hellog〜英語史ブログ     ChangeLog 最新     カテゴリ最新     前ページ 1 2 3 4 5 次ページ / page 4 (5)

asacul - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2024-12-22 08:43

2019-06-01 Sat

#3687. 講座「英語の歴史と語源」が始まります [asacul][notice][etymology]

 この夏,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源」と題するシリーズ講座が始まります.全12回ほどの予定となるシリーズで,1年ほどかけてゆっくりペースで進めていく企画です.完全なスケジュールは決まっていませんが,最初の3回分については確定しており,受付も開始しています.以下をご覧ください

 ・ 7月13日(土)15:15?18:30 「英語の歴史と語源・1 インドヨーロッパ祖語の故郷」
 ・ 7月27日(土)15:15?18:30 「英語の歴史と語源・2 ケルトの島」
 ・ 9月7日(土)15:15?18:30 「英語の歴史と語源・3 ローマ帝国の植民地」

 まずは初回の7月13日の案内を,以下に掲載しておきます.

 シリーズ「英語の歴史と語源」では,英語という言語がたどってきた波乱に富んだ紆余曲折の歴史を,世界史的な大事件と関連づけながら追っていきます.言語の歴史には文法や発音の歴史も含まれますが,本シリーズでとりわけ注目するのは語源,つまり単語の起源です.著名な事件と単語の起源とを結びつけながら,主にイギリスを舞台とする英語の歴史物語を,全12 回にわたり,つむいでいきます.

1 インドヨーロッパ祖語の故郷(7月13日)
 シリーズの初回では,英語の究極の祖先というべきインドヨーロッパ祖語に焦点を当てます.英語はもとよりフランス語,スペイン語,ドイツ語,ロシア語,ヒンディー語などを含む巨大なインドヨーロッパ語族は,紀元前4千年頃の南ロシアのステップ地方に起源をもつとされます.実際,私たちの知る多くの英単語の語源が,この太古の時代にまでさかのぼります.6千年という時間を超えて受け継がれてきた数々の単語について,その由来をひもといて行きましょう.


 これまでも英語史関連の講座をいくつか開いてきましたが,今回はとりわけ単語・語源に注目して,英語の歴史を辿っていく予定です.「シリーズ」とはいえ,単発での参加ももちろん可能ですので,ご関心のある方は是非どうぞ.シリーズの全体像につていは,こちらのチラシもご覧ください.

Referrer (Inside): [2019-07-15-1] [2019-06-12-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2019-04-02 Tue

#3627. 講座「英語史で解く英語の素朴な疑問」 [asacul][sobokunagimon][link][slide]

 先日3月30日(土)の15:00?18:15に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて,「英語の歴史」の第3弾として講座「英語史で解く英語の素朴な疑問」を開講しました.受講された方々からは新たな「素朴な疑問」もいくつか飛び出し,たいへん啓発されました.今回の趣旨は,次の通りでした.

 何年も英語を学んでいると,学び始めの頃に抱いていたような素朴な疑問が忘れ去られてしまうことが多いものです.なぜ A は「ア」ではなく「エイ」と読むのか,なぜ go の過去形は went なのか,なぜ動詞の3 単現には -s がつくのか等々.このような素朴な疑問を改めて思い起こし,あえて引っかかってゆき,大まじめに考察するのが,英語史という分野です.素朴な疑問を次々と氷解させていく英語史の力にご期待ください.

   1. 英語史と素朴な疑問は相性がよい
   2. 発音に関する素朴な疑問
   3. 綴字に関する素朴な疑問
   4. 文法に関する素朴な疑問
   5. 語彙に関する素朴な疑問
   6. 皆さんからの疑問について検討
   7. 本講座のまとめ


 それぞれの部門の「素朴な疑問」として取り上げられた話題は,時間の都合により限定的ではありましたが,個々の疑問を解決していくプロセスそのものが英語史の学びであり,自然とその魅力が理解されたのではないでしょうか.講座で使用したスライド資料をこちらにアップしておきますので,自由にご参照ください.

   1. シリーズ「英語の歴史」 第3回 英語史で解く英語の素朴な疑問
   2. 本講座のねらい
   3. 1. 英語史と素朴な疑問は相性がよい
   4. 英語に関する素朴な疑問の例 (#1093)
   5. 皆さんの素朴な疑問は?
   6. 2. 発音に関する素朴な疑問
   7. 3. 綴字に関する素朴な疑問
   8. 4. 文法に関する素朴な疑問
   9. 身近な動詞に多い「不規則」変化
   10. 歴史的には接尾辞を付けるか,母音を変化させるか
   11. なぜ規則動詞化してきたのか
   12. 真の不規則
   13. 5. 語彙に関する素朴な疑問
   14. 皆さんからの疑問について検討
   15. 本講座のまとめ
   16. 今回扱ったものやその他の素朴な疑問に答える参考文献

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2019-03-18 Mon

#3612. 講座「英語史で解く英語の素朴な疑問」のお知らせ [notice][asacul][sobokunagimon][hel_education]

 3月30日(土)の15:00?18:15に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて,「英語の歴史」と題するシリーズ講座の最後となる第3弾として「英語史で解く英語の素朴な疑問」を開講します.以下,お知らせの文章です.

 何年も英語を学んでいると,学び始めの頃に抱いていたような素朴な疑問が忘れ去られてしまうことが多いものです.なぜ A は「ア」ではなく「エイ」と読むのか,なぜ go の過去形は went なのか,なぜ動詞の3 単現には -s がつくのか等々.このような素朴な疑問を改めて思い起こし,あえて引っかかってゆき,大まじめに考察するのが,英語史という分野です.素朴な疑問を次々と氷解させていく英語史の力にご期待ください.

1. 素朴な疑問と英語史の相性の良さ
2. 英語史概略
3. 綴字と発音に関する素朴な疑問
4. 語形に関する素朴な疑問
5. 文法に関する素朴な疑問
6. 語彙に関する素朴な疑問
7. 英語方言その他に関する素朴な疑問


 英語学習・教育に携わる方々であれば,これまで必ず直面してきたはずの数々の「素朴な疑問」に英語史の観点からスパッと切り込んでいきます.3時間たっぷりの講座のなかで,ナルホドと何度も膝を打つ機会があるはずです.冒頭に英語史の概観もおこないますので,英語史という分野に接するのが初めてであっても心配ありません.皆さんの「素朴な疑問」も持ち寄りつつ,楽しみに参加してもらえればと思います.
 なお,おかげさまで前回の「#3606. 講座「北欧ヴァイキングと英語」」 ([2019-03-12-1]) は(狭い教室とはいえ)満席となりまして,嬉しいかぎりですが,希望して受講できなかった方もおられたようです.どうぞ早めにお申し込みください.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2019-03-12 Tue

#3606. 講座「北欧ヴァイキングと英語」 [asacul][old_norse][inflection][word_order][history][contact][loan_word][borrowing][link][slide]

 先日3月9日(土)の15:00?18:15に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて,「英語の歴史」と題するシリーズ講座の第2弾として「北欧ヴァイキングと英語」をお話ししました.参加者の方々には,千年以上前のヴァイキングの活動や言葉(古ノルド語)が,私たちの学んでいる英語にいかに多大な影響を及ぼしてきたか分かっていただけたかと思います.本ブログでは,これまでも古ノルド語 (old_norse) に関する話題を豊富に取り上げてきましたので,是非そちらも参照ください.
 今回は次のような趣旨でお話ししました.

 英語の成り立ちに,8 世紀半ばから11世紀にかけてヨーロッパを席巻した北欧のヴァイキングとその言語(古ノルド語)が大きく関与していることはあまり知られていません.例えば Though they are both weak fellows, she gives them gifts. という英文は,驚くことにすべて古ノルド語から影響を受けた単語から成り立っています.また,英語の「主語+動詞+目的語」という語順が確立した背景にも,ヴァイキングの活動が関わっていました.私たちが触れる英語のなかに,ヴァイキング的な要素を探ってみましょう.

   1. 北欧ヴァイキングの活動
   2. 英語と古ノルド語の関係
   3. 古ノルド語が英語の語彙に及ぼした影響
   4. 古ノルド語が英語の文法に及ぼした影響
   5. なぜ英語の語順は「主語+動詞+目的語」で固定なのか?


 講座で使用したスライド資料をこちらにアップしておきます.スライド中から,本ブログの関連記事へもたくさんのリンクが張られていますので,そちらで「北欧ヴァイキングと英語」の関係について復習しつつ,理解を深めてもらえればと思います.

   1. シリーズ「英語の歴史」 第2回 北欧ヴァイキングと英語
   2. 本講座のねらい
   3. 1. 北欧ヴァイキングの活動
   4. ブリテン島の歴史=征服の歴史
   5. ヴァイキングのブリテン島来襲
   6. 関連用語の整理
   7. 2. 英語と古ノルド語の関係
   8. 3. 古ノルド語が英語の語彙に及ぼした影響
   9. 古ノルド語からの借用語
   10. 古ノルド借用語の日常性
   11. イングランドの地名の古ノルド語要素
   12. 英語人名の古ノルド語要素
   13. 古ノルド語からの意味借用
   14. 句動詞への影響
   15. 4. 古ノルド語が英語の文法に及ぼした影響
   16. 形態論再編成の「いつ」と「どこ」
   17. 古英語では屈折ゆえに語順が自由
   18. 古英語では屈折ゆえに前置詞が必須でない
   19. 古英語では文法性が健在
   20. 古英語は屈折語尾が命の言語
   21. 古英語の文章の例
   22. 屈折語尾の水平化
   23. 語順や前置詞に依存する言語へ
   24. 文法性から自然性へ
   25. なぜ屈折語尾の水平化が起こったのか? (1)
   26. なぜ屈折語尾の水平化が起こったのか? (2)
   27. なぜ屈折語尾の水平化が起こったのか? (3)
   28. 形態論再編成の「どのように」と「なぜ」
   29. 英文法の一大変化:総合から分析へ
   30. 5. なぜ英語の語順は「主語+動詞+目的語」で固定なのか?
   31. 本講座のまとめ
   32. 参考文献

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2019-01-14 Mon

#3549. 講座「中世の英語 チョーサー『カンタベリ物語』」 [asacul][chaucer][proverb][hel_education][slide][link]

 「#3531. 講座「中世の英語 チョーサー『カンタベリ物語』」のお知らせ」 ([2018-12-27-1]) で告知したように,1月12日(土)に同タイトルで講座を開きました.参加された方におかれましては,600年も前のチョーサーの英語が,現代英語の知識で意外と読めることが分かったのではないでしょうか.むしろ,チョーサーの英語と比較しながら,現代英語の理解が深まることにも気づいたのではないかと思います.次のようなメニューで話しました.

   1. まずは General Prologue の冒頭を音読
   2. チョーサーと『カンタベリ物語』
   3. 中英語期の言語事情
   4. 『カンタベリ物語』の言語
   5. General Prologue の冒頭を精読
   6. 中英語から解きほぐす現代英語の疑問

 講座で使用したスライド資料をこちらにアップしておきます.また,スライドのページごとのリンクも以下に張っておきます.スライド中からも本ブログの関連記事へリンクを豊富に張りつけていますので,ご参照ください.

   1. シリーズ「英語の歴史」第1回 中世の英語チョーサー『カンタベリ物語』
   2. 本講座のねらい
   3. Ellesmere MS, fol. 1r
   4. General Prologue の冒頭18行 (Benson)
   5. 現代英語訳 (市河・松浪,p. 191)
   6. 西脇(訳)「ぷろろぐ」より (pp. 7--8)
   7. チョーサーと『カンタベリ物語』
   8. 中英語期の言語事情
   9. ノルマン征服から英語の復権までの略史 (#131)
   10. 『カンタベリ物語』の言語
   11. General Prologue の冒頭を精読
   12. 中英語から解きほぐす現代英語の疑問
   13. 異なる写本を覗いてみる(第7行目に注目)
   14. まとめ
   15. 参考文献

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2018-12-27 Thu

#3531. 講座「中世の英語 チョーサー『カンタベリ物語』」のお知らせ [notice][chaucer][asacul][link]

 1月12日(土)の15:00?18:15に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて,「英語の歴史」と題するシリーズ講座の第1弾として「中世の英語 チョーサー『カンタベリ物語』」を開講します.以下,お知らせの文章です.

 英詩の父と称されるジェフリー・チョーサーによる中世英文学の傑作『カンタベリ物語』の総序の冒頭を,英語史の知識を補いながら中英語の原文で味わいます.冒頭箇所は英文学史上に名高い文章とされ,その格調高さや小気味よい韻律を最大限に堪能するためには,原文に触れることが欠かせません.チョーサーの英文は,少々のコツさえつかめば,現代英語の知識を頼りに読み進めることが十分に可能です.本講座で,中世イングランドの風景を覗いてみましょう.

 1. ジェフリー・チョーサーの時代のイングランド
 2. 『カンタベリ物語』の構造
 3. 『カンタベリ物語』の韻律
 4. 有名な冒頭部分を音読する
 5. 冒頭部分を英語史的に読む
 6. 中英語から解きほぐす現代英語の疑問


 冒頭のみではありますが,『カンタベリ物語』を原文で読みたい方,中英語というものに触れてみたい方,具体的な文学作品を通じて英語史を堪能したい方,現代英語の謎に英語史の観点から迫りたい方など,英語・英文学に関心がありさえすれば,きっと楽しめます.ふるってご参加ください.
 Chaucer に関しては本ブログでも chaucer の諸記事で直接・間接に多く取り上げてきましたが,とりわけ以下の話題が本講座と関係が深いので,ご参照ください.

 ・ 「#290. Chaucer に関する Web resources」 ([2010-02-11-1])
 ・ 「#257. Chaucer が英語史上に果たした役割とは?」 ([2010-01-09-1])
 ・ 「#298. Chaucer が英語史上に果たした役割とは? (2) 」 ([2010-02-19-1])
 ・ 「#534. The General Prologue の冒頭の現在形と完了形」 ([2010-10-13-1])
 ・ 「#791. iambic pentameter のスキャン」 ([2011-06-27-1])
 ・ 「#2275. 後期中英語の音素体系と The General Prologue」 ([2015-07-20-1])
 ・ 「#2667. Chaucer の用いた語彙の10--15%がフランス借用語」 ([2016-08-15-1])
 ・ 「#2788. General Prologue の第7行目の写本間比較」 ([2016-12-14-1])
 ・ 「#3449. Chaucer 関連年表」 ([2018-10-06-1])

Referrer (Inside): [2019-01-14-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2018-09-15 Sat

#3428. 講座「英語のエッセンスはことわざに学べ」 [asacul][proverb][hel_education][slide][link]

 「#3404. 講座「英語のエッセンスはことわざに学べ」のお知らせ」 ([2018-08-22-1]) でお知らせしたとおり,先日,同講座を開講しました.参加された方におかれましては,ありがとうございました.講座で用いたスライド資料をこちらに置いておきます.
 以下,スライドのページごとにリンクを張っておきます.そこからさらに,本ブログの様々な記事へ飛べますので,合わせてご覧ください.

   1. 講座『英語のエッセンスはことわざに学べ』
   2. 本講座のねらい
   3. Art is long, life is short.
   4. 英語ことわざに関する辞書・書籍の紹介
   5. 「ことわざ」「金言」「格言」など(『広辞苑第六版』より)
   6. proverb, saying, maxim, etc. (OALD8)
   7. 英単語 proverb の語源
   8. 英語ことわざ史 (#2691)
   9. 英語ことわざの起源 (#3321)
   10. 英語ことわざの内容による分類 (#3320)
   11. 英語ことわざのキーワード,トップ50 (#3419)
   12. キーワード入りことわざの例 (#3420)
   13. 英語ことわざの短さ (#3421)
   14. 短いことわざの例(短文,句,省略)
   15. 参考 長いことわざもある
   16. 対義ことわざ
   17. 頭韻 (alliteration)
   18. 頭韻とことわざ (#943)
   19. 強勢リズム
   20. Many a little makes a mickle. (#564)
   21. Money makes the mare to go. (##970,978)
   22. Handsome is as handsome does. (#3319)
   23. One man's meat is another man's poison.
   24. One swallow does not make a summer.
   25. 日英(東西)ことわざ比較(安藤,第8章より)
   26. 聖書に由来することわざ
   27. 古いことわざ(古英語・中英語より)
   28. まとめ
   29. 参考文献

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2018-08-22 Wed

#3404. 講座「英語のエッセンスはことわざに学べ」のお知らせ [notice][etymology][proverb][hel_education][asacul][link][rhetoric]

 9月8日(土)の15:00?18:15に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて講座「英語のエッセンスはことわざに学べ」を開講します.知る人ぞ知る,ことわざは英語表現の醍醐味を味わうのにうってつけの素材なのです.以下の趣旨でお話しする予定です.

 どの文化においても,ことわざは人生の機微を巧みに表現するものとして,古くから人々に言いならわされてきました.英語文化においても例外ではなく,古英語期よりことわざが尊ばれ,ことわざ集が編まれてきました.現代に伝わる英語のことわざを学ぶことにより,英語文化で培われてきた人生の知恵を味わえるばかりではなく,英語そのものの深い理解に達することができることは,あまり気づかれていません.ことわざの英語には,太古より存続してきた英語特有の韻律があり,古英語や中英語に起源をもつ英語らしい文法・語法が息づいています.
 例えば,「塵も積もれば山となる」に対応する Many a little makes a mickle. は,古英語に典型的な頭韻という詩法と強弱音節の繰り返しという韻律が見事に調和した,言語的にも優れたことわざです.「地獄の沙汰も金次第」に相当する Money makes a mare to go. では,使役の make にもかかわらず to 不定詞が用いられており,現代の文法からは逸脱しているように思われますが,ここにも韻律上の効果を認めることができます.
 本講座の前半では,千年以上にわたる英語のことわざの歴史を具体例とともにひもとき,後半では現代まで受け継がれてきた英語のことわざに用いられている様々な言語的な技法を読み解くことにより,現代に残る数々のことわざをこれまで以上に楽しむことを目指します.


 英語史の概要はある程度知っているけれども,その知識の骨組みに具体的に肉付けしていこうとすれば,古英語や中英語の原文を読んでいく作業が避けられません.とはいうものの,多くの英語学習者にとって,外国語の古文を読み解くなどということは,あまりに敷居が高いと思われるのではないでしょうか.そこでよい材料となるのが,ことわざです.ことわざには,しばしば古い言葉遣いが残っています.そのようなことわざを題材に,古い音韻,形態,統語,語彙,意味,語法,方言などをつまみ食いつつ,英語史を学ぼうという趣旨です.英語の語彙増強や文法理解にも役立ちますし,英語史の枠をはみ出して,英語学,そして言語学一般の話題への導入にもなります.
 もちろん,ことわざの内容自体もおおいに味わう予定です.どうぞお楽しみに.
 本ブログでも,時々ことわざについて取り上げてきたので,以下の記事をご覧下さい.

 ・ 「#564. Many a little makes a mickle」 ([2010-11-12-1])
 ・ 「#780. ベジタリアンの meat」 ([2011-06-16-1])
 ・ 「#910. 語の定義がなぜ難しいか」 (1)」 ([2011-10-24-1])
 ・ 「#948. Be it never so humble, there's no place like home.」 (1)」 ([2011-12-01-1])
 ・ 「#955. 完璧な語呂合わせの2項イディオム」 ([2011-12-08-1])
 ・ 「#970. Money makes the mare to go」 ([2011-12-23-1])
 ・ 「#978. Money makes the mare to go」 (2)」 ([2011-12-31-1])
 ・ 「#2248. 不定人称代名詞としての you」 ([2015-06-23-1])
 ・ 「#2395. フランス語からの句の借用」 ([2015-11-17-1])
 ・ 「#2691. 英語の諺の受容の歴史」 ([2016-09-08-1])
 ・ 「#3319. Handsome is as handsome does」 ([2018-05-29-1])
 ・ 「#3320. 英語の諺の分類」 ([2018-05-30-1])
 ・ 「#3321. 英語の諺の起源,生成,新陳代謝」 ([2018-05-31-1])
 ・ 「#3322. Many a mickle makes a muckle」 ([2018-06-01-1])
 ・ 「#3336. 日本語の諺に用いられている語種」 ([2018-06-15-1])

Referrer (Inside): [2018-09-15-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2018-07-30 Mon

#3381. 講座「歴史から学ぶ英単語の語源」 [slide][etymology][hel_education][link][asacul][lexicology]

 先日7月21日(土)に,朝日カルチャーセンター新宿教室の講座「歴史から学ぶ英単語の語源」を開きました.熱心にご参加いただき,ありがとうございました.講座で用いたスライド資料をこちらに置いておきます.
 今回の狙いは以下の3点でした.

 ・ 英語の歴史をたどりながら英語語彙の発展を概説し
 ・ 単語における発音・綴字・意味の変化の一般的なパターンについて述べ
 ・ 語源辞典や英語辞典の語源欄を読み解く方法を示します.

 語源と一口に言っても,何をどこから話し始めるべきか迷いました.結果として,英語語彙史を軸とする総花的な内容とはなりましたが,あまりに抽象的にならないよう単語の具体例は絶やさないように構成しました.
 以下,スライドのページごとにリンクを張っておきます.各スライドは,ブログ記事へのリンク集にもなっています.

   1. 講座『歴史から学ぶ英単語の語源』
   2. Q. 次の英単語と起源の言語とを組み合わせてください.
   3. 英語語彙の規模と種類の豊富さ
   4. 本講座のねらい
   5. 目次
   6. 1.1 イントロダクション:語源(学)とは?
   7. Every word has its own history.
   8. 語源学の妖しさ・怪しさ
   9. 民間(通俗)語源の役割
   10. まとめ (1.1)
   11. 1.2 英語語彙史の概略
   12. 印欧語族 (The Indo-European Family)
   13. 英語語彙史の概略 (##37,126,45)
   14. 現代の英語語彙にみられる歴史の遺産
   15. 現代の新語形成
   16. 日英語彙史比較 (#1526)
   17. 語源で世界一周 (#756)
   18. まとめ (1.2)
   19. 1.3 語の変化の一般的なパターン:発音
   20. 語の変化の一般的なパターン:綴字
   21. 語の変化の一般的なパターン:意味 (##473,1953,2252)
   22. Q. 以下は意味変化を経たゆえに意味不明となっている英文です.下線を引いた単語のもとの意味を想像できますか? (#1954)
   23. まとめ (1.3)
   24. 2.1 語源辞典で語誌を読み解く
   25. 2.2 語源辞典で発音と綴字の変化を読み解く
   26. 2.3 語源辞典で意味の発展を読み解く
   27. まとめ
   28. 参考文献

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2018-06-21 Thu

#3342. 講座「歴史から学ぶ英単語の語源」のお知らせ [notice][etymology][lexicology][hel_education][asacul][link]

 7月21日(土)の13:30?16:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて単発の講座「歴史から学ぶ英単語の語源」を開講します.内容紹介を以下に再掲します.

 英語でも日本語でも,単語の語源という話題は多くの人を惹きつけます.一つひとつの単語に独自の起源があり,一言では語り尽くせぬ歴史があり,現在まで生き続けてきたからです.また,英語についていえば,語源により英単語の語彙を増やすという学習法もあり,その種の書籍は多く出版されています.
 本講座では,これまで以上に英単語の語源を楽しむために是非とも必要となる英語史に関する知識と方法を示し,これからのみなさんの英語学習・生活に新たな視点を導入します.具体的には,(1) 英語の歴史をたどりながら英語語彙の発展を概説し (単語例:cheese, school, take, people, drama, shampoo),(2) 単語における発音・綴字・意味の変化の一般的なパターンについて述べ(単語例:make, knight, nice, lady),(3) 語源辞典や英語辞典の語源欄を読み解く方法を示します(単語例:one, oat, father, they).これにより,語源を利用した英単語力の増強が可能となるばかりではなく,既知の英単語の新たな側面に気づき,英単語を楽しみながら味わうことができるようになると確信します.


 英単語の語源と一口にいっても相当に広い範囲を含むのですが,本講座では,英語の語彙史や音韻・意味変化のパターンを扱う理論編と,英語語源辞書を読み解いてボキャビルに役立てる実践編とをバランスよく配して,英単語の魅力を引き出す予定です."chaque mot a son histoire" (= "every word has its own history") の神髄を味わってください (cf. 「#1273. Ausnahmslose Lautgesetzechaque mot a son histoire」 ([2012-10-21-1])) .

 本ブログでも本講座と関連する記事を多数書いてきましたが,とりわけ以下のものを参考までに挙げておきます.

 ・ 「#361. 英語語源情報ぬきだしCGI(一括版)」 ([2010-04-23-1])
 ・ 「#485. 語源を知るためのオンライン辞書」 ([2010-08-25-1])
 ・ 「#600. 英語語源辞書の書誌」 ([2010-12-18-1])
 ・ 「#1765. 日本で充実している英語語源学と Klein の英語語源辞典」 ([2014-02-25-1])

 ・ 「#2615. 英語語彙の世界性」 ([2016-06-24-1])
 ・ 「#2966. 英語語彙の世界性 (2)」 ([2017-06-10-1])

 ・ 「#466. 語源学は技芸か科学か」 ([2010-08-06-1])
 ・ 「#727. 語源学の自律性」 ([2011-04-24-1])
 ・ 「#1791. 語源学は技芸が科学か (2)」 ([2014-03-23-1])
 ・ 「#598. 英語語源学の略史 (1)」 ([2010-12-16-1])
 ・ 「#599. 英語語源学の略史 (2)」 ([2010-12-17-1])

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2018-03-18 Sun

#3247. 講座「スペリングでたどる英語の歴史」の第5回「color か colour か? --- アメリカのスペリング」 [slide][ame][ame_bre][webster][spelling][spelling_pronunciation_gap][orthography][hel_education][link][asacul]

 朝日カルチャーセンター新宿教室の講座「スペリングでたどる英語の歴史」(全5回)の第5回を,昨日3月17日(土)に開きました.最終回となる今回は「color か colour か? --- アメリカのスペリング」と題して,スペリングの英米差を中心に論じました.講座で用いたスライド資料をこちらからどうぞ.
 今回の要点は以下の3つです.

 ・ スペリングの英米差は多くあるとはいえマイナー
 ・ ノア・ウェブスターのスペリング改革の成功は多分に愛国心ゆえ
 ・ スペリングの「正しさ」は言語学的合理性の問題というよりは歴史・社会・政治的な権力のあり方の問題ではないか

 以下,スライドのページごとにリンクを張っておきます.各スライドは,ブログ記事へのリンク集としても使えます.

   1. 講座『スペリングでたどる英語の歴史』第5回 color か colour か?--- アメリカのスペリング
   2. 要点
   3. (1) スペリングの英米差
   4. アメリカのスペリングの特徴
   5. -<ize> と -<ise>
   6. その他の例
   7. (2) ノア・ウェブスターのスペリング改革
   8. ノア・ウェブスター
   9. ウェブスター語録
   10. colour の衰退と color の拡大の過程
   11. なぜウェブスターのスペリング改革は成功したのか?
   12. (3) スペリングの「正しさ」とは?
   13. まとめ
   14. 本講座を振り返って
   15. 参考文献

 また,今回で講座終了なので,全5回のスライドへのリンクも以下にまとめて張っておきます.

   第1回 英語のスペリングの不規則性
   第2回 英語初のアルファベット表記 --- 古英語のスペリング
   第3回 515通りの through--- 中英語のスペリング
   第4回 doubt の <b>--- 近代英語のスペリング
   第5回 color か colour か? --- アメリカのスペリング

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2018-02-26 Mon

#3227. 講座「スペリングでたどる英語の歴史」の第4回「doubt の <b>--- 近代英語のスペリング」 [slide][spelling][spelling_pronunciation_gap][etymological_respelling][emode][renaissance][standardisation][orthography][lexicography][hel_education][link][asacul]

 朝日カルチャーセンター新宿教室の講座「スペリングでたどる英語の歴史」(全5回)の第4回が,2月24日(土)に開かれました.今回は「doubt の <b>--- 近代英語のスペリング」と題して,近代英語期(1500--1900年)のスペリング事情を概説しました.講座で用いたスライド資料をこちらにアップしておきます.
 今回の要点は以下の3つです.

 ・ ルネサンス期にラテン語かぶれしたスペリングが多く出現
 ・ スペリング標準化は14世紀末から18世紀半ばにかけての息の長い営みだった
 ・ 近代英語期の辞書においても,スペリング標準化は完全には達成されていない

 とりわけ語源的スペリングについては,本ブログでも数多くの記事で取り上げてきたので,etymological_respelling の話題をご覧ください.以下,スライドのページごとにリンクを張っておきます.各スライドは,ブログ記事へのリンク集としても使えます.

   1. 講座『スペリングでたどる英語の歴史』第4回 doubt の <b>--- 近代英語のスペリング
   2. 要点
   3. (1) 語源的スペリング (etymological spelling)
   4. debt の場合
   5. 語源的スペリングの例
   6. island は「非語源的」スペリング?
   7. 語源的スペリングの礼賛者 Holofernes
   8. その後の発音の「追随」:fault の場合
   9. フランス語でも語源的スペリングが・・・
   10. スペリングの機能は表語
   11. (2) 緩慢なスペリング標準化
   12. 印刷はスペリングの標準化を促したか?
   13. (3) 近代英語期の辞書にみるスペリング
   14. Robert Cawdrey's A Table Alphabeticall (1603)
   15. Samuel Johnson's Dictionary of the English Language (1755)
   16. まとめ
   17. 参考文献

Referrer (Inside): [2021-07-28-1] [2018-07-18-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2018-02-17 Sat

#3218. 講座「スペリングでたどる英語の歴史」の第3回「515通りの through --- 中英語のスペリング」 [slide][spelling][spelling_pronunciation_gap][norman_conquest][chaucer][manuscript][reestablishment_of_english][timeline][me_dialect][minim][orthography][standardisation][digraph][hel_education][link][asacul]

 朝日カルチャーセンター新宿教室で開講している講座「スペリングでたどる英語の歴史」も,全5回中の3回を終えました.2月10日(土)に開かれた第3回「515通りの through --- 中英語のスペリング」で用いたスライド資料を,こちらにアップしておきました.
 今回は,中英語の乱立する方言スペリングの話題を中心に据え,なぜそのような乱立状態が生じ,どのようにそれが後の時代にかけて解消されていくことになったかを議論しました.ポイントとして以下の3点を指摘しました.

 ・ ノルマン征服による標準綴字の崩壊 → 方言スペリングの繁栄
 ・ 主として実用性に基づくスペリングの様々な改変
 ・ 中英語後期,スペリング再標準化の兆しが

 全体として,標準的スペリングや正書法という発想が,きわめて近現代的なものであることが確認できるのではないかと思います.以下,スライドのページごとにリンクを張っておきました.その先からのジャンプも含めて,リンク集としてどうぞ.

   1. 講座『スペリングでたどる英語の歴史』第3回 515通りの through--- 中英語のスペリング
   2. 要点
   3. (1) ノルマン征服と方言スペリング
   4. ノルマン征服から英語の復権までの略史
   5. 515通りの through (#53, #54), 134通りの such
   6. 6単語でみる中英語の方言スペリング
   7. busy, bury, merry
   8. Chaucer, The Canterbury Tales の冒頭より
   9. 第7行目の写本間比較 (#2788)
   10. (2) スペリングの様々な改変
   11. (3) スペリングの再標準化の兆し
   12. まとめ
   13. 参考文献

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2018-01-29 Mon

#3199. 講座「スペリングでたどる英語の歴史」の第2回「英語初のアルファベット表記 --- 古英語のスペリング」 [slide][spelling][spelling_pronunciation_gap][oe_text][standardisation][runic][alphabet][grapheme][grammatology][punctuation][hel_education][link][asacul]

 「#3139. 講座「スペリングでたどる英語の歴史」のお知らせ」 ([2017-11-30-1]) でお知らせしたように,朝日カルチャーセンター新宿教室で,5回にわたる講座「スペリングでたどる英語の歴史」が始まっています.1月27日(土)に開かれた第2回「英語初のアルファベット表記 --- 古英語のスペリング」で用いたスライド資料を,こちらに上げておきます.
 今回は,アルファベットの系譜を確認しつつ,古英語がどのように表記され綴られいたかを紹介する内容でした.ポイントは以下の3点です.

 ・ 英語の書記はアルファベットの長い歴史の1支流としてある
 ・ 最古の英文はルーン文字で書かれていた
 ・ 発音とスペリングの間には当初から乖離がありつつも,後期古英語には緩い標準化が達成された

 以下,スライドのページごとにリンクを張っておきます.多くのページに,本ブログ内へのさらなるリンクが貼られていますので,リンク集として使えると思います.

   1. 講座『スペリングでたどる英語の歴史』第2回 英語初のアルファベット表記 --- 古英語のスペリング
   2. 要点
   3. (1) アルファベットの起源と発達 (#423)
   4. アルファベットの系統図 (#1849)
   5. アルファベットが子音文字として始まったことの余波
   6. (2) 古英語のルーン文字
   7. 分かち書きの成立
   8. (3) 古英語のローマン・アルファベット使用の特徴
   9. Cædmon's Hymn を読む (#2898)
   10. 当初から存在した発音とスペリングの乖離
   11. 後期古英語の「標準化」
   12. 古英語スペリングの後世への影響
   13. まとめ
   14. 参考文献

Referrer (Inside): [2019-10-25-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2018-01-25 Thu

#3195. 講座「スペリングでたどる英語の歴史」の第1回「英語のスペリングの不規則性」 [slide][spelling][spelling_pronunciation_gap][hel_education][alphabet][grapheme][grammatology][link][asacul]

 「#3139. 講座「スペリングでたどる英語の歴史」のお知らせ」 ([2017-11-30-1]) でお知らせしたように,朝日カルチャーセンター新宿教室で,5回にわたる講座「スペリングでたどる英語の歴史」が始まっています.1月13日(土)に第1回「英語のスペリングの不規則性」を終えましたが,その際に使用したスライド資料をこちらに公開しておきます.主たる参考文献として,Simon Horobin 著 Does Spelling Matter? (および私の拙訳書『スペリングの英語史』)を挙げておきます(「#3079. 拙訳『スペリングの英語史』が出版されました」 ([2017-10-01-1]) も参照).
 あらためて本講座のねらいとメニューを明記しておきます.



 多くの学習者にとって,英語のスペリングは,不規則で例外ばかりの暗記を強いる存在と映ります.なぜ knight や doubt というスペリングには,発音しない <k>, <gh>, <b> のような文字があるのでしょうか.なぜ color と colour,center と centre のような,不要とも思える代替スペリングがあるのでしょうか.しかし,不合理に思われるこれらのスペリングの各々にも,なぜそのようなスペリングになっているかという歴史的な理由が「誇張ではなく」100%存在するのです.本講座では,英語のたどってきた1500年以上の歴史を参照しながら,個々の単語のスペリングの「なぜ?」に納得のゆく説明を施します.講座を通じて,とりわけ次の3点に注目していきます.

   1. 英語のスペリングの不規則性の理由
   2. スペリングの「正しさ」とは何か
   3. 「英語のスペリングは英語文化の歴史の結晶である」

 5回にわたる本講座のメニューは以下の通りです.

   第1回:英語のスペリングの不規則性
   第2回:英語初のアルファベット表記 --- 古英語のスペリング
   第3回:515通りの through --- 中英語のスペリング
   第4回:doubt の <b> --- 近代英語のスペリング
   第5回:color か colour か? --- アメリカのスペリング




 第1回に配布した資料の目次は次の通りです.資料内からは hellog 内へのリンクも張り巡らせていますので,リンク集としても使えます.

 1. 講座『スペリングでたどる英語の歴史』第1回 英語のスペリングの不規則性
 2. 本講座のねらい
 3. 第1回 「英語のスペリングの不規則性」の要点
 4. (1) 英語のスペリングはどのくらい(不)規則的か
 5. 発音とスペリングの「多対多」
 6. (2) 文字の類型と歴史 (#422)
 7. 言語と文字の歴史は浅い (#41)
 8. 文字の系統 (#2398)
 9. (3) 文字とスペリングの基本的性格
 10. スペリングとは?
 11. まとめ
 12. 参考文献

 ・ Horobin, Simon. Does Spelling Matter? Oxford: OUP, 2013.
 ・ サイモン・ホロビン(著),堀田 隆一(訳) 『スペリングの英語史』 早川書房,2017年.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2017-12-17 Sun

#3156. 「大英帝国の拡大と英語」のまとめ [slide][new_englishes][world_englishes][model_of_englishes][variety][history][link][timeline][standardisation][prescriptive_grammar][prescriptivism][asacul]

 大英帝国の拡大という世界史的展開は,現代英語と英語の未来を論じる上で避けて通ることのできないトピックです.その英語史上の意義について,スライド (HTML) にまとめてみました.こちらからどうぞ.結論としては次のように述べました.

大英帝国の発展は
 (1) 英語の標準化・規範化を後押しして,英語に「求心力」をもたらした一方で,
 (2) 英語の多様化を招き,英語に「遠心力」をもたらし,
現在および未来の英語のあり方の基礎を築いた.


 詳細は各々のページをご覧ください.本ブログの記事や各種画像へのリンクも豊富に張っています.

 1. 大英帝国の拡大と英語
 2. 要点
 3. (1) 大英帝国の発展
 4. 関連年表 (#777, #1377, #2562)
 5. (2) 英語の求心力 --- 標準化・規範化
 6. 標準化と規範化
 7. 18世紀の規範主義
 8. 辞書,文法書,発音指南書
 9. 規範文法の例
 10. (3) 英語の遠心力 --- 世界の様々な英語
 11. 様々な英語変種の例
 12. 英語変種の諸分類法
 13. 21世紀,求心力と遠心力のせめぎ合い
 14. まとめ
 15. 参考文献

 他の「まとめスライド」として,「#3058. 「英語史における黒死病の意義」のまとめスライド」 ([2017-09-10-1]),「#3068. 「宗教改革と英語史」のまとめスライド」 ([2017-09-20-1]),「#3089. 「アメリカ独立戦争と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-11-1]),「#3102. 「キリスト教伝来と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-24-1]),「#3107. 「ノルマン征服と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-29-1]),「#3121. 「印刷術の発明と英語」のまとめ」 ([2017-11-12-1]) もどうぞ.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2017-11-30 Thu

#3139. 講座「スペリングでたどる英語の歴史」のお知らせ [notice][spelling][spelling_pronunciation_gap][hel_education][asacul][sobokunagimon]

 来年2018年の1月から3月にかけて,朝日カルチャーセンター新宿教室にて5回にわたる講座「スペリングでたどる英語の歴史」を開講します.
 このテーマを掲げたのは,去る9月に Simon Horobin 著 Does Spelling Matter? の拙訳書『スペリングの英語史』が出版されたこともありますし,先立つ4月に開講した「#2911. 英語史講座第1回「綴字と発音の関係を探る――なぜ doubt に <b> があるのか?」」 ([2017-04-16-1]) でも関心をもたれる方が多かったからです.そして,何よりもこのテーマは,英語史を通観するのにとても優れた視点なのです.スペリングの歴史を通じて,文字論はもとより音韻論,形態論,言語接触,社会言語学,語用論といった多様な角度から,英語史を概観することができます.関心のある方は,是非どうぞ.
 関連して,拙著『英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史』「第2章 発音と綴字に関する素朴な疑問」,および拙著『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』「第6章 英語は日本語と比べて文字体系が単純である」もご参照ください.
 本講座の趣旨と各回で扱う予定の内容は次の通りです.

多くの学習者にとって,英語のスペリングは,不規則で例外ばかりの暗記を強いる存在と映ります.なぜ knight や doubt というスペリングには,発音しない <k>, <gh>, <b> のような文字があるのでしょうか.なぜ color と colour,center と centre のような,不要とも思える代替スペリングがあるのでしょうか.しかし,不合理に思われるこれらのスペリングの各々にも,なぜそのようなスペリングになっているかという歴史的な理由が「誇張ではなく」100%存在するのです.本講座では,英語のたどってきた1500年以上の歴史を参照しながら,個々の単語のスペリングの「なぜ?」に納得のゆく説明を施します.

1. 総論;アルファベットの起源と英語のスペリング
2. 英語初のアルファベット表記 --- 古英語のスペリング
3. 515通りの through --- 中英語のスペリング
4. doubt の <b> --- 近代英語のスペリング
5. color か colour か? --- アメリカのスペリング


 英語のスペリングの理不尽さに「納得のゆく説明」を与えると述べていますが,これは「実用的で役に立つ説明」と同一ではありません.しかし,中長期的にみれば「納得のゆく説明」こそが重要であると考えています.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2017-11-12 Sun

#3121. 「印刷術の発明と英語」のまとめ [slide][printing][history][link][hel_education][emode][reformation][caxton][latin][standardisation][spelling][orthography][asacul]

 英語史における印刷術の発明の意義について,スライド (HTML) にまとめてみました.こちらからどうぞ.結論は以下の通りです.

 1. グーテンベルクによる印刷術の「改良」(「発明」ではなく)
 2. 印刷術は,宗教改革と二人三脚で近代国語としての英語の台頭を後押しした
 3. 印刷術は,綴字標準化にも一定の影響を与えた

 詳細は各々のページをご覧ください.本ブログの記事や各種画像へのリンクも豊富に張っています.

 1. 印刷術の発明と英語
 2. 要点
 3. (1) 印刷術の「発明」
 4. 印刷術(と製紙法)の前史
 5. 関連年表
 6. Johannes Gutenberg (1400?--68)
 7. William Caxton (1422?--91)
 8. (2) 近代国語としての英語の誕生
 9. 宗教改革と印刷術の二人三脚
 10. 近代国語意識の芽生え
 11. (3) 綴字標準化への貢献
 12. 「印刷術の導入が綴字標準化を推進した」説への疑義
 13. 綴字標準化はあくまで緩慢に進行した
 14. まとめ
 15. 参考文献
 16. 補遺: Prologue to Eneydos (#337)

 他の「まとめスライド」として,「#3058. 「英語史における黒死病の意義」のまとめスライド」 ([2017-09-10-1]),「#3068. 「宗教改革と英語史」のまとめスライド」 ([2017-09-20-1]),「#3089. 「アメリカ独立戦争と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-11-1]),「#3102. 「キリスト教伝来と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-24-1]),「#3107. 「ノルマン征服と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-29-1]) もどうぞ.

Referrer (Inside): [2022-07-19-1] [2017-12-17-1]

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2017-10-29 Sun

#3107. 「ノルマン征服と英語」のまとめスライド [slide][norman_conquest][history][french][loan_word][link][hel_education][asacul]

 英語史におけるノルマン征服の意義について,スライド (HTML) にまとめてみました.こちらからどうぞ.
 これまでも「#2047. ノルマン征服の英語史上の意義」 ([2014-12-04-1]) を始め,norman_conquest の記事で同じ問題について考えてきましたが,当面の一般的な結論として,以下のようにまとめました.

 1. ノルマン征服は(英国史のみならず)英語史における一大事件.
 2. 以降,英語は語彙を中心にフランス語から多大な言語的影響を受け,
 3. フランス語のくびきの下にあって,かえって生き生きと変化し,多様化することができた

 詳細は各々のページをご覧ください.本ブログ内のリンクも豊富に張っていますので,適宜ジャンプしながら閲覧すると,全体としてちょっとした読み物になると思います.また,フランス語が英語に及ぼした(社会)言語学的影響の概観ともなっています.

 1. ノルマン征服と英語
 2. 要点
 3. (1) ノルマン征服 (Norman Conquest)
 4. ノルマン人の起源
 5. 1066年
 6. ノルマン人の流入とイングランドの言語状況
 7. (2) 英語への言語的影響
 8. 語彙への影響
 9. 英語語彙におけるフランス借用語の位置づけ (#1210)
 10. 語形成への影響 (#96)
 11. 綴字への影響
 12. 発音への影響
 13. 文法への影響
 14. (3) 英語への社会的影響 (#2047)
 15. 文法への影響について再考
 16. まとめ
 17. 参考文献
 18. 補遺1: 1300年頃の Robert of Gloucester による年代記 (ll. 7538--47) の記述 (#2148)
 19. 補遺2: フランス借用語(句)の例 (#1210)

 他の「まとめスライド」として,「#3058. 「英語史における黒死病の意義」のまとめスライド」 ([2017-09-10-1]),「#3068. 「宗教改革と英語史」のまとめスライド」 ([2017-09-20-1]),「#3089. 「アメリカ独立戦争と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-11-1]),「#3102. 「キリスト教伝来と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-24-1]) もご覧ください.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

2017-10-24 Tue

#3102. 「キリスト教伝来と英語」のまとめスライド [slide][christianity][history][bible][runic][alphabet][latin][loan_word][link][hel_education][asacul]

 英語史におけるキリスト教伝来の意義について,まとめスライド (HTML) を作ったので公開する.こちらからどうぞ.大きな話題ですが,キリスト教伝来は英語に (1) ローマン・アルファベットによる本格的な文字文化を導入し,(2) ラテン語からの借用語を多くもたらし,(3) 聖書翻訳の伝統を開始した,という3つの点において,英語史上に計り知れない意義をもつと結論づけました.

 1. キリスト教伝来と英語
 2. 要点
 3. ブリテン諸島へのキリスト教伝来 (#2871)
 4. 1. ローマン・アルファベットの導入
 5. ルーン文字とは?
 6. 現存する最古の英文はルーン文字で書かれていた
 7. 古英語アルファベット
 8. 古英語の文学 (#2526)
 9. 2. ラテン語の英語語彙への影響
 10. 外来宗教が英語と日本語に与えた言語的影響の比較 (#206)
 11. 3. 聖書翻訳の伝統の開始
 12. 多数の慣用表現
 13. まとめ
 14. 参考文献
 15. 補遺1: Beowulf の冒頭の11行 (#2893)
 16. 補遺2:「主の祈り」の各時代のヴァージョン (#1803)

 他の「まとめスライド」として,「#3058. 「英語史における黒死病の意義」のまとめスライド」 ([2017-09-10-1]),「#3068. 「宗教改革と英語史」のまとめスライド」 ([2017-09-20-1]),「#3089. 「アメリカ独立戦争と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-11-1]) もご覧ください.

[ 固定リンク | 印刷用ページ ]

Powered by WinChalow1.0rc4 based on chalow