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最終更新時間: 2024-12-23 11:02

2022-12-20 Tue

#4985. 新著が出ます --- 家入 葉子・堀田 隆一 『文献学と英語史研究』 開拓社,2022年. [notice][philology][history_of_linguistics][methodology][bunkengaku][toc]

 京都大学の家入葉子先生と堀田の共著となる,英語史研究のハンドブック『文献学と英語史研究』が開拓社より出版されます.発売は新年の1月中旬辺りになりますが,Amazon ではすでに予約可能となっています(A5版,264ページ,税込3,960円).

家入 葉子・堀田 隆一『文献学と英語史研究』 開拓社,2022年.



 本書は,開拓社の最新英語学・言語学シリーズ(全22巻の予定)の第21巻としての位置づけで,それ自体が変化と発展を続けるエキサイティングな分野である「英語史」と「英語文献学」の過去40年ほどの研究動向を振り返りつつ,未来への新たな方向を提案するという趣旨となっています.なお,本書の英文タイトルは Current Trends in English Philology and Historical Linguistics です.
 本書で取り上げている話題は,英語史研究の潮流と展望,資料とデータ,音韻論,綴字,形態論,統語論が主です.英語史分野で研究テーマを探すためのレファレンスとして利用できるほか,通読すれば昨今の英語史分野で何が問題とされ注目されているのかの感覚も得られると思います.本の扉にある【本書の内容】は以下の通りです.

文献資料の電子化が進んだ20世紀の終盤以降は,英語史研究においてもコーパスや各種データベースが標準的に利用されるようになり,英語文献研究は飛躍的な展開を遂げた.英語史研究と現代英語研究が合流して英語学の分野間の連携が進んだのも,この時代の特徴である.本書はこの潮流の変化を捉えながら,音韻論・綴字・形態論・統語論を中心に最新の英語史研究を紹介するとともに,研究に有用な電子的資料についても情報提供する.


 章立ては以下の通りです.章ごとに執筆者は分かれていますが,互いに原稿を交換し検討が加えられています.

 第1章 英語史研究の潮流 (執筆者:家入)
 第2章 英語史研究の資料とデータ (堀田,家入)
 第3章 音韻論・綴字 (堀田)
 第4章 形態論 (堀田)
 第5章 統語論 (家入)
 第6章 英語史研究における今後の展望にかえて (家入)


 家入先生がウェブ上ですでに本書の紹介をされていますので,リンクを張っておきます.

 ・ 研究・授業関連の投稿ページ
 ・ 「コトバと文化のフォーラム - Castlecliffe」のブログ記事

 本書については,今後 hellog や Voicy の「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」などの媒体で情報発信していく予定です.長く参照され続ける本になればと思っています.どうぞよろしくお願いいたします.

 ・ 家入 葉子・堀田 隆一 『文献学と英語史研究』 開拓社,2022年.

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2022-07-21 Thu

#4833. 『言語の標準化を考える』で考えた標準化の切り口 [gengo_no_hyojunka][standardisation][toc][typology]

 hellog でも何度か宣伝していますが,この5月に 高田 博行・田中 牧郎・堀田 隆一(編著)『言語の標準化を考える --- 日中英独仏「対照言語史」の試み』(大修館,2022年)が上梓されました.

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 私が執筆担当した箇所の1つに,第1章の「導入:標準語の形成史を対照するということ」の第2節「標準化の切り口(パラメータ)」 (6--15) があります.本書の出版企画につながった過去5年間の研究会活動のなかで検討してきた標準化のパラメータを列挙した部分です.小見出しがそのままパラメータに対応しているので,そちらを一覧しておきます.

2.1 統一化,規範化,通用化
2.2 標準化の程度
2.3 標準化と脱標準化
2.4 使用域
2.5 領域別の標準化とその歴史的順序
2.6 標準化のタイミングと要した時間
2.7 標準化の諸段階・諸側面
2.8 通用空間
2.9 標準化の目標となる変種の種類・数
2.10 標準化を推進する主体・方向
2.11 標準化に対する話者の態度
2.12 言語の標準化と社会の言語標準化


 時間をかけてブレストし,まとめてきたパラメータの一覧なので,対照言語史的に標準化 (standardisation) を検討する際のタイポロジーやモデルとして広く役立つのではないかと考えています.
 hellog では言語標準化の話題は standardisation の記事で頻繁に取り上げてきましたが,研究会での発表を念頭に作成した,英語の標準化の歴史についてのある程度まとまった資料としては「#3234. 「言語と人間」研究会 (HLC) の春期セミナーで標準英語の発達について話しました」 ([2018-03-05-1]) と「#3244. 第2回 HiSoPra* 研究会で英語史における標準化について話しました」 ([2018-03-15-1]) を参照ください.
 『言語の標準化を考える』の紹介についてはこちらの記事セットをどうぞ.とりわけ7月8日に音声収録した編者鼎談はお薦めです.本書の狙いや読みどころを編者3人で紹介しています.近々に編者鼎談第2弾も企画しています.本書について,あるいは一般・個別言語における標準化の話題について,ご意見,ご感想,ご質問等をこちらのコメントフォームお寄せください.第2弾で話題として取り上げられればと思っています.


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2022-07-14 Thu

#4826. 『起源でたどる日常英語表現事典』の目次 [review][toc][etymology]

 昨日の記事「#4825. 英米史略年表 --- 『英語の教養』より」 ([2022-07-13-1]) で紹介した大井光隆(著)『英語の教養』(ベレ出版,2021年)とよく似た趣旨の本をもう1冊紹介したい.
 同じく2021年に出版された,亀田尚己・中道キャサリン(著)『起源でたどる日常英語表現事典』(丸善出版)である.英語に関わる文化・歴史上の各キーワードを1ページで簡潔に解説してくれる事典だ.とりわけ単語の語源や使い方に焦点が当てられているが,文化・歴史的背景についても半ページほど割かれている.以下に章立てを示そう.



 第I部 歴史・文化・制度に関する英語の起源
   1 古代史・英米史にまつわる英語
   2 聖書・文学にまつわる英語
   3 権威・身分制度にまつわる英語
   4 教育制度にまつわる英語
 第II部 宗教・戦争・政治に関する英語の起源
   1 宗教にまつわる英語
   2 戦争にまつわる英語
   3 政治・法律にまつわる英語
 第III部 経済・商業・職業に関する英語の起源
   1 経済活動にまつわる英語
   2 契約にまつわる英語
   3 両替・銀行・為替にまつわる英語
   4 貿易にまつわる英語
   5 工業・農業・職業にまつわる英語
 第IV部 家庭・身体・道具に関する英語の起源
   1 労働・運動・娯楽にまつわる英語
   2 身体・食事・飲み物にまつわる英語
   3 道具・乗り物・動物にまつわる英語
 第V部 自然・気象・季節に関する英語の起源
   1 海陸・地形・地勢・神霊にまつわる英語
   2 気象・季節・降雨・日照にまつわる英語
   3 天体・暦・時間にまつわる英語
 第VI部 外国語に由来する英語の起源
   1 ラテン語由来の英語
   2 フランス語由来の英語
   3 その他の外国語由来の英語




 合計286の単語・表現が見出しに挙げられ解説されているが,パラパラめくって眺めているだけで飽きない.例えば,最後の第VI部の「外国語に由来する英語の起源」からの単語を挙げてみると,ラテン語由来として A.D., Alma Mater, Bona fide, Candle, Confidence, De facto, e.g., etc./et cetera, i.e., Mile, per, per cent/percent, v.v/vice versa, Verse が,フランス語由来として Attaché, Connoisseur, Gourmet, Novice, Vogue が,その他として Chocolate, Kindergarten, Magazine, Pyjamas/Pajamas, Tea が扱われている.

 ・ 亀田 尚己・中道 キャサリン 『起源でたどる日常英語表現事典』 丸善出版,2021年.

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2022-07-13 Wed

#4825. 英米史略年表 --- 『英語の教養』より [review][toc][timeline]

 昨年出版された大井光隆(著)『英語の教養』(ベレ出版)をパラパラ眺めて楽しんでいる.文化的なキーワードを挙げつつ1テーマを1ページで解説する,手軽に読める英米文化誌の本となっている.どこから読んでもためになる.章立てを示そう.



 第1章 英米の歴史
 第2章 年中行事と祝日
 第3章 ギリシャとローマの神話
 第4章 聖書とキリスト教
 第5章 伝説と民間伝承
 第6章 生活のことば
 第7章 スポーツの文化
 第8章 架空の人物と民間のヒーロー
 第9章 動物の世界
 第10章 植物の世界




 第1章を開いたところに「英米史略年表」が掲げられている (10--11) .英米史の全体像を大づかみするには,細かい年表よりも,このくらいの略年表が便利である.要点だけを押さえた英米史年表として以下に記しておきたい.


(紀元前)
600年頃ブリテン島に大陸からケルト人が移住
55年~4ローマの将軍カエサル,ブリテン島に侵攻(~54)
 このころ,イエス・キリスト誕生
(紀元後)
43ローマによるブリテン島支配が始まる
409ローマ軍,ブリテン島より撤退
597ローマの宣教師アウグスティヌスによるキリスト教の布教始まる
800このころからバイキングの侵攻が始まる
871アルフレッド王即位
1016デンマーク王クヌート (Canute) がイングランドを征服,王位に就く
1066「ノルマン征服」で,ウィリアム1世即位
1215ジョン王,マグナカルタを認める
1337英仏間の「百年戦争」始まる (~1453)
1348黒死病,猛威を振るう
1455「ばら戦争」始まる (~85)
1509ヘンリー8世即位 (~47)
1534国教会 (Church of England) 成立,ローマ・カトリック教会と絶縁
1558エリザベス1世即位 (~1603)
1588ドレイク,スペインの無敵艦隊を破る
 このころ,劇作家シェイクスピアが活躍
1600東インド会社が設立され,東洋との直接貿易始まる
1607イギリス人が初めてアメリカに入植し,現在のバージニアに植民地ジェームズタウン (Jamestown) を設立
1620ピルグリム・ファーザーズがアメリカに移住
1640ピューリタン革命 (~60)
1649チャールズ1世が処刑され,イングランド共和国成立
1660王政復古 (the Restoration) で,チャールズ2世即位 (~85)
1665ロンドンで黒死病が大流行
1666ロンドン大火で,市街の80%が消失
1688名誉革命 (the Glorious Revolution) 始まる (~89)
1707イングランドとスコットランドが合同し,グレートブリテン連合王国が成立
1775アメリカ独立戦争始まる
1776アメリカ独立宣言が採択される
1789フランス革命勃発
1801イギリス,アイルランドと合同
1815ウェリントン,ワーテルローの戦いでナポレオン軍を破る
1830リバプール・マンチェスター間に鉄道が開業し,鉄道時代がスタート
1837ビクトリア女王即位 (~1901)
1840アヘン戦争勃発 (~42)
1845アイルランドで大飢饉 (~46)
1851ロンドンで第1回万博(ロンドン大博覧会)開催
1861アメリカで南北戦争始まる
1914第一次世界大戦始まる (~18)
1939第二次世界大戦始まる (~45)
1952エリザベス2世即位
1960アメリカで公民権運動
1965ベトナム戦争 (~75)
1989「ベルリンの壁」崩壊
2019世界各地で「新型コロナウィルス感染症」 (COVID-19) が発生




 ・ 大井 光隆 『英語の教養』 ベレ出版,2021年.

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2022-05-25 Wed

#4776. 初の対照言語史の本が出版されました 『言語の標準化を考える --- 日中英独仏「対照言語史」の試み』 [notice][standardisation][contrastive_linguistics][contrastive_language_history][gengo_no_hyojunka][toc]

 様々な言語における標準化の歴史を題材とした本が出版されました.

 ・ 高田 博行・田中 牧郎・堀田 隆一(編著)『言語の標準化を考える --- 日中英独仏「対照言語史」の試み』 大修館,2022年.

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 私も編著者の1人として関わった本です.5年近くの時間をかけて育んできた研究会での発表や議論がもととなった出版企画が,このような形で結実しました.とりわけ「対照言語史」という視点は「海外の言語学の動向を模倣したものではなく,われわれが独自に提唱するもの」 (p. 4) として強調しておきたいと思います.例えば英語と日本語を比べるような「対照言語学」 (contrastive_linguistics) ではなく,英語「史」と日本語「史」を比べてみる「対照言語史」 (contrastive_language_history) という新視点です.
 この本の特徴を3点に絞って述べると,次のようになります.

 (1) 社会歴史言語学上の古くて新しい重要問題の1つ「言語の標準化」 (standardisation) に焦点を当てている
 (2) 日中英独仏の5言語の標準化の過程を記述・説明するにとどまらず,「対照言語史」の視点を押し出してなるべく言語間の比較対照を心がけた
 (3) 本書の元となった研究会での生き生きとした議論の臨場感を再現すべく,対話的脚注という斬新なレイアウトを導入した

 目次は以下の通りです.



 まえがき
 第1部 「対照言語史」:導入と総論
   第1章 導入:標準語の形成史を対照するということ(高田 博行・田中 牧郎・堀田 隆一)
   第2章 日中英独仏 --- 各言語史の概略(田中 牧郎・彭 国躍・堀田 隆一・高田 博行・西山 教行)
 第2部 言語史における標準化の事例とその対照
   第3章 ボトムアップの標準化(渋谷 勝己)
   第4章 スタンダードと東京山の手(野村 剛史)
   第5章 書きことばの変遷と言文一致(田中 牧郎)
   第6章 英語史における「標準化サイクル」(堀田 隆一)
   第7章 英語標準化の諸相 --- 20世紀以降を中心に(寺澤 盾)
   第8章 フランス語の標準語とその変容 --- 世界に拡がるフランス語(西山 教行)
   第9章 近世におけるドイツ語文章語 --- 言語の統一性と柔軟さ(高田 博行・佐藤 恵)
   第10章 中国語標準化の実態と政策の史話 --- システム最適化の時代要請(彭 国躍)
   第11章 漢文とヨーロッパ語のはざまで(田中 克彦)
 あとがき




 hellog でも言語の標準化の話題は繰り返し取り上げてきました.英語の標準化の歴史は確かに独特なところもありますが,一方で今回の「対照言語史」的な議論を通じて,他言語と比較できる点,比較するとおもしろい点に多く気づくことができました.
 「対照言語史」というキーワードは,2019年3月28日に開催された研究会にて公式に初めてお披露目しました(「#3614. 第3回 HiSoPra* 研究会のお知らせ」 ([2019-03-20-1]) を参照).その後,「#4674. 「初期近代英語期における語彙拡充の試み」」 ([2022-02-12-1]) で報告したように,今年の1月22日,ひと・ことばフォーラムのシンポジウム「言語史と言語的コンプレックス --- 「対照言語史」の視点から」にて,今回の編者3人でお話しする機会をいただきました.今後も本書出版の機会をとらえ,対照言語史の話題でお話しする機会をいただく予定です.
 hellog 読者の皆様も,ぜひ対照言語史という新しいアプローチに注目していたければと思います.

 ・ 高田 博行・田中 牧郎・堀田 隆一(編著)『言語の標準化を考える 日中英独仏「対照言語史」の試み』 大修館,2022年.

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2021-11-12 Fri

#4582. 宇賀治正朋(著)『英文法学史』の目次 [toc][history_of_english_grammar][history_of_linguistics]

 故宇賀治正朋先生の著書に『英文法学史』がある.御遺族が御遺稿を自費で出版されたとのことで,非売品として一般には知られていない著書である.先日,知り合いの研究者より1部をいただく機会があった.ここに目次を示し,宇賀治先生がいかにして英文法史を紡いだかを概観したい.大きな見取り図が得られる.



  1 序章
   1.1 Grammar: 定義と構成部門
   1.2 Grammar: 最初の適用言語ラテン語

  第1部 先史時代 ー 英文法の源流
  2 古代ギリシアの文法研究
    2.1 古代ギリシァ前期
      2.1.1 プラトン ー 始原の言語学書 対話篇『クラテュロス』
      2.1.2 アリストテレス ー 文法学の祖
      2.1.3 ストア派の哲学者たち ー 文法は論理学の一分野
      2.1.4 まとめ
    2.2 古代ギリシァ後期 ー ヘレニズム時代
      2.2.1 アレクサンドリアの文法家
        2.2.1.1 ディオニュシオス ー 「文法術」の出現
        2.2.1.2 評釈と意義
        2.2.1.3 アポロニオス ー 統語論の開拓者
          第1部 定冠詞・関係代名詞
          第2部 代名詞
          第3部 文法違反(solecism)・動詞・分詞
          第4部 前置詞・副詞

  3 古代ローマの文法研究
    3.1 ウァッロ ー 屈折形態論の創始者
    3.2 歴史的意義
    3.3 ドナトゥス ー 現代にいたる文法組織の大綱を決定
      I. Ars Minor
      II. Ars Maior
    3.4 評価

  4 中世イングランドの文法研究
    4.1 イングランドの状況

  5 英文法の出現
    5.1 時代背景
    5.2 Bullokar から1600年まで
      文献解題1. William Bullokar: Bref Grammar for English (1586)
    5.3 1601年から1700年まで
      文献解題2. Ben Jonson: The English Grammar (1640)
      文献解題3. John Wallis: Grammatica Linguae Anglicanae (1653)
    5.4 1701年から1800年まで
      文献解題4. Lindley Murray: English Grammar, Adapted to the Different Classes of Learners (1795)



 ・ 宇賀治 正朋 『英文法学史』 研究社印刷,2012年.

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2021-02-22 Mon

#4319. 河西良治教授退職記念論文集刊行会(編) 『言語研究の扉を開く』 開拓社,2021年. [notice][review][toc]

 敬愛する河西良治先生(中央大学文学部英語文学文化専攻教授)がこの3月でご退職されます.退職記念として,河西ゼミ門下生により編集された記念論文集『言語研究の扉を開く』が開拓社より出版されました.私自身も小論「英語の歴史にみられる3つの潮流」を寄稿させていただいたのですが,その拙論は別として,河西先生ご自身も含めた充実の執筆陣による多種多様な英語学の論文が集まっており,これからじっくり楽しんで読みたいと思っています.

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 以下,目次を掲げます.

[ 言語心理学・言語教育学 ]

  ・ 阿佐 宏一郎 「文字サイズと読み効率の言語心理学」
  ・ 歌代 崇史 「ティーチャートークの適切さの自動推定に向けた探求 --- 日本語教員養成課程において ---」
  ・ 木塚 雅貴 「英語科教員のための英語音声学」
  ・ Matthews, John 「Sounds of Language, Sounds of Speech: The Linguistics of Speaking in English but Hearing in Japanese」

[ 応用言語学 ]

  ・ 石崎 貴士 「Reconsidering the Input Hypothesis from a Connectionist Perspective: Cognitive Filtering and Incomprehensible Input」
  ・ 平川 眞規子 「日本人英語学習者によるテンスとアスペクトの意味解釈:単純形 -s vs. 現在進行形 -ing
  ・ 穂刈 友洋 「誤り研究への招待」
  ・ 村野井 仁 「第二言語習得と意味」
  ・ 若林 茂則 「第二言語の解明:統率束縛理論に基づく研究の成果と今後の研究の方向性」

[ 英語学 ]

  ・ 靭江 静 「日本語の「できる」と英語の can の語用論上の相違と語用論に基づいた指導の必要性」
  ・ 久米 啓介 「英語学習者の冠詞体系」
  ・ 倉田 俊二 「英語の自由間接話法と自由直接話法について」
  ・ 堀田 隆一 「英語の歴史にみられる3つの潮流」
  ・ 手塚 順孝 「顎・舌・唇:身体的特徴を加味した英語母音の一般化の可能性」

[ 理論言語学 ]

  ・ 新井 洋一 「That 時制節を焦点として導く疑似分裂文の特性と諸問題」
  ・ 井筒 勝信 「見えるもの,見えないもの:ミクロ類型論から見えて来るもの」
  ・ 北原 賢一 「コーパスを用いた言語研究の盲点 --- 同族目的語表現を巡って ---」
  ・ 篠原 俊吾 「ずらして見る --- メトニミー的視点 ---」
  ・ 星 英仁 「概念・志向システムによる意味解釈のメカニズム」
  ・ 山田 祥一 「断言と疑問の混交文 --- ウェブ上の言葉遊びに見られる特殊表現 ---」

  ・ 河西良治先生経歴と業績一覧

  ・ 「私の言語研究:言語と人生」 河西 良治


 ・ 河西良治教授退職記念論文集刊行会(編) 『言語研究の扉を開く』 開拓社,2021年.

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2020-08-20 Thu

#4133. OED による英語史概説 [oed][lexicology][lexicography][historiography][toc][hel][hel_education]

 OED のサイトには当然ながら英語史に関する情報が満載である.じっくりと読んだことはなかったのだが,掘れば掘るほど出てくる英語史のコンテンツの宝庫だ.OED が運営しているブログがあり,そこから英語史概説というべき記事を以下に挙げておきたい.
 OED らしく語彙史が中心となっているのはもちろん,辞書編纂の関心が存分に反映されたユニークな英語史となっており,実に読み応えがある.とりわけ古い時代の英語の evidence や manuscript dating の問題に関する議論などは秀逸というほかない(例えば Middle English: an overview の "Our surviving documents" などを参照).また,終着点となる20世紀の英語の評論などは,今後の英語を考える上で必読ではないか.
 是非,以下をじっくり読んでもらえればと思います.

 ・ Old English --- an overview
    - Historical background
    - Some distinguishing features of Old English
    - The beginning of Old English
    - The end of Old English
    - Old English dialects
    - Old English verbs
    - Derivational relationships and sound changes
       - cf. Old English in the OED
 ・ Middle English: an overview
    - Historical period
    - The most important linguistic developments
    - A multilingual context
    - Borrowing from early Scandinavian
    - Borrowing from Latin and/or French
    - Pronunciation
    - A period characterized by variation
    - Our surviving documents
 ・ Early modern English --- an overview
    - Boundaries of time and place
    - Variations in English
    - Attitudes to English
    - Vocabulary expansion
    - 'Inkhorn' versus purism
    - Archaism and rhetoric
    - Regulation and spelling reform
    - Fresh perspectives: Old English and new science
 ・ Nineteenth century English: an overview
    - Communications and contact
    - Local and global English
    - Recording the language
    - A changing language: grammar and new words
    - The science of language
 ・ Twentieth century English: an overview
    - Circles of English
    - Convergence: the birth of cool
    - Restrictions on language
    - Lexis: dreadnought and PEP talk
    - Modern English usages

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2020-03-15 Sun

#3975. 『もういちど読む山川日本史』の目次 [toc][history][japanese_history]

 昨日の記事「#3974. 『もういちど読む山川世界史』の目次」 ([2020-03-14-1]) を踏まえ,日本史バージョンもお届けする.もちろん典拠は『もういちど読む山川日本史』だ.日本語史に関しては「#3389. 沖森卓也『日本語史大全』の目次」 ([2018-08-07-1]) を参照.ノードを開閉できるバージョンはこちらからどうぞ.



第1部 原始・古代
  第1章 日本のあけぼの
    1 文化の始まり
      人類の誕生
      旧石器文化
      縄文文化
      生活と習俗
    2 農耕社会の誕生
      弥生文化
      水稲と鉄器
      生産と階級
  第2章 大和王権の成立
    1 小国の時代
      100余の国々
      倭国の乱
      邪馬台国
    2 古墳文化の発展
      古墳の築造
      大和と朝鮮
      倭の五王
      大陸の人々
    3 大王と豪族
      氏姓制度
      部民と屯倉
      国造の反乱
      漢字と仏教
      共同体と祭祀
      古墳時代の生活
  第3章 古代国家の形成
    1 飛鳥の宮廷
      蘇我氏の台頭
      聖徳太子の政治
      遣隋使
    2 大化の改新
      政変の原因
      改新の政治
      近江の朝廷
    3 律令国家
      大宝律令
      中央と地方の官制
      班田農民
    4 飛鳥・白鳳の文化
      氏寺から官寺へ
      薄葬礼
      宮廷歌人
    5 平城京の政治
      国土の開発
      遣唐使
      政治と社会の変化
    6 天平文化
      国史と地誌
      学問と文芸
      国家仏教
      天平の美術
  第4章 律令国家の変質
    1 平安遷都
      造都と征夷
      律令制の変容
    2 弘仁・貞観文化
      新仏教の展開
      漢文学の隆盛
      密教芸術
    3 貴族政治の展開
      藤原氏の台頭
      延喜の治
      地方政治と国司
      承平・天慶の乱
    4 摂関政治
      摂関の地位
      貴族の生活
      東アジアの変動
    5 国風文化
      かな文学
      浄土信仰
      国風の美術と風俗
    6 荘園と武士団
      荘園の発達
      荘園と公領
      武士団の成長
第2部 中世
  第5章 武家社会の形成
    1 院政と平氏政権
      院政の開始
      院政時代
      平氏の栄華
      院政期の文化
    2 幕府の誕生
      源平の争乱
      鎌倉幕府の成立
      将軍と御家人
      北条氏の台頭
      執権政治
    3 武士団の世界
      館とその周辺
      一族のむすびつき
      荘園領主との争い
    4 よみがえる農村
      戦乱と飢饉
      荘園の生活
      米と銭
    5 鎌倉文化
      文学の新生
      念仏の教え
      迫害をのりこえて
      新仏教と旧仏教
      芸術の新傾向
  第6章 武家社会の転換
    1 蒙古襲来
      東アジアと日本
      元寇
      徳政と悪党
    2 南北朝の動乱
      幕府の滅亡
      建武の新政
      動乱の深まり
      守護大名
    3 室町幕府と勘合貿易
      室町幕府
      倭寇の活動
      勘合貿易
    3 北山文化
      金閣と北山文化
      動乱期の文化
      集団の芸能
  第7章 下克上と戦国大名
    1 下克上の社会
      惣村の形成
      土一揆
      幕府の動揺
      応仁の乱
      市の賑わい
      座と関所
    2 東山文化
      東山と銀閣芸術
      庶民文芸の流行
      文化の地方普及
      仏教のひろまり
    3 戦国の世
      戦国大名の登場
      分国支配
      一向一揆
      京と町衆
      都市の自治
第3部 近世
  第8章 幕藩体制の確立
    1 ヨーロッパ人の来航
      ヨーロッパ人の来航
      鉄砲の伝来
      キリスト教のひろまり
    2 織豊政権
      織田信長
      豊臣秀吉
      検地と刀狩
      秀吉の対外政策
    3 桃山文化
      城の文化
      町衆の生活
      南蛮文化
    4 江戸幕府の成立
      幕府の開設
      幕府の職制
      朝廷と寺社
    5 「士農工商」
      農民の統制
      身分と帙尾
    6 鎖国への道
      家康の平和外交
      禁教と鎖国
      長崎の出島
  第9章 藩政の安定と町人の活動
    1 文治政治
      由井正雪の乱
      元禄時代
      貨幣の改鋳
      荒井は得席
    2 産業の発達
      農地の開発
      漁業と鉱業
      名産の成立
    3 町人の経済活動
      宿場と飛脚
      東回りと西廻り
      江戸と上方
      町人の活動
      貨幣と金融
    4 元禄文化
      江戸前期の文化
      儒学の興隆
      諸学問の発達
      芭蕉・西鶴・近松
      元禄の美術
      庶民の生活
  第10章 幕藩体制の動揺
    1 享保の改革
      吉宗登場
      財政の再建
      法典の整備
    2 田沼時代
      田沼意次
      蝦夷地の開拓
      飢饉と百姓一揆
    3 寛政の改革
      松平定信
      北方の警備
      大御所時代と大塩の乱
    4 天保の改革
      水野忠邦
      西南の雄藩
      近代工業のめばえ
    5 化政文化
      化政文化
      化政文学
      錦絵の流行
      生活と信仰
    6 新しい学問
      国学と尊王論
      蘭学の発達
      批判的思想
第4部 近代・現代
  第11章 近代国家の成立
    1 黒船来たる
      ペリー来航
      開国
      通商の取り決め
      国内経済の混乱
    2 攘夷から倒幕へ
      動揺する幕府
      公武合体と尊皇攘夷
      外国との衝突
      倒幕運動の高まり
      大政奉還
    3 明治維新
      戊辰戦争
      新政府の方針
      廃藩置県
    4 強国をめざして
      四民平等
      徴兵令と士族
      地租改正
      国際関係の確立
    5 殖産興業
      官営工場
      鉄道の敷設
      松方財政
    6 文明開化
      自由と権利の思想
      小学校のはじまり
      ひろまる西洋風俗
    7 士族の抵抗
      新政府への不満
      民選議員設立の建白
      西南戦争
    8 自由民権運動
      高まる国会開設運動
      明治十四年の政変
      自由党と立憲改進党
      私擬憲法
      後退する民権運動
    9 帝国議会の幕開き
      憲法の調査
      大日本帝国憲法
      初期議会の政争
  第12章 大陸政策の展開と資本主義
    1 「脱亜入欧」
      条約改正の歩み
      朝鮮を巡る対立
      日清戦争
    2 藩閥・政党・官僚
      最初の政党内閣
      立憲政友会の成立
      官僚の役割
    3 ロシアとの戦い
      義和団事変と日英同盟
      日露戦争
      日露講和条約
      韓国併合
      日米対立のめばえ
    4 すすむ工業化
      日本の産業革命
      農村の変化
      のびる鉄道
      重工業の発達
    5 社会問題の発生
      悪い労働条件
      足尾鉱毒事件
      社会運動のおこり
    6 新しい思想と教育
      国家主義の思想
      宗教界の動き
      学校教育の発展
      科学の発達
    7 文芸の新しい波
      明治の文学
      美術と演劇
      新聞の発達
      かわる国民生活
  第13章 第一次世界大戦と日本
    1 ゆれ動く世界と日本
      第一次世界大戦
      二十一ヵ条の要求
      シベリア出兵
    2 民衆の登場
      大正政変
      民本主義
      大戦景気と米騒動
    3 平民宰相
      原内閣と普選問題
      高まる社会運動
    4 国際協調の時代
      パリ平和会議
      ワシントン会議
      協調外交の展開
    5 政党政治の明暗
      護憲三派内閣の成立
      普通選挙と治安維持法
      政党政治の定着
    6 都市化と大衆化
      都市化の進行
      文化の大衆化
      学問の新傾向
      新しい文学
    7 ゆきづまった協調外交
      中国情勢の変化
      金融恐慌
      田中外交
      金解禁と昭和恐慌
      ロンドン条約問題
  第14章 軍部の台頭と第二次世界大戦
    1 孤立する日本
      満州事変
      政党内閣の崩壊
      国際連盟の脱退
    2 泥沼の戦い
      天皇機関説問題
      二・二六事件
      枢軸陣営の形成
      日中戦争
      国家総動員
    3 新しい国際秩序をめざして
      第二次世界大戦の勃発
      国内の新体制
      日独伊三国同盟
    4 太平洋戦争の勃発
      ゆきづまった日米交渉
      日米開戦
      初期の戦局
    5 日本の敗北
      戦局の悪化
      荒廃する国民生活
      戦争の終結
  第15章 現代世界と日本
    1 占領された日本
      連合国軍の日本占領
      非軍事化と民主化
      社会の混乱
      政党の復活
      日本国憲法の制定
    2 主権の回復
      冷たい戦争
      占領政策の転換
      朝鮮戦争
      平和条約・安保条約
      国連加盟
      保守・革新の対立
    3 経済成長と生活革命
      経済の繁栄
      生活革命
      自由民主党の長期政権
      文化の大衆化と国際化
    4 現代の世界と日本
      多極化する国際社会
      日中国交正常化
      国際協力と貿易摩擦
      安定成長から平成不況へ
      冷戦の終結と国際情勢
      国際貢献と55年体制の崩壊
      現代の課題



 ・ 五味 文彦・鳥海 靖(編) 『もういちど読む山川日本史』 山川出版社,2009年.

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2020-03-14 Sat

#3974. 『もういちど読む山川世界史』の目次 [toc][history][world_history]

 これまで英語史に隣接する○○史の分野に関して,教科書的な図書の目次をいくつか掲げてきた.「#3430. 『物語 イギリスの歴史(上下巻)』の目次」 ([2018-09-17-1]),「#3555. 『コンプトン 英国史・英文学史』の「英国史」の目次」 ([2019-01-20-1]),「#3556. 『コンプトン 英国史・英文学史』の「英文学史」の目次」 ([2019-01-21-1]),「#3567. 『イギリス文学史入門』の目次」 ([2019-02-01-1]),「#3828. 『図説フランスの歴史』の目次」 ([2019-10-20-1]) などである.
 より大きな視点から世界史の目次も挙げておきたいと思ったので『もういちど読む山川世界史』を手に取った.歴史をわしづかみするには,よくできた教科書の目次が最適.ノードを開閉できるバージョンはこちらからどうぞ.



  序章 文明の起源
    人類の出現
    農耕・牧畜の開始
    社会の発達
    文明の諸中心
    人種と民族・語族
第I部 古代
  第1章 古代の世界 --- 古代世界の形成
    1 古代オリエント世界
      メソポタミアとエジプトと
      民族移動の波
      オリエントの統一
      オリエントの社会と文化
    2 古代ギリシアとヘレニズム
      エーゲ文明
      ポリスの成立
      ポリスの発展
      古代民主政の完成
      ポリス社会の変質
      ヘレニズムの世界
      ギリシアの古典文化
      ヘレニズム文化
    3 古代ローマ帝国
      都市国家ローマ
      ローマの対外発展と社会の変質
      ローマ帝政の成立
      ローマ帝国の衰退
      ローマの古典文化
      キリスト教の成立
    4 イランの古代国家
      パルティアとササン朝
      イラン文化
    5 インド・東南アジアの古代国家
      インダス文明
      アーリヤ人の来住
      新思想の発生
      統一国家の成立
      西北インドの繁栄
      ヒンドゥー国家の盛衰
      東南アジアの諸国家
    6 中国古代統一国家の成立
      封建制の成立:殷・周
      郡県制の発生:春秋・戦国
      社会と思想界の発達
      中国古代統一国家の成立:秦・漢
      統一国家の社会と文化
    7 内陸アジア
      遊牧と隊商
      諸民族の興亡
第II部 中世
  第2章 東アジア世界 --- 東アジア世界と中国史の大勢
    1 中国貴族社会の成立
      分裂と諸民族の侵入:魏・晋・南北朝
      貴族社会の成立とその文化
    2 律令国家の成立
      律令国家の成立と動揺:隋・唐
      貴族文化の成熟
      隣接諸国の自立
    3 中国社会の新展開
      武人政治の興亡五代
      官僚制国家の成立:宋
      南宋の推移
      社会・経済の発展
      庶民文化の発達
    4 北方諸民族の活動
      遼と西夏
      金の盛衰
      モンゴル帝国の成立
      元の中国支配
      東西交流と元代の文化
      隣接諸国の動向
    5 中華帝国の繁栄
      明の統一
      明の衰亡
      清の統一
      清の中国支配
      社会・経済の発達
      文化の発展
      ヨーロッパとの接触
      隣接諸国の動向
        モンゴル
        チベット
        朝鮮
        ベトナム
        日本
        琉球
  第3章 イスラーム世界 --- 普遍性と多様性
    1 イスラーム世界の成立
      預言者ムハンマド
      アラブ帝国
      イスラーム帝国
    2 イスラーム世界の変容と拡大
      イスラーム世界の政治的分裂
      国家と社会の変容
      東方イスラーム世界
      エジプト・シリアの諸王朝
      イベリア半島とアフリカの諸王朝
      オスマン帝国
    3 イスラーム文化の発展
      イスラーム文化の特色
      イスラーム文化の多様性
    4 インド・東南アジアのイスラーム国家
      イスラーム教徒のインド支配
      ムガル帝国
      東南アジア諸国
  第4章 ヨーロッパ世界 --- ヨーロッパ世界の形成
    1 西ヨーロッパ世界の成立
      ゲルマン人の大移動
      フランクの発展
      カール大帝
      第2次民族移動と西欧諸国の起源
      封建社会
      ローマ教会の発展
    2 中世の東ヨーロッパ
      ビザンツ帝国
      スラヴ人の自立
    3 中世後期のヨーロッパ
      十字軍とその影響
      都市と商業の発展
      教皇権の動揺
      封建社会の解体
      西ヨーロッパ諸国の発展
        イギリスとフランス
        百年戦争
        スペインとポルトガル
        ドイツとイタリア
      西欧中世の文化
第III部 近代
  第5章 近代ヨーロッパの形成 --- 中世から近代へ
    1 ヨーロッパ世界の膨張
      地中海から大西洋へ
      インド航路の開拓
      アメリカ大陸への到達と世界周航
      ポルトガルのアジア進出
      アメリカ文明
      スペインによるアメリカ征服
      近代資本主義の始まり
    2 近代文化の誕生
      ルネサンスとヒューマニズム
      あたらしい美術と文学
      科学と技術
      ルターとカルヴァンの宗教改革
      カトリックの革新
    3 近代初期の国際政治
      主権国家大勢の形成
      ハプスブルク家対フランス
      オスマン帝国とヨーロッパ
      スペインの強盛とフランスの内乱
      オランダの独立
      三十年戦争
    4 主権国家体制の確立
      絶対王政
      イギリスの王権と議会
      ピューリタン革命
      名誉革命と立憲政治
      フランス絶対王政
      スペインの没落
    5 大革命前夜のヨーロッパ
      北方戦争とロシアの台頭
      プロイセンの勃興台頭
      フリードリッヒ大王と七年戦争
      英・仏の植民地戦争
      世界の経済システム
      ポーランド分割
      啓蒙思想
      バロックからロココへ
  第6章 欧米近代社会の確立 --- 「二重革命」と「大西洋革命」
    1 アメリカの独立革命
      イギリス北米植民地
      独立戦争
      憲法の制定
    2 フランス革命とナポレオン
      フランス旧制度の危機
      立憲君主制の樹立:革命の第1段階
      君主制の動揺:革命の第2段階
      共和制の成立:革命の第3段階
      ジャコバン派の独裁:革命の第4段階
      総裁政府:革命の第5段階
      フランス革命の意義
      ナポレオンの大陸支配
      ナポレオンの没落
    3 産業革命
      イギリスの産業革命
      資本主義の確立
      あたらしい経済思想
      産業革命の波及と農業改革
    4 ウィーン体制とその崩壊
      保守と自由
      ラテンアメリカとギリシアの独立
      七月革命とその影響
      労働運動と社会主義
      二月革命とヨーロッパ
      ロマン主義の文化
    5 ナショナリズムの発展
      ヨーロッパの変容
      クリミア戦争
      ロシアの改革
      イギリス自由主義の発展
      フランス第二帝政の崩壊
      イタリアの統一
      ドイツの統一
      ドイツ帝国の発展
      ビスマルク時代の国際関係
      アメリカ合衆国の発展
      科学主義の文化
  第7章 アジアの変動 --- アジアと近代
    1 アジア社会の変容
      欧米諸国の進出
      アジアの変容と対応
    2 西アジア諸国の変動
      イスラーム世界の対応
      オスマン帝国の改革
      エジプトの自立と挫折
      アラビア半島の動向
      イランと列強
    3 インド・東南アジアの変容
      イギリスのインド進出
      1857年の大反乱
      東南アジアの植民地化
    4 東アジアの動揺
      アヘン戦争
      アロー戦争
      太平天国
      洋務運動
      日本の開国
      朝鮮の開国
      日清戦争
      東アジアの国際秩序
第IV部 現代
  第8章 帝国主義時代の始まりと第一次世界大戦 --- 世界の一体化
    1 帝国主義の成立と列強の国内情勢
      帝国主義とヨーロッパ
      各国の政治情勢
        イギリス
        ドイツ
        ロシア
        アメリカ合衆国
    3 植民地支配の拡大
      アフリカ分割と南アフリカ戦争
      太平洋および東アジア
    4 アジアの民族運動
      中国の変法運動と排外運動:戊戌の政変・義和団事件
      中国の革命と共和政の成立:辛亥革命と中華民国の成立
      中国の軍閥政権と文学革命
      インド・東南アジアの民族運動
      西アジアの民族運動
    5 列強の対立激化と三国協商の成立
      日露戦争
      三国協商の成立
      英・独の対立
      バルカン問題
      「世紀末」の技術と文化
      20世紀の始まり
    6 第一次世界大戦
      大戦の勃発
      戦局の推移
      諸国の国内情勢
      大戦下の植民地・従属国
      大戦中の秘密外交
      大戦の終結
  第9章 ヴェルサイユ体制と第二次世界大戦 --- 両大戦間の世界情勢
    1 ロシア革命とヴェルサイユ体制
      ロシア革命
      ソヴィエト政権の政策
      ドイツ革命
      ヴェルサイユ体制の成立
      対ソ干渉戦争とヨーロッパの革命情勢
    2 大戦後のヨーロッパとアメリカ
      東欧の新生小諸国
      ドイツ共和国
      イギリスとフランス
      イタリアでのファシズムの成立
      アメリカの繁栄
      ラテンアメリカ諸国
      ソヴィエト連邦
    3 アジアの情勢
      ワシントン体制の成立
      三・一運動と五・四運動
      中国革命の進展
      大戦後の日本
      東南アジア・インドの民族運動
      西アジアの情勢
    4 世界恐慌とファシズムの台頭
      1929年の恐慌
      米・英の恐慌対策
      ナチスの権力獲得
      ヴェルサイユ・ワシンントン体制の打破
      ソ連の五カ年計画
      反ファシズム人民戦線
      日中戦争
    5 第二次世界大戦
      ミュンヘン会談
      大戦の勃発
      独ソ戦争から太平洋戦争へ
      連合軍の反撃
      大戦の終結
      大戦の性格と結果
  第10章 現代の世界 --- 大戦後の世界
    1 二大陣営の成立とアジア・アフリカ諸国の登場
      東西両陣営の形成
      冷たい戦争
      アジア諸国の独立
      中華人民共和国の成立
      朝鮮戦争
      集団防衛体制の強化
      緊張の緩和
      西欧諸国の復興
      社会主義圏の変化
      アジア諸国の動向
      アラブ・アフリカ諸国の動向
      ラテンアメリカの動き
    2 米ソの動揺と多元化する世界
      ベトナム戦背
      欧米諸国の変質
      中東戦争
      アジア・中東の情勢
      1970年代以降のアフリカ
      1970年代以降のラテンアメリカ
      南北問題
    3 20世紀末から21世紀へ
      転換期をむかえた世界
      社会主義圏の崩壊
      多様化するアジア
      深刻化する中東問題
      地域紛争の多発
      アメリカ合衆国の動向
      世界経済の変化
      現代の科学・技術



 ・ 「世界の歴史」編集員会(編) 『もういちど読む山川世界史』 山川出版社,2009年.

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2020-03-13 Fri

#3973. 『ビジュアル数学全史』の英語目次 [mathematics][toc][review][link]

 数学に関する年表・図鑑・事典が一緒になったような,それでいて読み物として飽きない『ビジュアル数学全史』を通読した.2009年の原著 The Math Book の邦訳である.250の話題の各々について写真や図形が添えられており,雑学ネタにも事欠かない.ゾクゾクさせる数の魅力にはまってしまった.この本の公式HPはこちら
 原著で読んでいたら数学用語にも強くなっていたかもしれないと思ったが,250のキーワードについては英語版の目次から簡単に拾える.ということで,以下に日英両言語版の目次をまとめてみた.ただ挙げるのでは芸がないので,本ブログの過去の記事と引っかけられそうなキーワードについては,リンクを張っておいた.数学(を含む自然科学)に関連する言語学・英語学・英語史の話題については,たまに取り上げてきたので.



 1. アリの体内距離計:Ant Odometer (c. 150 million BC)
 2. 数をかぞえる霊長類:Primates Count (c. 30 million BC)
 3. セミと素数:Cicada-Generated Prime Numbers (c. 1 million BC)
 4. 結び目:Knots (c. 100,000 BC)
 5. イシャンゴ獣骨:Ishango Bone (c. 18,000 BC)
 6. キープ:Quipu (c. 3000 BC) (cf. 「#2389. 文字体系の起源と発達 (1)」 ([2015-11-11-1]),「#3838. 「文字を有さずとも,かなり高度な文明と文化をつくり上げることは可能」」 ([2019-10-30-1]))
 7. サイコロ:Dice (c. 3000 BC)
 8. 魔方陣:Magic Squares (c. 2200 BC)
 9. プリンプトン322:Plimpton 322 (c. 1800 BC)
 10. リンド・パピルス:Rhind Papyrus (c. 1650 BC)
 11. 三目並べ:Tic Tac Toe (c. 1300 BC)
 12. ピタゴラスの定理とピタゴラス三角形:Pythagorean Theorem and Triangles (c. 600 BC)
 13. 囲碁:Go (548 BC)
 14. ピタゴラス教団の誕生:Pythagoras Founds Mathematical Brotherhood (530 BC)
 15. ゼノンのパラドックス:Zeno's Paradoxes (c. 445 BC)
 16. 弓形の求積法:Quadrature of the Lune (c. 440 BC)
 17. プラトンの立体:Platonic Solids (350 BC)
 18. アリストテレスの『オルガノン』:Aristotle's Organon (c. 350 BC)
 19. アリストテレスの車輪のパラドックス:Aristotle's Wheel Paradox (c. 320 BC)
 20. ユークリッドの『原論』:Euclid's Elements (300 BC)
 21. アルキメデスの『砂粒』『牛』『ストマキオン』:Archimedes: Sand, Cattle & Stomachion (c. 250 BC)
 22. 円周率 π:pi (c. 250 BC)
 23. エラトステネスのふるい:Sieve of Eratosthenes (c. 240 BC)
 24. アルキメデスの半正多面体:Archimedean Semi-Regular Polyhedra (c. 240 BC)
 25. アルキメデスのらせん:Archimedes' Spiral (225 BC)
 26. ディオクレスのシッソイド:Cissoid of Diocles (c. 180 BC)
 27. プトレマイオスの『アルマゲスト』:Ptolemy's Almagest (c. 150)
 28. ディオファントスの『算術』:Diophantus's Arithmetica (250)
 29. パッポスの六角形定理:Pappus's Hexagon Theorem (c. 340)
 30. バクシャーリー写本:Bakhshali Manuscript (c. 350)
 31. ヒュパティアの死:The Death of Hypatia (415)
 32. ゼロ:Zero (c. 650)
 33. アルクィンの『青年たちを鍛えるための諸命題』:Alcuin's Propositiones ad Acuendos Juvenes (c. 800) (cf. 「#1309. 大文字と小文字」 ([2012-11-26-1]),「#2871. 古英語期のスライド年表」 ([2017-03-07-1]),「#3820. なぜアルフレッド大王の時代までに学問が衰退してしまったのか?」 ([2019-10-12-1]))
 34. アル=フワーリズミーの『代数学』:al-Khwarizmi's Algebra (830) (cf. 「#2918. 「未知のもの」を表わす x」 ([2017-04-23-1]))
 35. ボロミアン環:Borromean Rings (834)
 36. 『ガニタサーラサングラハ』:Ganita Sara Samgraha (850)
 37. サービトの友愛数の公式:Thabit Formula for Amicable Numbers (c. 850)
 38. 『算術について(インド式計算について諸章よりなる書)』:Kitab al-fusul fi al-hisab al-Hindi (c. 953)
 39. オマル・ハイヤームの『代数学』:Omar Khayyam's Treatise (1070)
 40. アッ=サマウアルの『代数の驚嘆』:Al-Samawal's The Dazzling (c. 1150)
 41. そろばん:Abacus (c. 1200)
 42. フィボナッチの『計算の書』:Fibonacci's Liber Abaci (1202)
 43. チェス盤上の麦粒:Wheat on a Chessboard (1256)
 44. 調和級数の発散:Harmonic Series Diverges (c. 1350)
 45. 余弦定理:Law of Cosines (c. 1427)
 46. 『トレヴィーゾ算術書』:Treviso Arithmetic (1478)
 47. 円周率の級数公式の発見:Discovery of Series Formula for Pi (c. 1500)
 48. 黄金比:Golden Ratio (1509)
 49. 『ポリグラフィア』:Polygraphiae Libri Sex (1518)
 50. 航程線:Loxodrome (1537)
 51. カルダノの『アルス・マグナ』:Cardano's Ars Magna (1545)
 52. 『スマリオ・コンペンディオソ』:Sumario Compendioso (1556)
 53. メルカトール図法:Mercator Projection (1569)
 54. 虚数:Imaginary Numbers (1572) (cf. 「#2120. 再建形は虚数である」 ([2015-02-15-1]))
 55. ケプラー予想:Kepler Conjecture (1611)
 56. 対数:Logarithms (1614)
 57. 計算尺:Slide Rule (1621)
 58. フェルマーのらせん:Fermat's Spiral (1636)
 59. フェルマーの最終定理:Fermat's Last Theorem (1637)
 60. デカルトの『幾何学』:Descartes' La Geometrie (1637)
 61. カージオイド:Cardioid (1637)
 62. 対数らせん:Logarithmic Spiral (1638)
 63. 射影幾何学:Projective Geometry (1639)
 64. トリチェリのトランペット:Torricelli's Trumpet (1641)
 65. パスカルの三角形:Pascal's Triangle (1654)
 66. ニールの放物線:The Length of Neile's Semicubical Parabola (1657)
 67. ヴィヴィアーニの定理:Viviani's Theorem (1659)
 68. 微積分の発見:Discovery of Calculus (c. 1665)
 69. ニュートン法:Newton's Method (1669)
 70. 等時曲線問題:Tautochrone Problem (1673)
 71. 星芒形:Astroid (1674)
 72. ロピタルの『無限小解析』:L'Hopital's Analysis of the Infinitely Small (1696)
 73. 地球を取り巻くロープのパズル:Rope around the Earth Puzzle (1702)
 74. 大数の法則:Law of Large Numbers (1713)
 75. オイラー数 e:Euler's Number, e (1727)
 76. スターリングの公式:Stirling's Formula (1730)
 77. 正規分布曲線:Normal Distribution Curve (1733)
 78. オイラー・マスケローニの定数:Euler-Mascheroni Constant (1735)
 79. ケーニヒスベルクの橋渡り:Konigsberg Bridges (1736)
 80. サンクトペテルブルクのパラドックス:St. Petersburg Paradox (1738)
 81. ゴールドバッハ予想:Goldbach Conjecture (1742)
 82. アニェージの『解析教程』:Agnesi's Instituzioni Analitiche (1748)
 83. オイラーの多面体公式:Euler's Formula for Polyhedra (1751)
 84. オイラーの多角形分割問題:Euler's Polygon Division Problem (1751)
 85. 騎士巡回問題:Knight's Tours (1759)
 86. ベイズの定理:Bayes' Theorem (1761)
 87. フランクリン魔方陣:Franklin Magic Square (1769)
 88. 極小曲面:Minimal Surface (1774)
 89. ビュフォンの針:Buffon's Needle (1777)
 90. 36人の士官の問題:Thirty-Six Officers Problem (1779)
 91. 算額の幾何学:Sangaku Geometry (c. 1789)
 92. 最小二乗法:Least Squares (1795)
 93. 正十七角形の作図:Constructing a Regular Heptadecagon (1796)
 94. 代数学の基本定理:Fundamental Theorem of Algebra (1797)
 95. ガウスの『数論考究』:Gauss's Disquisitiones Arithmeticae (1801)
 96. 三桿分度器:Three-Armed Protractor (1801)
 97. フーリエ級数:Fourier Series (1807)
 98. ラプラスの『確率の解析的理論』:Laplace's Theorie Analytique des Probabilites (1812)
 99. ルパート公の問題:Prince Rupert's Problem (1816)
 100. ベッセル関数:Bessel Functions (1817)
 101. バベッジの機械式計算機:Babbage Mechanical Computer (1822)
 102. コーシーの『微分積分学要論』:Cauchy's Le Calcul Infinitesimal (1823)
 103. 重心計算:Barycentric Calculus (1827)
 104. 非ユークリッド幾何学:Non-Euclidean Geometry (1829)
 105. メビウス関数:Mobius Function (1831)
 106. 群論:Group Theory (1832)
 107. 鳩の巣原理:Pigeonhole Principle (1834)
 108. 四元数:Quaternions (1843)
 109. 超越数:Transcendental Numbers (1844)
 110. カタラン予想:Catalan Conjecture (1844)
 111. シルヴェスターの行列:The Matrices of Sylvester (1850)
???112. ?????峨?????鐚?Four-Color Theorem (1852)
 113. ブール代数:Boolean Algebra (1854)
 114. イコシアン・ゲーム:Icosian Game (1857)
 115. ハーモノグラフ:Harmonograph (1857)
 116. メビウスの帯:The Mobius Strip (1858)
 117. ホルディッチの定理:Holditch's Theorem (1858)
 118. リーマン予想:Riemann Hypothesis (1859)
 119. ベルトラミの擬球面:Beltrami's Pseudosphere (1868)
 120. ワイエルシュトラース関数:Weierstrass Function (1872)
 121. グロの『チャイニーズリングの理論』:Gros's Theorie du Baguenodier (1872)
 122. コワレフスカヤの博士号:The Doctorate of Kovalevskaya (1874)
 123. 15パズル:Fifteen Puzzle (1874)
 124. カントールの超限数:Cantor's Transfinite Numbers (1874)
 125. ルーローの三角形:Reuleaux Triangle (1875)
 126. 調和解析機:Harmonic Analyzer (1876)
 127. リッティ・モデルIキャッシュレジスター:Ritty Model I Cash Register (1879)
 128. ベン図:Venn Diagrams (1880)
 129. ベンフォードの法則:Benford's Law (1881)
 130. クラインのつぼ:Klein Bottle (1882)
 131. ハノイの塔:Tower of Hanoi (1883)
 132. フラットランド:Flatland (1884)
 133. 四次元立方体:Tesseract (1888)
 134. ペアノの公理:Peano Axioms (1889)
 135. ペアノ曲線:Peano Curve (1890)
 136. 壁紙群:Wallpaper Groups (1891)
 137. シルヴェスターの直線の問題:Sylvester's Line Problem (1893)
 138. 素数定理の証明:Proof of the Prime Number Theorem (1896)
 139. ピックの定理:Pick's Theorem (1899)
 140. モーリーの三等分線定理:Morley's Trisector Theorem (1899)
 141. ヒルベルトの23の問題:Hilbert's 23 Problems (1900)
 142. カイ二乗検定:Chi-Square (1900) (cf. 「#696. Log-Likelihood Test」 ([2011-03-24-1]))
 143. ボーイ曲面:Boy's Surface (1901)
 144. 床屋のパラドックス:Barber Paradox (1901)
 145. ユングの定理:Jung's Theorem (1901)
 146. ポアンカレ予想:Poincare Conjecture (1904)
 147. コッホ雪片:Koch Snowflake (1904)
 148. ツェルメロの選択公理:Zermelo's Axiom of Choice (1904)
 149. ジョルダン曲線定理:Jordan Curve Theorem (1905)
 150. トゥーエ-モース数列:Thue-Morse Sequence (1906)
 151. ブラウアーの不動点定理:Brouwer Fixed-Point Theorem (1909)
 152. 正規数:Normal Number (1909)
 153. ブールの『代数の哲学と楽しみ』:Boole's Philosophy and Fun of Algebra (1909)
 154. 『プリンキピア・マテマティカ』:Principia Mathematica (1910-1913)
 155. 毛玉の定理:Hairy Ball Theorem (1912)
 156. 無限の猿定理:Infinite Monkey Theorem (1913)
 157. ビーベルバッハ予想:Bieberbach Conjecture (1916)
 158. ジョンソンの定理:Johnson's Theorem (1916)
 159. ハウスドルフ次元:Hausdorff Dimension (1918)
 160. ブルン定数:Brun's Constant (1919)
 161. グーゴル:Googol (c. 1920) (cf. 「#888. 語根創成について一考」 ([2011-10-02-1]))
 162. アントワーヌのネックレス:Antoine's Necklace (1920)
 163. ネーターの『イデアル論』:Noether's Idealtheorie (1921)
 164. 超空間で迷子になる確率:Lost in Hyperspace (1921)
 165. ジオデシック・ドーム:Geodesic Dome (1922)
 166. アレクサンダーの角付き球面:Alexander's Horned Sphere (1924)
 167. バナッハ-タルスキのパラドックス:Banach-Tarski Paradox (1924)
 168. 長方形の正方分割:Squaring a Rectangle (1925)
 169. ヒルベルトのグランドホテル:Hilbert's Grand Hotel (1925)
 170. メンガーのスポンジ:Menger Sponge (1926)
 171. 微分解析機:Differential Analyzer (1927)
 172. ラムゼー理論:Ramsey Theory (1928)
 173. ゲーデルの定理:Godel's Theorem (1931)
 174. チャンパノウン数:Champernowne's Number (1933)
 175. 秘密結社ブルバキ:Bourbaki: Secret Society (1935)
 176. フィールズ賞:Fields Medal (1936)
 177. チューリングマシン:Turing Machines (1936)
 178. フォーデルベルクのタイリング:Voderberg Tilings (1936)
 179. コラッツ予想:Collatz Conjecture (1937)
 180. フォードの円:Ford Circles (1938)
 181. 乱数発生器の発達:The Rise of Randomizing Machines (1938)
 182. 誕生日のパラドックス:Birthday Paradox (1939)
 183. 外接多角形:Polygon Circumscribing (c. 1940)
 184. ボードゲーム「ヘックス」:Hex (1942)
 185. ピッグ・ゲームの戦略:Pig Game Strategy (1945)
 186. ENIAC:ENIAC (1946) (cf. 「#889. acronym の20世紀」 ([2011-10-03-1]))
 187. フォン・ノイマンの平方採中法:Von Neumann's Middle-Square Randomizer (1946)
 188. グレイコード:Gray Code (1947)
 189. 情報理論:Information Theory (1948) (cf. information_theory)
 190. クルタ計算機:Curta Calculator (1948)
 191. チャーサール多面体:Csaszar Polyhedron (1949)
 192. ナッシュ均衡:Nash Equilibrium (1950)
 193. 海岸線のパラドックス:Coastline Paradox (c. 1950)
 194. 囚人のジレンマ:Prisoner's Dilemma (1950)
 195. セル・オートマトン:Cellular Automata (1952)
 196. マーティン・ガードナーの数学レクリエーション:Martin Gardner's Mathematical Recreations (1957)
 197. ギルブレスの予想:Gilbreath's Conjecture (1958)
 198. 球面の内側と外側をひっくり返す:Turning a Sphere Inside Out (1958)
 199. プラトンのビリヤード:Platonic Billiards (1958)
 200. 外接ビリヤード:Outer Billiards (1959)
 201. ニューコムのパラドックス:Newcomb's Paradox (1960)
 202. シェルピンスキ数:Sierpinski Numbers (1960)
 203. カオスとバタフライ効果:Chaos and the Butterfly Effect (1963) (cf. chaos_theory)
 204. ウラムのらせん:Ulam Spiral (1963)
 205. 連続体仮説の非決定性:Continuum Hypothesis Undecidability (1963)
 206. スーパーエッグ:Superegg (c. 1965)
 207. ファジィ論理:Fuzzy Logic (1965)
 208. インスタント・インサニティ:Instant Insanity (1966)
 209. ラングランズ・プログラム:Langlands Program (1967)
 210. スプラウト・ゲーム:Sprouts (1967)
 211. カタストロフィー理論:Catastrophe Theory (1968)
 212. トカルスキーの照らし出せない部屋:Tokarsky's Unilluminable Room (1969)
 213. ドナルド・クヌースとマスターマインド:Donald Knuth and Mastermind (1970)
 214. エルデーシュの膨大な共同研究:Erdos and Extreme Collaboration (1971)
 215. 最初の関数電卓HP-35:HP-35: First Scientific Pocket Calculator (1972)
 216. ペンローズ・タイル:Penrose Tiles (1973)
 217. 美術館定理:Art Gallery Theorem (1973)
 218. ルービック・キューブ:Rubik's Cube (1974)
 219. チャイティンのオメガ:Chaitin's Omega (1974)
???220. 莇??憜????逸??Surreal Numbers (1974)
 221. ペルコの結び目:Perko Knots (1974)
 222. フラクタル:Fractals (1975) (cf. 「#3123. カオスとフラクタル」 ([2017-11-14-1]))
 223. ファイゲンバウム定数:Feigenbaum Constant (1975)
 224. 公開鍵暗号:Public-Key Cryptography (1977) (cf. 「#2699. 暗号学と言語学」 ([2016-09-16-1]),cat('cryptology'))
 225. シラッシ多面体:Szilassi Polyhedron (1977)
 226. 池田アトラクター:Ikeda Attractor (1979) (cf. 「#3111. カオス理論と言語変化 (1)」 ([2017-11-02-1]),「#3123. カオスとフラクタル」 ([2017-11-14-1]))
 227. スパイドロン:Spidrons (1979)
 228. マンデルブロー集合:Mandelbrot Set (1980) (cf. 「#3123. カオスとフラクタル」 ([2017-11-14-1]),「#3132. 暗号学と言語学 (2)」 ([2017-11-23-1]))
 229. モンスター群:Monster Group (1981)
 230. n次元球体内の三角形:Ball Triangle Picking (1982)
 231. ジョーンズ多項式:Jones Polynomial (1984)
 232. ウィークス多様体:Weeks Manifold (1985)
 233. アンドリカの予想:Andrica's Conjecture (1985)
???234. ABC篋???鰹??The ABC Conjecture (1985)
 235. 読み上げ数列:Audioactive Sequence (1986)
???236. Mathematica鐚?Mathematica (1988)
 237. マーフィーの法則と結び目:Murphy's Law and Knots (1988)
 238. バタフライ曲線:Butterfly Curve (1989)
 239. オンライン整数列大辞典:The On-Line Encyclopedia of Integer Sequences (1996)
 240. エターニティ・パズル:Eternity Puzzle (1999)
 241. 四次元完全魔方陣:Perfect Magic Tesseract (1999)
 242. パロンドのパラドックス:Parrondo's Paradox (1999)
 243. ホリヘドロンの解決:Solving of the Holyhedron (1999)
 244. ベッドシーツ問題:Bed Sheet Problem (2001)
 245. オワリ・ゲームの解決:Solving the Game of Awari (2002)
 246. テトリスはNP完全:Tetris is NP-Complete (2002)
 247. 天才数学者の事件ファイル:NUMB3RS (2005)
 248. チェッカーの解決:Checkers is Solved (2007)
 249. 例外型単純リー群E8の探求:The Quest for Lie Group E8 (2007)
 250. 数学的宇宙仮説:Mathematical Universe Hypothesis (2007)



・ Pickover, Clifford A. The Math Book: From Pythagoras to the 57th Dimension, 250 Milestones in the History of Mathematics. New York: Sterling, 2009.
・ ピックオーバー,クリフォード(著),根上 生也・水原 文(訳) 『ビジュアル数学全史』 岩波書店,2017年.

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2019-10-20 Sun

#3828. 『図説フランスの歴史』の目次 [toc][hfl][french][history]

 英語史を学ぶ上で間接的ではあるが非常に重要な分野の1つにフランス史がある.今回は,図解資料を眺めているだけで楽しい『図説フランスの歴史』の目次を挙げておきたい.ちなみにイギリス史の目次については「#3430. 『物語 イギリスの歴史(上下巻)』の目次」 ([2018-09-17-1]) を参照.目次シリーズ (toc) の記事も徐々に増えてきた.



  第1章 ローマとフランク王国
    1. ローマン・ガリア
    2. フランク王国
    3. ガリア地方とキリスト教
  第2章 カペー朝の成立
    1. 「暗黒の世紀」
    2. カペー朝の成立
  第3章 フランス王国の発展
    1. フィリップ二世
    2. ルイ九世
    3. フィリップ四世とローマ教皇との戦い
    4. 社会の変化
    5. キリスト教徒ゴシック美術
  第4章 百年戦争とヴァロア朝
    1. 百年戦争
    2. 近代国家への胎動
    3. 封建制の危機
  第5章 ルネサンス王政
    1. イタリア戦争
    2. ルネサンス
    3. 宗教改革とフランス
  第6章 宗教戦争とブルボン朝の成立
    1. 宗教戦争
    2. ブルボン朝の成立
    3. アンリ四世の政治
  第7章 絶対王政の輝き
    1. ルイ一三世と主権国家
    2. ルイ一四世
    3. フランス絶対王政
    3. 王の栄光
  第8章 一八世紀の政治と文化
    1. ルイ一五世からルイ一六世
    2. 啓蒙思想
    3. 文化の変容
  第9章 フランス革命とナポレオン
    1. フランス革命
    2. ナポレオン
    3. フランス革命の構造
    4. 革命の遺産
  第10章 一九世紀のフランス
    1. 復古王政
    2. 七月王政
    3. 二月革命と第二共和制
    4. 第二帝政
    5. 産業化とブルジョワの支配
    6. 民衆世界の変貌
  第11章 第三共和政の成立
    1. パリ・コミューンと第三共和政の成立
    2. フランスにおける国民国家の形成
    3. 結社法と政教分離法
  第12章 現代のフランス
    1. 第一次世界大戦の衝撃
    2. 世界恐慌と人民戦線
    3. 第二次世界大戦とレジスタンス
    4. 戦後のフランス
    5. 激動の世紀末
    6. 二一世紀のフランス
    7. フランスの経験と日本



 ・ 佐々木 真 『図説フランスの歴史』増補新版 河出書房新社,2016年.

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2019-09-27 Fri

#3805. The Cambridge Encyclopedia of the English Language 第3版の Part I 「英語史」の目次 [toc][review][demography]

 Crystal による英語百科事典 The Cambridge Encyclopedia of the English Language が16年振りに改版された.新しい第3版の序文で,この15年の間に英語に関して多くのことが起こったと述べられているとおり,百科事典として,質も量も膨らんでいる.特に本文の2章から7章を構成する Part I は,120ページ近くに及ぶ英語史の話題の宝庫となっている.その部分の目次を眺めるだけでも楽しめる.以下に掲載しよう.

PART I The History of English
2 The Origins of English


3 Old English
   Early Borrowings
   Runes
   The Old English Corpus
   Literary Texts
   The Anglo-Saxon Chronicle
   Spelling
   Sounds
   Grammar
   Vocabulary
   Late Borrowings
   Dialects


4 Middle English
   French and English
   The Transition From Old English
   The Middle English Corpus
   Literary Texts
   Chaucer
   Spelling
   Sounds
   Grammar
   Vocabulary
   Latin borrowings
   Dialects
   Middle Scots
   The Origins of Standard English


5 Early Modern English
   Caxton
   Transitional Texts
   Renaissance English
   The Inkhorn Controversy
   Shakespeare
   The King James Bible
   Spelling and Regularization
   Punctuation
   Sounds
   Original Pronunciation
   Grammar
   Vocabulary
   The Academy Issue
   Johnson


6 Modern English
   Transition
   Grammatical Trends
   Prescriptivism
   American English
   Breaking the Rules
   Variety Awareness
   Scientific Language
   Literary Voices
   Dickens
   Recent Trends
   Current Trends
   Linguistic Memes


7 World English
   The New World
   American Dialects
   Canada
   Black English Vernacular
   Australia
   New Zealand
   South Africa
   West Africa
   East Africa
   South-East Asia and the South Pacific
   A World Language
   Numbers of Speakers
   Standard English
   The Future of English
   English Threatened and as Threat
   Euro-Englishes


 現代を扱う第7章の "World English" が充実している.たとえば英語話者の人口統計がアップデートされており,現時点での総計は23億人を少し超えているという (115) .ちなみに第2版での数字は20億だった.

 ・ Crystal, David. The Cambridge Encyclopedia of the English Language. 3rd ed. Cambridge: CUP, 2019.

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2019-06-08 Sat

#3694. 朝尾 幸次郎(著)『英語の歴史から考える英文法の「なぜ」』 [sobokunagimon][review][toc][hel_education]

 今年3月に出版された朝尾 幸次郎(著)『英語の歴史から考える英文法の「なぜ」』が広く読まれているようだ.拙著の『英語史で解きほぐす英語の誤解 --- 納得して英語を学ぶために』(中央大学出版部,2011年)や『英語の「なぜ?」に答えるはじめての英語史』(研究社,2016年)と同趣旨の本ということもあり関心をもって手に取ってみたが,実に読みやすく,分かりやすい.
 内容をどこまで掘り下げているかという観点からいえば,この新刊書は浅掘りである.しかし,「まえがき」 (iv) にあるように,著者は英語史の事前知識を想定しないという立場をとっており,その趣旨からすると,むしろ詳しすぎない程度に記述を抑えているセンスは素晴らしいと言ってよいだろう.本書が手に取ってもらいやすい理由である.
 著者が実例を挙げることを重視したと述べているとおり,本文にも〈英文法こぼれ話〉にも,読者の興味を引く例が掲載されている.ところどころに,見事なキャッチフレーズやセンスの光る解説がみられる.「英語は歴史的かなづかい」のような言い方もその1つだ.
 以下に目次を付そう.章節のタイトルがそのまま素朴な疑問になっているものが多い.本ブログでも扱ってきた話題が多く取り上げられているので,ブログ内をキーワード検索などして記事も眺めていただければと思うが,同じ問題でも,人が変われば眺め方も変わるものである.本書の解説を読んでみて,私自身の手持ちの解説とは異なり,ナルホドと思ったケースも多々あった.是非ご一読を.



 1 英語の始まり
  1.1 ブリテン島の攻防
  1.2 現代英語
  1.3 近代英語
  1.4 中英語
  1.5 古英語
  〈英文法こぼれ話〉 日比谷公園のルーン文字
 2 「てにをは」はどこにある
  2.1 「は」はどこにある
  2.2 屈折の話
  2.3 英語は聞き取りにくい
  〈英文法こぼれ話〉 アポストロフィー大論争
 3 代名詞にだけ主格・目的格があるのはなぜ
  3.1 古い姿を残す1人称代名詞
  3.2 単数にも複数にも you を使うのはなぜ
  3.3 文法性を捨てた3人称代名詞
  3.4 同じ起源だった who, what, why
  3.5 主格と目的格のせめぎあい
  〈英文法こぼれ話〉 who と whom,どちらを使う
 4 屈折はなぜ消えた
  4.1 英語消滅の危機
  4.2 消えた屈折
  4.3 代名詞の they はどこから来た
  〈英文法こぼれ話〉 ポアロはことばの名探偵
 5 格はどこへ行った
  5.1 主語・目的語は何でわかる
  5.2 なぜ It's me. と言うのか
  5.3 なぜ There is/are と言うのか
  5.3 なぜ go home と言うのか
 6 〈3単現〉だけでない動詞の謎
  6.1 不規則動詞は例外か
  6.2 〈3単現〉に -(e)s をつけるのはなぜ
  6.3 be 動詞が無秩序なのはなぜ
  〈英文法こぼれ話〉 『トム・ソーヤーの冒険』に現れる古英語の〈3単現〉
 7 未来形はどこにある
  7.1 「未来形」の謎
  7.2 will が未来を表すのはなぜ
  7.3 shall が未来を表すのはなぜ
 8 仮定法は仮定を表すのか
  8.1 なじみの薄い「法」
  8.2 ものの見方・とらえ方
  8.3 従節に現れる仮定法現在
  8.4 影の薄い仮定法
  8.5 過去形で現在を表すのはなぜ
  8.6 命令文に動詞の原形を使うのはなぜ
 8 仮定法は仮定を表すのか
  9.1 can に〈3単現〉の -s をつけないのはなぜ
  9.2 仮定法の意味を担うようになった may
  9.3 なぜ must には過去形がないのか
  9.4 could, might の将来
 10 覚えきれない単語の謎
  10.1 英語史上最大の危機
  10.2 こんなに語彙が多いのはなぜ
  10.3 不思議な綴り字の謎
  〈英文法こぼれ話〉 U・V・W の謎
 11 前置詞 of の意味はなぜ混乱している
  11.1 「の」では理解できない
  11.2 前置詞 of が所有格の意味を表すのはなぜ
  11.3 所有格と of のどちらを使う
 12 英語は歴史的かなづかい
  12.1 母音を目で見る
  12.2 姿を変えた英語の母音
  12.3 規則的に不規則な英語の綴り字
  〈英文法こぼれ話〉 ghoti の謎
 13 A の謎:可算・不可算はどうして決まる
  13.1 数詞から生まれた不定冠詞
  13.2 可算・不可算はだれが決めた
  13.3 形あるもの・ないもの
  13.4 なぜ a few と言うのか
  〈英文法こぼれ話〉 歴史に残った不定冠詞のつけ忘れ
 14 定冠詞の謎:the はつけるの,つけないの
  14.1 指示代名詞から生まれた定冠詞
  14.2 認識の共有
  14.3 輪郭をつくる
  14.4 とりたて
  〈英文法こぼれ話〉 ハックルベリー・フィンとトム・ソーヤー
 15 関係代名詞に that と wh- があるのはなぜ
  15.1 that を接続詞に使うのはなぜ
  15.2 that, who, which, what を関係代名詞に使うのはなぜ
  15.3 関係代名詞は省略されたのか
  〈英文法こぼれ話〉 二重否定は肯定か
 16 that で程度・結果を表すのはなぜ
  16.1 なぜ so/such ... that と言うのか
  16.2 なぜ so that ... で結果・目的を表すのか
  16.3 なぜ that が「そんなに」と言う意味になるのか
 17 不定詞に to がつくのはなぜ
  17.1 なぜ「不定詞」と言うのか
  17.2 不定詞に to がつくのはなぜ
  17.3 疑問文・否定文に do/does/did が現れるのはなぜ
  〈英文法こぼれ話〉 明治時代の助動詞 do
 18 不定詞は何を表す:to 不定詞と原形不定詞
  18.1 to 不定詞の意味はどこから生まれる
  18.2 動名詞と to 不定詞,何が違う
  18.3 知覚動詞と使役動詞:原形不定詞を使うのはなぜ
 19 現在完了形に have を使うのはなぜ
  19.1 現在完了はなぜ〈have+過去分詞〉なのか
  19.2 完了・結果・経験・継続の意味になるのはなぜ
  19.3 なぜ have to という言い方をするのか
 20 進行形は進行を表すのか
  20.1 進行形はなぜ〈be+...ing〉なのか
  20.2 クローズアップで見せる進行形
  20.3 なぜ be going to という言い方をするのか

 あとがきに替えて――『オックスフォード英語辞典』を使う



 ・ 朝尾 幸次郎 『英語の歴史から考える英文法の「なぜ」』 大修館,2019年.

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2019-05-19 Sun

#3674. Harris のカリグラフィ本の目次 [toc][review][calligraphy][alphabet][writing][history]

 Harris 著,ローマン・アルファベットの書体に関するイラスト本 The Art of Calligraphy は眺めていて飽きない.歴史上の様々な書体が,豊富な写本写真や筆による実例をもって紹介される.文字や筆記用具に関する蘊蓄も満載.
 本書の目次がそのままローマン・アルファベットの書体の歴史となっているので,以下に再現しておこう.

Introduction
   The Development of Western Script
   Script Timeline
   Getting Started
Roman & Late Roman Scripts
   Rustic Capitals
   Square Capitals
   Uncial & Artificial Uncial
Insular & National Scripts
   Insular Majuscule
   Insular Minuscule
Caroline & Early Gothic Scripts
   Caroline Minuscule
   Foundational Hand
   Early Gothic
Gothic Scripts
   Textura Quadrata
   Textura Prescisus
   Gothic Capitals & Versals
   Lombardic Capitals
   Bastard Secretary
   Bâtarde
   Fraktur & Schwabacher
   Bastard Capitals
   Cadels
Italian & Humanist Scripts
   Rotunda
   Rotunda Capitals
   Humanist Minuscule
   Italic
   Humanist & Italic Capitals
   Italic Swash Capitals
Post-Renaissance Scripts
   Copperplate
   Copperplate Capitals
Roman & Late Roman Scripts
   Imperial Capitals
Script Reference Chart
Glossary
Bibliography
Index & Acknowledgments


 ・ Harris, David. The Art of Calligraphy. London: Dorling Kindersley, 1995.

Referrer (Inside): [2020-05-23-1] [2019-06-28-1]

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2019-05-10 Fri

#3665. 『新日本文学史』の目次 [toc][literature][japanese]

 日本文学史の概説を学ぶのであれば,『原色シグマ新日本文学史』の目次 (4--9) がよくできている.帯に「わずか630円(税込み)」と書いてあるとおり,これだけ安価にオールカラーのビジュアル解説で,しかもよく整理された文学史が読めるというのは,すごいことだと思う.目次シリーズで是非とも取りあげておきたい好著.日本語史との突き合わせには「#3389. 沖森卓也『日本語史大全』の目次」 ([2018-08-07-1]) を参照.さらに,イギリス文学史ともクロスさせようと思ったら「#3556. 『コンプトン 英国史・英文学史』の「英文学史」の目次」 ([2019-01-21-1]),「#3567. 『イギリス文学史入門』の目次」 ([2019-02-01-1]) もご覧ください.



上代の文学
  概観
    時代区分
    文学の誕生
    口承から記載へ
    古代国家の文学
  神話の世界
    口承から記載へ
      神話
      神話の体系化
      『古事記』
      『日本書紀』
      「風土記」
    氏族の伝承と仏教説話
      『日本霊異記』
  祭りの文学
    言霊信仰
      霊力が宿る言葉
      祝詞
      宣命
  詩歌
    古代歌謡
      歌垣・宮廷歌謡
      記紀歌謡
      仏足石歌
      『琴歌譜』
    和歌の発達
      歌集の編集
      『万葉集』
    漢詩文
      漢詩文の作者
      『懐風藻』
    歌学の誕生
      『歌経標式』
中古の文学
  概観
    時代区分
    平安京と漢文学の隆盛
    かな文字の発明と和歌
    かな散文の展開
    女流文学の開花
    平安末期の文学
  詩歌
    漢詩文
      初期――公的地位の確立
      勅撰漢詩集・主な作者
      中期以降――衰退
    和歌
      和歌の復興
      かな文字の普及
      公的地位の復活
      『古今和歌集』
      勅撰和歌集の展開 (1) ――三代集
      勅撰和歌集の展開 (2) ――八代集
      『古今集』後の歌人と私家集
      歌合と歌論
  物語
    物語の誕生
      作り物語りと歌物語
      『竹取物語』
      『宇津保物語』
      『落窪物語』
      『伊勢物語』
      『大和物語』
    『源氏物語』の世界
      『源氏物語』
    『源氏物語』以後の物語
      『堤中納言物語』
    歴史物語
      『栄花物語』
      『大鏡』
      『今鏡』
  日記・随筆
    日記
      『土佐日記』
      『蜻蛉日記』
      『和泉式部日記』
      『紫式部日記』
      『更級日記』
      その他の日記
    随筆
      『枕草子』
  説話・歌謡
    説話
      『今昔物語集』
    歌謡
      『和漢朗詠集』
      『梁塵秘抄』
中世の文学
  概観
    時代区分・背景
    王朝文化への憧憬
    思想・美意識の深化
    文芸の地方化・庶民化
    <語り>の影響
  和歌・連歌
    和歌
      『新古今和歌集』
      『百人一首』
      『金槐和歌集』
      十三代集
      南北朝・室町時代の和歌
      歌論
    連歌
      無心連歌と有心連歌
      『菟玖波集』
      連歌の完成
      『水無瀬三吟百韻』
      俳諧連歌
  物語・説話
    物語
      【擬古物語】
      【軍記物語】
      『保元物語』・『平治物語』
      『平家物語』
      『太平記』
      『義経記』・『曾我物語』
      【歴史物語】
      『増鏡』
      『愚管抄』・『神皇正統記』
    説話
      『宇治拾遺物語』
      仏教説話
      御伽草子
      キリシタン文学
  日記・随筆
    日記・紀行
      『建礼門院右京大夫集』
      その他の日記・紀行
      『とわずがたり』
    随筆・法語
      『方丈記』
      『徒然草』
      法語
  芸能・歌謡
    芸能
      観阿弥・世阿弥
      能
      狂言
      幸若舞・説経節
    歌謡
      小歌
近世の文学
  概観
    時代区分・背景
    文学の大衆化
    町人の文学と武士の文学
    時期区分
  小説
    仮名草子
      主な作品
      作者
    浮世草子
      西鶴の作品
        好色物
        町人物
        武家物・雑話物
        表現・文体
      西鶴以後――八文字屋本
    読本
      前期読本
        上田秋成
      後期読本
        曲亭馬琴
    洒落本
    滑稽本
      前期滑稽本
      後期滑稽本
      一九と三馬
    人情本
    草双紙
      黄表紙
      合巻
  俳諧
    貞門
    談林
    芭蕉
      蕉風
      漂泊と紀行文
      表現・文体
      蕉門の俳人
    天明の俳諧
      蕪村
    幕末の俳諧
      小林一茶
  川柳・狂歌
    川柳
    狂歌
      上方狂歌
      天明狂歌
  芸能
    浄瑠璃
      古浄瑠璃
      義太夫節
      近松門左衛門
      《時代物》
      《世話物》
      《表現・文体》
      全盛と不振
    歌舞伎
      出雲の阿国
      元禄歌舞伎
      浄瑠璃との交流
      江戸歌舞伎
      鶴屋南北
      河竹黙阿弥
    歌謡
    話芸
      笑話
      講釈
  和歌・漢詩文
    和歌と国学
      元禄の和歌革新と古典研究
      国学の成立
      本居宣長
      蘆庵と景樹
      幕末の歌人
    漢詩文と儒学
      初期の漢詩文と朱子学
      古学の流行と文人の登場
      清新の詩の大衆化
      個性的な詩人たち
      狂詩の流行
近代の文学
  概説
    時代区分
    近世から近代へ
    近代の出発
    近代の成立
    大正の文学
    近代から現代へ
    戦争と文学
    戦後の文学
  小説・評論
    近世から近代へ --- 明治初年?十年代
      移行期の文学
      政治小説
      仮名垣魯文
      『小説神髄』
        意義
    近代の出発 --- 明治二十年代
      文芸批評の成立
      二葉亭四迷
        『浮雲』
      初期の鷗外
      紅露の時代
      北村透谷と『文学界』
    「社会」と「自然」 --- 日清?日露戦争
      社会矛盾の追求
      自然描写の系譜
      樋口一葉
      泉鏡花
      社会小説
    自然主義 --- 近代の成立 1 --- 明治から大正へ (1)
      日本自然主義の出発
      日本自然主義の性質
      島崎藤村
        『破戒』
        『破戒』以後
      田山花袋
        『蒲団』
      徳田秋声
      島村抱月
    漱石と鷗外 --- 近代の成立 2 --- 明治から大正へ (2)
      特質と共通点
      夏目漱石
        初期の作品
        前期三部作
        後期三部作
      森鷗外
        豊熟の時代
        歴史小説から史伝へ
    耽美派 --- 近代の成立 3 --- 明治から大正へ (3)
      永井荷風
        《「江戸」賛美の美学》
      谷崎潤一郎
    白樺派 --- 大正前期
      武者小路実篤
        「新しき村」の運動
      志賀直哉
        前期短編群
        『暗夜行路』
      有島武郎
        全盛期 --- 『或る女』
        晩年 --- 自殺に至る過程
    新現実主義 --- 大正後期
      新思潮派
      芥川龍之介
        《前期の作品》
        《後期の作品》
        《『鼻』》
        《『羅生門』》
        《『河童』》
        《『歯車』》
      菊池寛
      久米正雄
      佐藤春夫・室生犀星
      新早稲田派
      広津和郎
      葛西善蔵
      宇野浩二
    プロレタリア文学 --- 大正末?昭和初期
      葉山嘉樹
      小林多喜二
      徳永直
    芸術派 --- 昭和初期
      新感覚派
        横光利一
          《『機械』》
        川端康成
          《『伊豆の踊子』》
      新興芸術派
        井伏鱒二
      新心理主義
        堀辰雄
    昭和十年代の文学
      転向文学
      既成作家の活躍
      『文学界』と『日本浪曼派』
      戦時下の文学
      昭和十年代の作家
        〔中島敦〕
      その他の作家と作品
      評論
    戦後の文学
      老大家の復活
        《『細雪』》
        《『山の音』》
      新戯作派
        太宰治
          《『斜陽』》
      風俗小説
      新日本文学会
    戦後派文学
      《『真空地帯』》
      《『金閣寺』》
      第三の新人
      昭和三十年代
    現代の文学
      昭和四十年代の作家
      評論
      現代文学の動向
      評論
  詩歌
    近代詩 --- 明治?大正時代
      新体詩
      浪漫詩
      象徴詩(一)
      口語自由詩
      象徴詩(二)
      耽美派
      理想主義の詩
      民衆詩
      近代詩の達成
    現代詩 --- 大正末期?現代
      現代詩の始まり
      プロレタリア詩
      モダニズム
      戦時体制下の詩
        〔『四季』派〕
        〔『歴程』派〕
        〔戦時下の詩〕
      戦後の詩
      現代の詩
    近代短歌
      和歌の革新
      明星派
      根岸短歌会
      自然主義短歌
      耽美派
      アララギ派
        《アララギ派の歌論》
      反アララギ短歌
      昭和の短歌
      戦後の短歌
      現代の短歌
    近代俳句
      俳句の革新
      正岡子規
        《子規の門人達》
      新傾向俳句
      ホトトギス派
      昭和の俳句
      戦後の俳句
  劇文学
    演劇の改良と創始
    歌舞伎の改良
      〔新歌舞伎〕
    新派
    新劇運動
    戯曲作品
    発展と分裂
    「築地小劇場」
    プロレタリア演劇
    芸術派
    新派の動向
    前進座の出発
    昭和の戯曲
    戦後
    演劇界の動向
    戦後の戯曲
    現代の演劇
    現代の戯曲
    テレビのシナリオ



 ・ 秋山 虔,三好 行雄(編著) 『原色シグマ新日本文学史』 文英堂,2000年.

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2019-02-01 Fri

#3567. 『イギリス文学史入門』の目次 [toc][literature]

 「#3556. 『コンプトン 英国史・英文学史』の「英文学史」の目次」 ([2019-01-21-1]) に続き,英文学史の目次の第2弾.暗記すると時代の流れがよく呑み込める.



  1. 古期から中世へ(七世紀--十五世紀)
    なぜ「イングランド」か?
    イギリスの詩のはじまり
    中世の英語と文学
    『キャンタベリ―物語』
    その他の中世詩
  2. ルネッサンスが花ひらく(十五世紀--十六世紀)
    ヘンリー八世の宮廷
    人文思想とトマス・モア
    ワイアットとサリー
    栄光女王エリザベス
    フィリップ・シドニー
    エドマンド・スペンサー
    詩人としてのシェイクスピア
  3. 演劇時代の到来(十六世紀後半)
    三つの発生源
    常設の芝居小屋ができる
    トマス・キッドの血なまぐさい悲劇
    大学才人たち
    マーロウの力強き詩行
  4. そしてシェイクスピア登場(一五九〇--一六一三)
    若い劇作家
    創作第一期(一五九〇--五)
    創作第二期(一五九六--一六〇〇)
    創作第三期(一六〇一--九)
    創作第四期(一六〇九--一二)
  5. 時代は清教徒革命に向かう(十七世紀前半)
    ベーコンの新しい思想と散文
    ジェームズ王聖書
    ベン・ジョンソンの気質喜劇
    ジャコビアン・ドラマティストたち
    ベン・ジョンソンと叙情詩人たち
    ダンとその一派
    その他の形而上派詩人たち
  6. 清教徒革命の後(十七世紀後半)
    王政回復期の文学
    孤峰ミルトン
    『失楽園』
    『復楽園』『闘技者サムソン』
    もう一つの清教徒文学
    ドライデンの詩と劇と散文
  7. 十八世紀の散文,詩,そして劇(一七〇〇--一七九八)
    市民社会と<事実>の文学
    スウィフトの風刺文学
    ポープが詩壇の中心に立つ
    大御所ジョンソン博士
    十八世紀の劇作家たち
    夜の時間が長くなる
  8. 小説時代の到来(十八世紀)
    ロビンソン・クルーソー
    リチャードソンの『パメラ』と『クラリッサ』
    フィールディングの『トム・ジョーンズ』
    スターンの『トリスラム・シャンディ』
    スモレットと「悪党小説」
    オースティンと「分別」の小説
  9. ロマン主義の光と影(一七九八--一八三六)
    ブレイクと自由の主張
    ワーズワースと自然詩
    コールリッジの詩と批評
    バイロンとロマン派的パフォーマンス
    シェリーと空霊の歌
    純粋詩人キーツ
  10. ヴィクトリア朝の詩と散文(一八三七--一九〇一)
    時代の予言者カーライル
    テニソンはヴィクトリア朝詩を代表する
    もう一人のヴィクトリア朝詩人ブラウニング
    アーノルドは詩から散文に移った
    美の使徒たち--ラスキンとペイター
    ラファエロ前派の作家たち
    世紀末作家ワイルド
  11. ヴィクトリア朝の小説(一八三七--一九〇一)
    読書が新しいエンターテインメントとなった
    ディケンズ成功の秘密
    社会批判と愛のメッセージ
    サッカレーと『虚栄の市』
    ブロンテ姉妹のロマン主義
    ジョージ・エリオットと社会的義務の小説
    メレディスとエゴイズムの小説
    ハーディの暗い運命観
    外へ向かう視線
  12. 二十世紀の詩と劇
    群小詩人の風土
    ホプキンズと現代詩
    イェイツとケルト復興,およびその後
    エリオットの詩と批評
    オーデンと三十年代詩人
    ディラン・トマスと四十年代,そしてその後
    ショーとイギリス近代劇
    怒れる若者たち
    不条理劇のある部分
  13. 二十世紀の小説
    ジェイムズと小説の手法
    コンラッド--自然と人間の極限状況
    エドワード王朝期を代表する三人
    フォースターとブルームスベリー・グループ
    ウルフと意識の流れの小説
    ジョイスと神話的方法
    ロレンスと生命の哲学
    逆ユートピア小説
    二人のカトリック作家
    「怒れる」作家たちと,その後



 ・ 川崎 寿彦 『イギリス文学史入門』 研究社,1986年.

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2019-01-21 Mon

#3556. 『コンプトン 英国史・英文学史』の「英文学史」の目次 [toc][literature]

 昨日の記事「#3555. 『コンプトン 英国史・英文学史』の「英国史」の目次」 ([2019-01-20-1]) に引き続き,同じ『コンプトン』より今回は「英文学史」の部分の目次 (ix--x) を掲げよう.イギリス史と同じく,要点を押さえたコンパクトな英文学史概説として勧められる.



  古代英文学
    古代の英詩
  中世英文学
    新文学の先駆者チョーサー
  ルネサンス期の文学
    イギリス=ルネサンス期の詩人たち
    スペンサーとマーロー
    劇作の天才シェイクスピア
    ジョンソンとその名作『ヴォルポーニ』
    欽定訳聖書
  17世紀の時代変化
    17世紀の散文
    バニヤンとピープス
    ピューリタン詩人ミルトン
    形而上詩人と王党派詩人
    17世紀後期の巨匠ドライデン
  18世紀 ―― 理性の時代
    アディソン,スティール,デフォー
    毒舌居士スウィフト
    ポープの詩に見る風刺
    詩壇の新声
    近代小説の発端
    ジョンソンとその一派
  ロマン主義運動
    ロマン主義の先駆者たち
    ロマン主義時代初期の大作家たち
    新進のロマン主義者たち
  ヴィクトリア朝の文学
    ヴィクトリア朝の大詩人たち
    ラファエロ前派
    ヴィクトリア朝の小説家たち
    心理小説の出現
    ロマンスと冒険
    19世紀のドラマ
    評論家と歴史家
  現代文学
    20世紀初期の散文
    20世紀初期の詩
    第一次世界大戦の影響
    第一次世界大戦後の英国詩壇
    第二次世界大戦後の文学



 ・ 加藤 憲一・加藤 治(訳) 『コンプトン 英国史・英文学史』 大修館書店,1987年.

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2019-01-20 Sun

#3555. 『コンプトン 英国史・英文学史』の「英国史」の目次 [toc][history]

 イギリス史の目次シリーズの一環として『コンプトン 英国史・英文学史』の「英国史」の部分に関する目次 (vii--ix) を掲げよう.『コンプトン』の英国史は,アメリカの百科全書 Compton's Encyclopedia (1987年版)所載の "England" 中の "History" の部分を翻訳したもので,短いながらもよく書かれたイギリス史の概説として勧められる.
 もう1つのイギリス史の目次として「#3430. 『物語 イギリスの歴史(上下巻)』の目次」 ([2018-09-17-1]) も参照.



  ノルマン征服以前
    ケルト族の支配
    ローマ軍の支配
    アングロ=サクソン族の侵略
    アウグスティヌスの伝道
    デーン人のイングランド侵略
  封建国家イングランド
    ノルマン(人のイングランド)征服(1066年)
    ウィリアム1世治下の封建制度
    ウィリアム2世,ヘンリー1世,スティーヴン
    王権を回復したヘンリー2世
    ジョン王と大憲章
    議会制度の発生
    イングランド中世期の文運の進化
    百年戦争と黒死病
    イングランドの中世期の終焉
  絶対王政からイギリス革命へ
    チューダー王朝の祖,ヘンリー7世
    イングランドの宗教改革
    エリザベス1世とイングランドの黄金時代
    探検と無敵艦隊の撃破
    失業と貧民救済
    大英帝国の誕生
    イングランドの大内乱
    イングランド共和国と護民官政
    王政復古期のイングランド
    政党の誕生
    1688年の「名誉革命」
    フランスとの確執
  18?19世紀のブリテン
    アン女王の治世
    ブリテンの初代首相ウォルポール
    ブリテンはフランス領を獲得
    アメリカの独立戦争
    ブリテンの「古典時代」
    産業革命
    栄養の向上と交通輸送路の改善
    ナポレオンの挑戦
    対仏戦争の影響
    民主主義の到来
    摂政時代と改革への気運
    議会の刷新
    ヴィクトリア朝
    自由貿易と繁栄
    参政権の拡大と帝国主義
    平和と進歩の時代
  20世紀のブリテン
    労働党と新自由主義
    ロイド=ジョージの社会政策
    第一次世界大戦とその影響
    1年間に国王3人
    ブリテンの自由貿易の放棄
    第二次世界大戦の勃発
    「ブリテンの戦い」
    ブリテンの社会主義革命
    国威の喪失
    植民地の独立
    欧州共同体 (EC) への加盟
    アルゼンチンとの交戦
    北アイルランド
    サッチャー首相の下野



 ・ 加藤 憲一・加藤 治(訳) 『コンプトン 英国史・英文学史』 大修館書店,1987年.

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2019-01-11 Fri

#3546. 英語史や語源から英単語を学びたいなら,これが基本知識 [hel_education][etymology][toc][lexicology][historiography]

 英語史や英語語源学が英語学習に貢献できる最大のものは,語源を利用した英単語の暗記である.ラテン系の接頭辞や接尾辞など,語源的な知識を用いて英語語彙を増やす方法は昔から試みられている.最近では『英単語の語源図鑑』が注目されているようだ.
 この学習用の効果は私も疑わないが,この方向でさらにステップを目指すのであれば,ぜひ英語史概説の修得を視野に入れたい.そんなときに役立つのが,下宮ほか編の『スタンダード英語語源辞典』の付録である.語彙学習にカスタマイズされた簡易的な英語史の概説として,おおいに奨められる.pp. 611--41 という40頁ほどの(内容の割には)コンパクトな解説だが,よく書けており,これを読んでおくのとおかないのとではスタートラインが違うと思う.以下に,章節の見出しを再現し,雰囲気をつかんでもらおう.語彙の観点に立った英語史入門と理解して差支えない.

1. 英語の語源
   1.1. 英語の語源を知るための予備知識
      英語の歴史と同系の諸言語
   1.2 歴史言語学 (historical linguistics) のキーワード
      二重語
      ウムラウトとアプラウト
   1.3 単語の構造
      派生語,複合語
      混種語
   1.4 音韻変化 (phonetic change)
      同化
      異化
      音位転換
   1.5 同源であるかどうかの見分け方
      形が似ていて語源が異なる場合
      形が異なっても同源の場合
   1.6 印欧語根の例
   1.7 英語・ドイツ語・フランス語の関係
      ドイツ語とは文法・基本単語が共通
      フランス語とは語彙が共通
2. 印欧祖語からゲルマン語へ
   2.1 サンスクリットの発見と印欧祖語
      比較言語学の成立
      印欧語族の発見
   2.2 印欧祖語と印欧語族
      祖語の再建
      印欧語族の系統
   2.3 ゲルマン民族とゲルマン語
      ゲルマン祖語
      イギリス人の祖先
      ゲルマン祖語の分化
   2.4 印欧祖語からゲルマン語へ
      グリムの法則
      ヴェルナーの法則
      ゲルマン語のアクセントの特徴
      ゲルマン語の分化の進展
3. 英語の歴史 --- 古英語・中英語を中心にして ---
   3.1 Stratford-upon-Avon について
      英語の歴史の原点を見る
      ブリテン島の原住民
      ケルト語起源の語
      ラテン語起源の語
      本来の英語 --- ゲルマン起源の語 ---
   3.2 英語の歴史の時代区分
      3つの時代区分
      古英語と中英語
      古英語の時代
      中英語の時代
   3.3 外来語について
      ラテン語からの借用
      古ノルド語からの借用
      フランス語からの借用
   3.4 古英語ミニ解説
      聖書の古英語訳
      ドイツ語と似た文法上の性
      名詞・形容詞・動詞の変化
      屈折の実例
4. ラテン語・ギリシア語ミニマム
   4.1 ヨーロッパの二大文明語
      語彙の60%はギリシア・ラテン起源
   4.2 ラテン語
      名詞
      動詞
      文例
   4.3 ギリシア語
      豊富な変化形
      名詞
      動詞
      用例


 なお,筆者も別の観点から「語彙学習のための英語史」を試みたことがある(「#3381. 講座「歴史から学ぶ英単語の語源」」 ([2018-07-30-1]) を参照).

 ・ 下宮 忠雄・金子 貞雄・家村 睦夫(編) 『スタンダード英語語源辞典』 大修館,1989年.

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