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naming - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2024-07-20 19:39

2024-02-12 Mon

#5404. 言語は名詞から始まったのか,動詞から始まったのか? [homo_sapiens][origin_of_language][evolution][history_of_linguistics][grammaticalisation][noun][verb][category][name_project][onomastics][naming]

 標題は解決しようのない疑問ではあるが,言語学史 (history_of_linguistics) においては言語の起源 (origin_of_language) をめぐる議論のなかで時々言及されてきた問いである.
 Mufwene (22) を参照して,2人の論者とその見解を紹介したい.ドイツの哲学者 Johann Gottfried von Herder (1744--1803) とアメリカの言語学者 William Dwight Whitney (1827--94) である.

   Herder also speculated that language started with the practice of naming. He claimed that predicates, which denote activities and conditions, were the first names; nouns were derived from them . . . . He thus partly anticipated Heine and Kuteva (2007), who argue that grammar emerged gradually, through the grammaticization of nouns and verbs into grammatical markers, including complementizers, which make it possible to form complex sentences. An issue arising from Herder's position is whether nouns and verbs could not have emerged concurrently. . . .
   On the other hand, as hypothesized by William Dwight Whitney . . . , the original naming practice need not have entailed the distinction between nouns and verbs and the capacity to predicate. At the same time, naming may have amounted to pointing with (pre-)linguistic signs; predication may have started only after hominins were capable of describing states of affairs compositionally, combining word-size units in this case, rather than holophrastically.


 Herder は言語は名付け (naming) の実践から始まったと考えた.ところが,その名付けの結果としての「名前」が最初は名詞ではなく述語動詞だったという.この辺りは意外な発想で興味深い.Herder は,名詞は後に動詞から派生したものであると考えた.これは現代の文法化 (grammaticalisation) の理論でいうところの文法範疇の創発という考え方に近いかもしれない.
 一方,Whitney は,言語は動詞と名詞の区別のない段階で一語表現 (holophrasis) に発したのであり,あくまで後になってからそれらの文法範疇が発達したと考えた.
 言語起源論と文法化理論はこのような論点において関係づけられるのかと感心した次第.

 ・ Mufwene, Salikoko S. "The Origins and the Evolution of Language." Chapter 1 of The Oxford Handbook of the History of Linguistics. Ed. Keith Allan. Oxford: OUP, 2013. 13--52.

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2023-12-14 Thu

#5344. 名付ける際はここがポイント【名前プロジェクト企画 #2】(生放送) [name_project][onomastics][voicy][heldio][helwa][naming][notice]

 先日12月11日(月)の18:00より「名前プロジェクト」 (name_project) のメンバー4名で「名付け」 (naming) についておしゃべりする Voicy heldio の生放送をお届けしました.ライヴで参加いただいたリスナーの皆様には,盛り上げに貢献くださり,ありがとうございました.
 生放送の様子は,昨日13日(水)朝の通常配信回としてもお届けしましたので,本ブログの読者の皆様も,ぜひお時間のあるときにお聴きください.「#926. 名付ける際はここがポイント【名前プロジェクト企画 #2】(12月11日(月)生放送のアーカイヴ)」です(60分ほどの回です).



 今回は「名付け」という人間らしい行為に注目し,事前にリスナーの方々より名付けに関して寄せられてきたコメントを読み上げつつ,メンバー4名であれこれとカジュアルにおしゃべりしました.人間は何に名前をつけるのか,名前をつける動機は何か,どの点を重視して名付けるのか,など自由に語り合いました.とりわけ「京都大学11月祭統一テーマ」の話題や,ファイル名をいかに付けるべきかなどの問いで盛り上がりました.
 今回の heldio 生放送は,名前プロジェクトの第2弾としてお届けしました.同じメンバーによる heldio 生放送の第1弾は「#5248. ニックネームを考察するための切り口」 ([2023-09-09-1]) でまとめた通り,9月に「#826. ニックネームを語ろう【名前プロジェクト企画 #1】(生放送)」としてお届けしました.こちらも合わせてお聴きいただければ幸いです.
 そもそもこの名前プロジェクトとは何なのか.これについては hellog 記事「#5217. 「名前プロジェクト」が立ち上がりました」 ([2023-08-09-1]) や heldio 配信回「#799. 「名前プロジェクト」立ち上げ記念収録 with 小河舜さん,矢冨弘さん,五所万実さん」をご参照ください.
 メンバーは以下の4名で,今後もプロジェクト関連イベントを開いていきたいと思っています.よろしくお願いします.

 - 五所万実さん(目白大学)
 - 矢冨弘さん(熊本学園大学)
 - 小河舜さん(フェリス女学院大学ほか)
 - 堀田隆一(慶應義塾大学)

 ちなみに上記生放送の後,2次会と称してプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) でおしゃべりの続編を収録しました.「【英語史の輪 #66】博士論文とファイル名」というお題で,五所&小河&堀田の3人で語り続けています.こちらにご関心のある方は,ぜひサブスクリプションしていただいた上でお聴きいただければ.

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