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最終更新時間: 2024-07-26 08:31

2021-03-22 Mon

#4347. 講座「英語の歴史と語源」の第9回「百年戦争と黒死病」を終えました [asacul][notice][history][hundred_years_war][black_death][reestablishment_of_english][covid][link][slide]

 先日の記事「#4338. 講座「英語の歴史と語源」の第9回「百年戦争と黒死病」のご案内」 ([2021-03-13-1]) でお知らせしたように,3月20日(土)の15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・9 百年戦争と黒死病」を開講しました.数ヶ月に一度,ゆっくり続けているシリーズですが,いよいよ中世も終わりに近づいて来ました.
 今回も厳しいコロナ禍の状況のなかで参加していただいた皆さんには感謝致します.熱心な質問やコメントもたくさんのいただき,ありがとうございました.
 今回は,黒死病が重要テーマの1つということもあり,タイムリーを狙って「[特別編]コロナ禍と英語」という話題から始めました.その後,14--15世紀の2大事件ともいえる百年戦争 (hundred_years_war) と黒死病 (black_death) を取り上げ,その英語史上の意義を論じました.このような歴史上の大事件は,確かに後世の私たちにも強烈な印象を与えますが,その時代までに醸成されていた歴史の潮流を後押しする促進剤にすぎず,必ずしも事件そのものが本質的で決定的な役割を果たすわけではないと議論しました.現在のコロナ禍も大きな社会変化を引き起こしていると言われますが,本当のところは,既存の潮流を促進しているという点にこそ歴史上の意義があるのかもしれません.
 今回の講座で用いたスライドをこちらに公開しておきます.以下にスライドの各ページへのリンクも張っておきます.

   1. 英語の歴史と語源・9 「百年戦争と黒死病」
   2. 第9回 百年戦争と黒死病
   3. 目次
   4. 1. [特別編]コロナ禍と英語
   5. OED の特集記事
   6. 2. 英語の地位の低下と復権(1066?1500年)
   7. 英語の復権の歩み (#131)
   8. 3. 百年戦争 (Hundred Years War)
   9. 百年戦争前後の略年表
   10. 百年戦争と英語の復権
   11. 4. 黒死病 (Black Death)
   12. 黒死病の社会(言語学)的影響 (1)
   13. 黒死病と社会(言語学)的影響 (2)
   14. 英語による教育の始まり (#1206)
   15. 実は当時の英語(中英語)は繁栄していた
   16. 黒死病は英語の復権に拍車をかけたにすぎない
   17. まとめ
   18. 参考文献

 次回のシリーズ第10回は2021年5月29日(土)の15:30?18:45を予定しています.印欧祖語から始まった講座も,いよいよ近代に突入します.お題は「大航海時代と活版印刷術」です.この話題について,再び皆さんと議論できればと思います.講座の詳細はこちらからどうぞ.

Referrer (Inside): [2022-03-12-1]

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2021-03-15 Mon

#4340. NHK『中高生の基礎英語 in English』の新連載「歴史で謎解き 英語のソボクな疑問」がスタートします [notice][sobokunagimon][rensai][3sp]

 私としては初めての経験となるのですが,英語を学ぶ中高生に的を絞った連載「歴史で謎解き 英語のソボクな疑問」が新年度に向けてスタートします.NHKラジオで3月29日に開講する新講座「中高生の基礎英語 in English」のテキストのなかで,毎月,英語のソボクな疑問をミステリー仕立てで易しく謎解きしていきます.筆者として新連載の執筆に当たって最も心がけたいと思っていることは,おもしろく,分かりやすく解説することです.
 4月号のテキストはすでに3月14日に発刊されています.連載の初回は「第1回 なぜ3単現の s をつけるの?」です.

『中高生の基礎英語 in English』2021年4月号



 英語に関する素朴な疑問については,これまでも以下のように異なる媒体で頻繁に公にしてきました.

 ・ 本ブログの英語に関する素朴な疑問集
 ・ 本ブログの hellog ラジオ版コンテンツ
 ・ 『英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史』(研究社,2016年)
 ・ 『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』(中央大学出版部,2011年)
 ・ 大修館『英語教育』の連載(2019年4月号から2020年3月号までの12回)「英語指導の引き出しを増やす 英語史のツボ」
 ・ 研究社のオンライン連載(2017年1月から12月の12回)「現代英語を英語史の視点から考える」
 ・ 『CNN English Express』2019年2月号の記事「歴史を知れば納得! 英語の『あるある大疑問』」 (pp. 41--49)
 ・ 大修館『英語教育』2018年9月号の記事「素朴な疑問に答えるための英語史のツボ」 (pp. 12--13)
 ・ 「3単現の -s の問題とは何か――英語教育に寄与する英語史的視点――」『これからの英語教育――英語史研究との対話――』 (Can Knowing the History of English Help in the Teaching of English?). Studies in the History of English Language 5. 家入葉子(編),大阪洋書,2016年.105--31頁.

 実際,3単現の -s の問題も,上記の媒体で2度や3度にとどまらず繰り返し取り上げてきた話題です.その点では,話題そのものの新鮮みはあまりないかもしれません.しかし,今回は,ある程度その問題について理解している読者にとっても,なるほどと思ってもらえるような新しい知見や視点を含めるように努めました.どのレベルの読者にとっても,おもしろく読める内容に仕上がっているのではないかと思います.
 今回の試みが従来のものと決定的に異なる点は,やはり第一に中高生を対象としているという事実です.これまでも易しい解説を心がけてきたつもりではありますが,想定していた読者はたいてい大学生以上の英語学習者や英語教育関係者でした.ところが,今回は英語を学ぶ中高生を直接に意識した連載なのです.その意味で,今回の新連載は,筆者にとってもチャレンジングな機会だと思っています.
 英語史に関心をもってもらえるよう,編集者の方とも協議し,なるべく噛み砕いた記述を心がけました.また,謎解き探偵風のイラストをふんだんに入れてもらい,取っつきやすさも出ているかと思います.
 英語学習者や英語教員の皆さん,ぜひ毎月テキストを手にとってみてください.よろしくお願いします.
 なお,テキスト末尾にも掲載されていますが,NHKテキストより,英語に関する疑問やこの連載で扱って欲しいテーマを募集しています.NHKテキストのウェブサイトのアンケートよりどうぞ.

Referrer (Inside): [2021-04-19-1]

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2021-03-13 Sat

#4338. 講座「英語の歴史と語源」の第9回「百年戦争と黒死病」のご案内 [asacul][notice][history][hundred_years_war][black_death][reestablishment_of_english][covid]

 来週3月20日(土)の15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・9 百年戦争と黒死病」と題してお話しします.関心のある方は是非お申し込みください.趣旨は以下の通りです.

14世紀のイングランドは,英仏百年戦争 (1337--1453年) の勃発と,それに続く黒死病の蔓延(1348年の第一波)など数々の困難に見舞われました.これらの社会的な事件は,ノルマン征服以来定着していたフランス語による支配を転換させ,英語の復権を強く促す契機となりました.いよいよ英語はイングランドの国語という地位へと返り咲き,近代にかけて勢いを増していくことになります.標題の歴史的大事件のもつ英語史上の意義を考えてみたいと思います.


 とりわけ黒死病が英語に与えたインパクトという問題に注目します.目下,新型コロナウィルスにより世界中の政治,経済,社会が大きな影響を受けていますが,英語をはじめとする諸言語もまたその影響下にあり,変容を余儀なくされています.疫病と言語の関わりは一般に思われているよりもずっと深いのです.650年ほど前にヨーロッパを襲った疫病は,いかにして英語とその歴史に衝撃を与えたのか.この問題について,一緒に検討していきたいと思います.同時に,目下の新型コロナウィルスと英語に関する話題も盛り込む予定です.
 本ブログでも百年戦争 (hundred_years_war) や黒死病 (black_death) について幅広く扱ってきましたので,各記事をご覧ください.

Referrer (Inside): [2021-03-22-1]

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2021-03-05 Fri

#4330. 春のゼミ合宿にて卒論・修論報告会を開催しました [hel_education][academic_conference][sotsuron][notice]

 一昨日の3月3日に,一日がけで春のゼミ合宿(オンライン)を開催しました.年度末ということで,学部・院のゼミ関係者の執筆した卒業論文(7本)と修士論文(2本)の報告会という趣旨で,1人につき20分の発表および10分の質疑応答という時間割で,朝から夕方までみっちり勉強する機会となりました.
 以下「#4297. 2021年度に提出された卒論論文の題目」 ([2021-01-31-1]) のリストと多く重なりますが,堀田ゼミ(慶應義塾大学文学部・文学研究科英米文学専攻の英語史分野)にて研究されているテーマの嬉しい多様性を示したく,合宿当日のメニューを掲げたいと思います.



第1部 (10:35?12:05)

 1. (卒業論文) The Conditions of Third-Person Singular Verbal -s Inflection in African American Vernacular English: Analyzing Kendrick Lamar's Lyrics
 2. (卒業論文) The Distribution of the Agent Suffixes -er and -or
 3. (卒業論文) A Chronological Study of the Noun Apple in Complexes of Fruit (or Vegetable) Names Using TOE and OED

第2部 (13:00?14:30)

 4. (卒業論文) The Analysis of French Loanwords Meaning Animals and Their Meat
 5. (卒業論文) Taboos and Slang: A Study Focusing on Euphemisms for Death in the 19th and 20th Centuries of America
 6. (卒業論文) "Honey" as a Term of Endearment in the History of the English Language

第3部 (14:45?16:15)

 7. (卒業論文) The Analysis of the Preposition "of" Found in the General Prologue
 8. (修士論文) A Corpus-Based Analysis of Compound Numerals in Old and Middle English
 9. (修士論文) Introduction of the Latin paradisus into Old English with Special Reference to Ælfric's Use of neorxnawang and paradis-

第4部 発表者・司会者による座談会 (16:30?17:00)

懇親会 (17:00?18:00)



 ゼミ生のオーディエンスには各発表に対するコメントももらい,オンライン企画ながらも有意義な学術交流が行なわれました.また,第4部の「発表者・司会者による座談会」では,学術論文テーマの選び方,絞り方について活発に議論することができました.
  年度末の「総括」というのは,やはり必要だなと実感しました.各論文執筆者の渾身の発表には刺激を受けました,皆ありがとう!(cf. 「#4159. 2日間のオンライン・ゼミ合宿を決行しました」 ([2020-09-15-1]))

Referrer (Inside): [2022-03-05-1]

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2021-02-22 Mon

#4319. 河西良治教授退職記念論文集刊行会(編) 『言語研究の扉を開く』 開拓社,2021年. [notice][review][toc]

 敬愛する河西良治先生(中央大学文学部英語文学文化専攻教授)がこの3月でご退職されます.退職記念として,河西ゼミ門下生により編集された記念論文集『言語研究の扉を開く』が開拓社より出版されました.私自身も小論「英語の歴史にみられる3つの潮流」を寄稿させていただいたのですが,その拙論は別として,河西先生ご自身も含めた充実の執筆陣による多種多様な英語学の論文が集まっており,これからじっくり楽しんで読みたいと思っています.

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 以下,目次を掲げます.

[ 言語心理学・言語教育学 ]

  ・ 阿佐 宏一郎 「文字サイズと読み効率の言語心理学」
  ・ 歌代 崇史 「ティーチャートークの適切さの自動推定に向けた探求 --- 日本語教員養成課程において ---」
  ・ 木塚 雅貴 「英語科教員のための英語音声学」
  ・ Matthews, John 「Sounds of Language, Sounds of Speech: The Linguistics of Speaking in English but Hearing in Japanese」

[ 応用言語学 ]

  ・ 石崎 貴士 「Reconsidering the Input Hypothesis from a Connectionist Perspective: Cognitive Filtering and Incomprehensible Input」
  ・ 平川 眞規子 「日本人英語学習者によるテンスとアスペクトの意味解釈:単純形 -s vs. 現在進行形 -ing
  ・ 穂刈 友洋 「誤り研究への招待」
  ・ 村野井 仁 「第二言語習得と意味」
  ・ 若林 茂則 「第二言語の解明:統率束縛理論に基づく研究の成果と今後の研究の方向性」

[ 英語学 ]

  ・ 靭江 静 「日本語の「できる」と英語の can の語用論上の相違と語用論に基づいた指導の必要性」
  ・ 久米 啓介 「英語学習者の冠詞体系」
  ・ 倉田 俊二 「英語の自由間接話法と自由直接話法について」
  ・ 堀田 隆一 「英語の歴史にみられる3つの潮流」
  ・ 手塚 順孝 「顎・舌・唇:身体的特徴を加味した英語母音の一般化の可能性」

[ 理論言語学 ]

  ・ 新井 洋一 「That 時制節を焦点として導く疑似分裂文の特性と諸問題」
  ・ 井筒 勝信 「見えるもの,見えないもの:ミクロ類型論から見えて来るもの」
  ・ 北原 賢一 「コーパスを用いた言語研究の盲点 --- 同族目的語表現を巡って ---」
  ・ 篠原 俊吾 「ずらして見る --- メトニミー的視点 ---」
  ・ 星 英仁 「概念・志向システムによる意味解釈のメカニズム」
  ・ 山田 祥一 「断言と疑問の混交文 --- ウェブ上の言葉遊びに見られる特殊表現 ---」

  ・ 河西良治先生経歴と業績一覧

  ・ 「私の言語研究:言語と人生」 河西 良治


 ・ 河西良治教授退職記念論文集刊行会(編) 『言語研究の扉を開く』 開拓社,2021年.

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2021-01-01 Fri

#4267. 2020年によく読まれた記事 [link][sobokunagimon][notice]

 明けましておめでとうございます.本年は皆さんにとって良い年になることを切に祈っています.何が起こっても学びが止まらないよう,英語史ブログとしては本年も話題を提供し続けていきます.引き続き,よろしくお願い申し上げます.
 この1年間でどのような記事がよく読まれてきたか,ざっと調べてみました.12月30日付のアクセス・ランキング (access ranking) のトップ500記事をご覧ください(参考までに昨年版の「#3901. 2019年によく読まれた記事」 ([2020-01-01-1]) もどうぞ).とりわけ昨年中に執筆した本ブログの記事のなかでよく読まれたものを,以下に一覧しておきます.

 ・ 「#4044. なぜ活字体とブロック体の小文字 <a> の字形は違うのですか?」 ([2020-05-23-1]) (2335)
 ・ 「#4069. なぜ live の発音は動詞では「リヴ」,形容詞だと「ライヴ」なのですか?」 ([2020-06-17-1]) (1930)
 ・ 「#4017. なぜ前置詞の後では人称代名詞は目的格を取るのですか?」 ([2020-04-26-1]) (1779)
 ・ 「#3925. 電子メールの返信で用いる引用の ">" は,実は中世の句読記号」 ([2020-01-25-1]) (1383)
 ・ 「#4052. 「今日の素朴な疑問」コーナーを設けました」 ([2020-05-31-1]) (1071)
 ・ 「#4019. ぜひ英語史学習・教育のために hellog の活用を!」 ([2020-04-28-1]) (927)
 ・ 「#3941. なぜ hour, honour, honest, heir では h が発音されないのですか?」 ([2020-02-10-1]) (888)
 ・ 「#4050. 言語における記述主義と規範主義」 ([2020-05-29-1]) (835)
 ・ 「#3976. 英語史における黒死病の意義」 ([2020-03-16-1]) (796)
 ・ 「#4035. stay at homestay home か --- 英語史の観点から」 ([2020-05-14-1]) (757)
 ・ 「#4039. 言語における性とはフェチである」 ([2020-05-18-1]) (754)
 ・ 「#4045. 英語に関する素朴な疑問を1385件集めました」 ([2020-05-24-1]) (752)
 ・ 「#4047. 「英語の英米差」のまとめ --- hellog 記事リンク集」 ([2020-05-26-1]) (689)
 ・ 「#4024. なぜ JapaneseChinese などは単複同形なのですか? (1)」 ([2020-05-03-1]) (683)
 ・ 「#3983. 言語学でいう法 (mood) とは何ですか? (1)」 ([2020-03-23-1]) (672)
 ・ 「#4071. 意外や意外 able と -able は別語源」 ([2020-06-19-1]) (589)
 ・ 「#4026. なぜ JapaneseChinese などは単複同形なのですか? (3)」 ([2020-05-05-1]) (556)
 ・ 「#4060. なぜ「精神」を意味する spirit が「蒸留酒」をも意味するのか?」 ([2020-06-08-1]) (539)
 ・ 「#3969. ラテン語,古ノルド語,ケルト語,フランス語が英語に及ぼした影響を比較する」 ([2020-03-09-1]) (537)
 ・ 「#4036. stay at homestay home か --- コーパス調査」 ([2020-05-15-1]) (531)
 ・ 「#4042. anti- は「アンティ」か「アンタイ」か --- 英語史掲示板での質問」 ([2020-05-21-1]) (497)
 ・ 「#3979. 古英語期に文証される古ノルド語からの借用語のサンプル」 ([2020-03-19-1]) (480)
 ・ 「#3948. 『英語教育』の連載第12回「なぜアメリカ英語はイギリス英語と異なっているのか」」 ([2020-02-17-1]) (460)
 ・ 「#3982. 古ノルド語借用語の音韻的特徴」 ([2020-03-22-1]) (458)
 ・ 「#3940. 形容詞を作る接尾辞 -al と -ar」 ([2020-02-09-1]) (417)
 ・ 「#3999. want の英語史 --- 語源と意味変化」 ([2020-04-08-1]) (414)

 ほかに,昨年は6月辺りから新しい試みとして hellog ラジオ版 を始めました.コロナ禍でありとあらゆるものがオンラインとなり,皆PCやスマホとにらめっこの時間が増えたこともあり,眼の負担軽減のためにも,新種の刺激のためにも,「耳から入る」英語史ブログにチャレンジしてみました.素朴な疑問への回答を中心とした,なるべくハードルの低い内容を取りそろえてきました.今年も,ラジオ版においても本編においても,英語に関する素朴な疑問を多く取り上げていく予定です.関連して,参考までに英語に関する素朴な疑問の一覧もどうぞ.
 今年も多かれ少なかれオンラインでの学びが続くことと思いますが,英語史を学ぶための hellog の活用法として「#4019. ぜひ英語史学習・教育のために hellog の活用を!」 ([2020-04-28-1]) の記事も是非ご一読ください.

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2020-12-31 Thu

#4266. 講座「英語の歴史と語源」の第8回「ジョン失地王とマグナカルタ」を終えました [asacul][notice][monarch][french][history][reestablishment_of_english][magna_carta][link][slide]

 「#4254. 講座「英語の歴史と語源」の第8回「ジョン失地王とマグナカルタ」のご案内」 ([2020-12-19-1]) でお知らせしたように,12月26日(土)の15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・8 ジョン失地王とマグナカルタ」と題して話しました.ゆっくりと続けているシリーズですが,毎回,参加者の皆さんから熱心な質問やコメントをいただきながら,楽しく進めています.ありがとうございます.
 今回は英語史としてもイングランド史としても地味な13世紀に注目してみました.歴代イングランド王のなかで最も不人気なジョン王と,ジョンが諸侯らに呑まされたマグナカルタを軸に,続くヘンリー3世までの時代背景を概観した上で,当時の英語を位置づけてみようと試みました.そして最後には,同世紀の初期と後期を代表する中英語の原文を堪能しました.難しかったでしょうか,どうだったでしょうか.私自身も,資料を作成しながら,地味な13世紀も見方を変えてみれば英語史的に非常におもしろい時代となることを確認できました.
 講座で用いたスライドをこちらに公開しておきます.以下にスライドの各ページへのリンクも張っておきます.

   1. 英語の歴史と語源・8 「ジョン失地王とマグナカルタ」
   2. 第8回 ジョン失地王とマグナカルタ
   3. 目次
   4. 1. ジョン失地王
   5. 関連略年表
   6. 2. マグナカルタ
   7. マグナカルタの当時および後世の評価
   8. Carta or Charter
   9. Magna or Great
   10. ヘンリー3世
   11. 3. 国家と言語の方向づけの13世紀
   12. 4. 13世紀の英語
   13. The Owl and the Nightingale 『梟とナイチンゲール』の冒頭12行
   14. "The Proclamation of Henry III" 「ヘンリー3世の宣言書」
   15. まとめ
   16. 参考文献

 次回のシリーズ第9回は2021年3月20日(土)の15:30?18:45を予定しています.話題は,不運にもタイムリーとなってしまった「百年戦争と黒死病」です.戦争や疫病が,いかにして言語の運命を変えるか,じっくり議論していきたいと思います.詳細はこちらからどうぞ.

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2020-12-19 Sat

#4254. 講座「英語の歴史と語源」の第8回「ジョン失地王とマグナカルタ」のご案内 [asacul][notice][monarch][french][history][reestablishment_of_english][magna_carta]

 来週12月26日(土)の15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・8 ジョン失地王とマグナカルタ」と題する講演を行ないます.関心のある方は是非お申し込みください.趣旨は以下の通りです.

1204年,ジョン王は父祖の地ノルマンディを喪失し,さらに1215年には,貴族たちにより王権を制限するマグナカルタを呑まされます.英語史的にみれば,この事件は (1) 英語がフランス語から独立する契機を作り,(2) フランス話者である王侯貴族の権力をそぎ,英語話者である庶民の立場を持ち上げた,という点で重要でした.この後2世紀ほどをかけて英語はフランス語のくびきから脱していきます.本講座では,この英語の復活劇を活写します.


 イングランドの歴代君主のなかでも最も人気のないジョン王.フランスに大敗し,ウィリアム征服王以来の故地ともいえるノルマンディを1204年に失ってしまいました.さらに,1215年には,後に英国の憲法に相当するものとして神聖視されることになるマグナカルタを承認せざるを得なくなりました.この13世紀の歴史的状況は,英語の行く末にも大きな影響を及ぼしました.この後,英語はゆっくりとではありますが着実に「復権」していくことになります.
 関連する当時の英語(中英語)の原文も紹介しながら,ゆかりの英単語の語源も味わっていく予定です.

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2020-11-07 Sat

#4212. ゼミのホームページがオープンしました [notice][hel_education][link][chiguhagu_channel][khelf]

 大学で運営している私の「英語史ゼミ」のホームページ が立ち上がりました.毎年度この時期は,慶應義塾大学文学部英米文学専攻の学部2年生が,翌3年次より所属することになる専門ゼミを選択し,志望する時期にあたるので,当該ゼミとしても広報を始めた次第です.これまでは紙のフライヤーなどを作っていたのですが,今回はご時世によりオンライン仕様に切り替え,現役ゼミ生に HP を立ち上げてもらいました.こちらからどうぞ.
 HP で "khelf" と銘打っているのは "Keio History of the English Language Forum" の頭字語 (acronym) です.このフォーラムは,正確にいえば私の学部の英語史ゼミのみならず,大学院の英語史ゼミも含み(←むしろ重要な貢献者),さらにその他少数の学生や関係者を含む「内輪」のグループです.内輪ではありますが,本ブログと並行して,英語史の学習・研究・教育に関する情報発信の場となることを期待しつつ,この機会にパブリック化する次第です.
 この小さなフォーラムの内部では,年がら年中,英語史に関する何らかの話題が飛び交っています.最近盛り上がっているものの1つが「ちぐはぐチャンネル」です.学部生によって端緒が開かれ,院生によって整備されてきた「チャンネル」(共有している電子掲示板のスレッドのことをこう呼んでいます)です.具体的には「英語の○○と△△って,ちぐはぐじゃない?」という英語(史)に関する一発ネタを誰かがツイート風にコメントし,他の誰かが気の赴くままにコメントバックしたり,しなかったり,というだけの活動です.しかし,侮るなかれ,キレのある秀逸な「ちぐはぐ」投稿は,すでにレポートや卒論のテーマへと発展し得るポテンシャルを示しつつあります.上の HP のメニューより「掲示板」を選ぶと,そこから「ちぐはぐチャンネル」のサンプル投稿へのリンクにたどりつけます.具体例をいくつか示してみると,こんな感じです.

 ・ four (4), fourteen(14), forty(40) .forty だけ 'u' を綴らない.ちぐはぐ?
 ・ 中高で現在完了と ago は共起できないと教えられるのに,助動詞+have p.p. は ago と共起できるのはちぐはぐ?
 ・ 同じ「世界中」を意味するのに,語順を入れ替えた2つのバージョンともに可能.all over the world と all the world over.ちょっとした統語的ちぐはぐと考えられる?
 ・ 身近な家族を表す英単語で,父は father,母は mother,兄弟は brother と -ther で終わっているのに,姉妹は sister .語源はまだ調べていませんが,ちぐはぐ?
 ・ Turkey (トルコ)と turkey(七面鳥).語頭の大文字・小文字で意味がちぐはぐ.

と,こんな軽いノリですが,いかがでしょうか.
 ゼミ選定でアレコレ悩んでいる英米文学専攻の2年生も多いと思いますが,ぜひ新設 HP の情報を参考にしてもらえればと思います.

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2020-10-23 Fri

#4197. 小澤実氏による「ルーン文字の遍歴」の連載(研究社)がスタートしています [runic][notice]

 「研究社 Web マガジン Lingua」にて,小澤実氏(立教大学)による「ルーン文字の遍歴」と題する連載がスタートしています.第1回のプロローグは「ルーン文字とは何か」で,ルーン文字史の概説となっています.読みやすい,おもしろい! 専門家によるルーン文字史がこういう形で読めるとは,何とも素晴らしい時代になりました.小澤氏と研究社に感謝いたします.
 私自身はルーン文字やその背景の歴史を専門にしているわけはないのですが,ルーン文字について,英語史あるいは文字論の話題として runic の各記事で様々に取り上げてきました.かつてルーン文字の起源について駄文を記した折には,当の小澤氏に突っ込み(=ご指摘)を入れていただくなどしてお世話になりました.
 第1回の記事から,初期近代の北欧において,当時発展した文献学を後ろ盾にして「自分探し」としてのルーン文字研究が流行したという趣旨の文章を引用させていただきます

初期近代,北欧の過去に対する関心が高まった結果,「ゴート・ルネサンス」と呼ばれる古代スカンディナヴィアの文化の復興運動が起こりました.ギリシアやローマとつながりのない北欧において,北欧が出身地と考えられたゲルマン人の一派ゴート人と自らのつながりを明らかにしようとする知的運動です.そこで注目されたのが,ヘブライ文字,ギリシア文字,ラテン文字といった聖書で使われる文字とも異なるルーン文字です.自らの歴史をどこまで遡ることができるかという意識に囚われた初期近代の北欧知識人らは,ルーン文字の収集と研究に意を注ぎました.


 まったく同じ時期,イングランドでも同様に,文献学を後ろ盾にしてアングロサクソン研究という「自分探し」が流行りました.このブログの主題でもある「英語史」は,この時期の「自分探し」の副産物として,英語に関する歴史的な知識が蓄積された結果の姿といっても過言ではありません.当時の流行として「ある種の意図」をもって収集された知識が,現代の「英語史」のベースとなっています.
 連載のなかで述べられているように,ルーン文字の誕生は2世紀頃という大昔であり,しかも中世後期までには実用上は廃用となったわけではありますが,それは初期近代,そして現代という異なる時期に,その時々の「意味づけ」を与えられ,蘇ってきたという事実があります.同じように,英語史における「古英語」も,やはりその時々の「意味づけ」を与えられつつ受容されてきました.
 ルーン文字と古英語の上記の平行性も念頭におきつつ,今後の連載の展開を楽しみにしたいと思います.

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2020-10-10 Sat

#4184. 10月31日,英語史研究会主催「英語史コンテンツ展覧会」のお知らせ [notice][academic_conference][hel_education]

 3週間後の10月31日(土)の13:00?16:00に,英語史研究会が主催するオンライン特別企画「英語史コンテンツ展覧会」が開催されます.詳細な案内はこちらのPDFをご覧ください.
 同研究会の会員か否かは問わず,英語史に関心のあるすべての大学(学部)生・院生に開かれた英語史ファンイベントです.お互いに「英語史の小ネタ」を披露し,ツイート風にコメントしあい,楽しく英語史を学ぼうという企画です.コロナ下でオンライン授業の続いている大学も多いかと思いますが,英語史への関心を共有する全国からの大学生どうしが横につながることのできる貴重な機会となるのではないでしょうか.
 原則として審査はなく,参加費もかからず,本番ではコンテンツも匿名で出されるので,学生の皆さんは安心して「出展」できます.本ブログもいわば「英語史の小ネタ」集ですので,このブログを講読している大学(院)生の方は,ぜひ出展を検討してみてはいかがでしょうか.
 出展希望者は,1週間後の10月17日(土)までにこちらのフォームより事前登録をどうぞ.事前登録では,名前,メールアドレス,所属大学(院),コンテンツの仮題等の記入が求められます.その後,10月24日(土)までにコンテンツの完成品をオンラインで提出し,10月31日(土)午後の「展覧会」で互いに鑑賞し合うという流れです.ふるってご出展ください.

jashel_exhibition_20201031.png

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2020-10-06 Tue

#4180. 講座「英語の歴史と語源」の第7回「ノルマン征服とノルマン王朝」を終えました [asacul][notice][norman_conquest][monarch][french][history][link][slide]

 「#4170. 講座「英語の歴史と語源」の第7回「ノルマン征服とノルマン王朝」のご案内」 ([2020-09-26-1]) でお知らせしたように,10月3日(土)の15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・7 ノルマン征服とノルマン王朝」と題する講演を行ないました.久し振りのシリーズ再開でしたが,ご出席の皆さんとは質疑応答の時間ももつことができました.ありがとうございます.
 ノルマン征服 (norman_conquest) については,これまでもその英語史上の意義について「#2047. ノルマン征服の英語史上の意義」 ([2014-12-04-1]),「#3107. 「ノルマン征服と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-29-1]) 等で論じてきましたが,今回の講座では,ノルマン征服という大事件のみならず,ノルマン王朝イングランド (1066--1154) という88年間の時間幅をもった時代とその王室エピソードに焦点を当て,そこから英語史を考え直すということを試してみました.いかがだったでしょうか.講座で用いたスライドをこちらに公開しておきます.以下にスライドの各ページへのリンクも張っておきます.

   1. 英語の歴史と語源・7 「ノルマン征服とノルマン王朝」
   2. 第7回 ノルマン征服とノルマン王朝
   3. 目次
   4. 1. ノルマン征服,ten sixty-six
   5. ノルマン人とノルマンディの起源
   6. エマ=「ノルマンの宝石」
   7. 1066年
   9. ノルマン王家の仲違いとその後への影響
   10. ウィリアム2世「赤顔王」(在位1087--1100)
   11. ヘンリー1世「碩学王」(在位1100--1135)
   12. 皇妃マティルダ(生没年1102--1167)
   13. スティーヴン(在位1135--1154)
   14. ヘンリー2世(在位1154--1181)
   15. 3. 英語への社会的影響
   16. ノルマン人の流入とイングランドの言語状況
   17. 4. 英語への言語的影響
   18. 語彙への影響
   19. 綴字への影響
   20. ノルマン・フランス語と中央フランス語
   21. ノルマン征服がなかったら,英語は・・・?
   22. まとめ
   23. 補遺: 「ウィリアムの文書」 (William’s writ)
   24. 参考文献

 次回は12月26日(土)の15:30?18:45を予定しています.話題は,今回のノルマン王朝に続くプランタジネット王朝の前期に注目した「ジョン失地王とマグナカルタ」についてです.いかにして英語がフランス語の「くびき」から解放されていくことになるかを考えます.詳細はこちらからどうぞ.

Referrer (Inside): [2022-03-12-1]

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2020-10-01 Thu

#4175. 「なぜ英語とフランス語は似ているの?」の記事紹介 [french][history_of_french][norman_conquest][norman_french][sobokunagimon][hel_education][notice]

 三省堂のことばのコラムのシリーズとして,「歴史で謎解き!フランス語文法(フランス語教育 歴史文法派)」が展開しています.今回は,英語史との関連でその第18回「なぜ英語とフランス語は似ているの?」の記事をご紹介します.英語史の学徒として実に読みやすく,英仏海峡の向こうから英語史を記述してもらったようで,こそばゆいような,瑞々しいような気持ちになりました.英語とフランス語に関心のあるすべての方に一読をお薦めします.
 英語史の専門家がフランス語史を学ぶことは重要ですし,フランス語史に通じている方より英語史に関心を示してもらえるのは,お互いにメリットのあることだと思っています.学界的にも,この辺りの相互交流が欠如しているのは残念なことだと思っています.中世ヨーロッパにおいては現代のような厳密な国境意識はなく,言語的にいえば multilingual な世界が常態だったわけですから.今回の記事で扱われている時期の「イギリス」でも,「国語」が英語だったのか,フランス語だったのか,はたまたラテン語だったのか,はっきりしません.西欧近代諸国の「標準語」とて,背後にあるイギリス,フランス,ドイツ等の主権国家の「主たる言語」が前面に出てきたにすぎないわけです.
 21世紀の現在,英語が世界的な言語となったのは歴史の偶然にすぎません.英語という言語の本質的な力によるものではなく,主に18世紀から20世紀まで続いたイギリス,アメリカという二大国家の覇権のなせるわざです.
 そのような覇権的な動きが始まる近代より前の時代に焦点を移せば,ヨーロッパには「主権国家」もなければ「国語」も,厳密な意味においてはありませんでした.英語もヨーロッパのありふれた言語の1つにすぎませんでした.英語が大陸のゲルマン語にルーツを持ちつつも,同じく大陸のラテン系のロマンス諸語と長らく接触してきた歴史を,この機会にあらためて顧みてはいかがでしょうか.

Referrer (Inside): [2024-03-28-1]

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2020-09-26 Sat

#4170. 講座「英語の歴史と語源」の第7回「ノルマン征服とノルマン王朝」のご案内 [asacul][notice][norman_conquest][french][history][link]

 10月3日(土)の15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・7 ノルマン征服とノルマン王朝」と題する講演を行ないます.趣旨は以下の通りです.

1066年のノルマン征服はイギリス史上最大の事件といわれますが,英語史の観点からも,その後の英語がたどってゆく進路を大きく方向づけた点できわめて重大な出来事でした.以後,英語はノルマン王朝の公用語であるフランス語との接触を強め,主に語彙,語法,綴字の領域で大きな言語的影響を被ることになりました.また,当時英語が一時的にフランス語のくびきの下で社会的権威を奪われ,標準形をも失ったという事実は,近代以降の英語の世界的な発展を思うとき,実に意味深長です.本講座で,ノルマン征服の英語史上の意義を改めて考えてみましょう.


 ノルマン征服とは? ノルマン人とは何者? 彼らは何語を話していたのか? イングランドや英語とはどのような関係があるのか? 現代の英語にいかなる影響を及ぼしたのか? 英国史のみならず英語史においても計り知れないインパクトをもつ1066年の事件とその余波に迫ります.
 本シリーズもしばらく中断を余儀なくされていましたが,久し振りの再開となります.関心のある方は是非お申し込みください.よろしくどうぞ.

Referrer (Inside): [2020-10-06-1]

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2020-06-23 Tue

#4075. なぜ大文字と小文字があるのですか? --- hellog ラジオ版 [hellog-radio][sobokunagimon][hel_education][alphabet][capitalisation][notice]

 昨日の記事「#4074. 「素朴な疑問」にひたすら音声で答える英語史の講義を行ないました」 ([2020-06-22-1]) で予告したように,恥を晒して「hellog ラジオ版」をオープンします.
 初回となる今回は「なぜ大文字と小文字があるのですか?」という疑問に答えます.2分20秒ほどの音声 (mp3) によるお手軽な話題です.以下よりどうぞ.



 皿洗いをしながらでも気軽に聴けるようなコンテンツかと思います.とはいっても,完全な聞き流しをするには濃密なコンテンツかもしれません.深く知りたいと思ったら,やはり文字情報がベストです.じっくりと文章で読みたい方は,hellog より##1309,3668の記事セットをご覧ください.
 今後たまに発信していく予定の「hellog ラジオ版」では,新しい話題を提示するというよりも,すでに hellog 本体で扱ってきた話題へと誘う「入り口」を提供することを意識していきます.各メディアの特性を活かして,皆さんの英語史への好奇心を掻き立てることができればと思います.

Referrer (Inside): [2022-03-13-1] [2020-06-27-1]

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2020-06-22 Mon

#4074. 「素朴な疑問」にひたすら音声で答える英語史の講義を行ないました [sobokunagimon][hel_education][notice]

 この4月下旬から5月上旬にかけて,遅れた年度の始まりとなりましたが,大学の初回オンライン授業にて例年通り「英語に関する素朴な疑問」を集めました.結果として,すでに本ブログでも紹介したように「#4045. 英語に関する素朴な疑問を1385件集めました」 ([2020-05-24-1]) という多数の疑問が回収され,ここまで反応してくれた学生に対して少しでも回答を返さなければと焦っていました.
 そこで,英語史の講義のまるまる1回分を割いて,先の素朴な疑問に千本ノック風にひたすら答えていくという趣旨のラジオ・コーナー風の音声コンテンツを作り,それを学生に聴いてもらいました.今学期は異常事態ですし,従来の授業方式をいろいろと変えてみたいという事情もありました.
 答える方としても緊張感とゲーム性がほしかったので,あらかじめ答えやすい問題を選ぶということはせず,ランダムに疑問がディスプレイに出現するようにし,突如として現われる鋭い(あるいはとんでもない)疑問に対して,鋭い(あるいはとんでもない)コメントをもって矢継ぎ早に答えていくというやり方で実施してみました.同時に,なるべく既存の hellog 記事の内容と引っかける形での回答を心がけました.
 結果としては,エキサイティングな体験となりました.講義後のリアクションペーパーによれば,種々の改善すべき点も指摘されましたが,そこそこ楽しく聴いてもらえたようで,やってみて良かったと思っています.(見る方も作る方も)堅苦しくて疲れる動画による講義が続いていたので,息抜き的な位置づけでもありました.
 ただし,この調子で1385件に答えていこうとすると,文字通りの千本ノックとなり,少なくとも10年はかかりそうですので,ほどほどにしておきます.ですが,文章という書き言葉で説明する/されるのと,講義,映像,ラジオなどを通じて話し言葉で説明する/されるのとでは,情報の伝わり方がかなり違うようです.私も活字は好きですが,中高生のときに深夜ラジオばかり聴いていたので,耳から入る情報の質と量が侮れないことはよく分かっています.言語学的にも話し言葉と書き言葉の区別について様々に考えてきましたが,両メディアは根本的に伝わり方が違うのです(cf. 「#3886. 話しことばと書きことば (6)」 ([2019-12-17-1]) とそのリンク先の諸記事を参照).
 書物の学問も良いですが耳学問もたいへん結構,という考え方ですので,コロナ禍のドサクサに紛れて,恥を晒して「hellog ラジオ版」をオープンしようと思っています.簡易的,導入的なものであれ,音声という取っつきやすいメディアで英語史の情報を発信していけば,戯れに聴いてくれる方もいるのではないかと思ったからです.もっとも,オンライン授業期の副産物という程度の位置づけではありますが.
 今後,気が向いたときに英語史の話題に関して数分程度の音声コンテンツを作成し,アップロードするということを試みたいと思います.目下,明日のオープンに向けて準備しているところです.
 先に触れた千本ノックの講義後のリアクションペーパーがいろいろな意味で興味深かったので,私のコメントとともにいくつか挙げておきたいと思います.

 ・ 皿洗いしながら聴きました(←あくまで息抜き企画だったので,実にこういうシーンを想定していました.ながら聴き推奨です,ナイス.)
 ・ 電車に乗りながら聴きました(←これもありそう)
 ・ 短くて寝る前に毎日聴けるようなシステム(←かつての深夜ラジオのリスナーとしてよく理解できます)
 ・ オンライン授業が続いているとPCの画面を見つめる時間がどうしても長くなり,負担が特に目にかかるので音声の資料というのはそういった点でもとてもありがたいです(←この種のコメントは思いのほか多かったです.オンライン授業で学生の皆さんも目がやられているようですね.)
 ・ この媒体の方がより気軽に hellog の記事について入りやすくなりました(←情報を耳から入れるのを好むタイプの意見でしょうか)
 ・ 簡単なスライドなどを同時にのせてくれるとやりやすくて嬉しい.例えば,そのときに話しているテーマだけが書いてあるスライドでもよいので.(←文字や映像のほうが情報として頭に入ってきやすいというタイプでしょうか.やはり視覚情報も欲しいという意見は根強く,たくさん寄せられました.hellog 記事へのリンクを張って示すなどの策を講じる予定です.)
 ・ 自分の抱いた疑問がきちんと届いているのを回答とともに確認できて良かった(←1385件に貢献してくれてありがとう)
 ・ プロのナレーターではなく hellog 執筆者本人の肉声を聴くことができるのは大変画期的(←これは嬉しいコメント.講義と同様,噛み噛みでろれつの回っていないしゃべりですが,話し手は hellog の書き手と同一人物なので,内容は一致しているはずです.)
 ・ 他の受講者がどのような疑問を抱いているのかという自分になかった発想を知る機会にもなるし,その疑問についてさらに考えるきっかけにもなり良いなと感じた(←これもとても多かった意見.オンライン授業期で,他の履修者の存在が見えないということも大きいのだろうと想像します.)
 ・ 基本的には面白かったのですが,ランダムより事前に絞ったほうが,1つ1つについてよく知れ,考えられると思いました(←これも多かった意見.緊張感とゲーム性があったほうが私自身が楽しめると思ったわけなのですが,確かにとんでもない質問もありましたね.話題を選ぶことにします.)

 ということで,いろいろなフィードバックをもらいましたので,それを活かす形で,従来の hellog に加えて「hellog ラジオ版」として音声コンテンツも発信していきたいと思います.

Referrer (Inside): [2020-06-23-1]

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2020-05-31 Sun

#4052. 「今日の素朴な疑問」コーナーを設けました [notice][sobokunagimon][hel_education]

 「#4045. 英語に関する素朴な疑問を1385件集めました」 ([2020-05-24-1]) で紹介した通り,この年度初めに大学の英語史関連の授業を通じて,非常に多くの「英語に関する素朴な疑問」を寄せてもらいました.学生のみなさん,改めて協力に感謝します.改めて一覧はこちらです.
 これだけ集まったからには,皆さん回答を期待するでしょうし,私も回答する義務を感じています.ですが,さすがの数ではあります.なかには英語史にお任せという質問もあれば,逃げたくなるほどストレートで手強い質問もあります.今後は,限界はあるものの,授業を通じて,あるいは hellog を通じて,ゆっくりと回答していきたいと思っています.むしろ知的好奇心をそそるこれらの「素朴な疑問」を通じて,皆さんも私も一緒に学んでいきましょう,というのが疑問収集のそもそもの趣旨でした.(我慢できない方は,少なからぬ素朴な疑問に対して hellog ですでに回答していますのでこちらをご覧ください.)
 「回答する」というと偉そうな言い方ですが,実際にはそこで提案する「回答」らしきものは,すべて英語史・英語学の知見に基づこそすれ私の仮説にすぎません.比較的説得力のある仮説もあれば,根拠の弱い仮説もあるでしょう.私がここかしこでオープンにするのは,あくまでそのような意味での「回答」です.言葉の問題に関しては絶対的な正解などない,というのが私の考え方です.いつしかもっと良い視点や洞察が出ることを期待しての,当面の「回答」です.
 読者の皆さんにも私自身にも英語史思考を促すために,本ブログ右欄上部に「今日の素朴な疑問」コーナーを設けました.先の1385件からランダムに選び出された疑問が,毎日ここに掲載されます.ぜひ日々の英語(史)学習のインスピレーションに役立ててもらえればと思います.

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2020-03-28 Sat

#3988. 講座「英語の歴史と語源」の第6回「ヴァイキングの侵攻」を終えました [asacul][notice][slide][link][old_norse][lexicology][loan_word][borrowing][contact][history]

 「#3977. 講座「英語の歴史と語源」の第6回「ヴァイキングの侵攻」のご案内」 ([2020-03-17-1]) でお知らせしたように,3月21日(土)の15:15?18:30に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・6 ヴァイキングの侵攻」と題する講演を行ないました.新型コロナウィルス禍のなかで何かと心配しましたが,お集まりの方々からは時間を超過するほどたくさんの質問をいただきました.ありがとうございました.
 講座で用いたスライド資料をこちらに置いておきます.以下にスライドの各ページへのリンクも張っておきます.

   1. 英語の歴史と語源・6 「ヴァイキングの侵攻」
   2. 第6回 ヴァイキングの侵攻
   3. 目次
   4. 1. ヴァイキング時代
   5. Viking の語源説
   6. ヴァイキングのブリテン島襲来
   7. 2. 英語と古ノルド語の関係
   8. 3. 古ノルド語から借用された英単語
   9. 古ノルド借用語の日常性
   10. 古ノルド借用語の音韻的特徴
   11. いくつかの日常的な古ノルド借用語について
   12. イングランドの地名の古ノルド語要素
   13. 英語人名の古ノルド語要素
   14. 古ノルド語からの意味借用
   15. 4. 古ノルド語の語彙以外への影響
   16. なぜ英語の語順は「主語+動詞+目的語」なのか?
   17. 5. 言語接触の濃密さ
   18. 言語接触の種々のモデル
   19. まとめ
   20. 参考文献

 次回は4月18日(土)の15:30?18:45を予定しています(新型コロナウィルスの影響がますます心配ですが).「ノルマン征服とノルマン王朝」と題して,かの1066年の事件の英語史上の意義を考えます.詳細はこちらよりどうぞ.

Referrer (Inside): [2022-07-08-1] [2022-03-12-1]

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2020-03-17 Tue

#3977. 講座「英語の歴史と語源」の第6回「ヴァイキングの侵攻」のご案内 [asacul][notice][old_norse][history][oe][anglo-saxon][borrowing][contact][loan_word][link]

 今週末の3月21日(土)の15:15?18:30に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・6 ヴァイキングの侵攻」と題する講演を行ないます.趣旨は以下の通りです.

8世紀後半,アングロサクソン人はヴァイキングの襲撃を受けました.現在の北欧諸語の祖先である古ノルド語を母語としていたヴァイキングは,その後イングランド東北部に定住しましたが,その地で古ノルド語と英語は激しく接触することになりました.こうして古ノルド語の影響下で揉まれた英語は語彙や文法において大きく変質し,その痕跡は現代英語にも深く刻まれています.ヴァイキングがいなかったら,現在の英語の姿はないのです.今回は,ヴァイキングの活動と古ノルド語について概観しつつ,言語接触一般の議論を経た上で,英語にみられる古ノルド語の語彙的な遺産に注目します.


 ヴァイキングや古ノルド語 (old_norse) について,本ブログでも関連する話題を多く扱ってきました.以下,主要な記事にリンクを張っておきます.

 ・ 「#59. 英語史における古ノルド語の意義を教わった!」 ([2009-06-26-1])
 ・ 「#111. 英語史における古ノルド語と古フランス語の影響を比較する」 ([2009-08-16-1])
 ・ 「#169. getgive はなぜ /g/ 音をもっているのか」 ([2009-10-13-1])
 ・ 「#170. guesthost」 ([2009-10-14-1])
 ・ 「#340. 古ノルド語が英語に与えた影響の Jespersen 評」 ([2010-04-02-1])
 ・ 「#818. イングランドに残る古ノルド語地名」 ([2011-07-24-1])
 ・ 「#827. she の語源説」 ([2011-08-02-1])
 ・ 「#881. 古ノルド語要素を南下させた人々」 ([2011-09-25-1])
 ・ 「#931. 古英語と古ノルド語の屈折語尾の差異」 ([2011-11-14-1])
 ・ 「#1146. インドヨーロッパ語族の系統図(Fortson版)」 ([2012-06-16-1])
 ・ 「#1167. 言語接触は平時ではなく戦時にこそ激しい」 ([2012-07-07-1])
 ・ 「#1170. 古ノルド語との言語接触と屈折の衰退」 ([2012-07-10-1])
 ・ 「#1179. 古ノルド語との接触と「弱い絆」」 ([2012-07-19-1])
 ・ 「#1182. 古ノルド語との言語接触はたいした事件ではない?」 ([2012-07-22-1])
 ・ 「#1183. 古ノルド語の影響の正当な評価を目指して」 ([2012-07-23-1])
 ・ 「#1253. 古ノルド語の影響があり得る言語項目」 ([2012-10-01-1])
 ・ 「#1611. 入り江から内海,そして大海原へ」 ([2013-09-24-1])
 ・ 「#1937. 連結形 -son による父称は古ノルド語由来」 ([2014-08-16-1])
 ・ 「#1938. 連結形 -by による地名形成は古ノルド語のものか?」 ([2014-08-17-1])
 ・ 「#2354. 古ノルド語の影響は地理的,フランス語の影響は文体的」 ([2015-10-07-1])
 ・ 「#2591. 古ノルド語はいつまでイングランドで使われていたか」 ([2016-05-31-1])
 ・ 「#2625. 古ノルド語からの借用語の日常性」 ([2016-07-04-1])
 ・ 「#2692. 古ノルド語借用語に関する Gersum Project」 ([2016-09-09-1])
 ・ 「#2693. 古ノルド語借用語の統計」 ([2016-09-10-1])
 ・ 「#2869. 古ノルド語からの借用は古英語期であっても,その文証は中英語期」 ([2017-03-05-1])
 ・ 「#2889. ヴァイキングの移動の原動力」 ([2017-03-25-1])
 ・ 「#3001. なぜ古英語は古ノルド語に置換されなかったのか?」 ([2017-07-15-1])
 ・ 「#3263. なぜ古ノルド語からの借用語の多くが中英語期に初出するのか?」 ([2018-04-03-1])
 ・ 「#3969. ラテン語,古ノルド語,ケルト語,フランス語が英語に及ぼした影響を比較する」 ([2020-03-09-1])
 ・ 「#3972. 古英語と古ノルド語の接触の結果は koineisation か?」 ([2020-03-12-1])
 ・ 「#3606. 講座「北欧ヴァイキングと英語」」 ([2019-03-12-1])

Referrer (Inside): [2020-03-28-1]

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2020-02-17 Mon

#3948. 『英語教育』の連載第12回「なぜアメリカ英語はイギリス英語と異なっているのか」 [rensai][notice][sobokunagimon][ame_bre][link]

 2月14日に,『英語教育』(大修館書店)の3月号が発売されました.英語史連載「英語指導の引き出しを増やす 英語史のツボ」としては今回が最終回となります.最後の話題は「なぜアメリカ英語はイギリス英語と異なっているのか」です.

『英語教育』2020年3月号



 アメリカ合衆国とイギリスを国として比較した場合,典型的なイメージとしては,アメリカは新しいもの好きの革新主義,イギリスは古いもの好きの保守主義といったところでしょう.しかし,アメリカ英語とイギリス英語を英語変種として比較した場合,上のステレオタイプはしばしば当てはまりません.むしろアメリカ英語のほうが古い語法をよく保持していたり,イギリス英語のほうが新しい言葉使いを発達させていたりということが,よくあります.もちろんステレオタイプ通りにアメリカ英語が革新的で,イギリス英語が保守的であるという事例も少なくないことは事実なので,全体としていえば,両英語変種は革新・保守という軸でことさらに対立させるよりも,単に様々な点で互いに異なっていると表現したほうが妥当のように思われます.英米変種の異なり方には,表面的に眺めるだけでは見えてこない,歴史的な様々なパターンがあったのです.
 今回の連載記事では主に発音と綴字の英米差に焦点を当て,アメリカへの移民のタイミングやアメリカ人ノア・ウェブスターによる綴字改革といった社会的な要因が,いかにして変種間の差異をもたらしたかを紹介しました.なぜアメリカ英語では car, four, star などの r が独特の巻き舌で発音されるのに,イギリス英語では子音として発音されないのか.なぜ color (米)/colour (英),center/centre, traveling/travelling のような綴字の差が存在するのか.いずれの問題も,英語の歴史をたどることによって理由が明らかになります.
 今回の記事で英語の英米差に関心をもった方は,本ブログからの以下の記事(および ame_bre の全記事)もお読みください.

 ・ 「#357. American English or British English?」 ([2010-04-19-1])
 ・ 「#359. American English or British English? の解答」 ([2010-04-21-1])
 ・ 「#1343. 英語の英米差を整理(主として発音と語彙)」 ([2012-12-30-1])
 ・ 「#244. 綴字の英米差のリスト」 ([2009-12-27-1])
 ・ 「#240. 綴字の英米差は大きいか小さいか?」 ([2009-12-23-1])
 ・ 「#312. 文法の英米差」 ([2010-03-05-1])

 ・ 「#315. イギリス英語はアメリカ英語に比べて保守的か」 ([2010-03-08-1])
 ・ 「#1304. アメリカ英語の「保守性」」 ([2012-11-21-1])
 ・ 「#1266. アメリカ英語に "colonial lag" はあるか (1)」 ([2012-10-14-1])
 ・ 「#1267. アメリカ英語に "colonial lag" はあるか (2)」 ([2012-10-15-1])
 ・ 「#1268. アメリカ英語に "colonial lag" はあるか (3)」 ([2012-10-16-1])

 ・ 「#468. アメリカ語を作ろうとした Webster」 ([2010-08-08-1])
 ・ 「#3089. 「アメリカ独立戦争と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-11-1])
 ・ 「#2916. 連載第4回「イギリス英語の autumn とアメリカ英語の fall --- 複線的思考のすすめ」」 ([2017-04-21-1])
 ・ 「#2925. autumn vs fall, zed vs zee」 ([2017-04-30-1])

 12回の連載を読んでいただいた読者の方々には,1年間お付き合いいただきましてありがとうございます.連載を通じて主張してきたことは,現在の英語は歴史的に英語が変化してきた結果の姿である,ということです.もっと正確にいえば,英語を使用する社会全体が歴史的に英語を変化させてきた結果の姿である,ということです.英語史を通じて新しい英語の見方のツボが伝わったでしょうか.「英語史のツボ」は,本ブログでも引き続き追求していく予定です.今後ともよろしくお願い致します.

 ・ 「英語指導の引き出しを増やす 英語史のツボ 第12回 なぜアメリカ英語はイギリス英語と異なっているのか」『英語教育』2020年3月号,大修館書店,2020年2月14日.62--63頁.

Referrer (Inside): [2021-01-01-1]

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