本ブログの音声版というような位置づけで,毎朝 Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」 (heldio)より英語史関連の話題を発信しています.目下 Voicy による音声配信に新しい可能性を見出しています.まず,上記2つの関連する配信回をお聴きいただければと思います(下に挙げるものは追加も含め3つの配信へのリンクです).
(1) 「#729. なぜ英語を学ばなければならないの? --- 中学生のための英語史」(2023年5月30日配信.上記の左の配信回です.)
(2) 「#929. なぜ英語を学ばなければならないの? --- 中学生からの反響」(2023年12月16日配信.上記の右の配信回です.)
(3) 「【英語史の輪 #68】今朝の中学生からの生の声をもっとお届け!」(2023年12月16日配信.(2) の続編ですが,こちらは有料のプレミアムリスナー限定配信チャンネルでの配信となっています.)
今年の5月末に,中学生のリスナーは事実上ゼロであることを知りながら,間接的に声が届く可能性に期待して (1) を配信しました.実際には,中学生のみならず一般リスナーの皆さんにも聴いて,考えていただきたい内容でお話ししました.配信直後よりリスナーの皆さんより多くの反響をいただき,これまでの heldio 配信回のなかでも飛び抜けてよく聴かれる回となりました.
そんな折,先日英語教員のリスナーの方より連絡がありました.中学校の生徒たちにこの配信回を聴いてもらい,意見を書いてもらうという授業課題を出すことを考えている,とのことでした.ぜひどうぞ,むしろよろしくお願いしますと返答したところ,後日,同先生より,中学1年生120名からの回答・意見を得たとのことで,その匿名化された文章を共有させていただきました.
私自身は(意外にも)多くの中学生に本当に声が届いた!という喜びを感じましたし,このような課題を思いつき実施した同先生の熱意にも感服しました.そして,何よりも生徒さん一人一人が,配信回を聴いた上で,じっくりと「なぜ英語を学ばなければならないの?」という問いに向き合った様子が,文章からはっきりと伝わってきことに,感動を覚えました.
ぜひこの気持ちを生徒さんや先生にフィードバックしたいと思い,中学校の英語教員経験のある khelf(慶應英語史フォーラム)の寺澤志帆さんとともに,(2) の配信回を収録し,公開したという次第です.
英語史研究者冥利,Voicy heldio パーソナリティ冥利に尽きる経験でした.ありがとうございました.
英語の先生方,本ブログをお読みの方々,heldio リスナーの皆さん,ぜひ機会がありましたら中学生(のみならず小学生,高校生,大学生など)に上記の配信回を聴いてもらえるよう促していただければ幸いです.
この夏に「名前プロジェクト」 (name_project) を立ち上げました.思いつきで始めた感がなきにしもあらずのプロジェクトですが,この数ヶ月間,主に英語史の観点から名前学 (onomastics) をかじり出しました.まだまだこの領域では素人同然ですが,学生や heldio リスナーの皆さんなどとの議論を通じて,少しずつおもしろさが分かってきました.以下,雑感を箇条書きします.
・ 名前学の関心の在処は言語地理文化ごとに異なる.例えば,イギリスでは地名の語源に関心が向くのに対して,アメリカでは名付けの動機への関心が強い.また,水系につける名前 (hydronymy) について,イギリスや大陸では河川名が考察対象になるのに対して,北欧諸国は湖沼名が主たる関心の対象となる等.
・ 固有名詞化 (onymisation) の理論は一般言語学的な射程をもつ.普通名詞がいつ,どのように,なぜ固有名詞化するのか等.
・ 名前学における書き言葉(文字)の役割はいかに? 日本語の名前学においてはきわめて重要な点だが,西洋の名前学では文字という観点からの考察は比較的薄い.
・ 英語名前史における姓 (last name, family name, surname, by-name) の発展途上期には,姓は必ずしも固定的なものではなく,もっとフレキシブルだったという事実は興味深い.
・ 名前学は限りなく学際的な分野である (cf. 「#5187. 固有名詞学のハンドブック」 ([2023-07-10-1]),「#5334. 英語名前学を志す学徒に Cecily Clark より悲報!?」 ([2023-12-04-1])),「#5339. 英語人名学の守備範囲とトレンド」 ([2023-12-09-1]),「#5343. onomastics (名前学)の対象と射程 --- Bussmann の用語辞典より」 ([2023-12-13-1])).
・ 名前のあり方は,社会の集権化や公的管理の進展とともに大きく変容してきた(cf. 人間のコミュニティネットワークの広がり,コミュニケーション技術の発展,個人主義の高まり,アイデンティティ意識の強化,制度化される名前)
・ 歴史的に名前を考察する際には「1人=1つの名前」という固定的な紐付けを前提としてはいけない.また,かつては公的名前と私的名前の境はずっと曖昧だった.
・ 英語史が言語接触の歴史だとすれば,英語語彙の歴史こそがその縮図であると言われる.しかし,実は英語名前史も,すぐれてその縮図ではないか.英語の名前も,外来の名前と接触して,激しく新陳代謝を遂げてきたからだ.とりわけ英語人名の名付けは伝統の維持とその破壊の繰り返しだった.
・ 中英語までは人名(姓)について世襲・相続の発想が希薄だったが,これは家系ではなく個人を特定するのが本来の目的であった西洋中世の紋章 (heraldry) にも通じる性質である.
思いつきを書き連ねてみました.これからも名前学をかじり続けていきます.
10月に昭和堂から出版された『World Englishes 入門』について,本ブログでも多く取り上げてきています.先日,本書の第12章「韓国の英語」を執筆された小林めぐみ先生(成蹊大学)と Voicy heldio にて対談しました.韓国は身近な国ですし,韓国が過酷な学歴社会であることや,関連する教育事情についての情報も入ってくることはあります.しかし,とりわけ英語教育事情については,知っているようでほとんど知らなかったことに,本書を読んで気づきました.今回の対談では執筆者の先生に直接お話しを伺い,たいへん勉強になりましたし,何よりもおしゃべりを楽しむことができました.小林先生,ご出演ありがとうございました.そして,今後ともどうぞよろしくお願いいたします.
本編で30分ほどの音声コンテンツとなっています.「#925. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 小林めぐみ先生との韓国の英語をめぐる対談」です.ぜひお聴き下さい.
今回話題となった本書の第10章「韓国の英語」 (pp. 163--75) は,以下の構成となっています.章末には「研究テーマ」コーナーと参考文献も付されています.
・ 大石 晴美(編) 『World Englishes 入門』 昭和堂,2023年.
先日12月11日(月)の18:00より「名前プロジェクト」 (name_project) のメンバー4名で「名付け」 (naming) についておしゃべりする Voicy heldio の生放送をお届けしました.ライヴで参加いただいたリスナーの皆様には,盛り上げに貢献くださり,ありがとうございました.
生放送の様子は,昨日13日(水)朝の通常配信回としてもお届けしましたので,本ブログの読者の皆様も,ぜひお時間のあるときにお聴きください.「#926. 名付ける際はここがポイント【名前プロジェクト企画 #2】(12月11日(月)生放送のアーカイヴ)」です(60分ほどの回です).
今回は「名付け」という人間らしい行為に注目し,事前にリスナーの方々より名付けに関して寄せられてきたコメントを読み上げつつ,メンバー4名であれこれとカジュアルにおしゃべりしました.人間は何に名前をつけるのか,名前をつける動機は何か,どの点を重視して名付けるのか,など自由に語り合いました.とりわけ「京都大学11月祭統一テーマ」の話題や,ファイル名をいかに付けるべきかなどの問いで盛り上がりました.
今回の heldio 生放送は,名前プロジェクトの第2弾としてお届けしました.同じメンバーによる heldio 生放送の第1弾は「#5248. ニックネームを考察するための切り口」 ([2023-09-09-1]) でまとめた通り,9月に「#826. ニックネームを語ろう【名前プロジェクト企画 #1】(生放送)」としてお届けしました.こちらも合わせてお聴きいただければ幸いです.
そもそもこの名前プロジェクトとは何なのか.これについては hellog 記事「#5217. 「名前プロジェクト」が立ち上がりました」 ([2023-08-09-1]) や heldio 配信回「#799. 「名前プロジェクト」立ち上げ記念収録 with 小河舜さん,矢冨弘さん,五所万実さん」をご参照ください.
メンバーは以下の4名で,今後もプロジェクト関連イベントを開いていきたいと思っています.よろしくお願いします.
- 五所万実さん(目白大学)
- 矢冨弘さん(熊本学園大学)
- 小河舜さん(フェリス女学院大学ほか)
- 堀田隆一(慶應義塾大学)
ちなみに上記生放送の後,2次会と称してプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) でおしゃべりの続編を収録しました.「【英語史の輪 #66】博士論文とファイル名」というお題で,五所&小河&堀田の3人で語り続けています.こちらにご関心のある方は,ぜひサブスクリプションしていただいた上でお聴きいただければ.
一昨日12月8日(金)の夜に,帝京科学大学の金田拓さんとともに,Baugh and Cable の英語史書の「対談精読実況生中継」を Voicy heldio/helwa で配信しました.前半と後半を合わせて2時間弱の濃密なおしゃべり読書会となりました.ライヴでお聴きいただいた多くのリスナーの方々に感謝いたします.ありがとうございました.
精読対象となったのはの同書の第32節 The Germanic Conquest (ゲルマン征服)です.伝統的に英語史の開始とされる449年とその前後の出来事にフォーカスしました.対談相手を務めていただいた Taku さんとともに,著者の英文に唸りつつ,内容についてもなるべく深く掘り下げて議論しました.当該の英文テキストは,先日の予告記事「#5335. 「ゲルマン征服」 --- Baugh and Cable の英語史より」([2023-12-05-1])に掲載しています.
(1) 「#922. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (32) The Germanic Conquest --- Taku さんとの実況中継(前半)」
(2) 「【英語史の輪 #65】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (32) The Germanic Conquest --- Taku さんとの実況中継(後半)」(12月分のプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) に含まれる有料配信です)
今回の対談精読実況生中継をお聴きになって,このオンライン精読シリーズに関心を持った方は,ぜひ本書を入手し,シリーズ初回からゆっくりと追いかけていただければと思います.間違いなく良書です.配信のバックナンバーは「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]) よりご確認ください.今後も週1,2回のペースでシリーズを継続していきます!
・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
先日 heldio にて Voicy のデイリートークテーマ「#今年読んでよかった本」に参加する形で,言語哲学 (philosophy_of_language) の入門書を紹介しました.「#913. 野矢茂樹(著)『言語哲学がはじまる』(岩波新書,2023年)です.この秋に出版されたばかりの新書で,言語哲学といういかにも堅そうな分野の書籍ではありますが広く読まれているようです.
実際,私も言語哲学入門書には何度挫折してきたことでしょう(「おわりに」に挙げられている入門書の何冊かに打ちのめされてきました).それくらい私の頭では追いついていけていない領域なのですが,このたびの野矢茂樹先生の本は,語り口調の文体で書かれており抜群に読みやすいです.ただし,読みやすいとはいえ,やはり十分に難しいのが言語哲学の分野です.そのため読みやすいとは言えても分かりやすいとは言いにくいのが本当のところです.
本書では Gottlob Frege (1848--1925),Bertrand Russel (1872--1970), Ludwig Wittgenstein (1889--1951) という3人の言語哲学者による意味をめぐる考察が丁寧に解説されていきます.読者は相互の比較対照を通じて意味への多様な対し方に触れていくことになります.言語学でも立場によって意味のとらえ方は様々ですが,一般に深入りしすぎることはありません.深入りしない程度にとどめておき,この本質的な問題を一度脇に置いて,何食わぬ顔で意味論 (semantics) や語用論 (pragmatics) の議論を展開していくことが多いように思われます.しかし,言語哲学では当然ながらそこにぐいぐい深入りしていきます.この辺りがおもしろく,気持ちのよいところです.
語の意味とは何か,文の意味とは何か.なぜ私たちは言葉の意味を理解できているのか.考え出すと止まらなくなりますね.皆さんも,ぜひこの知的冒険にお出かけください.
意味をめぐる議論としては,以下の hellog 記事もご参照ください.
・ 「#1782. 意味の意味」 ([2014-03-14-1])
・ 「#1990. 様々な種類の意味」 ([2014-10-08-1])
・ 「#2199. Bloomfield にとっての意味の意味」 ([2015-05-05-1])
・ 「#2795. 「意味=指示対象」説の問題点」 ([2016-12-21-1])
・ 「#5197. 固有名に意味はあるのか,ないのか?」 ([2023-07-20-1])
・ 「#5289. 名前に意味はあるのか?」 ([2023-10-20-1])
・ 「#5290. 名前に意味はあるのか論争の4つの論点」 ([2023-10-21-1])
・ 野矢 茂樹 『言語哲学がはじまる』 岩波書店〈岩波新書〉,2023年.
言語変化の説明原理の1つ analogy (類推作用)については,本ブログでも多くの記事を書いてきた.言語学史上,analogy は軽視されてきたきらいがある.規則的とされる音変化に対し,その規則から外れる例外事項は analogy という「ゴミ箱」に投げ捨てられてきた経緯がある.ここには,analogy が言語変化の説明原理としてある意味で強力すぎるという点も関係しているのかもしれない.analogy のこのような日陰者ぶりについては,hellog 「#1154. 言語変化のゴミ箱としての analogy」 ([2012-06-24-1]) や Voicy heldio 「#911. アナロジーは言語変化のゴミ箱!?」も参照されたい.
このような言語学史上の事情により,言語変化における analogy に真正面から切り込んだ研究書は多くない.そのなかでも本格派といえるのが,本ブログでも何度か参照してきた David Fertig による Analogy and Morphological Change (Edinburgh UP, 2013) である.本格派であることは,以下に掲げる目次の細かさからも伝わるのではないか.analogy でここまで語れるとは!
1 Fundamental Concepts and Issues
1.1 Introduction
1.2 Essential Historical Background: Hermann Paul and the Neogrammarian Period
1.3 Preliminary (Narrow) Definitions
1.4 Conceptual and Terminological Fundamentals
1.4.1 The term 'analogy'
1.4.2 Analogy vs. analogical innovation/change
1.4.3 Speaker-oriented approaches
1.4.4 Change vs. diachronic correspondence
1.4.5 Innovation vs. change
1.4.6 Defining historical linguistics
1.5 Clarifying the Definition of Analogical Innovation/Change
1.5.1 Narrow vs. broad definitions of analogical innovation
1.5.2 Toward a more adequate definition of analogical innovation/change
1.5.3 Some other definitions
1.6 Analogical Change as Opposed to What?
1.6.1 Analogy vs. reanalysis
1.6.2 Analogy2 and sound change
1.6.3 2 and language contact
1.6.4 Changes attributable to extra-grammatical factors
1.6.5 What about grammaticalization?
1.7 Proportions and Proportional Equations
1.8 Why Study Analogy and Morphological Change?
2 Basic Mechanisms of Morphological Change
2.1 Introduction
2.2 Defining (Re)analysis
2.3 Associative Interference
2.4 (Re)analysis, Analogy2 and Grammatical Change
2.4.1 history, synchrony, diachrony, panchrony
2.4.2 'Language change is grammar change'?
2.4.3 The role of transmission/acquisition in grammatical innovation
2.4.4 The relationship of analogical innovation to grammatical change in static and dynamic models of mental grammar
2.5 Types of Morphological Reanalysis
2.5.1 D-reanalysis
2.5.2 C-reanalysis
2.5.3 B-reanalysis
2.5.4 A-reanalysis
2.5.5 Summary of A-, B-, C- and D-reanalysis
2.5.6 Exaptation
2.6 Chapter Summary
3 Types of Analogical Change, Part 1: Introduction and Proportional Change
3.1 Introduction
3.2 Outcome-Based vs. Motivation-Based Classifications
3.3 Terminology and Terminological Confusion
3.4 Proportional vs. Non-Proportional Analogy
3.5 Morphological vs. Morphophonological Change
3.6 A Critical Overview of Traditional Subtypes of Proportional Change
3.6.1 Four-part analogy
3.6.2 Extension
3.6.3 Backformation
3.6.4 Regularization and irregularization
3.6.5 Item-by-item vs. across-the-board change
4 Types of Analogical Change, Part 2: Non-Proportional Change
4.1 Introduction
4.2 Folk Etymology
4.3 Confusion of Similar-Sounding Words
4.4 Contamination and Blends
4.4.1 Contamination
4.4.2 Double marking of grammatical categories
4.4.3 Blends and related phenomena
5 Types of Analogical Change, Part 3: Problems and Puzzles
5.1 A Problem Child for Classification Schemes: Paradigm Leveling
5.2 Analogical Non-Change
5.3 Phantom Analogy
5.3.1 'Regularization is much more common than irregularization': a case study in circular reasoning
5.4 Summary of Types of Analogical Change (Chapters 3--5)
6 Analogical Change beyond Morphology
6.1 Introduction
6.2 Syntactic Change
6.3 Lexical (Semantic) Change
6.4 Morphophonological Change
6.5 Phonological Change
6.6 Regular Sound Change as Analogy
6.7 The Interaction of Analogy2 and Sound Change
6.7.1 Sturtevant's so-called paradox
6.7.2 'Therapy, not Prophylaxis'
6.8 Chapter Summary
7 Constraints on Analogical Innovation and Change
7.1 Introduction
7.2 Predictability and Directionality
7.3 Constraints on the Interparadigmatic Direction of Change
7.3.1 Analogical change as 'optimization'
7.3.2 Formal simplification/optimization of the grammar
7.3.3 Preference theories
7.3.4 System-independent constraints
7.3.5 System-dependent constraints
7.3.6 Analogical extension of patterns with initially low type frequency
7.3.7 System-dependent naturalness vs. formal simplicity/optimality
7.3.8 Universal preferences and 'evolutionary' grammatical theory
7.4 Constraints on the Intraparadigmatic Direction of Change
7.5 Token Frequency
7.6 Teleology
7.7 Chapter Summary
8 Morphological Change and Morphological Theory
8.1 Introduction
8.2 Grammatical Theory and Acquisition
8.3 The Nature and Significance of Linguistic Universals
8.4 Static vs. Dynamic conceptions of Grammar
8.5 Exemplar-Based vs. Rule-Based Models
8.6 Analogy vs. Rules
8.6.1 Dual-mechanism models
8.7 Rules vs. Constraints
8.8 Syntagmatic/Compositional vs. Paradigmatic/Configurational Approaches to Morphology
8.8.1 Asymmetric vs. symmetric paradigmatic models
8.8.2 Paul's proportional model
8.9 Chapter Summary
References
Index
・ Fertig, David. Analogy and Morphological Change. Edinburgh: Edinburgh UP, 2013.
この5ヶ月ほど,Baugh and Cable の英語史の古典的名著 A History of the English Language (第6版)を原書で精読する Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」 (heldio) でのシリーズ企画(有料配信)を進めています.週に1,2回のペースで,1回1セクションを精読しながら,私が英文や内容について英語史の観点から自由にコメントしていくオンライン読書会というスタイルで続けています.一緒に読んでいく仲間も少しずつ増えてきています.バックナンバーは「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]))にまとめてありますので,そちらからアクセスしてください.
普段は有料配信(ただし第1チャプターのみ試聴可)でお届けしているのですが,ときどきシリーズを紹介するという趣旨もあり無料公開しています.とりわけゲスト講師をお招きして一緒に対談精読実況生中継する特別回は,多くの方々に聴いていただきたいこともあり,長尺配信の少なくとも一部は無料公開しています.次のそのような機会は,来たる12月8日(金)の午後6時です.金田拓さん(帝京科学大学)とともに,本書の第32節となる "The Germanic Conquest" を実況生中継でお届けします.前半の通常配信と後半プレミアム限定配信を組み合わせ,計2時間弱の長尺配信となる見込みです.生配信しますのでできればライヴでお聴きいただき,コメントや質問なども投げていただければと思いますが,都合がつかない方のために後日アーカイヴとしても配信する予定です.
今回精読対象となる第32節 "The Germanic Conquest" 「ゲルマン征服」は,英語史上きわめて重要なセクションです.以下2ページ弱のテキストを掲載しておきます(できれば本書を入手していただくのがベストです).
32. The Germanic Conquest. About the year 449, an event occurred that profoundly affected the course of history. In that year, as traditionally stated, began the invasion of Britain by certain Germanic tribes, the founders of the English nation. For more than a hundred years, bands of conquerors and settlers migrated from their continental homes in the region of Denmark and the Low Countries and established themselves in the south and east of the island, gradually extending the area they occupied until it included all but the highlands in the west and north. The events of these years are wrapped in much obscurity. Although we can form a general idea of their course, we are still in doubt about some of the tribes that took part in the movement, their exact location on the continent, and the dates of their respective migrations.
The traditional account of the Germanic invasions goes back to Bede and the Anglo-Saxon Chronicle. Bede in his Ecclesiastical History of the English People, completed in 731, tells us that the Germanic tribes that conquered England were the Jutes, Saxons, and Angles. From what he says and from other indications, it seems possible that the Jutes and the Angles had their home in the Danish peninsula, the Jutes in the northern half (hence the name Jutland) and the Angles in the south, in Schleswig-Holstein, and perhaps in a small area at the base. The Saxons were settled to the south and west of the Angles, roughly between the Elbe and the Ems, possibly as far as the Rhine. A fourth tribe, the Frisians, some of whom almost certainly came to England, occupied a narrow strip along the coast from the Weser to the Rhine, together with the islands opposite. But by the time of the invasions, the Jutes had apparently moved down to the coastal area near the mouth of the Weser and possibly also around the Zuyder Zee and the lower Rhine, thus being in contact with both the Frisians and Saxons.
Britain had been exposed to attacks by the Saxons from as early as the fourth century. Even while the island was under Roman rule, these attacks had become sufficiently serious to necessitate the appointment of an officer known as the Count of the Saxon Shore, whose duty it was to police the southeastern coast. At the same time, the unconquered Picts and Scots in the north were kept out only at the price of constant vigilance. Against both of these sources of attack the Roman organization seems to have proved adequate. But the Celts had come to depend on Roman arms for this protection. They had, moreover, under Roman influence, settled down to a more peaceful mode of life, and their military traditions had lapsed. Consequently, when the Romans withdrew in 410, the Celts found themselves at a disadvantage. They were no longer able to keep out the warlike Picts and Scots. Several times they called upon Rome for aid, but finally the Romans, fully occupied in defending their own territory at home, were forced to refuse assistance. It was on this occasion that Vortigern, one of the Celtic leaders, is reported to have entered into an agreement with the Jutes whereby they were to assist the Celts in driving out the Picts and Scots and to receive as their reward the Isle of Thanet on the northeastern tip of Kent.
The Jutes, who had not been softened by contact with Roman civilization, were fully a match for the Picts and Scots. But Vortigern and the Celts soon found that they had in these temporary allies something more serious to reckon with than their northern enemies. The Jutes, having recognized the weakness of the Britons, decided to stay in the island and began making a forcible settlement in the southeast, in Kent. The settlement of the Jutes was a very different thing from the conquest of the island by the Romans. The Romans had come to rule the Celtic population, not to dispossess it. The Jutes came in numbers and settled on the lands of the Celts. They met the resistance of the Celts by driving them out. Moreover, the example of the Jutes was soon followed by the migration of other continental tribes. According to the Anglo-Saxon Chronicle, some of the Saxons came in 477, landed on the south coast, and established themselves in Sussex. In 495, further bands of Saxons settled a little to the west, in Wessex. Finally, in the middle of the next century, the Angles occupied the east coast and in 547 established an Anglian kingdom north of the Humber. Too much credence, of course, cannot be put in these statements or dates. There were Saxons north of the Thames, as the names Essex and Middlesex (the districts of the East Saxons and Middle Saxons) indicate, and the Angles had already begun to settle in East Anglia by the end of the fifth century. But the entries in the Chronicle may be taken as indicating in a general way a succession of settlements extending over more than a century, which completely changed the character of the island of Britain.
・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
11月22日(水)の午後に,khelf の藤原郁弥さんとともに,標題について Voicy heldio で対談精読実況生中継を配信しました(同日の hellog 記事「#5322. 印欧語族人の故郷 --- Baugh and Cable の英語史より」 ([2023-11-22-1]) も参照).
Baugh and Cable の英語史の古典的名著 A History of the English Language (第6版)を原書で精読していくシリーズの特別回としてお届けしました.今回注目したのは第2章の最後の節となる第26節 "The Home of the Indo-Europeans" です.印欧語比較言語学における最も重要な問題の1つであり,さぞかし対談も盛り上がるだろうと予想されたので,最初から長時間配信を念頭においていました.結果として,50分ほどの生配信を3回,合計で2時間半近くの長尺生放送をお届けすることになりました.ライヴでお聴きのリスナーの皆さんには貴重なコメントや励ましをいただきました.ありがとうございました.
生配信の後,第1回は11月23日(木)朝の通常配信,第2回は同日夜のプレミアム限定配信,第3回は24日(金)夜のプレミアム限定配信としてお届けしました.この週末などお時間のある折りに,以下より各回をお聴きください.
(1) 「#906. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (26) The Home of the Indo-Europeans --- khelf 藤原くんとの実況中継 1/3」
(2) 「【英語史の輪 #57】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (26) The Home of the Indo-Europeans -- khelf 藤原くんとの実況中継 2/3」
(3) 「【英語史の輪 #58】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (26) The Home of the Indo-Europeans -- khelf 藤原くんとの実況中継 3/3」
英文精読を学べる読書会となっています.また今回は,印欧人の故郷をめぐる学説対立や各学説が依拠してきた証拠の問題など踏み込んだ部分についても議論できたと思います.
今後もこのオンライン読書会シリーズは,ゆっくりと続けていく予定です.精読の仲間も少しずつ増えてきています.ぜひ関心がある方は,テキストを入手の上ご参加ください.関連配信の一覧は「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]))に掲載しています.
・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
一昨日 Voicy heldio にて「#905. モンゴル語周辺について学ぶ回 --- 梅谷博之先生との対談」を配信しました.馴染みのない方も多いと思われるモンゴル語に関する話題です.対談のお相手は,本ブログでも先日「#5320. 「モンゴルの英語」 --- 大石晴美(編)『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年)の第12章」 ([2023-11-20-1]) でご紹介した梅谷博之先生(明海大学)です.30分ほどの肩の凝らない対談となっていますので,ぜひ時間のあるときにお気軽にお聴きください.
対談は,モンゴル語族の話題に始まり,モンゴル語の文字事情を経由し,モンゴル語の言語学的なトピックへと移り変わっていきます.梅谷先生がいかにしてモンゴル語を専攻するに至ったかのお話しもうかがいました.もっとお話しを続けていたいほど楽しい対談でした.
とりわけ興味深く思ったのは,私が学生時代に言語学の教科書等でよく目にした「アルタイ語族」という大きな括りが,(異なる意見はあるにせよ)目下は前提とされていないことです.今回の対談で紹介された「モンゴル語族」は,アルタイ大語族説の下では「モンゴル語派」と呼ばれていましたが,最近では独立した語族としてみなされるようになっているようです(cf. 「#1548. アルタイ語族」 ([2013-07-23-1])).比較言語学の難しさとおもしろさ,手堅さと危うさを感じさせる話題ですね.
梅谷先生,貴重なお話をありがとうございました!
Baugh and Cable の英語史の古典的名著 A History of the English Language (第6版)を原書で精読する Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」 (heldio) でのシリーズ企画を始めて4ヶ月が過ぎました(cf. 「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1])).ゆっくりペースではありますが途切れずに進んでいますし,オンライン精読の仲間も少しずつ増えてきています.
目下,第2章の最終節,第26節 The Home of the Indo-Europeans 「印欧語族人の故郷」に入ろうというところです.本日の午後,khelf の藤原郁弥さんとともに,第26節(およびまとめとして第2章全体も)に注目して Voicy heldio/helwa にて対談精読実況生中継を配信する予定です.リラックスしたおしゃべり回の体裁をとりますが,中身の濃い回となるはずです.精密な英文解釈に加え,英語史研究者の立場から印欧語族とその故郷について縦横無尽に議論したいと思います.
開始時刻は午後2時頃の予定で,通常配信とプレミアム限定配信の生放送を組み合わせて最長で3時間ほどになる可能性があります.生配信でお聴きになれない方は,後日アーカイヴでも配信しますので,時間のあるときにそちらでゆっくり聴取していただければと思います.こちらの heldio チャンネルをフォローいただきますと,予定通知や開始通知を受け取ることができるようになりますので,ぜひフォローをよろしくお願いいたします(目下フォロワーは5,224名となっています).また,生配信では投げ込みのコメントや質問等もお待ちしていますので,ぜひお寄せください.
午後の配信に合わせ,4ページ余りの8段落からなる第26節のうち,最初の3段落を以下に掲載します.残りの部分を合わせた本節全文については,プレミアム限定配信にて共有いたします(できれば本書を入手していただくのがベストです).
26. The Home of the Indo-Europeans. It is obvious that if the languages just described represent the progressive differentiation of an original speech, this speech, which we may for convenience call the Indo-European language, must have been spoken by a population somewhere at some time. What can be learned about these people and their early location?
Concerning their physical character, practically nothing can be discerned. Continuity in language and culture does not imply biological descent. It is not an uncommon phenomenon in history for a people to give up their own language and adopt another. Sometimes they adopt the language of their conquerors, or of those whom they have conquered, or that of a people with whom they have simply become merged in a common territory. The Indo-European languages are spoken today in many cultures that until recently had completely unrelated heritages. To judge by the large variety of people who have spoken these languages from early times, it is quite possible that the people of the original Indo-European community already represented a wide ethnic diversity. Neither can we form any very definite idea of the date at which this people lived as a single, more or less coherent community. The period of their common life must have extended over a considerable stretch of time. It is customary to place the end of their common existence somewhere between 3500 and 2500 B.C.
With respect to the location of this community at a time shortly before their dispersal, we have at least a basis for inference. To begin with, we may assume that the original home was in that part of the world in which the languages of the family are chiefly to be found today, and we may omit from consideration Africa, Australia, and the American continents because we know that the extension of Indo-European languages in these areas has occurred in historical times. History and its related sciences, anthropology and archaeology, enable us also to eliminate certain other regions, such as the British Isles and the peninsulas of Southern Europe. Early literary tradition occasionally preserves traces of a people at a former stage in their history. The earliest books of the Hindus, for example, the Vedas, show an acquaintance with the Indus but not with the Ganges, indicating that the Indo-Europeans entered India from the northwest. In general, we may be fairly sure that the only regions in which it is reasonable to seek the original home of the Indo-European family are the mainland of Europe and the western part of Asia.
・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
本ブログでたびたび紹介している,この10月に昭和堂から出版された『World Englishes 入門』より,第12章「モンゴルの英語」というユニークな話題を紹介します.モンゴルの言語事情や英語学習・教育事情は,多くの日本人にとって未知の領域ではないでしょうか.私自身も,まったくといってよいほど知りませんでした.
先日,この章を執筆された梅谷博之先生(明海大学)と Voicy heldio にて対談する機会を得ました.初めてお目にかかっての対談でしたが,あまりに楽しくおもしろいおしゃべりとなり,いろいろな意味で目を開かれました.梅谷先生,ありがとうございました.そして,今後ともどうぞよろしくお願いいたします.「#901. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 梅谷博之先生とのモンゴルの英語をめぐる対談」です.本編で20分ほどの音声コンテンツとなっています.
今回取り上げた本書の第12章「モンゴルの英語」 (pp. 189--99) は,以下の構成となっています.
・ 大石 晴美(編) 『World Englishes 入門』 昭和堂,2023年.
井出新先生(慶應義塾大学文学部英米文学専攻)の新著のコラムに,シェイクスピアの作品一覧表(執筆年代順)が便利に掲載されている (42--43) .「作品一覧表の推定執筆年は,戯曲については Martin Wiggins, British Drama 1533--1642: A Catalogue (Oxford University Press, 2021--) に,詩作については Arden 版シェイクスピア(第3シリーズ)に拠っています」 (43) とのことで,以下に一覧を再現しておきたい(関連して「#1044. 中英語作品,Chaucer,Shakespeare,聖書の略記一覧」 ([2012-03-06-1]) も参照).表中の「判型」は,F = Folio (二つ折り本), Q = Quarter (四つ折り本), O = Octavo (八つ折り本).
*: シェイクスピア存命中に宮廷上演の史料が残っている作品 +: ロンドン法学院,オックスフォード,またはケンブリッジでの上演を示唆する史料が残っている作品
[A] Pembroke's Men [B] Strange's Men [C] Derby's Men [D] Chamberlain's Men [E] King's Men
作品名 | 推定執筆年 | 初版出版年 (判型) [初演の劇団] |
---|---|---|
ヘンリー六世 第二部 Henry VI, Part 2 | 1591 | 1594 (Q) [A?] |
ヘンリー六世 第三部 Henry VI, Part 3 | 1591 | 1595 (O) [A] |
じゃじゃ馬ならし The Taming of the Shrew | 1592 | 1623 (F) [A] |
ヘンリー六世 第一部 Henry VI, Part 1 | 1592 | 1623 (F) [B] |
タイタス・アンドロニカス Titus Andronicus | 1592 | 1594 (Q) [A?] |
間違いの喜劇 The Comedy of Errors | 1592 | 1623 (F) [A?+*] |
リチャード三世 Richard III | 1593 | 1597 (Q) [C?] |
エドワード三世 Edward III | 1593 | 1596 (Q) [?] |
ヴィーナスとアドーニス[詩] Venus and Adonis | 1593--94 | 1593 (Q) |
ヴェローナの二紳士 The Two Gentlemen of Verona | 1594 | 1623 (F) [?] |
ロミオとジュリエット Romeo and Juliet | 1594 | 1597 (Q) [D?] |
ルークリースの陵辱[詩] The Rape of Lucrece | 1593--94 | 1594 (Q) |
リチャード二世 Richard II | 1595 | 1597 (Q) [D] |
夏の夜の夢 A Midsummer Night's Dream | 1595 | 1600 (Q) [D*] |
恋の骨折り損 Love's Labour's Lost | 1596 | 1598 (Q) [D*] |
ジョン王 King John | 1596 | 1623 (F) [D] |
ヴェニスの商人 The Merchant of Venice | 1596 | 1600 (Q) [D*] |
ヘンリー四世 第一部 Henry IV, Part 1 | 1597 | 1598 (Q) [D*] |
ウィンザーの陽気な女房たち The Merry Wives of Windsor | 1597 | 1602 (Q) [D*] |
ヘンリー四世 第二部 Henry IV, Part 2 | 1597 | 1609 (Q) [D*] |
から騒ぎ Much Ado About Nothing | 1598 | 1600 (Q) [D*] |
ヘンリー五世 Henry V | 1599 | 1600 (Q) [D*] |
ジュリアス・シーザー Julius Caesar | 1599 | 1623 (F) [D*] |
情熱の巡礼者[詩] The Passionate Pilgrim | 1598--99 | 1599 (Q) |
お気に召すまま As You Like It | 1600 | 1623 [F] [D] |
ハムレット Hamlet | 1600 | 1603 (Q) [D+] |
十二夜 Twelfth Night, or What You Will | 1601 | 1623 (Q) [D+] |
不死鳥と雉鳩[詩] The Passionate Pilgrim | 1601 | 1601 (Q) |
トロイラスとクレシダ Troilus and Cressida | 1602 | 1609 (Q) [D] |
尺には尺を Measure for Measure | 1603 | 1623 (F) [E*] |
オセロー Othello | 1604 | 1622 (Q) [E+*] |
終わりよければすべてよし All's Well That Ends Well | 1605 | 1623 (F) [E] |
リア王 King Lear | 1605 | 1608 (Q) [E*] |
マクベス Macbeth | 1606 | 1623 (F) [E] |
アントニーとクレオパトラ Antony and Cleopatra | 1606 | 1623 (F) [E] |
アテネのタイモン Timon of Athens | 1607 | 1623 (F) [E] |
ペリクリーズ Pericles | 1607 | 1609 (Q) [E] |
コリオレイナス Coriolanus | 1608 | 1623 (F) [E] |
ソネット集[詩] Sonnets | ?--1609 | 1609 (Q) |
恋人の嘆き[詩] A Lover's Complaint | 1609 | 1609 (Q) |
シンベリン Cymbeline | 1610 | 1623 (F) [E] |
冬物語 The Winter's Tale | 1611 | 1623 (F) [E*] |
テンペスト The Tempest | 1611 | 1623 (F) [E*] |
ヘンリー八世 Henry VIII | 1612 | 1623 (F) [E] |
血縁の二公子 The Two Noble Kinsmen | 1613 | 1634 (Q) [E] |
本書については昨日の Voicy heldio でも「#898. 井出新先生のご著書の紹介 --- 『シェイクスピア それが問題だ!』(大修館,2023年)」としてご紹介していますので,ぜひお聴き下さい.
・ 井出 新 『シェイクスピア それが問題だ!』 大修館,2023年.
一昨日配信された YouTube 「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」の最新回は「英語史研究は超絶推理ゲーム!!!」と題して,表記の素朴な疑問に答えています.
なぜ書き言葉でしか残っていない古英語や中英語の発音がわかるのか? この問いは定期的に寄せられてくる素朴な疑問ですので,今回 YouTube チャンネルで答えてみました.
本ブログを始めとして別の媒体でも同じ素朴な疑問に回答してきた経緯がありますので,そちらにもリンクを張っておきます.
・ hellog 「#437. いかにして古音を推定するか」 ([2010-07-08-1])
・ hellog 「#758. いかにして古音を推定するか (2)」 ([2011-05-25-1])
・ hellog 「#4015. いかにして中英語の発音を推定するか」 ([2020-04-24-1])
・ hellog 「#4499. いかにして Shakespeare の発音を推定するか」 ([2021-08-21-1])
・ heldio 「#326. どうして古英語の発音がわかるのですか?」(2022年4月22日)
セミコロン (semicolon) の悲喜こもごもの歴史と用例をめぐるセシリア・ワトソンによるエッセイ集の訳書を,訳者よりご献本いただきました(ありがとうございます).読み始めたら止まらなくなり,一気に読み切りました.ユーモラスで軽快な文体を一貫させながらも,全体として句読法の規則とは何か,ひいては言語における規範とは何かを問う論考となっています.
セミコロンを含む(あるいは含まない)英文が多く挙げられていますが,真似をしたい名文もあれば,真似をしたくない珍文もあります.句読点ひとつで,これほど悲喜こもごもの状況が生み出されるのかと思うと,滑稽でもあり恐ろしくもあります.
その中でも,とりわけ印象的なエピソードは,第4章「ゆるい条文と自制心 --- 句読点ひとつでボストン中が大混乱」で紹介されている,マサチューセッツ州の酒類販売制限をめぐる「セミコロン法」に関するものです.もともとの法文のコンマが後からセミコロンに書き換えられたことによって重要な解釈上の相違が生じてしまい,飲酒生活をめぐる大きな社会的混乱がもたらされた,というのです.句読点の書き換え前後の条文をみてみましょう(各々54, 55ページより).
[ オリジナルの条文(1875年) ]
That no sale of spirituous or intoxicating liquor shall be made between the hours of 11 at night and 6 in the morning, nor during the Lord's day, except that if the licensee is also licensed as an Innholder he may supply such liquor to guests who have resorted to his house for food and lodging.
夜11時から朝6時までの間において,及び安息日には酒類の販売を認めないが,ただし販売免許保有者が宿泊施設の免許も有する場合,食事ならびに宿泊のために施設を利用する客への酒類提供はその限りでない.
[ 「セミコロン版」の条文(1880年) ]
That no sale of spirituous or intoxicating liquor shall be made between the hours of 11 at night and 6 in the morning; nor during the Lord's day, except that if the licensee is also licensed as an Innholder he may supply such liquor to guests who have resorted to his house for food and lodging.
夜11時から朝6時までの間においては酒類の販売を認めない;これは安息日にも及ぶが,ただし販売免許保有者が宿泊施設の免許も有する場合,食事ならびに宿泊のために施設を利用する客への酒類提供はその限りでない.
句読点の書き換え後の「セミコロン版」では,夜間の酒類販売制限は,後続の但し書きのスコープ外となるため,例外なく常に適用されることになります.つまり,飲酒制限をより強める条文になっているのです.これだけでもいろいろな意味で恐ろしい事件ですが,本書ではさらに恐ろしい事件(文字通り生命に関わる事件)が詳述されることになります.ぜひ本書を手に取っていただければ.
なお,先日 Voicy heldio のプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) の配信回「【英語史の輪 #53】酒飲みが大騒ぎしたセミコロン」にて,上記のエピソードを導入しました.
・ セシリア・ワトソン(著),萩澤 大輝・倉林 秀男(訳) 『セミコロン --- かくも控えめであまりにもやっかいな句読点』 左右社,2023年.
・ Watson, Cecelia. Semicolon: How a Misunderstood Punctuation Mark Can Improve Your Writing, Enrich Your Reading and Even Change Your Life. London: 4th Estate, 2019.
昨日,人気 YouTube/Podcast チャンネル「ゆる言語学ラジオ」の最新回が配信されました.今回は英語史ともおおいに関係する「不規則動詞はなぜ存在するのか?【カタルシス英文法_不規則動詞】#280」です.
ゆる言語学ラジオの水野太貴さんには,拙著,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」 (heldio),および YouTube チャンネル「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」のいくつかの関連コンテンツに言及していただきました.抜群の発信力をもつゆる言語学ラジオさんに,この英語史上の第一級の話題を取り上げていただき,とても嬉しいです.このトピックの魅力が広く伝わりますように.
概要欄に掲載していただいたコンテンツ等へのリンクを,こちらにも再掲しておきます.
・ 拙著 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』(研究社,2016年)
・ 拙著 『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』(中央大学出版部,2011年)
・ heldio 「#58. なぜ高頻度語には不規則なことが多いのですか?」
・ YouTube 「新説! go の過去形が went な理由」 (cf. 「#4774. go/went は社会言語学的リトマス試験紙である」 ([2022-05-23-1]))
・ YouTube 「英語の不規則活用動詞のひきこもごも --- ヴァイキングも登場!」 (cf. hellog 「#4810. sing の過去形は sang でもあり sung でもある!」 ([2022-06-28-1]))
・ YouTube 「昔の英語は不規則動詞だらけ!」 (cf. 「#4807. -ed により過去形を作る規則動詞の出現は革命的だった!」 ([2022-06-25-1]))
・ heldio 「#9. first の -st は最上級だった!」
・ heldio 「#10. third は three + th の変形なので準規則的」
・ heldio 「#11. なぜか second 「2番目の」は借用語!」
「不規則動詞はなぜ存在するのか?」という英語に関する素朴な疑問から説き起こし,補充法 (suppletion) の話題(「ヴィヴァ・サンバ!」)を導入した後に,不規則形の社会言語学的意義を経由しつつ,全体として言語における「規則」あるいは「不規則」とは何なのかという大きな議論を提示していただきました.水野さん,堀元さん,ありがとうございました! 「#5130. 「ゆる言語学ラジオ」周りの話題とリンク集」 ([2023-05-14-1]) もぜひご参照ください.
昨夕,Voicy heldio にて「#893. 英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (24) Celtic --- 和田忍先生との実況中継(前半)」を配信しました.Baugh and Cable の英語史の古典的名著 A History of the English Language (第6版)を原書で精読していくシリーズの特別回としてお届けしました(シリーズについては「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]) を参照).
今回精読した第24節の題目は Celtic です.原文(原書で1ページほどの英文)は昨日の hellog 記事「#5309. ケルト語派の記述 --- Baugh and Cable の英語史より」 ([2023-11-09-1]) に掲載しています.そちらをご覧になりながらお聴きいただければと思います.
英語史研究者2人が,まだ明るい時間からグラスを傾けつつ専門分野について語るというのは,何とも豊かな時間です.それを少なからぬリスナーの方々にライヴでお聴きいただいたというのも,ありがたき幸せです.
案の定,60分では語り足りなかったので,続編をプレミアムリスナー限定配信チャンネルにて【英語史の輪 #52】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (24) Celtic --- 和田忍先生との実況中継(後半)」として収録・配信しています.最後に,ケルト語派について学ぶことの英語史上の意義についても議論していますので,よろしければそちらもお聴きください.
さて,ケルト語派に関心を抱いた方は,本ブログでも多くの記事でカバーしています.まずは,celtic, irish, scottish_gaelic, manx, welsh, cornish, breton などのタグ付きの記事群をご参照ください.今回精読した英文の内容と関わりが強い記事として,以下を挙げておきます.
・ 「#774. ケルト語の分布」 ([2011-06-10-1])
・ 「#779. Cornish と Manx」 ([2011-06-15-1])
・ 「#2803. アイルランド語の話者人口と使用地域」 ([2016-12-29-1])
・ 「#2968. ローマ時代以前のブリテン島民」 ([2017-06-12-1])
・ 「#3743. Celt の指示対象の歴史的変化」 ([2019-07-27-1])
・ 「#3747. ケルト人とは何者か」 ([2019-07-31-1])
・ 「#3757. 講座「英語の歴史と語源」の第2回「ケルトの島」を終えました」 ([2019-08-10-1])
・ 「#3761. ブリテンとブルターニュ」 ([2019-08-14-1])
また,heldio でもケルト語関連の話題は様々に配信しています.以下をリストアップしておきます.
・ 「#692. ケルト語派を紹介します」(2023/04/23)
・ 「#693. 英語史とケルト,英語史とブルターニュ --- 国立西洋美術館の「憧憬の地 ブルターニュ展」訪問に向けて」(2023/04/24)
・ 「#697. イギリスにおけるケルト系言語に対する言語政策」(2023/04/28)
・ 「#715. ケルト語仮説」(2023/05/16)
・ 「#731. ケルト語の書記文化の開花が英仏独語よりも早かった理由」(2023/06/01)
・ 「#696. コーンウォール語は死語? --- ブルトン語の親戚言語」(2023/04/27)
・ 「#714. Manx 「マン島語」 --- 1974年に死語となったブルトン語の親戚言語」(2023/05/15)
今日の配信回をお聴きになり B&C 精読シリーズに関心をもたれた方は,ぜひ本書(第6版)を入手し,シリーズの初回からでも途中からでも参加いただければと思います.間違いなく英語の勉強にも英語史の勉強にもなる本として選んでいます!
・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
Baugh and Cable の英語史の古典的名著 A History of the English Language (第6版)を原書で精読する Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」 (heldio) でのシリーズ企画を始めて4ヶ月弱となります(cf. 「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1])).
目下,第24節 Celtic 「ケルト語派」に入ろうというところです.本日の夕方早めの時間から,和田忍先生(駿河台大学)とともに,この節を超精読する対談精読実況生中継を heldio より配信する予定です.グラスを片手にリラックスした雰囲気のなか,詳細な英文解釈に加え,英語史研究者の立場からケルト語派について縦横無尽にコメントしつつ議論していく予定です.開始時刻は厳密には決められませんが,おそらく16:30くらいからになりそうです.こちらの heldio チャンネルをフォローいただきますと,予定通知や開始通知を受け取ることができるようになりますので,ぜひフォローのほどよろしくお願いいたします(目下,約5,160名のリスナーの皆さんにフォローいただいています).
今夕の配信に合わせ,3段落からなる1ページほどの同節を以下に引用します.
24. Celtic. The Celtic languages at one time formed one of the most extensive groups in the Indo-European family. At the beginning of the Christian era, the Celts were found in Gaul and Spain, in Great Britain, in western Germany, and northern Italy---indeed, they covered the greater part of Western Europe. A few centuries earlier, their triumphal progress had extended even into Greece and Asia Minor. The steady retreat of Celtic before advancing Italic and Germanic tongues is one of the surprising phenomena of history. Today, Celtic languages are found only in the far corners of France and the British Isles; in the areas in which they were once dominant, they have left but little trace of their presence.
The language of the Celts in Gaul who were conquered by Caesar is known as Gallic. Because it was early replaced by Latin, we know next to nothing about it. A few inscriptions, some proper names (cf. Orgetorix), one fragmentary text, and a small number of words preserved in modern French are all that survive. With respect to the Celtic languages in Britain, we are better off, although the many contradictory theories of Celticists make it impossible to say with any confidence how the Celts came to England. The older view, which is now questioned, holds that the first to come were Goidelic or Gaelic Celts. Some of these may have been driven to Ireland by the later invaders and from there may have spread into Scotland and the Isle of Man. Their language is represented in modern times by Irish, Scottish Gaelic, and Manx. The later Brythonic Celts, after occupying for some centuries what is now England, were in turn driven westward by Germanic invaders in the fifth century. Some of the fugitives crossed over into Brittany. The modern representatives of the Brythonic division are Welsh, Cornish, and Breton.
The remnants of this one-time extensive group of languages are everywhere losing ground at the present day. Spoken by minorities in France and the British Isles, these languages are faced with the competition of two languages of wider communication, and some seem destined not to survive this competition. Cornish became extinct in the eighteenth century, and Manx, once spoken by all the native inhabitants of the Isle of Man, has died out since World War II. In Scotland, Gaelic is found only in the Highlands. It is spoken by about 50,000 people, all of whom know English as well. Welsh is still spoken by about one-quarter of the people, but the spread of English among them is indicated by the fact that the number of those who speak only Welsh had dropped from 30 percent in 1891 to 2 percent in 1950 and continues to slowly decrease. Irish is spoken by about 500,000 people, most of whom are bilingual. Whether nationalist sentiment will succeed in arresting the declining trend that has been observable here as in the other Celtic territory remains to be seen. If language-planning efforts fail, it seems inevitable that eventually another branch of the Indo-European family of languages will disappear.
今朝の heldio の配信回「#892. Celtic --- ケルティックかセルティックか?」でもケルト関連の話題を扱っていますので,ぜひそちらもお聴きいただき,今夕の生放送のために準備していただければ.
・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.
1ヶ月半ほど前のことになりますが,9月21日(火)から23日(木)にかけて,秩父のとある温泉宿にて2泊3日の khelf ゼミ合宿を実施しました.合宿中の課題の1つとして,最終日の朝に英語史・英語学に関する音声コンテンツを Voicy heldio のために収録する,というものを設定しました.合宿初日に3--4名1組のグループを決め,各グループが1日程度の短期間で音声コンテンツのテーマを決めた上で収録に臨むという,なかなかの無茶振り課題です.
半ば遊び的な課題ではありましたが,各グループがよく工夫してくれました.雰囲気はインフォーマルだけれども話題はフォーマルといった独特の収録回となりました.合宿後,その成果となる音声コンテンツを随時 heldio でお届けしてきましたが,昨日の第9回をもって「ゼミ合宿収録シリーズ」が完結となりました.以下がシリーズのラインナップです.
・ 「#847. ゼミ合宿収録シリーズ (1) --- khelf 会長の青木くんと学部生3名による emoji と CMC」(2023/09/25)
・ 「#850. ゼミ合宿収録シリーズ (2) --- K さんの司会による「ゼミ生に英語史ゼミを選んだ理由をきいてみた」」(2023/09/28)
・ 「#854. ゼミ合宿収録シリーズ (3) --- 藤原くんの司会による「ゼミ生に英語史ゼミを選んだ理由を聞いてみた」」(2023/10/02)
・ 「#858. ゼミ合宿収録シリーズ (4) --- 寺澤さんの司会による linguistics の -s って何?」(2023/10/06)
・ 「#863. ゼミ合宿収録シリーズ (5) --- 小林くんの司会による「ディズニーランドと political correctness」」(2023/10/11)
・ 「#870. ゼミ合宿収録シリーズ (6) --- 川島さんの司会による most unhappy or unhappiest?」(2023/10/18)
・ 「#876. ゼミ合宿収録シリーズ (7) --- 情報構造入門」(2023/10/24)
・ 「#882. ゼミ合宿収録シリーズ (8) --- シンガポールの英語事情」(2023/10/30)
・ 「#886. ゼミ合宿収録シリーズ (9) --- なぜ堀田ゼミを選んだの?」(2023/10/30)
配信回のなかには危うい間違い発言も含まれていますし,ゼミ生たちの不勉強が露呈されるシーンもありましたが,リスナーの皆様には,好意的に温かい目(耳?)で見守っていただきました.ありがとうございます.今後も khelf メンバーたちによる同趣旨の配信回を作っていきたいと思っておりますので,khelf による hel活(英語史活動)を応援いただければ幸いです.
「ゼミ合宿収録シリーズ」については,khelf HP のこちらのページにも案内があります.HP も内容が充実してきていますので,ぜひ訪れていただければ.
10月30日付けで,khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第6号がウェブ公開となりました.こちらよりPDFで閲覧・ダウンロードできます.
第7号の公開および記事紹介などの情報は,khelf 公式の X アカウント @khelf_keio からもお届けしています.フォローやリツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.
今回も khelf の『英語史新聞』第7号の制作班が,総力を結集して作り込んでくれました(関係者一同よく頑張りました,ありがとう!).第7号の記事のラインナップです.
・ 四季か二季か
・ 読書の秋に古英語を
・ 形を変えることわざ
・ 英語の擬態語: gl- と輝き
・ 「変なアルファベット表」単語募集フォーム
・ 英語史ラウンジ by khelf 「第2回 矢冨弘先生(後編)」
・ EMOJI の発達と新たな時代のコミュニケーション~英語現代史の変化を考える~
今回も読者の皆さんを飽きさせない多種多様な記事を取りそろえています.読者参加型の「変なアルファベット表」企画についての案内もありますので,ご注目ください.また,目玉企画の「英語史ラウンジ by khelf」では,前号に引き続き,新進気鋭の英語史研究者である矢冨弘先生(熊本学園大学)にスポットライトを当てます.矢冨先生には khelf でもお世話になっていますし,Voicy heldio にも何度も出演していただいています(ありがとうございます).本号は voicy heldio でも「#884. 『英語史新聞』第7号発行!」としてご案内していますので,そちらもお聴きいただければ.
『英語史新聞』は昨年4月に創刊号を発行して以来,おおよそ3ヶ月に1度のペースで発行し続けてきました.毎号の制作班のモチベーションが保たれているのも,多くの方々にお読みいただいているからこそです.ご愛読ありがとうございます.最新号も含め『英語史新聞』のすべての号は,教育目的での利用・配布について自由にお取り扱いいただけます.むしろ,英語史の魅力を広げるべく活動している発行主体の khelf としては,電子媒体・紙媒体を問わず,皆様に広く利用・配布していただけますと幸いです.
もし学校の授業などの公的な機会(あるいは,その他の準ずる機会)にお使いの場合には,ぜひこちらのフォームを通じてご一報くださいますと khelf の活動実績の把握につながるほか,『英語史新聞』編集委員の励みともなります.ご協力のほどよろしくお願いいたします.ご入力いただいた学校名・個人名などの情報につきましては,khelf の実績把握の目的のみに限り,記入者の許可なく一般に公開するなどの行為は一切行なわない旨,ここに明記いたします.フォームへの入力を通じ,khelf による「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)への賛同をいただけますと幸いです.
最後に『英語史新聞』のバックナンバー(号外を含む)も紹介しておきます.こちらも合わせてご一読ください(khelf HP のこちらのページにもバックナンバー一覧があります).
・ 『英語史新聞』第1号(創刊号)(2022年4月1日)
・ 『英語史新聞』号外第1号(2022年4月10日)
・ 『英語史新聞』第2号(2022年7月11日)
・ 『英語史新聞』号外第2号(2022年7月18日)
・ 『英語史新聞』第3号(2022年10月3日)
・ 『英語史新聞』第4号(2023年1月11日)
・ 『英語史新聞』第5号(2023年4月10日)
・ 『英語史新聞』第6号(2023年8月14日)
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