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イタリック語派の歴史的な分岐と分類については,「#1467. イタリック語派(印欧語族)」 ([2013-05-03-1]) で概要を説明した.現代のロマンス語を分類するに当たっても,(俗)ラテン語からの歴史的な分岐を考えるのが一般的だが,分岐に関わる言語的基準の選び方によって,複数の分類が可能となる.また,共時的には地理的な分布も無視できないため,やはり様々な分類が生じる.社会言語学的な考慮を含めると,さらに問題は複雑化し,「#1660. カタロニア語の社会言語学」 ([2013-11-12-1]) で触れたような政治的な側面が議論に関わってくる.
このような言語の派生と区分についての一般的な議論としては,川口が非常に易しく解説しており,有用である.その上で,川口 (85) は,ロマンス語について歴史的観点と地理的観点を組み合わせた区分の1例を,以下のように提示している.
・ イベリア・ロマンス語群:イベリア半島のロマンス語(ポルトガル語,ガリシア語,スペイン語,カタルーニャ語...)
・ ガリア・ロマンス語群(フランス語,オック語(南フランス),ピエモンテ語(北イタリア)...)
・ イタリア・ロマンス語群(イタリアの諸地方語)
・ サルデーニャ語(ログドーロ語,カンピダーノ語)
・ ラエティア・ロマンス語群(フリウリ語(北イタリア),ラディン語(北イタリア),エンガディン語(北イタリア),ロマンシュ語(スイス))
・ ダルマティア・ロマンス語群(20世紀初頭に最後の話者が死亡したダルマティア語)
・ ダキア・ロマンス語(ルーマニア語等)
サルデーニャ島で話される主要な地域語であるログドーロ語やカンピダーノ語は,イタリア語ではなくラテン語から直接派生した言語であり,ロマンス語のなかでは最も古い状態を残しているという. *
・ 川口 順次 「ロマンス語をめぐって」『地中海の魅力2014,地中海の誘惑2015』 慶應大学文学部,2017年.81--86頁.
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最終更新時間: 2024-11-26 08:10
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