英語史におけるノルマン征服の意義について,スライド (HTML) にまとめてみました.こちらからどうぞ.
これまでも「#2047. ノルマン征服の英語史上の意義」 ([2014-12-04-1]) を始め,norman_conquest の記事で同じ問題について考えてきましたが,当面の一般的な結論として,以下のようにまとめました.
1. ノルマン征服は(英国史のみならず)英語史における一大事件.
2. 以降,英語は語彙を中心にフランス語から多大な言語的影響を受け,
3. フランス語のくびきの下にあって,かえって生き生きと変化し,多様化することができた
詳細は各々のページをご覧ください.本ブログ内のリンクも豊富に張っていますので,適宜ジャンプしながら閲覧すると,全体としてちょっとした読み物になると思います.また,フランス語が英語に及ぼした(社会)言語学的影響の概観ともなっています.
1. ノルマン征服と英語
2. 要点
3. (1) ノルマン征服 (Norman Conquest)
4. ノルマン人の起源
5. 1066年
6. ノルマン人の流入とイングランドの言語状況
7. (2) 英語への言語的影響
8. 語彙への影響
9. 英語語彙におけるフランス借用語の位置づけ (#1210)
10. 語形成への影響 (#96)
11. 綴字への影響
12. 発音への影響
13. 文法への影響
14. (3) 英語への社会的影響 (#2047)
15. 文法への影響について再考
16. まとめ
17. 参考文献
18. 補遺1: 1300年頃の Robert of Gloucester による年代記 (ll. 7538--47) の記述 (#2148)
19. 補遺2: フランス借用語(句)の例 (#1210)
他の「まとめスライド」として,「#3058. 「英語史における黒死病の意義」のまとめスライド」 ([2017-09-10-1]),「#3068. 「宗教改革と英語史」のまとめスライド」 ([2017-09-20-1]),「#3089. 「アメリカ独立戦争と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-11-1]),「#3102. 「キリスト教伝来と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-24-1]) もご覧ください.
英語史におけるキリスト教伝来の意義について,まとめスライド (HTML) を作ったので公開する.こちらからどうぞ.大きな話題ですが,キリスト教伝来は英語に (1) ローマン・アルファベットによる本格的な文字文化を導入し,(2) ラテン語からの借用語を多くもたらし,(3) 聖書翻訳の伝統を開始した,という3つの点において,英語史上に計り知れない意義をもつと結論づけました.
1. キリスト教伝来と英語
2. 要点
3. ブリテン諸島へのキリスト教伝来 (#2871)
4. 1. ローマン・アルファベットの導入
5. ルーン文字とは?
6. 現存する最古の英文はルーン文字で書かれていた
7. 古英語アルファベット
8. 古英語の文学 (#2526)
9. 2. ラテン語の英語語彙への影響
10. 外来宗教が英語と日本語に与えた言語的影響の比較 (#206)
11. 3. 聖書翻訳の伝統の開始
12. 多数の慣用表現
13. まとめ
14. 参考文献
15. 補遺1: Beowulf の冒頭の11行 (#2893)
16. 補遺2:「主の祈り」の各時代のヴァージョン (#1803)
他の「まとめスライド」として,「#3058. 「英語史における黒死病の意義」のまとめスライド」 ([2017-09-10-1]),「#3068. 「宗教改革と英語史」のまとめスライド」 ([2017-09-20-1]),「#3089. 「アメリカ独立戦争と英語」のまとめスライド」 ([2017-10-11-1]) もご覧ください.
(アメリカ)英語史におけるアメリカ独立戦争の意義について,まとめスライド (HTML) を作ったので公開する.こちらからどうぞ.
1. アメリカ独立戦争と英語
2. 要点
3. アメリカ英語の言語学的特徴
4. アメリカ英語の社会言語学的特徴
5. アメリカの歴史(猿谷の目次より)
6. 「アメリカ革命」 (American Revolution)
7. アメリカ英語の時代区分 (#158)
8. 独立戦争とアメリカ英語
9. ノア・ウェブスター(肖像画; #3087)
10. ウェブスター語録
11. ウェブスターの綴字改革
12. まとめ
13. 参考文献
他の「まとめスライド」として,「#3058. 「英語史における黒死病の意義」のまとめスライド」 ([2017-09-10-1]),「#3068. 「宗教改革と英語史」のまとめスライド」 ([2017-09-20-1]) もご覧ください.
英語史における宗教改革の意義について,reformation の各記事で考えてきた.現時点での総括として,「宗教改革と英語史」のまとめスライド (HTML) を公開したい.こちらからどうぞ. * *
15枚からなるスライドで,目次は以下の通り.
1. 宗教改革と英語史
2. 要点
3. 宗教改革とは?
4. 歴史的背景
5. イングランドの宗教改革とその特異性
6. ルネサンスとは?
7. イングランドにおける宗教改革とルネサンスの共存
8. 英語文化へのインパクト
9. プロテスタンティズムの拡大と定着
10. 古英語研究の開始
11. 語彙をめぐる問題
12. 一連の聖書翻訳
13. まとめ
14. 参考文献
15. 補遺:「創世記」11:1--9 (「バベルの塔」)の近現代8ヴァージョン+新共同訳
別の「まとめスライド」として,「#3058. 「英語史における黒死病の意義」のまとめスライド」 ([2017-09-10-1]) もご覧ください.
ここ数日,集中的に英語史における黒死病の意義を考えてきた.これまで書きためてきた black_death の記事を総括する意味で「英語史における黒死病の意義」のまとめスライド (HTML) を作ってみたので,こちらよりご覧ください.
13枚からなるスライドで,目次は以下の通り.
1. 英語史における黒死病の意義
2. 要点
3. 黒死病 (Black Death) とは?
4. ノルマン征服による英語の地位の低下
5. 英語の復権の歩み (#131)
6. 黒死病の社会(言語学)的影響 (1)
7. 黒死病と社会(言語学)的影響 (2)
8. 英語による教育の始まり (#1206)
9. 実は中英語は常に繁栄していた
10. 黒死病は英語の復権に拍車をかけたにすぎない
11. 村上,pp. 176--77
12. まとめ
13. 参考文献
HTML スライドなので,そのまま hellog 記事にリンクを張ったり辿ったりでき,とても便利.英語史スライドシリーズとして,ほかにも作っていきたい. * *
朝日カルチャーセンター新宿教室にて,この4月から6月にかけて「英語のなぜに答える」と題する英語史入門の講座を開講しています.昨日,4月15日に,第1回「綴字と発音の関係を探る――なぜ doubt に <b> があるのか?」を終えました.参考資料として紙媒体で配布したものの電子版 (PDF) を,こちらに置いておきますので,自由にご参照ください.本ブログ記事へのリンクもたくさん張っています.
英語の綴字と発音の関係についてはいろいろと考えてきましたが,文字というものには,言語を表現する媒体としての共時的な機能と並んで,重層的な歴史を物語る通時的な機能というものが宿っているのではないか,と思っています.そして,この2つの機能は,ともに文字という媒体に否応なしに内在しているものではないかと.後者の機能は,文字にたまたまオマケとして付属しているものではなく,音声と異なり時空を超えることができるという,即ち歴史を担うことができるという文字の本質的特徴から必然的に湧き出てくる機能なのではないかと.「文字とは言語を表現する1つの媒体である」という,ごく自然に受け入れられそうな見解は,文字の半面を見ているにすぎず,反対の側面には,同じくらい豊かな通時態の世界が広がっているのではないかと.
さて,英語史講座の第2回は5月13日に「文法の歴史をたどる――なぜ3単現に -s が付くのか?」と題して,第3回は6月10日に「語彙の多様性をひもとく――なぜ類義語が多いのか?」と題して,現代英語について歴史的観点から迫る予定です.英語史のおもしろさを,どんどん開拓していきたいと思います.
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