日本における「英語史研究」は,その表現が示すよりもずっと広大な領域を覆っている.たとえて言うならば,日本史研究が,単に日本の過去に起こった出来事を時系列に並べて年表を作る仕事でないのと同じことである.「英語史研究」は国内でも伝統のある学問領域であるし,近年の語学,文学,歴史学などの発展と歩調をそろえて常に進化してきた学問領域でもある.したがって,「英語史研究」の関連分野は広いし,広がる一方である.
そこで,関連分野のなかでも特に緊密な関係を有しているものに絞って「英語史研究」をマッピングしてみたい.とはいっても,大泉先生 (27) がまとめられている「英語史研究」の関係図を再現したまでである.
特に緊密な関連分野ということでいえば,英語の発展に関わってきた国・地域の歴史(政治史,文化史等々)や社会学もこの図に加えたいところである.
・大泉 昭夫 「〈英語史研究〉の概念」,秦 宏一 他(編)『英語文献学研究 --- 小野茂博士還暦記念論文集 ---』 南雲堂,1990年,19--30頁.
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