「ゆる言語学ラジオ」からこちらの「hellog~英語史ブログ」に飛んでこられた皆さん,ぜひ
(1) 本ブログのアクセス・ランキングのトップ500記事,および
(2) note 記事,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の人気放送回50選
(3) note 記事,「ゆる言井堀コラボ ー 「ゆる言語学ラジオ」×「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」×「Voicy 英語の語源が身につくラジオ (heldio)」」
をご覧ください.
この記念すべき初出演回に合わせて,当日,3つほど関連するコンテンツを発信しました.「ゆる言語学ラジオ」との馴れ初めその他の雑談風の話題が多いですが,ご関心のある方はぜひどうぞ.
(1) 本ブログの記事 「#5122. 本日公開の「ゆる言語学ラジオ」に初ゲスト出演しています」 ([2023-05-06-1])
(2) Voicy heldio 放送回 「#705. ゆる言語学ラジオにお招きいただき初めて出演することに!」
(3) note 記事 「ゆる言井堀コラボ ー 「ゆる言語学ラジオ」×「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」×「Voicy 英語の語源が身につくラジオ (heldio)」」
さて,上記の初出演回では <i, n, m, u> などの縦棒 (minim) で主として構成される「怒れる」単語として unmummied を紹介しました.元ネタは本ブログの「#4134. unmummied --- 縦棒で綴っていたら大変なことになっていた単語の王者」 ([2020-08-21-1]) で取り上げています.英語史では,縦棒に関する驚きの話題は尽きませんが,今朝の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」でいくつか話していますので,ぜひお聴きいただければ.「#708. unmummied --- 「ゆる言語学ラジオ」初出演回で話題となった縦棒16連発を記録した単語」です.
本日5月9日(火)中に「ゆる言語学ラジオ」の最新回として上記の続編が配信される予定です.英語史の立場からみて,さらに凄まじい単語を多く挙げています.公開されましたら,ぜひそちらもご視聴いただければと思います.
水野太貴さんと堀元見さんがパーソナリティを務める YouTube/Podcast の人気チャンネル「ゆる言語学ラジオ」の最新動画が,本日アップされました.今回から5月9日(火)の次回にかけての2回にわたり,私,堀田隆一がゲストとして出演し,お2人のトークに絡む形で英単語の語源の話しなどをしています.タイトルは「歴史言語学者が語源について語ったら,喜怒哀楽が爆発した【喜怒哀楽単語1】#227」です.
こちらの回の収録は3月下旬のことでした.そのときの収録裏話や「ゆる言語学ラジオ」さんとの馴れ初め(?)なども含めて,今朝の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」にて独り語りしています.皆さんに楽しくお聴きいただけるのではないかと.「#705. ゆる言語学ラジオにお招きいただき初めて出演することに!」です.
「ゆる言語学ラジオ」ファンの方々には,私がやはり本日アップした note 記事「ゆる言井堀コラボ ー 「ゆる言語学ラジオ」×「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」×「Voicy 英語の語源が身につくラジオ (heldio)」」もご一読いただければと思います.
「ゆる言語学ラジオ」最新回で私が提供した話題のうち cow/beef/butter/buffalo や unmummied については,本ブログでも取り上げてきています.関心をもった方は以下 hellog 記事や heldio 放送回で理解を深めていただければと思います.
・ heldio 「#335. cow と beef と butter が同語根って冗談ですか?」
・ hellog 「#1151. 多くの謎を解き明かす軟口蓋唇音」 ([2012-06-21-1])
・ hellog「#4134. unmummied --- 縦棒で綴っていたら大変なことになっていた単語の王者」 ([2020-08-21-1])
「ゆる言語学ラジオ」は YouTube で18.8万人,Podcast で3万人のフォロワーを擁する言語界隈では怪物のようなチャンネルです.今回このビッグチャンネルにお呼びいただきまして,これを機に英語史というマイナーな分野の存在が,少しでも多くの視聴者の方々に知られるようになればと期待しています.水野さん,堀元さん,ありがとうございました!
「ゆる言語学ラジオ」は,実は Voicy 版もあります.その点では同業者(?)ですね.このたびの最新回はこちらから聴取できます.
なお Voicy 放送は,以下からダウンロードできるアプリ(無料)を使うとより快適に聴取できますので,ぜひご利用ください.
昨日5月3日(水)の夕方6時に,「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」の最新回が公開されました.今回は,コトバをテーマとする YouTube/Podcast の人気トーク・チャンネル『ゆる言語学ラジオ』のパーソナリティの1人,水野太貴さんをゲストとしてお迎えしています(もう1人のパーソナリティは堀元見さんです).水野さんとの飲み会対談シリーズも第3弾となりました.「#124. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さん登場!第3弾・ゆる言語学ラジオはゆるくない!」です.過去の2回と合わせてご覧ください.水野さんとの対談シリーズは来週まで続きます.
・ 第1弾 「#120. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さんにお越しいただきました!」(4月19日)
・ 第2弾 「#122. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さん登場!第2弾・語に始まって語に終わる」(4月26日)
・ 第3弾 「#124. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さん登場!第3弾・ゆる言語学ラジオはゆるくない!」(5月3日)
ゆる言語学ラジオのお二人による初の著書『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ 言語沼』(あさ出版,2023年)が好評発売中です.先日 Voicy heldio にて 「#689. 『言語沼』 --- ゆる言語学ラジオから飛び出した言語本」と題して本書を音声で紹介しましたので,そちらもお聴きください.
そして,今朝の Voicy heldio でも,『言語沼』でなされている母音に関する紙上トークにインスピレーションを受け,「#703. 母音「あいうえお」入門 --- ゆる言語学ラジオ(著)『言語沼』にインスピレーションを受けてを配信しています.音声学入門の入門としてお聴きいただければ.
なお,明後日5月6日(土)に公開予定の『ゆる言語学ラジオ』の最新回では,今度は私のほうがゲストとして出演させていただくことになっています.ぜひそちらもご期待いただければと.
去る4月29日(土),朝日カルチャーセンター新宿教室にて新シリーズ講座「文字と綴字の英語史」がオープンしました.向こう1年ほどかけて春夏秋冬の全4回,英語の文字と綴字の歴史についてお話ししていきます.
初回は「文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり」と題して,文字の起源と発達,とりわけアルファベットの世界的拡がりを概観しました.2回目以降,英語の綴字の話題を本格的に導入していくことになりますが,初回はその下準備として,そもそも文字とは何かを問い,文字の役割・種類・歴史について議論しました.
当日は,新宿教室での対面およびオンラインにて多くの方に参加していただきました.ありがとうございます.講座中にご質問を寄せていただいたのみならず,講座後も居残りで文字の話題で盛り上がりました.次回以降もよろしくお願いいたします.
今後開講する各回は互いに関連しつつも独立していますので,ご関心のある回のみの参加でも問題ありません.日時の都合が付かない場合でも,申し込みいただけますと後日アーカイブ動画(1週間限定配信)にアクセスできるようになりますので,そちらの利用もご検討ください.
シリーズ全体の概要を以下に示します.
アルファベットは現代世界で最も広く用いられている文字体系であり,英語もそれを受け入れてきました.しかし,そのような英語もアルファベットとは歴史の過程で出会ったものにすぎず,綴字として手なずけていくのに千年以上の年月を要しました.本講座では,英語が文字や綴字と格闘してきた歴史をたどります.
全4回のタイトルは以下の通りです.
・ 第1回 文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり(春・4月29日に開講済み)
・ 第2回 古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ(夏・7月29日に開講予定)
・ 第3回 中英語の綴字 --- 標準なき繁栄(秋・未定)
・ 第4回 近代英語の綴字 --- 標準化を目指して(冬・未定)
シリーズ紹介として,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」にて「#668. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」も配信していますので,ぜひお聴きください.
一昨日の4月28日の午後3時過ぎより約60分間,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の生放送で「英語に関する素朴な疑問千本ノック(矢冨&堀田&まさにゃん)」を khelf 協賛でお届けしました.今回も多くの方にライヴで聴いていただき,さらに投げ込み質問も多数いただきました.難問・珍問が続出し,うまく回答できないものもありましたが,出演者とギャラリー一同,たいへん勉強になりました.聴いていただいたリスナーの皆さんにも,英語史の面白さと難しさを感じていただけたのではないでしょうか.
生放送を収録したものを,今朝レギュラー放送として公開しました.「#699. 4月28日に「英語に関する素朴な疑問千本ノック(矢冨&堀田&まさにゃん)」を生放送でお届けしました」です.
全体で17の質問に回答し,ときにギャラリーにも加わってもらい議論となりましたが,楽しかったです.適度な緊張と興奮がやめられませんね.各質問の分秒を一覧しておきます.ちなみに,いまや heldio 名物となった「まさにゃん暴走」は12:41辺りから始まる第5問目「kid と child が同じ意味なのはなぜ?」の回答中でお聴きになれます.
(1) 01:13 --- なぜ am は I の後ろにしか来ないのですか?
(2) 04:33 --- なぜ I am Japanese. となり I am a Japanese. とは言わないのですか?
(3) 07:46 --- なぜ未来の確定したことは現在形で表現できるのですか?
(4) 10:28 --- 現在と過去は動詞の語尾で示せますが未来は語尾で示せないのはなぜ?
(5) 12:41 --- kid と child が同じ意味なのはなぜ?(cf. この問いでは,いまや heldio 名物となった「まさにゃん暴走」を聴けます)
(6) 18:56 --- honest や hour の h を発音しないのはなぜ?(cf. 先日の「#5108. 4月20日の heldio 生放送「英語に関する素朴な疑問 千本ノック」のまとめ」の (3) で回答を試みています)
(7) 20:54 --- an historical というつながりを見たことがありますが a ではないのですか?
(8) 22:34 --- leaf の複数形は leaves ですが,belief の複数形は beliefs です.なぜですか?
(9) 25:48 --- so は短いのに意味が多すぎます.なぜですか?
(10) 30:49 --- 英文法は誰が定めたのですか,あるいはどのように成立したのですか?
(11) 33:30 --- is も am も過去形ではともに was になるのはなぜですか?
(12) 38:21 --- なぜ不定詞には for ではなく to がつくのですか? 他の前置詞ではダメだったのですか?
(13) 41:08 --- なぜ使役では能動態だと原形不定詞を,受動態では to 不定詞を用いるのですか?
(14) 44:29 --- なぜ自動詞と他動詞は分かれたのですか?
(15) 49:45 --- It is fine today. ではなく Today is fine. というと不自然なのはなぜですか?
(16) 52:42 --- baggage と luggage の綴字が似ているのは歴史的に関係があるからですか?
(17) 53:57 --- 英語史上の最大の学説対立があれば教えてください.
過去の「千本ノック」回については「#5005. 過去17回の heldio 「千本ノック」の一覧」 ([2023-01-09-1]) あるいは senbonknock をご覧ください.
GW直前ということで肩の力を抜いて「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」のお知らせをいたします.
昨年の2月26日に,慶應義塾大学文学部英米文学専攻の同僚である井上逸兵氏とともに YouTube チャンネルを始めました.水・日曜日のそれぞれ午後6時に新作動画を公開しています.最近は水曜日の回は「飲み会回」となっていますが,先週と今週の水曜日には,人気 YouTube/Podcast チャンネル『ゆる言語学ラジオ』のパーソナリティの1人,水野太貴さんにゲスト出演していただいています(もう1人は堀元見さんです).3人で言語(愛)について気楽におしゃべりしていますので,ぜひご覧ください.
・ 第1弾 「#120. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さんにお越しいただきました!」(4月19日)
・ 第2弾 「#122. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さん登場!第2弾・語に始まって語に終わる」(4月26日)
売れっ子の水野さんが初めて出演された先週の水曜日の第1弾の折りには,あまりの視聴回数の伸びに,井上氏とともに驚きました.あまりの驚きに,noteにて「「ゆる言語学ラジオ」水野さんのゲスト出演で井上堀田 YouTube が爆上がりしています(2023年4月21日)」を書いてしまったほどです.
さて,ゆる言語学ラジオのお二人による初の著書『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ 言語沼』(あさ出版,2023年)が今月上旬に出版されています.この新著をご献本いただきまして,先日 Voicy heldio にて 「#689. 『言語沼』 --- ゆる言語学ラジオから飛び出した言語本」と題してお話ししています.ぜひお聴きください.
その他,ゆる言語学ラジオと関連して次のような記事も書いてきましたので,よろしければどうぞ.
・ 「#5009. なぜバーナード・ショーの綴字ネタ「ghoti = fish」は強引に感じられるのか?」 ([2023-01-13-1])
・ 「#5011. 英語綴字史は「フランスかぶれ・悪筆・懐古厨」!? by ゆる言語学ラジオ」 ([2023-01-15-1])
・ note 「「ゆる言語学ラジオ」の ghoti 回にまつわる堀田リンク集」
・ 「#5107. 堀元 見・水野 太貴(著)『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ 言語沼』(あさ出版,2023年)」 ([2023-04-21-1])
YouTube での水野さんとの「飲み会回」は,来週以降も続きます!
昨日の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」にて,4月20日に質問者の学生が居合わせるなかで生放送収録した「英語に関する素朴な疑問 千本ノック」をアーカイヴとして配信しました.「#691. 4月20日に「英語に関する素朴な疑問 千本ノック」を heldio 生放送でお届けしました」をお聴きください(60分ほどの長さですので,お時間のあるときにとうぞ).
英語学習者その他から英語に関する素朴な疑問を事前あるいは即興で寄せてもらい,それに対して私が英語史研究者の立場から回答するという試みは,様々な形でたびたび行なってきました.大学の授業や一般の講座でも行なってきましたし,本ブログでも sobokunagimon のタグのついた多くの記事で素朴な疑問に回答しています.また,知識共有サービス「Mond」でも,一般から寄せられた問いに専門的に答えてきました.ちょうど今朝も Mond にて than usually ならぬ than usual という表現についての疑問に回答したところです.
そして,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」でも,1年ほど前に「#341. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック」を配信したのを皮切りに,ときに他の英語史研究者を回答者としてお招きする形で19回ほど千本ノック企画を公開してきました.19回の履歴は「#5005. 過去17回の heldio 「千本ノック」の一覧」 ([2023-01-09-1]) をご覧ください.
とりわけ居合わせた学生などから直接に素朴な疑問を出してもらい,その場で回答するという,Voicy heldio 生放送でのスタイルは,新鮮で緊張感もあり私自身は好きなのですが,何よりも貴重なのは,その後に寄せられてくる反響のコメントです.今回の千本ノックが終わった後,学生たちに感想を書いてもらいました.いくつか紹介します(ただし,軽微な修正を含め文章に最小限の編集を施していることを断わっておきます).
質問によって多くのことに目を向けられるようになる気がした.他の人の疑問や,視点を知れたことで確かにと思うことや,そこから発展して疑問に思うことなどなど自分1人では思いつかないようなことをたくさん知れ,それこそがみんなで学習する意味なのだと改めて感じた.
今まで積んできた英語学習の中で,恐らくたくさんの疑問を抱えてきたはずだが,いざそれらの素朴な疑問を挙げるとなると,なかなか思い出すことができなかった.しかし,他の受講生の方の疑問を聞いていると,自身もかつて疑問に思ったな,と感じるものであったり,逆になるほど,そのような疑問もあったか,などというようなものもあり,とても新鮮に感じながら聞くことができた.
みんなが出してくれた疑問を聞いてみると,「確かに不思議だな」「そういえばなんでなんだろう」と感じるものばかりで,私もその回答を聞くことが楽しく,ワクワクしながら聞いていた.
同じ立場の人たちが英語に関する「素朴な疑問」をとても広い分野にわたって抱いていることが印象的だった.自分は質問を出すのに悩み,悩んだゆえに英語の学習過程で出会ったもののみのかなり範囲の狭い質問になってしまったが,今回の千本ノックで扱った質問は英語の学習という範囲のみに限らず日本で生活し英語と接する中で出てくるような質問ばかりだった.そうした小さな疑問を持ち追及することは意味のないことだと日常の中で無意識に思ってしまい出てこなかったのかもしれないと思い,改めてそのような質問が許される場と出会えたことはとても貴重だと感じた.
千本ノックのラジオでは,私が思いもつかなかった質問が次から次へと飛んでいて持っていなかった視点が沢山得られて驚きました.
千本ノックを聞いて,まず寄せられた質問の質の高さに驚きました.私は英語の素朴な疑問,と聞いて出すのに苦労したのですが,寄せられた質問を見るとすべて確かに疑問に思うことばかりでした.自分の中で当たり前になっていたり,「これはそういうものだから」と教えられたような事ばかりだったので新鮮だったと共に,私のような人間にこそ英語史の勉強が必要なのだろうと感じました.
千本ノックでは他の人たちがどんな疑問を抱いているのかを知ることができ自分もかつては抱いていたはずなのに忘れかけていたような疑問に再び出会うことができていい刺激になりました.疑問を他者と共有することは大切だと改めて認識させられました.
自分の中には無かった鋭い着眼点を含んだ質問が多く,文字通り素朴であることが凝り固まった自分の視点をほぐしてくれたような気がしました.
千本ノックは,自分一人では思いつかなかった疑問について考える貴重な機会になりました.また,自分が考えもしなかった疑問を他の学生が上げてくれていたので,新たな観点から英語の文構造を見ることができました.
いつもは目もくれない様々な「言葉」にもっと興味を持って,まるで地球を訪れてきたエーリアンのように常に好奇心を持って生きていきたいなと思いました.
今回の千本ノック後,友達と駅に向かって歩いていてマクドナルドの前を通り過ぎた時,同じタイミングで「あ!スコットランド!」と言って笑っていました(Mc の由来はスコットランドで,ケルト言語で息子という意味だと授業で聞いたので).
さらに,Voicy のコメント欄でもリスナーさんより「本当によくこんないい質問が浮かぶなあと,聴いていて対抗心が湧きました」など類似のメッセージが複数届いています.
これでお分かりかと思います.つまり,一見するとトリビアルに思われるような素朴な疑問を,皆で持ち寄り互いに鑑賞すること自体に価値があるということです.公開企画にすれば,それを広く皆で共有できるというメリットがあります.それに対する回答はそれとして重要ですが,二の次であるといってよいでしょう.
千本ノック公開企画を始めた当初は,この効用に気づいていませんでしたが,最近になってようやく分かってきました.疑問を共有することは,さらなる知的刺激を生み出すのだと.
千本ノック企画,これからも続けていきます(実際,次回は4月28日(金)の午後3時から生放送の予定です).
一昨日の4月20日の午前11:10より約60分間,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の生放送で「千本ノック」をお届けしました.ライヴで聴いてくださったリスナーの皆さん,ありがとうございました
生放送を収録したものを,今朝レギュラー放送として公開しました.「#691. 4月20日に「英語に関する素朴な疑問 千本ノック」を heldio 生放送でお届けしました」をお聴きください.
新学期に大学生より多くの「英語に関する素朴な疑問」を寄せてもらいました.今回はその中から14の質問を取り上げましたが,良問・難問が続いてエキサイティングでした.参考までに各疑問と分秒を一覧しておきます,
(1) 02:01 --- McDONALD'S の Mc とは?
(2) 08:16 --- なぜ -tion は「ション」と読むの?
(3) 11:56 --- hour や honor で h を発音しないのはフランス語の影響?
(4) 15:53 --- なぜアルファベットには濁点・半濁点がないの?
(5) 21:10 --- 過去の習慣を表わす used to とは?
(6) 25:54 --- なぜ that には多様な用法があるのに this にはないの?
(7) 29:13 --- doctor はなぜ -er ではなく -or で終わるの?
(8) 34:05 --- なぜ do の3単現が does になるの?
(9) 39:00 --- なぜ英語は縦書きしないの?
(10) 42:25 --- なぜ new をもじった「オニュー」があるのに,old をもじった「オオールド」はないの?
(11) 48:31 --- whom の -m は何?
(12) 49:51 --- なぜ小文字と大文字で字形の違うものがあるの?
(13) 53:58 --- なぜ read - read - read は同じスペリングなの?
(14) 57:12 --- なぜ定冠詞 the は母音の前では「ズィ」になるの?
過去の「千本ノック」回については「#5005. 過去17回の heldio 「千本ノック」の一覧」 ([2023-01-09-1]) あるいは senbonknock をご覧ください.
本ブログをお読みの皆さんは,言語学 (linguistics) と言葉の魅力を世の中に広めている人気 YouTube/Podcast チャンネル『ゆる言語学ラジオ』のことはご存じかと思います.YouTube チャンネル『ゆる言語学ラジオ』の登録者数は現時点で18.8万人となっており,言語界隈では怪物のような番組です.監修その他の役回りで,ありがたいことに,私もちらっとお世話になっています.
『ゆる言語学ラジオ』パーソナリティの2人,堀元見さんと水野太貴さんが,初の本『言語沼』を出されました.(ご献本いただきました,ありがとうございます!) ラジオチャンネルがそのまま本になったような,そんな読後感です.
昨日の私の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」で,この著書を取り上げていますので,ぜひお聴きいただければと思います.「#689. 『言語沼』 --- ゆる言語学ラジオから飛び出した言語本」です.
水野太貴さんには,「井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル」の最新回にもゲストとして出演していただいています.「#120. ゆる言語学ラジオ・水野太貴さんにお越しいただきました!」をご視聴ください.向こう数週間,水曜日に公開される回では水野さんとの言語をめぐるトークをお届けします.
・ 堀元 見・水野 太貴 『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ 言語沼』 あさ出版,2023年.
目下 khelf(慶應英語史フォーラム)では,今年度の「英語史スタートアップ」企画 (cat:start_up_hel_2023) の一環として「英語史コンテンツ50」が展開中です.一昨日開始したばかりですが,向こう2ヶ月かけて50件ほどの英語史コンテンツが公開されてくる予定です.
さて,この「英語史コンテンツ50」企画は,一昨年の「英語史導入企画2021」および昨年の「英語史コンテンツ50 (2022)」に引き続き,今回で3回目となります.一昨年の人気コンテンツは「#4726. 昨年度のコンテンツ企画のベスト10」 ([2022-04-05-1]) でまとめていますが,昨年の人気コンテンツは未整理でしたので,ここに整理して示します.閲覧数をベースに,昨年公開された全59本のコンテンツから,より抜きの10本を紹介します.いずれもおもしろいです.英語史の魅力をご堪能ください.
・ 第1位(閲覧600回) 「#13. ||||||||||←読めますか?」
・ 第2位(閲覧285回) 「#1. 冠詞はなぜ生まれたのか」
・ 第3位(閲覧248回) 「#29. 日本語から英語に入った単語たち」
・ 第4位(閲覧245回) 「#3. 第一回 古英語模試」
・ 第5位(閲覧206回) 「#59. 英語史は役に立たない,か」
・ 第6位(閲覧184回) 「#30. 動詞は動詞でも 3単現の -s をつけない動詞ってなーんだ!!」
・ 第7位(閲覧177回) 「#48. if it were not for A の it って何者?」
・ 第8位(閲覧165回) 「#51. 生徒の素朴な質問にハッとした」
・ 第9位(閲覧162回) 「#28. 僕の好きな歌手は King Gnu です」
・ 第10位(閲覧146回) 「#33. She の S とは何か?」
目下,『英語史新聞』第5号や「英語史コンテンツ50」を始めとした新年度開始の「英語史スタートアップ」企画 (cat:start_up_hel_2023) を展開中です.
英語史活動を前進させるためには,ときに振り返りも必要だろうということで,2023年第1四半期の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」放送回ランキングを作りました.今年の1月から3月までに公開された計91回の放送より,再生者数ベースで最もよく聴取された30回をリンクとともに挙げてみます.週末の英語史浸りのためにお役立てください.
1. 「#625. Turkey --- トルコと七面鳥の関係」(2023/02/15(水))
2. 「#595. heah/hih/high --- 「ゆる言語学ラジオ」から飛び出した通時的パラダイム」(2023/01/16(月))
3. 「#621. なぜ new something ではなく something new なの?」(2023/02/11(土))
4. 「#624. 「沈黙」の言語学」(2023/02/14(火))
5. 「#602. なぜ両足で歩くのに on feet ではなくて on foot なの?」(2023/01/23(月))
6. 「#626. 陶磁器の china と漆器の japan --- 産地で製品を表わす単語たち」(2023/02/16(木))
7. 「#598. メタファーとは何か? 卒業生の藤平さんとの対談」(2023/01/19(木))
8. 「#614. 朝ルーチンを確立して自動化する --- routine の話し」(2023/02/04(土))
9. 「#604. なぜ慣用句では冠詞が省略されるの? --- for example や from hand to mouth など」(2023/01/25(水))
10. 「#620. なぜ過去分詞には不規則なものが多いのに現在分詞は -ing で規則的なの?」(2023/02/10(金))
11. 「#619. 現在完了「have + 過去分詞」の歴史」(2023/02/09(木))
12. 「#613. 苦手な人とは言葉遣いを合わせない --- 社会言語学の教え」(2023/02/03(金))
13. 「#590. 日本は言語多様性指数がきわめて低い国」(2023/01/11(水))
14. 「#640. 「~する人」を意味する -eer 接尾辞」(2023/03/02(木))
15. 「#646. 「~を除いて」を意味する前置詞 save」(2023/03/08(水))
16. 「#606. 英語のスペリングは漢字である」(2023/01/27(金))
17. 「#637. なぜ「アメリカ語」ではないの?」(2023/02/27(月))
18. 「#627. 「沈黙」の民族誌学」(2023/02/17(金))
19. 「#623. Brexit の英語史」(2023/02/13(月))
20. 「#610. spell と Gospel の「お話し」」(2023/01/31(火))
21. 「#643. なぜ受動態・能動態の「態」が voice なの?」(2023/03/05(日))
22. 「#654. 副業すると tax 絡みの task が増えまして --- 何だか似ている2語」(2023/03/16(木))
23. 「#589. come of age 「成人する」」(2023/01/10(火))
24. 「#617. 受動態における動作主の前置詞の歴史 --- from, of, by, etc.」(2023/02/07(火))
25. 「#647. メールの件名でみる RE: って何ですか?」(2023/03/09(木))
26. 「#583. 名詞複数形の -s と動詞3単現の -s の歴史的な関係は?」(2023/01/04(水))
27. 「#588. ネイティヴ・スピーカーとは? --- 抜き差しならない問題に入り込んでしまったかも」(2023/01/09(月))
28. 「#603. 菊地翔太先生ご提案の通時的パラダイムがズルい件について」(2023/01/24(火))
29. 「#641. have と behave の発音」(2023/03/03(金))
30. 「#631. 最近よく聞く generative って何? --- 語源探究回(2023/02/21(火))
関連して,以下も参照.
・ 「#5093. heldio の聴き方(2023年度版)」 ([2023-04-07-1])
・ 「#4996. 今年1年間でよく聴かれた放送 --- Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」より」 ([2022-12-31-1])
・ 「#4789. この1年間でよく聴かれた放送 --- Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」より」 ([2022-06-07-1])
・ note でも「今週 (2023/03/06--12) よく聴かれた heldio 過去回」などとして heldio 過去回を紹介しています.
khelf(慶應英語史フォーラム)では,年度始まりのお祭りとして「英語史スタートアップ」企画 (cat:start_up_hel_2023) を展開しています.企画の第1弾として『英語史新聞』第5号を4月10日に公開しました.
そして,第2弾となるのが,昨日より始まっている「英語史コンテンツ50」です.現役の大学院生と学部生を中心とする khelf メンバーの各々が,休日を除く毎日,順次1つずつ英語史に関するコンテンツをホームページ上に公開していくというイベントです.6月半ばまでかけて50本ほどの公開を目指します.昨日と今日の英語史コンテンツは,それぞれ大学院生による次の話題です.
・ 「#1. 『平家物語』と英語史」(4月13日)
・ 「#2. swan にまつわるあれそれ」(4月14日)
こちら2本を含め今後公開されてくるコンテンツも,新年度に英語史に初めて触れる読者を意識した導入的な話題が多くなってくると思います.英語史コンテンツはいずれも気軽に読める短いエッセイで,「英語史」を日常化するための素材としても最適です.hellog や heldio とともに「英語史コンテンツ50」を訪れるのを,ぜひ日々の習慣としてインストールしていただければと思います.コンテンツ公開情報は khelf の公式ツイッターアカウント @khelf_keio からもお知らせしていきますので,ぜひフォローいただき,リマインダーとしてご利用ください.
「英語史コンテンツ50」イベントの実施は,今回で3年目となります.一昨年は「英語史導入企画2021」として49本のコンテンツが,昨年は「英語史コンテンツ50 (2022)」として59本のコンテンツが公開されました.アーカイヴとしていつでも閲覧・ダウンロード可能ですので,もっと英語史の話題が欲しいという方は,ぜひそちらもご覧ください.力作揃いです.関連して「#4726. 昨年度のコンテンツ企画のベスト10」 ([2022-04-05-1]) もどうぞ.
学生による英語史活動の一環としてのイベントですので温かく見守っていただければ幸いです.学びの応援のほど,どうぞよろしくお願いいたします.
年度始めですので,英語史の学びを後押しする記事を書くことが多くなっています.昨年の夏に「#4873. 英語史を学び始めようと思っている方へ」 ([2022-08-30-1]) の記事を書き,今回はそれと重なるところも多いのですが,改めて2023年度版ということで,英語史の学びに役立つ 「hellog~英語史ブログ」の記事や Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の放送回へのリンクをまとめてみました.
[ そもそも本ブログの執筆者(堀田隆一)は何者? ]
・ heldio 「#408. 自己紹介:英語史研究者の堀田隆一です」 (2022/07/13)
・ note 上のプロフィールもご覧ください
[ hellog と heldio の歩き方 ]
・ hellog 「#5097. hellog の読み方(2023年度版)」 ([2023-04-11-1])
・ hellog 「#5093. heldio の聴き方(2023年度版)」 ([2023-04-07-1])
[ まずは英語史の学びのモチベーションアップから ]
・ heldio 「#444. 英語史を学ぶとこんなに良いことがある!」 (2022/08/18)
・ heldio 「#650. 英語史の知恵が AI に負けない3つの理由」 (2023/03/12)
・ heldio 「#112. 英語史って何のため?」 (2021/09/21)
・ hellog 「#4728. 2022年度「英語史」講義の初回 --- 慶應義塾大学文学部英米文学専攻の必修科目「英語史」が始まります」 ([2022-04-07-1])
・ hellog 「#5096. 『英語史新聞』第5号が発行されました」 ([2023-04-10-1])
・ hellog 「#4556. 英語史の世界にようこそ」 ([2021-10-17-1])
・ heldio 「#139. 英語史の世界にようこそ」 (2021/10/17)
・ hellog 「#24. なぜ英語史を学ぶか」 ([2009-05-22-1])
・ heldio 「#112. 英語史って何のため?」 (2021/09/21)
・ hellog 「#4361. 英語史は「英語の歴史」というよりも「英語と歴史」」 ([2021-04-05-1])
・ hellog 「#1199. なぜ英語史を学ぶか (2)」 ([2012-08-08-1])
・ hellog 「#1200. なぜ英語史を学ぶか (3)」 ([2012-08-09-1])
・ hellog 「#1367. なぜ英語史を学ぶか (4)」 ([2013-01-23-1])
・ hellog 「#2984. なぜ英語史を学ぶか (5)」 ([2017-06-28-1])
・ hellog 「#4021. なぜ英語史を学ぶか --- 私的回答」 ([2020-04-30-1])
・ hellog 「#3641. 英語史のすゝめ (1) --- 英語史は教養的な学問領域」 ([2019-04-16-1])
・ hellog 「#3642. 英語史のすゝめ (2) --- 英語史は教養的な学問領域」 ([2019-04-17-1])
・ hellog 「#4073. 地獄の英語史からホテルの英語史へ」 ([2020-06-21-1])
[ 英語史入門の文献案内 ]
・ heldio 「#140. 対談 英語史の入門書」 (2021/10/18)
・ hellog 「#5094. 英語史概説書等の書誌(2023年度版)」 ([2023-04-08-1])
・ hellog 「#4557. 「英語史への招待:入門書10選」」 ([2021-10-18-1])
・ hellog 「#4731. 『英語史新聞』新年度号外! --- 英語で書かれた英語史概説書3冊を紹介」 ([2022-04-10-1])
・ heldio 「#313. 泉類尚貴先生との対談 手に取って欲しい原書の英語史概説書3冊」 (2022/04/09)
・ hellog 「#3636. 年度初めに拙著『英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史』を紹介」 ([2019-04-11-1])
・ heldio 「#315. 和田忍先生との対談 Baugh and Cable の英語史概説書を語る」 (2022/04/10)
・ hellog 「#4133. OED による英語史概説」 ([2020-08-20-1])
[ かつて英語史に入門した「先輩」からのコメント ]
・ heldio 「#607. 1年間の「英語史」の講義を終えて」 (2023/01/28)
・ hellog 「#5020. 2022年度,英語史の授業を通じて何を学びましたか?」 ([2023-01-24-1])
・ hellog 「#4661. 2021年度,英語史の授業を通じて何を学びましたか?」 ([2022-01-30-1])
・ hellog 「#3922. 2019年度,英語史の授業を通じて何を学びましたか?」 ([2020-01-22-1])
・ hellog 「#3566. 2018年度,英語史の授業を通じて何を学びましたか?」 ([2019-01-31-1])
・ hellog 「#2470. 2015年度,英語史の授業を通じて何を学びましたか?」 ([2016-01-31-1])
[ とりわけ語源に関心がある方へ ]
・ hellog 「#3546. 英語史や語源から英単語を学びたいなら,これが基本知識」 ([2019-01-11-1])
・ hellog 「#3698. 語源学習法のすゝめ」 ([2019-06-12-1])
・ hellog 「#4360. 英単語の語源を調べたい/学びたいときには」 ([2021-04-04-1])
・ hellog 「#3381. 講座「歴史から学ぶ英単語の語源」」 ([2018-07-30-1])
・ hellog 「#600. 英語語源辞書の書誌」 ([2010-12-18-1])
[ とりわけ英語教育に関心がある方へ ]
・ heldio 「#310. 山本史歩子先生との対談 英語教員を目指す大学生への英語史のすすめ」 (2022/04/06)
・ hellog 「#4329. 「英語史の知見を活かした英語教育」について参考文献をいくつか」 ([2021-03-04-1])
・ hellog 「#4619. 「英語史教育」とは?」 ([2021-12-19-1])
[ とりわけフランス語学習に関心がある方へ ]
・ heldio 「#327. 新年度にフランス語を学び始めている皆さんへ,英語史を合わせて学ぶと絶対に学びがおもしろくなると約束します!」 (2022/04/23)
・ heldio 「#329. フランス語を学び始めるならば,ぜひ英語史概説も合わせて!」 (2022/04/25)
・ heldio 「#368. 英語とフランス語で似ている単語がある場合の5つのパターン」 (2022/06/03)
・ hellog 「#4787. 英語とフランス語の間には似ている単語がたくさんあります」 ([2022-06-05-1])
・ heldio 「#370. 英語語彙のなかのフランス借用語の割合は? --- リスナーさんからの質問」 (2022/06/05)
・ heldio 「#26. 英語語彙の1/3はフランス語!」 (2021/06/27)
・ heldio 「#486. 英語と他の主要なヨーロッパ言語との関係 ー 仏西伊葡独語」 (2022/09/29)
この「hellog~英語史ブログ」は,開始して14年が経とうとしていますが,私の英語史活動(hel活)の拠点となっています.
hellog では日々英語史に関する話題を取り上げ,記事を積み上げてきましたが,結果として一種の「英語史データベース」的なものができあがってきました.増え続けるバックナンバーをカテゴリー・タグやリンクを通じて結びつけることにより,有機的なデータベースが構築されてきました.これは私自身もブログを始めた頃には思いも寄らなかった驚きの効果です.
大学などで新年度が本格的に始まる時期かと思いますので,英語史に関心をもつすべての方に,hellog を最大限に利用していただくために,hellog を利用するに当たっての Tips のようなものをまとめてみました.
昨年度の「#4729. ぜひ英語史学習・教育のために hellog の活用を!(2022年度版)」 ([2022-04-08-1]) を上書きする形で,2023年度版を以下に示します.
(1) hellog では,常に「英語に関する素朴な疑問」を重視しています.そのなかから多くの読者の皆様に読まれている記事が浮上してきました.アクセス・ランキングのトップ500記事をご覧ください.
(2) 英語に関する素朴な疑問集もお薦めです.本ブログでは,英語学習者から数年にわたって収集した数々の「英語に関する素朴な疑問」に答えてきました.疑問集をまとめた英語に関する素朴な疑問の一覧(2020--2022年度の統合版)もご覧ください.あわせて,1年ほど前に始めた知識共有サービス「Mond」への回答も,ぜひご一読を.
(3) hellog の音声版というべきVoicy 「英語の語源が身につくラジオ」 (heldio) の放送を毎朝6時に配信しています.音声コンテンツ一覧 (heldio & hellog-radio) をご覧ください.hellog 同様,主として英語に関する素朴な疑問を取り上げています.heldio 放送回と hellog 記事を有機的に相互参照させたコラボ的なコンテンツも多いので,ぜひ heldio もフォローして日々の英語史学習ルーチンに組み込んでいただければと思います.昨今は heldio のコメント欄での交流も盛り上がってきていますので,ぜひそちらから英語史の学習活動にご参加ください.「#5093. heldio の聴き方(2023年度版)」 ([2023-04-07-1]) も参照.
(4) 講義・講座等で用いてきたスライド資料の多くを,ブログ記事として公開しています.cat:slide よりご覧ください.大きめのテーマを扱っていることが多く,スライドだけでは何のことか分からない部分もあると思いますが,ざっと眺めるだけでも概要は学べると思います.
(5) 毎回の hellog 記事では,雑多でランダムな話題を扱っていますが,多数の記事のあいだの関連性を確保する手段として「カテゴリー」と「記事セット」という概念を採用しています.「カテゴリー」はその名の通り,各記事に付けられているカテゴリー・タグに基づいて記事群をまとめたもので,トップページの右下のアルファベット順に並んでいるカテゴリーの一覧からアクセスできます.トップページ最上部の検索欄に "cat:○○" と入力してもらうこともできます.例えば,"cat:norman_conquest" や "cat:start_up_hel_2023" などと入れてみてください.
(6) もう1つの「記事セット」という概念は,記事番号を連ねることで,複数の任意の記事をまとめて閲覧できる仕様です.トップページ最上部の検索欄に,カンマ区切りの一連の記事番号を入力してみてください.その順序で,フレームを用いた読みやすい形式で記事が表示されます.
「記事セット」は上手く利用すると簡易的なスライドともなり,私自身も講義・講座に頻繁に利用しています.私がよく行なうのは,例えば「英語語彙の世界性」 (cosmopolitan_vocabulary) という話題について講義しようとする場合に,"##151,756,201,152,153,390,3308" という構成で記事(とそこに含まれる視覚資料)を順に示して解説していくというものです(先頭の "##" は任意).
これまで様々な記事セットを提供してきましたので,具体例として cat:hellog_entry_set の各記事からジャンプしていただければと思います.
(7) 本ブログでは,図表や写真をはじめとする視覚資料をなるべく多く掲載するように努めています.とりわけ地図 (map),言語系統図 (family_tree),年表 (timeline) などは多く掲載しており,お薦めです.漫然と眺めるだけでも学べると思います.画像集も,14年間の蓄積により,だいぶんたまってきました.
(8) トップページの右手に「ツール」という欄があります.CGI を用いた1世代前のスクリプトで,すでに動かなくなっているものもありますが,なかには便利なものもあります.例えば,Frequency Sorter は,単語群を頻度順にソートしてくれる便利ツールで,私もよく使っています.また,hel typist は ASCII のみを用いて発音記号(国際音標文字,IPA)を出力するためのツールで,日々の hellog 執筆に欠かせないツールとなっています.他にもおもしろいツールを探してみてください.cgi や web_service も参照.
(9) hellog の外ではありますが,英語史に関するオンライン(連載)記事を機会あるごとに書いてきました.とりわけ2017年1月から12月にかけて連載した12本のオンライン記事「現代英語を英語史の視点から考える」は,内容的にもまとまっており,お薦めです.もう1つ,昨秋の IIBC (一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)のインタビュー「英語はいかにして世界の共通語になったのか」もどうぞ.
(10) 最後に,hellog は雑多な記事群ですので,体系的な英語史の学びには向きません.体系的に学びたい方は,ぜひ英語史概説書をお読みください.最新の推薦図書のリストは「#5094. 英語史概説書等の書誌(2023年度版)」 ([2022-04-08-1]) をどうぞ.
コロナ禍が一段落し,大学の授業なども対面形式に戻ってはきましたが,オンライン学習・教育の機会はこれからも増えていくと予想されます.上記を参考に,hellog を最大限に利用していただければ幸いです.
本日,khelf(慶應英語史フォーラム)発行の『英語史新聞』第5号が公開されました.こちらよりPDFで閲覧・ダウンロードできます.
第5号公開は,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio を通じてこちらのツイートでも案内しています.リツイートなどを通じて,「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただければ幸いです.
年度替わりの慌ただしい時期でしたが,今回の第5号編集委員会にも入念に準備してもらいました.年度始めにふさわしく英語史の学びを促すような記事が並んでいます.
・ 人々の名称の謎を追う --- なぜ X-ish という呼び名はイギリス周辺に多いのか --- なぜ X-ish という呼び名はイギリス周辺に多いのか ---
・ 誤りの歴史
・ 借り物の英単語 --- bonze から emoji まで
・ 英語学って何?
・ 英語史ラウンジ by khelf 「第1回 菊地翔太先生(後編)」
・ 私の推し本 --- 『英語史新聞』読者へ薦めたい一冊 寺澤盾『英語の歴史 --- 過去から未来への物語』(中公新書,2008年)
・ I my me に眠る英語の歴史
第4号から始まった新企画「英語史ラウンジ by khelf」では,英語史研究者へのインタビュー記事(要約版)が掲載されています.今回は前回に引き続き菊地翔太先生(専修大学)のインタビュー記事後編です.英語史を学ぶ魅力,教える魅力についてお話しを伺いました.新聞では紙面の都合で要約版のみが掲載されていますが,完全版が khelf HP のこちらのページに掲載されています.ぜひそちらも合わせてお読みいただければと思います.
さて,『英語史新聞』は昨年4月に創刊号を発行して以来,3ヶ月に1度のペースで発行し続け,2年目に入りました.ここまで続けて来られましたのも読者の皆様のおかげです,ご愛読ありがとうございます.最新号も含めまして『英語史新聞』のすべての号は,教育目的での利用・配布について自由にお取り扱いいただくことができます.むしろ,英語史の魅力を広げるべく活動している発行主体の khelf としましては,電子媒体・紙媒体を問わず,皆様に広く利用・配布していただけますと幸いです.
もし学校の授業などの公的な機会(あるいは,その他の準ずる機会)にお使いの場合には,ぜひこちらのフォームを通じてご一報くださいますと khelf の活動実績の把握につながるほか,『英語史新聞』編集委員の励みともなります.ご協力のほどよろしくお願いいたします.ご入力いただいた学校名・個人名などの情報につきましては,khelf の実績把握の目的のみに限り,記入者の許可なく一般に公開するなどの行為は一切行なわない旨,こちらに明記いたします.フォームへの入力を通じ,khelf による「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)への賛同をいただけますと幸いです.
最後に『英語史新聞』のバックナンバー(号外を含む)も紹介しておきます.こちらも合わせてご一読ください(khelf HP のこちらのページにもバックナンバー一覧があります).
・ 『英語史新聞』第1号(創刊号)(2022年4月1日)
・ 『英語史新聞』号外第1号(2022年4月10日)
・ 『英語史新聞』第2号(2022年7月11日)
・ 『英語史新聞』号外第2号(2022年7月18日)
・ 『英語史新聞』第3号(2022年10月3日)
・ 『英語史新聞』第4号(2023年1月11日)
一昨日の4月7日の午後11:20より約50分間,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の生放送で#678. 4月7日に「英語に関する素朴な疑問 千本ノック」を heldio 生放送でお届けしましたをお届けしました.ライヴでお聴きくださったリスナーの皆さん,ありがとうございました.
数十名のフレッシュな大学1年生を前にしての対面公開収録&生放送でした.その場で学生たちに英語に関する素朴な疑問を投げてもらい,私が回答するという「千本ノック」企画でしたが,今回も良問が多く出されました.私は常々「難しい問題ではなく素朴な疑問こそが重要」と言っていますが,今回もそのことが伝わるとよいなと期待しつつ回答したつもりです.どうだったでしょうか?
50分の長丁場ですので,時間のあるときにゆっくりお聴きください.
以下に,今回の「千本ノック」で取り上げた各疑問の分秒を一覧しておきます.
(1) 02:34 --- 英語になぜ敬語が存在しないの?
(2) 05:51 --- am, are, is という3つの be 動詞の由来が知りたいです
(3) 09:19 --- 日本語では一音で意味を持つものがあるにもかかわらず(例えば「絵」や「胃」)英語では一音で意味を持つことがほとんどないのはなぜですか?
(4) 13:14 --- -ed がつく過去形と不規則に変化する過去形がある理由
(5) 18:04 --- 3単現に -s がつく理由
(6) 21:52 --- 動詞 play が使えるスポーツと使えないスポーツの違いはなんですか?
(7) 24:02 --- なぜ英語には女性名詞や男性名詞がないのか?
(8) 27:11 --- 3単現の -s がないと,ネイティブスピーカーはどんな感覚なのか?
(9) 28:33 --- 英語と日本語はどうして順序が逆になるのですか?(住所とか)
(10) 31:03 --- <gh> などの発音しない子音があるのはなぜですか?
(11) 33:49 --- Pokémon (ポケモン)の e の上にある点は何?
(12) 36:09 --- 世界には英語が書かれたグッズが多く出回っているが(GAPなど),英語圏の人はどう感じているのか?
(13) 38:20 --- なぜ fine には「罰する」「罰金」という意味があるの?
(14) 41:35 --- 同じ単語にいくつも意味があるのはなんで?
(15) 44:00 --- どうしてアメリカ英語とイギリス英語があるんですか?
(16) 45:50 --- 日本語には句読点があるけれど,なぜ英語では空白で区切るの?
過去の「千本ノック」回については「#5005. 過去17回の heldio 「千本ノック」の一覧」 ([2023-01-09-1]) あるいは senbonknock をご覧ください.
新年度ということで私の音声メディアの紹介をさせていただきます.2年ほど前の2021年6月2日より毎朝6時に,音声プラットフォーム Voicy にて「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」を運営しています.毎回10分程度(実はだいたい長引きます)で英語史の話題を配信しています.前身の hellog-radio を受けてのプロジェクトで,縮めて "heldio" と通称しています.おかげさまで,直近数ヶ月は「語学」セクションでの注目度ランキングの5位以内に入り続けて,リスナーさんも増えてきています.ありがとうございます.
いわば本ブログの音声版というべきものですが,ブログでは様々な水準の話題をお届けしている一方,heldio ではとりわけリスナーさんを意識して話題を選び,分かりやすい話し方をするように心がけています.モットーはずばり「英語史をお茶の間に」です.とりわけ今年に入ってからは,Voicy のコメント欄を通じたリスナー間,およびパーソナリティとのコミュニケーションも活気づいており,英語史の輪が少しずつ着実に拡がっています.本ブログともしばしば連動してお届けしていますので,ぜひ毎日聴くことを習慣にしていただければ幸いです.
例えば,今朝6時に配信した放送は「#676. 意味変化の類型 --- 一般化,特殊化,向上,堕落」です.
また,英語史研究者や学生との対談,そして生放送企画なども,いろいろ試みています.実際,本日午前11:20頃より「「英語に関する素朴な疑問 千本ノック」2023年4月7日」と題して生放送をお届けする予定です.
さて,パーソナリティより「heldio の聴き方」の Tips を紹介します.
・ 最新回を含めた放送一覧は,こちらのページが便利です.前身の hellog-radio の放送回一覧も同ページの下部にあります.
・ ウェブ経由でブラウザからも聴取できますが,携帯端末から Voicy アプリ(無料)の利用が便利です.アプリでアカウントをフォローしていただけますと,更新通知や生放送への参加等などの付加的な機能をご利用できます(本記事末尾を参照).
・ Voicy アプリなどの検索機能「見つける」より,検索欄に「heldio 意味変化」などと打ち込んでいただけると,おおよそ関連回がヒットします.
・ 放送回は「#676」などの番号で管理していますので,番号が分かっていれば「heldio 676」などでも飛べます.
・ 放送回のタイトル,各チャプターのタイトル,ハッシュタグなどで,なるべくキーワードを多く登録していますので,放送回の検索にご利用ください.また,同じキーワードを hellog のほうで検索すると,しばしば多くの記事がヒットしますので,そこでより詳しく学ぶことができます.
・ 本ブログ記事と関連する heldio 放送回については,こちらよりアクセスできます.
・ 「#4996. 今年1年間でよく聴かれた放送 --- Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」より」 ([2022-12-31-1]) は必見です.
・ note でも,たまに「今週 (2023/03/06--12) よく聴かれた heldio 過去回」などとして過去回の紹介をしています.
・ 毎朝の放送回について,話題的に関連する過去回をインスタグラム @chariderryu のストーリーにて随時お知らせしています.関連する放送回を飛びながら聴くと理解が深まりますので,ご利用ください.
・ リスナーの方々の協力により,各放送回のコメント欄に関連する過去回の番号を随時投げていただいていますので,そちらもご覧ください.とりわけ @nyaokitako0808 さんのインスタ・アカウントも,同趣旨の情報で充実しています(いつも,ありがとうございます!).
・ そして皆さんの一人ひとりも,コメント欄への参入,そして関連過去回の共有にご協力のほどお願いいたします.ただ聴いているだけよりも,日々の英語私生活が何倍も楽しくなると思います!
以上,新年度開始の「hel活」(=英語史活動)でした.
年度が改まりましたが,2023年度も,khelf (= Keio History of the English Language Forum = 慶應英語史フォーラム)を拠点として「hel活」(=英語史活動)に力を入れていきます(現会長はまさにゃんです).
khelf は慶應義塾大学文学部英米文学専攻の英語史ゼミ(堀田隆一研究会)を母体として2020年1月に立ち上げられました.以後3年以上にわたり「hel活」を続けてきました.khelf の活動目標は次の通りです.
英語史について議論したり,情報共有するためのフォーラムです.英語史の学び方,教え方,研究の仕方について議論し,情報発信していくことはもちろん,(現代)英語の素朴な疑問を取り上げ,それを英語史の観点から解きほぐしていくという啓発的な活動も推進していきます.
具体的には khelf HP の活動実績のページに記載されていますが,主たる活動として以下を挙げておきます.
・ khelf-conference と称する拡大版ゼミ合宿の開催
・ 「英語史導入企画」と題する英語史コンテンツのウェブ発信
・ 『英語史新聞』の発行
・ khelf の公式ホームページや公式ツイッターアカウント @khelf_keio での情報発信
・ 外部講師を招いての各種の講義・演習
・ 英語史研究者のインタビュー記事を掲載する「英語史ラウンジ」
・ Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」での各種企画の後援(例えば「千本ノック」や「英語史クイズ」)
とりわけ『英語史新聞』は khelf オリジナル企画で,これまで第4号まで発行されてきました.そして,近日発行の第5号に向けて,目下最終校正が行なわれています.
昨年度の活動実績として「#5050. 2022年度の khelf 活動の振り返り」 ([2023-02-23-1]) も合わせてご覧ください.
昨年9月20日には khelf 総会にて「khelf ミッションステートメント」が採択されています.以下に掲載します.
[ khelf ミッションステートメント ]
khelf(慶應英語史フォーラム)は以下の目標をミッションステートメントとして宣言する
1. 英語史の学習,研究,教育を通じて,フォーラム内で英語と言語の理解を深めることに努め続ける
2. 英語史に関する情報発信やイベント開催を通じて,世の中に英語と言語を学ぶことの価値を伝え続ける
3. 英語(史)の学習,研究,教育に資する情報をフォーラム内外に発信し続ける
4. 本ミッションステートメントに沿ったフォーラム会員による意欲的な活動を支援する
この khelf ミッションステートメントについては,@khelf_keio による動画もあります.
本年度の khelf 活動の意気込みについては,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の昨日の放送回「#673. 今年度の khelf 活動がいよいよスタート --- 青木輝さんとの対談」にて,khelf HP 担当の青木輝さんとともに表明しています.ぜひお聴きください.
本年度も khelf の活動へのご理解とご協力をよろしくお願いいたします!
4週間ほど後,4月29日(土)の 15:30--18:45 に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「文字と綴字の英語史」と題するシリーズ講座がオープンします.全4回のシリーズで,英語の文字と綴字をめぐる歴史についてお話ししていきます.
この話題にご関心のある方は,ぜひご参加ください.講座紹介および参加お申し込みはこちらからどうぞ.対面のほかオンラインでの参加も可能です.また,レコーディングの1週間限定配信も予定されていますので,ご都合のよい方法で受講していただけます.
シリーズ全体の概要を以下に示します.
アルファベットは現代世界で最も広く用いられている文字体系であり,英語もそれを受け入れてきました.しかし,そのような英語もアルファベットとは歴史の過程で出会ったものにすぎず,綴字として手なずけていくのに千年以上の年月を要しました.本講座では,英語が文字や綴字と格闘してきた歴史をたどります.
全4回のタイトルは以下の通りです.
・ 第1回 文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり(春・4月29日)
・ 第2回 古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ(夏・未定)
・ 第3回 中英語の綴字 --- 標準なき繁栄(秋・未定)
・ 第4回 近代英語の綴字 --- 標準化を目指して(冬・未定)
初回となる「文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり」でお話しする内容は次の通りです.
文字は人類最強の発明の1つです.人類は文字を手に入れることにより文明を発展させてきました.では,文字はいつ,どこで,どのように発明され,伝播してきたのでしょうか.歴史の過程で様々な文字体系が生まれてきましたが,そのうちの1つがアルファベットでした.アルファベット自身も変化と変異を繰り返し多様化してきましたが,その1つが私たちのよく知るローマン・アルファベットです.英語は紀元6世紀頃にこれを借り受け,本格的な文字時代に入っていくことになります.
本シリーズの案内は,hellog の姉妹版・音声版の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」より「#668. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まりますでもお届けしています.ぜひお聴きください.
多くの皆様の参加をお待ちしています!
今年の1月半ばに一般発売となった新著『文献学と英語史研究』(開拓社)の共著者である家入葉子先生(京都大学)の「【KOTOBA-カタリナ】ブログ」を紹介します.
家入先生はいくつかのサイトを運営されていますが,そのうちの1つ「コトバと文化のフォーラム - Castlecliffe」のなかで「コトバと文化をテーマに不定期に更新」する「【KOTOBA-カタリナ】ブログ」を運営されています.書籍の紹介,英語史や言語学の専門的な記事,日本と世界の文化の話題を数多く投稿されています.今月投稿された最新の9件を新しい順に挙げてみます.
・ 言語接触を考える(2023年3月23日)
・ カテゴリーシフト(2023年3月14日)
・ 語順についての考え方(2023年3月10日)
・ 英語の否定構文についての論文集(2023年3月6日)
・ 言語変化のあり方(2023年3月5日)
・ 英語学と英語教育の接点(2023年3月4日)
・ 歴史社会言語学・歴史語用論という分野(2023年3月4日)
・ 分野をつなぐ共通のテーマ(2023年3月4日)
・ 語形成に関すること(2023年3月1日)
家入先生が運営されている他のサイト等も,ご案内します.「コトバと文化のフォーラム - Castlecliffe」と合わせて,英語史に直接・間接に関わる膨大で良質な情報が蓄積されています.
・ もう1つのHP 「Yoko Iyeiri(家入葉子)のホームページ」より,とりわけ「研究・授業関連の投稿ページ」にはご著書の一覧が掲載されています.関連記事も英語史を学ぶ者にとってたいへん有用です.
・ 家入先生による英語史導入 YouTube 動画もあります.「京大先生シアター「英語史 ことばが変化し続けることの意味」」よりどうぞ.
・ 家入先生が代表世話役を務められている英語史研究会も紹介します.年1度開催されていますが,次の第32回は来たる4月8日(土)にオンライン開催の予定です.
家入先生と堀田が対談形式で新著『文献学と英語史研究』(開拓社)を紹介した Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」の放送回2件も,ぜひお聴きください.なお,今朝の heldio 放送回の Chapter 2 でも,家入先生の上記ブログを簡単に紹介しています.
・ 「#609. 家入葉子先生との対談:新著『文献学と英語史研究』(開拓社)を紹介します」
・ 「#611. 家入葉子先生との対談の第2弾:新著『文献学と英語史研究』より英語史コーパスについて語ります」
・ 家入 葉子・堀田 隆一 『文献学と英語史研究』 開拓社,2022年.
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