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kenkyusha - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2026-03-14 11:00

2026-03-09 Mon

#6160. 研究社の公式 HP より「英語史関連・周辺テーマの本」一覧をどうぞ [kenkyusha][link][notice][hel_education][khelf][hellive2025][voice_review][kenkyusha][heldio][voicy]

 2月25日に刊行された『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』を,この1ヶ月半ほど推しに推しています.本書に関する研究社の公式HPには,本書の内容,目次,試し読みコーナーなどが設けられていますが,ページの下方には「関連記事」や「関連書籍」の案内もあります.本書を手に取る多くの方は広く英語史に関心があるのではないかと思われますので,これらはたいへん有用な情報となるはずです.
 とりわけ「関連記事」の1つめとして挙げられている「英語史関連書籍の一覧をアップしました」(2月27日付けで公開)はお薦めです.そのリンク先からダウンロードできる PDF ファイルには,研究社から刊行されている15冊の英語史周辺書籍の一覧が収められています.  *
 この一覧は,広報の一環として研究社がまとめられたものですが,実はここには khelf(慶應英語史フォーラム)のhel活が関わっています.昨年9月13日に,khelf(慶應英語史フォーラム)および helwa の主催する音声配信イベント「英語史ライヴ2025」が開催され,おおいに盛り上がりました(cf. 「#5984. 昨日の「英語史ライヴ2025」おおいに盛り上がりました!」 ([2025-09-14-1])).イベント当日は,書籍展示のために研究社の担当の方々に会場にお越しいただいたのですが,イベントに先立って,展示するにふさわしい英語史関連書を選別すべく,khelf の大学院生メンバーも準備に関わっていたのです.英語史を専攻する大学院生の目利きが入っており,私自身も事前に確認させていただいた,その書籍の一覧がイベントで配布されたという次第です.
 さて,このたび『古英語・中英語初歩』がめでたく新装復刊となりました.この機会を捉えて,半年前に準備されたあの一覧を再利用できないかと思い立ち,研究社の担当に打診したところ,このような形で公開されるに至ったという次第です.
 なお,一覧に含まれている書籍のうち5冊については,khelf のメンバーを中心とする英語史を専攻する学徒たちが,Voicy heldio でその内容を紹介する「声の書評」 (voice_review) という新しい企画を,「英語史ライヴ2025」にて実施しました.その配信回はアーカイヴとして残っていますので,以下の hellog 記事を経由してお聴きいただければと思います.

 ・ 「#6005. khelf の新たなhel活「声の書評」が始まりました --- khelf 藤原郁弥さんが紹介する『市河三喜伝』」 ([2025-10-05-1])
 ・ 「#6006. 声の書評 --- khelf 木原桃子さんが紹介する『英語文化史を知るための15章』」 ([2025-10-06-1])
 ・ 「#6007. 声の書評 --- khelf 寺澤志帆さんが紹介する『聖書の英語の研究』」 ([2025-10-07-1])
 ・ 「#6008. 声の書評 --- khelf 泉類尚貴さんが紹介する『コーパスと英文法』」 ([2025-10-08-1])
 ・ 「#6012. 声の書評 --- 小河舜さんと khelf 疋田海夢さんが紹介する『英語固有名詞語源小辞典』」 ([2025-10-12-1])

 選ばれた英語史関連書籍の一覧です.英語史の学びのために,ぜひご利用ください.一覧へのアクセスはこちらのページよりどうぞ.

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2026-03-09 Mon

#6160. 研究社の公式 HP より「英語史関連・周辺テーマの本」一覧をどうぞ [kenkyusha][link][notice][hel_education][khelf][hellive2025][voice_review][kenkyusha][heldio][voicy]

 2月25日に刊行された『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』を,この1ヶ月半ほど推しに推しています.本書に関する研究社の公式HPには,本書の内容,目次,試し読みコーナーなどが設けられていますが,ページの下方には「関連記事」や「関連書籍」の案内もあります.本書を手に取る多くの方は広く英語史に関心があるのではないかと思われますので,これらはたいへん有用な情報となるはずです.
 とりわけ「関連記事」の1つめとして挙げられている「英語史関連書籍の一覧をアップしました」(2月27日付けで公開)はお薦めです.そのリンク先からダウンロードできる PDF ファイルには,研究社から刊行されている15冊の英語史周辺書籍の一覧が収められています.  *
 この一覧は,広報の一環として研究社がまとめられたものですが,実はここには khelf(慶應英語史フォーラム)のhel活が関わっています.昨年9月13日に,khelf(慶應英語史フォーラム)および helwa の主催する音声配信イベント「英語史ライヴ2025」が開催され,おおいに盛り上がりました(cf. 「#5984. 昨日の「英語史ライヴ2025」おおいに盛り上がりました!」 ([2025-09-14-1])).イベント当日は,書籍展示のために研究社の担当の方々に会場にお越しいただいたのですが,イベントに先立って,展示するにふさわしい英語史関連書を選別すべく,khelf の大学院生メンバーも準備に関わっていたのです.英語史を専攻する大学院生の目利きが入っており,私自身も事前に確認させていただいた,その書籍の一覧がイベントで配布されたという次第です.
 さて,このたび『古英語・中英語初歩』がめでたく新装復刊となりました.この機会を捉えて,半年前に準備されたあの一覧を再利用できないかと思い立ち,研究社の担当に打診したところ,このような形で公開されるに至ったという次第です.
 なお,一覧に含まれている書籍のうち5冊については,khelf のメンバーを中心とする英語史を専攻する学徒たちが,Voicy heldio でその内容を紹介する「声の書評」 (voice_review) という新しい企画を,「英語史ライヴ2025」にて実施しました.その配信回はアーカイヴとして残っていますので,以下の hellog 記事を経由してお聴きいただければと思います.

 ・ 「#6005. khelf の新たなhel活「声の書評」が始まりました --- khelf 藤原郁弥さんが紹介する『市河三喜伝』」 ([2025-10-05-1])
 ・ 「#6006. 声の書評 --- khelf 木原桃子さんが紹介する『英語文化史を知るための15章』」 ([2025-10-06-1])
 ・ 「#6007. 声の書評 --- khelf 寺澤志帆さんが紹介する『聖書の英語の研究』」 ([2025-10-07-1])
 ・ 「#6008. 声の書評 --- khelf 泉類尚貴さんが紹介する『コーパスと英文法』」 ([2025-10-08-1])
 ・ 「#6012. 声の書評 --- 小河舜さんと khelf 疋田海夢さんが紹介する『英語固有名詞語源小辞典』」 ([2025-10-12-1])

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2026-03-06 Fri

#6157. 古中英語30連発の振り返りとアナリティクス [twitter][kochushoho][kenkyusha][kochukoneta30][helkatsu][hel_ogiri]

 1月26日から2月24日までの1ヶ月間,X(旧 Twitter)にて展開してきた「古中英語30連発」企画は,無事に完走しました.この企画は,2月25日の『古英語・中英語初歩』の新装復刊を記念し,古英語や中英語の魅力を1日1ネタずつ紹介していくという試みでした.本日は,この30日間の歩みを振り返り,どのような内容の投稿が皆さんに響いたのか,そのデータ分析の結果を共有したいと思います.
 まず,全体的な傾向として驚かされたのは,想像以上の反響です.全30本の投稿で得られた「いいね」の総数は約1,480件,総インプレッション数は実に31万件を超えました.平均して1投稿あたり1万ビュー以上という数字は,英語史という,ともすればマイナーと思われがちな分野に対してでも,関心が集まり得ることを示しています.
 分析の結果,特に反響が大きかったのは3つのカテゴリーに集約されます.第1は日英語を比較対照する内容の投稿です.今回,圧倒的な1位(440いいね)を記録した No.11 「英語の語彙は「3階建て」の構造」は,その典型です.英語語彙の3層構造は,本ブログでも繰り返し取り上げてきたテーマですが,日本語との比較対照がおもしろい話題でもあります.英語学習者の皆さんの単語暗記の悩みにストレートに刺さったということもあったかもしれません.
 第2に,日常語の意外なルーツを扱ったカテゴリーです.No.8 の Wednesday や No.9 の Friday といった,誰もが知る曜日の名前に潜む神話や語源のドラマは,安定した支持を集めました.特に Wednesday の綴字に残る d の謎などは,日頃から綴字と発音の乖離に悩まされている英語学習者の皆さんの知的好奇心を刺激したようです.
 第3は,「衝撃の事実」型です.No.3 の「古英語は現代の英語ネイティヴでも理解できないほどなのに,本当に「英語」と呼べるの?」という問いかけは,5万ビューを超える最大の拡散力を発揮しました.現代英語の感覚からは想像もつかない古英語の異質さと,それでも連綿と続いてきたという矛盾する事実は,英語史のダイナミズムを物語っているといえるでしょう.
 また,いくつかの話題にかこつけて「英語史大喜利」も開催しましたが,そこではリプライや引用リポストが相次ぎ,活気のある交流が生まれました.例えば No.14 の「ちゃんぽん(混種語)」の小ネタをもとにした大喜利では,主に日本語からの事例ではありましたが,多くの秀逸な混種語が集まり,たいへん賑わいました.SNS という媒体は,単なる情報発信の場に留まらず,言語に対する鋭い観察眼を持つ読者の皆さんと対話できる貴重な空間であることを再認識した次第です.
 今回の企画を通じて,英語史という分野がもつ「解決力」を改めて実感しました.歴史を知ることは,現代英語の「なぜ」を解き明かす鍵となるのです.30日間の投稿の詳細やリンクは,以下のテーブルにまとめてありますので,興味のある方はぜひ各投稿へ飛んでみてください.
 最後に,連日の投稿企画にお付き合いいただいたフォロワーの皆様,そして企画の原動力となった『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』に関心を寄せていただいた皆様,ありがとうございました.引き続き様々な方法で英語史の楽しさを発信していきますので,お付き合いのほど,よろしくお願いいたします.

小ネタタイトル日付いいねリポスト引用返信ブックマークビュー
01発音記号の æ はどこから来たの?01/266417921514422
02なぜ climb の b は発音されないの?01/2743114344654
03古英語は現代の英語ネイティヴでも理解できないほどなのに本当に「英語」と呼べるの?01/28104291131853230
04中英語のこの単語を読めますか? yhurght01/292197215860
05この中英語の文字の名前は?どんな音を表わす?01/302072223415
06「乾杯」を古英語で言ってみよう! Wes hal!01/3129102233608
073単現の -s は古中英語にもあったの?02/012391232234
08なぜ Wednesday は「ウェドネスデイ」みたいに綴るの?02/02160591112617612
09Tuesday, Wednesday, Thursday いずれも -s- がありますがなぜ Friday には -s- がないのですか?02/03642241126342
10なぜ old には elder というかわった比較級があるの?02/0438112153056
11英語の語彙は「3階建て」の構造02/05440625210039972
12英語は古英語の時代から借用語が多かったの?02/0636173344093
13中英語語彙,「自給自足」から「他力本願」への華麗なる転身?02/0729112123035
14英語も日本語もちゃんぽん(混種語)がお好き?02/08321021165289
15a six-foot manなぜ feet じゃないの?02/0941144254432
16「住所」のアクセントはどっち? addréss / áddress02/101552102319
17古英語はドイツ語のように「動詞第2の位置」が原則だった?02/1173192294330
18古英語の <y> の文字はドイツ語の <ü> に当たる?02/1256112264696
19north では <th> は濁らず northern では濁るのはなぜ?02/131971111841
20古代及び中世英語の研究は労多くして効少い02/142053123138
21古英語の名詞の「小変化」って要するに不規則名詞のこと?02/151462112346
22daisy 「ヒナギク」の語源が古英語の dæges ēage "day's eye" だと知っていましたか?02/162292265614
23なぜ sheep や deer はそのままの形で複数になるの?02/171491142028
24whilom 「以前の,昔の」 -om ってどんな語尾?02/181472131974
25hound 「猟犬」は古英語では普通の「犬」の意味だった!?02/191883103008
26「標準英語」はいつ成立したの?02/2021101112108
27英語史・英文学史を修めた人は必ずそらんじられる!? Whan that Aprill with his shoures soote02/2151123258090
28スペリングの標準化がなされていない時代の英語の辞書はどう引くの?02/221472113429
29現代英語の研究を志していますが古英語や中英語の知識は必要ですか?02/2313101122056
30『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 この本のテキストを独学で読めるようになる?02/241681111568



 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

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2026-03-04 Wed

#6155. 「英語史の塔」の4冊と英語史の始め方 [tower_of_hel][hel_education][review][kochushoho][hee][kdee][hajimetenoeigoshi][kenkyusha][helkatsu]

 「#6150. 「英語史の塔」が建っています」 ([2026-02-27-1]) にて「英語史の塔」 (tower_of_hel) が建った経緯について触れました.一見すると,研究社から出版されている英語史関連の既刊書・新刊書を積み上げただけの写真と思われたかもしれません.しかし,あの4冊の並びを眺めてみると,そこには英語史という分野に迫る上で,実に合理的な構造が隠されていることに気づきます.今回の記事では,その構造について解き明かしてみたいと思います.
 英語史という広大な領域に足を踏み入れる際,その入口は決して一つではありません.学習者の関心や動機に応じて,大きく分けて2つのルートが存在します.
 第1のルートは「全体から入る」アプローチです.このアプローチの土台となるのが,2016年に出版された拙著『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』です.本書では,英語史通史は第1章でさらっと概観するにとどめ,残りはトピック別に,すなわち音韻・綴字史,文法史,語彙史,英語社会史といった分野別の歴史を通じて,英語史的な「ものの見方」というレンズを提示することに主眼を置いています.目の前の英語を正誤で裁くのではなく,変化の結果として捉える思考のフレームワークを構築するための1冊と言えます.
 第2のルートは「単語から入る」アプローチです.これに適しているのが,昨年6月に刊行された『英語語源ハンドブック』です.身近な語の語源にまつわるエピソードは,それ自体が独立しておもしろく,どこからでも読み始めることができます.1語1語の背景にあるドラマに触れるうちに,英語という言語がいかに多様な歴史を背負っているかを肌身で実感することになります.単語間の横のつながりにも気づく機会が多いでしょう
 しかし,これら入口の本だけでは,まだ「塔」の全貌は見えてきません.そこからさらに一歩踏み込むための深化のプロセスが必要です.
 英語史の全体像,英語史の見方という骨格を習得した学習者が次に進むべきは,体験としての英語史です.そこで力を発揮するのがこの2月25日に刊行された『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』です.概説を通じて得た知識を,実際の古英語や中英語の原文にぶつけてみる.音や形を自らの目で確かめる作業を通じて,歴史は抽象的な知識から,確かな手応えを伴う身体的な経験へと昇華されます.
 一方で,単語と語源のおもしろさに目覚めた学習者が,その探究を縦に掘り下げたいと思ったときに必須となるのが,『英語語源辞典』新装版(2024年)です.『英語語源ハンドブック』で得た興味を,借用経路や形態変化の詳細,精緻な語形成の分析へとつなげていく.1語1語の背後に潜む数百年の時間を徹底的に掘り下げるこの作業は,まさに学問的な醍醐味に溢れています.
 これら4冊の関係を整理すると,以下のようになります.

 ・ 全体ルート:思考のレンズを得る(『はじめての英語史』) → 原文で身体化する(『古英語・中英語初歩』)
 ・ 単語ルート:語源のおもしろさを知る(『英語語源ハンドブック』) → 1語1語を徹底的に深掘りする(『英語語源辞典』)

 興味深いのは,どちらのルートから登り始めても,結局はもう一方のルートと交差する点にあります.単語を深く追えば必ず言語全体の歴史的背景に行き着きますし,全体を学べば必ず具体的な語の変化という事実に立ち返ることになります.英語史の学びは,平面的な移動ではなく,螺旋状に上昇していく循環構造です.本当に「塔」らしく見えてきたのではないでしょうか.
 前回の記事で紹介した写真は,まさにこの立体的な学びの構造を可視化したものと捉えることができます.土台があり,横の広がりがあり,縦の高さと深さがある.これらが組み合わさって初めて,「英語史の塔」は安定して自立します.
 どこからこの塔を登り始めるかは,読者の皆さん次第です.以下にまとめます.

 1. まず英語史の全体像を俯瞰したいなら『はじめての英語史』から
 2. 単語の語源や語彙のつながりに惹かれるなら『英語語源ハンドブック』から
 3. 過去の英語の響きを直接聴きたいなら『古英語・中英語初歩』へ
 4. 単語の語源を本格的に深掘りしたいなら『英語語源辞典』へ

 英語史の入門者であれば1か2をお薦めしますが,すでに学びを始めている方は,心の赴くままにどこから始めても構いません.これら4冊は互いに補完し合い,行き来することで皆さんの「英語史」をより立体的なものにしてくれるはずです.

 私は「英語史をお茶の間に」をモットーとしています.専門性の追求と親しみやすさは,決して矛盾するものではありません.「英語史の塔」の4冊は,その理想を具現化する1つの形です.塔は眺めるための飾りではなく,より遠く,より深くを見渡すための場所です.ぜひ,ご自身に合った登り方を見つけ,英語という言語の新しい景色を楽しんでいただければと思います.
 全4冊へのアクセスは,研究社公式のこちらのHPが便利です.

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

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2026-03-02 Mon

#6153. 昨朝の朝日サンヤツ広告に『古英語・中英語初歩』と『英語語源ハンドブック』が掲載 [tower_of_hel][hel_education][kochushoho][hee][kenkyusha][helkatsu]

sanyatsu_asahi_20260301.jpg



 昨日3月1日(日)の朝日新聞朝刊サンヤツ広告に,研究社から出版されている4冊が掲載されました.最初の2冊は,ここしばらく私自身が推しに推してきた『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』『英語語源ハンドブック』です.前者はつい先日,2月25日に刊行されたばかりの本,後者は昨年6月15日に刊行され3重版となっている本です.
 今回この2冊が並んで掲載されたことには,「英語史をお茶の間に」届けようと日々hel活を展開している者として,感慨を覚えます.というのは,2冊は一見すると別々の目的をもつ本に見えるかもしれませんが,実は英語史という「塔」を登る上で,興味深い関係で結ばれているからです(cf. 「#6150. 「英語史の塔」が建っています」 ([2026-02-27-1])).
 近々の記事で詳しく解き明かす予定ですが,英語史への入口には「全体から入るルート」と「単語から入るルート」の2つがあると考えています.『英語語源ハンドブック』は,身近な単語のエピソードから入る「単語ルート」の強力な案内人です.一方,『古英語・中英語初歩』は,英語史の骨格を学んだ者が次に進むべき「全体ルート」の深化プロセス,すなわち原文を通じた身体的経験を得られる1冊です.
 この2冊は良い具合に交わります.『ハンドブック』で単語の語源に魅了されたのであれば,その語が生まれた時代にあって,どのような響きをもっていたのかを知りたくなるはずです.すると,自然と『初歩』の原文へと導かれていくでしょう.
 逆に,『初歩』で古英語の格変化や中英語の綴字に悪戦苦闘している学習者が,個々の語の背景にあるドラマを知れば,その学習は彩り豊かなものへと変わります.
 つまり,この2冊は,語源という「点」の知識を,文献という「面」の経験へと繋ぐ,あるいはその逆へと橋渡しする関係にあります.ミクロからマクロへ,そしてマクロからミクロへ.このクロスオーバーこそが,英語史の学びを立体的なものにしてくれるのです.
 皆さんにおかれましては,以上の関係を意識しつつ,2冊の間をぜひ行き来してみてください.英語史のさらなる魅力に気づくことになるはずです.

 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2026-03-01 Sun

#6152. 「偽装複合語」で大喜利をしました [word_play][disguised_compound][lexicology][compound][etymology][notice][kochushoho][kenkyusha][kochukoneta30][hel_ogiri]

 2月16日(月)に私の X アカウント @chariderryu にて,第3回英語史大喜利 (hel_ogiri) を開催しました.今回のお題は,おもしろい偽装複合語 (disguised_compound) を寄せてくださいというものでした.ちょうど『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』のカウントダウン企画「古中英語30連発」の No. 22 として「daisy 「ヒナギク」の語源が古英語の dæges ēage "day's eye" だと知っていましたか?」と投稿した直後に,今回の大喜利も開催しました.
 大喜利開催の協力者でもある heldio/helwa リスナーの ari さんのユーモラスな入れ知恵により,今回の大喜利は,遊び心を込めて「ごん,お前だったのか」選手権と命名されました.ネタ披露のフォーミュラとして,次の「ごん構文」が X 上に飛び交いました.

 ・ Daisy 「ごん,お前… Day (日) の Eye (目) だったのか…」


 過去2回の大喜利に比べ,かなり難易度の高いお題でしたが,英語語源の猛者たちが多くの良質な例を寄せてくださいました.いつものように私の独断と偏見で,おもしろかったもの,勉強になったものをいくつか掲載します.

 ・ Gospel 「ごん,お前… Good (良い) Spell (知らせ) だったのか…」
 ・ Curfew 「ごん,お前… Cover (消す) Fire (火) だったのか…」
 ・ But 「ごん,お前… By (そばに) Out (外に) だったのか…」
 ・ About 「ごん,お前… On (上に) By (そばに) Out (外に) だったのか…」
 ・ Kitchen 「ごん,お前… Cook (料理する) の -ina (場所) だったのか…」
 ・ Don 「ごん,お前… Do (する,置く) の On (上に) だったのか…」
 ・ Lapwing 「ごん,お前… Leap (跳ねる) Wink (ウィンク) だったのか…」
 ・ Answer 「ごん,お前… And (に対して) Swear (誓う) だったのか…」
 ・ Worship 「ごん,お前… Worth (価値) -ship (があること) だったのか…」
 ・ Chameleon 「ごん,お前… Khamaí (地を這う) Léōn (獅子) だったのか…」
 ・ Zebra 「ごん,お前… Equus (馬) Ferus (野生) だったのか…」
 ・ Giraffe 「ごん,お前… Zurnā (ラッパ) Pāy (足) だったのか…」
 ・ Pyjamas 「ごん,お前… Pāy (足) Jāma (服) だったのか…」
 ・ Philip 「フィリップ,お前… Philéō (好き) Híppos (馬) だったのか…」
 ・ Barn 「ごん,お前… Bere (大麦) Ærn (家屋) だったのか…」


 そして,ari さんが,まさかの掟破りのフォーマットで11連発

その bridal は eleven の決まりがあった.11時,neighbor の Marshal が alarm を鳴らすと,一匹の squirrel が vinegar と garlic 塗れの handkerchief を奪い去った.この dismal な光景こそが,求婚に対する彼女の明確な answer だった.


 こんなにたくさん例が集まるとは! ぜひ英単語語源学習とボキャビルにご活用ください.
 皆さんから寄せていただいたのは,大部分が英語からの例でしたが,以下は寄せていただいた日本語からの例です.日本語を主とすると大変なことになりそうですね.

 ・ 聖(ひじり) 「ごん,お前… 日 (ひ) 知り (しり) だったのか…」
 ・ 社(やしろ) 「ごん,お前… 屋 (や) 代 (しろ) だったのか…」
 ・ 仏(ほとけ) 「ごん,お前… 浮屠 (ふと=ブッダ) 家 (け) だったのか…」(諸説あり)


 本記事と同じ趣旨で,2月27日の heldio にて「 #1734. 「偽装複合語大喜利」 --- 皆さんからの傑作選を発表」をお届けしました.ぜひそちらもお聴きください.


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2026-02-27 Fri

#6150. 「英語史の塔」が建っています [note][tower_of_hel][kochushoho][hee][kdee][hajimetenoeigoshi][kenkyusha][helkatsu]


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 昨日の記事「#6149. 『古英語・中英語初歩』が新装復刊」 ([2026-02-26-1]) で,伝説的な入門書『古英語・中英語初歩』の新装復刊をご案内しました.復刊に先だつこと9日ほど前の2月18日に,なんと上記の「英語史の塔」 (tower_of_hel) が建ちました.壮観ですね.この「英語史の塔」の建設の経緯については,note 記事「「英語史の塔」が建設されました」にまとめておきましたが,hellog としても概要を記しておきます.
 2026年2月18日(水)の昼下がり,X にて写真とともに「……建ちました。」とだけ投稿しました.実はこの「英語史の塔」が建設された旨のご案内でした.
 発端は,現在滞在中のオーストラリアはメルボルンからの,ほんの軽い冗談でした.ここ数週間『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』(研究社;初版1935年)を「推し」続けている身として,同社から出ている拙著を含めた英語史関連の4冊をまとめて紹介したいという切望が日増しに強まっていました.

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

 しかし,これらの本を日本から持参してきたわけはないので,紹介するにもパンチが効きません.そこで,研究社の営業担当のTさんに,4冊をそれらしく積み上げて,「英語史の塔」みたいに撮ってもらえますか? と無茶振りをお願いしてみました.1冊ずつちょこんとバランスよく重ねて,ちょっとしたネタ写真にでもなれば十分,という軽い気持ちでした.
 ところが数日後,Tさんより送られてきた写真を見て,目を見張りました.4冊の積み木遊びのようなレベルではなく,各書籍を数部ずつ巧みに組み合わせた,本気の建築物が屹立していたのです.私の軽い冗談が,プロの本気を引き出してしまったようです.
 感激して写真を眺めながら,感慨に耽りました.考えてみれば,英語史研究とは,まさにこのように「積み上げる」営みだったのではないかと.時代を積み上げ,語彙・音声・文法を積み上げ,横の広がりと縦の深さを積み上げてきた.そして,『古英語・中英語初歩』のオリジナル版が刊行された1935年から,新装復刊の2026年に至るまで,先人の知恵が詰まった本を積み上げてきた.気づいてみれば,それは一朝一夕にはガタつくことのない「塔」になっていた,ということです.
 「英語史の塔」お構成する4冊は,それぞれに役割が異なります.

 ・ 『英語語源辞典』は英単語の歴史を深掘りしていく本
 ・ 『はじめての英語史』は英語史の考え方をつかむ本
 ・ 『英語語源ハンドブック』は英語語源の世界を横断する本
 ・ 『古英語・中英語初歩』は古い英語の原文に触れる本

 一見バラバラの入口に見えて,実は1つの大きな英語史という建築物を構成する重要なパーツです.
 hellog 読者の皆さん,この春はいずれの入口からでも英語史の世界に入ってみませんか? 全4冊へのアクセスは,研究社公式のこちらのページ の下方の「関連書籍」,あるいは「英語史関連・周辺テーマの本」のページからが便利です.

 ・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

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2026-02-26 Thu

#6149. 『古英語・中英語初歩』が新装復刊 [notice][kochushoho][kenkyusha][oe][me]


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 昨日2月25日(水),ついに古英語・中英語の伝説的な教科書『古英語・中英語初歩』が新装復刊となりました.1ヶ月前の「#6117. 伝説的入門書『古英語・中英語初歩』が新装復刊されます!」 ([2026-01-25-1]) を皮切りに,この hellog でも,また他のメディアでも,本書の1ファンとして今回の復刊を祝い,待ち望んできましたが,ついに入手できるようになりました.
 本書は初学者が古英語および中英語の「初歩的知識を得ること」を目的として書かれています.本格的な科学的研究への第一歩として,あるいはそこまで行かなくとも,現代英語を歴史的な観点から深く理解するための入り口として,これほど丁寧で優しい作りとなっている教科書は稀です.
 本書の構成は,大きく古英語パートと中英語パートに分かれています.それぞれの部門において,まず綴字・発音,文法,時代背景に関する解説がなされます.とりわけ現代英語から距離のある古英語については,細かく解説されています,その後に実際の原文を読み解く「テキスト編」が続きます,語学書として王道の構成です.特筆すべきは,初学者の便宜のために,各パートの最初のいくつかのテキストには,IPA による発音記号が1単語1単語について丁寧に付されている点です.これは,慣れない古い文字体系に戸惑う読者にとって,きわめて手厚い計らいです.
 すべてのテキストに,現代英語訳が付されている点も見逃せません.英語で書かれた古英語・中英語の教科書では,現代英語訳は省略されるのが通例ですが,本書ではあえてこれを完備することで,現代英語との語順や綴字の対比を促す工夫がなされています.日本の英語学習者のツボを押さえた解説と相まって,独学を可能にするための情報が,この一冊の中に完全に閉じ込められています.
 巻末には,テキストに現われる単語を網羅したグロッサリー(小辞典)も付いています,この一冊を仕上げれば,より専門的な英語史の世界へと羽ばたく準備が整うとともに,歴史的な観点からの現代英語の理解がぐんと深まるでしょう.今回の新装復刊にあたっては,旧版よりもコンパクトで,鞄に入れて持ち運びやすい現代的な装丁に生まれ変わっています.
 定価3,300円(税込)という価格は,この充実した内容からすれば間違いなく「お得」と断言できます.これまで英語史のおもしろさに魅せられながらも,古英語や中英語の原文に踏み込む勇気は出なかったという方々にとって,本書は背中を押してくれる最高の入門書となるはずです.ぜひ、この伝説的入門書を手にとって,英語という言語の懐の深さを体感してください.表紙に扉のデザインが施されており,背景も扉の向こう側もディープでダークな色ですが,これは古英語・中英語の「深遠さ」や「沼」を表わしているものと解釈したいところです.扉を開くには少し怖そうですが,それだけ濃厚な世界が待っているのだと捉えていただければ.
 昨日の heldio にて,本記事と同じ趣旨を「#1732. 本日,伝説的入門書『古英語・中英語初歩』が新装復刊」として熱量をこめてお届けしました.ぜひそちらもお聴きいただければ.



 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

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2026-02-21 Sat

#6144. 「混種語」で大喜利をしました [word_play][hybrid][word_formation][morphology][lexicology][japanese][twitter][loan_word][borrowing][contact][notice][kochushoho][kenkyusha][kochukoneta30][hel_ogiri]

 先日ご紹介した「#6133. 日英語の「語彙の3層構造」で大喜利をしました」 ([2026-02-10-1]) に引き続き,2月8日(日)に私の X アカウント @chariderryu にて,おもしろい混種語 (hybrid) を寄せてくださいという趣旨のお題を立てて,呼びかけました.ちょうど『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』のカウントダウン企画「古中英語30連発」の No. 14 として「英語も日本語もちゃんぽん(雑種語)がお好き?」と投稿した直後のことでした.
 中英語からの例として,英・語幹 + 仏・接尾辞 = goddess (女神),仏・語幹 + 英・接尾辞 = beautiful (美しい),仏・語幹 + 英・語幹 = court house (裁判所庁舎)を挙げつつ,このような混種語で,おもしろい例が,英語にも,そしてとりわけ日本語にもたくさんあるので,皆さんに出していただこうと考えた次第です.集まってきた例は,事実上すべて日本語からの例でしたが,唸らされるようなおもしろい例をたくさん挙げてくださいました.ありがとうございます.以下,独断と偏見で傑作選を掲載します.



【 食物・料理部門 】

 ・ カレー南蛮そば
 ・ ツナおろしキムチ和風パスタ
 ・ うにいくら濃厚クリームパスタ
 ・ 生バウムケーキショコラクリーム
 ・ 生チョコトリュフ芳醇ミルクティー(ブルボン)
 ・ タンドリーチキンブルゴーニュ風パイ包み焼き

【 場所の名前部門 】

 ・ 横浜アンパンマンこどもミュージアム
 ・ 白浜エネルギーランド海ゲート駐車場

【 その他,商品名等 】

 ・ カラオケ大会
 ・ 京都サンガF.C.
 ・ キッチン収納棚
 ・ ドモホルンリンクル
 ・ サマージャンボ宝くじ
 ・ スーパーエネルギー回収
 ・ 仲良しアベック専用シート
 ・ ルスツリゾートゴンドラリフト券
 ・ 反復学習ソフト付き正規表現書き方ドリル(技術評論社)
 ・ クライネ・ソプラニーノ・リコーダー・奏者

【 英語より特別部門:「希羅希羅ネーム」(ギリシア語とラテン語の混種語) 】

 ・ pseudo-science
 ・ finalize
 ・ television
 ・ sociology

【 大喜利に参加できなかった残念な語 】

 ・ バカ旦那




 思ったよりも日常は混種語にあふれていますね.お寄せくださった皆さん,ありがとうございました.
 本記事と同じ趣旨で,2月17日の heldio にて「#1724. 日英語「混種語大喜利」 --- 皆さんからの傑作選を発表」をお届けしました.ぜひそちらもお聴きいただければ.



 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

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2026-02-20 Fri

#6143. 『古英語・中英語初歩』新装復刊の裏にはヘルメイトたちのドラマがあった [kochushoho][voicy][helwa][helmate][heldio][kenkyusha][helkatsu]



 2月16日(月)に Voicy heldio にて「#1723. 『古英語・中英語初歩』新装復刊の裏にはヘルメイトたちのドラマがあった」を配信しました.
 来たる2月25日(水)に研究社より刊行予定の『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』を,この3週間ほど私は特に強く推し続けているのですが,それにはある事情があります.Voicy プレミアムリスナー限定配信チャンネル 「英語史の輪 (helwa)」のメンバーの方々(=「ヘルメイト」)とともに,10ヶ月にわたり,ある関心を共有してきたのです.それについては上記 heldio 配信回でお話ししたのですが,この hellog のほうでも,特にタイムラインとして記録を残しておこうと思った次第です.以下,ご参照ください.



【 前史 】

 ・ 1933--34年,市河三喜が雑誌『英語青年』(研究社)にて,後の『古代中世英語初歩』の母体となる連載記事を寄稿する
 ・ 1935年,市河三喜(著)『古代中世英語初歩』が出版される
 ・ 1955年,市河三喜(著)『古代中世英語初歩』改訂新版(研究社)
 ・ 1986年,市河 三喜・松浪 有(著)『古英語・中英語初歩』(研究社)が出版される(松浪による全面改訂)
 ・ 2023年,神山孝夫(著)『市河三喜伝』(研究社)が出版される
 ・ 2023年10月19日,heldio で「#871. khelf 藤原くんによる英語史本の紹介 --- 大阪大学総合図書館の paste+ より」にて『古英語・中英語初歩』が紹介される(←この回を聴いていたしーさんが,後々まで本書のことを覚えていたという経緯あり)

【 2025年4月27日 --- 運命の1日 】

 ・ 12:56,しーさんが note にて「近所の図書館に市河三喜の『古英語・中英語初歩』と大学書林の古英語辞典が揃っているのに気づいてしまった。いま手を出すべきか出さざるべきか…」とつぶやく
 ・ 13:18,ari さんがすかさず反応し,しーさんを激励する
 ・ 14:09,堀田も続けて反応し,しーさんを激励する
 ・ その後,翌日にかけて,Grace さん,みーさん,Galois さん,川上さん,umisio さんも激励に加わる
 ・ 18:48,しーさんが本書を借りたことを認める

【 その後の経緯 】

 ・ 2025年4月28日,heldio で「#1429. 古英語・中英語を学びたくなりますよね? --- 市河三喜・松浪有(著)『古英語・中英語初歩』第2版(研究社,1986年)」を配信
 ・ 2025年5月1日,ari さんが note で「#268 【雑談】市河・松浪(1986)「古英語・中英語初歩」こと,ÞOMEB を買ってみた件!!」を公開する
 ・ 2025年5月3日,ぷりっつさんが note で「Gemini 君と古英語を読む」シリーズを開始する(5月9日まで6回完結のシリーズ)
 ・ 2025年5月5日,hellog で「#5852. 市河三喜・松浪有(著)『古英語・中英語初歩』第2版(研究社,1986年)」 ([2025-05-05-1]) が公開される
 ・ 2025年5月10日,helwa メンバーが本書を(計7冊以上)持ち寄って皐月収録会(於三田キャンパス)に臨み,証拠写真を撮影する.参加者(対面あるいはオンライン)は,ari さん,camin さん,lacolaco さん,Lilimi さん,Galois さん,小河舜さん,taku さん,ykagata さん,しーさん,みーさん,寺澤志帆さん,川上さん,泉類尚貴さん,藤原郁弥さん.
 ・ 2025年5月12日,hellog で「#5859. 「AI古英語家庭教師」の衝撃 --- ぷりっつさんの古英語独学シリーズを読んで」 ([2025-05-12-1]) が公開される
 ・ 2025年5月15日,TakGottberg さんが,上記 heldio #1429 のコメント欄にて,(1986年版の)2011年第16刷の正誤表やその他の話題に言及(本記事の末尾を参照)
 ・ 2025年5月29日,heldio で「#1460. 『古英語・中英語初歩』をめぐる雑談対談 --- 皐月収録回@三田より」が配信される
 ・ 2025年7月5日,しーさんが X のポストで本書の需要の高まりを指摘
 ・ 2025年7月5日,堀田が引用リポストで,皐月収録会にて本書7冊以上が集まった様子を報告する(@Kenkyusha_PR にもメンションしつつ)

 ・ 2025年10月5日,heldio にて「#1589. 声の書評 by khelf 藤原郁弥さん --- 神山孝夫(著)『市河三喜伝』(研究社,2023年)」が配信される
 ・ 2025年10月5日,hellog にて「#6005. khelf の新たなhel活「声の書評」が始まりました --- khelf 藤原郁弥さんが紹介する『市河三喜伝』」 ([2025-10-05-1]) が公開される
 ・ 2026年1月20日,研究社より新装復刊が公式にアナウンスされる
 ・ 2026年2月25日,刊行予定




 直近3週間ほどの本書関連hel活については,一昨日の記事「#6141. 新装復刊まであと1週間 --- 『古英語・中英語初歩』見本の「開封の儀」」 ([2026-02-18-1]) のリンク集をご参照ください.

 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

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2026-02-18 Wed

#6141. 新装復刊まであと1週間 --- 『古英語・中英語初歩』見本の「開封の儀」 [notice][kochushoho][kenkyusha][youtube][heltube][voicy][heldio][kochukoneta30][link][helkatsu]



 2月25日(水)に研究社より『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』が刊行されます.本書の1ファンとして,3週間ほど前より復刊を祝って盛り上げるべく,様々な関連企画を実施しています.ついに刊行1週間前となりました.
 先日2月13日(金),研究社のご厚意により本書のホヤホヤの出来上がり見本を,目下滞在中のメルボルンまでお送りいただきました(ありがとうございます!).興奮のあまり,すぐに「開封の儀」を収録し,翌日には YouTube や Voicy で配信しました.盛り上げコンテンツとして興奮の様子が伝わるかと思いますので,ぜひご視聴ください.

 ・ YouTube heltube 版:「特別配信 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』開封の儀」
 ・ Voicy heldio 版:「特別配信 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』開封の儀」
 ・ note でも関連記事を書いています:「メルボルンで「開封の儀」 --- 研究者のちょっと幸せな朝」

 この3週間で折に触れていくつかのメディアで関連コンテンツを公開してきましたが,以下にまとめておきます.とりわけ heldio での「『古英語・中英語初歩』試し読み部分の解説シリーズ」は,古い英語に初めて触れる方にお薦めです.本書を手に取る前に,ぜひお聴きいただければ.

【 hellog 】

 ・ 「#6117. 伝説的入門書『古英語・中英語初歩』が新装復刊されます!」 ([2026-01-25-1])
 ・ 「#6120. 『古英語・中英語初歩』新装復刊のカウントダウン企画「古中英語30連発」を始めています」 ([2026-01-28-1])

【 heldio 】

 ・ 「#1706. 伝説の教科書『古英語・中英語初歩』(研究社)が新装復刊
 ・ 「#1708. 『古英語・中英語初歩』新装復刊のカウントダウン企画「古中英語30連発」を始めています」
 ・ 「#1710. 『古英語・中英語初歩』試し読み部分の解説シリーズ (1) --- 古英語の母音」
 ・ 「#1713. 『古英語・中英語初歩』試し読み部分の解説シリーズ (2) --- 古英語の子音(前編)」
 ・ 「#1716. 『古英語・中英語初歩』試し読み部分の解説シリーズ (3) --- 古英語の子音(後編)」
 ・ 「#1722. 『古英語・中英語初歩』試し読み部分の解説シリーズ (4) --- 古英語の強勢」
 ・ 「#1723. 『古英語・中英語初歩』新装復刊の裏にはヘルメイトたちのドラマがあった」

【 X(旧Twitter) 】

 ・ 私の X アカウント @chariderryu より,カウントダウン企画「古中英語30連発」を展開しています.

 あと1週間,待ちきれないですね!

 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

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2026-02-10 Tue

#6133. 日英語の「語彙の3層構造」で大喜利をしました [word_play][lexical_stratification][lexicology][japanese][twitter][loan_word][old_english][middle_english][french][latin][synonym][heldio][notice][kochushoho][kenkyusha][kochukoneta30][hel_ogiri]



 先日2月6日(金)の正午より,Voicy heldio にて「【生配信】日英語「語彙の3層構造」大喜利!皆さんからの傑作選を発表」をお届けしました.
 目下,2月25日に研究社より刊行予定の『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』を盛り上げるべく,私の X アカウント @chariderryu より,カウントダウン企画「古中英語30連発」を展開しています.その No. 11 として「英語の語彙は「3階建て」の構造」を紹介したところ,多くの反響をいただきました.
 英語の「英・仏・羅」の3層構造は,日本語の「和語・漢語・外来語」に緩く対応します.そこで,X より呼びかけて,日本語でも英語でも「きれいな3層構造」の例をお寄せくださいと募ったところ,言語センスの光る傑作が続々と寄せられました.その傑作選を声で読み上げたのが,上記の配信回です.私が独断と偏見でおもしろいと思った例(金賞・銀賞・特別賞あり)を取り上げさせていただきましたが,それを hellog にも記録として残しておきたいと思います.日本語の3層構造の事例が中心となりましたが,英語についてもいくつかお寄せいただきました.

【 概念・抽象語部門 】

 ・ ぐちゃぐちゃ・混乱・カオス
 ・ おそれ・恐怖・パニック
 ・ こい(したう)・恋愛/愛情・ラブ

【 日常生活・道具部門 】

 ・ 音入れ・録音機・レコーダー(金賞:TAKAHASHI さん)
 ・ かぎ・錠・キー
 ・ こしかけ・椅子・チェアー
 ・ かなづち・鉄槌・ハンマー
 ・ おたより・郵便・メール
 ・ まなびや・教室・クラスルーム
 ・ つれあい・配偶者・パートナ

【 身体・自然部門 】

 ・ からだ・身体・ボディー
 ・ あたま・頭部・ヘッド
 ・ 天の川・銀河・ギャラクシー
 ・ すばる・昴星・プレアデス
 ・ たから・宝物・トレジャー(銀賞:mozhi gengo さん)

【 動詞部門 】

 ・ 見張る・監視する・モニタリングする(モーラ数の配置が美しい例)
 ・ 車に乗る・運転する・ドライブする
 ・ 繰り返す・復唱する・リピートする
 ・ 打ち込む・入力する・タイプする

【 特異な三層(あるいはそれ以上)部門 】

 ・ パクチー・香菜(こうさい)・シャンツァイ・コリアンダー・コエンドロ(特別賞:川上さん)
 ・ 盲腸・虫垂炎・アッペ(俗称・学術語・ジャーゴンの重なり)

【 英語の3層構造 】

 ・ hurly-burly - confusion - chaos
 ・ fear - terror - panic/phobia
 ・ love - affection - eros/philia
 ・ grasp - seize - capture
 ・ hallow - deify - consecrate
 ・ say - mention - refer
 ・ teacher - tutor - evangelist
 ・ old - ancient - senior
 ・ wonderful - surprising - terrific
 ・ bright - sparkling - splendid
 ・ great - excellent - superb

 いかがでしょうか.「きれいな例」を探すのは意外と難しいものです.単なる言い換えではなく,下層から上層へ向かうにつれて「日常」から「公的」,そして「専門的」あるいは「モダン」へと語感が変わっていくグラデーションが感じられるかどうかがポイントになります.モーラ数・音節数の違いなども意識するとおもしろいですね.
 英語史の観点からいえば,このような語彙の層の厚みは,その言語が歩んできた歴史の厚みそのものでもあります.かつて古英語期には1階建てだった語彙の家が,中英語期にフランス語という2階部分が増築され,さらに近代英語期にかけてはラテン語(やギリシア語)の3階が積み上がってきました.
 拙著『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』の第5章でも詳しく解説していますが,中英語期はまさに1階と2階が混ざり合っていくダイナミズムを観察できる時代です.近刊書『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』を通して,ぜひその歴史の現場を追体験してみてください.

 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.
 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

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2026-01-30 Fri

#6122. 天野優未さんの『英語語源ハンドブック』『はじめての英語史』精読実況中継 [notice][hee][hajimetenoeigoshi][kenkyusha][helkatsu]


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 字幕翻訳者&字幕講師の天野優未さんの X アカウント で,『英語語源ハンドブック』および『はじめての英語史』を精読し,実況中継的に感想を述べていただくという,著者にとっては夢のようなプロジェクトが始動しています.毎日のように本の細かなところを取り上げ,コメントをくださるというのは,著者冥利につきます.

 ・ 「#翻訳者英語語源ハンドブック1日1語感想」のスレッド,あるいはハッシュタグよりこちら
 ・ 『はじめての英語史』の実況中継スレッド

 私も自身の X アカウント から頻繁に反応させていただく機会が増えてきたのですが,翻訳者の視点からの軽妙なツッコミや的を射たご意見が毎度おもしろいく,著者にとっても励みになるのです.例えば,以下のような驚きや納得感を伝えるコメントをいただいています.



【 『英語語源ハンドブック』への感想より 】

【able】早速、「形容詞のableと接尾辞ableはそれぞれ別の語源」とかビックリの事実が!でも、ラテン語habilem(持ちやすい)から古フランス語を経由して頭のhが落ちた、と聞くとちょっと納得が。haveとableがそんなに密接な関係にあるとは…。すっかりableが元から「?できる」の意味で、それを語尾にも付けて…という「合理的なストーリー」を想像してたけど、実は歴史を辿ると「後から人々が覚えやすいように合理的なストーリーが後付けされた」みたいなことって多くて、言語って度々人間の想像を超えてくるなあと改めて思わされる。


でも、*Ten years were agon.って、完了形?受動態じゃなくて?と思ったら、その直後に「have+過去分詞は他動詞に使われたものがやがて完了形全体へと応用されたもので、元来、文の末尾に置かれる過去分詞は常に受動的な意味であり、他動詞の完了形にのみ使われ、自動詞の完了形はbe動詞+過去分詞で表された。」と解説があって納得。疑問に思ったことがすぐに解説される形式、とても親切。


【alive】aliveが名詞の前に置けないことも、on+life→aliveであることも知っていたけど、「名詞の前に置けない理由が、元々on+lifeという前置詞句だったため」は知らなかった!確かに、修飾する前置詞句は名詞の後ろに置かれるもんな!


前から思ってたんだけど、基礎単語だけでなく、英検1級に出てくるような単語のこういう元の意味が解説されてるような『上級英単語語源ハンドブック』があったら、ボキャビルにも役立ちそうで嬉しいな…


【 『はじめての英語史』への感想より 】

文法の話は好きなので、古英語はラテン語みたいに格変化が複雑なことは知ってたけど、それが単純化されたのすら、発音変化の影響だったの!?まだ「はじめての英語史」を10ページ程度しか読んでないけど、数えきれぬほど「英語、音声に振り回されすぎ!」の感想を抱いてる。


「母音連続はよくあるのに、なぜaの時だけ必ず回避する?」「なぜ入る音がn?」という疑問は確かにあって、「通常はoneの弱形であるanで、次に子音が来る時だけaになる」って説明で全て解消されるが、「母音の時はan」の原則が染みついた身としては、「そんなの許されるのか…!?」という衝撃が…


「次が母音の時にanになるのではなく、次が子音の時にaになるのだ」に続く、「3単現の時だけsが付くのではなく、3単現の時以外の語尾が消えてしまったのだ」だ!発想の逆転により、むしろ論理的にクリアになるパターン、大好き!しかも、これも「sに相当する語尾以外は発音しづらかったから消えた」って、また「英語、音声に振り回されすぎ!」の例だ…


「次が母音の時にanになるのではなく、次が子音の時にaになるのだ」「3単現の時だけsが付くのではなく、3単現の時以外の語尾が消えてしまったのだ」に続く、「feetやchildrenが変わってるのではなく、他の単語が-s複数へと変わっただけなのだ」だ!(いつまで続くのか、このシリーズ)




 特に「英語,音声に振り回されすぎ!」の名フレーズには感動してしまい,先日 heldio にて天野さんを引きつつ「#1698. 英語,音声に振り回されすぎ」と題してお話ししてしまったほどです.
 皆さん,ぜひ天野さんのシリーズにご注目ください.

 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.

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2026-01-28 Wed

#6120. 『古英語・中英語初歩』新装復刊のカウントダウン企画「古中英語30連発」を始めています [notice][twitter][kochushoho][kenkyusha][kochukoneta30][oe][me]


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 一昨日1月26日(月)より,私の X(旧Twitter)アカウント @chariderryu にて,新たな連載企画 #古中英語30連発 をスタートさせました.これは,来たる2月25日に研究社より新装復刊される予定の,市河三喜・松浪有(著)の伝説的な入門書『古英語・中英語初歩』を寿ぐカウントダウン企画です.
 今回の主役である『古英語・中英語初歩』は,先日の記事「#6117. 伝説的入門書『古英語・中英語初歩』が新装復刊されます!」 ([2026-01-25-1]) でご紹介したように,1935年に『古代中世英語初歩』というタイトルで世に出た歴史ある教科書です.「古英語」や「中英語」という表現が一般化する以前には,「古代英語」や「中世英語」という名称が使われていました.そんな時代の重みが感じられる1冊ですね.
 今回の新装復刊にあたり,その魅力を1人でも多くの方に伝えるべく,刊行日までの1ヶ月間,毎日1つずつ古英語・中英語に関わる小ネタを投稿していくことにしました.ハッシュタグ #古中英語30連発 で展開しています.
 本日は企画の3日目となりますが,1日目,2日目には古英語の文字,綴字,発音の話題を取り上げました.新装復刊でも古英語の第1章は「綴りと発音」で始まるのです.本書の中身は,研究社公式HPの近刊案内より部分的に「試し読み」できますので,ぜひチェックしてみてください.
 小さなトピックを朝の早い時間帯に1日1ネタのペースで届けることで,皆さんの日常に古英語・中英語の香りを添えられればと思います.1ヶ月後の刊行までに,皆さんが古英語・中英語の世界に踏み出す心の準備ができるように,という意味合いもありますので,ぜひ覗いてみてください.
 各小ネタの引用リポストやリプライも,ぜひ気軽にお願いします.私もなるべく反応します.また,私は X 上で本企画以外にも様々なhel活を展開していますので,ぜひ X アカウント をフォローし,日々チェックしていただければ.

 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.

Referrer (Inside): [2026-02-18-1]

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2026-01-25 Sun

#6117. 伝説的入門書『古英語・中英語初歩』が新装復刊されます! [notice][kenkyusha][oe][me][review][timeline][link][kochushoho]


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 あの名著が復刊されます! 市河三喜・松浪有(著)『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』(研究社)が,1ヶ月後の2月25日に出版予定です(定価3300円).研究社公式HPの近刊案内より部分的に「試し読み」もできますので,ぜひチェックしてみてください.「英語史関連・周辺テーマの本」一覧にもアクセスできます.
 本書の歴史をざっとたどってみます.

 ・ 1933--34年,市河三喜が雑誌『英語青年』(研究社)にて,後の『古代中世英語初歩』の母体となる連載記事を寄稿する
 ・ 1935年,市河三喜(著)『古代中世英語初歩』が出版される
 ・ 1955年,市河三喜(著)『古代中世英語初歩』改訂新版(研究社)市河 三喜・松浪 有(著)『古英語・中英語初歩』第2版(研究社)が出版される(←神山孝夫先生よりじきじきのご指摘により訂正いたしました.2026/01/27(Tue))
 ・ 1986年,市河三喜・松浪有(著)『古英語・中英語初歩』(研究社)が出版される(松浪による全面改訂)
 ・ 2023年,神山孝夫(著)『市河三喜伝』(研究社)が出版される

 以下,hellog,heldio,その他で公開してきた『古英語・中英語初歩』に直接・間接に関係するコンテンツを時系列に一覧します.

 ・ 2025年4月28日,heldio で「#1429. 古英語・中英語を学びたくなりますよね? --- 市河三喜・松浪有(著)『古英語・中英語初歩』第2版(研究社,1986年)」を配信
 ・ 2025年5月1日,ari さんが note で「#268 【雑談】市河・松浪(1986)「古英語・中英語初歩」こと,ÞOMEB を買ってみた件!!」を公開する
 ・ 2025年5月3日,ぷりっつさんが note で「Gemini 君と古英語を読む」シリーズを開始する(5月9日まで6回完結のシリーズ)
 ・ 2025年5月5日,hellog で「#5852. 市河三喜・松浪有(著)『古英語・中英語初歩』第2版(研究社,1986年)」 ([2025-05-05-1]) が公開される
 ・ 2025年5月10日,helwa メンバーが本書を(計7冊以上)持ち寄って皐月収録会(於三田キャンパス)に臨む.参加者(対面あるいはオンライン)は,ari さん,camin さん,lacolaco さん,Lilimi さん,Galois さん,小河舜さん,taku さん,ykagata さん,しーさん,みーさん,寺澤志帆さん,川上さん,泉類尚貴さん,藤原郁弥さん.
 ・ 2025年5月12日,hellog で「#5859. 「AI古英語家庭教師」の衝撃 --- ぷりっつさんの古英語独学シリーズを読んで」 ([2025-05-12-1]) が公開される
 ・ 2025年5月15日,TakGottberg さんが,上記 heldio #1429 のコメント欄にて,(1986年版の)2011年第16刷の正誤表やその他の話題に言及(本記事の末尾を参照)
 ・ 2025年5月29日,heldio で「#1460. 『古英語・中英語初歩』をめぐる雑談対談 --- 皐月収録回@三田より」が配信される
 ・ 2025年10月5日,heldio にて「#1589. 声の書評 by khelf 藤原郁弥さん --- 神山孝夫(著)『市河三喜伝』(研究社,2023年)」が配信される
 ・ 2025年10月5日,hellog にて「#6005. khelf の新たなhel活「声の書評」が始まりました --- khelf 藤原郁弥さんが紹介する『市河三喜伝』」 ([2025-10-05-1]) が公開される
 ・ 2026年1月20日,研究社より新装復刊が公式にアナウンスされる
 ・ 2026年2月25日,出版予定

 新装復刊を前に,本書とその周辺について,理解を深めていただければ.復刊の Amazon の予約注文はこちらよりどうぞ.

 ・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.
 ・ 神山 孝夫 『市河三喜伝 --- 英語に生きた男の出自,経歴,業績,人生』 研究社,2023年.

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2026-01-03 Sat

#6095. 「英語史小ネタ50連発」一覧 [notice][twitter][hajimetenoeigoshi][kenkyusha][helkatsu][voicy][heldio][eigoshikoneta50][link]

 クリスマス・年末企画として,私の X(旧Twitter)アカウント @chariderryu 上で展開した「英語史小ネタ50連発」.X API のトラブルに見舞われるも,手動で公開するなどして何とかかんとかつなぎ,12月29日に無事終了したことは,12月30日の記事「#6091. 「英語史小ネタ50連発」を完走しました」 ([2025-12-30-1]) でお伝えした通りです.皆さんの温かい応援に改めて感謝いたします.
 年末のhel活お祭りイベントとなりましたが,この企画は拙著『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』の第10刷重版を記念し,研究社公式のプレゼント企画も兼ねていました.小ネタに引用リポストを投稿していただき,最もおもしろいコメントをくださった3名に第10刷をプレゼントするというものでした.今朝の heldio にて,厳正なる選定に基づく受賞者3名の発表等を行なっております.ぜひ「#1679. 『はじめての英語史』第10刷プレゼントは誰の手に? --- 年末の「英語史小ネタ50連発」の引用リポストより」をお聴きください.



 さて,企画はこれで終了となりますが,「英語史小ネタ50連発」の各小ネタの内容やリンクなどを整理しておきたいと思います.以下がその一覧となりますが,リンクやカテゴリなどの情報は実は heldio/helwa コアリスナーの ari さんが有志で準備してくださったものです.実際 ari さんは,昨日のご自身の note 記事「#513【hel活】英語史小ネタ50連発を楽しんだ!!」で情報をまとめられています(ari さん,ありがとうございます!).その基本情報の上に,Xのアナリティクスの数値を加えたのが,こちらの表となります(数値は12月31日時点のものです).ぜひ合わせてご参照・ご活用ください.

小ネタ番号小ネタインプリポストいいねブックマークカテゴリ
1なぜ過去形と過去分詞には 同じ -ed がつくの?6,280124112動詞
2put-put-put のような 無変化活用する動詞の共通点は?1,4334316動詞
32重語であることを 知っていましたか? locust 「イナゴ」と lobster 「ロブスター」1,1552283語源
4English はメチャクチャ変な綴字16,0002216237綴り
5ship を代名詞 she で 受ける用法の起源は?5,0306272用法
6なぜ new something ではなく something new なの?7,951145613語順
7なぜ doubt には 読まない b の綴字があるの?1,9508447綴り
8なぜ両足で歩くのに on feet ではなくて on foot なの?3,94714314 単複
9なぜ If I were you と were を使うの?3,4956298文法
10Japan の語源は?6322191語源
11なぜ go の過去形は went なの?1,0872101動詞
12reindeer 「トナカイ」の語源は rein 「手綱」+ deer 「鹿」ではない!2,5095252語源
13-ther をもつ英単語の 共通点は何?4,3597355語源
14DX (digital transformation) ってどんな略語?1,5811172語源
15なぜ sheep の複数形は sheep なの?1,3702137単複
16英語と最も近い言語は?21,0003424751言語
17アクセントの位置が異なる 名詞 récord と動詞 recórd の謎2,3533144文法
18なんで違うの? 活字体の <a> と ブロック体の <?>2,4084212文字
19なんで違うの? 活字体の <g> と ブロック体の <?>8822111文字
20どうして古英語の発音が わかるのですか?9892131発音
21なぜ3単現にだけ -s を付けるの?1,2672172文法
2212月 (December) は 本当は「10月」だった?1,9704131語源
23love の綴字は なぜ luv ではないの?1,5413193綴り
24英語の語順は なぜ SVO なの?2,5834163文法
25Help! とは叫ぶが Assist! とは叫ばない5,55412457用法
26単数の they (Singular 'they')2,82512356単複
27アメリカ英語の r は なぜ巻き舌なの?3,39010392発音
28「肉」を表す meat かつては「食べ物」全般だった2,5034160語源
29羊は sheep 羊肉は mutton なぜ単語が違う?5,6927362用法
30woman の語源は 「妻である男」?9661170語源
31will はもともと 「未来」ではなく「意志」8952141語源
32英語の語彙の規模は 世界一!?1,1374201言語
33なぜ island には 読まない s があるの?7100102綴り
34「幽霊」 ghost の h はなぜあるの?5,1266255綴り
35one の発音は なぜ「ワン」?9762154発音
36dream は 「夢」ではなかった?1,8284250語源
37silly は 「幸せ」だった?6,35310231語源
38through の516通りの綴字1,7435182綴り
39Good-bye は 神頼み?3,77610275語源
40Z の読み方は ズィー? ゼッド?6662120発音
41nice の原義は 「無知」だった?2,1144170語源
42世界初の英語辞書は 難語辞典だった6221101辞書
43複数形は なぜ -s なの?9142113文法
44get や give は 英語本来語ではない?5,5168231語源
45world の語源は 「人の世」800280語源
46lady の反対語は lord1,1086202語源
47年を数えるのに year ではなく winter も1,8084222用法
4821世紀の語形成の トレンドは頭字語!626272語源
49なぜ name は 「ナメ」ではなく「ネイム」?7364141発音
50英語史小ネタ50連発完走! complete か compleat か?1,5681110綴り
51英語史小ネタ50連発 無事に完走しました!3,0367231勝利インタビュー


 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.

Referrer (Inside): [2026-01-04-1]

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2026-01-02 Fri

#6094. 元旦の朝日・読売サンヤツ広告に『英語語源ハンドブック』が掲載されています [kenkyusha][hee][notice]

 昨年,日本で刊行された英語史関連の書籍としては,唐澤一友・小塚良孝両氏との共著『英語語源ハンドブック』(研究社)が話題を呼びました.6月18日に刊行される前から待望との評価をいただき,刊行後もおおいにご好評いただき,3ヶ月で3重版が決定しました.年末には,追加資料(索引)も研究社公式HPより公開され,さらにハンドブックの利便性と楽しみ方が増しています.本書の特設HPも設けていますので,ぜひご活用ください.
 昨日,朝日・読売両新聞朝刊のサンヤツ広告(1面下の広告欄)にて,本書が宣伝されました.元旦からのハンドブックの強力な「推し」により,2026年も英語史界隈が盛り上がっていくこと間違いなし,と喜びながら確信した次第です.

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 左の朝日新聞の広告で横に並んでいる円満字二郎著『難読漢字ときあかし辞典』は,実は『英語語源ハンドブック』と縁の深い書籍です.両書ともに,各見出しに「キャッチコピー」が付されており,一目で概要をつかめる工夫が凝らされているという共通点があります.それもそのはず,円満字二郎氏による「ときあかし」シリーズの原点である『漢字ときあかし辞典』が採用していた「キャッチコピー」の工夫を,『英語語源ハンドブック』は意識的に真似たという事情があるのです.英語と日本語とで扱っている言語こそ異なりますが,今回の朝日サンヤツ広告では,いわば後輩が先輩と肩を並べていることになります.
 そんなわけで,改めて『英語語源ハンドブック』でもキャッチコピーに注目していただければと思います.最近,私の視界の範囲内ではありますが,『英語語源ハンドブック』通読のムーヴメントが起こってきています.通読もよし,気軽にページをめくるもよし,2026年も『英語語源ハンドブック』を使い倒して楽しんでいただければ.

 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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2025-12-30 Tue

#6091. 「英語史小ネタ50連発」を完走しました [notice][twitter][voicy][heldio][hajimetenoeigoshi][kenkyusha][helkatsu][eigoshikoneta50]

 昨日12月29日,クリスマス・年末企画として,X(旧Twitter)アカウント @chariderryu 上で展開していた「英語史小ネタ50連発」を完走することができました.当初は25日のクリスマスまでに完結させる予定で進めておりましたが,途中で X (旧 Twitter) の API トラブルや私自身の操作ミスなどもあり,急遽「年末企画」へと仕切り直しての完走となりました.
 数日間,投稿が滞ったり不規則になったりとご心配をおかけしましたが,温かく見守ってくださった読者・リスナーの皆様,そしてスポンサーとして全面的にバックアップしてくださった研究社に,この場を借りて厚く御礼申し上げます.
 今回の企画は,単に小ネタを披露するだけではなく,拙著『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』の第10刷重版を記念したプレゼント企画も兼ねております.同書が2桁の増刷を重ねることができましたのも,ひとえに皆様の応援のおかげです.
 プレゼントの応募方法は,公開された小ネタに対し,X 上で「引用リポスト」の形でコメントをいただくというものです.「おもしろい」引用リポストをくださった方の中から,私の独断と偏見で3名を選定し,年明けに研究社より第10刷を直送させていただきます.
 この「おもしろい」には,funny, interesting, illuminating などの多義的な意味を込めています.引用リポストの締め切りは,明日12月31日の大晦日の夜までといたします.まだ時間はありますので,今からでも50個のネタをざっと振り返り,ぜひ引用リポストする形でご応募ください.
  今回の50連発では,スペリング,語彙,意味変化,統語論など,英語史の多岐にわたる分野をカバーするよう努めました.例えば,反響の大きかったものとしては以下のような小ネタがありました.

 ・ 「04. English はメチャクチャ変な綴字」
 ・ 「06. なぜ new something ではなく something new なの?」
 ・ 「11. なぜ go の過去形は | went なの?」
 ・ 「16. 英語と最も近い言語は?」
 ・ 「37. silly は「幸せ」だった?」

 各投稿のスレッドには,より深く学びたい方のために,拙著の関連章の紹介や heldio へのリンクも添えてあります.年末年始の隙間時間に,英語史の広大な海を少しずつ回遊していただければ幸いです.
 なお,本企画の最終盤の案内については,昨日の heldio でも「#1674. 年末企画「英語史小ネタ50連発」の引用リポストは大晦日まで受け付けます」として配信しておりますので,あわせてお聴きください.



 新年には,この50連発の振り返り放送なども予定しております.2025年も,引き続き hellog, heldio, そして X アカウントでの発信にご注目いただければと思います.

 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.

Referrer (Inside): [2026-01-03-1]

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2025-12-27 Sat

#6088. 英語史小ネタ50連発 --- トラブルの真相と「年末企画」への転換 [notice][twitter][voicy][heldio][hajimetenoeigoshi][kenkyusha][helkatsu][eigoshikoneta50]

 こんにちは,堀田隆一です.先日より開始しました「英語史小ネタ50連発」企画ですが,開始早々に X (Twitter) の投稿がストップしてしまい,皆様にはご心配をおかけしました.また,楽しみにしてくださっていた方々には,水を差す形となってしまい申し訳ありません.本日は,その「トラブルの真相」を正直に(いささか恥を忍んで)告白するとともに,そこから転じて決定した,年末に向けた新たなスケジュールの案内をさせていただきたいと思います.
 事の真相は,12月21日の企画開始直後に遡ります.意気揚々とスタートしたものの,すぐに X の API 制限がかかってしまいました.多くの方は「短時間に投稿しすぎたのかな?」と思われたかもしれません.確かに投稿数は多かったのですが,根本的な原因は,実は私の「挙動不審」な操作にあったようです.
 今回の企画にあたり,効率化のために半自動投稿スクリプトを準備していました.文明の利器を活用しようとしたわけです.ところが,手動で「テスト投稿」をするつもりが,誤ってスクリプトを走らせてしまい,「本番投稿」として世に放ってしまいました.滞在中のニュージーランドと日本との4時間の時差も,誤作動に関与していたようです.それに気づいた私は,「いけない,まだ時間じゃない!」と慌てて次々に削除.しかし,この連続削除行為もどうやら「挙動不審」と判定されてしまったようなのです.AI や自動化でスマートに運営しようとした結果,最もアナログな「人間のパニック」によって足元を掬われるという,なんとも情けないオチでした.
 しかし,この強制停止期間のおかげで,少し冷静に考える時間を得られました.英語には a blessing in disguise (変装した祝福=怪我の功名)という表現がありますが,まさに今回の件はそれかもしれません.当初の予定では,クリスマスまでの数日で50個もの小ネタを連発する計画でした.ですが,これでは読者の皆様にとっても情報の洪水となり,1つつひとつのネタを味わう余裕がなかったかもしれません.消化不良を起こしかねないペースでした.
 そこで,このトラブルを好機と捉え,スケジュールを大幅に見直すことにしました.「年末企画」です.「クリスマス企画」としては一旦幕を下ろし,クリスマス前後から12月29日(月)までの期間,年末の足音とともにじっくりと英語史の小ネタをお届けします.
 そして,もっとも大切なお知らせですが,「プレゼント企画」そのものはもちろん生きています! 研究社さんの公認をいただいているこの企画,賞品は拙著『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』(研究社,2016年)の最新第10刷です.応募方法は,X での企画投稿に対して,コメント付きの「引用リポスト」をしていただくだけです.事後にもっともおもしろいコメントを投稿くださった3名を私が選ばせていただき,年明けに個々にご連絡させていただきます.最終的には研究社より第10刷を直送させていただく予定です.
 期間が延びた分,皆様にとっては,じっくりとネタを選んで,おもしろいコメントを考えるチャンスが増えたともいえます.ぜひ奮ってご応募ください.
 私のドタバタ劇から始まった今回の騒動ですが,結果として,年末まで皆様と英語史の話題で伴走できることになりました.昨日27日はある程度うまく投稿できました.本日28日も無事に投稿できるよう祈っています.
 本記事と同趣旨の音声配信を,昨日の heldio 配信回「#1671. クリスマス企画から年末企画への転換について --- XのAPI制限事件の犯人は「私」でした(笑)」でお届けしました.ぜひそちらの配信回もお聴きいただければ.



 ・ 堀田 隆一 『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』 研究社,2016年.

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2025-12-23 Tue

#6084. 『英語語源ハンドブック』の索引の歩き方 [hee][notice][helquiz][kenkyusha][note][helkatsu][link]

 先日の記事「#6075. 『英語語源ハンドブック』追加資料(索引)が公開されています」 ([2025-12-14-1]) でお知らせした通り,研究社のウェブサイトにて『英語語源ハンドブック』の索引データ(Excel および PDF)が無料公開されています.2週間ほどまえの公開以来,多くの英語学習者や先生方にダウンロードしていただいているようです.
 この索引の使い方ですが,単に「あの単語はどこに載っているかな?」と検索するために使うだけではもったいないのです.とりわけ Excel 版のデータは,並べ替えたり,フィルタをかけたりすることで,本書の(いな英語語源の)隠れた構造や,著者陣すら気づいていなかった意外な事実をあぶり出すことができる優れものです.単なる検索ツールというよりは,それ自体が探索可能な「英語語源のデータベース」と捉えることができます.
 ここ数日,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」では,この索引データを題材として,担当編集者さんや私自身がいかにそれを使って遊べるか,学べるか,というトピックを集中的に取り上げてきました.索引の公開を記念して,「索引の歩き方」をいくつか紹介したいと思います.
 まず,手始めに「日本語索引」を眺めてみましょう.通常,語源辞典の索引といえば英単語が並んでいるものですが,今回の追加資料には日本語の項目もリストアップされています.パラパラと見ていると,「なぜこの単語が?」という不思議な日本語に出くわします.例えば「ファミリーマート」.英語語源の本になぜコンビニ名が登場するのでしょうか.その謎については,以下の放送回で語っています.

 ・ 「#1660. ファミリーマートと摩訶不思議 --- 語源ハンドブック索引より」 (2025/12/15)

 次に,Excel ならではの機能である「並べ替え」や「カウント」を活用してみましょう.「英語索引」のデータを分析してみると,本書の中で最も頻繁に言及されている英単語(見出し語としてではなく,解説の中で引き合いに出されている単語)が何であるかが分かります.1位はどんな単語なのか,予想してから聴いてみてください.

 ・ 「#1661. 言及数トップの英単語はアレ! --- 語源ハンドブック索引より」 (2025/12/16)

 また,データをページ順にソートし直してみるのも一興です.アルファベット順(辞書順)から解放され,本書内での掲載順に単語を並べ替えてみると,本書の構成や,執筆陣がどのあたりでどのような語群に熱を上げていたか(?)が透けて見えてきます.

 ・ 「#1662. ページ順にソートして見えてくるもの --- 語源ハンドブック索引より」 (2025/12/17)

 さらに,今回の索引作成を担当された研究社の編集者さんから,索引データに基づいた「語源クイズ」が出題されています.索引作成者だからこそ気づくことのできた,マニアックかつ興味深い視点からのクイズです.

 ・ 「#1663. 『英語語源ハンドブック』の担当編集者より語源クイズ (1)」 (2025/12/18)
 ・ 「#1664. 『英語語源ハンドブック』の担当編集者より語源クイズ (2)」 (2025/12/19)

 このように,たかが索引,されど索引です.データとして手元にあることで,書籍本体とはまた違った角度から英語語源の世界を楽しむことができます.
 まだ入手されていない方は,ぜひ『英語語源ハンドブック』追加資料(索引)のダウンロードページよりファイルをダウンロードしていただき,データをいじり倒してみてください.きっと独自の発見があるはずです.

 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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