hellog〜英語史ブログ

#4713. 言語教育エキスポ2020のシンポで「大母音推移」についてお話ししました[academic_conference][notice][slide][elt][gvs][heldio]

2022-03-23

 去る3月6日(日) 14:40--16:10 に,Zoom 開催の言語教育エキスポ2022のシンポジウム「英語史を英語教育に生かす」にてお話しさせていただきました.関係の先生方にはシンポジウムの準備から当日までたいへんお世話になりました.参加された皆様にも,たいへん貴重なご意見やご質問をを賜わりました.ありがとうございます.
 私がお話しした題目は「「大母音推移」の英語教育上の役割を再検討する(近年の研究動向を踏まえて)」です.私自身が何か大母音推移 (gvs) についてオリジナルの新しい研究を試みたわけではまったくなく,あくまで学史を振り返っただけでした.予稿・概要はこちらからどうぞ.
 何かの役に立つかもしれませんので,発表で用いたスライド資料を公開します.100年以上にわたって英語史研究者を魅了してきた「大母音推移」の行く末に思いをはせていただければと.以下はスライドの各ページへのリンクです.

   1. 「大母音推移」の英語教育上の役割を再検討する(近年の研究動向を踏まえて)
   2. 目次
   3. 1. はじめに
   4. GVS を母音四辺形で示すと
   5. 2. GVS の研究史概観
   6. 3. GVS の 5W1H
   7. 具体的な単語例で
   8. 4. GVS の「例外」
   9. 4つの問題点
   10. /ɛː/ > /eː/ > /iː/ の2段階の上げ
   11. GVS 後に別途生じた音変化の結果
   12. 近代以降のフランス借用語において
   13. GVS は無強勢母音や短母音とは無縁
   14. 派生語ペアにみる母音の長短
   15. 派生語ペアにみる母音の長短の例外
   16. 5. GVS の解体
   17. GVS の貫徹度は方言によって異なる
   18. 各々の母音変化は部分的には関連し合っているものの,独立した音変化である
   19. GVS 進行表
   20. 後期古英語期から後期近代英語期までの長期にわたる様々な母音変化の一部
   21. 6. おわりに
   22. 参考文献
   23. 素朴な疑問 (1) 「nature と mature は1文字違いですが,なんで発音がこんなに異なるのですか?」
   24. 素朴な疑問 (2) 「なぜ friend はこの綴字でこの発音なのですか?」

 ちなみに,先日の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ」 でも(散歩しながら)大母音推移についてしゃべったばかりなので紹介しておきたいと思います.大母音推移の威力と魅力を味わってみてください.

 ・ 「大母音推移(前編)」(2022年3月8日放送)
 ・ 「大母音推移(後編)」(2022年3月9日放送)

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