才があれば,ある借用語を初出させること自体は可能である.多くの場合,語彙の初出に関わる個人の貢献は,その個人そのものに帰せられるべきというよりは,そのような個人を輩出させた時代の潮流に帰せられるべきだろう.特に,そのような個人が複数現われる時代には,なおさらである.
 Utopia (1516) を著わした Sir Thomas More (1478--1535) や The Boke named the Governour (1531) を著わした Sir Thomas Elyot (c1490--1546) がその例として挙げるにふさわしいかもしれない.Baugh and Cable (229) によれば,More は次のような借用語(あるいはその特定の語義)を初出させた.

absurdity, acceptance, anticipate, combustible, compatible, comprehensible, concomitance, congratulatory, contradictory, damnability, denunciation, detector, dissipate, endurable, eruditely, exact, exaggerate, exasperate, explain, extenuate, fact, frivolous, impenitent, implacable, incorporeal, indifference, insinuate, inveigh, inviolable, irrefragable, monopoly, monosyllable, necessitate, obstruction, paradox, pretext


 一方,Elyot は以下の語彙を導入した.

accommodate, adumbrate, adumbration, analogy, animate, applicate, beneficence, encyclopedia, exerp (excerpt), excogitate, excogitation, excrement, exhaust, exordium, experience (v.), exterminate, frugality, implacability, infrequent, inimitable, irritate, modesty, placability


 赤字で示したものは,「#708. Frequency Sorter CGI」([2011-04-05-1]) にかけて,頻度にして800回以上現われる上位6318位までに入る語である.当時難語と言われた可能性があるというのが信じられないほどに,現在では普通の語だ.
 Baugh and Cable (230) は,この2人の人文主義者の語彙的貢献を,上に述べた私の見解とは異なり,ともすると全面的に個人に帰しているように読める.

So far as we now know, these words had not been used in English previously. In addition both writers employ many words that are recorded from only a few years before. And so they either introduced or helped to establish many new words in the language. What More and Elyot were doing was being done by numerous others, and it is necessary to recognize the importance of individuals as "makers of English" in the sixteenth and early seventeenth century.


 しかし,最後の "the importance of individuals as "makers of English" in the sixteenth and early seventeenth century" が意味しているのはある特定の時代に属する複数の個人の力のことであり,私の述べた「そのような個人を輩出させた時代の潮流に帰せられる」という見解とも矛盾しないようにも読める.
 この問題は,時代が個人を作るのか,個人が時代を作るのかという問題なのだろうか.

 ・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 5th ed. London: Routledge, 2002.

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2012-03-06 Tue

#1044. 中英語作品,Chaucer,Shakespeare,聖書の略記一覧 [chaucer][shakespeare][bible][bibliography][literature][abbreviation]

 Chaucer など中英語の文学テキストをはじめとして,英語史で引用されることの多い主要な作品の略記を一覧にしておくと便利である.そこで,『英語語源辞典』 (xvii--xx) より,中英語作品,Chaucer,Shakespeare,聖書の書名の略記を抜き出した.関連して MEDHyperBibliography も参照.

ME期主要作品の成立年代と作品名(MED による略形)
?lateOELambeth Homilies
a1121--60Peterb. Chron. = Peterborough Chronicle
c1175Body & Soul
?c1175Poema Morale
?a1200Ancrene Riwle
?a1200Layamon Brut
?c1200St. Juliana
?c1200St. Katherine
?c1200St. Margaret
?c1200Hali Meidenhad
?c1200Sawles Warde
?c1200Ormulum
c1200Vices & Virtues
?c1225Horn
c1250Owl & Nightingale
c1250Floris
c1250Genesis & Exodus
c1275Kentish Sermons
?a1300Kyng Alisaunder
?a1300Richard Coer de Lyon
c1300Havelok
c1300Gloucester Chronicle
c1300South English Legendary
c1303Mannyng Handlyng Synne
a1325Cursor Mundi
c1330Orfeo
a1333Shoreham Poems
a1338Mannyng Chronicle
1340Ayenbite
c1340Rolle Psalter
c1350Prose Psalter
c1353Wynnere & Wastoure
a1375William of Palerne
1375Barbour The Bruce
a1376Piers Plowman A
a1378Piers Plowman B
?c1380Cleanness
?c1380Patience
?c1380Pearl
c1384Wycl. Bible (1) = Wycliffite Bible
c1386St. Erkenwald
?a1387Piers Plowman C
a1387Trevisa Polychronicon
?c1390Gawain = Sir Gawain and the Green Knight
a1393Gower Confessio Amantis
c1395Wycl. Bible (2) = Wycliffite Bible
?c1395Pierce the Ploughman's Creed
a1396Hilton Scale of Perfection
a1398Trevisa Bartholomew
?a1400Destruction of Troy
?a1400Morte Arthure
c1400Mandeville
?a1425Polychronicon (Harley)
?a1425Chauliac (1) = Guy de Chauliac's Grande Chirurgie
?c1425Chauliac (2) = Guy de Chauliac's Grande Chirurgie
?a1438MKempe = Book of Margery Kempe
1440Promp. Parv. = Promptorium Parvulorum
?a1450Gesta Romanorum
a1470Malory

Chaucer 作品名の略形(MED による略形)
ABCAn ABC
AdamChaucers Wordes Unto Adam, His Owne Scriveyn
Anel.Anelida and Arcite
Astr.A Treatise on the Astrolabe
Bal. Ch.A Balade of Complaint
BDThe Book of the Duchess
Bo.Boece
Buk.Lenvoy de Chaucer a Bukton
Comp. A.Complaynt D'Amours
Comp. L.Complaint to His Lady
CT.The Canterbury Tales
CT. Cl.The Clerk's Prologue and Tale
CT. Co.The Cook's Prologue and Tale
CT. CY.The Canon's Yeoman's Prologue and Tale
CT. Fkl.The Franklin's Prologue and Tale
CT. Fri.The Friar's Prologue and Tale
CT. Kn.The Knight's Tale
CT. Mch.The Merchant's Prologue, Tale, and Epilogue
CT. Mk.The Monk's Tale
CT. Mcp.The Manciple's Prologue and Tale
CT. Mel.The Tale of Melibee
CT. Mil.The Miller's Prologue and Tale
CT. ML.The Man of Law's Introduction, Prologue, Tale, and Epilogue
CT. Mk.The Monk's Prologue and Tale
CT. NP.The Nun's Priest's Prologue, Tale, and Epilogue
CT. Pard.The Pardoner's Introduction, Prologue, and Tale
CT. Pars.The Parson's Prologue and Tale
CT. Ph.The Physician's Tale
CT. Pri.The Prioress's Prologue and Tale
CT. Prol.General Prologue
CT. Rt.Chaucer's Retraction
CT. Rv.The Reeve's Prologue and Tale
CT. Sh.The Shipman's Tale
CT. SN.The Second Nun's Prologue and Tale
CT. Spurious Pard. Sh. LinkThe Spurious Pardoner-Shipman Link
CT. Sq.The Squire's Introduction and Tale
CT. Sum.The Summoner's Prologue and Tale
CT. Th.The Prologue and Tale of Sir Thopas
CT. WB.The Wife of Bath's Prologue and Tale
Form. A.The Former Age
Fort.Fortune
Gent.Gentilesse
HFThe House of Fame
LGWThe Legend of Good Women
LGW Prol.Prologue
L. St.Lak of Stedfastnesse
MarsThe Complaint of Mars
Merc. B.Merciles Beaute
PFThe Parliament of Fowls
PityThe Complaint unto Pity
Prov.Proverbs
PurseThe Complaint of Chaucer to His Purse
Rosem.To Rosemounde
RRoseThe Romaunt of the Rose
Scog.Lenvoy de Chaucer a Scogan
TCTroilus and Criseyde
TruthTruth
Ven.The Complaint of Venus
W. Unc.Against Women Unconstant

Shakespeare 作品名の略形(The Riverside Shakespeare (1974) による略形)
AWWAll's Well That Ends Well
AYLAs You Like It
AdoMuch Ado About Nothing
AntAntony and Cleopatra
CorCoriolanus
CymCymbeline
ErrThe Comedy of Errors
1H41 Henry IV
2H42 Henry IV
H5Henry V
1H61 Henry VI
2H62 Henry VI
3H63 Henry VI
H8Henry VIII
HamHamlet
JCJulius Caesar
JnKing John
LCLover's Complaint
LLLLove's Labour's Lost
LrKing Lear
LucThe Rape of Lucrece
MMMeasure for Measure
MNDA Midsummer-Night's Dream
MVThe Merchant of Venice
MWWThe Merry Wives of Windsor
MacMacbeth
OthOthello
PerPericles
PhoeThe Phoenix and Turtle
R2Richard II
R3Richard III
RJRomeo and Juliet
ShrThe Taming of the Shrew
SonSonnets
TCTroilus and Cressida
TGVThe Two Gentlemen of Verona
TNKThe Two Noble Kinsmen (with Fletcher)
TNTwelfth Night
TemTempest
TimTimon of Athens
TitTitus Andronicus
VAVenus and Adonis
WTThe Winter's Tale

英訳聖書 (AV) 書名の略形
ActsThe Acts of the Apostles
AmosAmos
1 Chron.The First Book of the Chronicles
2 Chron.The Second Book of the Chronicles
Col.The Epistle of Paul the Apostle to the Colossians
1 Cor.The First Epistle of Paul the Apostle to the Corinthians
2 Cor.The Second Epistle of Paul the Apostle to the Corinthians
Dan.The Book of Daniel
Deut.The Fifth Book of Moses, called Deuteronomy
Eccles.Ecclesiastes, or the Preacher
Ephes.The Epistle of Paul the Apostle to the Ephesians
Esth.The Book of Esther
Exod.The Second Book of Moses, called Exodus
Ezek.The Book of the Prophet Ezekiel
EzraEzra
Gal.The Epistle of Paul the Apostle to the Galatians
Gen.The First Book of Moses, called Genesis
Hab.Habakkuk
Hag.Haggai
Heb.The Epistle of Paul the Apostle to the Hebrews
Hos.Hosea
Isa.The Book of the Prophet Isaiah
JamesThe General Epistle of James
Jer.The Book of the Prophet Jeremiah
JobThe Book of Job
JoelJoel
JohnThe Gospel according to St. John
1 JohnThe First Epistle General of John
2 JohnThe Second Epistle of John
3 JohnThe Third Epistle of John
JonahJonah
Josh.The Book of Joshua
JudeThe General Epistle of Jude
JudgesThe Book of Judges
1 KingsThe First Book of the Kings
2 KingsThe Second Book of the Kings
Lam.The Lamentations of Jeremiah
Lev.The Third Book of Moses, called Leviticus
LukeThe Gospel according to St. Luke
Mal.Malachi
MarkThe Gospel according to St. Mark
Matt.The Gospel according to St. Matthew
Mic.Micah
Nah.Nahum
Neh.The Book of Nehemiah
Num.The Fourth Book of Moses, called Numbers
Obad.Obadiah
1 Pet.The First Epistle General of Peter
2 Pet.The Second Epistle General of Peter
Philem.The Epistle of Paul to Philemon
Philip.The Epistle of Paul the Apostle to the Philippians
Prov.The Proverbs
Ps.The Book of Psalms
Rev.The Revelation of St. John the Divine
Rom.The Epistle of Paul the Apostle to the Romans
RuthThe Book of Ruth
1 Sam.The First Book of Samuel
2 Sam.The Second Book of Samuel
Song of Sol.The Song of Solomon
1 Thess.The First Epistle of Paul the Apostle to the Thessalonians
2 Thess.The Second Epistle of Paul the Apostle to the Thessalonians
1 Tim.The First Epistle of Paul the Apostle to Timothy
2 Tim.The Second Epistle of Paul the Apostle to Timothy
TitusThe Epistle of Paul to Titus
Zech.Zechariah
Zeph.Zephaniah
紊???? (Apocrypha)
BaruchBaruch
Bel and DragonThe History of the Destruction of Bel and the Dragon
Ecclus.The Wisdom of Jesus the Son of Sirach, or Ecclesiasticus
1 Esd.I. Esdras
2 Esd.II. Esdras
JudithJudith
1 Macc.The First Book of the Maccabees
2 Macc.The Second Book of the Maccabees
Pr. of ManThe Prayer of the Manasses
Rest of EstherThe Rest of the Chapters of the Book of Esther
Song of Three ChildrenThe Song of the Three Holy Children
SusannaThe History of Susanna
TobitTobit
Wisd. of Sol.The Wisdom of Solomon


 ・ 寺澤 芳雄 (編集主幹) 『英語語源辞典』 研究社,1997年.

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2009-11-08 Sun

#195. Shakespeare に関する Web resources [shakespeare][double_comparative][comparison][link]

 私は Shakespeare を専門とする者ではないが,英語史を研究していると Shakespeare にはいろいろなところでお世話になる.Shakespeare ともなればウェブ上の情報源はそれこそ無限に等しいものと思われるので,参照に便利なようにコメント付きで少数のリンクにまとめてみた.

 ・Open Source Shakespeare: http://www.opensourceshakespeare.org/
  テキスト参照と検索に便利.advanced search も可能.検索結果の出力も見やすい.全体的に使いやすいインターフェース.
 ・The Complete Works of William Shakespeare: http://shakespeare.mit.edu/
  HTML版の標準的 Shakespeare 全集.Title, Act, Scene がわかっている場合に参照しやすい.
 ・The Collected Works of Shakespeare: http://www.it.usyd.edu.au/~matty/Shakespeare/
  HTML版の標準的 Shakespeare 全集.特にこちらの検索機能が有用.
 ・Mr. William Shakespeare and the Internet: http://shakespeare.palomar.edu/sitemap.htm
  ハブサイト.ここを中心として,Shakespeare の世界へ飛べる.膨大なサイトなのであえてサイトマップへのリンク.
 ・Links to HTML Complete Works Sites: http://shakespeare.palomar.edu/works.htm#Collected
  その他の HTML 化されたテキストへのリンク集.
 ・Shakespeare Search Tools: http://shakespeare.palomar.edu/searching.htm#Shsearch
  その他の検索ツールへのリンク集.glossary へのリンクもあり.

 試みに,上記の Open Source Shakespeare の検索により,worseworser の使用頻度を調べてみた.worser はいわゆる二重比較級 ( double comparative ) の形態で,16?17世紀に特によく用いられたとされている.
 検索の結果,worse が178例,worser が21例.例文をみてみると,worserOur worser thoughtsthe worser part of it などのように限定的用法の形容詞として用いられる傾向が強い一方で,worse は単独で用いられる傾向があるとわかる.これは,現代英語に標準用法として存在する二重比較級である lesser がもっぱら限定的用法で用いられるのに対応している.
 などなど,ちょっとした発見が得られる.

(後記 2014/02/08(Sat):追加的に有用なサイトを以下に挙げておく.)

 ・ Shakespeare's Words: David Crystal による Shakespeare の言語への導入的サイト
 ・ Shakespeare Authorship
 ・ Stratford-upon-Avon - Shakespeare Birthplace Trust
 ・ Royal Shakespeare Company (RSC)

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2009-11-03 Tue

#190. 品詞転換 [conversion][shakespeare][word_formation]

 今日は[2009-11-01-1]で軽く触れた品詞転換 ( conversion ) についてもう少し詳しく説明する.
 品詞転換は「接辞を付加せずに,ある項目を新しい語類に加えること,ないし転じること」と定義づけられる.別の呼び方としては,機能転換 ( functional conversion ),機能交替 ( functional shift ),ゼロ派生 ( zero derivation ) がある.品詞転換は主に近代英語期に大増殖し,以来,英語の語形成と意味拡張に大きな影響を及ぼしてきた.現代英語の主たる特徴の一つといってよい.
 現代英語に慣れた母語話者や学習者は,I'm in love with youI love you がほぼ言い換え可能であることを知っているが,love という同じ形態でありながら場合によって名詞にも動詞にもなるということは,驚くべきことである.日本語では名詞ならば「愛」と,動詞ならば「愛する」と,確かに同一の語幹を用いてはいるが,動詞には動詞語尾「する」が付加されており,すぐに品詞を判別できる.多くの言語では,このように動詞であれば特定の語尾がつくなど,何らかの機能標示があるものだが,英語にはそれがない.言語としては非常に希有の現象といってよい.
 英語もかつては機能標示があった.love でみると,古英語では名詞は lufu, 動詞は lufian という別々の形態だった.語源はやはり同一で,語幹こそ共通しているが,-u 語尾は典型的な女性強変化名詞の単数主格を標示しているし,-ian 語尾は典型的な弱変化動詞の不定詞を標示している.もちろん,名詞も動詞もそれぞれ複雑な屈折形を取り得て,偶然に形態が一致することはあり得るが,原則として形態を見れば名詞が動詞かはたちどころに判別できた.(例えば,lufa は名詞としては複数主格形などとなりうるし,動詞としては二人称単数命令形ともなり得た.)
 ところが,後期古英語から初期中英語にかけて起こった語尾の水平化とそれに続く消失により,名詞も動詞も love という形態に落ち着いてしまったのである.これにより,中英語以降,必然的に品詞転換が活性化した.この手段をとりわけ意図的に活用したのは,近代英語期の劇作家たちだった.以下に Shakespeare からの例を挙げてみる.イタリック体の語に注目.

 ・Season your admiration for a while. . .
 ・It out-herods Herod . . .
 ・Grace me no grace, nor uncle me no uncle. . .
 ・Julius Caesar, / Who at Phillipi the good Brutus ghosted. . .
 ・Destruction straight shall dog them at the heels. . .
 ・I am proverbed with a grandsire phrase. . .

 英語のもつこの自由さには圧倒される.

 ・松浪 有,池上 嘉彦,今井 邦彦 編 『大修館英語学辞典』 大修館,1983年.

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2009-07-20 Mon

#84. once, twice, thrice [numeral][adverbial_genitive][shakespeare][intensifier]

 [2009-07-18-1]で倍数・度数表現の oncetwice について述べたが,この延長として thrice 「三倍,三度」 ( = three times ) なる語があるのを知っているだろうか.古風な語なので現代英語ではあまりお目にかからないかもしれないが,-ce 語尾が付加されている背景は once, twice と同じである.さすがに,*fource や *fifce はないようだ.
 この thrice は文字通りには「三倍」の意だが,強調の副詞として「大いに」の意で,数多くの合成語を作り出してきた.特に Shakespeare がよく使ったというので,どんなものがあったのかを Bartleby.com より Oxford Shakespeare で検索してみた.そこから,thrice- を含む句を取り出したのが以下の例である.

My thrice-driven bed of down, my thrice-puissant liege, my thrice-renowned liege, The thrice-victorious Lord of Falconbridge, this thrice-famed duke, this thrice-worthy and right valiant lord, thrice-crowned queen of night, thrice-fair lady, thrice-gentle Cassio, thrice-gorgeous ceremony, thrice-gracious queen, Thrice-noble Titus, thrice-repured nectar, thrice-valiant countrymen, Thrice-worthy gentleman, thrice-worthy signieur of England, Thy thrice-noble cousin, thy thrice-valiant son, What a thrice-double ass

 全体として良い意味の形容詞を強める働きをしていることがわかる.ただ,最後に挙げた例 What a thrice-double ass ( The Tempest, V, i, 320 ) は悪い意味を強めている.三回二重にするということだから,最終的には「六重に輪をかけた馬鹿」ということになり,相当な馬鹿者である.
 thrice- 表現を現代英語でもリバイバルさせたくなった.

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