約2週間後の10月7日(土)の 15:30--18:45 に,朝日カルチャーセンター新宿教室にてシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第3回となる「中英語の綴字 --- 標準なき繁栄」が開講されます.
今回の講座は,全4回のシリーズの第3回となります.シリーズのラインナップは以下の通りです.
・ 第1回 文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり(春・4月29日)
・ 第2回 古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ(夏・7月29日)
・ 第3回 中英語の綴字 --- 標準なき繁栄(秋・10月7日)
・ 第4回 近代英語の綴字 --- 標準化を目指して(冬・未定)
これまでの2回の講座では,まず英語史以前の文字・アルファベットの起源と発達を確認し,次に古英語期(449--1100年)におけるローマ字使用の実際を観察してきました.第3回で注目する時期は中英語期(1100--1500年)です.この時代までに英語話者はローマ字にはすっかり馴染んでいましたが,1066年のノルマン征服の結果,「標準英語」が消失し,単語の正しい綴り方が失われるという,英語史上でもまれな事態が展開していました.やや大げさに言えば,個々の英語の書き手が,思い思いに好きなように単語を綴った時代です.これは秩序崩壊とみればネガティヴとなりますが,自由奔放とみればポジティヴです.はたしてこの状況は,後の英語や英語のスペリングにいかなる影響を与えたのでしょうか.英語スペリング史において,もっともメチャクチャな時代ですが,だからこそおもしろい話題に満ちています.講座のなかでは中英語原文も読みながら,この時代のスペリング事情を眺めてみたいと思います.
講座の参加にご関心のある方は,ぜひこちらのページよりお申し込みください.対面のほかオンラインでの参加も可能です.また,参加登録された方には,後日見逃し配信としてアーカイヴ動画へのリンクも送られる予定です.ご都合のよい方法でご参加ください.全4回のシリーズものではありますが,各回の内容は独立していますので,単発でのご参加も歓迎です.
本シリーズと関連して,以下の hellog 記事,および Voicy heldio 配信回もご参照ください.
[ 第1回 文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり ]
・ heldio 「#668. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」(2023年3月30日)
・ hellog 「#5088. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」 ([2023-04-02-1])
・ hellog 「#5119. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」の第1回を終えました」 ([2023-05-03-1])
[ 第2回 古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ ]
・ hellog 「#5194. 7月29日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」」 ([2023-07-17-1])
・ heldio 「#778. 古英語の文字 --- 7月29日(土)の朝カルのシリーズ講座第2回に向けて」(2023年7月18日)
・ hellog 「#5207. 朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」を終えました」 ([2023-07-30-1])
[ 第3回 中英語の綴字 --- 標準なき繁栄 ](以下,2023/09/26(Tue)の後記)
・ heldio 「#848. 中英語の標準なき綴字 --- 10月7日(土)の朝カルのシリーズ講座第3回に向けて」(2023年9月26日)
先日「#5194. 7月29日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」」 ([2023-07-17-1]) でご案内した通り,昨日,朝日カルチャーセンター新宿教室にてシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回となる「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」を開講しました.多くの方々に対面あるいはオンラインで参加いただきまして感謝申し上げます.ありがとうございました.
古英語期中に,いかにして英語話者たちがゲルマン民族に伝わっていたルーン文字を捨て,ローマ字を受容したのか.そして,いかにしてローマ字で英語を表記する方法について時間をかけて模索していったのかを議論しました.ローマ字導入の前史,ローマ字の手なずけ,ラテン借用語の綴字,後期古英語期の綴字の標準化 (standardisation) ,古英詩 Beowulf にみられる文字と綴字について,3時間お話ししました.
昨日の回をもって全4回シリーズの前半2回が終了したことになります.次回の第3回は少し先のことになりますが,10月7日(土)の 15:00~18:45 に「中英語の綴字 --- 標準なき繁栄」として開講する予定です.中英語期には,古英語期中に発達してきた綴字習慣が,1066年のノルマン征服によって崩壊するするという劇的な変化が生じました.この大打撃により,その後の英語の綴字はカオス化の道をたどることになります.
講座「文字と綴字の英語史」はシリーズとはいえ,各回は関連しつつも独立した内容となっています.次回以降の回も引き続きよろしくお願いいたします.日時の都合が付かない場合でも,参加申込いただけますと後日アーカイブ動画(1週間限定配信)にアクセスできるようになりますので,そちらの利用もご検討ください.
本シリーズと関連して,以下の hellog 記事をお読みください.
・ hellog 「#5088. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」 ([2023-04-02-1])
・ hellog 「#5194. 7月29日(土),朝カルのシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」」 ([2023-07-17-1])
同様に,シリーズと関連づけた Voicy heldio 配信回もお聴きいただければと.
・ heldio 「#668. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」(2023年3月30日)
・ heldio 「#778. 古英語の文字 --- 7月29日(土)の朝カルのシリーズ講座第2回に向けて」(2023年7月18日)
来週末7月29日(土)の 15:30--18:45 に,朝日カルチャーセンター新宿教室にてシリーズ講座「文字と綴字の英語史」の第2回となる「古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ」が開講されます.
シリーズ初回は「文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり」と題して3ヶ月前の4月29日(土)に開講しました.それを受けて第2回は,ローマ字が英語に入ってきて本格的に用いられ始めた古英語期に焦点を当てます.古英語話者たちは,ローマ字をいかにして受容し,格闘しながらも自らの道具として手なずけていったのか,その道筋をたどります.実際にローマ字で書かれた古英語のテキストの読解にも挑戦してみたいと思います.
ご関心のある方はぜひご参加ください.講座紹介および参加お申し込みはこちらからどうぞ.対面のほかオンラインでの参加も可能です.また,参加登録された方には,後日アーカイヴ動画(1週間限定配信)のリンクも送られる予定です.ご都合のよい方法でご参加ください.全4回のシリーズものではありますが,各回の内容は独立していますので,単発のご参加も歓迎です.
シリーズ全4回のタイトルは以下の通りとなります.
・ 第1回 文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり(春・4月29日)
・ 第2回 古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ(夏・7月29日)
・ 第3回 中英語の綴字 --- 標準なき繁栄(秋・未定)
・ 第4回 近代英語の綴字 --- 標準化を目指して(冬・未定)
本シリーズと関連して,以下の hellog 記事,および Voicy heldio 配信回もご参照下さい.
・ hellog 「#5088. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」 ([2023-04-02-1])
・ heldio 「#668. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」(2023年3月30日)
・ (2023/07/18(Tue) 後記)heldio 「#778. 古英語の文字 --- 7月29日(土)の朝カルのシリーズ講座第2回に向けて」(2023年7月18日)
去る4月29日(土),朝日カルチャーセンター新宿教室にて新シリーズ講座「文字と綴字の英語史」がオープンしました.向こう1年ほどかけて春夏秋冬の全4回,英語の文字と綴字の歴史についてお話ししていきます.
初回は「文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり」と題して,文字の起源と発達,とりわけアルファベットの世界的拡がりを概観しました.2回目以降,英語の綴字の話題を本格的に導入していくことになりますが,初回はその下準備として,そもそも文字とは何かを問い,文字の役割・種類・歴史について議論しました.
当日は,新宿教室での対面およびオンラインにて多くの方に参加していただきました.ありがとうございます.講座中にご質問を寄せていただいたのみならず,講座後も居残りで文字の話題で盛り上がりました.次回以降もよろしくお願いいたします.
今後開講する各回は互いに関連しつつも独立していますので,ご関心のある回のみの参加でも問題ありません.日時の都合が付かない場合でも,申し込みいただけますと後日アーカイブ動画(1週間限定配信)にアクセスできるようになりますので,そちらの利用もご検討ください.
シリーズ全体の概要を以下に示します.
アルファベットは現代世界で最も広く用いられている文字体系であり,英語もそれを受け入れてきました.しかし,そのような英語もアルファベットとは歴史の過程で出会ったものにすぎず,綴字として手なずけていくのに千年以上の年月を要しました.本講座では,英語が文字や綴字と格闘してきた歴史をたどります.
全4回のタイトルは以下の通りです.
・ 第1回 文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり(春・4月29日に開講済み)
・ 第2回 古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ(夏・7月29日に開講予定)
・ 第3回 中英語の綴字 --- 標準なき繁栄(秋・未定)
・ 第4回 近代英語の綴字 --- 標準化を目指して(冬・未定)
シリーズ紹介として,Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」にて「#668. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まります」も配信していますので,ぜひお聴きください.
4週間ほど後,4月29日(土)の 15:30--18:45 に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「文字と綴字の英語史」と題するシリーズ講座がオープンします.全4回のシリーズで,英語の文字と綴字をめぐる歴史についてお話ししていきます.
この話題にご関心のある方は,ぜひご参加ください.講座紹介および参加お申し込みはこちらからどうぞ.対面のほかオンラインでの参加も可能です.また,レコーディングの1週間限定配信も予定されていますので,ご都合のよい方法で受講していただけます.
シリーズ全体の概要を以下に示します.
アルファベットは現代世界で最も広く用いられている文字体系であり,英語もそれを受け入れてきました.しかし,そのような英語もアルファベットとは歴史の過程で出会ったものにすぎず,綴字として手なずけていくのに千年以上の年月を要しました.本講座では,英語が文字や綴字と格闘してきた歴史をたどります.
全4回のタイトルは以下の通りです.
・ 第1回 文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり(春・4月29日)
・ 第2回 古英語の綴字 --- ローマ字の手なずけ(夏・未定)
・ 第3回 中英語の綴字 --- 標準なき繁栄(秋・未定)
・ 第4回 近代英語の綴字 --- 標準化を目指して(冬・未定)
初回となる「文字の起源と発達 --- アルファベットの拡がり」でお話しする内容は次の通りです.
文字は人類最強の発明の1つです.人類は文字を手に入れることにより文明を発展させてきました.では,文字はいつ,どこで,どのように発明され,伝播してきたのでしょうか.歴史の過程で様々な文字体系が生まれてきましたが,そのうちの1つがアルファベットでした.アルファベット自身も変化と変異を繰り返し多様化してきましたが,その1つが私たちのよく知るローマン・アルファベットです.英語は紀元6世紀頃にこれを借り受け,本格的な文字時代に入っていくことになります.
本シリーズの案内は,hellog の姉妹版・音声版の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」より「#668. 朝カル講座の新シリーズ「文字と綴字の英語史」が4月29日より始まりますでもお届けしています.ぜひお聴きください.
多くの皆様の参加をお待ちしています!
昨日3月4日,朝日カルチャーセンター新宿教室にて,シリーズ講座「英語の歴史と世界英語」の最終回となる「21世紀の英語のゆくえ」を対面・オンラインでお話ししました.これにて,昨年6月に始まった全4回にわたるシリーズが終了となりました.毎回質問を寄せ議論を盛り上げてくださったご出席の方々には,感謝申し上げます.ありがとうございました.
改めてシリーズ全体の趣旨を振り返ります.以下を掲げていました.
英語は現代世界において最も有力な言語です.しかし,英語の世界的拡大の結果,通常私たちが学んでいる「標準英語」以外にも様々な英語が発達しており,近年はその総体を「世界(諸)英語」 "World Englishes" と呼ぶことが増えてきました.
この全4回のシリーズでは,世界英語とは何か,英語はいかにしてここまで拡大したのか,英語の方言の起源はどこにあるのか,そして今後の英語はどうなっていくのかといった問題に英語の歴史という視点から迫ります.
目下,世界は急速に変化しています.このような現代世界において人と人をつなぐリンガ・フランカである英語と,私たちは今後どのように付き合っていけばよいのか.英語史の観点から世界英語に迫った今回のシリーズ講座は,この問題を考える糧となったはずです.
世界英語 (world_englishes) については,本ブログや Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」でも関連する話題を多くお届けてしてきました.以下では,とりわけ講座と併走しつつ提供してきた記事・放送回を列挙します.復習などに役立てていただければ幸いです.
なお,来年度は同じ朝日カルチャーセンター新宿教室にて新シリーズ「文字と綴字の英語史」を開始します.こちらについての詳細は近日中に改めてご案内致します.どうぞお楽しみに.
[ 第1回 世界英語入門 (2022年6月11日)]
・ hellog 「#4775. 講座「英語の歴史と世界英語 --- 世界英語入門」のシリーズが始まります」 ([2022-05-24-1])
・ heldio 「#356. 世界英語入門 --- 朝カル新宿教室で「英語の歴史と世界英語」のシリーズが始まります」
・ heldio 「#378. 朝カルで「世界英語入門」を開講しました!」
[ 第2回 いかにして英語は拡大したのか (2022年8月6日)]
・ hellog 「#4813. 朝カル講座の第2回「英語の歴史と世界英語 --- いかにして英語は拡大したのか」のご案内」 ([2022-07-01-1])
・ heldio 「#393. 朝カル講座の第2回「英語の歴史と世界英語 --- いかにして英語は拡大したのか」」
[ 第3回 英米の英語方言 (2022年10月1日)]
・ hellog 「#4875. 朝カル講座の第3回「英語の歴史と世界英語 --- 英米の英語方言」のご案内」 ([2022-09-01-1])
・ heldio 「#454. 朝カル講座の第3回「英語の歴史と世界英語 --- 英米の英語方言」」
[ 第4回 21世紀の英語のゆくえ (2022年3月4日)]
・ hellog 「#4954. 朝カル講座の第4回(最終回)「英語の歴史と世界英語 --- 21世紀の英語のゆくえ」のご案内」 ([2022-11-19-1])
・ hellog 「#5048. heldio で朝カル講座の第4回(最終回)「英語の歴史と世界英語 --- 21世紀の英語のゆくえ」の予告編をお届けしています」 ([2023-02-21-1])
・ heldio 「#630. 世界英語の ENL, ESL, EFL モデルはもう古い? --- 3月4日,朝カル新宿教室で「英語の歴史と世界英語」のシリーズが完結します」
おおよそ2週間後に迫ってきましたが,2023年3月4日(土)15:30--18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて全4回のシリーズ「英語の歴史と世界英語」の第4回(最終回)講座「21世紀の英語のゆくえ」が開講されます.昨日の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」で,講座の予告編となる話しをしていますので,ぜひお聴きください.「#630. 世界英語の ENL, ESL, EFL モデルはもう古い? --- 3月4日,朝カル新宿教室で「英語の歴史と世界英語」のシリーズが完結します」です.
3月4日の講義は,教室での対面およびオンラインによるハイブリッドの講義となります.受講される方は,リアルタイム受講のほか1週間限定で講義動画を視聴できますので,ご都合のよい方法での参加をご検討ください.
シリーズのまとめの回という位置づけではありますが,実際には各回は独立しています.これまでの回を受講していない方にも,問題なく受講していただけますのでご安心ください.講座の詳細とお申し込みはこちらの公式ページよりお願い致します.
講座の概要は,公式ページからの引用となりますが以下の通りです.
「21世紀の英語のゆくえ」
世界中のコミュニケーションがますます求められる21世紀,英語の世界語としての役割に期待が寄せられる一方,世界各地で異なる種類の英語が生まれ続けています.求心力と遠心力がともに作用する英語を巡るこの複雑な状況について,英語史の観点から解釈を加えます.また,世界英語を記述するいくつかのモデルを紹介しながら World Englishes とはいかなる現象なのかを考察し,今後の英語のゆくえを占います.
シリーズの第1回から第3回までの講座と関連する話題は,hellog や heldio でも取り上げてきました.次回第4回に向けて復習・予習ともなりますので,以下のバックナンバーを参考までにどうぞ.なお,新年度からは,同じ朝日カルチャーセンター新宿教室にて英語史に関する新シリーズを開始する予定です.
[ 第1回 世界英語入門 (2022年6月11日)]
・ hellog 「#4775. 講座「英語の歴史と世界英語 --- 世界英語入門」のシリーズが始まります」 ([2022-05-24-1])
・ heldio 「#356. 世界英語入門 --- 朝カル新宿教室で「英語の歴史と世界英語」のシリーズが始まります」
・ heldio 「#378. 朝カルで「世界英語入門」を開講しました!」
[ 第2回 いかにして英語は拡大したのか (2022年8月6日)]
・ hellog 「#4813. 朝カル講座の第2回「英語の歴史と世界英語 --- いかにして英語は拡大したのか」のご案内」 ([2022-07-01-1])
・ heldio 「#393. 朝カル講座の第2回「英語の歴史と世界英語 --- いかにして英語は拡大したのか」」
[ 第3回 英米の英語方言 (2022年10月1日)]
・ hellog 「#4875. 朝カル講座の第3回「英語の歴史と世界英語 --- 英米の英語方言」のご案内」 ([2022-09-01-1])
・ heldio 「#454. 朝カル講座の第3回「英語の歴史と世界英語 --- 英米の英語方言」」
2023年3月4日(土)15:30--18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて全4回のシリーズ「英語の歴史と世界英語」の第4回講座「21世紀の英語のゆくえ」を開講します.シリーズ最終回です.教室・オンライン同時開催で,受講された方は後日1週間限定のアーカイヴ動画も視聴できますので,ご都合に合う方法でご参加ください.シリーズものではありますが各回は独立していますので,第1回から第3回までの講座を受講していない方も安心してご参加いただけます.講座の詳細とお申し込みはこちらの公式ページよりどうぞ.
講座そのものは4ヶ月近く先なのですが,昨日11月18日(金)の朝日新聞夕刊4面にて以下のように紹介されましたので,hellog でもこのタイミングでご案内(第1弾)します.
講座の概要は,公式ページからの引用となりますが以下の通りです.
「21世紀の英語のゆくえ」
世界中のコミュニケーションがますます求められる21世紀,英語の世界語としての役割に期待が寄せられる一方,世界各地で異なる種類の英語が生まれ続けています.求心力と遠心力がともに作用する英語を巡るこの複雑な状況について,英語史の観点から解釈を加えます.また,世界英語を記述するいくつかのモデルを紹介しながら World Englishes とはいかなる現象なのかを考察し,今後の英語のゆくえを占います.
シリーズの第1回から第3回までの講座と関連する話題は,hellog や heldio でも取り上げてきました.次回第4回に向けて復習・予習ともなりますので,以下のバックナンバーも参考までにどうぞ.
[ 第1回 世界英語入門 (2022年6月11日)]
・ hellog 「#4775. 講座「英語の歴史と世界英語 --- 世界英語入門」のシリーズが始まります」 ([2022-05-24-1])
・ heldio 「#356. 世界英語入門 --- 朝カル新宿教室で「英語の歴史と世界英語」のシリーズが始まります」
・ heldio 「#378. 朝カルで「世界英語入門」を開講しました!」
[ 第2回 いかにして英語は拡大したのか (2022年8月6日)]
・ hellog 「#4813. 朝カル講座の第2回「英語の歴史と世界英語 --- いかにして英語は拡大したのか」のご案内」 ([2022-07-01-1])
・ heldio 「#393. 朝カル講座の第2回「英語の歴史と世界英語 --- いかにして英語は拡大したのか」」
[ 第3回 英米の英語方言 (2022年10月1日)]
・ hellog 「#4875. 朝カル講座の第3回「英語の歴史と世界英語 --- 英米の英語方言」のご案内」 ([2022-09-01-1])
・ heldio 「#454. 朝カル講座の第3回「英語の歴史と世界英語 --- 英米の英語方言」」
ちょうど1ヶ月後のことになりますが,2022年10月1日(土)15:30--18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて全4回のシリーズ「英語の歴史と世界英語」の第3回講座「英米の英語方言」を開講します.対面・オンラインのハイブリッド講座として開講される予定です.ご関心のある方は,ぜひ参加をご検討ください.シリーズ講座ではありますが,毎回独立した講座となっていますので,第1回,第2回に参加されていない方もご安心ください.詳細とお申し込みはこちらの公式ページよりどうぞ.第3回講座の概要は以下の通りです.
現代の「世界英語」を構成するさまざまな変種は,英語の諸方言とみることができます.実際,英語の歴史において方言は常に多様な形で存在し続けてきており,決して現代に特有の現象ではありません.アメリカ英語にも多くの方言が,イギリス英語にはさらに多くの方言がありましたし,今もあります.つまり「世界英語」は,歴史的な英語諸方言の延長線上にある現象なのです.英米方言,および諸方言の対極にある標準語の役割にも注目します.
21世紀の世界英語 (World Englishes) も,英語史を通じて存在し続けてきた英語諸方言も,様々な英語の集合体という点では変わりありません.多様性が展開する舞台こそ,狭いブリテン島から広い地球へと拡がってきましたが,本質的に新しいことが生じているわけではありません.現代世界で英語に生じている出来事は,歴史的には必ずしも特別なものではないのです.
とはいえ,もちろんすべてが同じわけでもありません.そのような異同を考えることで,現代の世界英語現象の特殊性をも浮き彫りにしていきたいと思います.かつての英語の多様性を振り返るに当たって,2大英語国である英米の諸方言に焦点を当てます.
第3回講座についてもう少し詳しく知りたい方は,予告編として Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」を通じて「#454. 朝カル講座の第3回「英語の歴史と世界英語 --- 英米の英語方言」」を配信していますので,そちらをお聴きください.
シリーズ講座の第1回,第2回については,以下の hellog や heldio でも取り上げています.こちらも参考までにどうぞ.
・ hellog 「#4775. 講座「英語の歴史と世界英語 --- 世界英語入門」のシリーズが始まります」 ([2022-05-24-1])
・ heldio 「#356. 世界英語入門 --- 朝カル新宿教室で「英語の歴史と世界英語」のシリーズが始まります」 (2022/05/22)
・ heldio 「#378. 朝カルで「世界英語入門」を開講しました!」 (2022/06/13)
・ hellog 「#4813. 朝カル講座の第2回「英語の歴史と世界英語 --- いかにして英語は拡大したのか」のご案内」 ([2022-07-01-1])
・ heldio 「#393. 朝カル講座の第2回「英語の歴史と世界英語 --- いかにして英語は拡大したのか」」 (2022/06/28)
1ヶ月ほど先のことになりますが,2022年8月6日(土)15:30--18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて全4回のシリーズ「英語の歴史と世界英語」の第2回講座「いかにして英語は拡大したのか」を開講します.対面・オンラインのハイブリッド講座として開講される予定です.ご関心のある方は,ぜひご参加いただければと存じます.シリーズの第1回講座「世界英語入門」は6月11日(土)に開講し終了していますが,シリーズとはいえ毎回独立した講座となっていますので,第1回に参加されていない方もご安心ください.お申し込みはこちらよりどうぞ.
次の第2回講座の概要は以下の通りです.
英語は現代世界で最も影響力のある言語ですが,昔からそうだったわけではあません.英語が本格的にイングランド外へ展開したのは近代期,世界的な言語に成長したのは18世紀以降にすぎません.いかにして島国の言語が世界を代表するリンガ・フランカへと成長したのでしょうか? 英語の歴史を概観しつつ,その世界的拡大の道筋をたどります.
現代の「世界英語」現象を生み出すことになった,英語拡大の近代史を描く予定です.拡大の歴史が一直線ではなく,複数のウネウネ曲線であった点に焦点を当てる予定です.もう少し詳しい紹介を知りたい方は,予告編として Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」を通じて「#393. 朝カル講座の第2回「英語の歴史と世界英語 --- いかにして英語は拡大したのか」」として配信していますので,こちらをお聴きください.
なお,第1回については「#4775. 講座「英語の歴史と世界英語 --- 世界英語入門」のシリーズが始まります」 ([2022-05-24-1]) が参考になると思います.そちらからは,世界英語 (world_englishes) に関する参考文献その他の情報へのリンクも張っています.
また,第1回開講前後に,関連する話題について記事を執筆したりラジオ収録をしていますので,以下よりご参照ください.
・ heldio 「#356. 世界英語入門 --- 朝カル新宿教室で「英語の歴史と世界英語」のシリーズが始まります」
・ heldio 「#378. 朝カルで「世界英語入門」を開講しました!」
・ hellog 「#4794. 英語の標準化 vs 英語の世界諸変種化」 ([2022-06-12-1])
・ hellog 「#4795. 標準英語,世界英語,ELF の三つ巴」 ([2022-06-13-1])
・ hellog 「#4798. ENL での言語変化は「革新」で,ESL/EFL では「間違い」?」 ([2022-06-16-1])
・ hellog 「#4799. Jenkins による "The Lingua Franca Core"」 ([2022-06-17-1])
・ hellog 「#4800. Lingua Franca Core への批判」 ([2022-06-18-1])
・ hellog 「#4803. 「英語」「英語複合体」「諸英語」」 ([2022-06-21-1])
・ hellog 「#4805. "World Englishes" と "ELF" の共存を目指して」 ([2022-06-23-1])
来たる6月11日(土)の 15:30--18:45 の初回を皮切りに,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と世界英語 --- 世界英語入門」と題するシリーズ講座が始まります.全4回のシリーズで,今をときめく「世界英語」 (world_englishes) をテーマに英語史の観点からお話ししていく予定です.
ご関心のある方は,ぜひご参加ください.講座紹介および参加お申し込みはこちらからどうぞ.対面のほかオンラインでの参加も選べます.また,1週間のレコーディング限定配信も予定されていますので,都合のよい方法でご参加いただけます.
シリーズ全体の概要を以下に転記しておきます.
言うまでもなく英語は現代世界において最も有力な言語です.しかし,英語の世界的拡大の結果,通常私たちが学んでいる「標準英語」以外にも様々な英語が発達しており,近年はその総体を世界英語 (World Englishes) と呼ぶことが増えてきました.
この全4回のシリーズでは,世界英語とは何か,英語はいかにしてここまで拡大したのか,英語の方言の起源はどこにあるのか,そして今後の英語はどうなっていくのかといった問題に英語の歴史という視点から迫ります.
全4回のタイトル(予定)は以下の通りです.
・ 第1回 世界英語入門(6月11日)
・ 第2回 いかにして英語は拡大したのか(8月6日)
・ 第3回 英米の英語方言(未定)
・ 第4回 21世紀の英語のゆくえ(未定)
初回となる「世界英語入門」でお話しする内容はおよそ次の通りとなる見込みです.
通常私たちが学んでいる「標準英語」は英米英語を基盤としていますが,現在世界中で用いられている英語はインド英語,ナイジェリア英語,ジャマイカ英語などと実に多様です.近年,これらは「世界英語」(英語では複数形の "World Englishes")として呼ばれることも多くなってきました.本講義では,この「世界英語」現象とは何なのかを導入するとともに,なぜ,どのようにこの現象が生じているのかについて,主に英語の歴史の観点から議論します.
本シリーズの案内は,hellog の姉妹版・音声版の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」 でも配信していますので,ぜひそちらもお聴きください.
世界英語と関連して,以下の hellog 記事,heldio 放送もどうぞ.
・ hellog 「#4558. 英語史と世界英語」 ([2021-10-19-1])
・ hellog 「#4730. World Englishes の学び始めに何冊か本を紹介」 ([2022-04-09-1])
・ heldio 「#141. 対談 英語史 X 国際英語」(khelf(慶應英語史フォーラム)顧問である泉類尚貴氏との対談)
・ heldio 「#173. 立命館大学,岡本広毅先生との対談:国際英語とは何か?」
・ heldio 「#314. 唐澤一友先生との対談 今なぜ世界英語への関心が高まっているのか?」
皆様の本シリーズへの参加をお待ちしています!
3月19日(土)15:30--18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて標題のお話しをさせていただきました.2年半ほど前より12回に渡る「英語の歴史と語源」シリーズを開講してきましたが,そのダイジェストとして番外編ではありますが第13回を開いた次第です.これで本当にシリーズ終了となります(シリーズ全体については「#4702. 講座「英語の歴史と語源」のダイジェスト「英語語彙の歴史」のご案内」 ([2022-03-12-1]) をご覧ください).第13回の番外編も前回に続き対面・オンラインのハイブリッド形式で行ないましたが,合わせて多くの方々にご参加いただきました.ありがとうございます.
ダイジェストとは言いながらも,実際には新しい話題も少なからず加えましたので,ある程度独立した内容となっていたかと思います.とりわけ英語と日本語の語彙史の比較などは,シリーズ中では簡単に触れることはあっても詳しくは取り上げてきませんでしたので,今回の機会を借りて注目することができました.
今回の講座で用いたスライドをこちらに公開します.以下はスライドの各ページへのリンクです.
1. 英語の歴史と語源・13「英語語彙の歴史 ? ダイジェスト英語の歴史と語源」
2. 「英語語彙の歴史 ? ダイジェスト英語の歴史と語源」
3. 目次
4. 1. はじめに ? 英語語彙史の概要
5. 過去12回の「英語の歴史と語源」シリーズ
6. 2. 英語語彙の規模と種類の豊富さ
7. 語源で世界一周
8. 3. 日英語彙史比較
9. 4. 印欧語族
10. 5. 英語語彙史の詳細
11. 6. 現代の英語語彙にみられる歴史の遺産
12. 7. 現代英語の新語形成
13. 8. 英語の人名の歴史
14. 9. 英語語彙史から考える語彙拡充の功罪
15. 「インク壺語」の大量借用
16. 大量借用への反応
17. インク壺語,チンプン漢語,カタカナ語の対照言語史
18. 10. おわりに
19. 参考文献
長きにわたってシリーズにご参加いただいた方々には感謝いたします.ありがとうございました.
今後は新シリーズとして4回にわたり「英語の歴史と世界英語 --- 世界英語入門」を開講する予定です.初回は少し先の6月11日(土)となりますが,案内はすでにこちらに出ていますので関心のある方はご参照ください.今後ともよろしくお願いいたします.
2年半ほど前に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源」と題するシリーズ講座を開始しました.全12回の講座は,おかげさまをもちまして昨年10月23日(土)をもって終了いたしました.
さて,このたび上記シリーズのダイジェスト版となる単発講座「英語語彙の歴史」を開講することになりました.来週3月19日(土)15:30--18:45に開講予定です.新宿教室での対面のほか,オンラインも組み合わせた形式で開講しますので,空間に制限されずに参加いただけます.ご関心のある方はこちらよりご予約ください.ダイジェスト版とはいえ独立した1つの講座です.趣旨は以下の通りとなります.
英語の語彙は世界一の規模を誇りますが,語源の観点からみても種類が実に豊富です.英語の語彙が規模・種類において豊かであることは,英語がたどってきた歴史,とりわけ多くの言語と交流してきた歴史と密接に関係しています.本講座では,日本語の語彙史とも比較対照させながら,英語の語彙史を通覧します.2019年から2021年にかけて全12回にわたって開講してきたシリーズ「英語の歴史と語源」の総括としても是非どうぞ.
なお,過去12回のシリーズの各回については本ブログでも取り上げてきました.以下をご参照ください.
・ 「#3731. 講座「英語の歴史と語源」の第1回「インドヨーロッパ祖語の故郷」を終えました」 ([2019-07-15-1])
・ 「#3757. 講座「英語の歴史と語源」の第2回「ケルトの島」を終えました」 ([2019-08-10-1])
・ 「#3792. 講座「英語の歴史と語源」の第3回「ローマ帝国の植民地」を終えました」 ([2019-09-14-1])
・ 「#3832. 講座「英語の歴史と語源」の第4回「ゲルマン民族の大移動」を終えました」 ([2019-10-24-1])
・ 「#3845. 講座「英語の歴史と語源」の第5回「キリスト教の伝来」を終えました」 ([2019-11-06-1])
・ 「#3988. 講座「英語の歴史と語源」の第6回「ヴァイキングの侵攻」を終えました」 ([2020-03-28-1])
・ 「#4180. 講座「英語の歴史と語源」の第7回「ノルマン征服とノルマン王朝」を終えました」 ([2020-10-06-1])
・ 「#4266. 講座「英語の歴史と語源」の第8回「ジョン失地王とマグナカルタ」を終えました」 ([2020-12-31-1])
・ 「#4347. 講座「英語の歴史と語源」の第9回「百年戦争と黒死病」を終えました」 ([2021-03-22-1])
・ 「#4423. 講座「英語の歴史と語源」の第10回「大航海時代と活版印刷術」を終えました」 ([2021-06-06-1])
・ 「#4485. 講座「英語の歴史と語源」の第11回「ルネサンスと宗教改革」を終えました」 ([2021-08-07-1])
・ 「#4568. 講座「英語の歴史と語源」の第12回「市民革命と新世界」を終えました --- これにてシリーズ終了」 ([2021-10-29-1])
どうぞよろしくお願いいたします.
去る10月23日(土)15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・12 「市民革命と新世界」」を,対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式で開講しました.2年ほど前に開始した「英語の歴史と語源」シリーズの最終回ということですが,何とか走りきることができました.参加者や朝カルのスタッフの皆さんのおかげです,ありがとうございました.
今回は,革命で大荒れだったスチュアート朝の時代,ほぼまるまる17世紀に焦点を当てました.ルネサンスの熱気が冷め,革命で荒れた時代ながらも,抑制と理知に特徴づけられた英語の散文が発展してきました.この時代の散文は,私たちにとってそれなりに現代的に見えます.とりわけ王政復古後の散文の文体は,私たちにとって身近で知っている英語の文章という感じがします.
そして,英語そのものもぐんと現代に近づいきています.この時代までに綴字の標準化はかなりの程度進んでいましたし,文法的にいえば例えば疑問文・否定文における do の使用など,現代的な統語的規則が確立しました.
17世紀半ばから18世紀初頭にかけて,英語を統制するアカデミー設立への関心が高まりましたが,1712年にその試みが頓挫すると,以後,関心は薄まりました.現在に至るまで英語アカデミーなるものが存在しないのは,このときの頓挫に負っています.英語が世界化した21世紀,アカデミーの不在は良いことなのか悪いことなのか.この現代的問題を論じる上でも,17世紀の英語を巡る状況を理解しておくことは重要です.
今回の講座で用いたスライドをこちらに公開しますので,ご覧ください.以下にスライドの各ページへのリンクも張っておきます.復習などにどうぞ.
1. 英語の歴史と語源・12「市民革命と新世界」
2. 第12回 市民革命と新世界
3. 目次
4. 関連年表
5. 1. スチュアート朝と市民革命 --- 清教徒革命と名誉革命
6. 2. ルネサンスの熱狂から革命・王政復古期の抑制と理知へ
7. 3. 英語の市民化とアカデミー設立の試み
8. 4. 17世紀の英語の注目すべき事項
9. 5. 英語の世界展開が本格的に開始
10. まとめ
11. 参考文献
12. 補遺1:フランシス・ベーコン『随筆集』 (Essays, 1597) より「怒りについて」
13. 補遺2:サミュエル・ピープス『日記』 (Diary, 1825) より「1665年のペストに関する記録」
「英語の歴史と語源」シリーズはこれにて終了ですが,次期も別の話題で講座を開く予定です.
朝日カルチャーセンター新宿教室にて全12回の企画で2年ほど前に始めた「英語の歴史と語源」シリーズが,いよいよ最終回となります.2週間後に迫った第12回(最終回)のお知らせです.「市民革命と新世界」と題して2021年10月23日(土)15:30--18:45に開講予定です.対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式を予定しています.関心のある方はこちらよりご予約ください.今回の趣旨は以下の通りです.
17世紀イングランドは「清教徒革命」と「名誉革命」という2つの大変革を経験しました.一般に国内の混乱の世紀ととらえられていますが,英語史の観点からは,後に英語が国外に展開してゆく足場を築いた時期として重要な意義をもちます.実際,同世紀中にイングランドは北米に植民地を築き,インドへの影響力をもち始めました.英語の世界的展開が本格的に始まろうとしていた時代に焦点を当てつつ,英語の現在と未来についても考察します.
今回は,イングランドの革命の時代,17世紀に焦点を当てます.この時期は,イングランド国内の状況こそ混乱を極めましたが,国外への展開は順調であり,20--21世紀にかけて大国へと成長していくことになる北米やインドに橋頭堡を築いた時代として,歴史的にたいへん重要な意義をもちます.お祭り騒ぎというべきルネサンスの熱は冷めてしまったものの,英語がいよいよ自信と安定感を獲得し,国内外において規範を確立させようと引き締めに入った時期でもあります.現代に直接通じる言語特徴や言語意識が生まれたこの時代に注目しつつ,21世紀の英語も占いながら本シリーズを締めくくりたいと思います.皆様のご参加をお待ちしています.
先週7月31日(土)15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・11 「ルネサンスと宗教改革」」と題してお話しをしました.今回も多くの方々に参加いただきました.質問やコメントも多くいただき活発な議論を交わすことができました.ありがとうございます.
今回は,16世紀の英語が抱えていた3つの「悩み」に注目しました.現在,英語は世界のリンガ・フランカとなっており,威信を誇っていますが,400年ほど前の英語は2流とはいわずともいまだ1.5流ほどの言語にすぎませんでした.千年以上の間,ヨーロッパ世界に君臨してきたラテン語などと比べれば,赤ちゃんのような言語にすぎませんでした.しかし,そのラテン語を懸命に追いかけるなかで,後の飛躍のヒントをつかんだように思われます.16世紀は,英語にとって,まさに産みの苦しみの時期だったのです.
今回の講座で用いたスライドをこちらに公開します.以下にスライドの各ページへのリンクも張っておきますので,復習などにご利用ください.
1. 英語の歴史と語源・11「ルネサンスと宗教改革」
2. 第11回 ルネサンスと宗教改革
3. 目次
4. 1. 序論
5. 16世紀イングランドの5つの社会的変化
6. 2. 宗教改革とは?
7. イングランドの宗教改革とその特異性
8. 印刷術と宗教改革の二人三脚
9. 3. ルネサンスとは?
10. イングランドにおける宗教改革とルネサンスの共存
11. 4. ルネサンスと宗教改革の英語文化へのインパクト
12. 16世紀の英語が抱えていた3つの悩み
13. 5. 英語の悩み (1) - ラテン語からの自立を目指して
14. 古英語への関心の高まり
15. 6. 英語の悩み (2) - 綴字標準化のもがき
16. 語源的綴字 (etymological spelling)
17. debt の場合 (#116)
18. 他の語源的綴字の例
19. 語源的綴字の礼賛者 Holofernes
20. 7. 英語の悩み (3) - 語彙増強のための論争
21. R. コードリーの A Table Alphabeticall (#1609)
22. 一連の聖書翻訳
23. まとめ
24. 参考文献
25. 補遺1:Love’s Labour’s Lost
26. 補遺2:「創世記」11:1-9 (「バベルの塔」)の Authorised Version と新共同訳
次回の第12回はシリーズ最終回となります.「市民革命と新世界」と題して2021年10月23日(土)15:30?18:45に開講する予定です.
全12回ということで2年前に開始した「英語の歴史と語源」シリーズですが,ゆっくりと進めているうちに,気づいてみれば,残すところ2回となりました.本日は第11回のお知らせです.
2週間後の7月31日(土)15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・11 「ルネサンスと宗教改革」」と題してお話しします.英語が世界的な地位を築いた現在からは予想すらできない,当時の英語が抱えていた様々な「悩み」に注目します.関心をお持ちの方は是非こちらよりお申し込みください.趣旨は以下の通りです.
16世紀イングランドでは,ルネサンスと宗教改革は奇妙な形で共存していました.ルネサンスに伴う知識の爆発はラテン語やギリシア語への憧れを生み出し,英語はそこから大量の単語を借用することで語彙を格段に豊かにしました.一方,宗教改革に伴う自国語意識の高まりから,英語そのものの評価も高まりました.このような相矛盾する言語文化の中で英訳聖書が誕生することになりました.英語がいよいよ輝きを増してきた時代に焦点を当てます.
今から4--5世紀も前の話しであり,ずいぶんと昔のことに聞こえるかもしれませんが,英語全盛の現代に直接つながる時代の話題です.歴史的に弱小言語だった英語が,いかにして現代にかけて威信と覇権を獲得することになったのか.これを真に理解するには,今回注目する16世紀,英語にとっての苦しみの時期を振り返っておくことが必要になります.現代における英語の覇権の起源について,皆さんと一緒に考えていきたいと思います.
去る5月29日(土)の15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・10 大航海時代と活版印刷術」を開講しました.全12回のシリーズですが,いよいよ終盤に入ってきました.今回も不自由の多い状況のなか参加していただいた皆さんに感謝致します.いつも通り,質問やコメントも多くいただきました.
今回のお話しの趣旨は以下の通りです.
15世紀後半?16世紀前半のイングランドは,ヨーロッパで始まっていた大航海時代と活版印刷術の発明という歴史上の大事件を背景に,近代国家として,しかしあくまで二流国家として,必死に生き残りを模索していた時代でした.この頃までに,英語はイングランドの国語として復活を遂げていたものの,対外的にいえば,当時の世界語たるラテン語の威光を前に,いまだ誇れる言語とはいえませんでした.英語史では比較的目立たない同時期に注目し,来たるべき飛躍の時代への足がかりを捕らえます.
今回の講座で用いたスライドをこちらに公開します.以下にスライドの各ページへのリンクも張っておきます.
1. 英語の歴史と語源・10「大航海時代と活版印刷術」
2. 第10回 大航海時代と活版印刷術
3. 目次
4. 1. 大航海時代
5. 新航路開拓の略年表
6. 大航海時代がもたらしたもの --- 英語史の観点から
7. 1492年,スペインの栄光
8. 2. 活版印刷術
9. 印刷術の略年表
10. グーテンベルク (1400?--68)
11. ウィリアム・キャクストン (1422?--91)
12. 印刷術と近代国語としての英語の誕生
13. 印刷術の綴字標準化への貢献
14. 「印刷術の導入が綴字標準化を推進した」説への疑義
15. 綴字標準化はあくまで緩慢に進行した
16. 3. 当時の印刷された英語を読む
17. Table Alphabeticall (1604) by Robert Cawdrey
18. まとめ
19. 参考文献
次回のシリーズ第11回は「ルネサンスと宗教改革」です.2021年7月31日(土)の15:30?18:45に開講予定です.英語にとって,ラテン語を仰ぎ見つつも国語として自立していこうともがいていた葛藤の時代です.講座の詳細はこちらからどうぞ.
4月1日より連日「#4357. 新年度の英語史導入キャンペーンを開始します」 ([2021-04-01-1]) として,英語史の学びを応援するキャンペーンを張っています.
多くの人にとって,英語の歴史への入口は英単語の語源ではないでしょうか.各単語には生まれ育ってきた歴史があります.言語学には "Every word has its own history." という金言があるとおり,単語一つひとつに「人生」があるのです.単語のなかには,生み出された背景に歴史的な事件が関与しているものもあれば,現在までに意味を大きく変化させてきたものもありますし,また死語となったものも多数あります.こういった各単語の歴史は「語誌」とも呼ばれますが,一人ひとりの生涯と同じように独特の魅力を放っています.
というわけで,本ブログでも語源に関する話題は非常に多く取り上げてきました.etymology で検索すると,どれを読めばよいのか目移りするはずです.そこで,とりわけ英単語の語源に関心のある読者の皆さんに向けて,hellog 内の情報を少し整理したいと思います.
(1) まず,道具立てとして語源辞書が必要ですね.オンラインで最も手軽にアクセスできる英語語源辞書は Online Etymology Dictionary です.私の作った「#952. Etymology Search」 ([2011-12-05-1]) もご利用ください.
(2) あわせて American Heritage Dictionary of the English Language (4th ed.) の語源ノートも検索できる,自作の「#1819. AHD Word History Note Search」 ([2014-04-20-1]) もご活用ください.
(3) その他,「#485. 語源を知るためのオンライン辞書」 ([2010-08-25-1]) のリンク先も適宜参照するとよいと思います.
(4) しかし,本格的な語源情報を求めるならば,まだまだ紙媒体の語源辞書や一般辞書が基本です.「#600. 英語語源辞書の書誌」 ([2010-12-18-1]) で一覧した各種辞書を引く習慣をつけていただければと思います(ただし,これらの辞書にも電子化・オンライン化されているものはあります).『英語語源辞典』(研究社)と OED は基本中の基本という文典です.
(5) 2018年7月21日に朝日カルチャーセンター新宿教室で「歴史から学ぶ英単語の語源」という講座を開きました.このときの資料を「#3381. 講座「歴史から学ぶ英単語の語源」」 ([2018-07-30-1]) にて公開していますので,ご自由にどうぞ.
(6) これは宣伝ともなりますが,目下,朝日カルチャーセンター新宿教室で,全12回の講座「英語の歴史と語源」を開いています.第9回まで終わっており,次の第10回は5月29日(土)の15:30?18:45に予定されています.「英語の歴史と語源・10 大航海時代と活版印刷術」です.ご関心のある方は,こちらからどうぞ.第9回までのバックナンバーについては,hellog でも取り上げてきました.こちらの記事セットをご覧ください.
(7) 語源による英単語学習法に関心がある方は,「#3546. 英語史や語源から英単語を学びたいなら,これが基本知識」 ([2019-01-11-1]),「#3698. 語源学習法のすゝめ」 ([2019-06-12-1]) や「#3696. ボキャビルのための「最も役に立つ25の語のパーツ」」 ([2019-06-10-1]) などの記事をどうぞ.
(8) 「語源学」そのものに関心をもった方は,上級編となりますが##466,1791,727,598,599,636,1765の記事セットをご覧ください.
なお,英語史という分野は,単語や語彙の歴史という側面には大いに関心を寄せていますが,もちろんそれだけに限定されるわけではありません.英語の発音や文法の歴史も扱いますし,談話,方言,他言語との関わりなどを含む,語用論や社会言語学的な分野も重要な関心事です.
先日の記事「#4338. 講座「英語の歴史と語源」の第9回「百年戦争と黒死病」のご案内」 ([2021-03-13-1]) でお知らせしたように,3月20日(土)の15:30?18:45に,朝日カルチャーセンター新宿教室にて「英語の歴史と語源・9 百年戦争と黒死病」を開講しました.数ヶ月に一度,ゆっくり続けているシリーズですが,いよいよ中世も終わりに近づいて来ました.
今回も厳しいコロナ禍の状況のなかで参加していただいた皆さんには感謝致します.熱心な質問やコメントもたくさんのいただき,ありがとうございました.
今回は,黒死病が重要テーマの1つということもあり,タイムリーを狙って「[特別編]コロナ禍と英語」という話題から始めました.その後,14--15世紀の2大事件ともいえる百年戦争 (hundred_years_war) と黒死病 (black_death) を取り上げ,その英語史上の意義を論じました.このような歴史上の大事件は,確かに後世の私たちにも強烈な印象を与えますが,その時代までに醸成されていた歴史の潮流を後押しする促進剤にすぎず,必ずしも事件そのものが本質的で決定的な役割を果たすわけではないと議論しました.現在のコロナ禍も大きな社会変化を引き起こしていると言われますが,本当のところは,既存の潮流を促進しているという点にこそ歴史上の意義があるのかもしれません.
今回の講座で用いたスライドをこちらに公開しておきます.以下にスライドの各ページへのリンクも張っておきます.
1. 英語の歴史と語源・9 「百年戦争と黒死病」
2. 第9回 百年戦争と黒死病
3. 目次
4. 1. [特別編]コロナ禍と英語
5. OED の特集記事
6. 2. 英語の地位の低下と復権(1066?1500年)
7. 英語の復権の歩み (#131)
8. 3. 百年戦争 (Hundred Years War)
9. 百年戦争前後の略年表
10. 百年戦争と英語の復権
11. 4. 黒死病 (Black Death)
12. 黒死病の社会(言語学)的影響 (1)
13. 黒死病と社会(言語学)的影響 (2)
14. 英語による教育の始まり (#1206)
15. 実は当時の英語(中英語)は繁栄していた
16. 黒死病は英語の復権に拍車をかけたにすぎない
17. まとめ
18. 参考文献
次回のシリーズ第10回は2021年5月29日(土)の15:30?18:45を予定しています.印欧祖語から始まった講座も,いよいよ近代に突入します.お題は「大航海時代と活版印刷術」です.この話題について,再び皆さんと議論できればと思います.講座の詳細はこちらからどうぞ.
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