hellog〜英語史ブログ     ChangeLog 最新     カテゴリ最新     1 2 次ページ / page 1 (2)

elt - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2022-05-16 14:45

2022-03-23 Wed

#4713. 言語教育エキスポ2020のシンポで「大母音推移」についてお話ししました [conference][notice][slide][elt][gvs][heldio]

 去る3月6日(日) 14:40--16:10 に,Zoom 開催の言語教育エキスポ2022のシンポジウム「英語史を英語教育に生かす」にてお話しさせていただきました.関係の先生方にはシンポジウムの準備から当日までたいへんお世話になりました.参加された皆様にも,たいへん貴重なご意見やご質問をを賜わりました.ありがとうございます.
 私がお話しした題目は「「大母音推移」の英語教育上の役割を再検討する(近年の研究動向を踏まえて)」です.私自身が何か大母音推移 (gvs) についてオリジナルの新しい研究を試みたわけではまったくなく,あくまで学史を振り返っただけでした.予稿・概要はこちらからどうぞ.
 何かの役に立つかもしれませんので,発表で用いたスライド資料を公開します.100年以上にわたって英語史研究者を魅了してきた「大母音推移」の行く末に思いをはせていただければと.以下はスライドの各ページへのリンクです.

   1. 「大母音推移」の英語教育上の役割を再検討する(近年の研究動向を踏まえて)
   2. 目次
   3. 1. はじめに
   4. GVS を母音四辺形で示すと
   5. 2. GVS の研究史概観
   6. 3. GVS の 5W1H
   7. 具体的な単語例で
   8. 4. GVS の「例外」
   9. 4つの問題点
   10. /ɛː/ > /eː/ > /iː/ の2段階の上げ
   11. GVS 後に別途生じた音変化の結果
   12. 近代以降のフランス借用語において
   13. GVS は無強勢母音や短母音とは無縁
   14. 派生語ペアにみる母音の長短
   15. 派生語ペアにみる母音の長短の例外
   16. 5. GVS の解体
   17. GVS の貫徹度は方言によって異なる
   18. 各々の母音変化は部分的には関連し合っているものの,独立した音変化である
   19. GVS 進行表
   20. 後期古英語期から後期近代英語期までの長期にわたる様々な母音変化の一部
   21. 6. おわりに
   22. 参考文献
   23. 素朴な疑問 (1) 「nature と mature は1文字違いですが,なんで発音がこんなに異なるのですか?」
   24. 素朴な疑問 (2) 「なぜ friend はこの綴字でこの発音なのですか?」

 ちなみに,先日の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」 でも(散歩しながら)大母音推移についてしゃべったばかりなので紹介しておきたいと思います.大母音推移の威力と魅力を味わってみてください.

 ・ 「大母音推移(前編)」(2022年3月8日放送)
 ・ 「大母音推移(後編)」(2022年3月9日放送)

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2022-01-31 Mon

#4662. 都立高入試の英語スピーキングテストを巡る問題 [elt][khelf][world_englishes][rp][walker][pronunciation]

 昨年末,12月27日のことになりますが,朝日新聞 Edua「どうなる中学・高校入試 都立高入試の英語スピーキングテスト 教員らが「導入反対」の記者会見」と題する記事が掲載されました.ゼミ生の1人がこの問題を紹介してくれまして,少々遅ればせながらもここ数日で内輪のフォーラム khelf で議論が活発化してきています.
 いろいろと論点はあるのですが,とりわけ注目すべきは以下の点です(同記事より引用).

評価の信頼性については,どのような間違いがどれだけ減点されるか不透明だとし,特に都教委が示している採点基準にある「音声」の項目(3点満点)について疑問を呈した.この項目は,「母語の影響を非常に強く受けている」だと1点,「母語の影響を強く受けている」だと2点,「母語の影響を受けている場合があるが,概(おおむ)ね正しい」だと3点としている.法政大講師で新英語教育研究会長の池田真澄さんは「厳密な区別がつくとは思えない.日本語話者は日本語の影響は必ず受けており,気にしていたらまともに話なんてできない.世界には多様な英語があるのに,入試は別というのはおかしいのではないか」と話す.


 ツッコミだしたらキリがないというのは,まさにこのことです.だからこそフォーラム内で盛り上がっているというわけで,ある意味でとてもよい論題となっています.(ただし,こちらのページより令和3年度のプレテスト採点基準では「母語の影響」に関する項目は削除されています.)
 英語史研究者の立場から言えることは,発音を中心とする話し言葉に関する強い規範化は,いまだかつて例がないということです.18世紀の規範主義の時代の発音辞書についても,19世紀後半からの RP についても,あくまで目指すべき発音を示したものであり,今回の「公的な試験での点数化」という強さの規範化には遠く及びません(cf. 「#768. 変化しつつある RP の地位」 ([2011-06-04-1]),「#1456. John Walker の A Critical Pronouncing Dictionary (1791)」 ([2013-04-22-1]),「#3356. 標準発音の整備は18世紀後半から」 ([2018-07-05-1])).話し言葉について標準化・規範化し得る水準は,せいぜい "focused" にとどまり "fixed" を目指すことは現実には不可能です (cf. 「#3207. 標準英語と言語の標準化に関するいくつかの術語」 ([2018-02-06-1])) .そのような目標を,せめて試験では何とか実現したいということなのでしょうか.
 また,現代世界の "World Englishes" では,多様な英語の発音が行なわれているという事実があります.教育上,参照すべき英語変種や発音を定めることは必要です.しかし,一方で他の変種や発音の存在を認めることも必要です.両方の必要性に目配りすべき状況において,上記の採点基準のような,一方にのみ振り切った方針を取るのは適切ではないと考えます.
 本ブログの読者の皆さんも,この問題について考えてみてはいかがでしょうか.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2021-12-19 Sun

#4619. 「英語史教育」とは? [hel][hel_education][elt]

 私は英語史を学習し,研究し,教える立場にある.教える立場から「英語史教育」という表現をしばしば用いるのだが,この表現は実際には多義的だと考えている.通常は「英語史教えること」と解釈されるが,「英語史(何か別のことを)教える」と解釈することもできる.後者の典型は「英語史の知見を活用して英語を教える」ことだろう.教わる立場からすれば「英語史教わるのか」あるいは「英語史教わるのか」という違いである.
 この2つの区別を念頭に置きつつ,「誰が,何を通じて,何を,誰に,何のために,教えるのか」という文の各項に語句を流し込んでいくと,私が思いつく限り,議論に値するとおぼしき組み合わせが5種類あった.

 (1) 英語史研究者が 英語史を 英語史専攻学生に 英語史研究のために 教える.
 (2) 英語史研究者が 英語史を 英語教員に 英語教育のために 教える.
 (3) 英語史研究者が 英語史を 英語学習者に 英語学習のために 教える.
 (4) 英語史研究者が 英語史を 一般の人々に 教養のために 教える.
 (5) 英語教員が 英語史を通じて 生徒・学生に 英語を 教える.

 英語史研究者でもあり英語教員でもある私の私的な見解にすぎないので,他にも様々な組み合わせの可能性があるだろう(あれば教えてください).私自身としては5つのすべてについて多かれ少なかれ何らかの教育経験がある.本ブログや「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」も,ランダムではあるが,およそ5つのすべてに関わっている.とはいえ,普段の活動の基本は (1), (3), (4) 辺りに置いていると自己分析している.
 (4) で「教養」という表現を敢えて用いたが,これが指す範囲はきわめて広い.言語,文学,歴史,文化,思考法,等々.英語史が専門科目であると同時に教養科目でもあることについては,「#3641. 英語史のすゝめ (1) --- 英語史は教養的な学問領域」 ([2019-04-16-1]),「#3642. 英語史のすゝめ (2) --- 英語史は教養的な学問領域」 ([2019-04-17-1]) を参照されたい.また「#4329. 「英語史の知見を活かした英語教育」について参考文献をいくつか」 ([2021-03-04-1]) もご覧ください.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2021-12-13 Mon

#4613. 英語史ミニマムエッセンシャル私案 [hel][hel_education][elt]

 英語史のミニマムエッセンシャルを挙げなさいといわれたら,どのような項目を挙げるか.「#4084. 英語史のために必要なミニマルな言語学的知識」 ([2020-07-02-1]) や「#4143. 英語史のキーワードを10個挙げなさいといわれたら?」 ([2020-08-30-1]) でも似たような話題を取り上げてきたが,今回は私自身が試しに考えたものを掲げたい.
 キーワードというよりはフレーズでの項目列挙となったが,第1階層だけ考えれば見出しは5項目までに圧縮される.第2階層まで数えると,見出しは20項目となる.第3階層まですべて含めると,見出しは34項目.
 30分ほどで作ってみた暫定版の私案だが,今後これを精緻化してアップデートいくのもおもしろそうだ.ここで行なっていることは,要するに,英語史概説の講義や本を作るとなったら,どのような章立てを設けるかということである.各人の英語史観や狙いが如実に反映されたものになるはずで,皆で出し合ってみるとエキサイティングだろう.皆さんの英語史ミニマムエッセンシャルはいかがでしょうか?

  • ゲルマン語派
    • 印欧語族
    • グリムの法則
      • 語頭アクセント
    • アングロサクソン人
  • 多種多様な語彙
    • 語形成の種類
    • 語彙の借用
      • ヴァイキングの侵略:古ノルド語
      • ノルマン征服:フランス語
      • キリスト教とルネサンス:ラテン語
      • 語彙の3層構造
    • タブーとポライトネス
  • 綴字と発音
    • アルファベットの導入
    • 「大母音推移」
    • 綴字と発音の乖離
  • 「総合から分析へ」
    • 屈折の衰退
      • 語尾の弱化
      • 語形変化の規則化
      • 文法性から自然性へ
    • 語順の固定化
      • SVO 語順の発達
      • do 迂言法の発達
    • 文法化
  • 英語の拡大
    • 標準化の歴史
      • 英語の方言
      • 規範主義の時代
      • 英語辞書の歴史
    • アメリカ英語
    • 世界の英語変種
      • 求心力と遠心力

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2021-11-24 Wed

#4594. 英語教員養成コアカリのシンポで英語史についてお話ししました [conference][notice][slide][elt]

 昨日11月23日(火)の 15:00?17:00 に,Zoom 開催の第2回英語教員養成コアカリキュラム・研究フォーラムのシンポジウム「コアカリのこれから?10年後を見据えて?」にてお話しさせていただきました.シンポジウムの準備から当日までお世話になりました東京学芸大学の馬場哲生先生,粕谷恭子先生,高山芳樹先生,およびシンポジウムでご一緒させていただきました卯城祐司先生(筑波大学),松下信之先生(大阪府教育庁)には感謝致します.たいへん実りある時間を過ごすことができました.
 「英語史科目の現状・課題・提案」と題する内容で,英語教育やコアカリにおける英語史の位置づけについて15分間ほど発表する機会をいただき,その後,発表者間や他の参加者からの質疑応答を経て,ディスカッションに進みました.普段私は英語史を専門科目と位置づけて研究・教育を行なっていますが,今回は英語教育・行政の観点から英語史を見てみるという貴重な機会に恵まれました.
 日々の本ブログや拙著などでも英語教育の視点は常に含めているつもりですが,念頭においているのは個々の読者であって,必ずしも組織的な英語教育・行政を意識していたわけではありません.その意味で今回のシンポジウムは新鮮で,学ぶことが多かったように思います.
 簡単なものではありますが,シンポジウムで用いたスライドをこちらに置いておきます.以下にスライドの各ページへのリンクも張っておきます.

   1. タイトルページ
   2. 英語史科目の現状・課題・提案
   3. 目次
   4. 1. はじめに:コアカリのなかの英語史
   5. 「英語学」の項目 (p. 8)
   6. 第3項「英語の歴史的変遷,国際共通語としての英語」
   7. 2. 英語史科目の現状
   8. 3. 英語史科目の課題と提案
   9. 4. 学界の潮流と英語史の強み (1)
   10. 学界の潮流と英語史の強み (2)
   11. 学界の潮流と英語史の強み (3)
   12. 学界の潮流と英語史の強み (4)
   13. 5. 英語教育への具体的応用
   14. 6. おわりに:教員の引き出しを増やす英語史
   15. 英語史のお勧め文献
   16. 拙著・拙論

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2021-11-17 Wed

#4587. 「日本英語受容史略年表」 [timeline][english_in_japan][elt]

 「#4578. 朝ドラ『カムカムエヴリバディ』が始まっています」 ([2021-11-08-1]) で述べたように,日本における英語受容の歴史は,広い意味での英語史の1側面とみることができる.英語の進出と受容とでは視座が異なるものの,英語の拡大の一部であることは間違いない.
 もちろん日本の英語教育や英語学習の歴史にも直結する問題であり,英語関係者の間でもっと関心が広まってしかるべき話題だと思っている.斎藤 (198--99) が以下のように述べているとおりである.

英語をめぐる最近の議論を聞いていると,(とくに「コミュニケーション」能力を中心とした)英語力を高めるための学習法だけが問題視されているような気がしてならない.たしかに,効果的な英語学習法が研究・開発されれば,それはそれで喜ぶべきことであろう.だが,日本の英語学習法をめぐる議論は,つねに日本人にとって英語とは何なのかとの問いを踏まえていなければならない.そしてその問いは,日本人にとって英語とは何だったのかとの問いの延長線上にあるものなのである.


 以下,斎藤 (195--97) より「日本英語受容史略年表」を掲げよう.英語受容史を体現する3名の偉人,福沢・新渡戸・漱石(紙幣の肖像画でもある)の動きと連動させているのがユニークである.関連して「#3695. 日本における英語関係史の略年表」 ([2019-06-09-1]) も参照.

年号日本英語受容史上の重要事項福沢・新渡戸・漱石の動き世界の動き
江戸1600(慶長5)ウィリアム・アダムズ豊後に漂着.(関ヶ原の戦いが起こる) イギリスの東インド会社ができる.
 1776  アメリカが独立宣言をする.
 1808(文化5)フェートン号事件  
 1811(文化8)日本初の英語手引き書『諳厄利亜興学小筌』成る.  
 1834(天保5) 福沢,大阪に生まれる. 
 1840  アヘン戦争が起こる.
 1841(天保12)ジョン万次郎,アメリカ船に救出されてアメリカに渡る.  
 1848(嘉永元)ラナルド・マクドナルド利尻島に上陸.  
 1853(嘉永6)黒船が浦賀に来航.  
 1854(安政元)日米和親条約締結.  
 1856(安政3)蕃書調所が開設される.  
 1859(安政6)横浜開港福沢,横浜を見学し,英学に転向. 
 1860(万延元) 福沢,咸臨丸でアメリカへ. 
 1861  アメリカで南北戦争が起こる.
 1862(文久2)日本初の印刷の英和辞書『英和対訳袖珍辞書』が出版される.新渡戸,盛岡に生まれる. 
 1867(慶応3) 漱石,江戸に生まれる. 
明治1868 福沢,私塾を慶應義塾と改称. 
 18747つの官立の外国語学校が英語学校と改称.  
 1876札幌農学校開校.  
 1877東京と大阪の英語学校を除き官立の英語学校が廃校となる.新渡戸,札幌農学校入学. 
 1884 新渡戸,渡米. 
 1894(日清戦争が起こる.)  
 1896斎藤秀三郎,正則英語学校を創設.  
 1900津田梅子,女子英学塾創立.漱石,渡英. 
 1901(日英同盟締結.)福沢,死去. 
 1903 漱石,第一高等学校校長となる. 
大正1914(第一次世界大戦に参戦.) 第一次世界大戦が始まる.
 1916 漱石,死去. 
 1922ハロルド・パーマー来日  
 1923(関東大震災が起こる.)  
 1924英語存廃論が盛んとなる. アメリカで排日移民法が成立.
昭和1933 新渡戸,死去. 
 1939  第二次世界大戦が始まる.
 1941(太平洋戦争が始まる.)  
 1945(終戦.)  
 1946「カムカム英語会話」放送開始.  
 1951(サンフランシスコ講和条約調印.)  
 1954高校生のAFS留学始まる.  
 1963日本英語検定協会発足.  
 1972中学校学習指導要領改訂,「週3時間」全面実施.  
平成1990  湾岸戦争が起こる.
 1994「オーラル・コミュニケーション」A・B・Cが科目に加わる.  
 1999学習指導要領改訂.  
 2000小渕内閣の諮問機関「21世紀日本の構想」懇談会が「英語第二公用語化」を提言.  
 2002文科省「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」.  
 2002文科省「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」.  
 2009高校学習指導要領告示(2013施行).「授業は英語で行うことを基本とする」と規定.  
 2013文科省「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」.  


 ・ 斎藤 兆史 『英語襲来と日本人 --- 今なお続く苦悶と狂乱』 中央公論新社,2017年.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2021-11-01 Mon

#4571. 英語史は中・高等学校教員養成課程のコアカリキュラムにおいて正当に評価されている [hel_education][elt][world_englishes][standardisation][sociolinguistics]

 昨日の記事「#4570. 英語史は高校英語の新学習指導要領において正当に評価されている」 ([2021-10-31-1]) と連動して,大学における英語の教職科目についても,英語史の重要性が正当に評価されている事実を紹介しておきたい.  *
 文部科学省は「外国語(英語)コアカリキュラムについて」という文書にて「英語科に関する専門的事項」の方針を述べている (7--9) .そこでは「英語コミュニケーション」「英語学」「英語文学」「異文化理解」の4つの系列の各々に学習目標と到達目標が定められているのだが,注目すべきは「英語学」に関する文言である.同文書の p. 8 より引用する.

◇学習項目
 (1) 英語の音声の仕組み
 (2) 英文法
 (3) 英語の歴史的変遷,国際共通語としての英語

◇到達目標
 1) 英語の音声の仕組みについて理解している。
 2) 英語の文法について理解している。
 3) 英語の歴史的変遷及び国際共通語としての英語の実態について理解している。


 それぞれの第3項目にみえる「英語の歴史的変遷」は,まずもって英語史という領域が扱ってきた伝統的な領域であることは言うまでもない.同じく「国際共通語としての英語」も,近年の社会言語学的な知見を取り入れた英語史の得意とする分野である.3項目のうちの1つを担っている点が重要である.(さらにいえば,第1,2項目の英語の音声や文法も,当然ながら英語史の領域でしっかり(以上に)カバーしている.)
 このように英語史が日本の英語教育において正当に評価されていることは素晴らしいことだと思う.私も英語史が英語教育におおいに貢献できることをこれからも示していきたいし,多くの英語教育関係者の方々には,ぜひ英語史に関心を寄せていただければと切に思う次第です.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2021-10-31 Sun

#4570. 英語史は高校英語の新学習指導要領において正当に評価されている [hel_education][elt][world_englishes][standardisation]

 英語教育や英語史の界隈ではある程度知られていることだが,平成30年(2018年)に告示された「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編 平成30年7月」では,英語史の重要性が正当に評価されている.高校における英語科のいわゆる新指導要領において,英語史の役割がしっかり認められているということだ.  *
 「第3章第1節 指導計画作成上の配慮事項」の第7項 (214--15) に次のような文言が見える.

(7)言語能力の向上を図る観点から,言語活動などにおいて国語科と連携を図り,指導の効果を高めるとともに,日本語と英語の語彙や表現,論理の展開などの違いや共通点に気付かせ,その背景にある歴史や文化,習慣などに対する理解が深められるよう工夫をすること。


 日本語や英語の背景にある「歴史や文化,習慣」への理解を促すためには,日本語史や英語史の知見が求められるということである.この後に,次のような説明書きも続く (215) .
 

 この配慮事項は,言語能力の向上が,学校における学びの質や,教育課程全体における資質・能力の育成に関わる重要な課題であるという平成28年度12月の中央教育審議会答申に基づき,国語科の指導内容とのつながりについて述べたものである。
 国語教育と英語教育は,学習の対象となる言語は異なるが,共に言語能力の向上を目指すものであるため,共通する指導内容や指導方法を扱う場面がある。各学校において指導内容や指導方法等を適切に連携させることによって,英語教育を通して日本語の特徴に気付いたり,国語教育を通して英語の特徴に気付いたりするなど,日本語と英語の言語としての共通性や固有の特徴への気付きを促すことにより,言語能力の効果的な育成につなげていくことが重要である。


 「日本語と英語の言語としての共通性や固有の特徴への気付き」を促すことは,まさに日本において英語学や英語史が従来担ってきた役割でもある.
 次に「第3章第2節 内容の取扱いに当たっての配慮事項」の第4項に注目したい (217) .

(4)現代の標準的な英語によること。ただし,様々な英語が国際的に広くコミュニケーションの手段として使われている実態にも配慮すること。


 標準英語とともに,世界英語 (world_englishes) の存在にも注意を払うべきことが明記されている.様々な英語が存在し,尊重されるべきであることは,英語史を通じて最も効果的に理解することができる.昨今の英語史研究において,世界英語への関心が著しく高まってきていることは「#4558. 英語史と世界英語」 ([2021-10-19-1]) などでも触れてきた通りである.
 「第3章第3節 教材についての配慮事項」の第2項には,より直接的に英語史に関わる文言が確認される (219) .

(2)英語を使用している人々を中心とする世界の人々や日本人の日常生活,風俗習慣,物語,地理,歴史,伝統文化,自然科学などに関するものの中から,生徒の発達の段階や興味・関心に即して適切な題材を効果的に取り上げるものとし,次の観点に配慮すること。〔後略〕


 このように英語史は,新学習指導要領において正当に評価されており,重要な役割が認められていることを強調しておきたい.

Referrer (Inside): [2021-11-01-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2021-10-24 Sun

#4563. OALD10 活用ガイド [dictionary][lexicography][notice][elt]

 昨年出版された英英辞書 Oxford Advanced Learner's Dictionary of Current English の第10版 (= OALD10) について,以下の記事を書いてきた.

 ・ 「#4518. OALD10 の世界英語のレーベル15種」 ([2021-09-09-1])
 ・ 「#4520. Oxford 3000, Oxford 5000, OPAL の語彙」 ([2021-09-11-1])
 ・ 「#4533. OALD10 が注意を促している同音異綴語の一覧」 ([2021-09-24-1])

 入手してからなるべく多くの機会に冊子体なりオンライン版なりを使うようにしているが,いやはや,辞書として本当に進化しているなという印象である.とりわけオンライン版では,辞書の基本機能はもちろん,コロケーションなどの応用機能も利用できる.文法学習のコーナーも充実しているし,先の記事で紹介した Oxford 3000 などのワードリストも入手できる.英文テキストを投げ込むと,各単語が頻度やレベルに応じて色づけされて返ってくる Text Checker というサービスもある.その他,スピーキングやライティングの学習にも役立つリソースが用意されている.サイトを探検しているだけで英語の学習になるほどだ.
 旺文社の特設ページより OALD10 の活用ガイドを入手できる.「OALD10活用ガイド 辞書編」「OALD10活用ガイド アプリ/Web編」の2種類のPDFがあり,とりわけ前者は辞書学の研究者である山田茂氏による,同辞書の使い方の丁寧な解説となっており,たいへん有用.
 OALD10 の辞書学の観点からの本格的な分析(100頁以上にわたる!)は Takahashi et al. を参照されたい.

 ・ Takahashi, Rumi, Yukiyoshi Asada, Marina Arashiro, Kazuo Dohi, Miyako Ryu, and Makoto Kozaki. "An Analysis of Oxford Advanced Learner's Dictionary of Current English, Tenth Edition." Lexicon 51 (2021): 1--106.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2021-09-18 Sat

#4527. 英語の語順の歴史が概観できる論考を紹介 [word_order][syntax][elt][review]

 名古屋外国語大学の高橋佑宜氏より,ひつじ書房から先日出版された,田地野 彰(編)『明日の授業に活かす「意味順」英語指導 理論的背景と授業実践』(ひつじ書房,2021年)をご献本いただきました(ありがとうございます!).
 「意味順」による英語指導法というものについては,不勉強で知識がありませんでしたが,「意味順」の文法観が固定語順をもつ現代英語のような言語にとってしっくりくるものだということが,よく分かりました.
 英語史を専門とする立場からは,高橋氏の執筆した「第4章 英語史からみた『意味順』」をとりわけおもしろく読みました.固定語順をもたない古英語に「意味順」を適用すると,いったいどうなるのか.また,固定語順が芽生え,確立する中英語から近代英語にかけての動的な時代は「意味順」ではどうとらえられるのか.「意味順」を通時軸に乗せてみた理論的実験として読みました.
 この第4章は,趣旨としては「意味順」論考ではありますが,実は英語の語順の歴史を短く分かりやすく概説してくれる「英語語順史入門」になっています.英語統語論の歴史は研究の蓄積も豊富で(というよりも豊富すぎて),なかなか概観を得られないものですが,よく選ばれた先行研究への言及が随所にちりばめられており,このテーマの入門として読むことができると思います.ちょうど別件で語順の歴史について書いていたこともあり,私にとってタイムリーでした.
 語順問題を扱った hellog 記事として,以下を挙げておきます.他にも word_order の各記事をご参照ください.

 ・ 「#132. 古英語から中英語への語順の発達過程」 ([2009-09-06-1])
 ・ 「#137. 世界の言語の基本語順」 ([2009-09-11-1])
 ・ 「#2975. 屈折の衰退と語順の固定化の協力関係」 ([2017-06-19-1])
 ・ 「#3124. 基本語順の類型論 (1)」 ([2017-11-15-1])
 ・ 「#3125. 基本語順の類型論 (2)」 ([2017-11-16-1])
 ・ 「#3128. 基本語順の類型論 (3)」 ([2017-11-19-1])
 ・ 「#3129. 基本語順の類型論 (4)」 ([2017-11-20-1])
 ・ 「#3127. 印欧祖語から現代英語への基本語順の推移」 ([2017-11-18-1])
 ・ 「#3131. 連載第11回「なぜ英語はSVOの語順なのか?(前編)」」 ([2017-11-22-1])
 ・ 「#3160. 連載第12回「なぜ英語はSVOの語順なのか?(後編)」」 ([2017-12-21-1])
 ・ 「#3733.『英語教育』の連載第5回「なぜ英語は語順が厳格に決まっているのか」」 ([2019-07-17-1])  ・
 ・ 「#4385. 英語が昔から SV の語順だったと思っていませんか?」 ([2021-04-29-1])

 ・ 田地野 彰(編) 『明日の授業に活かす「意味順」英語指導 理論的背景と授業実践』 ひつじ書房,2021年.
 ・ 高橋 佑宜 「第4章 英語史からみた『意味順』」田地野 彰(編)『明日の授業に活かす「意味順」英語指導 理論的背景と授業実践」 ひつじ書房,2021年.87-113頁.

Referrer (Inside): [2021-11-27-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2021-04-12 Mon

#4368. 年度初めに「英語の先生がこれだけ知っておくと安心というアルファベット関連の話し」の記事セット(2021年度版) [hellog_entry_set][alphabet][hel_education][writing][orthography][grammatology][romaji][spelling][elt]

 年度初めのこの時期,児童・生徒たちにローマ字なり英語アルファベットなりの読み書きを教え始める学校の先生も多いと思います.平仮名や片仮名と同じで,何度も読んで書いて練習し慣れていくというスタイルが普通かと思います.
 学習者にとってはこのように基礎的な作業となるわけですが,教える先生の側にあっては,是非ともアルファベットの成立や発展などの背景的な知識を持っておくことをお薦めします.学習者からの鋭い質問にも答えられるようになりますし,実際にそのような知識を学習者に教える機会はないとしても,アルファベット1文字1文字に歴史的な深みがあることを知っておくことは大事だと思うからです.そこで,本ブログより関係する記事を集め,以下の記事セットとして整理してみました.

 ・ 「英語の先生がこれだけ知っておくと安心というアルファベット関連の話し」の記事セット(2021年度版)

 同趣旨で,およそ1年前,2020年度の開始期に合わせて「#4038. 年度初めに「英語の先生がこれだけ知っておくと安心というアルファベット関連の話し」の記事セット」 ([2020-05-17-1]) を公開していました.今回のものは,その改訂版ということになります.昨年度中は「hellog ラジオ版」と称して音声コンテンツを多く作ってきたので,今回の改訂版には,アルファベットに関する音声ファイルへのリンクなども加えてあります.
 もちろんアルファベットに関する背景知識は,英語の先生に限らず,一般の英語学習者にも持っていてもらいたい知識です.そして,目下「英語史導入企画2021」のキャンペーン中でもありますし,英語史に関心のあるすべての人々に持っていてもらいたい知識でもあります.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2021-03-04 Thu

#4329. 「英語史の知見を活かした英語教育」について参考文献をいくつか [hel][hel_education][elt][bibliography][academic_conference][review]

 英語史の知見を活かして英語を教えるには(あるいは学ぶには)どのような方法がよいのか.英語史と英語教育の接点を探る試みは,古くて新しい課題である.近年も,英語史を学ぶ意義は何かという問題意識と関連して,日本でも世界でも,再びこの課題が注目されるようになってきている.
 私自身が英語史研究者であると同時に英語教員でもあり,私の大学ゼミには英語教員を目指す学生が一定数いるということもあり,この問題には常に関心を抱いてきた.この分野についてまとまった論考を読むことのできる,近年出版された論文集や書籍を4点ほど紹介したい.

 (1) 家入葉子(編)『これからの英語教育――英語史研究との対話――』 (Can Knowing the History of English Help in the Teaching of English?). Studies in the History of English Language 5. 大阪洋書,2016年.
 (2) Heyes, Mary and Allison Burkette, eds. Approaches to Teaching the History of the English Language: Pedagogy in Practice. Oxford: OUP, 2017.
 (3) 片見 彰夫・川端 朋広・山本 史歩子(編)『英語教師のための英語史』 開拓社,2018年.
 (4) 「特集 英語史教育を考える――なぜ・どのように英語史を教えるのか」 Asterisk 第28巻,2020年.66--180頁.

 まず (1) について.英語史研究会の企画による論集.私も寄稿させていただいており,「#2566. 「3単現の -s の問題とは何か」」 ([2016-05-06-1]) に目次なども掲げたのでご参照ください.
 (2) は,本ブログでも何度か参照して関連する記事を書いてきた論集だが,英語圏での様々な英語史教育の理論と実践が紹介されている.日本とはまったく異なる観点・発想からの英語史教育論として,これはこれで新鮮.
 (3) は,英語史の分野の一線で活躍する論者たちによる論集で,タイトルが表わしている通りの内容.英語史の知識の具体的な活用事例が紹介されている.
 (4) は,古田直肇氏が企画した Asterisk 誌の特集記事群で,私も寄稿させていただいた.執筆者に現役教員や教員経験者が含まれており実践的な内容となっている.論考のラインナップを以下に示しておきたい.

 ・ 英語の授業に必要な英語史の基礎知識 (江藤 裕之)
 ・ リベラル・アーツとしての英語史 (織田 哲司)
 ・ 疑問解決手段としての英語史 (黒須 祐貴)
 ・ 英語史という“実学” (下永 裕基)
 ・ 大学で英語を学ぶということ (高山 真梨子)
 ・ 国際社会における英語史教育の必要性 (田本 真喜子)
 ・ 現代英語に重きをおいた英語史教育 (寺澤 盾)
 ・ 中学校・高等学校における英語史教育 (鴇崎 孝太郎)
 ・ 広い視野を教えてくれた英語史 (長瀬 浩平)
 ・ 故きを温ねて、文法のうつろいやすさを知る (中山 匡美)
 ・ 英語史教育における日英対照言語史の視点 (堀田 隆一)
 ・ 卓越は線の細部から (安原 章)

 この Asterisk の特集は,2019年9月22日に開かれた,駒場英語史研究会シンポジウム「これからの英語史教育を考える――英語史をトリビアに終わらせないために」(コーディネーター:古田直肇氏氏)の成果を部分的に取り込んだものとなっている.私自身が同シンポジウムで「英語史教育における日英対照言語史の視点」と題する発表を行なっているので,参考までにこちらにその時のハンドアウトを公開しておこう.
 以上の文献を参考に「英語史の知見を活かした英語教育」について考えてもらえれば幸いである.また,関連して「英語史を教える・学ぶ意義」について,次の記事も参照.

 ・ 「#4021. なぜ英語史を学ぶか --- 私的回答」 ([2020-04-30-1])
 ・ 「#3641. 英語史のすゝめ (1) --- 英語史は教養的な学問領域」 ([2019-04-16-1])
 ・ 「#3642. 英語史のすゝめ (2) --- 英語史は教養的な学問領域」 ([2019-04-17-1])
 ・ 「#24. なぜ英語史を学ぶか」 ([2009-05-22-1])
 ・ 「#1199. なぜ英語史を学ぶか (2)」 ([2012-08-08-1])
 ・ 「#1200. なぜ英語史を学ぶか (3)」 ([2012-08-09-1])
 ・ 「#1367. なぜ英語史を学ぶか (4)」 ([2013-01-23-1])
 ・ 「#2984. なぜ英語史を学ぶか (5)」 ([2017-06-28-1])
 ・ 「#4019. ぜひ英語史学習・教育のために hellog の活用を!」 ([2020-04-28-1])
 ・ 「#2470. 2015年度,英語史の授業を通じて何を学びましたか?」 ([2016-01-31-1])
 ・ 「#3566. 2018年度,英語史の授業を通じて何を学びましたか?」 ([2019-01-31-1])
 ・ 「#3922. 2019年度,英語史の授業を通じて何を学びましたか?」 ([2020-01-22-1])
 ・ 「#4045. 英語に関する素朴な疑問を1385件集めました」 ([2020-05-24-1])
 ・ 「#4073. 地獄の英語史からホテルの英語史へ」 ([2020-06-21-1])

 ・ 家入葉子(編)『これからの英語教育――英語史研究との対話――』 (Can Knowing the History of English Help in the Teaching of English?). Studies in the History of English Language 5. 大阪洋書,2016年.
 ・ Heyes, Mary and Allison Burkette, eds. Approaches to Teaching the History of the English Language: Pedagogy in Practice. Oxford: OUP, 2017.
 ・ 片見 彰夫・川端 朋広・山本 史歩子(編)『英語教師のための英語史』 開拓社,2018年.
 ・「特集 英語史教育を考える――なぜ・どのように英語史を教えるのか」 Asterisk 第28巻,2020年.66--180頁.
 ・ 堀田 隆一 「英語史教育における日英対照言語史の視点」(ハンドアウト) 駒場英語史研究会シンポジウム「これからの英語史教育を考える――英語史をトリビアに終わらせないために」 於東京大学駒場キャンパス,2019年9月22日.

Referrer (Inside): [2021-12-19-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2021-01-08 Fri

#4274. 英語の学習・教育にも英語史・英語学の研究にもコーパスやオンラインツールを [corpus][coca][dictionary][methodology][elt]

 先月出版された今井著『英語独習法』が広く読まれているようだ.認知科学に基づく効果的な英語学習の指南書である.私も読了したところだが,目を引いたのは「第5章 コーパスによる英語スキーマ探索法 基本篇」と「第6章 コーパスによる英語スキーマ探索法 上級篇」である.そこでは,学習者に求められるのは受け身の学習ではなくコーパスを利用した能動的な学習であると説かれ,具体的なオンラインコーパスの利用法が伝授される.ターゲットとなる単語についてコーパスが与えてくれる頻度,共起,例文,関連語などの情報をもとに,その単語に関するスキーマを自ら習得していくことが大事である,という趣旨だ.そこで挙げられているコーパスを含めたオンラインツールのうち,無料で利用できるものを挙げておきたい(今井,259--60).

 ・ Weblio 英和・和英辞典
 ・ Cambridge English Dictionary
 ・ SkELL (= Sketch Engine for Language Learning)
 ・ COCA (= Corpus of Contemporary American English)
 ・ WordNet: A Lexical Database for English

 本書の5,6章のほか「探究実践篇」と題する50ページを超える部分では,英語学習のみならず英語学の研究テーマとなり得る種類の話題がいくつか取り上げられており,英語学・英語史を専攻する大学生にとっても有用である.コーパスを利用した研究のヒントとなるだろう.
 本書を貫くキーワード「スキーマ」は「氷山の水面下の知識」とも言い換えられている.英語の単語や表現を真に習得するためには,それを取り巻く百科辞典的な知識たる「スキーマ」を習得することが必要である.英語の単語や表現の習得のためには,確かに必要である.
 (ここからは我田引水にて失礼.)一方,英語という言語を理解するためには,英語のスキーマを理解しておく必要がある.英語を取り巻く社会言語学的な環境であるとか,英語を英語たらしめてきた歴史(=英語史)に関する知識である.これは氷山の水面下にある百科辞典的な知識であり,自然には身につけることができない.やはり能動的に学んでいく必要がある.
 本書を読み,英語史は「英語のスキーマ」「英語という氷山の表面化の知識」の一部を構成するものだったのだな,と気づいた次第.

 ・ 今井 むつみ 『英語独習法』 岩波書店〈岩波新書〉,2020年.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2020-05-17 Sun

#4038. 年度初めに「英語の先生がこれだけ知っておくと安心というアルファベット関連の話し」の記事セット [hellog_entry_set][alphabet][hel_education][writing][orthography][grammatology][romaji][spelling][elt]

 本ブログでは,英語のアルファベット (alphabet) に関する記事を多く書きためてきました.今年度はようやく年度が始まっているという学校が多いはずですので,先生方も児童・生徒たちに英語のアルファベットを教え始めている頃かと思います.算数のかけ算九九と同じで,アルファベットの学習も基礎の基礎としてドリルのように練習させるのが普通かと思います.しかし,先生方には,ぜひとも英語アルファベットの成立や発展について背景知識をもっておいてもらえればと思います.その知識を直接子供たちに教えはせずとも,1文字1文字に歴史的な深みがあることを知っているだけで,教えるに当たって気持ちの余裕が得られるのではないでしょうか.以下に,そのための記事セットをまとめました.

 ・ 「英語の先生がこれだけ知っておくと安心というアルファベット関連の話し」の記事セット

 この記事セットは,実際には何年も英語を学び続けてきた上級者に対しても十分に楽しめる読み物となっていると思います.アルファベットに関するネタ集としてもどうぞ.

Referrer (Inside): [2021-04-12-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2019-12-20 Fri

#3889. ネイティブがよく間違えるスペリング [spelling][elt][writing][orthography]

 Cook (86) に,ネイティブの学生がよく間違えるスペリングが掲載されている.以下に挙げてみよう.

definately, knew (for new), bare (for bear), baring (for barring), demeening, tradditional, detatchment, finnished, grater (for greater), senario, compulsary, relevent (for relevant), illicit (for elicit), pronounciation, booring (for boring), layed out, pysche, embarassing, accomodate, quite (for quiet), syllubus, their (for there), sited (for cited), where (for were), to (for too), usefull, vocabularly, affect (for effect), percieved, principle (for principal), sence (for sense)


 確かに間違えやすそうと納得する語もあるものの,すでにその語(の発音)を知っているネイティブの間違え方を眺めていると,英語を第2言語として学んでいる典型的な日本語母語話者の間違え方とは異なっているものも多いことに気づく.私個人としていえば knew/new, grater/greater, to/too, where/were のような混同は未経験である.また,ここには挙がっていないが,ネイティブがよく間違える綴字ともいわれる it's/its についても,なぜ混同するのかピンと来ない.発音は同じだとしても明らかに機能が異なるでしょう,と突っ込みたくなる (cf. 「#198. its の起源」 ([2009-11-11-1])) .
 このようなネイティブと非ネイティブのスペリングの間違え方の差異は,いったい何を意味しているのだろうか.発音ありきのネイティブ的言語習得と,文法ありきの日本の英語教育的言語習得との違いによるものとは想像されるが,非常に含蓄に富む問題である.言語習得や英語教育はもとより,音韻論,文字論,読み書きの科学などの学際的な知見を総動員して迫るべき話題だろう.

 ・ Cook, Vivian. The English Writing System. London: Hodder Education, 2004.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2019-06-28 Fri

#3714. 活字体(ブロック体)と筆記体 [writing][alphabet][grammatology][elt]

 日本の英語教育では長らく,アルファベットの活字体に加えて筆記体が指導されてきた.英語でいうと活字体(あるいはブロック体とも)は print script, manuscript, ball and stick などと呼ばれ,筆記体は copperplate と呼ばれる.
 近年は筆記体の指導が行なわれなくなってきているようだが,背景には筆記体が実用的な書体とはみなされなくなってきたという事実がある.イギリスの小学校でも,非教育的な書体として放棄されて久しい.ところが,日本の『中学校学習指導要領』の「3 指導計画の作成と内容の取扱い」の (2) のウには「文字指導に当たっては,生徒の学習負担にも配慮しながら筆記体を指導することもできることに留意すること」とあり,公式には筆記体の存続がいまだに許容されている.アナクロな規定が生きながらえているようだ.
 英語母語話者の手書きの手紙やカードなどで筆記体を読む機会はあるではないかと思う向きがあるかもしれないが,多くの場合,あの流れるような手書き書体はいわゆる筆記体ではない.多くの書き手が書いているのは,筆記体とは異なる(しばしば独自の)草書体である.筆記体とはあくまで様々な手書き書体の1つにすぎず,現在それを使っている人は実はごく稀なのである.
 「#3674. Harris のカリグラフィ本の目次」 ([2019-05-19-1]) で見たように,歴史的にも現代においてもアルファベットの書体は多数ある.そのなかで特に実用に供しているわけでもない書体である筆記体を選んで指導するというのも,確かに妙なものかもしれない.私自身は筆記体を習った世代なので,スペリングを板書する際などに出てしまうのだが,何割かの学生は判読できない(少なくとも判読しにくい)のだろうなと反省する.見ている側にとっては,ある種のカリグラフィの趣味を押しつけられているように感じてしまうかもしれない.ただし,英語アルファベットにもいろいろな書体があるという事実に気付いてもらう機会として,ポジティヴに評価することもできなくはないが.
 以上は手島 (25--28) の「『筆記体』に関する「学習指導要領」の認識について」というコラムに拠ったが,その手島 (26) には脱筆記体論についての説得力のある議論がある.引用しておこう.

英米人から受け取った手紙やカードの文字が読みづらいことは,現実にはあるでしょう.けれども,そうした文字が読めない,あるいは,非常に読みにくいのは,筆記体を知らないせいなのでしょうか.相当の高齢者でない限りは,その絵はがきを書いた人も,学校時代に筆記体は習っていないのです.とすれば,その人の書いた文字は,自己流の続け字か,場合によっては,(失礼ながら)悪筆かのどちらかです.ひょっとしたらその文字は,英語を母語とする人にさえも読みにくいかもしれません.筆記体を習っていないせいで読めないと早合点しないように指導することが大切です.大学時代の英米の先生の手書き文字を思い出したり,現在一緒に仕事をしているALTの手書き文字を眺めたりしてみてください.筆記体で書く人はまずいないはずです.


 ・ 手島 良 『これからの英語の文字指導』 研究社,2019年.

Referrer (Inside): [2020-05-23-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2019-06-17 Mon

#3703.『英語教育』の連載第4回「なぜ比較級の作り方に -er と more の2種類があるのか」 [notice][hel_education][elt][sobokunagimon][adjective][adverb][comparison][rensai][latin][french][synthesis_to_analysis][link]

 6月14日に,『英語教育』(大修館書店)の7月号が発売されました.英語史連載記事「英語指導の引き出しを増やす 英語史のツボ」の第4回目として拙論「なぜ比較級の作り方に -er と more の2種類があるのか」が掲載されています.是非ご覧ください.

『英語教育』2019年7月号



 形容詞・副詞の比較表現については,本ブログでも (comparison) の各記事で扱ってきました.以下に,今回の連載記事にとりわけ関連の深いブログ記事のリンクを張っておきますので,あわせて読んでいただければ,-ermore に関する棲み分けの謎について理解が深まると思います.

 ・ 「#3617. -er/-estmore/most か? --- 比較級・最上級の作り方」 ([2019-03-23-1])
 ・ 「#3032. 屈折比較と句比較の競合の略史」 ([2017-08-15-1])
 ・ 「#456. 比較の -er, -est は屈折か否か」 ([2010-07-27-1])
 ・ 「#2346. more, most を用いた句比較の発達」 ([2015-09-29-1])
 ・ 「#403. 流れに逆らっている比較級形成の歴史」 ([2010-06-04-1])
 ・ 「#2347. 句比較の発達におけるフランス語,ラテン語の影響について」 ([2015-09-30-1])
 ・ 「#3349. 後期近代英語期における形容詞比較の屈折形 vs 迂言形の決定要因」 ([2018-06-28-1])
 ・ 「#3619. Lowth がダメ出しした2重比較級と過剰最上級」 ([2019-03-25-1])
 ・ 「#3618. Johnson による比較級・最上級の作り方の規則」 ([2019-03-24-1])
 ・ 「#3615. 初期近代英語の2重比較級・最上級は大言壮語にすぎない?」 ([2019-03-21-1])

 ・ 堀田 隆一 「英語指導の引き出しを増やす 英語史のツボ 第4回 なぜ比較級の作り方に -er と more の2種類があるのか」『英語教育』2019年7月号,大修館書店,2019年6月14日.62--63頁.

Referrer (Inside): [2021-06-25-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2019-06-10 Mon

#3696. ボキャビルのための「最も役に立つ25の語のパーツ」 [elt][latin][greek][etymology][prefix][combining_form][lexicology]

 中田(著)『英単語学習の科学』に,先行研究に基づいた「最も役に立つ25の語のパーツ」が提示されている (76--77) .これは,3000?1万語レベルの英単語を分析した結果,とりわけ多くの語に含まれるパーツを取り出したものである.パーツのほとんどが,ラテン語やギリシア語の接頭字 (prefix) や連結形 (combining_form) である.

語のパーツとその意味具体例
spec(t) = 見るspectacle(見せ物),spectator(観客),inspect(検査する),perspective(視点),retrospect(回顧)
posit, pos = 置くimpose(負わせる,課す),opposite(反対の),dispose(配置する,処分する),compose(校正する,作る),expose(さらす)
vers, vert = 回すversus(対),adverse(反対の,不利な),diverse(多様な),divert(転換する),extrovert(外交的な)
ven(t) = 来るconvention(大会,しきたり,慣習),prevent(妨げる,予防する),avenue(通り),revenue(歳入),venue(場所)
ceive/ceipt, cept = とる(こと)accept(受け入れる,容認する),exception(例外),concept(概念),perceive(知覚する),receipt(レシート,受け取ること)
super- = 越えてsuperb(すばらしい),supervise(感得する),superior(上級の),superintendent(監督者),supernatural(超自然の,神秘的な)
nam, nom, nym = 名前surname(苗字),nominate(指名する),denomination(命名,単位),anonymous(匿名の),synonym(同義語)
sens, sent = 感じるsensible(分別のある),sensitive(敏感な),sensor(センサー),sensation(感覚),consent(同意,同意する)
sta(n), stat = 立つstable(安定した),status(地位),distant(離れた),circumstance(状況),obstacle(障害)
mis, mit = 送るpermit(許可する),transmit(送る),submit(提出する),emit(放射する),missile(ミサイル)
med(i), mid(i) = 真ん中intermediate(中級の),Mediterranean(地中海),mediocre(並みの),mediate(仲裁する),middle(中央,中間の)
pre, pris = つかむprison(刑務所),enterprise(事業),comprise(構成する),apprehend(捕らえる,理解する),predatory(捕食性の,食い物にする)
dictate, dict = 言うdictate(書き取らせる,命じる),dedicate(捧げる),predict(予言する),contradict(否定する,矛盾する),verdict(評決)
ces(s) = 行くaccess(アクセス,接近),excess(超過),recess(休憩),ancestor(先祖),predecessor(前任者)
form = 形formal(形式的な),transform(変形する),uniform(同形の,制服),format(形式),conform(一致する)
tract = 引くextract(抜粋,抜粋する),distract(気をそらす),abstract(要約,抽象的な),subtract(引く),tractor(トラクター,牽引車)
graph = 書くtelegraph(電報),biography(伝記),autograph(サイン),graph(グラフ),geography(地理)
gen = 生むgenuine(本物の),gene(遺伝子),genius(天才),indigenous(土着の,固有の),ingenuity(工夫)
duce, duct = 導くconduct(導く),produce(生み出す),reduce(減らす),induce(引き起こす,誘発する),seduce(誘惑する)
voca, vok = 声advocate(主張する,唱道者),vocabulary(語彙),vocal(声の,ボーカル),invoke(祈る),equivocal(あいまいな)
cis, cid = 切るprecise(正確な),excise(削除する),scissors(はさみ),suicide(自殺),pesticide(殺虫剤)
pla = 平らなplain(明白な,平原),plane(平面,平らな),plate(皿),plateau(高原,高原状態)
sec, sequ = 後に続くconsequence(結果),sequence(連続),subsequent(その次の),consecutive(連続した),sequel(続編)
for(t) = 強いfortress(要塞),effort(努力),enforce(実施する,強いる),reinforce(強化する),forte(長所)
vis = 見るvisible(目に見える),envisage(心に描く),revise(改訂する),visual(視覚の,映像),vision(視力,ビジョン)


 本ブログでも,必ずしもボキャビルを目的とした記事ではないが,接頭辞,接尾辞,連結形について多々取り上げてきた.prefix, suffix, combining_form などの記事をご覧ください.

 ・ 中田 達也 『英単語学習の科学』 研究社,2019年.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2019-05-15 Wed

#3670.『英語教育』の連載第3回「なぜ不規則な動詞活用があるのか」 [notice][hel_education][elt][sobokunagimon][verb][conjugation][tense][preterite][participle][rensai][link]

 『英語教育』の6月号が発売されました.英語史連載記事「英語指導の引き出しを増やす 英語史のツボ」の第3回目となる「なぜ不規則な動詞活用があるのか」が掲載されています.是非ご一読ください.

『英語教育』2019年6月号



 日常的な単語ほど不規則な振る舞いを示すというのは,言語にみられる普遍的な性質です.これは英語の動詞の過去・過去分詞形についてもいえます.大多数の動詞は規則的な語尾 -ed を付して過去・過去分詞形を作りますが,日常的な少数の動詞は,buy -- bought -- bought, cut -- cut -- cut, go -- went -- gone, sing -- sang -- sung, write -- wrote -- written などのように個別に暗記しなければならない不規則な変化を示します.今回の連載記事では,これら不規則な動詞活用の歴史をたどります.そして,「不規則」動詞の多くは歴史的には「規則」動詞であり,その逆もまた真なり,という驚くべき真実が明らかになります.
 動詞の不規則変化については,本ブログでも関連記事を書きためてきましたので,以下をご参照ください.

 ・ 「#3339. 現代英語の基本的な不規則動詞一覧」 ([2018-06-18-1])
 ・ 「#178. 動詞の規則活用化の略歴」 ([2009-10-22-1])
 ・ 「#527. 不規則変化動詞の規則化の速度は頻度指標の2乗に反比例する?」 ([2010-10-06-1])
 ・ 「#528. 次に規則化する動詞は wed !?」 ([2010-10-07-1])
 ・ 「#1287. 動詞の強弱移行と頻度」 ([2012-11-04-1])
 ・ 「#3135. -ed の起源」 ([2017-11-26-1])
 ・ 「#3345. 弱変化動詞の導入は類型論上の革命である」 ([2018-06-24-1])
 ・ 「#3385. 中英語に弱強移行した動詞」 ([2018-08-03-1])
 ・ 「#492. 近代英語期の強変化動詞過去形の揺れ」 ([2010-09-01-1])
 ・ 「#1854. 無変化活用の動詞 set -- set -- set, etc.」 ([2014-05-25-1])
 ・ 「#1858. 無変化活用の動詞 set -- set -- set, etc. (2)」 ([2014-05-29-1])
 ・ 「#2200. なぜ *haves, *haved ではなく has, had なのか」 ([2015-05-06-1])
 ・ 「#1345. read -- read -- read の活用」 ([2013-01-01-1])
 ・ 「#2084. drink--drank--drunkwin--won--won」 ([2015-01-10-1])
 ・ 「#2210. think -- thought -- thought の活用」 ([2015-05-16-1])
 ・ 「#2225. hear -- heard -- heard」 ([2015-05-31-1])
 ・ 「#3490. dreamt から dreamed へ」 ([2018-11-16-1])
 ・ 「#439. come -- came -- come なのに welcome -- welcomed -- welcomed なのはなぜか」 ([2010-07-10-1])
 ・ 「#43. なぜ go の過去形が went になるか」 ([2009-06-10-1])
 ・ 「#1482. なぜ go の過去形が went になるか (2)」 ([2013-05-18-1])
 ・ 「#764. 現代英語動詞活用の3つの分類法」 ([2011-05-31-1])

 連載のバックナンバーとして,第1回記事「なぜ3単現に -s をつけるのか」第2回記事「なぜ不規則な複数形があるのか」の案内もご覧ください.

 ・ 堀田 隆一 「英語指導の引き出しを増やす 英語史のツボ 第3回 なぜ不規則な動詞活用があるのか」『英語教育』2019年6月号,大修館書店,2019年5月13日.62--63頁.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2019-05-09 Thu

#3664. 主な英語の資格・検定試験の概要 [elt]

 猪浦(著)『TOEIC亡国論』を読んだ.著者は,TOEICそのものが問題というよりも,TOEICは「英語力」の限定された側面を測定するためのものであり,総合的な力の指標ではないにもかかわらず,そのようなものとして広く認知されてしまっている点が問題であると主張する.英語力の一面しか測定できないという点では,TOEICに限らず他の資格・検定試験も同じ問題を抱えているわけであり,結局のところすべての英語学習者のすべての側面の英語力を一律に測るということは不可能なのだ.個人の学習目的に応じて必要とされる英語力の側面や水準は異なるはずなのに,ある1つの試験によって評価しようとするのがそもそも間違いなのだ,という論旨だ.
 著者が「主な英語の資格・検定試験の概要」 (48--49) をまとめてくれている(文部科学省「平成28年度全国学力・学習状況調査による中学校の英語の実施に関する最終報告(案)基礎資料」に基づいて作成されている).私自身が受験経験のあるものもないものも,確かにいろいろ出てきているなあ,という印象だ.

試験名実施団体受験人数年間実施回数成績表示方法出題形式:実施方式 (*1)受験料
ケンブリッジ英語検定 (Cambridge English)ケンブリッジ大学英語検定機構国内人数非公開(※全世界では約500万人)2--3回上初級から特上級(5つ)
合否はスコア (80--230),
及びグレード
L, R, W:紙
S:ペア面接
PET 11,800円?
KET 9,720円?
(*5)
実用英語技能検定日本英語検定協会約339万人(H28実績)3回1級?5級
合否による表示
H27よりスコアと英検バンドを併記
L, R:紙/CBT
(W):紙
(S):面接/CBT (*2)
1級:8,400円
5級:2,500円など
GTEC CBTベネッセコーポレーション
Berlitz Corporation
ELS Educational Services
※一般財団法人進学基準研究機構 (CEES) と共催
非公表3回(H27)0--1400点L, S, R, W:CBT9,720円
GTEC for STUDENTSベネッセコーポレーション
Berlitz Corporation
ELS Educational Services
約73万人(H26実績)2回0--810点L, R, W:紙
(S):タブレット (*3)
3,080円
(5,040円 L R, W, S)
IELTSブリティッシュ・カウンシル
ケンブリッジ大学英語検定機構
日本英語検定協会等
約3万人(H26実績)
※全世界では240万人
約35回1.0--90 (0.5刻み)L, R, W:紙
S:面接
25,380円
TEAP日本英語検定協会約1万人(H26実績)3回80--400点L, R, W:紙
S:面接 (*4)
6,000円?15,000円
TOEFL iBTEducational Testing Service
(日本事務局:CIEE)
非公表40--45回0--120点
(4技能を各0--30点で評価)
L, S, R, W:CBT235USドル
TOEFL Junior ComprehensiveEducational Testing Service
(日本事務局:GC&T)
非公表2--3回0--352点L, S, R, W:CBT9,500円
TOEIC L&REducational Testing Service
(日本事務局:IIBC)
約262.9万人(H26実績)
※TOEICプログラム全体
全世界700万人
10回10--990点
(L, R各5--495点)
L, R:紙5,725円
TOEIC S&WEducational Testing Service
(日本事務局:IIBC)
約1.5万人(H25実績)24回0--400点
(S, W各0--200点)
S, W:CBT10,260円

*1?シ哭=Listening, S=Speaking, R=Reading, W=Writing

*2:W は1級・準1級,Sは3級以上

*3:S はオプション

*4:L/R, L/R/W でも受験可能

*5:試験会場により異なることあり



 英語のの資格・検定試験が1つの産業となっていることがよく分かる.

 ・ 猪浦 道夫 『TOEIC亡国論』 集英社〈集英社新書〉,2018年.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

Powered by WinChalow1.0rc4 based on chalow