hellog〜英語史ブログ     ChangeLog 最新     カテゴリ最新     前ページ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 次ページ / page 4 (21)

notice - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2024-07-26 08:31

2024-03-05 Tue

#5426. 『英語史新聞』第8号が発行されました [hel_herald][notice][khelf][hel_education][link][kdee]

『英語史新聞』第8号



 全国の『英語史新聞』ファン(?)の皆さん,お待たせしました.昨日3月4日付けで,khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第8号がウェブ公開となりました.こちらよりPDFで閲覧・ダウンロードできます.
 ほぼ2年前の4月1日に創刊号が発行されて以来,3ヶ月に一度のペース順調に号を重ねてきました.今回の第8号は本来であれば新年に発行という予定でしたが,諸事情で3月にずれ込みました.しかし,遅れた代わりに良質の記事が集まってきていますので,楽しく読んでいただけるかと思います.
 第8号の公開および記事紹介などの情報は,今後立て続けに khelf 公式の X アカウント @khelf_keio からお届けしていく予定ですので,ぜひフォローのほどよろしくお願いします.読者の皆さんにおかれましても,そちらのリポストなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.
 さて,今回も khelf の『英語史新聞』制作班が献身的に執筆・編集し,丁寧に作り込んでくれました.第8号の記事のラインナップをご紹介します.

 ・ シングリッシュとダイグロシア
 ・ 『英語語源辞典』を使ってみよう
 ・ ハリー・ポッターとロンの英語
 ・ 英語史ラウンジ by khelf 「第3回 小河舜先生(Part 1)」
 ・ 変なアルファベット表 完成!

 一言では紹介しきれない充実のラインナップです.執筆陣は学部3年生から大学院博士課程の学生まで,皆で協力して作りました.どれが目玉記事か決められないほど,いずれも充実の内容となっています.
 前号で呼びかけた「変なアルファベット表」企画は,hellog 読者の皆さんにも投票などに参加していただきつつ数ヶ月かけてじっくり進めてきましたので,ここで特別に触れておきたいと思います.ご協力ありがとうございました.
 本号は昨日の Voicy heldio でも「#1008. 『英語史新聞』第8号」としてご案内していますので,そちらもぜひお聴きください.



 『英語史新聞』は上述の通り2022年4月に創刊号を発行して以来,おおよそ3ヶ月に1度のペースで発行し続けてきました.毎号の制作班のモチベーションが保たれているのも,多くの方々にお読みいただいているからこそです.ご愛読ありがとうございます.最新号も含め『英語史新聞』のすべての号は,教育目的での利用・配布について自由にお取り扱いいただけます.むしろ,英語史の魅力を広げるべく活動している発行主体の khelf としては,電子媒体・紙媒体を問わず,皆様に広く利用・配布していただけますと幸いです.
 もし学校の授業などの公的な機会(あるいは,その他の準ずる機会)にお使いの場合には,ぜひこちらのフォームを通じてご一報くださいますと khelf の活動実績の把握につながるほか,『英語史新聞』編集委員の励みともなります.ご協力のほどよろしくお願いいたします.ご入力いただいた学校名・個人名などの情報につきましては,khelf の実績把握の目的のみに限り,記入者の許可なく一般に公開するなどの行為は一切行なわない旨,ここに明記いたします.フォームへの入力を通じ,khelf による「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)への賛同をいただけますと幸いです.
 最後に『英語史新聞』のバックナンバー(号外を含む)も紹介しておきます.こちらも合わせてご一読ください(khelf HP のこちらのページにもバックナンバー一覧があります).

 ・ 『英語史新聞』第1号(創刊号)(2022年4月1日)
 ・ 『英語史新聞』号外第1号(2022年4月10日)
 ・ 『英語史新聞』第2号(2022年7月11日)
 ・ 『英語史新聞』号外第2号(2022年7月18日)
 ・ 『英語史新聞』第3号(2022年10月3日)
 ・ 『英語史新聞』第4号(2023年1月11日)
 ・ 『英語史新聞』第5号(2023年4月10日)
 ・ 『英語史新聞』第6号(2023年8月14日)
 ・ 『英語史新聞』第7号(2023年10月30日)

khelf banner


[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-03-04 Mon

#5425. 本日の午後4時から「英語史クイズ」生放送 --- その前に過去の「英語史クイズ」で復習を! [voicy][heldio][notice][masanyan][khelf][helquiz][helfest][hel_herald]

 日々,英語史を広める英語史活動(hel活)を展開していますが,その1つの形式として「英語史クイズ」 (hel_herald) なるものがあります.その名の通りのクイズ企画です.
 本日午後4時から Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」にて「英語史クイズ」の生放送をお届けする予定です.本日は朝から晩まで,菊地翔太先生より専修大学生田キャンパスに会場をご用意いただき「helフェス」 (helfest) を開催する予定です.その中の1コーナーとして「英語史クイズ」イベントを午後4時から予定しており,すでに講師陣による出題のスタンバイが完了しています.
 ぜひ都合のつく方々は午後4時からの「英語史クイズ生放送」をライヴでお聴きください.たっぷり1時間ほどお届けします.会場もライヴですが,heldio をお聴きの皆さんもぜひライヴで回答,意見,質問,コメント,突っ込み等を「お便り」で投げ込んでていただけると盛り上がるかと思います.


heldio_helquiz_20240304.png



 英語史クイズはこれまでも頻繁に開催してきたわけではありませんが,hellog の関連記事でいえば次の3つほどが挙がります.

 ・ 「#4831. 『英語史新聞』2022年7月号外 --- クイズの解答です」 ([2022-07-19-1])
 ・ 「#5059. heldio 初の「英語史クイズ」」 ([2023-03-04-1])
 ・ 「#5087. 「英語史クイズ with まさにゃん」 in Voicy heldio とクイズ問題の関連記事」 ([2023-04-01-1])

 英語史クイズは,主に Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の企画として音声配信してきた経緯があります.今夕のイベントに先立って,ぜひ過去回を復習しておいていただければと思います.

 ・ 「#642. heldio 初の「英語史クイズ」」(2023/03/04配信)
 ・ 「#669. 英語史クイズ with まさにゃん」(2023/03/31配信)
 ・ 「#670. 英語史クイズ with まさにゃん(続編)」(2023/04/01配信)

 ぜひ皆さんライヴでご参加を! (都合がつかない方のために,後日アーカイヴ配信もする予定です.)

Referrer (Inside): [2024-03-06-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-03-03 Sun

#5424. 第7回 HiSoPra* 研究会のお知らせ [hisopra][academic_conference][notice][khelf][aokikun]

 2週間後の日曜日,3月17日の13:30--17:10に,オンライン(Zoom 利用)で歴史社会言語学・歴史語用論の研究会 HiSoPra* (= HIstorical SOciolinguistics and PRAgmatics) の第7回大会が開催されます.
 プログラムはこの記事の末尾,あるいはこちらの正式版 (PDF) をご覧ください.
 Zoom によるオンライン開催となりますので,参加には事前の申し込みが必要となります.3月14日(木)までに,こちらの Google フォームよりお申し込みください.3月15日(金)に Zoom のミーティング URL をお知らせします.
 今回の研究会には,日本語分野からの研究発表が1件,英語史・英語学分野からの研究発表が2件あります.また,第2部では「歴史社会言語学・歴史語用論研究の動向と文献紹介」と題する懇談会風のラウンドテーブルを予定しています.ラウンドテーブルでは,4名の方々が日本語,英語,ドイツ語の最新の HiSoPra 研究動向についてトークします.セッションの後半は,参加者皆さんとの情報共有の時間となります.肩の凝らないおしゃべり回となりそうです.
 過年度の HiSoPra* 研究会に関連する hellog 記事としては,hisopra をご覧ください.今回の第7回も,多くの方々の参加をお待ちしています!


第7回 HiSoPra* 研究会プログラム

2024年3月17日(日) オンライン開催

13:30 開会

第1部 研究発表

13:35--14:10   研究発表1   司会 堀江 薫(関西外国語大学)

 多田知子(青山学院大学)

  「「わけ(だ)」文法化の経緯」

14:15--14:50   研究発表2   司会 椎名美智(法政大学)

 青木 輝(慶應義塾大学大学院生)

  「英語の歴史におけるトートロジー --- その慣習性と使用に着目して」

14:55--15:30   研究発表3   司会 椎名美智(法政大学)

 高村 遼(立正大学)

  「間主観的な機能から談話を構成する機能へ --- 談話標識 well の共時的分析から」

 休憩

第2部 ラウンドテーブル

15:45--17:10

「歴史社会言語学・歴史語用論研究の動向と文献紹介」

司会 堀田隆一(慶應義塾大学)

 話題提供者 小野寺典子(青山学院大学)

  「談話標識の通時的研究の動向」

 話題提供者 東泉裕子(東洋大学)

  「漢語の歴史社会言語学・歴史語用論」

 話題提供者 家入葉子(京都大学)

  「Absolute Infinitive についての論文集の紹介」

 話題提供者 高田博行(学習院大学)

  「ドイツ語圏における歴史社会言語学・歴史語用論の動向」

17:10 閉会



[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-03-01 Fri

#5422. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さんをゲストにお迎えしての「言語学バル」が公開されています [inohota][yurugengogakuradio][notice][youtube]

 「#5394. 2月9日,ゆる学徒カフェにて,ゆる言語学ラジオ・水野太貴さんをゲストにお迎えして「いのほたチャンネル」の公開収録!」 ([2024-02-02-1]) で案内した通り,予定通りに公開収録終えました.その後編集を加えた動画が,一昨日の「いのほた言語学チャンネル」(旧「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」)最新回にて公開されています.「#210. 水野太貴さん(ゆる言語学ラジオ)再登場!ゆる学徒カフェにお邪魔してます!」です.28分30秒ほどの動画です.ぜひお時間のあるときにご覧ください.



 「言語学バル」の1シリーズとして水野さんをゲストにお迎えしたわけですが,収録場所はむしろ逆に我々がお呼ばれされたかのような具合で,池袋のゆる学徒カフェのスタジオにて収録させていただきました.30名ほどの聴衆の方々に温かく見守られながらの楽しいおしゃべりタイムとなりました.差し入れのシャンパンまで賜わり,それを味わいながらの収録でした.水野さん,聴衆の皆さん,カフェのスタッフ皆さんにお礼申し上げます.ありがとうございました.
 話題としては,カタカナ語から始まり,水野さんが番組作りのためにいかにして生成文法を学んだか,生成文法以降の言語学の潮流,「ゆる言語学ラジオ」のコンテンツがいかにして制作されているかなどに飛び,語源のトポスにまで至ります.今回は水野さんシリーズの第1回で,今後第4回まで続く予定です.毎週水曜日の午後6時をお楽しみに!
 水野さんを「言語学バル」にお呼びしたのは2度目のことです(1度目はまだ「言語学バル」という呼称はありませんでしたが).今回の配信と合わせて前シリーズの4回もご覧ください.

 ・ 第1弾 「#120. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さんにお越しいただきました!」(2023年4月19日)



 ・ 第2回 「#122. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さん登場!第2弾・語に始まって語に終わる」(2023年4月26日)
 ・ 第3回 「#124. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さん登場!第3弾・ゆる言語学ラジオはゆるくない!」(2023年5月3日)
 ・ 第4回 「#126. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さん登場!第4弾・水野さんから見たこのチャンネル?」(2023年5月10日)

 引き続き「ゆる言語学ラジオ」「いのほた言語学チャンネル」をよろしくお願いします!

Referrer (Inside): [2024-03-07-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-02-26 Mon

#5418. A Dictionary of Japanese Loanwords の前書きを読んでみよう [review][loan_word][japanese][lexicography][lexicology][dictionary][inohota][notice][oed]



 昨日,「いのほたチャンネル」(旧「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」)の最新動画が公開されました.「最初の日本語由来の英語は?いまや hikikomori や enjo kosai も!---外来語の諸相-「ナイター」「柿」【井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル 第209回】」です.英語に入った日本語単語の歴史を概説しています.馴染み深い日本語が多く出てくるので,入りやすい話題かと思いますが,れっきとした英語史の話題です.
 動画内では典拠として OED のほか,A Dictionary of Japanese Loanwords というおもしろい辞書を用いており,紹介もしています.この辞書については,最近の hellog でも「#5410. A Dictionary of Japanese Loanwords --- 英語に入った日本語単語の辞書」 ([2024-02-18-1]) にて取り上げていますので,そちらもご一読ください.


Toshie M. Evans, ed. ''A Dictionary of Japanese Loanwords''. Westport, Conn.: Greenwood, 1997.



 同辞書の冒頭の説明書きを読んでみましょう (ix--x) .

A Dictionary of Japanese Loanwords is a lexical index of terms borrowed from the Japanese language that are listed in standard English dictionaries and in publications that analyze new words. Therefore, this dictionary covers both the loanwords that have withstood the test of time and those whose test has just started.
   American standard dictionaries keep records of borrowings from the Japanese language; most of them, however, do not furnish quotations. A Dictionary of Japanese Loanwords adds a special contribution by providing illustrative quotations from many entries. These quotations were collected from books, newspapers, magazines, advertisements, and databases, all of which were published or distributed in the United States between 1964 and 1995. They give details about the entry, demonstrate how it is used in a natural context, and indicate the degree of its assimilation into American English.
   Recent studies report that Japanese is the second most productive source of new loanwords to English, which indicates that the English-speaking world is paying attention to Japan more closely than ever before. The entries and illustrative quotations present the aspects of Japan that Americans have been exposed to and have adopted. Karaoke, for example, first appeared in English in 1979, when English-speaking societies observed and read about a karaoke fever in Japan. Today, Americans find themselves enjoying karaoke. Karaoke showcase, a weekly television talent contest, appeared on 120 U.S. stations in June 1992. A phenomenon like this is shown in this book in the form of lexical entries.
   The impact that Japan has made on America covers all aspects of life: aesthetics, architecture, arts and crafts, astronomy, biology, botany, business management, clothing, economics, education, electronics, fine art, food and food technology, medicine, oceanography, pathology, philosophy, physics, politics, religion, sports, technology, trade, weaponry, zoology, and so on. Some entries are not accompanied by a quotation; nevertheless, when dictionaries record words they indicate that these words are somehow linked to people's everyday lives. A Dictionary of Japanese Loanwords is also meant to be fun to read. I hope that it will provide the meaning for Japanese words the reader has come across on many occasions, and that it will be an occasion for happy browsing.

    
     この辞書の魅力は,何よりも引用文が豊富なところ.まさに "happy browsing" に最適な「読める辞書」です.
    
 ・ Toshie M. Evans, ed. A Dictionary of Japanese Loanwords. Westport, Conn.: Greenwood, 1997.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-02-19 Mon

#5411. heldio で「文法化」を導入するシリーズをお届けしました [voicy][heldio][grammaticalisation][notice][hel_education][language_change][link]

 毎朝6時に,本ブログの姉妹版ともいえる音声ブログ Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」を配信しています.2024年の heldio のテーマは言語変化 (language_change) です.大きなテーマなので取り上げていく話題も多岐にわたりますが,避けて通れないものの1つに文法化 (grammaticalisation) があります.本ブログでも「#417. 文法化とは?」 ([2010-06-18-1]) を始めとして,多くの記事で注目してきました.
 先週,heldio にて5日連続で文法化の超入門となる話題をお届けしました.結果的に文法化の導入シリーズとなりました.こちらにリンクをまとめておきます.

 ・ 「#988. ぎゅうぎゅうの単語とすかすかの単語 --- 内容語と機能語」
 ・ 「#989. 内容語と機能語のそれぞれの特徴を比較する」
 ・ 「#990. 文法化とは何か?」
 ・ 「#991. while の文法化」
 ・ 「#992. while の文法化(続き)」
(以下,後記)
 ・ 「#1001. 英語の文法化について知りたいなら --- 保坂道雄(著)『文法化する英語』(開拓社,2014年)」
 ・ 「#1003. There is an apple on the table. --- 主語はどれ?」
(後記,ここまで)

 5回の話しはスムーズにつながっているので,順に聴いていただくとよいと思います.手っ取り早く聴きたいという方は,中心回となる「#990. 文法化とは何か?」だけでもシリーズの大枠はつかめると思います.



 もっと本格的に文法化を学びたいという方は,本ブログの grammaticalisation の各記事をご覧ください.特に重要な記事をいくつか挙げておきます.

 ・ 「#1972. Meillet の文法化」 ([2014-09-20-1])
 ・ 「#1974. 文法化研究の発展と拡大 (1)」 ([2014-09-22-1])
 ・ 「#1975. 文法化研究の発展と拡大 (2)」 ([2014-09-23-1])
 ・ 「#2575. 言語変化の一方向性」 ([2016-05-15-1])
 ・ 「#2576. 脱文法化と語彙化」 ([2016-05-16-1])
 ・ 「#3273. Lehman による文法化の尺度,6点」 ([2018-04-13-1])
 ・ 「#3272. 文法化の2つのメカニズム」 ([2018-04-12-1])
 ・ 「#3281. Hopper and Traugott による文法化の定義と本質」 ([2018-04-21-1])
 ・ 「#5124. Oxford Bibliographies による文法化研究の概要」 ([2023-05-08-1])

Referrer (Inside): [2024-02-28-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-02-17 Sat

#5409. 最近 Mond で6件の質問に回答しました [mond][sobokunagimon][heldio][hel_education][notice][link]

 ここ数日間で,知識共有サービス Mond に寄せられてきた英語史系の質問に6件ほど回答しました.こちらでもリンクを共有します(質問文の原文を短文に要約・編集してあります).新しい順に並べています.
 今朝お答えした8歳の娘さんからの最新の質問は,とりわけ強力でしたね,パンチが効いています.これまで私が受けたことのなかった英語に関する素朴な疑問で,刺激的でした.ありがとうございます!

 (1) boss ってなんで s がふたつなの?と8歳娘に質問されました.なんでですか?


Mond answer 20240217 re boss



 (2) 英語がラテン語から動詞を借用するとき,完了分詞形に基づいた語形を採用するのはなぜなのでしょうか?
 (3) Japan という単語の語源は?
 (4) who, what, where, when などに対して,なぜ how だけが wh- でなく h- で始まるのでしょうか?
 (5) 5文型の SVO などの V は「動詞」とされますが,「述語」が正しいのではないでしょうか?
 (6) なぜ動作を表わすはずの動詞に「状態動詞」なるものがあるのでしょうか?

 今回お答えした質問は,本ブログや Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」 で関連する話題を取り上げたり,詳しく解説してきたりしたものも多く,実際に回答のなかでいくつかリンクを張っていますので,合わせてご参照いただければと思います.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-02-09 Fri

#5401. 文法上の性について60分間の対談精読実況生中継をお届けしました [bchel][gender][oe][noun][category][voicy][heldio][notice][hel_education]


 去る2月6日(火)午後4時半より Voicy heldio にて「#983. B&Cの第42節「文法性」の対談精読実況生中継 with 金田拓さんと小河舜さん」を生放送でお届けしました.Baugh and Cable による英語史の古典的名著 A History of the English Language (第6版)を原書で精読するシリーズの一環です.今回は特別ゲストとして金田拓さん(帝京科学大学)と小河舜さん(フェリス女学院大学ほか)をお招きして,対談精読実況生中継としてお届けしました.上記は,昨日の通常配信でアーカイヴとして公開したものです.60分間の長丁場ですが,ぜひお時間のあるときにお聴きください.
 2月5日(月)には,この hellog 上でも予告編となる記事「#5397. 文法上の「性」を考える --- Baugh and Cable の英語史より」 ([2024-02-05-1]) を公開しました.そちらの記事では今回注目した第42節 "Grammatical Gender" の原文を掲載していますので,それを眺めながらお聴きいただければと思います.そこからは,英語史における性 (gender) の話題に注目した重要な記事へのリンクも張っています.
 早々に配信を聴いてくださったコアリスナーの umisio さんが,まとめノートを作ってこちらのページで公開されています.ぜひ予習・復習のおともにご参照ください.


umisio note 2024028



 heldio で B&C の英語史を精読するシリーズのバックナンバー一覧は「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]) でまとめています.全264節ある本の第42節にようやくたどり着いたところですので,まだまだ序盤戦です.皆さんには後追いでかまいませんので,このオンライン精読シリーズにご参加いただければ.まずは以下のテキストを入手してください!


Baugh, Albert C. and Thomas Cable. ''A History of the English Language''. 6th ed. London: Routledge, 2013.



 ・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-02-05 Mon

#5397. 文法上の「性」を考える --- Baugh and Cable の英語史より [bchel][gender][oe][noun][category][voicy][heldio][notice][hel_education][link]

 昨年7月より週1,2回のペースで Baugh and Cable の英語史の古典的名著 A History of the English Language (第6版)を原書で精読する Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」 (heldio) でのシリーズ企画を進めています.1回200円の有料配信となっていますが第1チャプターに関してはいつでも試聴可です.またときどきテキストも公開しながら無料の一般配信も行なっています.これまでのバックナンバーは「#5291. heldio の「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズが順調に進んでいます」 ([2023-10-22-1]) にまとめてありますので,ご確認ください.


Baugh, Albert C. and Thomas Cable. ''A History of the English Language''. 6th ed. London: Routledge, 2013.



 今までに41節をカバーしてきました.目下,古英語を扱う第3章に入っています.次回取り上げる第42節 "Grammatical Gender" は,古英語の名詞に確認される文法上の「性」,すなわち文法性 (gender) に着目します.以下に同節のテキストを掲載しておきます(できれば本書を入手していただくのがベストです).

42. Grammatical Gender. As in Indo-European languages generally, the gender of Old English nouns is not dependent on considerations of sex. Although nouns designating males are often masculine, and those indicating females feminine, those indicating neuter objects are not necessarily neuter. Stān (stone) is masculine, and mōna (moon) is masculine, but sunne (sun) is feminine, as in German. In French, the corresponding words have just the opposite genders: pierre (stone) and lune (moon) are feminine, while soleil (sun) is masculine. Often the gender of Old English nouns is quite illogical. Words like mægden (girl), wīf (wife), bearn (child, son), and cild (child), which we should expect to be feminine or masculine, are in fact neuter, while wīfmann (woman) is masculine because the second element of the compound is masculine. The simplicity of Modern English gender has already been pointed out as one of the chief assets of the language. How so desirable a change was brought about will be shown later.


 文法性に関する話題は hellog でも gender のタグを付した多くの記事で取り上げてきました.そのなかから特に重要な記事へのリンクを以下に張っておきます.

 ・ 「#25. 古英語の名詞屈折(1)」 ([2009-05-23-1])
 ・ 「#26. 古英語の名詞屈折(2)」 ([2009-05-24-1])
 ・ 「#28. 古英語に自然性はなかったか?」 ([2009-05-26-1])
 ・ 「#487. 主な印欧諸語の文法性」 ([2010-08-27-1])
 ・ 「#1135. 印欧祖語の文法性の起源」 ([2012-06-05-1])
 ・ 「#2853. 言語における性と人間の分類フェチ」 ([2017-02-17-1])
 ・ 「#3293. 古英語の名詞の性の例」 ([2018-05-03-1])
 ・ 「#4039. 言語における性とはフェチである」 ([2020-05-18-1])
 ・ 「#4040. 「言語に反映されている人間の分類フェチ」の記事セット」 ([2020-05-19-1])
 ・ 「#4182. 「言語と性」のテーマの広さ」 ([2020-10-08-1])

 ・ Baugh, Albert C. and Thomas Cable. A History of the English Language. 6th ed. London: Routledge, 2013.

Referrer (Inside): [2024-02-09-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-02-03 Sat

#5395. 2月24日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第4回「近代英語の綴字 --- 標準化を目指して」 [asacul][notice][writing][spelling][orthography][mode][standardisation][etymological_respelling][link][voicy][heldio][chancery_standard][spelling_reform]

 3週間後の2月24日(土)の 15:30--18:45 に,朝日カルチャーセンター新宿教室にてシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第4回となる「近代英語の綴字 --- 標準化を目指して」が開講されます.


2月24日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第4回「近代英語の綴字 --- 標準化を目指して」



 今回の講座は,全4回のシリーズの第4回となります.シリーズのラインナップは以下の通りです.

 ・ 第1回 文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり(春・4月29日)
 ・ 第2回 古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ(夏・7月29日)
 ・ 第3回 中英語の綴字 --- 標準なき繁栄(秋・10月7日)
 ・ 第4回 近代英語の綴字 --- 標準化を目指して(冬・2月24日)

 今度の第4回については,先日 Voicy heldio にて「#971. 近代英語の綴字 --- 2月24日(土)の朝カルのシリーズ講座第4回に向けて」として概要を紹介していますので,お聴きいただければ幸いです.



 これまでの3回の講座では,英語綴字の標準化の前史を眺めてきました.今回はいよいよ近現代における標準化の実態に迫ります.まず,15世紀の Chancery Standard に始まり,16世紀末から17世紀にかけての Shakespeare,『欽定訳聖書』,初期の英語辞書の時代を経て,18--19世紀の辞書完成に至るまでの時期に注目し,英単語の綴字の揺れと変遷を追います.その後,アメリカ英語の綴字,そして現代の綴字改革の動きまでをフォローして,現代英語の綴字の課題について論じる予定です.各時代の英単語の綴字の具体例を示しながら解説しますので,迷子になることはありません.
 本講座にご関心のある方は,ぜひこちらのページよりお申し込みください.講座当日は,対面のほかオンラインでの参加も可能です.また,参加登録されますと,開講後1週間「見逃し配信」を視聴できます.ご都合のよい方法でご参加いただければと思います.シリーズ講座ではありますが,各回の内容は独立していますので,今回のみの単発のご参加でもまったく問題ありません.なお,講座で用いる資料は,当日,参加者の皆様に電子的に配布される予定です.
 本シリーズと関連して,以下の hellog 記事,および Voicy heldio 配信回もご参照ください.

[ 第1回 文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり ]

 ・ heldio 「#668. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」(2023年3月30日)
 ・ hellog 「#5088. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」 ([2023-04-02-1])
 ・ hellog 「#5119. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」の第1回を終えました」 ([2023-05-03-1])

[ 第2回 古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ ]

 ・ hellog 「#5194. 7月29日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」」 ([2023-07-17-1])
 ・ heldio 「#778. 古英語の文字 --- 7月29日(土)の朝カルのシリーズ講座第2回に向けて」(2023年7月18日)
 ・ hellog 「#5207. 朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」を終えました」 ([2023-07-30-1])

[ 第3回 中英語の綴字 --- 標準なき繁栄 ]

 ・ hellog 「#5263. 10月7日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第3回「中英語の綴字 --- 標準なき繁栄」」 ([2023-09-24-1])
 ・ heldio 「#848. 中英語の標準なき綴字 --- 10月7日(土)の朝カルのシリーズ講座第3回に向けて」(2023年9月26日)

[ 第4回 近代英語の綴字 --- 標準化を目指して ]

 ・ heldio 「#971. 近代英語の綴字 --- 2月24日(土)の朝カルのシリーズ講座第4回に向けて」(2024年1月27日)

 多くの方々のご参加をお待ちしております.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-02-02 Fri

#5394. 2月9日,ゆる学徒カフェにて,ゆる言語学ラジオ・水野太貴さんをゲストにお迎えして「いのほたチャンネル」の公開収録! [inohota][yurugengogakuradio][notice]

 標題の通り,「いのほたチャンネル」(旧「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」)初の公開収録のお知らせです.1週間後の2月9日(金)の夜7:00より,池袋のゆる学徒カフェのスタジオにて,「ゆる言語学ラジオ」の水野太貴さんをお招きして公開収録します.チケット予約の受付が始まっています.公開収録イベントに参加をご希望の方は,ぜひこちらよりどうぞ.

 ・ いのほた言語学チャンネル公開収録 with 水野太貴
 ・ 開場 --- 19:00
 ・ 開演 --- 19:30
 ・ 終了 --- 21:30
 ・ 閉店 --- 23:00

 井上・堀田にとって,初めての公開収録(しかも「ゆる学徒カフェ」にて観客の方々にご同席いただきながら!)の初挑戦となります.ドキドキします.当日は水野さんに,言語学(を広めていくこと)への思いなどをたっぷり伺いたいと思っています.言語学・英語学・英語史のおもしろさを伝え,裾野を広げる活動を繰り広げる者として,たいへん楽しみにしています.
 過去の「いのほたチャンネル」への水野さん出演回については,以下をご覧ください.

 1. 「#120. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さんにお越しいただきました!」



 2. 「#122. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さん登場!第2弾・語に始まって語に終わる」
 3. 「#124. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さん登場!第3弾・ゆる言語学ラジオはゆるくない!」
 4. 「#126. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さん登場!第4弾・水野さんから見たこのチャンネル?」

 以上,イベントのお知らせでした.

Referrer (Inside): [2024-03-01-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-01-30 Tue

#5391. 「いのほたチャンネル」リニューアル初回は「グリムの法則」 [grimms_law][inohota][notice][comparative_linguistics][indo-european][germanic][sound_change]

 「#5388. YouTube 「いのほたチャンネル」で200回記念として初めてのライヴ配信を行ないました」 ([2024-01-27-1]) で紹介したように,記念すべき200回をライヴ配信でお届けしました.その後,300回に向けての新たな一歩として,一昨日の18時に第201回を配信しました.オープニングやエンディングを含め,いろいろとリニューアルしています(←すべて井上逸兵さんにお任せ)ので,ぜひご覧ください.
 言語学の古典・基本シリーズのつもりで,堀田がグリムの法則 (grimms_law) で有名なドイツの比較言語学者 Jacob Grimm (1785--1863) を紹介しています.「リニューアルしました!言語学者グリム兄弟の偉業とは?ーなぜ童話を収集?」です(14分ほどの動画).



 「グリムの法則」の入門というよりもグリム(兄弟)の入門という内容でしたが,今後は法則自体にも注目していきたいと思います.この hellog でも,すでに grimms_law の各記事で取り上げていますので,予習や復習に役立てていただければ.
 グリムの法則は,比較言語学的にも謎の多い音変化です.現代の比較言語学者 Ringe (93--94) の評を挙げておきましょう.

It remains unclear whether Grimm's Law was, in any sense, a unitary natural sound change, or a series of changes that need not have occurred together. It is true that no sound change can be shown to have occurred between any of the components of Grimm's Law; but since Grimm's Law was among the earliest Germanic sound changes, and since the other early changes that involved single non-laryngeal obstruents affected only the place of articulation and rounding of dorsals, that could be an accident. In any case, Grimm's Law is most naturally presented as a sequence of changes that counterfed each other.


 ・ Ringe, Don. From Proto-Indo-European to Proto-Germanic. Oxford: Clarendon, 2006.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-01-27 Sat

#5388. YouTube 「いのほたチャンネル」で200回記念として初めてのライヴ配信を行ないました [youtube][inohota][notice]

 1月24日(水)の19:00より,同僚の井上逸兵先生と運営しているYouTube 「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」で初のライヴ配信を試みました.200回記念としての挑戦企画でした.当日は無事にライヴ配信できたようで一安心.多くの方々に生で視聴していただき,多くのコメントもチャットを通じて寄せていただき,ありがとうございました.目下,アーカイヴ配信として視聴できますので,観ていない方はぜひどうぞ.「#200. 井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネルライブ配信」(64分ほどの配信です).



 200回記念の飲み会回ということで,英語学・言語学の話題は時折挟み込まれる程度で,実質的には雑談となっていますが,今後「いのほたチャンネル」(←公式の略称と決定しました)を続けていくにあたり様々な示唆を得ました.とりわけ寄せていただいたコメントからはおおいに刺激を受けました.チャットはまさにライヴ感満載という感じで楽しかったですね.「200回おめでとうございます」「家族でみています」「楽しそう」などのコメントをいただきましたが,2人は本当に楽しかったですヨ.また時折ライヴでお届けできればと.
 「いのほたチャンネル」は毎週(水)(日)の午後6時に配信しています.水曜日はゲストをお招きしての飲み会回「言語学バル」,日曜日は井上・堀田の2人による選りすぐりの英語学・言語学の話題をお届けしています.
 このチャンネルにゲスト出演してしてもよいという言語学界隈の方,ぜひお声がけください!

Referrer (Inside): [2024-07-19-1] [2024-01-30-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-01-16 Tue

#5377. YouTube で「近代言語学の祖」と称される Sir William Jones を紹介しました [youtube][notice][jones][indo-european][history_of_linguistics][link][comparative_linguistics][biography]

 昨年大晦日に井上・堀田の YouTube (いのほたチャンネル)で公開した「#193. インド・ヨーロッパ祖語という着想のどこがすごいのか?! --- 近代言語学の祖と言われる Sir William Jones はどのような人物?」がよく視聴されています.本ブログでもご紹介しましょう.



 Jones は,「比較言語学」 (comparative_linguistics) という近代的で科学的な言語学の扉を開いた人物として言語学史上に名を残しています.しかし,動画の中でも述べている通り,私が考える Jones の最大の功績は,共通の祖語(後の比較言語学で「印欧祖語」と呼ばれることになる言語)が今や失われているだろうと看破し喝破した点にあります.ヘブライ語やギリシア語など,ユダヤ・キリスト教と関わりの深い宗教的威信のある既存の言語のいずれでもなく,もう失われてしまった言語なのだろうと予言した慧眼に敬服します.
 この事情については,上記 YouTube のほか hellog や Voicy heldio でも取り上げてきましたので,合わせて参照していただければ

 ・ hellog 「#282. Sir William Jones,三点の鋭い指摘」 ([2010-02-03-1])
 ・ hellog 「#658. William Jones 以前の語族観」 ([2011-02-14-1])
 ・ hellog 「#1272. William Jones 以前の語族観 (2)」 ([2012-10-20-1])
 ・ hellog 「#3705. Sir William Jones」 ([2019-06-19-1])

 ・ heldio 「#352. Sir William Jones --- 語学の天才にして近代言語学・比較言語学の祖」(2022年5月18日配信)

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-01-15 Mon

#5376. Middle-earth は2重の勘違いを経た「民間語源」(解釈語源) [etymology][folk_etymology][literature][medievalism][rpg][notice][old_norse][mythology][oe]

 「#5356. 岡本広毅先生の NewsPicks のトピックス「RPGで知る西洋の歴史」」 ([2023-12-26-1]) で紹介した岡本広毅先生(立命館大学)による「RPGで知る西洋の歴史」では,次々と新しい記事が公開されてきています.昨晩公開された最新回は「RPGは「ロマンティック」?---知られざるロマンス史を紐解く①」です.roman, romance, romantic などの語源が解説されています.
 1回前の記事「『ファイナル・ファンタジー』と北欧神話---RPGを彩る伝承の物語」もおもしろいです.


「『ファイナル・ファンタジー』と北欧神話---RPGを彩る伝承の物語」



 この記事では J. R. R. Tolkien の作品に登場する妖精たちの世界 Middle-earth (中つ国)について,関連する「ミッドガル」とともに言及がなされています.

「ミッドガル」は『FFVII』に登場する科学文明の栄えた都市で,世界のエネルギー市場を支配する「神羅カンパニー」という大企業の本拠地でした.薄暗いネオン街や高層ビル,魔晄炉と呼ばれる発電施設など,近未来風の佇まいからは太古の神話世界とのつながりを想像することは容易ではありません.ただ,「ミッドガル」とは明らかに古い北欧語「ミズガルズ」("Miðgarðr") から取られたもので,これは北欧神話における人間の住まう領域を指します(巨人ユミルのまつ毛で作られた「囲い」).ミッドガルに渦巻く欲望や策略は「人間」の本性の一面と関わりますし,都市の荒廃や破壊,再生といったストーリー展開なども神話と重なり合います.なお,J.R.R.トールキン『ホビット』や『指輪物語』の舞台「ミドル・アース」("Middle-earth"「中つ国」)はミズガルズの現代英語版です.北欧とイングランドの人々の民族的ルーツは共通の祖先(ゲルマン人)へと遡るため,北欧神話は英語話者の故郷の物語でもあるのです.


 Middle-earth の由来をさらに詳しく調べてみると,どうやら古ノルド語 miðgarðr とは妙なねじれの関係にあるようです.後者は,古英語期より2回ほど民間語源 (folk_etymology) による変形を受けて,今の形にたどりついているのです.
 古英語には「世界」を意味する middangeard という語がありました.現代風に示すと "mid(dle)" + "yard" という語形成で,原義は「中庭」ほどです.これは古ノルド語 miðgarðr の語形成とも一致します.
 ところが,すでに古英語期より middangeard の第2要素が geard 「庭」ではなく,音形の似た eard 「故郷,祖国」と取り違えられ,形態上の混乱が起こりました(第1の民間語源).さらに中英語期になると,今度はこの eard がやはりよく似た音形の erthe (> earth) 「地,世界」と取り違えられました(第2の民間語源).ちなみに歴史的に第2要素として用いられてきた上記の3つの語は,互いに語源的には無関係です.
 Middle-earth の民間語源による2回のひねりに関しては,Fertig (60) が触れています.

The compound middle earth (re-popularized but by no means invented by Tolkien) can be traced back to early Middle English middelærde and OE middangeard and midanærd. Comparison with related words in other older Germanic languages, such as Old Saxon middilgard, Old High German mittilagart and Old Norse miðgarðr suggests that the second element originally corresponded to the Modern English word yard. We then see two successive folk-etymological identifications of this element, first with the Old English word eard '(native) land, home', then later with earth.


 なお,「民間語源」という用語とその呼称をめぐっては「#5180. 「学者語源」と「民間語源」あらため「探究語源」と「解釈語源」 --- プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) の最新回より」 ([2023-07-03-1]) を参照していただければ.

 ・ Fertig, David. Analogy and Morphological Change. Edinburgh: Edinburgh UP, 2013.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-01-14 Sun

#5375. 榎木薗鉄也先生とインド英語について対談しました [voicy][heldio][notice][world_englishes][we_nyumon][indian_english]

 年末の12月29日,『World Englishes 入門』を紹介する Voicy heldio のシリーズ企画の一環として,インド英語をご専門とする榎木薗先生(元中京大学)との対談回として「#942. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 榎木薗鉄也先生とのインドの英語をめぐる対談」を配信しました.
 その後,榎木薗鉄也先生とは肩の凝らないアフタートークも収録しまして,このたび「#954. インド英語を語る --- 榎木薗鉄也先生との対談」として公開しました.30分超の対談回ですが,お聴きになるとますますインド英語が身近になり,インド英語に関心を抱くのではないかと思います.



 榎木薗先生は40年の研究歴をもつ筋金入りのインド英語通で,昨年には『インド英語のリスニング〈新装版〉』(研究社)も出版されています.
 グローバルサウスの盟主としてのインドの国際的な存在感は高まっており,インドの人々の話す英語もまた国際的な認知度が上がっています.日本では英米変種のブランドとしての地位が確立しており,インド英語はあくまで二流という位置づけで捉えられてきた経緯がありますが,21世紀が進むにつれ,従来のそのような捉え方は変わってくるかもしれません.今後インド英語とその地位の変化については,英語史的にも目が離せません.ぜひ「英語」ではなく「世界英語」 (world_englishes) という広い枠組みで,英語(変種)を眺めてみてください.皆さんの英語世界,さらに言語世界が,ぐんと拡がるはずです.


大石 晴美(編) 『World Englishes 入門』 昭和堂,2023年.



 ・ 大石 晴美(編) 『World Englishes 入門』 昭和堂,2023年.

Referrer (Inside): [2024-05-19-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-01-04 Thu

#5365. 「インドの英語」をめぐって榎木薗鉄也先生と対談 --- 大石晴美(編)『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年)の第4章 [voicy][heldio][review][notice][world_englishes][we_nyumon][indian_english][esl]

 年末の12月29日,10月に昭和堂から出版された『World Englishes 入門』を紹介する Voicy heldio のシリーズ企画の一環として「#942. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 榎木薗鉄也先生とのインドの英語をめぐる対談」を配信しました.榎木薗先生(元中京大学)は,本書の第4章「インドの英語」の著者の1人です(もう1方は加藤拓由先生).33分ほどの音声コンテンツとなっています.お時間のあるときにお聴きください.



 今回ご紹介いただいた第4章「インドの英語」 (pp. 69--84) は,以下の構成となっています.章末には「研究テーマ」コーナーと参考文献が付されています.



1 インドの地理と言語的多様性
   コラム インドの武術とアーユルヴェーダー
2 インドの教育と英語
   (1) 教育制度
   (2) 三言語方式語彙
   (3) インドと日本の初等英語教育
      - 文字の積極的活用
      - 多様な活動中心の教材
      - 書く事への段階的な指導
   コラム ガンジーと孫娘の素敵なエピソード
3 インドの未来と英語教育
   コラム インド人と映画
4 インド英語の特徴
   (1) 発音
   (2) 語彙
   (3) 文法
   (4) 表現




 インドでは日本や韓国とは比べものにならないくらい英語が出世のための必須のスキルとして認識されており,英語教育の過熱化が激しく起こっていることについては考えさせられました.グローバルサウスの盟主とされ,世界で最も英語話者人口が多いインドと,この国の言語事情については,今後も目を光らせていく必要がありそうです.インド英語については hellog より indian_english の記事群もご参照ください.
 『World Englishes 入門』関連の heldio 配信回を以下にまとめておきます.関連の hellog 記事については we_nyumon よりどうぞ.

 ・ 「#865. 世界英語のお薦め本の紹介 --- 大石晴美(編)『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年)
 ・ 「#869. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 和田忍さんとの対談」
 ・ 「#883. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 今村洋美先生とのアメリカ・カナダ英語をめぐる対談」
 ・ 「#901. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 梅谷博之先生とのモンゴルの英語をめぐる対談」
 ・ 「#925. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 小林めぐみ先生との韓国の英語をめぐる対談」
 ・ 「#942. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 榎木薗鉄也先生とのインドの英語をめぐる対談」

 近日中に,榎木薗鉄也先生との対談のアフタートークも heldio よりお届けする予定です.ぜひそちらも楽しみにしていただければ.


大石 晴美(編) 『World Englishes 入門』 昭和堂,2023年.



 ・ 大石 晴美(編) 『World Englishes 入門』 昭和堂,2023年.

Referrer (Inside): [2024-05-19-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-01-03 Wed

#5364. 今年はパワーアップしていきます,Voicy heldio のプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) [voicy][heldio][helwa][hel_education][link][notice]


プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」



 今年も毎朝6時に,本ブログのラジオ版ともいうべき Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」 (heldio)をお届けしています.この heldio には,有料版のプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) があります.昨年6月2日に開設したサロン風チャンネルで,毎週火木土の夕方6時にお届けしています.今年の初回配信は昨晩「【英語史の輪 #75】2023年 heldio の推し配信回の投票結果,について講評の続き」として配信しました.
 helwa には目下40名ほどのコアリスナーの皆さんに参加していただいており,楽しく学んだり,おしゃべりしたり,会ったり,飲んだりしています.月ごとのサブスクリプションで,月額800円となっています(Voicy アプリ経由では手数料がかかってさらに高くなりますので,ウェブブラウザ経由でご参加下さい).
 年が改まりまして,helwa ではこの1月より初月無料の試聴サービスを提供しています.日々 heldio の通常配信をお聴きの方々のなかには,プレミアム限定チャンネルは気になっていたけれど課金して参加するにはハードルが高い,まずはどんな雰囲気なのか試聴してみたい,という方もいらっしゃるかもしれません.ぜひこの1ヶ月のあいだ試聴していただき,続けてもよいと思った場合には2月以降もお付き合いいただければと思います.そうでなければ辞めていただくということで,まったくけっこうです.
 helwa の運営方針は開設時より変わっていません.基本は「英語史をお茶の間に」をモットーとし,収益は「hel活」(英語史活動)にほぼすべて充てています.以下の記事をご参照いただければ.

 ・ 「#5145. 6月2日(金),Voicy プレミアムリスナー限定配信の新チャンネル「英語史の輪」を開始します」 ([2023-05-29-1])
 ・ 「#5150. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」がオープン!」 ([2023-06-03-1])
 ・ 「#5301. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) の5ヶ月の軌跡」 ([2023-11-01-1])
 ・ 「#5330. 11月の「英語史の輪」 (helwa) の振り返り --- Voicy のプレミアムリスナー限定配信チャンネル」 ([2023-11-30-1])

 最近の helwa コミュニティ内部の傾向としては,多くのプレミアムリスナーの方々がボランティアで「hel活」を推し進めてくれること,コミュニティ内の全体的な英語史リテラシーの増強により私の話題が先取りされてしまう(!)機会が増えたこと,オンラインや対面のオフ会の頻度が高まってきたこと,などが挙げられます.
 実際,次の交流の機会として,明後日の1月5日(金)の 19:00--20:00 に helwa オンライン新年会を開催する予定です.heldio/helwa 出演経験のある研究者や khelf(慶應英語史フォーラム)メンバーも加わり,貴重な交流の機会になると思います.
 昨年12月分の helwa の全13回が出そろっていますので,そのバックナンバーへリンクを張っておきます.

 ・ 【英語史の輪 #62】helwa は本当に輪が広がるワ (2023/12/02)
 ・ 【英語史の輪 #63】語彙関係 (2023/12/05)
 ・ 【英語史の輪 #64】明日の helwa 忘年会ヨロシク! その他諸々も! (2023/12/07)
 ・ 【英語史の輪 #65】英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む (32) The Germanic Conquest --- Taku さんとの実況中継(後半) (2023/12/09)
 ・ 【英語史の輪 #66】博士論文とファイル名 (2023/12/12)
 ・ 【英語史の輪 #67】同音異義語 count (2023/12/14)
 ・ 【英語史の輪 #68】今朝の中学生からの生の声をもっとお届け! (2023/12/16)
 ・ 【英語史の輪 #69】get medieval の続き (2023/12/19)
 ・ 【英語史の輪 #70】なぜ英語史に関心を持ったの? --- 村岡宗一郎さん,藤原郁弥さんとの対談 (2023/12/21)
 ・ 【英語史の輪 #71】年末年始の heldio/helwa イベントのお知らせ (2023/12/23)
 ・ 【英語史の輪 #72】抽象名詞を作る -ity (2023/12/26)
 ・ 【英語史の輪 #73】年末の雑談回 (2023/12/28)
 ・ 【英語史の輪 #74】2023年の helwa 10大ニュース (2023/12/30)

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-01-02 Tue

#5363. 2023年のリスナー投票による heldio の推し配信回ベスト10が決定! [voicy][heldio][notice][ranking][link]



 年末に「#5358. 2023年 heldio の推し配信回は? --- ぜひ投票をお願いします」 ([2023-12-28-1]) の記事で呼びかけていた通り,昨年中にお届けした heldio 配信回のなかから人気回を決めるリスナー投票を実施しました.大晦日の夜に締め切りましたが,38名の方による投票がありました.投票してくださった方々には御礼申し上げます.
 では,投票結果です.1人10個まで選択できるという投票形式でしたが,以下の通りとなりました.上位7位までの計25回分を掲載しています.さらに詳しくは Slido での投票結果,あるいは本記事のソースHTMLをご覧ください.
 また本記事冒頭に掲げた今朝の heldio 配信回「#946. 2023年 heldio の推し配信回の投票結果を発表」では,声で投票結果の講評をお届けしていますので,そちらもお聴きいただければ.




1. 「#822. ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 1 with 小河舜さん and まさにゃん」 (29%)
2. 「#875. 『英語語源辞典』を読むシリーズ (1) --- 藤原くんと foot を語る」 (24%)
3. 「#667. 五所万実さんとの対談 --- 商標言語学とは何か?」 (21%)
4. 「#783. 古英詩の傑作『ベオウルフ』 (Beowulf) --- 唐澤一友さん,和田忍さん,小河舜さんと飲みながらご紹介」 (18%)
5. 「#729. なぜ英語を学ばなければならないの? --- 中学生のための英語史」 (16%)
5. 「#759. Wulfstan て誰? --- 小河舜さんとの対談【第1弾】」 (16%)
5. 「#797. 唐澤一友さんに Beowulf のことを何でも質問してみました with 和田忍さん and 小河舜さん」 (16%)
5. 「#828. 『英語語源辞典』(研究社,1997年)ってスゴい --- 研究社会議室での対談 (1)」 (16%)
5. 「#934. 『シェイクスピア,それが問題だ!』(大修館,2023年) --- 著者の井出新先生との対談」 (16%)
6. 「#602. なぜ両足で歩くのに on feet ではなくて on foot なの?」 (13%)
6. 「#661. book と beech --- 本とブナの関係は?」 (13%)
6. 「#670. 英語史クイズ with まさにゃん(続編)」 (13%)
6. 「#865. 世界英語のお薦め本の紹介 --- 大石晴美(編)『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年)」 (13%)
6. 「#901. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 梅谷博之先生とのモンゴルの英語をめぐる対談」 (13%)
7. 「#598. メタファーとは何か? 卒業生の藤平さんとの対談」 (11%)
7. 「#624. 「沈黙」の言語学」 (11%)
7. 「#669. 英語史クイズ with まさにゃん」 (11%)
7. 「#671. 五所万実さんとの対談 --- 商標の記号論的考察」 (11%)
7. 「#735. 古英語音読 --- マタイ伝「種をまく人の寓話」より毒麦の話」 (11%)
7. 「#776. 「言語は○○である」 --- 初のリスナー参加の生放送企画」 (11%)
7. 「#809. 「言語化」という表現が流行っているようですが」 (11%)
7. 「#829. ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 2 with 小河舜さん and まさにゃん」 (11%)
7. 「#836. ゼロから学ぶはじめての古英語 --- Part 3 with 小河舜さん and まさにゃん」 (11%)
7. 「#869. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 和田忍さんとの対談」 (11%)
7. 「#883. 著者と語る『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年) --- 今村洋美先生とのアメリカ・カナダ英語をめぐる対談」 (11%)



 

最上位にはシリーズものや対談回が多くランクインしました.とりわけベスト5辺りまでの配信回については,2024年にもシリーズとして継続して関連回を配信して欲しい,というリスナーさんからの声と理解してよろしいでしょうか.ぜひ検討していきたいと思います.全体として,本紹介や「素朴な疑問」を扱った回も人気のようです.投票結果の一覧のなかで,まだお聴きでない配信回がありましたら,ぜひこのお正月にでも聴取してお楽しみください.
 投票されたリスナーの皆さんからの選評については,12月25日の heldio 配信回「#938. 2023年 heldio の推し配信回の投票を!」のコメント欄も覗いてみてください.
 リスナー umisio さんによる note より,以下の記事も参考になります.

 - 「令和5年 (2023年) の heldio を振り返る 第1四半期(1--3月)編」
 - 「令和5年 (2023年) の heldio を振り返る 第2四半期(4--6月)+7月 まるでカンブリア紀!?」
 - 「令和5年 (2023年) の heldio を振り返る 第3四半期(8--9月) ※7月は前回に含めた」
 - 「令和5年(2023年)の heldio を振り返る 第4四半期(9--12月)」

 2024年の heldio でも有益な配信回をお届けしていきます.どうぞお付き合いください!

Referrer (Inside): [2024-04-14-1] [2024-01-09-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2024-01-01 Mon

#5362. 2023年によく読まれた hellog 記事は? [notice][ranking][link]

 謹賀新年.本年も「英語史をお茶の間に」をモットーに,英語史の魅力を広く伝える啓蒙活動「hel活」を展開していきます.こちらの「hellog~英語史ブログ」を引き続き毎日お届けしていくほか,姉妹版・音声版の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」 も毎朝6時に更新していきます.
 年初ということで,昨年の hellog の振り返りをします.これまでの全記事を対象に,昨年1年間で最もよく読まれた記事は12月30日付のアクセス・ランキング (access ranking) のトップ500記事をご覧いただければと思います.過年度版は「#4997. 2022年によく読まれた記事」 ([2023-01-01-1]),「#4632. 2021年によく読まれた記事」 ([2022-01-01-1]),「#4267. 2020年によく読まれた記事」 ([2021-01-01-1]),「#3901. 2019年によく読まれた記事」 ([2020-01-01-1]) をご参照ください.
 以下は,2023年に執筆・公開された記事に限定して,どの記事が最もよく読まれたかのランキングとなります.お正月の読み物としてどうぞ.まとめ読みしたい方はこちらの記事セットから.

 ・ 「#5098. 英語史を学び始めようと思っている方へ hellog と heldio のお薦め回一覧(2023年度版)」 ([2023-04-12-1]) (2083)
 ・ 「#5142. 「ペレヒル」と「十五円五十銭」」 ([2023-05-26-1]) (1672)
 ・ 「#5099. 2023年度の「英語史」講義が始まります --- 慶應義塾大学文学部英米文学専攻の必修科目」 ([2023-04-13-1]) (849)
 ・ 「#5065. 自然言語処理 (NLP) の基本タスク」 ([2023-03-10-1]) (817)
 ・ 「#5009. なぜバーナード・ショーの綴字ネタ「ghoti = fish」は強引に感じられるのか?」 ([2023-01-13-1]) (751)
 ・ 「#5047. 「大航海時代略年表」 --- 『図説大航海時代』より」 ([2023-02-20-1]) (621)
 ・ 「#5097. hellog の読み方(2023年度版)」 ([2023-04-11-1]) (576)
 ・ 「#5152. 古英語聖書より「種をまく人の寓話」 --- 毒麦の話」 ([2023-06-05-1]) (554)
 ・ 「#5094. 英語史概説書等の書誌(2023年度版)」 ([2023-04-08-1]) (508)
 ・ 「#5041. 英語帝国主義の議論のために」 ([2023-02-14-1]) (402)
 ・ 「#5031. 接尾辞 -ism の起源と発達」 ([2023-02-04-1]) (393)
 ・ 「#5154. なぜ height はこの綴字でこの発音なの?」 ([2023-06-07-1]) (355)
 ・ 「#5145. 6月2日(金),Voicy プレミアムリスナー限定配信の新チャンネル「英語史の輪」を開始します」 ([2023-05-29-1]) (347)
 ・ 「#5147. 「ゆる言語学ラジオ」出演第3回 --- 『ジーニアス英和辞典』第6版を読む回で触れられた諸々の話題」 ([2023-05-31-1]) (323)
 ・ 「#5125. 「ゆる言語学ラジオ」初出演回で話題となった縦棒16連発の単語 --- unmummied」 ([2023-05-09-1]) (315)
 ・ 「#5205. Baugh and Cable の英語史概説書を1節ずつ読み進めながら Voicy heldio で自由にコメントしていく試みを始めています」 ([2023-07-28-1]) (296)
 ・ 「#5026. 接尾辞 -age」 ([2023-01-30-1]) (268)
 ・ 「#5132. なぜ be going to は未来を意味するの? --- 「文法化」という観点から素朴な疑問に迫る」 ([2023-05-16-1]) (254)
 ・ 「#5268. 大石晴美(編)『World Englishes 入門』(昭和堂,2023年)」 ([2023-09-29-1]) (254)
 ・ 「#5166. 秋元実治(編)『近代英語における文法的・構文的変化』(開拓社,2023年)」 ([2023-06-19-1]) (242)
 ・ 「#5210. 世界最強の英語語源辞典 --- 寺澤芳雄(編集主幹)『英語語源辞典』(研究社,1997年)」 ([2023-08-02-1]) (231)
 ・ 「#4997. 2022年によく読まれた記事」 ([2023-01-01-1]) (212)
 ・ 「#5052. none は単数扱いか複数扱いか?」 ([2023-02-25-1]) (206)
 ・ 「#5240. Voicy heldio で「ゼロから学ぶはじめての古英語」シリーズが始まりました」 ([2023-09-01-1]) (201)
 ・ 「#5168. なぜアメリカで "spelling bee" が大人気なのか?」 ([2023-06-21-1]) (196)
 ・ 「#5111. チョーサーによるブルトン・レ「地方地主の話の序」を読む」 ([2023-04-25-1]) (193)
 ・ 「#5171. 3人称複数代名詞 we, you, they の総称的用法」 ([2023-06-24-1]) (192)
 ・ 「#5172. なぜ印欧祖語には母音交替があったのか?」 ([2023-06-25-1]) (179)
 ・ 「#5167. なぜ18世紀に規範文法が流行ったのですか?」 ([2023-06-20-1]) (170)
 ・ 「#5110. 国立西洋美術館「憧憬の地 ブルターニュ展」訪問に向けての予習」 ([2023-04-24-1]) (166)
 ・ 「#5223. 『英語史新聞』第6号が発行されました」 ([2023-08-15-1]) (166)
 ・ 「#5120. 井上・堀田の YouTube --- ゆる言語学ラジオ・水野太貴さんのゲスト回第3弾」 ([2023-05-04-1]) (165)
 ・ 「#5194. 7月29日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」」 ([2023-07-17-1]) (163)
 ・ 「#5151. 日本語反対語辞典の「まえがき」より」 ([2023-06-04-1]) (162)
 ・ 「#5196. 「ゆる言語学ラジオ」出演第4回 --- 『英単語ターゲット』より英単語語源を語る回」 ([2023-07-19-1]) (161)
 ・ 「#5093. heldio の聴き方(2023年度版)」 ([2023-04-07-1]) (160)
 ・ 「#5202. 他動性 (transitivity) とは何か?」 ([2023-07-25-1]) (158)
 ・ 「#5139. 英語史において「ケルト語仮説」が取り沙汰されてきた言語項」 ([2023-05-23-1]) (154)
 ・ 「#5267. 言語におけるアイコン性について考えてみませんか?」 ([2023-09-28-1]) (152)
 ・ 「#5020. 2022年度,英語史の授業を通じて何を学びましたか?」 ([2023-01-24-1]) (147)
 ・ 「#5010. 『中高生の基礎英語 in English』の連載第23回「なぜ現在分詞と動名詞は同じ -ing で表されるの?」」 ([2023-01-14-1]) (146)
 ・ 「#5167. なぜ18世紀に規範文法が流行ったのですか?」 ([2023-06-20-1]) (142)
 ・ 「#5261. 研究社会議室での3回にわたる『英語語源辞典』をめぐるインタビューが完結」 ([2023-09-22-1]) (142)
 ・ 「#5238. 「言語化」という表現が流行っているようですが」 ([2023-08-30-1]) (132)
 ・ 「#5353. 2023年の heldio 配信回のランキング --- リスナー数編」 ([2023-12-23-1]) (132)
 ・ 「#5012. When Adam delved and Eve span, who was then the gentleman? --- John Ball の扇動から生まれた諺」 ([2023-01-16-1]) (131)
 ・ 「#5183. なぜ「文法の謎」があるのか?」 ([2023-07-06-1]) (130)
 ・ 「#5146. 強調構文の歴史に関するコンテンツを紹介」 ([2023-05-30-1]) (129)
 ・ 「#5187. 固有名詞学のハンドブック」 ([2023-07-10-1]) (123)
 ・ 「#5206. Beowulf の冒頭11行を音読」 ([2023-07-29-1]) (123)

 新年は学び始めにふさわしい時期です.英語史に関心をもった方,さらに関心をもちたい方は「#5098. 英語史を学び始めようと思っている方へ hellog と heldio のお薦め回一覧(2023年度版)」 ([2023-04-12-1]) とそこからリンクを張っている記事群をご参照ください.
 なお,昨年の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」 の聴取ランキングは「#5353. 2023年の heldio 配信回のランキング --- リスナー数編」 ([2023-12-23-1]) にて取り上げています.
 本年も,hellog, heldio ともにお付き合いのほど,よろしくお願いいたします.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

Powered by WinChalow1.0rc4 based on chalow